青森県においても、平成28年度から
給付制奨学金制度が始まっています。対象が
生活保護世帯または非課税世帯とし、成績基準を設けています。入学時の負担軽減を支援する目的で100人に100万円の
奨学金制度を創設し、卒業後県内に3年間居住し就業継続すれば返還免除となる制度設計となっています。当初100人の目標でしたが、実績は53人にとどまっています。県内の自治体では、八戸市が
給付制奨学金制度を実施しています。八戸市の場合、寄附金を積み立てし奨学ゆめ基金を財源に実施しているため、
給付対象人数も少数に限られ、成績基準も高い基準が課せられています。一方青森市は、無利子貸与型の
奨学金制度のみであり、成績基準は低く設定し
奨学金返還期間も長く設定されているなど配慮されている点はあるものの、現在の学生が置かれている実態を直視すれば返還義務のない
給付制奨学金制度の創設が求められています。
そこで質問します。本市において
給付制奨学金制度を実施すべきと思うがどうか。
最後に、生活保護について質問します。
7月10日、生活保護を受給している市民の方から、アパートの
火災保険料の支給について相談がありました。現在のアパートに居住してからずっと約10年間、
火災保険料を
生活保護費から支給してもらったことはない、説明をされたこともないというのです。2年に一度の更新時に1万8000円の
火災保険料を最低限度の生活費から捻出して支払ってきたというのです。
生活保護法第1条では、健康で文化的な生活を保障する義務が明記され、第2条には、無差別平等の権利、第7条には、国民の最低生活を守らなければならない職権保護、第9条には、一人一人の実情に合った保護をしなければならない必要即応の原則が明記されています。市民が制度を知らないことを利用し、最低限度の生活費を削り、最低限度以下の生活を強いて見て見ぬふりすることは明らかに
生活保護法違反であり、直ちに改めるべきだと思います。しかも市民個人からの問い合わせに対しては支給できませんと回答しながら、私から、なぜ支給しないのかと改善を求めたら支給しますというのは、余りにも市民に対し不誠実であり、福祉という看板を掲げる資格がないと言わざるを得ません。
そこで質問します。
民間賃貸借住宅に居住している
生活保護受給者に対し、
火災保険料を適正に支給していないことが明らかになりました。なぜそのようなことになるのか原因と対応策を示し、現段階で支給していない受給者の実態調査を行うべきと思うがどうか。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
4 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局理事。
〔
教育委員会事務局理事工藤裕司君登壇〕
5
◯教育委員会事務局理事(工藤裕司君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)村川議員の道徳の教科化についての4つの御質問に順次お答えします。
初めに、学校教育における教育勅語の使用に関する閣議決定についての
教育委員会の認識についての御質問にお答えします。
教育委員会といたしましては、教育勅語について、教育上の指導原理たる性格を否定された昭和23年の
教育勅語等の排除・失効の確認の国会決議を尊重するとともに、各学校においては、憲法や
教育基本法等の法令に抵触するような指導があってはならないと認識しております。
次に、
教科書採択の公開についての御質問にお答えいたします。
教科用図書の採択につきましては、義務教育諸学校の
教科用図書の無償措置に関する法律に基づいて行われており、本市におきましても、同法に基づき県が設定した
共同採択地区である東青地区の
教科用図書採択協議会において、東津軽郡の平内町、外ヶ浜町、今別町及び蓬田村の5市町村での協議結果を踏まえ、各
教育委員会の会議で
教科用図書の採択を決定しているところでございます。
このことから、
教科用図書の採択に係る
教育委員会の会議につきましては、
共同採択地区を構成している他の
市町村教育委員会の採択の決定に影響を及ぼしかねないことから、非公開としているところでございます。
次に、道徳科の学校教育全体における位置づけについての御質問にお答えします。
次期学習指導要領では、学校における道徳教育は、特別の教科である道徳をかなめとしながら学校の教育活動全体を通して行い、道徳教育を通して児童・生徒の豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めるよう示されております。このことから、道徳科は学校においては道徳教育の中心的な役割を果たす教科と位置づけられております。
次に、道徳の評価についての御質問にお答えします。
「
小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編」では、評価について、年間や学期といった一定の時間的なまとまりの中で児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を把握し、他の児童との比較による評価ではなく、児童がいかに成長したかを積極的に受けとめて認め、励ます個人内評価としての文章表現による記述式評価を行うこととしております。
以上でございます。
6 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
〔
教育委員会事務局教育部長横山克広君登壇〕
7
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)村川議員の
給付制奨学金の創設についての御質問にお答えいたします。
教育委員会では、経済的理由によって修学が困難な学生に対し、修学上の経済的負担の軽減を図り、次代を担う人材育成を目的とした
奨学金事業を実施しております。
その内容につきましては、県内外を問わず全ての高等学校、
高等専門学校及び大学、
中等教育学校後期課程、
特別支援学校高等部、専修学校の高等課程及び専門課程に在学し、保護者または親権者が青森市に住所を有している学生を対象に、高等学校及びこれに相当する教育機関につきましては、月額1万6000円、年額で19万2000円、大学及びこれに相当する教育機関につきましては、月額3万3000円、年額で39万6000円を無利子で貸与しているところでございます。また、多くの学生に奨学金が支給できるよう他
奨学金制度との併給を禁じているとともに、
日本学生支援機構や青森県
育英奨学会の無
利子奨学金制度の審査基準より
学業成績基準を低く設定しております。
教育委員会といたしましては、
給付制奨学金制度の導入につきましては、財源の継続的な確保、対象とする校種、対象者の範囲や選定基準の設定などの課題がありますことから、今後も国、県、他自治体の動向を注視し、
奨学金制度に係る調査研究及び情報提供に努めるとともに、多くの学生へ奨学金が支給できるよう現行の無利子貸与型の
奨学金制度を継続し、修学上の経済的負担の軽減を図ってまいります。
以上でございます。
8 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。福祉部理事。
〔
福祉部理事舘山新君登壇〕
9
◯福祉部理事(舘山新君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)村川議員の生活保護についての御質問にお答えいたします。
生活保護における各種給付につきましては、保護の目的を確保するため
生活保護受給者の個々の状況に応じて適宜必要な給付をしているところであります。
火災保険料につきましては、平成20年度から新たに支給対象となったものであり、アパートなどへの入居時及び契約の更新時などに火災保険の加入が賃貸借契約の条件になっている場合に、申請に基づき契約書や支払った領収書等を確認の上、支給しているところであります。
今回の事例につきましては、
火災保険料が支給対象であることにつきまして、
生活保護受給者に十分に周知しておらず説明不足であったこと、また、
ケースワーカー及び
査察指導員によるチェックが不十分であったことが原因であると認識しております。このため、新規ケースにつきましては、
生活保護開始時に配付している生活保護のしおりに、
火災保険料等の支給対象を明記し、その内容について丁寧に説明するとともに、継続ケースにつきましては、訪問の機会等を捉えて、対象者に対し同様に説明して周知を図ることとしたところです。また、
生活保護受給者への指導状況や各種申告書の徴取状況等を把握するために活用している
ケースチェック票に、
火災保険料等の
チェック項目を新たに設けるなど、
ケースワーカー及び
査察指導員による確認、チェックの徹底を図ることとしたところであります。
今後とも、
火災保険料の支給状況について確認し、適切に対応してまいります。
10 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
11 ◯19番(
村川みどり君) それでは、道徳の教科化についてから再質問していきたいと思います。
教育勅語の閣議決定の認識は、私たちと同じように間違ったものであったという国会決議を尊重していく、法令に抵触する指導はすべきではないと認識しているという答弁でした。教育評論家の尾木直樹さんの言葉をかりれば、教育勅語は1文字も使えないと言っています。前段に、親孝行や友達を大事にするという点を挙げて今も使えるというふうに主張する人が出てきましたが、国家に一命をささげるという大目的がそもそも間違っていたのであり、1文字も使えるところはありません。このように強調しています。私も、そのとおりだと思っています。
道徳の教科化と、それから教育勅語の肯定論は、今出てきたのは単なる偶然ではなくて、やはり密接に結びついているということを強調しておきたいと思います。先ほども壇上で言ったように、戦前の道徳教育は、教育勅語で定めた
軍国主義国家の道徳を教え込み、天皇のために命をささげるということを修身として教え込んでいます。そして今、戦前のように、国が決めた価値観を教科化して押しつけるようなことになりかねない、そうした懸念を私は拭い切れないでいます。
2016年5月12日付の朝日新聞の調査によると、
国公立小・中学校の教員9720人を対象に行った調査で、道徳の教科化反対といったのが小学校で79%、中学校で76%、高校では56%となっているという現状があります。
そこで、道徳の問題点、それから疑問点などを示しながら質問していきたいと思います。
教科書採択については、現状からいって公開は難しいと。5市町村で
共同採択方式をとっているし、また、採択決定において他市町村に影響を及ぼしかねないということから、採択の状況を公開するのは難しいということでした。確かに今の状況では、採択をしている状況を市民に公開するというのが困難であるのはわかりました。しかし、そのときにどのような議論がなされ、どういう経過でこの
道徳教科書が採択されたのかということは、やはり市民に広く知らせていく必要があるのではないかと思っています。
そこでお尋ねしますけれども、今回、
日本文教出版というところが青森市では採択されたわけですけれども、この教科書が採択された経緯、それからどのような議論がなされ、そしてこの出版会社の教科書のどの点が評価されて採択されたのか、お示しください。
12 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局理事。
13
◯教育委員会事務局理事(工藤裕司君)
日本文化出版の教科書がどのようにして採択されたのかとの御質問でしたけれども、まず、教科書を決めるまでの流れは、
東青地区教科用図書採択協議会において、規約の審議あるいは基準の審議、そして研究調査員、専門委員、
保護者委員の承認を行う。次に、全小学校教員による閲覧をしていただき御意見をもらう。そして、調査研究員による
教科用図書の調査研究をして、選定資料を作成するというふうな作業を行っております。その際には、教員の閲覧による意見等を反映させております。その上で、
東青地区教科用図書採択協議会における協議によって、1つの教科書を選定する。そして最終的に、
各市教育委員会において採択するという流れになっております。
東青地区教科用図書採択協議会及び
各市教育委員会においては、本市の
子どもたちに見合った心の教育をする上で適切だと思う教科書について審議しております。その
東青地区教科用図書採択協議会における採択に当たっては、選定理由をこのように記載しております。道徳科の目標や内容を踏まえ、児童が道徳的価値の理解をもとに、自己の生き方についての考えを深められるよう、見通しを持って意欲的に学習に取り組み、多面的、多角的に物事を考えることができるよう、工夫が随所に見られる。また、みずから考えを深めたり整理したりできるよう、1単位時間ごとに1ページの紙面を割いた道徳ノートを添付している。さらに、いじめの問題や情報モラルを初め、防災、防犯、国際理解、国際親善などの現代的な課題に係る教材を多数取り上げている。以上のことから、この
教科用図書を選定したというふうに付してありますけれども、このような採択の流れ、理由から
日本文教出版が採択されたというふうなことでございます。
以上でございます。
14 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
15 ◯19番(
村川みどり君) 私も、6月から始まった閲覧時には全ての
道徳教科書を閲覧しに行きました。そうした中で、市民の方から、これからの
子どもたちがどういう教科書を使うことになったのかということをやはりもっと市民に公開してほしい、できれば
市民図書館でも市民が自由に閲覧できるようにしてほしいという声がありましたけれども、この声に対しては、どのように応えていけるでしょうか。
16 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局理事。
17
◯教育委員会事務局理事(工藤裕司君)
市民図書館の活用についての御質問であったと思いますが、その前に、先ほど
日本文教出版を、私が
日本文化出版というふうにお話ししたそうで、訂正させていただきたいと思います。
本市の
教科書センターは、現在
教育研修センターで行っておりますけれども、常時ここに教科書を展示していつでも閲覧できるようになっております。同センターは国道4号線に位置していて、バス停も近く駐車場も完備しているということから、市民にとって見やすい場所と考えておりますが、先ほど
市民図書館についての御質問がありましたけれども、今後、教科書の改訂が数多くなされますことから、
教育委員会では、既に
市民図書館を含めてどのようなところで展示すべきかというふうなところを協議してございます。現在は、そういったところでございます。
以上でございます。
18 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
19 ◯19番(
村川みどり君) 今検討しているということですので、ぜひ市民の皆さんが行きやすい、
市民図書館での教科書の閲覧、自由に閲覧できる環境をつくってほしいということを重ねて要望しておきたいと思います。
今回、私も
日本文教出版の教科書を見たので、いろいろ詳しい中身のことも聞きたいんですけれども、時間が限られているのでそこは省略したいと思います。ぜひ議員の皆さんにも
道徳教科書を見てほしいなとも思っています。特に私自身が感じたのは、1年生、2年生の教科書には本当に強調して、挨拶はこういうふうにしましょうとか、決まりを守りましょうとか、そういう題材が非常に多いというのも気になりましたし、こういう義務を守りましょうという
子どもたちに義務を押しつけるような内容が目立っていたなと感じています。
そこで実際、学校の先生たちが道徳を教える際のことですけれども、そのときの学級の状況だったりとかいろんなことが起きたときに、年間計画はあると思うんですけれども、自由に教科書の内容を変えたりとかということの自由度はあるのでしょうか。
20 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局理事。
21
◯教育委員会事務局理事(工藤裕司君) 道徳科の授業において自由度はあるのかという御質問だったと思いますけれども、道徳科の授業を
子どもたちに適切に道徳性を育成する上で効果的に行うためには、やはり学級の実態、子どもの実態、そういったものを加味していく。あるいは、学校行事の状況等も含めてあらゆる教育活動の中からそれを計画していくことになりますので、年度初めにそれこそ年間指導計画を各学校とも作成するわけですが、先ほどお話しした状況の中で、現在それを変更して別な徳目、内容を授業すべきだということになれば、それはそのような形で実施するということでございます。使う資料に関しましても、検定教科書を離れて独自の資料を
子どもたちのために使用するということも含めて、適切に行うということになっております。
以上でございます。
22 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
23 ◯19番(
村川みどり君) 使う資料も独自のものや資料を使ってもいいということでした。私も、
子どもたちの今の興味とか関心などと無関係に勝手に決めた年間計画や教科書どおりに進めば、やっぱり
子どもたちの現実生活にはそぐわないものであって、ましてや現場の先生たちも、この教科書を使えというふうになると工夫しづらくなるし、あるいは教材を批判的に読み解いていくということもできなくなりますし、学級づくりにリンクさせるというような内容面での自主編成もできなくなるんじゃないかという不安もあります。
私はそもそも、やっぱり道徳は、現実に起こっていることを題材にして学んでいくことが最も
子どもたちにとってリアリティーがあって生きる教材となるものだと思っています。だから、今、国が決めた特定の価値観を教科書にして
子どもたちに教え込むということにはとても抵抗があります。何をよしとするのか、
子どもたちがどんな生き方をこれからしていけばいいのか、そして個々人によってそれは異なるものだということは、まさに憲法の基本的人権だったりとか子どもの権利条約などで、個々の価値観は違うんだということをまず前提にされています。特定の価値観、決まりを守りましょうだとか、正しいのはこういうことですとか、明るくくじけないことが正しいことだということを
子どもたちが身につけるべき道徳として指導するということは、私は子どもの権利条約からいってもふさわしくないものだと思っています。
そこで質問します。国家が決めたこの
道徳教科書を
子どもたちに指導するということは、子どもの権利条約が保障している権利を侵害することになるのではないか、この点の
教育委員会の見解を求めたいと思います。
24 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局理事。
25
◯教育委員会事務局理事(工藤裕司君) 子どもの権利を侵害しているのではないかという御質問でありましたけれども、現在行われる道徳科の授業につきましては、
子どもたちがよりよく生きるための基盤である道徳性、これについて道徳的価値を理解させた中で、自己を見詰めたり多面的、多角的に考えさせたりする。そのような中で自分の生き方について考えさせる。そういった学習を通して道徳的な判断力、心情、あるいは実践、意欲、そして態度というふうなものを養うことになっております。したがいまして、
子どもたちの権利を一方的に特定の価値観のほうに引っ張っていくとか、そういうふうなことではないものと考えております。
以上でございます。
26 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
27 ◯19番(
村川みどり君) 子どもの権利条約が保障している権利を侵害することはないという答弁でした。ちょっと私、教育に関する国家の介入に関する判例はないかなと思って調べてみました。昭和51年5月21日、旭川学テ事件の判例なんですけれども、最高裁まで争われているんですけれども、前段では、国政上の意思決定はさまざまな政治的要因によって左右されるものであるから、教育内容に関する国家介入については、できるだけ抑制的であることが要請されるというふうに言われていて、ここからなんですけれども、「殊に個人の基本的自由を認め、その人格の独立を国政上尊重すべきものとしている憲法の下においては、子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入、例えば、誤った知識や一方的な観念を子どもに植えつけるような内容の教育を施すことを強制するようなことは、憲法26条、13条の規定上からも許されないと解することができる」、このように示されています。この判例に照らしても、やはり国が決めた特定の価値観、それを身につけるべき道徳内容として指導する道徳教育は、憲法や、そして子どもの権利条約が保障する権利を侵害するおそれがあるのではないかということを私は強調しておきたいと思います。
次に、道徳の評価についてですけれども、
子どもたちの成長の様子や決して他の子との比較ではなく、成長したことを受けとめ励ますというような記述式の評価を行うという答弁でした。今、小学校の先生たちはどういう状況かというと、頭の中は、来年度から始まる英語と道徳科のことでいっぱいだといいます。英語だけでも本当に大変なのに今度は道徳の評価も対象となるわけです。私たちは、
子どもたちの道徳を評価すること、つまり子どもの心を評価することに対しては非常に危惧しています。通知表には、それこそ所見欄ということで記載することになるようですけれども、今でも学校の先生たちは所見欄の記載には相当な注意を払って、そして言葉を選んで慎重に記載しています。それに加えて道徳科の所見もふえるということになれば、やはり負担がふえるということは明らかです。それと同時に一番私が心配していることは、
子どもたちは今まで以上に道徳科の授業において正解らしい発言をするしかなくなって、特に高学年になってしまえば先生が何を求めているかという読み取る力はもう備わっているので、先生にはこういうふうに言えばいいんでしょうというふうに本当に思ってしまっています。
そこで質問ですけれども、今言ったように、空気を読んでいい子になってみせたり、従順な態度を演じてみせたりするというような懸念は、日本弁護士連合会だとか教育学者など各界からも寄せられていますけれども、そのような懸念に対して
教育委員会はどのように対応していくのか、お知らせください。
28 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局理事。
29
◯教育委員会事務局理事(工藤裕司君)
子どもたちの道徳科の授業についての御質問ですけれども、道徳の授業につきましては、先ほどおおよその内容についてお話ししたところでございますけれども、今、学習指導要領に記載されている道徳の中で非常に重視されているのは、価値内容について理解させるとともにその価値についての道徳的価値を含む問題、あるいは答えが1つではない問題に対して児童一人一人が主体的に向き合い考え、議論する道徳、これが大切であると。そのことから、教師の発問に対して児童が答えることが多かった授業から、ペアでの学習とか小グループでの学習とか、あるいは全体での対話的な活動を多く取り入れるとか、そういうふうな授業をしていくようにということが付されておりますことから、道徳の時間が特定の価値を押しつけたり、あるいは画一的な価値を押しつけたりと、そういったことはないものと考えております。
以上でございます。
30 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
31 ◯19番(
村川みどり君) 私が今聞いたのは、もう高学年になると先生の言いたいこととかも
子どもたちは理解しているので、今の課題はこういうふうに言えばいいんでしょうとかいうのを読んでしまっているので、それは本当の意味での道徳にならないんじゃないかということなんです。やはり今まで私たちが言ってきたように、子どもの心のあり方を教科にするということは、そもそも無理があると思っています。そして、先生の気に入るような発言ができる子は道徳性が身についているというふうに表面上は判断できるかもしれませんけれども、それは表面上だけであって、本当の子どもの内心、内面を評価することは難しいし、どうしても教師による主観的な、恣意的な評価にならざるを得ないのではないかと危惧しています。こうした道徳科の問題点を指摘しておきたいと思います。
次に、
給付制奨学金についてに行きます。
答弁では、前回の答弁とほとんど同じ答弁だったんですけれども、今、なぜ
給付制奨学金が必要なのかということをこれから言っていくんですけれども、最初に確認しておきたいのは、現在の青森市の
奨学金制度がいつできたものなのかをまず確認しておきたいと思います。
32 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
33
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) 再度のお尋ねにお答えいたします。
現在の
奨学金制度ですけれども、昭和26年度に奨学金が青森市で設立されておりますけれども、浪岡との合併がありまして1市2制度が続いておりましたが、平成23年度より制度を統合して現在のような形になっております。
以上でございます。
34 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
35 ◯19番(
村川みどり君) 昭和26年度といえば、66年前ですか。それで平成23年度に浪岡と一本化したということでした。
給付制奨学金がなぜ必要なのかということをぜひ一緒に考えていきたいなと思っているんですけれども、昭和26年度の66年前まではさかのぼりませんが、ここ30年から40年ぐらいでどういう社会の変化があったのかというのを見ていきたいと思っています。
まず、大学の学費は物すごく高くなっています。42年前の1975年、国立大学は、学費が3万6000円。2015年は53万円、15倍。同じく私立大学は、42年前は18万円だったのが、2015年は86万円、約5倍。このような変化もあります。そして
奨学金制度そのものも変化しています。昔は、
日本学生支援機構の奨学金はほとんど無利子が多かったんですけれども、今はほとんどが有利子です。そして、
日本学生支援機構の資料でも、今や学生の2.6人に1人は借りているというのが実態です。そして、親の所得がどのように変わってきたかという変化ですけれども、1994年、平均世帯年収は664万円でしたけれども、2015年には545万8000円、122万円もダウンしています。そして、いわゆる貯蓄ゼロ世帯、10年前は2割だったのが、2016年には3割にもなっています。しかも、大学生を抱える40代、50代の貯蓄ゼロ世帯は、30%から35%です。これでどうやって大学の学費を出してあげられるでしょうか。さらに、学生の仕送りも変化しています。20年前、1996年、仕送り10万円以上は65.6%でした。それが2016年には29.2%に激減しています。その減った分を学生たちはアルバイトや有利子の奨学金で賄っているというのが現実です。
この要因は、やはり単なる景気の低迷というだけじゃなくて、明らかに新自由主義のグローバリズムのもとで工場や事業所が海外に移転し、国内雇用が減少したこと。それから、財界からの要望で規制緩和が進み、非正規の不安定雇用が大幅にふえたものであるということ。こうした現実を、私はしっかりとつかんでおく必要があると思っています。
質問しますけれども、学費の高騰、それから
奨学金制度の変化、そして所得の低下、雇用の変化、このような実態について、
教育委員会はどのような認識を持っていますか。
36 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
37
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) 再度の御質問にお答えいたします。
今、村川議員がお話しされましたように、当然社会情勢はいろいろと変わってきてございます。その中で私どもとしては、本市の奨学金の貸し付けのぐあいは、他市と比べてもそんなに低額であるということでもございませんし、返還期間も15年目と長目に設定して、なるべく負担がかからないような形で設定させていただいておりますので、いろんな社会情勢がございますけれども、その中で本市としてできる限りのことをしているつもりでございます。
以上でございます。
38 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
39 ◯19番(
村川みどり君) できる限りのことをしたいということだったんですけれども、私は、この社会の変化とか奨学金の変化、学費の変化、それとともにやっぱり今置かれている学生や、そして返還中の人たちの実態はどうなっているのかということも同時につかむ必要があると思っています。
私が知っている奨学金返済中のAさんの実態を紹介したいと思います。Aさんは奨学金の返済中で、
日本学生支援機構に月1万5000円ずつ支払いしています。今現在もらっている給料は、手取りで11万円です。そして学生時代は、月5万円の奨学金を4年間、240万円借りました。3%の有利子つきなので、総額では300万円返還しなければなりません。25歳から返還が始まったので、15年間といえば40歳まで払い続けなければなりません。しかもAさんは母子家庭で保証人をつけることができなかったために、機構の保証会社に入らなければならなくなり、5万円の奨学金をもらっても実際は4万5000円しか支払われないというふうな制度になっているそうです。そのほかに、5万円だけではとても足りないので、年間139万円の学費がかかったそうなんですけれども、Aさんのお母さんが4年分プラス入学金分を教育ローンとして銀行から500万円借りたそうです。そして、今なお返済中という状況なわけです。
こういう状況に置かれている今の学生たちや返済中の若い人たちの実態がどうなっているのかということを、
教育委員会はつかんでいるのかお伺いします。
40 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
41
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) 再度の御質問にお答えいたします。
今、村川議員がお話しされたのは国の制度だと思いますけれども、市の無利子の制度を、例えば高等学校で3年間借りた場合には、月額3200円の返還になります。大学で4年間借りた場合には、月額8800円の返還という形になります。先ほど村川議員がお話しされた国の部分でも、お借りする段階で計算されれば、将来的に幾ら返していかなければならないということは当然わかった上で皆さん借りていると思いますけれども、青森市の場合は、そういう意味では少ない金額で、まして国や県の選考から漏れた方を対象とする制度設計にしてございます。その中でも、実際返還率というものは70%ちょっとぐらいでございますので、生活的にも苦しんで大変だというのはわかりますけれども、そういうふうな制度でございますので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
42 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
43 ◯19番(
村川みどり君) 制度を聞いたんじゃなくて、実態を把握しているかと聞いたんですけれども、聞かれたことには答えないということですね。
何度も繰り返しますけれども、今の若い人たちは奨学金の返済に追われ、そして滞納すれば債権回収専門会社によって、まず電話や手紙、そして自宅訪問、それから連帯保証人への電話、催告など大きな圧力がかかっています。そして皆さんも御存じのとおり、3カ月滞納すれば即ブラックリストに登録されカードはつくれない、車や家のローンも組めない、そして就職後の人生をも縛るようなさまざまな影響を及ぼしています。2014年までは滞納すると即滞納金、延滞金10%になっていたんですけれども、2014年からはこれが5%になりました。なので、延滞金の支払いだけで元本が減らないと。とても奨学金とは言えない、値しない制度に、今の学生たちは、そして若者たちは苦しめられています。返済猶予という制度もあるんですけれども、これもこの間まで5年だったのが10年になりました。ただ、その返済猶予期間が終われば、無収入であっても返済しなければならないという状況です。そして、奨学金の返済があるからといってブラックな働かせ方があってもなかなか仕事がやめられない、こうした若者が少なくありません。いろいろ説明してもらいましたけれども、私はやっぱり市として給付制の奨学金を実施して、こうした苦しんでいる若者たちに手を差し伸べてあげる必要があると思っています。
先ほども何度も繰り返していましたけれども、多くの学生に支給できるよう現行の
奨学金制度を継続してまいりたい、このような答弁でした。現行の制度ですけれども、昭和26年度、66年前から続けている制度。私は、やはり社会の変化や制度の変化に対応し見直していく必要があると思っています。
そこでお尋ねしますけれども、他の
奨学金制度と併給を禁じている理由を示してください。
44 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
45
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) 再度の御質問にお答えいたします。
他の
奨学金制度との併給を禁じているのは、制度自体に当然予算がございますので、枠がございます。そういう意味では、審査に当たって、例えばうちのほうは先ほど言いましたように、国、県の
奨学金制度から漏れたような方で、成績も低く設定しておりますので、そういう方を救いたいということがありますけれども、併給を認めた場合には、国、県の制度を受けた方がまた受けるということで、そういう意味では今やっているよりも皆さんに行き渡らない、多くの方に行き渡らないのではないかと考えております。
以上でございます。
46 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
47 ◯19番(
村川みどり君) 多くの方に行き渡らないと言っていますけれども、新規はことし高校生8人、大学生1人。去年、高校生9人、大学生3人。これで多くの方に行き渡っていると思っているのでしょうか。私は併給を禁じないで、
日本学生支援機構だったり国、県の制度を使っていても受けられるような制度、これこそ多くの人に行き渡る制度になるんじゃないかなと思います。
また、市の制度ですけれども、15年間のうちに返還すればいいという制度ですし、成績の基準も低くしているということはいいことなんですけれども、一方で、1年後には返還が始まりますよね。なので、国の制度にもあるんですけれども、返還猶予期間を設ける考えはないでしょうか。
48 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
49
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) 再度の御質問にお答えいたします。
先ほども月額の数字をお話ししましたように、決してそんな高額というか負担がかかる分ではないと思っていましたので、現在の制度のままでいきたいと考えております。
50 ◯議長(大矢保君) 19番
村川みどり議員。
51 ◯19番(
村川みどり君) 一体誰のための奨学金なのか、何のための奨学金なのかということから出発しないで、ただただ昭和26年度から同じような制度を継続しているというのは私はやっぱり行政として問題だと思いますし、現在の若者が置かれている実態がどうなのかということから出発して制度を見直ししていく、変えていくという柔軟な姿勢が必要だと思います。
先ほど見てきたように、今の奨学金の実態から見れば、他の奨学金で十分賄えているのかといえば決してそうではありません。先ほど言ったように、ブラックバイトなんかで働かせられたりとかそういう状況があるので、やはり青森市の制度も併給を認めて、より間口を広くしてあげるという改善をやってみることが必要だと思っています。
本来奨学というのは、学問を奨励するということですけれども、実際はそういうふうになっていません。学生の自由を奪い進路を阻み、そして長く生活を圧迫してひいては少子化、人口減少につながる重大な問題です。奨学金を返すことに一生懸命になって、今や結婚も出産もできないような、そういう社会になっています。こうした社会でいいのか、今のこういう制度でいいのかということを問題意識として持つことが必要だし、やはり
教育委員会として
子どもたちが学ぶことを諦めない、そうした制度にしていくことを求めたいと思います。
最後に、生活保護です。
適切に対応していきたいということでしたので、それを正面から受けとめておきたいと思います。やはり支給が認められているものと知っていながら支給の手続をしてあげないというのは明らかに
生活保護法違反であり、法令遵守義務の放棄であって許されるものではないということを強く強調しておきたいと思います。
さらに、この
民間賃貸借住宅の更新料だけではありません。例えば先日、眼鏡の修理を申請したのに、通常は大体2週間ぐらいで手続が完了するものなのに、1カ月たっても市役所から返事がないということで問い合わせしたら、実は担当者がただ忘れていたということもありました。それから、医療機関への移送費ですけれども、病院に行ったときにバスを使ったりタクシーを使ったりした場合、これぐらい使いましたというふうに報告して、それも短ければ大体2週間だし長くても1カ月ぐらいで手続が完了するはずなんですけれども、2カ月も3カ月も放置されたという実態もあります。
さらについ先日は、入院中だったAさんに紙切れ1枚だけを送って、入院していたから過払いが発生したので今月は保護費を5万円減額しますというのも平気でやってしまいます。1カ月の保護費から5万円を引かれれば、その人は2万円しか残らないんです。これでどうやって1カ月生活しろというんでしょうか。こういうふうにやれば市民はこうなるんだということを考えないんでしょうか。そういう思いに至らないんでしょうか。私は不思議でなりません。
挙げれば本当に切りがありませんけれども、いま一度、福祉とは何か、そして市民の立場に立って仕事をしていただきたいと思います。
それから私は、何度も何度もお願いしてきていますけれども、生活福祉課の人員をもっとふやしてあげてください。業務が余りにも煩雑過ぎているという状況ですので、やはり本来いなくてはいけない標準数まで職員をふやしていただくように重ねてお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
52 ◯議長(大矢保君) 次に、2番奈良祥孝議員。
〔議員奈良祥孝君登壇〕(拍手)
53 ◯2番(奈良祥孝君) 2番、市民クラブの奈良祥孝でございます。通告に従い、順次質問をいたします。
私の第1の質問は、平成28年度決算についてであります。
平成28年度青森市一般会計決算額は、歳入歳出予算現額1251億5508万1508円、これに対し歳入決算額は1191億4785万6376円、歳出決算額は1166億5755万4222円となり、歳入歳出差し引き額24億9030万2154円、これから繰越事業による翌年度への繰越財源1億8552万6420円を差し引いた実質収支額は、23億477万5734円となったものであります。一方、競輪事業特別会計を初めとする10の特別会計は、歳入歳出予算現額981億1091万2000円、歳入決算額956億3752万2121円、歳出決算額936億1334万208円、歳入歳出差し引き額20億2418万1913円となり、翌年度への繰越額23万6000円を差し引いた実質収支は、20億2394万5913円となったものであります。青森市一般会計と特別会計の合計額では、歳入歳出予算現額2232億6599万3508円、歳入決算額2147億8537万8497円、歳出決算額2102億7089万4430円、歳入歳出差し引き額45億1448万4067円、実質収支額43億2872万1647円となったものであります。
私が決算議会でいつも問題にしている収入未済額は、一般会計で前年度決算より9105万6226円減の29億9765万2253円、特別会計で前年度決算より2億1190万9217円減の36億1840万5658円、合計で66億1605万7911円が計上されております。また、不納欠損額は、一般会計で前年度決算より1億2956万1219円減の1億9137万5537円、特別会計では前年度決算より1億674万4981円減の3億1401万3273円が計上されております。一般会計収入未済額29億9765万2253円のうち、市税が前年度決算より8254万1934円減の23億268万9651円、児童保育負担金等の分担金及び負担金で、前年度決算より2606万6795円減の1億9814万1562円、市営住宅使用料等の使用料及び手数料が前年度決算より52万7350円増の9261万3310円、土地貸付収入等の財産収入が前年度決算より64万3400円減の220万6226円、奨学資金貸付金元金収入や給食事業収入等の諸収入は前年度決算より1766万8553円増の4億200万1504円であります。
一方、特別会計収入未済額は36億1840万5658円となり、その内訳は、競輪事業特別会計で前年度決算より5227円減の34万3253円、国民健康保険事業特別会計で前年度決算より2億1728万8686円減の31億5930万3700円、下水道事業特別会計で前年度決算より474万4919円増の1億6816万8809円、卸売市場事業特別会計で前年度決算より382万140円減の946万4760円、農業集落排水事業特別会計で前年度決算より21万9224円減の163万1587円、介護保険事業特別会計で前年度決算より281万3776円増の1億8361万5913円、母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計で前年度決算より399万4712円増の6392万9173円、後期高齢者医療特別会計で前年度決算より212万9347円減の3194万8463円となったものであります。
ここ十数年以上にわたり、収入未済額と不納欠損額の減に取り組んできましたが、その成果が徐々にではありますが見えてきたように感じております。安易に不納欠損処理とせず、再三再四にわたり徴収の努力をした結果として収入未済額がふえることもあります。このこと自体は否定するものではありませんし、単に収入未済額の増をもって悪いとは言いません。要は、その内容であります。とにかく現年度分の収入未済額を減ずることが滞納繰越分を減じ、結果的に収入未済額を減ずる唯一の手段であると主張してまいりました。ここ数年で、かなりの項目で収入未済額が減っております。収納対策に携わる多くの職員に敬意を表するものであります。
ここ数年は、気になる項目についてのみ質問をしてまいりましたが、今定例会では、みずからの所管する部門の長として責任を自覚していただく観点と職員の意識啓発のために、7年ぶりに収入未済額がふえた項目全てについて答弁をいただきます。
そこで質問ですが、一般会計及び特別会計で、平成27年度決算と比較して収入未済額がふえている項目について、その要因と今後の収納対策についてお示し願います。
現下の厳しい経済雇用環境の中での納税は、市民にとっては大変厳しいものがあろうかと思います。日本国憲法に定める三大義務とはいえ、真面目に納税されている善良な市民が多くいることに頭の下がる思いであります。反面、不誠実な滞納者がいることも事実であります。毎年、決算議会では訴えておりますが、特に市税等とは違い、負担金及び分担金や使用料及び手数料、特別会計は、特定のサービスに対する対価であり、負担の公正公平の原則以前の問題であります。無銭飲食が犯罪になるのに、保育料や給食費の滞納がどうして許されるのか。タクシーの無賃乗車が犯罪で、市営住宅の使用料の滞納がどうして許されるのか。厳しい環境の中、仕事を失い、納めたくても納められない人もいますし、健康上無理な方々もいます。不幸にしてお亡くなりになったり、居所不明の方もいます。全ての滞納や不納欠損や時効が悪いとは言いません。滞納や時効の中には、納める能力や相応の資産や自家用車をお持ちの方、ブランド品や高級品を持っている方もいます。これらは絶対に許してはなりませんし、これらは犯罪なのだということを広く市民に知らせる必要があります。収入が減ったりなくなった場合は、当然にして減免措置を講ずる必要があります。しかし、一定の収入があるからには納付の分割や延伸を含め、きっちりと納めていただくのが筋であります。
私の財政のモットーは、財政民主主義なくして主権在民はあり得ず、みずからが立つ自立とみずからを律する自律の「自立と自律の財政」であります。決算議会でもあります今定例会こそ、収納対策と債権管理を検証し、決算分析と財政見通しを厳しく行い、持続可能な行財政運営に努めなければならないものと思います。マスコミに注目されない、おもしろくも何ともない地味な質問ですが、誰かがやらなければならないものと思います。できることであれば、来年からは別の議員の方に質問していただければ幸いです。
答弁が長いものと思われますので、以下簡潔に質問いたします。
私の第2の質問は、市営バスについてであります。運転免許自主返納者支援事業について伺います。
この質問は、昨年の第4回定例会一般質問で
村川みどり議員が質問しておりましたが、その後も改正がなされていないようなので質問いたします。
この制度は、御案内のとおり、交通安全協会に運転免許証を自主返納された方に申請によりバスカード5000円相当を進呈するものであり、東部営業所と西部営業所の2カ所のみでの受け付けとなっております。市民からは、不便であるとの声が寄せられております。高齢化社会の到来により、今後も運転免許証の自主返納者はふえるものと思われます。
そこで質問ですが、市民の利便性向上のためにも本庁舎等でも申請受け付けができないものか、その考えをお示し願います。
私の第3の質問は、公平公正な行政運営についてであります。
公平公正は、行政の大原則であります。7月28日、青森市平和祈念式典が開催されました。折り鶴献上の際、多くの参列者が呼ばれ折り鶴を献上する中、我が党の参議院議員の氏名が呼ばれませんでした。代理出席もないことから、後日、議員本人へ直接、どうして代理出席も出さずに欠席したのかと注意しました。議員本人はわからないとのことで、秘書に確認したところ、招待されていないとのことでした。もうお一方の参議院議員は招待されておりました。青森県選挙区選出の参議院議員は2人いるのに、どうして一人が招待されもう一人が招待されないのか、疑問に思いました。民間ならわかりますが、行政では考えられません。意図的とは思いませんが、納得がいくものではありません。
そこで質問ですが、総務課職員の中で青森県選挙区選出の参議院議員が2名いることを知らない職員は何名いるのか、お示し願います。
最後に、9月24日日曜日午後1時から、リンクステーションホール青森において、第30回青森市合唱祭が開催されます。ジュニアからシルバーまで市内22団体、約450名が参加します。この日半日で、女声合唱と男声合唱と混声合唱がお楽しみいただけます。入場無料となっておりますので、理事者を初め議員の皆さん、そしてより多くの市民の皆さんの御来場を心よりお待ちいたしております。
以上を申し上げ、私の一般質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
54 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。財務部長。
〔財務部長小川徳久君登壇〕
55 ◯財務部長(小川徳久君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)奈良議員の平成28年度決算についての御質問のうち、軽自動車税、民事手続申立手続費用負担金及び介護保険料の3点の収入未済額につきまして、お答えさせていただきます。
初めに、軽自動車税及び介護保険料についてお答えさせていただきますが、まず、平成28年度決算におきます軽自動車税の収入未済額は、平成27年度決算に比べて、現年度分は140万8587円増の1791万1440円、滞納繰越分は109万6192円減の3369万2128円、合計で431万2395円増の5160万8568円となってございます。
収入未済額の増加は、現年度分の増加によるものでございますが、平成28年度の課税件数は平成27年度と比較いたしまして319件増加しているものの、滞納件数は平成27年度と比較いたしまして78件減少しておりまして、徴収事務は適切になされてきたものと考えております。しかしながら、平成28年度の軽自動車税につきましては、地方税法の改正によりまして税率改正が行われております。平成27年4月2日以降に最初の新規検査を受けた軽自動車などの税率が引き上げられたこと。また平成28年4月1日時点におきまして、最初の新規検査から13年を経過した車両につきましては、重課、重い税率が導入されたことなどから、課税対象となります車両1台当たりの税額が引き上げられているところでございます。その結果、滞納件数としては減少しているものの、滞納額が増加したものと考えてございます。
次に、介護保険料の収入未済額につきまして、平成28年度は平成27年度に比べて、現年度分で683万5446円減の8794万6984円、滞納繰越分で964万9222円増の9566万4689円、合計で281万3776円増の1億8361万1673円となってございます。
収入未済額の増加につきましては、滞納繰越分の増加によるものでございますが、これは、まず平成27年度の現年度分の収入未済額の増加が影響しているものであること。また平成27年度に徴収事務が納税支援課に移管されておりますが、それ以降、換価の猶予によります分割納付や積極的な財産調査によります差し押さえなどによりまして、不納欠損額が減っていることなどの理由によるものと考えてございます。なお、平成28年度の収納率及び収納額につきましては、現年度分、滞納繰越分とも平成27年度を上回っているところでございます。
この2つの今後の対策におきましては、軽自動車税及び介護保険料につきまして、このたび策定いたしました平成29年度収納対策に基づきまして、催告や財産調査及び滞納処分等をより適切に行うことにより収入未済額の縮減に努めてまいります。
次に、民事手続申立手続費用負担金につきましては、平成28年度に生じた滞納分1件のみの3628円となってございます。この負担金は、学校給食費の滞納につきまして、裁判所による民事手続に要した費用を滞納者に請求したものでございますが、この民事手続に時間を要したため収入未済となったものでございます。ただ、この負担金につきましては、その後、本年8月9日付で回収し収納済みとなってございます。
今後とも、民事手続に係る手続費用につきましても、法定の手続にのっとり適切に対処してまいりたいと考えております。
以上でございます。
56 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。福祉部長。
〔福祉部長能代谷潤治君登壇〕
57 ◯福祉部長(能代谷潤治君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)奈良議員の決算についての御質問のうち、福祉部所管の放課後児童会利用負担金ほか7件、計8件の収入未済額についての御質問にお答えさせていただきます。
初めに、平成28年度決算における放課後児童会利用負担金の収入未済額は、平成27年度決算に比べまして、現年度分が9万9000円減の15万4500円、滞納繰越分が10万6050円増の87万1650円、合計で7050円増の102万6150円となってございます。
収入未済額の増加の理由でございますが、平成27年度から対象児童の範囲を拡大するなど事業の拡充を図ったところ、年々利用者数が増加したため、新規未納者が発生しないように文書催告や電話催告の収納対策を重点的に進めた結果、現年度分の収入未済額は減少いたしましたものの、滞納繰越分については、年間を通した計画的な収納対策に係る取り組みが不十分であったため、この滞納繰越分の収入未済額が増加したことによるものでございます。
次に、病児一時保育負担金についてでございますが、現年度分が2万400円減の2万4000円、滞納繰越分が2万8800円増の5万6900円、合計で8400円増の8万900円となってございます。
増加の理由でございますが、本負担金につきましても、新規未納者が発生しないよう文書催告や電話催告の収納対策を重点的に進めた結果、現年度分の収入未済額は減少いたしましたものの、滞納繰越分につきましては、収納対策に係る取り組みが不十分であったため、この滞納繰越分の増加によるものでございます。
次に、
生活保護法第63条返還金についてでございます。現年度分が486万6534円減の3002万4820円、滞納繰越分が1992万3800円増の1億1326万8256円、合計で1505万7266円増の1億4329万3076円となってございます。また、
生活保護費過年度分返還金につきましては、現年度分が103万3017円増の688万3062円、滞納繰越分が506万3691円増の1628万5240円、合計で609万6708円増の2316万8302円となってございます。
生活保護関連の2件の収入未済額の増加の理由でございますけれども、
生活保護法第63条返還金につきましては、現年度分の収入未済額は減少したものの、同返還金の滞納繰越分及び
生活保護費過年度分返還金の収入未済額について、額が増加したことによるものでございまして、その理由といたしましては、
生活保護費の返還金が発生した際に一括の返済ができず、毎月の保護費の中から少額ずつ分割で返済している世帯や、生活保護から自立には至ったものの返済に回すほどの経済的余裕のない世帯が増加していることなどが主な要因となってございます。
次に、児童手当及び児童扶養手当過年度分返還金の収入未済額は、これはいずれも現年度分のみとなってございますが、児童手当につきましては23万5000円増の23万5000円、児童扶養手当につきましては15万8120円増の同額15万8120円となってございます。
これらの返還金の収入未済額の増加の理由ですが、督促や文書催告、電話催告等のほか市内在住者に対して臨戸訪問を実施いたしましたものの、いずれの方法でも未納者と接触できなかったことによるものでございます。
次に、母子福祉資金貸付金の収入未済額についてですが、現年度分が4万4242円減の1001万9790円、滞納繰越分が403万4966円増の5263万4763円、合計で399万724円増の6265万4553円となってございます。また、寡婦福祉資金貸付金の収入未済額ですが、現年度分が10万3688円減の16万3770円、滞納繰越分が10万7676円増の111万850円、合計で3988円増の127万4620円となってございます。
これら福祉資金貸付金の収入未済額の増加の理由でございますが、督促や文書催告、償還協力員による臨戸訪問等を実施したものの、母子家庭や寡婦におきましては、パートやアルバイト等の非正規労働者が依然として多いなど、経済的な理由により償還が困難となっていることなどが主な理由と考えてございます。
今後の収納対策でございますが、平成29年度収納対策の一つとして、このたび策定いたしました債権別の管理事務のスキーム等に基づきまして、電話や文書による催告の強化、徹底を図りますとともに、長期滞納者に対しましては、財産調査に基づき滞納処分等を適切に実施し、収入未済額の圧縮に努めてまいります。
58 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。経済部理事。
〔経済部理事坪真紀子君登壇〕
59 ◯経済部理事(坪真紀子君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)奈良議員の決算についての御質問のうち、経済部所管の土地使用料の収入未済額についてお答えいたします。
平成28年度決算における土地使用料のうち、経済部の所管する収入未済は、モヤヒルズ内に設置されているヒュッテに係る行政財産の目的外使用料であり、平成28年度の収入未済額は平成27年度決算と比較して、8万2696円増の36万1600円となってございます。
平成28年度収入未済額が増加した原因でございますが、冬期間におけるヒュッテ運営の収入が少なかったことなど、経済的理由により期日まで納付できなかったものでございまして、1件は、本年7月上旬に入金済み、残る1件についても分割納付しているところでございます。
今後におきましても、電話や訪問を行うことなどにより、納付について適切に指導してまいります。
60 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。都市整備部長。
〔都市整備部長大櫛寛之君登壇〕
61 ◯都市整備部長(大櫛寛之君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)奈良議員からの決算についての御質問のうち、土地使用料及び市営住宅使用料の収入未済についてお答えいたします。
初めに、土地使用料につきましては、平成28年度決算における土地使用料の収入未済額88万8860円のうち、都市整備部所管課における収入未済額は52万7260円となっており、その内訳は、電話柱の市営住宅土地使用料が1500円、電話柱、通信ケーブル等の法定外公共物土地使用料が52万5760円となっております。
収入未済額が発生した理由についてでございますが、市営住宅土地使用料におきましては、徴収に係る調定について、誤った起案の取り消しの処理が不十分であったことから、財務会計システム上に収入予定額が本来より多く計上されてしまったものでございます。また、法定外公共物土地使用料におきましては、速やかに請求手続をすべきところを、納入通知書の発送がおくれたことにより入金が出納閉鎖期間内に間に合わなかったものであり、現在は全額入金済みとなっております。
今後の対応につきましては、同様の誤りが生じないよう、適切な事務の執行に努めてまいります。
次に、市営住宅使用料についてでございますが、平成28年度決算における収入未済額は、現年度分は平成27年度決算に比べて、285万536円減の947万9485円、滞納繰越分は平成27年度決算に比べて、304万2076円増の8019万8642円、合計で19万1540円増の8967万8127円となっております。
平成28年度には、新たな滞納の発生を未然に防ぐ取り組みを重点的に行い、現年度分の未納については、収入未済額を減少させることができたものの、滞納繰越分の分割納付の履行指導が不十分となり、結果として全体の収入未済額がふえたものと考えております。
平成28年度には、指定管理者が行う臨戸訪問への市職員の同行等による連携の強化や催告書の発送回数の増加など、債権管理体制について見直しを図ったところでございますが、今後は、連帯保証人への催告の強化や法的措置に向けた実施体制の整備など、収納率の向上につながる対策を拡充してまいりたいと考えております。
62 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。市民生活部長。
〔市民生活部長井上享君登壇〕
63 ◯市民生活部長(井上享君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)奈良議員の決算についての御質問のうち、霊園管理手数料の収入未済額についてお答えいたします。
平成28年度霊園管理料の青森地区における収入未済額の内訳につきましては、現年度分は平成27年度決算に比べ、790円減の66万4780円、滞納繰越分は平成27年度決算に比べて、3万6564円増の120万564円、合計で3万5774円増の186万5344円となりました。
滞納繰越分について、収入未済額が増加した理由といたしましては、埋葬場所の使用権者やその家族の所在が不明となったケースや、使用権者が死亡後、名義変更の手続がされないケースが増加傾向にあることが主な要因となっております。
今後の対策といたしましては、現年度分の収納対策を強化継続し滞納繰り越しが増加しないよう努めるほか、所在不明となっております使用権者等について、戸籍調査などを進め承継者等について早期に特定し、電話や訪問での催告により、収入未済額の減少に努めてまいります。
64 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局教育部長。
〔
教育委員会事務局教育部長横山克広君登壇〕
65
◯教育委員会事務局教育部長(横山克広君) 奈良議員の決算についての御質問のうち、雑入の自動販売機電気料の収入未済額がふえた理由と今後の対策について示せとの御質問にお答えいたします。
雑入の自動販売機電気料の収入未済額につきましては、平成29年3月31日付で、平成28年度自動販売機電気料(3月分)小学校・中学校給食センターの調定を重複して起案したことから、当該電気料金が納付されたにもかかわらず、重複した分が平成28年度収入未済分となり、平成29年度へ調定が繰り越されたものでございます。
今回の事案は、調定額及び収入済額の確認作業が適正に行われなかったことにより生じたものでありますことから、今後は、毎月収入状況を確認するとともに、年度末に収入未済額がある場合には、出納閉鎖期間中さらに確認を徹底し、このようなことのないよう対応してまいります。
以上でございます。
66 ◯議長(大矢保君) 答弁を求めます。環境部長。
〔環境部長小松文雄君登壇〕
67 ◯環境部長(小松文雄君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)奈良議員の決算についての御質問のうち、下水道事業受益者分担金等の収入未済額がふえた理由と今後の対策についての御質問にお答えいたします。
平成28年度決算における下水道事業受益者分担金・青森分の収入未済額は、平成27年度決算に比べて、現年度分で6万3820円増の6万3820円、滞納繰越分で前年度同額の55万5640円、合計で6万3820円増の61万9460円となっております。平成28年度決算における下水道使用料・青森分の収入未済額は、平成27年度決算に比べて、現年度分で1206万3257円減の5142万8696円、滞納繰越分で2088万3850円増の9163万8703円、合計で882万593円増の1億4306万7399円となっております。平成28年度決算における農業集落排水施設使用料・浪岡分につきましては、平成27年度決算に比べて、現年度分は12万1451円増の12万5489円、滞納繰越分で1313円増の1313円、合計で12万2764円増の12万6802円となっております。