平成30年第3回定例会(第3号 3月12日)
平成30年3月12日(月)午前10時開議
開議
第1 代表質問
質問、答弁
散会
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本日の会議に付した事件
1 代表質問
田 村 富 男 君
中 山 一 男 君
倉 岡 誠 君
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出席議員(18名)
1番 戸 田 芳 孝 君 2番 金 澤 大 輔 君
3番 安 保 誠一郎 君 4番 田 口 裕 君
5番 舘 花 一 仁 君 6番 児 玉 悦 朗 君
7番 成 田 哲 男 君 8番 中 山 一 男 君
9番 栗 山 尚 記 君 10番 児 玉 政 明 君
11番 吉 村 ア イ 君 12番 宮 野 和 秀 君
13番 浅 石 昌 敏 君 14番 倉 岡 誠 君
15番 田 中 孝 一 君 16番 兎 澤 祐 一 君
17番 田 村 富 男 君 18番 黒 澤 一 夫 君
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欠席議員(なし)
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説明のため出席した者の職氏名
市長 児 玉 一 君 副市長 阿 部 一 弘 君
教育長 畠 山 義 孝 君 理事 安 保 一 雄 君
総務部長 児 玉 晃 君 市民部長 海 沼 均 君
健康福祉部長 豊 田 憲 雄 君 産業部長 田 口 善 浩 君
建設部長 山 口 達 夫 君 教育部長 奈 良 義 博 君
総務部次長 佐 藤 康 司 君
建設部次長 中 村 修 君
総務部付次長待遇 田 中 政 幸 君
会計管理者 黒 澤 香 澄 君
教育次長 加 藤 卓 君
農業委員会事務局長 大 森 誠 君
財政課長 大 里 豊 君
監査委員事務局長 佐 藤 千絵子 君
選挙管理委員会事務局長
佐羽内 浩 栄 君
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事務局出席職員
事務局長 渡 部 勉 君 主幹 小田嶋 真 人 君
副主幹 熊 谷 純 明 君 主査 石木田 慎 君
午前10時00分 開議
○議長(宮野和秀君) 直ちに本日の会議を開きます。
本日の会議は、議事日程第3号により進めてまいります。
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日程第1 代表質問
○議長(宮野和秀君) 日程第1、これより代表質問を行います。
質問事項は事前に通告を受けておりますので、順次発言を認めます。
順位1番、田村富男君の発言を認めます。田村富男君。
(17番 田村富男君 登壇)
○17番(
田村富男君) おはようございます。鹿真会・公明の田村でございます。
質問に入る前に一言申し上げさせていただきます。
ここ数年、四季を通じて異常気象と言われ続け、ことしの冬もまた大変な大雪であります。つい先日も爆弾低気圧に襲われ、大変な思いをしました。その中で、市民の皆さんが除雪に大変難儀をしているのを目にいたします。ただ、市の広報や
防災メール、
マスコミ等を通じて何度も警告されておりますが、屋根の雪おろしで命綱をつけずに作業している方も多々見受けられます。自身の命、体は自身で守るという基本を忘れず、十分気をつけたいものですし、声をかけ合いたいものだと思います。また、この雪を克雪と思わず、利雪と思考を変えて、産業や観光へと生かしていければよいのではないかとも感じております。
それでは、鹿真会・公明を代表いたしまして、通告に従い質問させていただきます。
まず初めに、
ふるさと鹿角応援寄附推進事業についてお伺いいたします。
ふるさと鹿角応援寄附推進事業、いわゆる
ふるさと納税については、返礼品の高額化など自治体間の競争が問題となり、国の指導もあって返礼率を3割に引き下げておりますが、1月の新聞記事によりますと、本市の平成29年度の
ふるさと納税は、件数・金額とも3割減ということで、伸び悩んだ理由を返礼率を下げたためではないかと分析しているようです。
しかし、県内の状況は好調が続き、11市町村において前年度超えということで、特にお隣の大館市は5億円を突破し県内一の実績ということですが、同様に返礼率を下げているということで、
返礼率引き下げは減少理由にならないような気がしております。
ふるさと納税についてはいまだ賛否両論がありますが、人口減少が進み自主財源が乏しい地方において、歳入増に加え地元の特産品の宣伝と販売ができ、生産者と自治体がまさにウイン・ウインとなる制度であり、制度が存続する限りにおいては強力に推進すべきものと考えております。
同じように返礼率を下げても寄附が伸びている大館市との違いは何なのか。活用する
ふるさと納税サイトの違いなのか、返礼品の魅力の差なのか。自治体によってはYouTubeを活用したりと、次々と新しい戦略で地元産品の宣伝を行って、
ふるさと納税の獲得に努めているようです。なりふり構わずというと言葉が過ぎるとは思いますが、自主財源を少しでも確保するとともに、地元業者の
売り上げアップのためにも本市が選ばれるのに足りないものは何か、身近な成功例を研究し、ノウハウを蓄積するくらいの気概を持って取り組んでいただきたいと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
次に、産業力の強化について伺います。
鹿角市が最重要課題として位置づけている産業力の
強化プロジェクトについて、中でも特に「稼ぐ力」の強化に取り組んでおり、豊富ですぐれた地域資源を有する本市において、非常に重要な施策を展開してきており、私としてもこれまでの取り組みは評価できるものと考えております。
そこでまず、
本市農業の担い手の現状と課題について伺います。
政府は、持続可能な農業を目指し、
担い手不足を食いとめ、地域経済の発展に寄与する成長産業へ押し上げようと農業改革に着手しております。しかしながら、近年の農業を取り巻く環境は、米を初め農産物の価格低迷による農業所得の減少、
農業就業人口の減少や高齢化、そして本年産からは米の
生産目標数量が廃止され、地域の
自主的判断で作付面積を決めるやり方となります。あわせて、稲作経営の基盤となっていた米の直接
支払交付金も廃止となり、まさに農政の大転換期を迎えることとなります。本市においても、
農業就業人口が減少の一途をたどる中、
耕作放棄地の増加や
農村集落そのものの存続問題などを抱えております。
そこで、
本市農業の現状と未来に向けた
本市農業のあるべき姿、農業経営で最も大事な
人材づくりについて、次の4点について伺いたいと思います。
第1点目として、本市の
農業就業人口の推移及び平均年齢はどのようになっているか。また、離農される状況について伺います。
第2点目として、本市の
新規就農者の推移と状況、その営農形態について伺います。
第3点目として、全国的に
農業就業人口が減少する中、
農業法人は増加傾向にありますが、本市の状況と法人の特徴について伺います。
第4点目として、本市の
新規就農者支援、
農業生産組織などに対する支援のあり方について伺います。
次に、商工業の「稼ぐ力」の強化についてですが、
労働者不足の確保や商店街の活性化などさまざまな課題がある中で、稼ぐという意味では、人口減少による市内需要の減少が危惧される中で、将来的に見てもやはり外貨獲得が産業力の強化の重要課題の一つであると思われますが、平成30年度は特に最優先課題としての新たな事業である地域商社の確立を掲げています。そこで、これはどのような事業なのか、またどのように進められていくのか伺います。
次に、観光業での「稼ぐ力」の強化についてですが、国では、道の駅がこれまでの単なる
道路利用者への
サービスエリアとしての機能から、地域の個性や魅力を生かした
地域活性化の重要拠点として位置づけるよう推進している中で、市では平成28年度より
観光産業確立計画に基づき、「稼げる観光」を目指して、道の駅かづのを観光の
プラットフォームとして強化を進めていますが、これまでの取り組みの成果と今後の本市観光の拠点としての進め方について伺います。
また、平成30年度からは道の駅おおゆがオープンし、大湯地区の新たな観光拠点としてその役割が大いに期待されますが、「あんとらあ」とあわせ、2つの道の駅のそれぞれの役割と、道の駅を活用し鹿角市全体の観光をどのように盛り上げていくのか伺います。
次に、
子育て支援についてお伺いいたします。
市長は、本市の
子育て支援策は
県内トップクラスであると機会があるごとにお話をされ、その成果として
合計特殊出生率が県内一であるということが根拠となっております。しかしながら、少子化に歯どめがかからない日本において、
子育て支援は県内はもとより全国的に最重要課題として取り組まれており、今や県内においても
トップクラスがだんご状態となっているのではないかと感じております。
そうした中で、県と秋田市が
県内自治体に先駆けて平成30年度より第1子
保育料無償化を実施すると発表し、頭一つ抜け出た形です。人口減少が進む県内の中にあって、一極集中が進む秋田市がこうした施策を打ち出すことは、秋田市への集中がさらに進むのではないかと危惧しておりますが、これを指をくわえて見ているわけにはいかないのではと考えております。
市の統計書によれば、本市の出生数は平成25年に年間200人を割って以降減少しており、150人を割り込むのも時間の問題と言わざるを得ません。出生数の減少は保育料の無償化だけで解決できるとは思っておりませんが、若い世代が結婚、出産に二の足を踏む理由の一つである
経済的課題を少しでも軽減することが行政としてできる有効策と考えますので、思い切って第1子
保育料無償化を検討してはいかがでしょうか。もちろん、負担能力が十分な方には負担していただくということで、所得制限も必要とは思いますが、そのハードルも余り高くしないで、若者世代が安心して結婚、出産、子育てができる
子育て支援策をお願いしたいと思いますが、市長の考えをお伺いします。
また、関連して、このまま出生数が減少した場合、現在の保育園数では定員割れの施設が多くなるのではと推測しております。平成30年度も待機児童がゼロということ自体は喜ばしいことでありますが、全体の入園率はどの程度になっているのでしょうか。
また、現在、小中学校の統合が進められておりますが、状況によっては近い将来保育園の再編という問題も浮上してくるような気がしますが、市長の考えをお伺いいたします。
次に、
認知症対策についてお伺いいたします。
今後ますます
少子高齢化の進展が見込まれる中、老老介護や
介護離職対策、介護の現場の
人手不足対策など、介護を取り巻く問題が報道されています。中でも最も深刻なのが認知症問題であります。警察庁が毎年発表している平成28年の
行方不明者数は8万4,850人ですが、そのうち認知症の方、またはその疑いによるものは約1万5,432人、率にして18.2%、しかも毎年増加傾向にあるとのことであります。
認知症の高齢者が徘回で行方不明となり、
万が一鉄道事故や交通事故を起こして巨額の賠償が請求されるケースは、家族にとってその精神的、
経済的負担ははかり知れないものがあります。2007年、愛知県内で電車にはねられ死亡した男性の遺族に対し、JR東海に720万円の賠償を求められる訴訟があり、1審、2審では家族に賠償を命じましたが、昨年3月の
最高裁判決でJRの請求を棄却したものの、監督が容易な場合は賠償請求を負うケースがあるとの判決内容が大変注目を集め、マスコミなどでも特集を組んだりしたことは記憶に新しいことと思います。
そうした中、昨年9月神奈川県大和市が全国で初めて市内の
徘回高齢者等SOSネットワーク登録者を被保険者として、公費で
個人賠償責任保険に加入し、
万が一認知症の高齢者が線路に立ち入り、電車を遅延させて損害を与えたりした場合などに、最大3億円を補償する事業を開始したとの報道がなされたところであります。
鹿角市の第7期
介護保険事業計画案を見ると、認知症の方とその疑いの高齢者が実に3,000名余りいると推計しています。社会問題と認識し、行政として積極的に何らかの対策を講じていく必要があると思うのですが、他市に先駆け大和市のような対策に取り組む考えがないかお伺いいたします。
次に、こころと身体の
健康づくりについてお伺いいたします。
施政方針にもありましたが、秋田県では10年後、
健康寿命日本一を目標に、昨年から県民を巻き込んだ運動を展開し、本市でも
健康寿命日本一の実現に向けて、10年後、脳卒中で亡くなる方を8割減らしますという健康宣言をしたところです。
本市の平均寿命は、平成22年、国調で男女とも
県内最下位という残念なデータがあります。平成27年国調に基づく平均寿命の算定結果が気になるところでありますが、遺伝的な面や自然環境などの外的要因、高度医療を受けられるかどうかなどに左右される可能性のある平均寿命に一喜一憂しないで、自立して暮らせる健康寿命を少しでも延ばすことに重点を置いて施策を進めることは、男女とも人生80年の時代に入った本市において重要な視点であると私は思います。
今年度、食育計画を策定しているということですが、
健康づくりに食は欠かせないと思いますし、高齢者の
筋力トレーニングの有効性も科学的に立証されてきております。適度な運動とバランスのとれた食事を継続することで、心身の健康を維持するとともに、病気の予防や万一病気にかかった場合でも早期発見、早期治療につなげるための健康診断の定期的な受診、
重症化予防のための専門的なアドバイスなど、さまざまな状況に応じた健康施策が求められ、実施してきていると認識はしておりますが、いま一つ市民に浸透していないような気がしております。意識の高い市民の方々は大丈夫ですが、病に倒れてから気づくのではなく、30代などの若い世代から
健康づくりの重要性を市民一人一人に認識していただき、事業所も巻き込んだ市民運動として盛り上げていくことで、結果的に
健康寿命日本一につながるものと考えますが、市長の見解とそれに基づく施策についてお伺いします。
また、本市は、かつて
自殺率日本ワーストワンと言われた時代がありました。現在はそうしたことはないと思いますが、依然として高齢者の自殺が多いと伺っております。自殺の理由は健康問題が多いと推察しますが、絶対数は少ないとはいえ、自殺を減らすことで健康寿命の延伸に効果が出る可能性もあります。こうしたことからも、自殺予防にも積極的に取り組む必要があると思いますが、市長の考えをお伺いいたしまして、これで壇上からの質問を終了いたします。
(17番
田村富男君 降壇)
○議長(宮野和秀君) 市長。
(市長 児玉 一君 登壇)
○市長(児玉 一君) おはようございます。
田村富男議員の鹿真会・
公明代表質問にお答えいたします。
初めに、今年度の
ふるさと鹿角応援寄附金の
受け付け状況についてでありますが、2月末現在で5,926件、金額にして7,835万円の
寄附申し出をいただいており、
受け付け件数、金額とも前年同月比で1割ほど下回る状況となっておりますが、昨年度に続き多くの方から応援いただいていることに感謝しております。
大館市との違いについては、
ポイント制の導入や返礼品の
受発注管理を
地元商工団体に委託していることによる返礼品の種類の豊富さなどがありますが、本市では、
コンビニ納付などの
支払い方法の拡充を初め、ポータルサイト内への「鹿角いいね!」
フェイスブックやPR動画の掲載、恋する鹿角新聞の送付など、寄附者の
利便性向上や市のPRを重視した取り組みを進めているところであります。
ノウハウの蓄積については、
ふるさと納税は本市の貴重な財源としてだけでなく、
認知度向上や地域経済の活性化、交流人口の拡大など、幅広い分野に波及する効果的な制度でありますので、全国の
先進自治体が集まる研修会や情報交換の場に参加するなどして先進事例の研究に努めており、引き続き積極的なPRを行うほか、返礼品のさらなる拡充に向け創意工夫しながら、ご寄附いただいた方とのつながりに配慮した取り組みを進めてまいります。
次に、
本市農業の担い手の現状と課題についてでありますが、
農業就業人口の推移、平均年齢や離農される農家の状況については、
農林業センサスの調査結果によると、本市の
農業就業人口は、平成22年調査の3,167人に対し、平成27年調査では2,253人と、914人、約29%減少し、減少率は国・県を上回って推移し、就業者の平均年齢は65.0歳から65.9歳に上昇しており、全国平均より若干低いとはいえ、高齢化は着実に進行しております。
離農される農家の状況については、
経営転換協力金の交付戸数は、平成27年度が22戸、平成28年度が50戸、平成29年度は39戸となっており、60代以降に離農される方が多い状況にあります。離農の主な理由としては、高齢に伴う体力の衰えや収益悪化による営農意欲の低下などであり、今後もこういった要因による離農は増加するものと思われますが、一方で、圃場整備を契機としてこうした方々の農地が
集落営農法人等へ集積されている側面もありますので、引き続き受け皿となる多様な経営体の育成と強化に努めてまいります。
新規就農者の推移及びその営農形態については、今年度
農業次世代人材投資資金を活用して新規就農された方は5組6人で、平成24年度以降では合計28組31人となっており、新年度は3人が就農を予定しております。これらの方々の経営開始時の平均年齢は34歳で、農家出身で親とは別の部門で経営を始められる方や、
Uターン等を契機に新たに花卉や果樹、野菜に挑戦されている方などもおり、こうした意欲ある方々がしっかりと定着していけるよう、関係機関と連携して支援を行っているところであります。
農業法人数とその特徴については、現在、農業生産に携わる法人は36法人で、そのうち
集落型農業法人が16法人、
畜産経営法人が7法人、畜産を除く一戸一法人が4法人、その他
生産加工等法人が9法人となっており、
集落営農組織、
家族経営体の法人化が進み、法人数は年々増加している状況にあります。
農業法人の特徴として、経営の安定を目指す枝豆などに取り組む経営体もありますが、水稲の生産を基盤とした経営体も多いことから、意欲ある
農業法人等に対し、
園芸メガ団地の整備も視野に、複合化に向けた研修会等を開催するなど、所得向上と農業の雇用拡大をサポートしており、引き続き魅力と特色のある
本市農業の実現に努めてまいります。
新規就農者支援、
農業生産組織などに対する支援のあり方については、
就農希望者が
先進農家等で研修する場合に補助支援を行っているほか、国の
農業次世代人材投資資金を活用し、45歳未満で新規就農される方を対象に年間150万円、最長5年の支援を行っており、今年度から新たに45歳以上の
新規就農者を対象に
ミドル就農者経営確立支援事業を開始し、年間150万円を最長3年間交付することとしております。また、個別に
相談担当者を
割り当て年2回の訪問相談を行っているほか、
ネクスト農塾では経営感覚を磨くための研修会を開催することで、農業者間の
ネットワークの形成を図っております。
農業従事者が減少を続ける中、農家子弟の就農と
Uターン等を契機に就農を希望される方から本市を就農地に選んでいただけるよう、
新規就農者の経営開始時の
リスク軽減と経営安定に至るまでの支援を充実させるとともに、積極的なPR活動を継続することにより、就農者の確保に努めてまいります。
集落営農組織等の
農業生産組織への支援については、農地集積と法人化を働きかけるとともに、
集落営農推進協議会や
支援機構経営サポートセンターでは、
経営力向上に向けた研修会や
業務用米実需者との
マッチング支援などを通じ、販売面での支援のあり方などについて意見をお伺いし、新たな支援策を検討しております。また、
支援機構経営サポートセンターでは、
担い手支援ワンストップ窓口として、
販路拡大等の相談対応なども行っております。
これまでも、
担い手支援として、機械・設備の導入に対する補助事業や融資制度、6次産業化に関する相談なども実施してまいりましたが、引き続き農業者の安定した経営基盤の確立に向けた支援を継続してまいります。
次に、商工業・観光業における「稼ぐ力」の強化についてでありますが、
地域商社確立事業の内容と展開については、産業力の強化を目標に掲げ、これまで地域資源の
ブランド化や
市内事業者の成長を目的に、地域資源を活用した新商品開発への支援やかづの産業見合市によるバイヤーとの
交渉スキルの強化、
販路拡大支援、
日本サッカー協会との連携によるPR事業などを展開してきたほか、
産業コーディネーターを中心に
市内食品関連業者10社と関係機関で構成する
食品製造関連ネットワークを設立し、
域内事業者間の連携強化による域内取引の活性化や販路拡大を図ってきたことにより、
鹿角産品を域外に売り込むための土台の構築に取り組んでまいりました。しかしながら、小ロット多品種の事業者が多いことや物流の問題などから、
事業者単体での活動には限界があり、販路拡大、外貨獲得による
産業力強化を総合的に実現するためには、
マーケティングの強化が必要であることから、これを担う地域初の司令塔として、
地域商社機能を構築・強化することとしたものであります。
地域商社確立事業は、域外への販路拡大に向けて、
鹿角産品の
マーケティングに必要な市内企業の情報収集、調査・研究、戦略策定を行い、商品開発や販促活動のサイクルを確立して、外貨の獲得を実現するものでありますが、来年度は
マーケティング機能の構築に向け、
市内事業者への
ヒアリング等を行い、この結果をもとに、製法や量目の再検討、
物流実態調査、
デザインパッケージの見直し、
テスト販売などの
テスト事業を行い、分析とフィードバックを実施しながら、モデルケースの構築を目指してまいります。
地域商社機能を確立することで、地域内外の多くの関係者を巻き込みながら地域産品を総合的にプロデュースし売り込んでいくことが可能となるほか、小ロット多品種である事業者の
商品取引サポートや、生産者や事業者、
鹿角産品の掘り起こし、地域内での消費の循環等、さまざまな効果が期待されます。このように
鹿角産品の潜在能力を引き出し、「稼ぐ力」をこの事業を展開することにより加速させ、さらなる産業力の強化を図ってまいります。
「稼げる観光」を目指す取り組みの成果と今後の進め方については、今年度は、
観光プラットフォーム機能を担う
株式会社かづの
観光物産公社の
観光企画力と営業力を強化するため、
地域観光マーケティングに高い能力を有する人的支援を講じたことで、同公社の安定的な経営基盤が構築され、鹿角観光の中心としての機能を持つ組織体制が強化されました。
さらに、「稼げる観光」に必要な企画の立案と実行の担い手として、鹿角市観光プロデューサーを配置し、タイのトップセールスでは、広い人脈をもとにした販路の拡大につながったほか、「あんとらあ」の広場にアクティビティー施設を設置するなど、新たな切り口による観光素材が利益につながったことから、社内の活性化も図られております。
また、観光産業確立推進ミーティングにおいて、鹿角観光の現状についての的確な分析と今後の方向性を提示するなど会議を主導し、鹿角の観光体制の一本化に向けた機運を高める重要な役割を果たしております。
市といたしましては、今後も公社が地域DMOとして、十和田八幡平観光物産協会を初めとする観光団体が一体となり、観光客目線に立った事業を立案、展開できる体制づくりを進めてまいります。
同時に、ハード面からも「あんとらあ」の施設全体を活用し、鹿角の食や伝統文化のPR機能を高めながら、観光客が楽しめるような施設にするとともに、マルシェ機能の新設による農産物の販売拠点の整備を目的に大規模改修を行い、「稼げる観光」の中心的な役割を担う拠点施設に位置づけ、各種施策を展開してまいります。
「道の駅かづの」と「湯の駅おおゆ」のそれぞれの役割と両施設を活用した観光施策の進め方については、道の駅かづのを管理する
株式会社かづの
観光物産公社は、地域DMO機能を果たす法人として、観光客の受け入れ態勢と鹿角観光のマネジメント力の強化を進めており、道の駅おおゆを管理するノリット・ジャポン株式会社は、地域産品の総合的なプロデュース力と情報発信力が強みであり、得意とするところであります。この2つの道の駅がそれぞれの役割を果たすことにより、市内外への本市が抱える観光の魅力を総合的に発信できるものと考えております。
また、道の駅かづのでは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「花輪ばやし」を初めとする伝統芸能やきりたんぽ体験など、本市の歴史・文化の魅力を、道の駅おおゆでは、温泉やビオトープ、桜のほか、外国人観光客に人気が高い冬の雪山など、本市の自然と気候の魅力を体感できるほか、両施設ともかづの牛や八幡平ポークなどの素材を生かした食を提供することにより、それぞれ本市観光の特徴を生かした施設となっております。
両施設は、鹿角観光の北と南の玄関口の役割を担う拠点として、それぞれが個性を発揮し合うことで、観光客の周遊性が生み出されることから、道の駅を介して十和田湖と八幡平を結ぶ観光ルートとしての魅力が向上することになります。
それぞれの道の駅の特徴や強みを最大限に生かした連携を進めることにより相乗効果を生み出していくことで、十和田八幡平国立公園を核とした鹿角観光のより一層の活性化を図ってまいります。
次に、
子育て支援についてでありますが、これまでファーストベビー祝い金、第2子以降の保育料無料化及び第3子以降の教育費支援などの少子化対策に加え、結婚から出産、育児へとライフステージごとのニーズに応じた支援を行うなど、切れ目のない支援体制を講じております。さらに、新年度からは第2子の保育料無料化に係る所得制限を一部緩和し、病児・病後児保育と一時預かりについても第3子の利用料を無料にし、子育てに係る経済的不安の軽減を図ることにしております。
若い世代が安心して子育てをしていくため、経済的な負担の軽減だけでなく、一時預かりやファミリーサポートセンター事業による子育てと仕事の両立支援のほか、子ども未来センターによる親子の交流の場の提供や、子育て講座の開催による子育ての楽しさや充実感を得られる環境づくりにバランスよく取り組んでいくことが重要でありますので、市といたしましては、このような取り組みを継続してまいりたいと考えております。
なお、保育料助成については、国・県において段階的な見直しが図られておりますので、今後も動向を注視しながら対応を検討してまいります。
来年度の保育園等の入園状況については、認可保育園が740人、認定こども園が138人、全体で878人に対し入園承諾の通知をしており、これは利用定員1,060人に対して82.8%の入園率となっており、今年度当初の入園児童911人、入園率85.9%と比較して33人、3.1ポイント減少しております。
保育園の再編については、少子化や保育士確保、施設の老朽化などの課題を踏まえ、現在、第9次行政改革大綱において、公立保育所等のあり方について検討することとしており、今年度は保育所等を運営する法人と本市の保育環境をめぐる課題を共有し、現状について相互の理解を深めるため意見交換会を開催しております。
現在のところ、具体的な計画はございませんが、将来を見据えた本市の保育ニーズの見込みと確保策について検討していく必要がありますので、平成31年度までを計画期間とする子ども・
子育て支援事業計画の進行管理とあわせ、次期計画の策定作業の中で、公立施設の配置計画や適正な定員設定等を検討してまいります。
次に、
認知症対策についてでありますが、認知症による徘回等により事故が起きた場合の損害賠償リスクに備えるためには、個人で保険に加入する必要がありますが、保険料を公費で負担することの是非については慎重に判断する必要があり、むしろ自治体が個別に施策を講じるよりも、公的なサービスとして構築されることが望ましいと考えますので、まずはこうした問題を未然に防ぐため、介護予防に力を入れながら、窓口を訪れた相談者に対し民間保険や賠償責任について情報提供するなど、
認知症対策を支援してまいります。
次に、こころと身体の
健康づくりについてでありますが、10年以内に
健康寿命日本一を達成するため、昨年7月に設立された秋田県
健康づくり県民運動推進協議会において、市町村、保険医療団体等のほか、経済・労働団体も参加し、
健康づくりを社会全体で取り組むべき課題として相互に連携協力するとともに、みずから主体的に行動する行動宣言が採択されております。
本市では、大きな健康課題である脳卒中による死亡者数を10年後に8割減らすという目標を掲げましたが、脳卒中の最大のリスクである高血圧対策、そのための減塩啓発が重要と考えており、大館保健所とも連携しながら、ナトカリ計を使用した食事指導を市内企業等の協力のもと実施しております。
また、今年度より、健診を受診する機会がない30代の国保加入者や被用者保険の被扶養者を対象とした30代「さんまる健診」を実施しており、若いうちから健診を受診する習慣をつけていただくよう取り組んでおります。
先月実施した
健康づくり講演会では、協会けんぽと鹿角市民の
健康づくりの推進に向けた包括的連携協定を締結しております。協会けんぽには、市内499事業所、約12,000人が加入しておりますが、加入事業所内には社員の
健康づくり、健診など各種事業の推進を担う健康保険員が市内65名登録されておりますので、この方々と連携し、特定健診・がん検診等の受診勧奨や、ナトカリ計を活用した食事指導等を行うなど、相互に連携・協力して
健康づくりに取り組んでいくこととしております。
自殺予防への取り組みについては、本市の自殺者数は減少傾向にあるものの、過去5年間の累計では60代以上の自殺者が全体の約5割となっております。その原因は一つだけではなく、さまざまな要因が重なった結果、孤立を深め自殺に至るケースがほとんどであり、中でも健康問題が約4割と最も多いことから、
健康づくりと自殺予防への取り組みが健康寿命の延伸につながるものと考えております。
そのため、悩みを抱えている人に気づき、傾聴し、必要に応じて専門機関につなぎ、優しく見守ることの重要性を啓発する自殺予防キャンペーン、花輪、毛馬内、大湯で傾聴ボランティアを行う「ふれあいパートナー」の養成、臨床心理士による「こころの個別相談」、また市保健師と関係機関の連携による個別訪問を行ってまいりましたが、今年度より新たに医師・看護師等医療専門職が24時間無料で健康・医療に関する相談対応を行う「テレフォン病院24」を実施するなど、積極的に自殺予防に取り組んでおります。
平成28年に自殺対策基本法が改正され、30年度中に市町村自殺対策計画を策定することとなりますが、市民アンケートの実施や関係団体との意見交換をしながら計画を策定し、より効果的な自殺予防対策を実施してまいります。
(市長 児玉 一君 降壇)
○議長(宮野和秀君) 以上で
田村富男君の質問を終わります。
ここで、11時10分まで休憩いたします。
午前10時45分 休憩
──────────────────────〇 ─────────────────────
午前11時10分 再開
○議長(宮野和秀君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、順位2番、中山一男君の発言を認めます。中山一男君。
(8番 中山一男君 登壇)
○8番(中山一男君) みなさん、おはようございます。
清風会の中山一男でございます。初めての代表質問でありますが、誠心誠意努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
さて、先月2月9日から25日まで平昌オリンピックが開催されましたが、日本の選手の活躍に市民の方々も大変感動したのではないかなと思っております。結果を見ますと、金メダルが4個、銀メダルが5個、銅メダル4個の合わせて13個のメダル獲得でありましたが、選手はそれぞれ日々高い目標を持ってこつこつと長年努力してきた結果であろうと思いますし、私も改めてスポーツのすばらしさを実感したところでございます。
本市は、スキーのまち鹿角、駅伝のまち鹿角の推進と、子供たちの夢と希望を育むスポーツ環境の充実など、力を入れて取り組んでいるところでありますが、ぜひとも本市の子供たちの中から次の東京、あるいは北京オリンピックの選手が誕生し、活躍してくれることを心から念願するものであります。
それでは、施政方針と教育方針を受けましたので、清風会を代表いたしまして、通告に従い順次質問してまいります。
まず初めに、総合計画の進捗状況についてでありますが、昨今急速な
少子高齢化の進展により、国はもちろんのこと、特に地方の人口減少に歯どめをかけるべく、どこの市町村もその対策に躍起になって取り組んでいるところであります。
本市でも、平成27年度から31年度までの5カ年を推進期間とする鹿角市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定したところであります。また、平成28年度から平成32年度までの5年間で将来都市像「笑顔がつながり活力を生むまち・鹿角」の実現に向けた8つの重点プロジェクトに取り組むこととし、第6次総合計画後期基本計画を策定したところでありますが、総合戦略はこの総合計画に包含されて現在推進されているというところでございます。人口減少対策を主体とした地方創生の実現は、まさにこの総合計画の実現にかかっていると言っても過言ではないと思っております。
そこでまず、総合戦略3年間、後期基本計画2年間が終わろうとしていますが、これまで実施してきた8つの重点プロジェクトの実績とその効果及び総合計画全体の推進状況をどのように評価しているのかお伺いいたします。
次に、平成30年度当初予算についてでありますが、市長は平成30年度予算を「かづの元気魅力推進予算」と位置づけ、後期基本計画の中間年に当たる3年目として8つの重点プロジェクトの実施を図り、より元気に力強く魅力を発信させたいと言っておりますが、有言実行できるように期待しているところでございます。
今年度は、後期基本計画の中間点として、人口減少対策を加速させ、未来に向けた魅力あるまちづくりを図ることからも大変大事な年度であろうと思います。そういう意味においては、今年度の一般会計予算の総額約178億円は、前年度当初予算と比較して1.4%増ということで、市長の意気込みを感じているところでございます。
そこで、これまでもどの年度においても目玉事業がありますが、平成30年度予算の目玉事業とその必要とする背景、財源措置、将来にわたる効果等の概要についてお伺いいたします。また、同じく主なもので結構でございますが、目玉事業以外の新規事業や拡充した事業についてもお伺いいたします。
次に、基本目標1の農業生産の振興についてでありますが、まず、旧来の米の生産調整制度、いわゆる減反政策についてお伺いいたします。
平成30年度以降の水田関係制度については、国からの稲作作付面積の提示から、農家の主体的な需要に応じた生産に転換されることになりましたが、このことは、米の市場価格を低下させないためにも、農家生産者は販売先がなければ作付ができないことになるだろうと思いますし、農家にとっても一定の目標値がなければ混乱することも懸念されます。今後は、各米集荷業者による米販売予測に従って米生産がなされ、このことは米販売業者の販売力によって、本市の米生産が左右されることになるだろうと予測されます。
そこで、何点かお伺いいたします。
1点目は、平成29年度の作付率は約56%ですが、平成30年度の作付面積の予想はどれくらいかお伺いいたします。
2点目は、生産の目安について、配分方法、配分提示方法、達成した場合、あるいは達成しなかった場合など、旧制度と新制度との違う点は何かお伺いいたします。
それから、3点目は、本市以外の米業者への米の流出も懸念されますし、縁故米の増加も考えられる中で、本市の米流通の実態はどのようになっているのか、その調査は行われているのかお伺いいたします。
4点目は、本市施策の
産業力強化の中の農業力強化をさらに推進するためには、販売力の強化を強く推し進めることも必要と考えますが、いかがでしょうか。
5点目は、平成30年度から、とも補償事業の廃止、経営所得安定対策等制度の変更など新制度が施行されますが、平成29年度と比較して、農家生産者への補助金は本市ではどれくらい減少するのかお伺いいたします。また、減少した補助金分の農家所得を補う新しい施策があるのかお伺いいたします。
次に、「淡雪こまち」についてでありますが、このことにつきましては、特別栽培米の作付を支援しており、今後もブランド米としての付加価値をさらに高められるよう継続して支援することとしておりますが、淡雪こまちの作付面積を拡大し、高価格で販売できれば本市の農業も高環境が生まれてくるだろうと考えます。そこで、淡雪こまちの作付面積を拡大するためには、その販売先が必要不可欠であると思いますが、そのためには販売業者の販売先開拓への指導助言にも力を入れるべきと思うが、いかがでしょうか。
次に、基本目標2の高齢者福祉についてでありますが、まず第7期介護保険事業計画についてお伺いします。
現在、誰もが自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができる地域づくりを基本理念とし、第7期介護保険事業計画が策定中であり、パブリックコメントが終わりますと策定作業も終了すると伺っております。平成12年にスタートしましたこの介護保険制度でありますが、スタート時の本市の介護保険給付費の規模は約18億円となっております。この間の市民説明会の資料では、第7期の最終年度である平成32年度の給付費見込み額は標準給付費と地域支援事業費を合わせ約46億円であり、20年間で約2.5倍になる想定であります。
本市の平均寿命を見ますと、男性が79歳、女性が84歳となり、人生80年時代が到来しておりますけれども、昨今人生100年の時代が到来するだろうと言われている中で、今のペースで介護給付費が膨らんでいきますと、いずれ破綻しかねない状況になるのではないかと懸念されるところであります。いつかは誰もが通る道である介護を、社会全体で支え合うという介護保険制度の理念はまことにすばらしいことだと思いますし、核家族化の進展や少子化、非婚化の進展により、ひとり暮らしの高齢者が増大するだろうと予測される将来に向け、何としても継続していかなければならない制度であろうと思っております。
このような状況を踏まえ、国では介護費用をいかに抑えるかが施策の中心となっており、自立支援を促すことに重点を置いている報道も目にしております。また、介護保険料の負担割合も変更するなど、受益者負担を強化する方向にあるようであります。
そこで、今定例会には、保険料を規定している鹿角市介護保険条例の一部改正案も提案されておりますが、平成30年度からの新制度の概要、平成30年度以降の介護保険料の推移及び今回の介護報酬改定により、介護従事者の処遇改善は図られるのかお伺いいたします。
また、介護給付費を抑えるためには、市民の健康に対する意識づけも大事なことであろうと思いますが、健康寿命を延ばす意味においても、市としてどのように取り組んでいくのか、その方針をお伺いいたします。
次に、介護人材の確保についてでありますが、今後需要が増すと思われる介護施設の整備方針とあわせ、介護事務に従事する人材が不足していると言われて久しいわけでありますが、これは本市ばかりの問題ではないと思っております。県では、人手不足が懸念される介護人材の確保に向け、未経験者の参入や離職者の再就職を促す新たな取り組みを進める考えを示し、当初予算案に関連経費として約8,900万円を計上し、介護人材の確保に本腰を入れるようであります。
そこで、本市の介護人材の現状と不足に対応する場合の人材確保の方策は考えているのか。考えているとすれば、どのような内容かお伺いいたします。
次に、基本目標3の道路網の整備についてでありますが、これまでも中心市街地ににぎわいを創出し、
地域活性化を図るべく各種施策が推進されてきたところでありますが、その最も大きな目玉である文化の杜交流館コモッセが完成し、計画目標以上に多くの市民の方々が利用し、大変喜ばれている実情からしますと、将来にわたる効果があらわれているよい施策だったと感じております。
また、平成30年度から、鹿角花輪駅前整備事業が始まります。現在の面積の約1.5倍に拡幅されることになり、本市の表玄関としての顔が整備されますし、ユネスコ無形文化遺産としての花輪ばやしの駅前行事の運行にもこれまで以上の盛り上がりが期待されるところであります。そういうことで早期完成が待たれるところであります。さらには、県道横丁地区街路整備事業も終わり、それと同じくしてまちなかオフィスが平成28年12月にオープンし、町なかのにぎわいに一役買っているところであります。
このような中で、コモッセの北側を走る八正寺久保田線は、国道282号線と久保田橋及び米代川堤防線を結ぶ重要な路線として、後期基本計画の中にも計画的な道路網の整備として上げており、早期着工が望まれておりますが、いまだ着工されていない実情であります。今年のような降雪の多いときは、車が自由に交差できない狭隘な道路を軽トラックを初め2トン車、4トン車等が毎日のように雪捨て場へと利用しているほか、子供たちが通学路として利用していることからも、大変危険な状況であると実際に見て感じているところでございます。
そこで、ことしの施政方針にのっていませんが、安全安心な道路交通の確保という観点からと、平成27年2月の市長の施政方針では、八正寺久保田線については、基本設計が完成し、中心市街地の活性化や地域交通の一層の利便性の向上を図るため、詳細設計の策定を進めていく旨の方針が示されておりましたが、既に3年を経過しております。事業の早期着工を望むものですが、現在の計画の進捗状況についてお伺いいたします。
次に、基本目標4、花輪第一中学校の大規模改造についてでありますが、いよいよ花輪第一中学校と花輪第二中学校の統合が平成32年4月と目前に迫ってまいりました。校舎は今年度から2カ年の計画で大規模改造工事が行われるわけでありますが、安全安心で良好な環境整備が図られることを地元民として、またOBとしても期待しているところであります。
そこで、今回の大規模改造工事とあわせ、学校までの通学路、特に沢小路方面の道路が狭隘で、側溝にふたがないなどの危険な部分も見受けられます。それらの整備や生徒の安全安心を考えると、スクールバスの乗降場所は学校敷地内に整備されるべきと考えるが、それらの整備についても計画されているのかお伺いいたします。
次に、教育方針の文化財の保存・伝承についてでありますが、まず花輪ばやし屋台改修の早期実現についてお伺いいたします。
平成12年12月に花輪祭の屋台行事、腰抜け屋台伝承のための保存修理調査委員会の報告書の中を見ますと、平成28年度から平成34年度までの7年間で屋台10台で9,000万円の修理費の計画が掲載されています。予定どおり平成28年度から屋台改修がスタートしているようでありますが、現在は国の補助金絡みの関係で年1台のペースで行われていると聞いております。今年度は、「あんとらあ」の駐車場に改修作業用の施設が建設され、順調に改修が進むものと期待しているところであります。しかしながら、年に1台の修理とすれば、順調にいって10年、国の補助採択次第によってはもっと長くかかることも懸念されます。
そこで、鹿角花輪駅前広場整備事業もいよいよ始まります。その完成前にはぜひとも全屋台の改修も終えるべきと考えますが、改修計画を前倒しし、少しでも早く改修を終える方法を検討してみてはいかがでしょうか。
一番のネックはやはり財源であろうと思いますが、一例といたしまして、
ふるさと納税の対象となる具体的な政策に対して寄附を募る形もよいのではないでしょうか。この方法はガバメントクラウドファンディングと言うようでありますが、ぜひ検討していただきたいと思います。
次に、大日堂舞楽への支援についてでありますが、大日堂舞楽は、ことし舞楽が伝承されて1,300年の節目に当たり、さまざまな行事を予定していると聞いております。そこで、花輪ばやし同様、ユネスコ無形文化遺産でありますが、市として人的、財政的支援等を行う考えがあるのかお伺いいたします。
次に、同じく教育執行方針の世界文化遺産登録の推進についてでありますが、まず、遺産登録に向けた動きについてお伺いいたします。
今年、元旦の報道にありましたが、国の文化審議会の複数の関係者が日本の新たな登録推進候補を決める2018年の審査で、北海道・北東北の縄文遺跡群の推薦が有力とみなしているとの報道でありますが、大変期待するものがある反面、5年連続で見送られた状況を考えますと、今度こそライバルと目される候補を押しのけて、本当に国内推薦をかち取れるのか、疑問が若干残るところであります。そこで、現時点での登録に向けた動きはどうなっているのかお伺いいたします。
次に、遺跡を分断している県道の移設についてでありますが、このことについては以前から指摘されている点であり、花輪から大湯、十和田湖に向かう重要な観光道路であると同時に、市民の生活には欠かせない大事な道路であると思っております。移設に当たっては、市民の生活に支障が出るということで、長年検討されてきた経緯にありますが、何となく時間ばかりが過ぎているような気がしてなりません。
そこで、大湯環状列石の魅力を高めるためには、県道の移設は大変重要なことだと考えておりますし、移設の有無についてはそろそろ結論を出すべき時期なのかなとも考えます。現在の進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
次に、遺跡内の熊対策についてでありますが、昨年、大湯環状列石の遺跡内に熊が出没したことから、一般公開が中止となった経緯にありますが、同じ遺跡群として登録を目指している北秋田市の伊勢堂岱遺跡にも熊が出没し、2年連続で一般公開が中止されている旨の報道がありました。また、報道では、熊対策として環状列石周辺の立木を伐採して緩衝地帯を設け、人間と熊の距離を保つほか、公開区域を電気柵で囲って、熊の侵入を防ぐ計画を立てて、平成29年度予算に事業費として約1,200万円を計上し、2月19日から対策事業を開始しているようであります。
そこで、本市では、熊対策としてどのような対応を考えているのか、また、市の植樹祭により熊が身を潜めやすい環境ができていくことも懸念されますが、これについてもどのように対応されるのかお伺いいたします。
最後になりますが、今重要課題であります人口減少対策を主体とした地方創生の実現は、一朝一夕にはできない時間のかかる取り組みであり、総合計画事業をこつこつと力強く着実に実現していくことが肝要だろうと思っております。私たち清風会は、市長が提案する重要な施策等について、その水準を高めるべくお互い研さんし合いながら、一般質問、あるいは施策提言などを行ってまいりますことを申し述べまして、代表質問を終わらせていただきます。
(8番 中山一男君 降壇)
○議長(宮野和秀君) 市長。
(市長 児玉 一君 登壇)
○市長(児玉 一君) 中山一男議員の清風会代表質問にお答えいたします。
初めに、総合計画の進捗状況についてでありますが、8つの重点プロジェクトのうち、産業力
強化プロジェクトについては、外貨を獲得できる農業、観光業、製造業、それぞれの
ネットワークを形成し、産業力の強化を図ることとしており、農業では、
ブランド化を推進している「淡雪こまち」、「北限の桃」の作付面積や「かづの牛」の飼育頭数を着実に伸ばしているほか、市場性の高い枝豆や花卉の作付がふえ、「啓翁桜」、「シャインマスカット」などの新たなブランド農産品の育成を進めております。
観光業では、かづの
観光物産公社がDMO候補法人に登録され、同社を中心とした観光地域づくりが前進しているほか、積極的な観光宣伝が外国人観光客数の増加と宿泊客数の伸びにつながっております。
製造業では、企業1社の産業団地への進出が決定しているほか、企業立地助成等により設備投資が促進され、増産や製品出荷額の拡大が見られております。
移住・交流推進プロジェクトについては、移住しやすい環境整備や積極的な情報発信により、3年間で59世帯106人が移住するなど着実な成果があらわれております。また、移住者をサポートする組織として、NPO法人かづのClassyが設立され、移住者がさらなる移住者を呼び込む好循環が生まれつつあります。
角ぐむ「鹿角」ブランド確立プロジェクトについては、本市PRのため、
ふるさと納税の返礼品の拡充や観光宣伝のほか、シティプロモーション事業などの効果的な施策を講じ、
認知度向上を図る取り組みを進めたことにより、全国的な魅力度順位が平成27年の510位から今年度は414位に大きく順位を上げております。
子どもの笑顔きらめきプロジェクトについては、保育料の無料化や福祉医療給付の18歳までの拡充、結婚・子育てローン、テレフォン病院24など、
子育て支援策をさらに充実させたことにより、出生数の減少幅が小さくなっており、市民アンケートの結果からも子育てしやすい町であることが市民にも浸透しているものと考えております。
みらい輝く人づくりプロジェクトについては、将来の鹿角を支える子供たちの育成のために進めてきたふるさとキャリア教育推進事業が、昨年文部科学大臣表彰を受けるなど、これまで継続してきた特色ある取り組みが評価されております。
まちなか賑わい創出プロジェクトについては、これまでに整備したコモッセやまちなかオフィスが新たな交流・滞留人口を生む拠点となっており、商店街と連携したイベントの開催などにより、さらなるにぎわいの創出が期待できる状況が整っております。
地域コミュニティ活力再生プロジェクトについては、今年度から集落支援員を配置し、小規模自治会への支援を強化しております。
健康生き生き長寿社会プロジェクトについては、豊かなシニアライフを送るための
健康づくりを目的として、健康講座の開催や介護ボランティア制度の立ち上げを行っているほか、高齢者が集うためのサロンが増加するなど、長寿社会を支える基盤が整いつつあります。
これまでの総合計画全体の評価については、「計画どおり進んでいる」、「おおむね計画どおり進んでいる」ものは重点プロジェクトで75%、施策で86%となっており、平成30年度は第6次総合計画後期基本計画の中間年として、重点プロジェクトを初めとした鹿角を元気にする施策・事業に全力で取り組み、市民の皆様から住み続けたい、また市外の方からも行ってみたい、住んでみたいと評価をいただけるようなまちづくりを進めてまいります。
次に、平成30年度当初予算についてでありますが、目玉事業は、
地域商社確立事業、鹿角駅前整備事業及び医師確保対策事業の3事業であります。
地域商社確立事業では、これまでの産業ブランドアップや地域内連携の取り組みを生かしながら、
鹿角産品を総合的にプロデュースする機能を確立し、地域産業の活性化を図ってまいります。
鹿角花輪駅前整備事業では、観光案内所の建設に着手いたしますが、交通利便性の向上と駅前広場の有効活用により、中心市街地のにぎわい創出と魅力アップが図られるよう、計画的に整備を進めてまいります。
医師確保対策事業では、新たに地域医療推進員を配置し、県や厚生連、そして市民団体と連携をとりながら情報収集を進め、医師確保に全力で取り組んでまいります。
その他の新規事業や拡充を図った主な事業としては、産業力の強化では、鹿角観光ふるさと館を、マルシェなど新たな魅力を備えた施設にリニューアルするための実施設計に着手するほか、桃の新・改植支援による産地拡大、
農業法人化支援などによる農業経営のサポート体制の強化、企業の労働力確保・人材育成に向けた支援などを行うことにより、市民所得の向上と雇用の創出を図ります。
子育て支援では、第2子の保育料無料化の所得制限を緩和するほか、妊婦等の不安解消に向けたきめ細かな相談体制の構築など、切れ目のない支援策を進めることにより、安心して子供を産み育てられる環境のさらなる充実を図ってまいります。
また、移住・交流の推進では、NPO法人との連携により、移住促進体制の強化に取り組むほか、全国規模のスポーツ大会の開催に加え、合宿に対する支援の拡充などにより、定住人口と交流人口の拡大を図ってまいります。
平成30年度当初予算は、こうした施策に重点的に取り組み、鹿角の元気と魅力を高めるため、より力強く前進するという強い思いを込めて、「かづの元気魅力推進予算」と位置づけており、将来都市像「笑顔がつながり活力を生むまち・かづの」の実現に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
次に、農業生産の振興についてでありますが、平成30年度の作付面積につきましては、秋田県産米シェアの高まりなどを勘案し、本市の生産の目安を56.4%としておりますが、JAや主食集荷業者による情報から、これを上回る作付面積までは達しないと推測しております。
旧制度と新制度との相違点につきましては、配分方法については、これまでは国により生産数量が設定され、県を通して市町村に配分されていたものが、新制度では、生産者がみずからの経営戦略により生産する仕組みに変わりますが、本市では過剰作付による米価の下落を招くことがないよう生産の目安を設定しております。この目安を従来と同様にJAや主食集荷業者が生産者へ提示しております。
従来は、生産数量を達成しなかった場合に、米の直接
支払交付金が受けられないなどの不利益がありましたが、今後はこの交付金は廃止されるため、達成いかんによる違いはなくなり、需要に応じて目安以上の作付をすることも自由となります。
本市の米流通の実態につきましては、現在、JAや主食集荷業者へ出荷している生産者数は84%で、大部分が実際の需要に見合った流通により、価格の安定が図られる系統販売に回ることから、個別の流通調査は行っておりません。
なお、縁故米につきましては、米価が堅調に推移しているため、必要以上にこれを保有することは考えにくく、他の事業者へ売り渡すメリットも小さいことから、大幅に増加することはないと考えております。
農業力と販売力強化の推進につきましては、市では、農業経営サポートセンターにおいて、かづの商工会や北都銀行と連携して、販路開拓の支援を行っております。今年度は、
農業法人等を対象に大手商社とのマッチングを行っており、来年度においては、実需と固く結びつく米産地応援事業により、
農業法人等がみずから実需の掘り起こしを行い、販路を拡大するための活動などを支援いたします。
市としましては、JA等にさらなる販路拡大に取り組んでいただくことに加え、生産者がみずから新たな販路を開拓するための取り組みを支援し、生産力の強化と販売額の拡大に努めてまいります。
とも補償制度の廃止や経営所得安定対策制度の変更による影響につきましては、これからは米の直接
支払交付金が廃止され、生産者みずからが需要に応じた生産を行うこととなります。この交付金の額は、平成29年度で1億3,300万円余りでありますが、制度廃止に向け、平成26年度から4年間の経過措置が設けられており、生産者はこの間に規模拡大や設備投資などに取り組まれております。
本市では、交付金の廃止を見据え、平成26年度に水田転換主力作物づくり強化事業を創設し、採算性の高い作物への作付転換を促してきているほか、水稲作物コスト削減推進事業による生産コストの削減に対する支援を行ってまいりました。さらに新年度からは、これに加えて新たに実需と固く結びつく米産地応援事業により、実需者の確保を支援することとしております。
また、国の水田活用の直接
支払交付金が継続されるため、国などの制度を活用するほか、市独自の施策を展開することにより、農業所得の向上を図ってまいります。