次に、雪捨て場についてお伺いいたします。海岸部においては一般市民の雪捨て場があり、内陸部においては業者用の雪捨て場があります。しかし
一般市民利用の雪捨て場はなく、現実に市民からの要望が来ておりますので、その実現を検討していただきたく、御見解をお伺いいたします。
次に、
文化観光行政について質問いたします。
新幹線新青森駅開業までいよいよあと1年と迫ってまいりました。東北新幹線の全面開通は青森市民にとって長年の悲願でありますとともに、青森市が飛躍するまたとないチャンスであります。新青森駅の開業に伴い、青森市に全国から注目が集まるこの時期を千載一遇のチャンスととらえ、一人でも多くの方々にお越しいただけるよう、当市としてもさまざまな工夫をしていく必要があると考えます。
まず初めに、青森独自の食文化のPRについて提案いたします。食はその土地の性格を知る大きな手がかりとなり、その地に訪れたくなるきっかけともなります。青森市には、リンゴやホタテなど全国的に知名度の高い食材から、じゃっぱ汁、けの汁、貝焼きみそなど青森独自の郷土料理など全国に誇れる食文化があります。青森市の食材、食文化を全国にアピールしていくことで青森市への関心を集めていくことは非常に有効な方法であります。
最近、
B級グルメと言われる全国の土地土地で市民に根づいた御当地食品、食材というものが大変注目されております。そういった御当地食品を一堂に集め、9月に秋田県横手市で開催された第4回B-1グランプリには、全国から集った
B級グルメと称されるさまざまな御当地食品を堪能しようと10万人以上の人出でにぎわったそうです。今や
B級グルメは市民権を得て、静岡県富士宮市の
富士宮焼きそば、秋田県横手市の
横手焼きそば、青森県黒石市の
黒石つゆ焼きそばなど全国的な知名度を獲得し、本場の味を求めてその土地に観光客が大勢訪れるようになっているとのことです。特に静岡県富士宮市では、
富士宮焼きそばの知名度が上がるにつれ観光客は増加し、それまで富士宮市内への観光客は皆無に等しかったところが、現在では年間数十万人が訪れるまでになったという事例もあります。
富士宮焼きそばや
横手焼きそばなど、現在人気が出ている御当地グルメは、焼きそばの上に削り節を使用していたり、めんの調理の仕方に特徴があったりと細かい部分が他の地域と違う場合が多く、他と全く異なるというわけではありません。しかし、そういう細かい相違点に観光客はおもしろみを感じ、その土地で独自に育った食文化を体験したく、訪れるきっかけとなっているものと思われます。焼きそばに限らず、現在注目を集めている
B級グルメの多くは、コロッケや
ホルモン焼きなど、ふだんの食卓に並ぶなじみのある食品が各地方で独自の食文化に発展し、地元の人々に愛されてきたものです。地元の人にとっては当たり前の食品が、よその地方から来た人にとっては新鮮であります。そういった食品は、当市においてもまだまだあるのではないでしょうか。
青森市においても、生姜を入れた甘みそを塗って食べる
生姜味噌おでんは長く青森市民に愛されてきており、前述のB-1グランプリにも参加し好評を博したと聞いております。おでん以外にも地元で愛されている食べ物や食べ方で全国的に見れば特徴的であるものを調査し、青森市の特徴として広く宣伝していくことで新たな層へのPRにつながるのではないでしょうか。今ではぎょうざの町として有名な栃木県宇都宮市ですが、そもそも宇都宮がぎょうざの町として売り出したのは、ぎょうざ消費量が日本一であることに目をつけた宇都宮市職員が、観光PRを目指して市内の店舗や消費実態の統計などをまとめたことから始まったものです。当市でも、青森市民に愛されている青森市独自の食文化を調査し、市の観光PRに生かせる食品、食文化を見つけ出す
B級グルメプロジェクトチームを立ち上げることを提案いたします。観光課、農業政策課、
観光コンベンション協会、地元の飲食店など産官のさまざまな団体、個人と連携し、青森市民に愛されている食文化の調査を行い、ほかに見られない青森市独自の食文化を全国に向けて紹介していくことができれば、市外、県外の方々に大きくアピールすることができると考えます。
最近も、青森市内の
札幌ラーメン店の数店舗が共同で
人気メニューである
味噌カレー牛乳ラーメンをPRし、カップラーメンとして販売したところ、全国から注目を浴び、これまでは青森市民の一部が知る存在であった
味噌カレー牛乳ラーメンが徐々に全国的に知られつつあります。そのほかにも、青森市民に長らく愛されてきたものとして、煮干しや焼き干しなどの魚介だしをふんだんにきかせたスープの
しょうゆラーメンもあります。青森の煮干しラーメンも、ほかにはない特徴的な食品であることは間違いないと思います。これも事例を申せば、福島県喜多方市は、地元を代表する食品として地元で愛されているラーメンを
喜多方ラーメンと名づけ、市の観光協会がブランド化を図ったことで人気が出て、今では喜多方市はすっかりラーメンの町として有名になりました。種々の事例のとおり、御
当地食文化は観光資源として非常に有効なものです。郷土料理とは違った青森市独自の食文化にスポットを当て、全国にアピールできる特徴のあるものを観光資源に生かしていく
プロジェクトの設立を市が中心となって進めていくことを提案いたします。
次に、
文化観光交流施設「ねぶたの家
ワ・ラッセ」についてお尋ねいたします。
新幹線等を利用して青森市に訪れる観光客にとって、ただいま建設中の「ねぶたの家
ワ・ラッセ」は魅力ある施設となるであろうし、また、そうであるように運営していくべきであります。この「ねぶたの家
ワ・ラッセ」を真に魅力あるものとするには、運営におけるソフト面でさまざまな工夫が必要と考えます。
そこで、「ねぶたの家
ワ・ラッセ」について種々提言をしたいと思います。「ねぶたの家
ワ・ラッセ」は、山車の展示やねぶたの歴史を紹介する
ミュージアム施設でありますが、ねぶた祭は躍動的な祭りでありますので、同施設ではねぶたの熱気が伝わるような動的な仕掛けがなされるべきと思います。観光客がねぶた祭のよさを堪能できるよう、
ねぶた祭期間以外に訪れた観光客にもねぶた祭のよさを体感してもらえるような
仕組みづくりが求められます。例えば観光客の
飛び入りハネト体験、太鼓や手振りがね、笛などのはやしの体験ができる催しを行ったり、ねぶたの夜の高揚感が体験できるよう展示に工夫を凝らすなど、単なるねぶたの山車を観賞する施設ではなく、祭りの雰囲気を肌で実感できるような施設であるべきと考えます。それゆえ、なるべく建物内は飲食禁止などと余り制約を設けずに、本物のねぶた祭に来たような自由な雰囲気で歩き回れる開放的な展示施設であることが望ましいと考えます。
ねぶた祭の熱気の再現をより迫力あるものとするために、館内で行う予定のねぶたの
運行実演ショーの演者に、広く市民から
ボランティアを募っていくことを提案いたします。施設内で行われる予定の
ねぶた運行の実演に、大勢の市民の方がハネトやはやしの
ボランティアとして参加してもらえれば、ねぶた祭の雰囲気が演出され、観光客の方々にも喜ばれるのではないでしょうか。連休やお盆、正月など、観光客の来場が多く見込まれるときなどを中心に参加を呼びかけ、市民と共同で施設を盛り上げていくことを提案いたします。
ボランティアの確保は不安定要素がつきまとうかと思いますが、私も含め、はやしの音を聞くと「じゃわめいでまる」のが青森市民でありますので、恐らく多くの市民の方が協力してくれるのではないでしょうか。同施設をただの展示ケースにするのではなく、おもしろく、何度でも足を運びたくなるようなアミューズメントプレースにしていく創意工夫が市民から求められていると感じます。
3点目に、観光施設として
国際芸術センター青森の有効活用について提案いたします。現在、
青森県立美術館に立ち寄る観光客は多くても、
国際芸術センター青森に立ち寄る観光客はそう多くはないことでしょう。
国際芸術センター青森は、八甲田山、酸ヶ湯などの観光地へ向かう途中であり、日本が誇る世界的に有名な
建築家安藤忠雄氏の特徴的な建造物であることから、今後ぜひとも当市の観光名所の一つへと成長していってもらいたいものであります。ただ、通常の美術館と違い、
常設展示作品等があるわけではない同施設は、観光客にとって訪れにくいことも確かだと思います。施設の概要をわかりやすく説明したパンフレットの設置や展覧会の開催をふやし、展覧会開催時以外は
市所有作品等の展示を行うなど、いつ訪れても楽しめるような工夫も必要と思われます。観光客が立ち寄りやすいよう、施設の近くまで大型バスの乗り入れやトイレ等の使用の利便性も検討する必要があるのではないでしょうか。せっかくの施設を宝の持ちぐされにしないためにも、幅広いニーズにこたえられる施設運営を行っていくべきであると考えます。当局のお考えをお聞かせください。
以上をもちまして私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
4 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
5 ◯市長(鹿内博君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)中川議員の
文化観光行政についての御質問のうち、まず、食文化に関してお答え申し上げます。
青森市は、南に八甲田連峰、北に陸奥湾を望む豊かな自然に囲まれ、米やリンゴなどの農産物、ホタテやナマコなどの水産物などすぐれた食材に恵まれています。また、ナマコの高付加価値化、リンゴ等の加工品の開発、販売、あるいはカシスなどの新たな作物の導入にも努め、これらの販売促進のためのPR、あるいは民間の方の活動を支援してまいりました。さらに、農水産物の加工品や青森の風土に培われた味、長年はぐくまれてきた伝統技術による工芸品、民芸品などの物産についても、業界の方々と連携して青森市物産協会を組織し御支援申し上げ、県外物産展を開催するなど、青森市の物産の販路拡大に努めてきたところであります。
そして、ことし7月のあ
おもり産品販売促進課の新設を機に、これまで
農業政策課内室において取り組んでまいりました主要産物を補完するおぼこい林檎、八甲田牛、カシスなどの一部産品を重視した販売支援から、本市で生産されるサービスをも含んだすべてのもの、すなわちメイド・イン・アオモリのあ
おもり産品を丸ごと売り込んでいく新たな方向性を持ってあ
おもり産品の一体的な販売支援を行うこととしたところであります。
一方、本市の産業面における食関連は、平成19年工業統計によれば、青森市の
製造品出荷額889億円、そのうち食料品製造は413億円、割合は46.4%、そして
製造業事業所数は239件、うち72件の30.1%が
食関連産業であり、まさに青森市の
食関連産業は本市経済の重要な推進力になっており、今後、さらに発展する条件、環境は十分に有していると思います。また、本市は地理的にも青森県の中心に位置し、県庁所在地として行政の中心であるとともに交通の結節点でもあることから、日本海、太平洋、陸奥湾、津軽海峡といったさまざまな海から暖流系、寒流系双方の水産物が新鮮なまま調達でき、また、農産物等についても県内各地から四季折々のさまざまな食材が集積するという優位性も持っております。新鮮な食材が豊富であるがゆえに、これまで、ともすれば加工度を高めることを怠ってきた感も否めませんが、今後は、生食も可能な新鮮な食材の魅力を生かしつつも、本市の経済活性化のため、農林水産物や加工品、飲食など、1次産業から3次産業までの産業間の相互の関連を密にし、第1次産品に付加価値をつける1.5次産業や、加工、流通、販売までを複合化させる視点での農商工連携による6次産業化を図ることであ
おもり産品の付加価値を高めながら、本市を食のまちとして情報発信していくこととしております。
本市には、先ほど申し上げましたようにリンゴやホタテなどすぐれた農林水産物がありますが、食文化としても、先ほど中川議員、御指摘のように、とれたタラの頭、えら、内臓、骨などを余すところなく使うじゃっぱ汁や、肉が高価で庶民になじみが薄かったころ、入手しやすい卵や海からの恵みの一つであるホタテの貝殻をなべがわりとして使い、病人食としても食された栄養価の高い料理である貝焼きみそなどの郷土料理があります。また、近年全国的に話題となっております
B級グルメについても、昔懐かしい
生姜味噌おでん、あるいは煮干しや焼き干しからだしをとった
青森ラーメン、若者たちの嗜好を生かした
味噌カレー牛乳ラーメンなど新たな商品も開発されていることに加え、今月には古川市場においてさまざまな魚介類を好みに応じて乗せて味わうのっけ丼がモデル事業として実施されるなど、民間における具体的な取り組みも見られています。
また、中川議員、御提案のように、B-1グルメにつきましては、
青森おでんの会等の関係者と協力し、全国大会あるいは東北大会が新幹線開業を機にこの青森市で開催できるように、9月に横手市で開催された全国大会において関係者の方々に働きかけを行ってきたところでもあります。
本市として、東北新幹線新青森駅開業に向けて、本市の風土に根差した食文化を発掘するとともに、新鮮で豊富な食材を生かし、生産者と加工業者や飲食業者などとの連携を一層促進して、必要があれば
プロジェクトチームなども立ち上げながら、地域固有の新たな特産品やメニューを発掘、開発し、これらの情報をあらゆる機会、チャンネルを通じて強力に発信することで、観光資源として育ててまいりたいと考えています。
また、本市においでいただいた観光客に対するおもてなしを充実させていくためには、リンゴやホタテなど市民にも親しまれ、自慢できる豊富な市産品や県産品を市内のホテル、旅館の定番料理、あるいはデザートなどとして提供することも重要と認識いたしております。また、青森市はフォアグラなど、国内唯一の生産地である食材も持っており、この活用、普及についても大きな可能性があります。今後、ホテル、旅館、飲食業界とそのための勉強会を開催するほか、本市の新鮮で安全・安心なしゅんの食材のおいしさを知ってもらうとともに、口コミやブログなどにより情報発信してもらう、例えばあおもり食っキングの開催などについても、ホテル、旅館、飲食業界と共同で取り組んでいきたいと考えております。この食っキングというのは食べるという字を当てはめております。
次に、「ねぶたの家
ワ・ラッセ」についてお答え申し上げます。
「ねぶたの家
ワ・ラッセ」については、平成23年1月の開館を目途に本年3月より工事作業が進められております。私のマニフェストに基づき、展示内容や建設費用等の見直しを行うこととし、広く市民の皆様から御意見を伺うために、7月13日には
市民懇談会、8月24日には
ねぶた祭関係者との懇談会を開催し、その後、市、
指定管理者、設計・施工監理者、
展示設計関係者等により見直しの検討を進めてきたところであります。この過程において、さきの2回の懇談会の中で市民の皆様から、単にねぶたを置くだけではねぶた祭のリアリティーがない、本物のねぶた祭の迫力にはかなわない等の御意見もいただいたことから、よりねぶたの歴史やエネルギーを感じていただけるような展示のあり方について検討を行い、去る11月12日、
はまなす会館において、市民の皆様約70名の御出席のもと検討結果に係る報告会を開催し、見直し概要について御説明するとともに、御意見をいただきました。
見直しに伴う主な変更点としては、先ほど中川議員からは、ねぶた祭の躍動感が感じられるようにとの御提案もいただきましたが、懇談会等でも過去の偉人が残した貴重な作品等を展示、紹介してはどうかとの御意見もいただいたことから、歴代の名人の遺作などの
展示スペースを設置するなど、ねぶた祭の足跡を立体的に表現する展示機能を追加いたしました。さらに、本物のねぶたを紹介する
ねぶたホールにおいては、本番のねぶた祭にない手法でねぶたを見ていただくこととし、具体的には、
大型ねぶたの展示のみならず、
中型ねぶたやねぶたのパーツなどを目の高さに近い部分におろして展示するなど、大小のねぶたがまさに波のように迫りくる空間、いわばねぶたの海とでもいうような展示を目指し、映像や音響も活用しながら、ねぶたの迫力やライブ感を一層感じていただけるような工夫に努めたところでもあります。さらには、受賞したねぶただけではなく、その年に出陣したねぶた師が制作したすべての
大型ねぶたの作品、例えばねぶたの面など一部分であっても展示することを計画したところであります。報告会に出席された市民の方からは、以前の静的な展示から動的な展示に変わっていてよいといった御意見もいただくなど、今般の見直しは、議員、御提言のねぶたの躍動感の表現にもつながっているものと認識しています。
また、現在、市と
指定管理者である
青森観光コンベンション協会との間で、ねぶたの躍動感を体験できるような施設の運営について調整を行っているところであります。その中で、単にねぶたを見ていただくだけではなく、本物のねぶたに囲まれ、生のはやし演奏の中で行うハネト体験のほか、はやし教室や
金魚ねぶた制作教室など、ねぶたの雰囲気に触れ、体験することができるような手法についても検討を行っているところであります。そのような事業の中で、市民のはやし方や
ねぶたボランティアガイドの活用等、市民の力を生かし、まさに市民が主役の施設を目指してまいりたいと考えています。
指定管理者とは引き続き施設運営に係る検討、調整を進めていくことといたしておりますが、
ねぶた祭期間以外に施設を訪れた方々にも祭りの雰囲気を感じていただき、8月の祭り本番に再び青森市を訪れたいと思っていただけるようなねぶた祭の熱気、躍動感が伝わるような「ねぶたの家
ワ・ラッセ」にしてまいりたいと思います。
そして、何よりもこの施設が市民に愛され、市民に親しまれ、さらには市民の宝であるねぶた祭の魂、ねぶた祭の歴史と伝統、そして青森市の町の歩みを次世代にしっかりと引き継ぎ、そしてまた、青森駅周辺のまちづくりと本市観光の拠点としての役割を十二分に果たせるような施設の実現を目指してまいりたいと思います。開館までまだ準備の時間がありますので、今後も「ねぶたの家
ワ・ラッセ」の内容あるいは機能、運営等につきまして、市議会並びに市民の皆様からのさまざまな御意見なり御提言をいただき、それらのことをできるだけ反映してまいりたいと思います。
私からの答弁は以上ですが、他については担当部長から答弁があります。
6 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。経済部長。
〔経済部長間山良輔君登壇〕
7 ◯経済部長(間山良輔君) 中川議員の
文化観光行政についての御質問のうち、
国際芸術センター青森の観光資源としての活用に関する御質問にお答え申し上げます。
国際芸術センター青森は、国際性、地域特性のあるすぐれた芸術文化が青森市ではぐくまれ、市民の芸術文化に対する意識と創造性が高まり、すべての市民が芸術文化に愛着と誇りを持てる拠点づくりを目的として、国内でも珍しい滞在型創作機能、交流機能、展示紹介機能を備えた21世紀型の芸術文化の活動拠点として国際的に活躍する
建築家安藤忠雄氏の設計により建設され、平成13年12月2日にオープンいたしました。
本市では、本年4月1日の青森公立大学の地方独立行政法人化に伴い、
国際芸術センター青森を大学へ出資し、大学における国際的な教養等を身につけた人材の育成への寄与や学際的研究活動の強化を図るとともに、広く地域住民に国際性豊かな現代的芸術文化を紹介し、学術文化に関する素養を涵養させる拠点として、大学の研究活動の領域拡大による芸術創作活動支援施設としてさらなる有効活用等を図っていくこととしております。
現状の利用につきましては、来場者の総数が平成14年の1万3778人から平成20年は1万9213人と年々増加傾向にあり、実施内容としては展覧会や交流プログラム、芸術講座や自然観察、施設見学、遊歩道散策等を実施しております。また、アーティストが滞在しながら創作するアーティスト・イン・レジデンスでは、平成13年度から平成21年度まで延べ98人のアーティストが滞在し創作活動を行い、たくさんの芸術作品を制作していただいたところでございます。
全国への情報発信の状況といたしましては、「広報あおもり」、ホームページ等各種メディアを活用し広くPRを行っているほか、四季ごとに行う展覧会開催時にチラシやポスターを作成し、市内の公共施設等を初め、さまざまな場所に配布し周知を図っております。また、
国際芸術センター青森は、平成16年に建築業界のアカデミー賞とも言われる第44回社団法人建築業協会賞を受賞しているほか、平成20年度には地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に貢献があった公立文化施設を顕彰する財団法人地域創造から総務大臣賞を受賞するなど、ハード面や取り組みについても高い評価を得ております。この建物は、周囲の自然環境を生かして建物を森に埋没させる見えない建築をテーマにしており、谷沿いに橋がかかるようなイメージの直線型の創作棟と宿泊棟、さらにはギャラリーや円形の屋外ステージを備えた馬蹄型の展示棟の3棟から構成されており、この独特の建築空間は、滞在するアーティストの新しい想像力をかき立て、また、訪れる人々にとって大変刺激的な新しい芸術体験の場となっており、ただ見るだけのギャラリーではなくて、ここにしかない主客の共働、交流の可能性があると考えております。
これらのことから、市といたしましては、世界的に有名な安藤建築を前面に出すことや周辺の里山環境を生かすなど、
国際芸術センター青森ならではの独自の特性を生かした企画に積極的に取り組むことなどを同センターに求め、本市来訪者にとってより魅力的な拠点となるよう、観光オンリーではなくて芸術体験、観賞等も重要なファクターとして多様な動機づけによる誘客を図ってまいりたいと考えております。
8 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。教育委員会事務局教育部長。
〔教育委員会事務局教育部長小林順一君登壇〕
9 ◯教育委員会事務局教育部長(小林順一君)
児童科学館の設置に関する4点の御質問に順次お答えいたします。
初めに、本市を中心とする津軽圏に組合方式による
児童科学館を設置してはどうかの御質問にお答えいたします。
児童科学館は、科学に関連した展示や体験の場を設定することにより、科学に関する知識の普及啓発を図るとともに、創造性豊かな青少年の育成を図ることを目的に設置されております。教育委員会では、子どもたちが科学的な観察や実験を積み重ねることは知的好奇心や探究心をはぐくむとともに、観察力や思考力を高めることができるものと考えております。このことから、自由な発想で楽しみながら参加できるものづくり教室や不思議な科学を体験できるサイエンス教室を開催しているほか、平成19年度からは、放課後子ども教室におきましても、ものづくりや自然観察を通して科学に関する知識や好奇心をはぐくみ、創造性豊かで探究心あふれる青少年の育成に取り組んでいるところでございます。また、中央市民センターでは、プラネタリウムの常設に加えて、三沢航空科学館出前講座や少年少女発明クラブによる各種教室、こどもチャレンジクラブなどが開催されております。
お尋ねの、本市を中心とする津軽圏に組合方式による
児童科学館を設置することにつきましては、他市町村の考え方もございますが、教育委員会といたしましては、まずはこれまでの事業を引き続き実施、充実させるとともに、子どもたちの科学的な体験や探求的な活動を一層重視した学校理科教育を展開していくこととしておりますことから、議員の御提案は将来に向けた貴重な御意見として受けとめさせていただきます。
次に、県立
児童科学館の設置を県に要望すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
青森県においては、青森市内に生物、自然科学を主題とする浅虫水族館や青森県立郷土館、梵珠山にある青森県立自然ふれあいセンターを設置しております。また、青森県観光物産館アスパムには、環境・エネルギーを主題にエネルギー館キャプテン・ジーオを併設し、さらに、三沢市には基礎自然科学、地球、宇宙を主題とした三沢航空科学館を設置しており、現段階で
児童科学館を設置することは考えていないとのことでございました。
次に、施設の建てかえ時に科学館を併設してはどうか、学校の空き教室等を
児童科学館の分館のように活用してはどうかの2点の御質問につきましては、関連がございますのでまとめてお答えいたします。
現在、教育委員会では、先ほどお答え申し上げましたサイエンス教室という科学体験授業を学校の空き教室や体育館などを活用し、夏休み期間に実施しております。この事業では、市内の子どもたちが一堂に会し、相互交流を図りながら不思議な科学の実験を体験するなど、科学に関する知識の普及啓発を図るとともに、創造性豊かな青少年の育成を図るという点では、
児童科学館が持つ役割も果たしているものと考えております。
議員、御提案の、施設の建てかえ時や空き教室等を活用した
児童科学館の設置につきましては、今後の事業を展開する上で大変参考になるものでありますことから、これまで実施してきている事業の中で、科学の体験だけではなく、科学展覧会のような科学に関する展示を学校施設等を活用して行うなど、より子どもたちが科学に関心を持てるような事業の展開を創意工夫してまいりたいと考えております。
10 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。都市整備部理事。
〔都市整備部理事小山内勉君登壇〕
11 ◯都市整備部理事(小山内勉君) 中川議員の雪対策についての御質問に順次お答えいたします。
初めに、流・融雪溝に関する3点の御質問につきましては、関連がありますのでまとめてお答えいたします。
流・融雪溝は、除雪後の寄せ雪のみならず、屋根雪や敷地内の雪を随時適切に処理できるほか、道路幅員の十分な確保による歩行者の安全通行など、地域における恒久的な雪処理施設として市民要望が高い施設でありますことから、平成8年に策定した青森市雪処理基本計画に基づき、河川水、海水等の水源を有効に利用して技術的に整備が可能な地区について、これまで計画的に調査、整備してきたところであり、現在は、桜川・筒井地区、矢作地区及び佃地区内において整備が進められております。
このうち、桜川・筒井地区流・融雪溝整備事業は、計画延長が1万6870メートルで、平成24年度の完成を目指し整備を進めているところでありますが、本年度には中継ポンプ場のポンプ施設、送水管等が完成する予定となっておりますことから、来年1月中にはポンプの試運転を行い、延長約1万メートルについて供用できるものと見込んでおります。なお、当該流・融雪溝は他と比較して供用範囲が広いこと、幹線道路から生活道路まで面的に整備されていることなどから、円滑な運営のためには施設利用方法の十分な理解、住民相互の密接な連携等の課題がございます。このため、市は試運転に当たって住民の方々へのパンフレット配布による留意事項の周知、試運転期間の十分な確保による利用方法の習得、試運転期間を通じて検証された課題に対応するためのマニュアルの作成等の取り組みを行うことにより、地域住民による円滑な運営を積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に、桜川・筒井地区の流・融雪溝整備が終了した後の整備予定についてでありますが、海水利用による施設も含め、現在整備に着手している地区の進捗状況を見きわめつつ、整備可能とされた地区で未整備となっている地区及び路線について、十分な水源、地表勾配及び流末の確保等の技術的な課題、整備の必要度及び効果、利用管理組合の組織化や施設の管理運営といった地域住民の理解と協力、事業実施に当たっての国の予算環境等を総合的に検討した上で事業を進めていくこととしております。
次に、
一般市民利用の内陸部での雪捨て場の設置を検討してはどうかとの御質問にお答えいたします。
青森地区におきましては、除排雪委託業者が機械除排雪を円滑、効率的に行うため、公有地及び民有地を活用した21カ所の雪堆積場を確保しているものの、除排雪委託業者の道路排雪により雪堆積場が満杯になることから、市民の雪捨てについては木材コンビナート、沖館埠頭、堤埠頭の利用を周知しているところであります。また、雪堆積場の設置に当たりましては、騒音、振動の影響を受ける民家が近くにないことや、春先の雪解け水が農業用水に直接流れ込まないことが条件となりますが、これらを満たす場所を新たに確保することが困難な状況となっております。一方、市民がスノーダンプ等で直接雪を処理するための雪寄せ場として、遊休公有地、公園、緑地、児童公園及び小・中学校の敷地の一部を活用しながらその確保に努めております。さらには、住宅地域に空き地を所有している方が地域の雪寄せ場として町会に無償で貸し付けする場合、固定資産税の一部を減額する市民の雪寄せ場事業を実施し、その拡大を図ってきたところであります。
今後におきましても、新たな雪堆積場の確保に努めてまいりますものの、市民の方々に開放することが可能な面積まで確保することは困難と思われますことから、市民の雪寄せ場事業のさらなる拡大に努めてまいります。一方、浪岡地区におきましても、青森地区同様に雪堆積場は手狭な状況ではありますものの、青森地区とは違い埠頭などがないことから、公有地及び民有地を活用した10カ所の雪堆積場は市民にも開放しております。
12 ◯議長(渋谷勲君) 34番
中川勅使男議員。
13 ◯34番(
中川勅使男君) 御答弁ありがとうございました。鹿内市長から種々のお答えをいただきました。
当市において、B-1グルメの大会開催についてきっちりと名乗りを上げたいということをお話しいただきました。ぜひ実現するよう力を入れてもらいたいと思います。また、
プロジェクトチームの立ち上げということを提言しましたけれども、それについてもきちんと前向きに行うということで、ありがとうございました。
あと、まだまだ見えてこないんですけれども、「ねぶたの家
ワ・ラッセ」がどういう形になっていくのか。私が壇上で述べたことと今やろうとしていることは、ほとんど差がないと感じました。躍動感があり、そして青森市民が、ねぶた期間以外でも運動不足を解消するためにあそこに行ってはねるというような、参加しやすい仕掛けづくりもぜひお願いしたいと思います。
教育行政についてですけれども、県の方は非常につれない返事みたいでした。あとは、教育委員会も今までのことをきっちり踏襲するということなんですが、何も建物がなければ全然できないということではなく、サイエンスショーなどの充実、また展示の工夫にもきっちりと意を用いていただきたいと思います。
雪問題について、なかなか次の段階ということの指し示しがないんですけれども、内陸部の雪捨て場については業者には開放しているわけです。ですから、今後の工夫で、豪雪になったときに、例えば日曜日は、今使われている月見野の森林公園あたりを開放するということも念頭に置いてもらいたいと思います。曜日とか雪の状況もきちんと踏まえてやっていただければありがたいと思います。
直接関連はないんですけれども、科学というものに対して非常に真剣な取り組みをしていかなければ、日本自身の産業の土台が破壊されるということは私自身も認識しております。そのような意味で、最近の記事を引用するならば、現在民主党中心でいろいろ予算の削減や洗い直しをしておりますが、その中で大型研究
プロジェクトに交付される特別教育研究経費が縮減と判定されたときに、ノーベル賞受賞者がこぞって批判したということがあります。科学というのは一朝一夕では効果は出ないわけだし、このようなものについては大所高所に立って予算をつけていかなければいけないことでもあると思います。また、当市においてもこういう面について予算を厚くしていただきたいという思いがあります。
一連の経緯の中で、ジャーナリストの立花隆氏が、資源小国の日本は科学技術による付加価値で生きていくしかないんだ、民主党に期待していたが、目の前で起きている出来事を見て怒りに震えている、そして、今の仕分け人をバーバリアン──野蛮人というように括弧しておりますけれども、バーバリアンそのものを辞書で引いたときに吸血鬼という解釈もありました。そのように立花隆氏が感じたということは、現在やろうとしていることを決して全否定するわけではありませんけれども、日本の将来にとって決していいことではない部分もあると思います。身近なところにおいては、やはり青森市においても、科学に対する興味を深めるいろんな手だてを今後も行っていただきたいと思います。
なお重ねて、読売新聞に小学生の意見が載っておりましたので御紹介します。私は科学が大好きです、夏休みには雲と天気の研究をし、キュリー夫人やアインシュタインなど科学者の本をたくさん読みました、将来は科学、特に宇宙の分野で仕事をするのが夢で、日本の科学技術の発展を楽しみにしていますということで、最後に世界2位でいいなんて言わないでほしいと言っておりました。事業仕分けにおいて皆さんも見聞きしたと思います。何で1位でなきゃいけないんだ、2位でも3位でもいいではないかということを言ったときに、小柴ノーベル賞受賞者は、1番と2番では100倍以上価値が違うということを話されておりました。我が国は科学技術で生きていくしかないという宿命の中で、当市においても少しでも前進することを望んで質問を終わります。
14 ◯議長(渋谷勲君) 次に、16番奈良岡隆議員。
〔議員奈良岡隆君登壇〕(拍手)
15 ◯16番(奈良岡隆君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)16番、市政会・無所属クラブの奈良岡隆です。
通告に従って、まちづくりと行財政改革について、3つの切り口から9点お尋ねします。
初めに、新総合計画についてお伺いします。
鹿内市長が誕生して7カ月、私は、まちづくりを進めていく上で都市の基盤整備に対する基本的な考え方が鹿内市長と佐々木前市長では大きく異なる、違うと考えていましたが、9月の市長答弁で、持続可能なまちづくりを進めていくため引き続きコンパクトシティの理念に基づき取り組むと、まちづくりの基本方針は踏襲していく考えを示されました。また、今定例会の秋村議員の質問に対し、中心市街地と地域の商店街の活性化はあわせて推進していくと答弁されています。私は、これからの青森市は、コンパクトシティをより発展、進化させた形でまちづくりを進めていくべきだと考えています。
そこでお尋ねします。
市総合計画は、まちづくりの最上位の指針であり、青森づくりの長期的な方向性を示すものですが、現在の「ネクスト Aomori 推進プラン」は、旧浪岡町との合併に合わせ、平成18年度から平成27年度までの10カ年プランとして平成18年に策定されたものです。いまだ4年も経ていないのになぜ新総合計画を策定することになったのか、平成23年度から5年間の後期計画ではなくなぜ新しい総合計画としたのか、同様の趣旨の質問は9月議会でもありましたが、改めてその考えを簡潔にお示しください。また、現プランは、新たな交流拠点、生活環境、産業、コミュニティ、文化の創造を5つの基本視点に掲げていますが、新総合計画策定に当たって今後も継承、発展させるべきものは何か、その考え方もあわせてお伺いいたします。
新総合計画の最後は、職員の意識改革に絡んでの提言です。5期20年青森市政のトップにいた佐々木前市長は、自治体経営者としての強烈な意識を持ち、トップダウンで政策を打ち出してきました。その結果、指示待ちの雰囲気が市役所内にはびこってしまいました。この後遺症を治療し、ボトムアップ式の市政を運営するためには、市長みずからが全職員から新総合計画策定に向けた政策提案、アイデアの募集をしてみてはどうかと考えます。総合計画の策定を担当セクションに任せ切りにせず、自分事とし、市職員が市政全般のありようについて考えることが縦割り行政の是正にもつながると思うのですが、その所見をお聞かせください。
2つ目は、総合都市交通戦略についてお伺いします。
まず、街路整備の基本的な考え方についてです。
現在の都市計画道路網は、平成4年の青森都市圏パーソントリップ調査の結果に基づき目標設定されたものですが、新しい総合都市交通戦略は、人口減少、少子・高齢化社会の影響により自動車の交通需要が減少すると予想した上でこれを見直し、未着手の都市計画道路については計画継続、変更、廃止を具体的に検討し見きわめていくとしています。道路特定財源の行方にかんがみ、国からの財源交付が不透明なことも考え合わせれば、当然のことながら、真に必要な道路網の選定と優先順位づけは非常に重要です。私は、今後、都市計画道路を策定する過程で住民が議論に直接参加できる、欧州などで主流になっているパブリックインボルブメントと呼ばれる手法の導入を検討すべきだと思っていますが、お考えをお聞かせください。
続いて、バスネットワークについてです。
バス交通に関する戦略を読みますと、路線再編を具現化するハード・ソフト事業戦略として、地域と公共交通を結ぶ共通ICカードシステム、バスロケーションシステム、PTPS(バス優先信号)など非常にいいことが書かれています。私も実現できたらすばらしいとの感想を持ちます。しかし、その一方で、その中に書かれている路線再編の基本スキームは、これまでの基本方針を180度転換する全く新しい考え方に基づいた交通戦略となっています。基本スキームは、中心市街地を中心とする東西・南北方向の骨格交通軸を骨格路線、骨格路線を補完し中心市街地に向かって放射線状の路線を幹線路線と位置づけ、路線の整理統合を行うとしています。また、郊外の需要が限られる路線は、生活利便施設までの短区間を頻発運行するフィーダー路線として再編するというもので、その内容は衝撃的です。ところが、よく読んでも高齢者の生活に直結するフィーダー路線のイメージが余りに漠然としていて、把握しがたいというのが正直な感想です。フィーダー路線の事業主体についてどのように考えているのか、基本的な考えをお聞かせください。
3つ目は、行財政改革の今後の方向性について伺います。
佐々木前市長時代、市は自治体経営ビジョンに基づき、民間にできることは民間にという小さな市役所を目指し、人件費など義務的経費の圧縮、受益と負担や補助金、負担金の見直しに取り組んできました。現在進行中の行財政改革プログラムは平成18年度から平成22年度を対象としており、来年度中には新たな改革プラン、プログラムを策定するべく現在調査研究中だとは思いますが、進行中のプログラムにおいて中途半端に終わった見直し、あるいは今後再検討が必要と思われるものが散見されます。そこでまず、これまでの行財政改革で市民にどのような利益がもたらされたのか、その成果についてお伺いします。
次に、改革の検証と評価についてです。
市は、民間活力の活用を名目に、これまで公立保育所の民営化、公的施設の
指定管理者制度導入、業務の委託化などを進めてきましたが、これらに対しては、サービス水準を守るという視点から適切に検証し評価することが重要です。このような行政分野の民間開放に対する評価について、その実施状況と、今後どのように取り組んでいくつもりなのか伺います。
また、行財政改革の展開について、さらに言えば、近年まれに見る厳しい財政環境、課題の中でむだのない市役所をつくっていくことは時代の宿命であり、市民の要請でもありますが、行革をその問題だけに矮小化させてはいけない、市役所組織のスリム化という問題だけでとらえてはいけないはずです。これまでの改革は、経費節減や人員削減などの量的な改革に偏り過ぎていた嫌いがあります。コスト偏重から、行政サービスの質も重視する、真に市民のために働く市役所づくりの原点に立ち返るべきです。行革の先進国であるイギリスにおいても、サッチャー政権の急進的な改革から、メージャー、ブレア政権と質の改革へ変化してきています。日本においても、リストラを中心とした経営再建型の改革から生産性を向上させる経営の質を高める改革へと大きくシフトしてきています。行革においてもこのような転換が求められています。これからは、組織のスリム化やコスト縮減などの量的な改革とともに、窓口に並ぶ時間の短縮、行政の結論が早く出るようにするなどといった市役所の運営上の体質改善、すなわち質的な改革が必要です。行政運営上の制度改革や職員の意識改革を含めた青森版質的な改革に今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
続いて、来年度予算についてお尋ねします。
市は、10月6日付で平成22年度予算編成方針を打ち出していますが、現在各部から出されている要求額の総計は目標額をはるかに超えているとも聞いています。そこで、平成22年度の経常的歳入歳出規模の見通しをお示しください。
以上お尋ねし、私の壇上からの一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
16 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。鹿内市長。
〔市長鹿内博君登壇〕
17 ◯市長(鹿内博君) 奈良岡議員から新総合計画について3点御質問がありましたので、私からお答え申し上げます。
まず、新総合計画の策定理由についてでありますが、本市を取り巻く環境変化として、現在、人口減少、少子・高齢化が一段と進行し、特に昨年のリーマンショック以来本市経済の低迷が続き、雇用環境がさらに悪化している状況にあります。また一方で、新幹線新青森駅の来年12月開業、そして平成27年には北海道新幹線新函館駅開業と、まさに日本列島が新幹線時代という新たな時代を迎えることとなります。また、国の三位一体改革等により地方財政は一段と厳しさを増し、さらには、この8月末の総選挙において民主党政権が新たに誕生し地方分権が一層加速され、地域主権の取り組みも強く求められ、地方自治体を取り巻く環境は大きく変化しております。
このような中で、私が掲げたマニフェストの青森市の将来の姿、6つの視点に立った行政運営を進めるために、これまでの行政運営を踏まえながらも、今申し上げました環境変化に対応していくために、新たな視点から行政運営に取り組む必要があるとの認識に至ったところであります。このような基本的な認識のもと、本市を取り巻く社会・経済環境の変化に適切に対応し、都市の総合力を一層発揮していくために、長期的かつ総合的な視点に立脚した新たなまちづくりの指針となる総合計画を策定することとしたものであります。
次に、現総合計画の5つの基本視点ということでありますが、青森市総合計画「ネクスト Aomori 推進プラン」に掲げた5つの基本視点については、平成17年4月の合併に際し、市町村の合併の特例に関する法律に基づき策定した市町村建設計画「青森浪岡21世紀まちづくりビジョン」において、まちづくりの基本方針として整理した5つの基本視点を踏まえたまちづくりを進めるべく、現総合計画の基本視点として位置づけたものと認識しています。現総合計画に位置づけた基本視点については、基本的には市町村建設計画の策定趣旨から尊重されるべきものと認識していますが、新たな総合計画の策定に当たっては、青森市総合計画審議会条例に基づき組織した総合計画審議会と、庁内の検討組織である総合計画策定連絡会議との連携のもと、現総合計画に掲げた基本視点や基本政策などを踏まえ、まちづくりの方向性について総合的に今検討を進めています。
現在、現総合計画のフォローアップや本市を取り巻く環境変化等を踏まえ、本市の課題を整理しているところであり、今後整理された課題をもとに目指すべき方向性の検討を通じ、来年春ごろを目途に計画素案を取りまとめることとしており、現段階においてその方向性を示すことはできませんが、私のマニフェストで掲げた青森市の将来の姿も検討素材になるものと認識しております。今後、節目節目に市議会に報告、説明しつつ、平成22年度内に新総合計画を策定してまいりたいと思いますが、当然この総合計画に当たっては、議会の議決が必要とされているものでありますから、議員各位の御審議、あるいは御提言、御提案を十分生かした内容にしなければならないとも認識いたしております。
3つ目として、全職員からの政策提言についてでありますが、新総合計画の策定に向けた庁内体制として、各部局における検討はもとより、副市長を筆頭に各部局長で組織する総合計画策定連絡会議とその下部組織として関係課長で組織する幹事会により、部局横断的な検討を進めているところであります。部局にこだわらず、若手・中堅職員も含めた全職員を対象に意見や提案を募ることは、多彩な発想を求める観点から有効な手段の一つであるものと認識しています。
102 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。都市整備部長。
103 ◯都市整備部長(宮崎貴雄君) 市営住宅幸畑第二団地に関する再度の御質問にお答えいたします。
先ほどの市長からの答弁のとおり、幸畑第二団地の建てかえ時期などについては、(仮称)青森市営住宅ストック総合活用計画において整理されることとなります。考え方としては、平成27年度までに建てかえが必要な団地の一つであり、その中でも建てかえの優先度が高い団地と認識しております。このような状況のため、具体的にいつからというお話はできませんが、建てかえを進めるに当たっては、まずは具体的な整備手法、借り上げ方式なのかPFI方式なのかといったことについて検討し、設計し、整備に当たるという手順を踏むこととなります。
104 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。都市整備部理事。
105 ◯都市整備部理事(小山内勉君) 大沢議員の再度の御質問にお答えいたします。
まず、若干整理をする意味で、BはAから土地を譲り受けた後2週間以内に、国土法の届け出に従って市に届け出しております。それから、同じ日にちにCへ売り渡しますという公拡法の届け出をしてございます。
まず、1点目の御質問でございます。その公拡法に基づいて市に届け出をしたんですけれども、その届け出書に年月日が記入されていない、この届け出は有効なのかという御質問でございます。公拡法に基づく届け出の受け付けに当たっては、届け出事項に不備がないのかを審査し、適正であることを確認した後に受理しております。御指摘の届け出は、届け出年月日が未記入のまま処理してしまったものであり、不適切な事務処理であったと考えております。しかしながら、届け出書の受理に際しましては、届け出書を2部提出していただき、その場で記載内容を審査し、適正であることを確認した場合に、それぞれに文書収受印を押印した上で収受年月日を記入し、そのうちの1部を届け出者に手渡しておりまして、届け出年月日が確定できますこと、さらに届け出事項も具備されておりますことから、公拡法に基づく届け出は、年月日が未記入ではあるものの、その有効性を失うことにはならないものと考えてございます。
それからもう1点、BがCに所有権移転したという公拡法の届け出を出すときには、Bにはまだ所有権が移転になっていないんじゃないかというお話でございます。
まず、BがAから土地を譲り受けたという国土法の届け出が9日に出されていまして、その中には土地売買等の契約を締結した年月日が記載されることとなっており、その年月日は適正に記載されてございました。なお、当該事案とは関係なく一般論で申し上げますと、登記簿につきましては、権利部甲区の所有権に関する事項中にある原因欄に登記の原因とその年月日が記載されますが、登記簿に記載される年月日は所有権移転年月日とされております。この所有権移転年月日は、通常は民法第176条の規定に基づきまして契約締結年月日となりますが、契約に所有権の移転時期に関する特約が付されている場合はその特約で定める日となり、契約締結年月日と所有権移転年月日は異なることとなります。
以上でございます。
106 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。環境部長。
107 ◯環境部長(相馬政美君) 再度の御質問にお答えいたします。
土地が基準値を超えた汚染状況にあるといったデータがあるということでございました。これを私どもに提供いただけるということのようでございます。ただ、この場でそのデータがどれだけの確度を有するものなのかということを把握できません。したがいまして、直接データを御提供いただければこちらの方で内容を精査させていただいて、必要に応じて市としての適切な対応をしてまいりたいと思います。
それから、焼却灰もあるということでしたが、ダイオキシン類の疑いの件についても、こちらの方で資料を提供いただいて内容を精査して、必要に応じて掘削などの調査を求めてまいりたいと考えてございます。
108 ◯議長(渋谷勲君) 21番大沢研議員。
109 ◯21番(大沢研君) まず、国保の資格証明書の問題です。未申告の資格証明書対象世帯を訪問しているということでしたが、それでは、これまで何件訪問して、その結果どのようになっているのか、具体的に明らかにしていただければと思います。それを1つお答えいただきたいと思います。
それから、市営住宅幸畑第二団地ですけれども、平成27年度までに建てかえるんですよね。そうすると、どれくらいの団地を建てるかによりますが、5年ぐらいかかるんじゃないですか。まず、住んでいる人たちがいますから、それを移して、壊して、それから建てていかなきゃいけないでしょう。今、82戸住んでいるわけですから、その人たちをどこかへ一たん移さなきゃいけないわけです。一つ一つ建てかえていくという方法になるかもしれませんけれども、それにしてもかなり時間がかかります。ということは、やっぱり来年度、春から工事にかかるのかなという期待が大きく膨らんでくるんですが……(「甘いな」と呼ぶ者あり)甘いですか。いかがでしょうか、もう1度お答えいただきたいと思います。
公拡法と国土法の問題ですが、提出の日付というのは、この書類が有効かどうか判断する要件にならないんですか。日付はなくても、この書類は受付印があるから有効だということですか。これは勝手に市役所が押しただけの話で、申請すべき人が日付を書いていないんでしょう。私は大変疑問に思うんですが、これは有効でしょうか。それから、私が入手した契約書によりますと、契約したのは8月27日になっている。ところが、国土法に基づいて出された書類は9月30日です。2週間をとっくに過ぎています。ただし、開示された契約書によりますと、契約書は全部黒塗りで、最初は日付も黒塗りにしてきたんですが、これだと何が何だかわからないから日付だけは出してほしいと言って明らかにしてもらったら、その契約書の日付は9月28日になっていました。だから、9月30日の届け出で国土法に基づく届け出は有効だとなるわけですが、契約書はそれぞれの勝手な作文ですから、日付を勝手につけて期限内で提出することはできますよね。役所もそれを見て判断する以外ないんだろうと思うんです。しかし、私が入手した契約書は8月27日なんです。これだと完全に国土法違反ですよね、どうですか。その点をお答えいただきたい。
110 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
111 ◯健康福祉部長(赤垣敏子君) 大沢議員から再度の御質問でございます。
資格証明書の実態把握のための訪問について具体的な件数ということでございますが、手前どもで資格証を短期被保険者証に変更した518世帯を対象としているわけですけれども、市民税課においても今年度未申告世帯を訪問するということでしたので、役割分担をいたしまして、国保医療年金課では518世帯のうち未申告224世帯を順次訪問するという計画を立ててございます。きょう現在のところ、訪問できている世帯は224世帯のうちの15世帯でございます。その中で3世帯には面談ができてございます。面談ができた世帯のうち、申告書を提出してくださり、軽減の対象になっている世帯もございます。また、面談はできなくとも、特別な事情とはこういうことですということを具体的に書いたものを差し置きして、ぜひ市に連絡をくださいということをやらせていただいておりますので、未申告の方は本当に窓口に来ていただければと思ってございます。
以上です。
112 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。都市整備部長。
113 ◯都市整備部長(宮崎貴雄君) 幸畑第二団地の質問についてお答えいたします。
幸畑第二団地のうち最も古い住宅は建設後43年が経過し、建物の耐用年数も迫っており、老朽化による居住環境の悪化が懸念される状況であることは現地を確認し認識しております。そういう状況ではございますが、やはり整備手法の検討、設計をしないまま工事に入るということはできないことでございます。このような状況を十分に踏まえ、(仮称)青森市営住宅ストック総合活用計画を策定し次第、幸畑第二団地について着実に整備を進めてまいりたいと考えております。
114 ◯議長(渋谷勲君) 答弁を求めます。都市整備部理事。
115 ◯都市整備部理事(小山内勉君) 再度の御質問にお答えいたします。
若干整理をさせていただきますと、大沢議員が日付をおっしゃっていますけれども、まず、国土法に基づいてAからBが土地を買ったという届け出が9月9日になされています。BがAと契約を結んだ日が8月27日でございますから、それは2週間以内です。それからもう1つは、9月30日のお話をされていますけれども、今度CがBから土地を買いましたという届け出を国土法に基づいて9月30日にしてございます。それは契約月日が9月28日でございます。ですから、B、Cいずれも国土法に基づく届け出は2週間以内になされてございます。
もう1点、日付が入っていない書類を役所としては有効にするのかというお話ですけれども、公拡法に基づく届け出は事前届け出になってございます。いわゆるBがCに土地を売る前に、事前に市に届け出ます。書類についての日付は非常に大事だとは思いますけれども、先ほど答弁でもお話ししましたけれども、公拡法に基づく書類が申請された際、その御本人がいる前で内容を審査して、そして収受印を押している。ですから、書類に日付が入っていないのは、私どもの方の不適切な処理がなされたんですけれども、大事な届け出の月日はその収受印の押印によって確認できている、また、本来の公拡法に基づく届け出の内容についても適正に届け出をされていると認識しておりまして、Cに売り渡す前の公拡法の届け出についても有効であると判断してございます。
以上でございます。
──────────────────────────
116 ◯議長(渋谷勲君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
明日及び明後日は休会とし、来る12月7日は午前10時会議を開きます。
──────────────────────────
散 会
117 ◯議長(渋谷勲君) 本日はこれにて散会いたします。
午後5時5分散会
──────────────────────────
TOP▲ ©2005Aomori City Assembly. All Rights Reserved. 青森市議会ホームページ │ 青森市ホームページ...