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平成16年第1回定例会(第4号 3月 4日)

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  1. 鹿角市議会 2004-03-04
    平成16年第1回定例会(第4号 3月 4日)


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    平成16年第1回定例会(第4号 3月 4日)    平成16年3月4日(木)午前10時開議  開議 第1 一般質問     質問     答弁  散会 ───────────────────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  1 一般質問     宮 野 和 秀 君     豊 田 重 美 君     阿 部 節 雄 君  2 日程追加     議案及び請願・陳情の追加付託 ──────────────────────────────────────────── 出席議員(24名)       1番  宮 野 和 秀 君     2番  成 田 尚 平 君       3番  小田切 康 人 君     4番  栁 舘 一 郎 君       5番  髙 杉 正 美 君     6番  田 村 富 男 君
          7番  阿 部 博 文 君     8番  阿 部 佐太郎 君       9番  岩 船 正 記 君    10番  黒 澤 一 夫 君      11番  石 川 幸 美 君    12番  阿 部 節 雄 君      13番  中 西 日出男 君    14番  石 川   徹 君      15番  米 田 健 一 君    16番  村 木 繁 夫 君      17番  齋 藤 啓 一 君    18番  豊 田 重 美 君      19番  勝 又 幹 雄 君    20番  佐 藤   一 君      21番  大 里 恭 司 君    22番  児 玉 政 芳 君      23番  奈 良 喜三郎 君    24番  阿 部 邦 宏 君 ───────────────────────────────────────────── 欠席議員(なし) ───────────────────────────────────────────── 事務局出席職員 事務局長  山 口 勝 一 君    班長  今 泉   修 君 主  査  田 口 善 浩 君    主任  米 田 直 子 君 主  事  本 舘   匠 君 ───────────────────────────────────────────── 説明のため出席した者の職氏名 市長        佐 藤 洋 輔 君 助役          三 村 陽 一 君 収入役       大 里 博 志 君 教育長         織 田 育 生 君 総務部長      児 玉   一 君 市民部長        金 澤 文 好 君 産業部長      馬 淵 晴 彦 君 建設部長        米 田 公 正 君 市民部部長待遇   奈 良 勝 哉 君 総務部付部長待遇    児 玉 弘 志 君 教育次長      阿 部 成 憲 君 総務部次長       高 田 幸 良 君 産業部次長     佐 藤 光 正 君 建設部次長       松 岡   昇 君 農業委員会事務局長 米 村 一 男 君 財政課長        内 藤 庸 夫 君 監査委員事務局長  川 又 武 美 君 選挙管理委員会事務局長 佐 藤 隆 夫 君     午前10時00分 開議 ○議長(阿部佐太郎君) おはようございます。  直ちに本日の会議を開きます。  本日の会議は、議事日程第4号により進めてまいります。 ──────────────────────〇 ─────────────────────     日程第1 一般質問 ○議長(阿部佐太郎君) 日程第1、一般質問をきのうに引き続いて行います。  順位4番、宮野和秀君の発言を認めます。宮野和秀君。     (1番 宮野和秀君 登壇) ○1番(宮野和秀君) おはようございます。  誠心会を代表して質問をさせていただきます。  昨年の実質経済成長は、年率換算で7%に達し、プラス成長期は4期連続であります。景気拡大に弾みがついてきたようです。今回の景気回復が米国や中国、各ASEAN(アセアン)地域の外需によるもので、輸出は二けた増が続いており、これが生産を後押しし、企業の収益増加につながっているものと思われます。皮肉にも今回の回復は、従来のように公共事業の拡大によって支えられたものではないこと。公共事業をふやさないと景気は立ち直れないという神話は崩れたようです。しかしながら、景気の回復は確かなようでありますが、それが国全体に広がっているわけではありません。地方の中小企業は、まだ過剰債務や売り上げ減少に苦しんでおり、地方経済の再生は容易でないと思います。グローバル化や競争激化を反映し、物の価格は上昇しにくくなっており、本市においては公共事業減少により景気回復実感はまだまだ先の先の話であるように思います。それにしても、ことしはオリンピックの年でもあり、その波及効果が少しでも景気上昇につながるよう願っております。  さて、2月上旬に自治会リーダー研修会が行われておりますが、そこでは、市民の声として多種多様の悩み不満が続出し、大半の自治会が活性化されていないのが現状だと伺っております。このような現象は今に始まったことではなく、ここ数年続いているようです。市長がリーダーシップを発揮し適切な対処をしてこなかった結果だと思います。目線を下げ、市民と一体となり適切な懸案の対策を講じるべきだと考えておりました。また、市民が自治への参加意欲を高めるための努力をしたでしょうか。いささか疑問に思います。すなわち、言いかえれば市民との対話及び情報交換がなされてないことだと推察いたしますが、いかがお考えでしょうか。  そこで、市長の4年間の総括についてお伺いいたします。  まず、1点目に、公約の柱であります市民所得の向上はどうなったでしょう。  2点目として、合併が不調に終わりましたが、その原因をどのように考えているのか。また、今後の展望は。  3点目として、共動とはどのような理念なのか。  最後に、自己評価は。  以上、4点についてお伺いいたします。  次に、財政問題でありますが、生活者である私たちは、何かしらあすにつながる希望、夢を持って生きております。しかし、市全体に明るさがなく、この先を考えると不安が募る一方の危機的状況にあるということは、市民だれしもが感じていることだと思います。  合併が不調に終わった今、何の恩恵もなく、交付税に依存する本市において、国が行う改革の波をまともにかぶると思われます。この難局を乗り切るため、今後は新たな税財源の開拓、また増税をするか、行政サービスを減らすかの選択も迫られる厳しい財政見通しであることは、市長が話されたとおりだと思います。  しかしながら、一方では、これまでに財政削減で基金を31億円から38億円に増額し、あたかもこの先、市財政は安泰のような印象を一部市民に与えておりますが、私は不安に思います。大丈夫でしょうか。合併協の資料によれば、平成19年までは収支見通しがついているように思いましたが、いかがでしょうか。  地方は地方でと言われてから4年ほど、また、より具体的に三位一体改革案が出されてから1年経過しております。本市においては、直接国からの減税が決まり、目からうろこが取れたのか。財政策でどたばたしているように思います。今ごろ必要性を感じ、緊急かつ大胆にをもとに行財政運営基本方針の策定に入るとのこと。もちろん、国の改革がどのように進み、交付税に影響してくるのかは全容が見えないにしろ、国・県の行おうとしている施策に準じ、少なくとも、市として骨格施策何案かは練っておく必要が当然だと思いますが、いかがでしょうか。昨年も一般質問で何人かの質問者が出ておりました。  こうした厳しい財政状況下でも、市民から選ばれたトップリーダーである市長は、市民生活を向上させるための知恵と工夫が求められます。片や、まともに国の改革の波をかぶり、一方では安泰のような印象を与え、何を考え、市政に務めているのか疑わざるを得ません。市民が不安に思っているのは当然のことと思います。  そこで、市長に伺います。  ことしは本市にとって、大改革初年度と位置づけ、1歩、2歩先を見、市民生活の向上を図った知恵と工夫の鹿角市自立計画と将来像、この2点をお伺いいたします。  次に、環境問題ですが、市河川漁協では、ことしに入って福草川、小坂川、汁毛川、山中沢に漁業権設定しております。中でも福草川本流であります安久谷川は、坑廃水が流れ、酸性が強く、魚初め水中をすみかとしている昆虫類の姿も全く見えない状況です。まさに死の川そのものです。米代川源流である安久谷川、源水部が旧不老倉鉱山で、今は廃鉱となっております。  この廃鉱に関しましては、現在、金属鉱業事業団が、国の直接機関であります経済産業省にかわって各種の取り組みをしております。一昨年、小坂町で行われた鉱害環境情報交換会では、北海道から九州までの各地の地方公共団体の担当者ら50人参加して行われております。  経済産業省金属鉱業等鉱害対策官の柏葉氏の講演によれば、「金属鉱業等廃止鉱山に係わる鉱害防止計画」は、第3次基本計画(平成14年度まで)により、鉱害防止工事の実施期間が14年度末の鉱山数は53、事業費は90億4,000万円となっている中、13年度上期の調査の結果、「工事完了が15年度以降にずれ込むものや、新たに対策を必要とする残存工事が相当数あると判明した」との報告がなされております。  理由として、環境基準の強化、緊急案件の発生、施設老朽化の対応などが挙げられておりますが、「人の健康保護、生活環境保全上好ましくないことであり、早急に鉱害発生源の一掃を図る必要がある」とした。  また、基本方針の期間内で工事完了が見込めず、15年度以降も継続して実施すべき鉱山及び新たに追加して実施すべき鉱山の数は51、事業量は115億円。この中には、当市の不老倉(堆積場整備)、小坂(坑口閉塞)、阿仁(処理原水の減水対策)、当市の尾去沢(坑廃水水質改善堆積場整備)、鉛山(堆積上整備)などが含まれております。  このほか、「陸水酸性化の魚類への影響」「酸性荒廃地の緑化技術」「植物を用いた重金属汚水土壌の浄化」「鉱害防止事業における地理情報システムの活用」などに関する講演が行われ、鉱害・環境対策の新技術が説明されました。これを踏まえ、本市に類する不老倉(堆積場整備)、尾去沢(坑廃水水質改善堆積場整備)の事業化は一歩前進と言えますが、特に不老倉、坑廃水水質改善の取り組みがいまだなされていないのが現状です。  確かに、堆積場整備は、県の発生源対策として実施されておりますが、問題は水質改善対策だと考えておりますが、いかがですか。  この水質改善対策が取られない限り、永久に死の川であり続けると思います。この安久谷川に関しては、私がここで説明するまでもなく、八幡平にあります夜明島川に劣らぬ水流、景観であります。市河川漁協でも本腰を入れ、金属鉱業事業団、また各種団体に交渉に行くとのことであります。枝沢であります鎌ノ沢、小又沢にも将来漁業権設定の意向。  そこで、市長に伺います。  世紀越えトンネルであります大湯・田子線を見据え、県任せではなく、市行政として国・県の機関に働きかけ、調査含め5年、もくしは10年計画で、安久谷川水質改善の事業に取り組む計画はないのでしょうか。  各公共事業が縮小されている今日、こうした計画が実現されれば、雇用の確保、強いては地元が大いに潤うことと思います。真剣に取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。  次に、国のダイオキシン規制法を受け、平成14年11月から稼働の焼却場(ガス化溶融炉)14カ月経過いたしました。当時、コンサルとメーカー、建設場所が決まらず、かなり難産の末決定されたように記憶しております。焼却中に発生する有害物質を高温焼却で分解させ、最終処分量を最小化にし、溶融したスラグはリサイクル材として有効利用が可能だとのこと。  管理者であります市長にお伺いいたします。  鉄分、アルミ、スラグ類はリサイクルされ、どのような分野で有効利用されているのか。また、飛灰処理物最終処分場に持ち込むが、その量とコストを伺います。  付随して伺いますが、雪解けとともに不法投棄の問題が出てきます。もちろん、これは各人のモラルの問題ですが、粗大ごみ等、ごみ分別が要因とも考えられます。今後のごみ分別についての取り組みを伺います。  また、重金属汚染米、すなわちカドミ米に関する16年度の取り組みと対策をあわせてお願いします。  以上で壇上からの質問を終わります。     (1番 宮野和秀君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。     (市長 佐藤洋輔君 登壇) ○市長(佐藤洋輔君) 宮野和秀議員のご質問にお答えをいたします。  初めに、私の在任4年間の総括についてでありますが、市民所得の向上につきましては、私が公約に基づき設立いたしました鹿角経済戦略会議が報告書をまとめた平成13年度には、県全体と比較して約88%であった市民1人当たりの所得を、県全体と遜色ない水準まで向上させることを目指し、関係機関とも事業を推進しているところであります。  最近では、かづの商工会等において、かねてから期待されておりました異業種間の合同接遇研修が実施されておりますほか、市も冬季誘客の拡大や、新規起業への支援拡充、TMOの設立支援といった事業を新たに実施するなど、まちづくりと産業振興の強化を図っております。また、こうした取り組みにより各関係機関との協力体制を構築することにより、インカレ等のイベントのスムーズな運営ができていることも大きな収穫であるというふうに感じております。  市民所得については、今後の統計調査の結果を待たなければなりませんが、有効求人倍率が堅調に推移するなど、本市の経済状況は低迷を脱しつつあるとはいえ、楽観こそできないものの見通しは暗くないものと考えております。今後も、これらの活動を通じて地域の活力と、市民一人一人の前向きな意欲を引き出していけるよう、これからも市民皆様の協力を得ながら、取り組みを継続してまいります。  合併が成就しなかった原因と今後の展望につきましては、本市が進めてまいりました小坂町との合併協議は、協議自体は順調に推移してきたと考えておりましたところ、小坂町は小さい町の方がコンパクトでスピーディな即断即決の行政運営が可能であり、住民の幸せにつながるとの判断から自立の選択をされ、残念ながら不調に終わっておりますが、自治体の首長が住民と十分に議論を尽くした上で出された結論だと受けとめております。  いずれ、成熟社会を迎えるとともに人口減少社会を目前に控え、国、地方とも財政状況の厳しい折、この国のあり方が改めて問われるなど、地方自治制度一大転換期にあって、本市ともども今後は非常に厳しい局面に立ち向かっていかなければならないことは覚悟の上の決断であったろうと推測いたしております。  本市におきましても、この難局を乗り越え、将来に向かって持続可能な、また安定的な経営基盤を構築するため、「行財政運営基本方針」を定め、現在、庁内横断的なチームを編成し精力的に協議を行っているところでございますが、三位一体の改革の行く末も不透明であり、モデルのない時代にあって、これまでの常識はもはや通用しないことを改めて実感をいたしております。  具体的な計画策定に当たっては、社会資本を初めとした政策や施策の維持・運営・更新のコスト等、将来必要となる政策コストを認識し、政策展開に対する全体としての財政制約要因を明らかにすること、行政サービス提供の主体を「市」、「地域住民・民間・NPO」、「広域連合、一部事務組合、隣接自治体との連携」等、多様化し、ワークシェアリングの視点も加味しながら、職員定数の削減、事務事業整理合理化を図るなど、時代の変化に対応し、創造的かつ柔軟な対応ができるような組織づくり、地域に向けて、地域の課題をストレートに受けて、それを解決していくような簡素な組織づくりを目標に、低コストでの行政運営、住民とともに市政を運営するという視点で検討を重ねております。  国において、今通常国会に提出が予定されている合併関連3法案において普通交付税の合併算定替の継続、都道府県知事よる合併協議会設置の勧告等を盛り込み、引き続き市町村合併を推進することとしているほか、都道府県の合併手続が整備されるなど、地方自治制度をめぐる状況は急速にその動きを増しております。  本市においても、こうした状況を的確にとらえ、これまでの枠にとらわれず、住民福祉の向上に資するよう今後の市のあり方について検討してまいります。  「共動」の概念につきましては、これは地域資源の活用と市民活力の向上を目指して掲げました「鹿角学」と並んで、市政運営の基本理念として提唱してきた理念でございます。簡潔に申しますと「行政と市民が相互に良好な関係のもとに、同じ目線で同じ目標に向かって動いていこうとすること」を指しており、まちづくりの中で、市民と行政が車の両輪のように共に働き、みんなで力を合わせていこうとする姿勢をあらわしているものであります。  これまでも共動の理念を軸として、多数の市民による参画を得ながら、経済戦略、行政評価制度男女共同参画などを推進してまいりましたほか、良好な関係の基礎となる情報の共有を図るため、広報・公聴活動の拡充を図ってまいりました。  また、新年度からは地方自治振興交付金制度の導入に伴う地域コミュニティー振興の強化や、公共交通を含めた市内の交通体系について検討を行う(仮称)鹿角市総合交通懇談会の開催が予定されております。こうした取り組みを通じ、市民の皆様との議論を進め、一層開かれた行政運営を確立するよう努力してまいります。  また、自己評価につきましては、市長就任以来、市民所得と活力の向上とともに、「市民の総意と参画からの福祉と生活環境づくり」を公約に掲げ、これを推進してまいりました。今春には、鹿角市福祉プラザのオープンが予定されておりますが、この施設は高度な福祉サービスの拠点であるとともに、地域全体で高齢者・障害者・児童を支え、ふれあいを図ろうとする福祉の新しい試みの場であり、公約に掲げた理想を実現するものであると考えております。そのほか、これまでも上下水道施設の普及拡大を進め、各種子育て支援策の充実を行い、鹿角市子ども未来事業団を設立するなど、ハード・ソフトの両面を通じて、良好な生活環境の基礎づくりと、安心して生活できるサービスの充実に努めてまいりました。さらに、「地域と人づくり」にも力を入れ、長年にわたり継続してまいりました四つ木地区との交流を相互交流事業に拡大しましたほか、小・中学校における自主活動支援なども推進し、さきに述べました「鹿角学」の理念とともに定着を図ってまいりました。まだ第5次総合計画前期基本計画も半ば過ぎといったところではございますが、政策全般に私自身の公約を反映し、実現することができたものと自負しているところでございます。  今後は、まず第一に、本市の自立に向けた行財政基盤の確立が喫緊の課題であるととらえており、また、政策的な面では、今後さらに進む社会の高齢化や、情報化に対応しながら、市民の皆様の声に耳を傾け、一つ一つの課題を解決してまいりたいと考えております。  次に、財政問題についてでありますが、地方財政の現状と今後につきましては、昨日大里議員の質問でもお答えをいたしましたが、国のいわゆる「三位一体の改革」の推進に伴い、地方においては非常に厳しい財政運営を強いられているのが現状でございます。  中でも地方交付税は、昨年末に決定された地方財政計画で3年連続のマイナスとなる前年度比1兆2,000億円6.5%減の約16兆9,000億円に総額が抑制されるとともに、今まで地方交付税の減額分を補ってきた臨時財政対策債についても引き続き3年間措置されることが決定したものの、今回初めて前年度比28.6%と大幅な減額となり、交付税との合算額でも前年度比12.0%減となった影響が非常に大きいものと考えております。  加えて、国庫補助金の改革により、公立保育所運営費負担金など約1兆円の廃止縮減と一部補助金の一般財源化が決定されているとともに、うち対象事業が引き続き地方が主体となって実施する必要があるものについては、所得譲与税として暫定的に税源移譲がなされたものの、トータルで見た場合には削減額に見合うだけの財源措置がなされたとは言えない現状にございます。  このことは、とりもなおさず、特定財源を削減された事務事業サービス水準を今後も現状のまま維持していこうとした場合、市債借入による将来に借金を残すのか、または現在サービスを受けている方の受益者負担の割合を引き上げるのか、あるいは広く薄く市民に対して負担を転化するのかといった重い選択を行うのか、そうでなければ他のサービス水準を引き下げたり、あるいは廃止したりして、当該分の一般財源を手当していかなければならないということを意味しております。  現下の国の構造改革は、累増する長期借入金残高や先進国中最悪と言われる危機的財政状況、さらには将来人口推計の動向などを踏まえた上で、経済の体質強化と持続可能な財政運営を目指すものであり、「構造改革と経済財政の中期展望」で示す2010年代初頭における国・地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を図り、その後さらに国・地方の長期借入金の解消を図るという方針のもとに経済財政運営を行ってきておるもので、当面は18年度までの「改革と展望」の期間における改革プログラムではあるものの、その後においても引き続きこうした改革の動きが進むものというふうに考えております。  今後の地方自治に求められているものは、厳しい財政状況が続く中にあっても、自主財源の確保とともに効率的でしかも将来にわたって持続可能な行財政運営を行っていけるように努めながら、一方では地域住民とともに「共動」の理念で支え合い、行動できる地方分権の時代にふさわしい自治体を形づくっていくことができるか問われているのではないかと考えております。  こうしたことから、住民の知恵を結集して経済的な自立を図るため、就任後、間もなく地方小都市としては全国的にも先進的な取り組みである鹿角経済戦略会議を立ち上げました。平成13年10月に提出された60余りの提言事項について検証し、実現可能と判断されたCIの活動推進や、戦略作物の生産基盤整備を初めとする約7割の事項について具体的な実施や検討を行っております。また、経済戦略会議を引き継ぐ形でスタートいたしました鹿角トップマネージメント会議におきましても、経済再生に向けての合意事項である「よつぎ地区のリピーター」対策や「癒しの里」づくりに関連した接遇研修を民間団体合同で開催するなど、着実に成果を上げている事業もございます。昨年度も「イベント誘致の拡大」「北限の桃の加工」「地元特産食材の活用と普及拡大」などの各種事業を地域が一体となって進めてまいりたいと考えております。  こうした経済対策に努める一方、みずからの権限と責任のもと、多様化する市民ニーズへの対応、情報公開を初めとする市民との情報共有、市民との共動を進めながら、さまざまな行政課題や要請に的確に、柔軟に対応するため、今後、行財政運営の抜本的な改革を行う予定でございます。  先ほども申し上げたように、現在「行財政運営基本方針」の計画策定に取り組んでおり、策定後は速やかに市民・議会のご理解を得ながら、実行可能なものについては新年度から具体的な行動に移すことにいたしております。地方自治制度の大きな転換期を迎えている今、将来の基本的方向を見つめ直し、持てる能力を最大限に活用した持続可能で低コストの行財政運営の礎を築いてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、自立の道は市民・行政にとりまして決して優しいものではなく、双方がそれぞれ財源が限られていることを再認識し、私の政治姿勢である住民「主権・参加・本位」を三原則とする対話行政手法を基本としながら、本市独自の理念である「鹿角学」・「共動」を視点として、将来都市像「出逢い賑わい夢をかなえるまち・鹿角」の実現に向け、関係機関、そして市民の皆様のご協力を得ながら、一層の努力を続けてまいるものであります。  次に、環境問題についてでありますが、安久谷川水質改善の取り組みは、水質に大きく影響を与えております不老倉鉱山跡地の鉱害防止対策として、県により平成11年度から6カ年計画で発生源のズリ堆積場の整形緑化と水路工事が、総事業費約1億4,000万円で実施されており、最終年度となる16年度は約1,100万円で水路工事及び水質調査が実施される計画と伺っております。
     鉱害防止対策事業の開始時の平成11年度の水質調査によりますと、下流部の大湯川付近で水素イオン濃度がPH6.74とほぼ中性になっているものの、上流部の地森沢付近では4.58と弱酸性でありましたが、一連の鉱害防止対策により現在どのように水質が変化しているかについて、昨年、簡易測定器で計測したところ、下流部の大湯川合流付近でPH6.99、安久谷川の最上流部堰堤下で6.59、地森沢支流で4.67、安久谷川本流と地森沢支流との合流点で6.41と、安久谷川本流では上流部も中性傾向の数値となっており、若干の水質の改善が見られております。  大湯田子線を見据えた水質改善事業の取り組みにつきましては、今後の対応として現在実施されているズリ堆積場の整形緑化と水路工事等の発生源対策事業の効果や推移を見た上で、恒久的な坑廃水処理対策などを検討してまいらなければならないと考えており、その中で道路環境等の整備が必要とされる場合は、関係機関と協議を行いながら、必要に応じて事業要請をしてまいりたいと考えております。  新焼却場における残さ類のリサイクル及び処理状況につきましては、本施設は環境面でダイオキシン対策に対応し、残さ類がリサイクル可能な最新の施設として平成14年12月から稼働いたしております。  鹿角広域行政組合の報告によりますと、平成15年度分のこれまでの実績で、可燃ごみの搬入量は約1万2,820トンで1日当たり約42トンが処理されており、このうち排出された残さ類は、鉄くず43.36トン、アルミ5.64トンで、これら金属は有価物として売却されております。スラグ514.47トンが排出され、搬入量対比4.01%となっておりますが、建設資材等への活用方法について調査の段階であり、国・県においてもスラグの活用を積極的に模索しているところでありますが、リサイクルされるには今しばらく時間を要するものと思われます。  また、飛灰については、478.86トンが排出され、搬入量対比3.74%であり、現在、福島県内の最終処分場で処理されております。処分コストは1トン当たり3万3,980円となっておりますが、小坂製錬で建設中の最終処分場が来春稼働することにより、運搬コストの削減が見込まれております。〔訂正発言ありP157〕  今後の市内のごみ分別の取り組みにつきましては、現在ごみ分別収集は「可燃ごみ」「資源ごみ」「ペットボトル」「不燃ごみ」「粗大ごみ」「廃乾電池」の6品目の分別で実施をいたしております。  これに、ごみ減量とリサイクルを推進し循環型社会の構築を目指していくため、市民から以前より要望がありました「新聞・雑誌類」と「廃蛍光管」の2種類について、今年4月から追加し、合計8分別に拡大する計画で進めております。  「廃蛍光管」については、既に昨年9月に試験的に実施したところでありますが、この結果を踏まえ、集積場所をふやすとともに収集回数も4月と9月の年2回として本格的に実施するものであります。また、「新聞・雑誌類」については、4月からの実施に向けて集積場所や収集体制、市民への周知方法など、鹿角広域行政組合と調整中でございます。  今後とも、ごみの減量化及び分別への取り組みについて、資源化を進めるため、市民の要請に適宜こたえながら分別を徹底していくとともに、ごみ適正処理対策として不法投棄監視員との連携による不法投棄の監視体制の強化を図りながら、循環型社会の構築を図ってまいります。  次に、カドミウム米対策についてでありますが、平成15年度の対策につきましては、関係機関で構成する重金属汚染防止対策会議の中で、平成14年産米のカドミウム米が発生した集落を重点集落として位置づけ、集落説明会や講習会を開催するとともに、冷害対策と合わせ湛水管理の栽培指導を実施してまいりました。  汚染米の状況は、JAかづの等集出荷団体が平成14年産米同様にすべての出荷米のカドミウム濃度の分析検査を行っておりますが、平成14年度産米に比べてカドミウム米の発生率は大幅に減少をいたしております。  この成果については、天候による影響もありましたが、湛水管理により、カドミウム米抑制に顕著な効果があらわれたことから、平成16年度においても引き続き湛水管理の徹底と栽培講習会や啓発活動により、カドミウム米の発生防止の対策に努めてまいります。  流通段階においても、汚染米の流通防止のためにも集出荷団体による自主分析を継続するとともに、分析値を早期に農家へ提示するなど、安全・安心な米の生産体制を確立するため、農家の意識向上を図っていきます。  また、秋田県が環境に優しい新しい土壌浄化技術として、平成15年度から3年間の継続で実施しているファイトレメディエーション技術実証事業については、農家に栽培管理を委託して進めておりますが、引き続き植物によるカドミウム低減効果と実用化に向けた技術体系の確立に向けて実証いたしてまいります。  実証の効果については、秋田県農業試験場で分析をしておりますが、3年継続の実証事業であることから、3年間でのカドミウム収奪量の実証による客土にかわる新技術の確立を期待をいたしているところでございます。  なお、汚染地区を特定するために平成12年度から秋田県が実施している周辺細密調査により、土壌汚染防止法で定める基準値を超える地区の地域指定については、水系等の地域制を考慮した一体的な地域指定となるよう要望いたしております。  平成16年度から実施される「米政策改革」の趣旨に即して市場及び消費者ニーズに対応した「売れる米づくり」を推進し、「安全・安心」な生産体制の確立を目指していく中で、鹿角農業の重要課題と受けとめ、今後も関係機関、地域農業者と一体となって、カドミウム米発生防止対策に取り組んでまいります。  一つ訂正をお願いします。  飛灰処分コストの答弁についてでありますが、1トン当たり「3万3,390円」を「3万3,980円」と答弁いたしましたので、訂正をいたします。     (市長 佐藤洋輔君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) 再質問ございますか。宮野君。 ○1番(宮野和秀君) 今、ご丁寧に伺いました。  まず、市民所得の向上について、ちょっと市長にお伺いいたします。  市民は、やはり市長の公約であります所得向上県レベルと、そういった中で、何とかしてくれるのかなと、そういうふうな気持ちで見つめておったようです。ここへ来て、いろいろな会議を開いて、例えば経済戦略会議とか、そういうものを開いてトップマネージメント会議。この施策で、まだちょっと統計が出るのは遅いと、そういうふうなことをおっしゃいましたけれども。そうすれば、いつごろ出るのか、そういうことをきちっと、これ市長の一つの公約でありますから、それについては4年でできなかった分は、いつまでできるのか、そういう訂正とかは私は必要だと思いますけれども、いかがお考えですか。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) この公約で立ち上げて、経済戦略会議を立ち上げたのが12年の9月でございます。当選してから4カ月ぐらいで立ち上げましたが、1年間本当に精力的に、東京からも京都からもアドバイザー3人を含めて毎月行いまして、1年間かけて答申をいただきました。その間にもできるもの、CIとか、空き工場対策とか、できるものは即時提案に即してやってまいりましたが、提言を受けたのは13年の10月でございまして、まだ2年と4カ月ですか。その間にできるものを六十数カ目取り出しまして、今それを実践中でございまして、成果は上がっているものは、先日も申し上げたとおり商工会と農協と一体となった事業の展開とか、空き店舗対策なども、今5つぐらいの空き工場対策に対する申請が出ておる状態でございまして、来年度は約60名ぐらいの雇用が見込まれるのじゃなかろうかといったこととか、さまざまな面で私は効果が出ているものというふうに思っておりますが、統計の結果として出るのは3年間ぐらいの期間がかかるということだそうでございます。 ○議長(阿部佐太郎君) 宮野君。 ○1番(宮野和秀君) よくわかりました。そうすれば3年間というのは、要は要するに今は平成16年ですから、余裕を見て18年度ごろには出ると、そういうふうな考え方でよろしいですね。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) それは13年の10月から一つの提言を受けて実際に取り組みを始めたということでありますから、それから3年ぐらいのところで幾らか成果が、統計が出てくるのではなかろうかということでございます。 ○議長(阿部佐太郎君) 宮野君。 ○1番(宮野和秀君) わかりました。このことは市民もかなり心配しておられます。というのは期待しながら心配と。それで、広報なり何なり、そういうことは考え方として、結果としてやはりきちんと報告は皆さんにしなきゃいけないじゃないかなと、そういうふうに思います。  次、共動の理念をお聞きしましたけれども、要は要するに市民と一体となって行政に携わると、かかわると、そういうことをおっしゃっていました。ことしも、私は大湯地区なんですが、大湯地区で夢ミーティングとか開かれましたけれども、その中でちょっときつい話なんですが、市長にもう少し汗を流して頑張るように伝えたと、そういうふうなことも言ったと。非常に集まりが悪いと、そういうことを言ってました。これは大湯だけじゃないと思います。  私が考えるのには、私だけじゃなくて、考えるには、やはり市民力を高める場として、本当にいい機会だと思います。また、自治への参加の意欲を高めると、そういった意味でも非常にいい機会だと思います。こういうことに関して、ただ参加してもらう努力というんですか、来てもらう努力をして、本当の自治の原点に戻ったらいいんじゃないかなと、そういうふうに思いますけれども、何しろ、市長がそういうことを言っても、要は要するに、ある種の団体の幹部・長、本当の市民の方があんまり参加できないような状態でございます。今後、そういった市民力を高めるため、また市民と一体化して行政に携わらないと、この難局はいろいろな面で抜けれないと思いますけれども、そこいら、市長どのようにお考えですか。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) きのう答弁いたしましたけれども、職員は非常に行政運営が厳しい中にあって、やはり市民の人と一体となって物事を進めないと、産業でもすべての面においてうまくいかないというのが、これは当然でございます。今、宮野議員が言われた集まりが悪いというのも、やはりこちらにも何かの欠陥があろうかというふうに思っておりまして、今その原因をどのようにしたら、もっと市民と一緒にそういうふうな集会でも何でも積極的に参加してるかということを、若手のグループで今盛んに検討しているところでございます。  ただ、私は常日ごろ申しているんでありますが、職員が各部落を担当しておりますけれども、職員がもっともっと地域の集落に溶け込んで、入っていって市の内容を説明し、悩みを説明し、そして一緒に考えていただくと。その意見をあんた方が集約しながら、いろいろ今後の行政の運営に生かしていこうというふうなことは話しておりますし、これは地域の集落ばかりでなくて、いろいろな産業団体でもしかりでございます。いろいろなアイデアをともに出し合いながら、少ない予算を有効に活用して産業の活性化に努めてまいりたい、地域の活性化を図ってまいりたいというふうに思っているところでございます。 ○議長(阿部佐太郎君) 宮野君。 ○1番(宮野和秀君) わかりました。  これは今、市長がおっしゃいました総括と、あとは財政問題とは一緒になる分がありますので、この財政問題でやはり自治の原点に戻るということが一つ。もう一つは、やはりコスト削減と、経費の削減、あとは財政力を高めると、財政源の確保、財政源の確保ですね。まず、この3点に私は絞っておりますけれども。まず、自治の原点に戻るということは、いわゆる今市長がおっしゃったようなことなんです。市民と一体になって ───ごめんなさい、間違いました。小さな自治体でこれからやっていくと、あとはこの原点をやっぱりこれから推移しようと思えば、しがらみというものをなくしながら積極的に取り組んでいかなきゃいけないと思います。というのは、今、民間企業でもしがらみのない人方が直接やっぱり会社の経営その他当たって成功しています。そういう点、やはり十分、原点、自治の原点、そういうものに戻って財政運営をお願いしたいと思います。  あとは、財源の確保についてはきのうも私聞いておりますけれども、やはり産業を1点、2点絞って、これから取り組むと。あとは、市内の事業を。 ○議長(阿部佐太郎君) 時間となりましたので、以上をもちまして、宮野君の質問を終わります。(「終わります」の声あり)なお、答弁漏れとなります事項については、後日文書をもってお知らせ願います。  以上をもちまして、宮野和秀君の質問を終わります。  次に、順位5番、豊田重美君の発言を認めます。豊田重美君。     (18番 豊田重美君 登壇) ○18番(豊田重美君) 私は、日本共産党を代表して一般質問いたします。  2004年、ことしですね、1月26日、小泉自民党政権は、戦後初めて、しかも憲法違反までして日本の陸上自衛隊本隊を外国に派兵を決めた歴史的誤りを犯した日でした。  同じ日に、米国の「大量破壊兵器」「生物、化学兵器」のイラク調査団長デビット・ケイ氏は「イラクには破壊兵器が存在しなかった」と明言し辞職しました。全世界に衝撃を与えました。  一方、「イラク戦略」を口実にしたアメリカ、イギリスの国内でも、「イラク戦争は何だったのか」と、アメリカのブッシュ大統領やイギリスのブレア首相の戦争責任まで問われはじめています。  しかし、日本の小泉自民党政権は、「大量破壊兵器の保有」をアメリカの言いなりに断言し、イラク戦争を支持し、「大義」とした誤りを決定的にしております。そればかりか、イラクのサマーワの現地情報を捏造し、自衛隊の配下のもと、民間企業まで、川崎重工などに対して技術者の派遣要請までしていたことが次々と発覚しております。防衛庁はこの件について表に出さないようにひた隠しすることを強く指示しております。有事法制の中に「指示」に従わなかったときは、罰金、罰則を課せられることになっていることを考え合わせますと、いつか来た道軍国主義の道であることは明瞭であります。  しかし、日本のNHKを初めマスメディアはイラク戦争を支持し、派兵した「大義」は何だったのか。平和支援というのであれば、国連やNGO、赤十字などを中心とした活動もあるのに、なぜ自衛隊の行動の範疇の中に民間人が指示され、罰則を加えられなきゃならないことになるのか、このことに一言も追求、報道されることなく、時の政権等の流す情報を保護するだけに恐れを覚える昨今であります。  私は、先日、郵便局に勤めている市内の人とお話しいたしました。民営化の中で4月から給料が削られると、職場では勤務実績評価が導入されまして、非常に厳しくなってきているというお話であります。  鹿角市の所得水準を引き上げてきた営林署や郵便局、電話局、その他の公的機関の撤退は、この中山間地にある鹿角市に何をもたらしたのでしょうか。社会全体に閉塞感が漂い、農林業を中心としてきた我が鹿角市経済は取り返しのつかない方向に進んでいるのではないでしょうか。  これが小泉自民党改革であります。その中でも、今回進めようとしている米改革大綱は、アメリカのグローバル化のもとで、日本の大企業の農村への参入を容易に許す道を開く改革とされてます。  それでは、鹿角市の置かれている現状はどうなっているでしょうか。  私の住んでいる小平の集落に目を向けてみたいと思います。小平は、全戸数は116世帯です。そのうち、「空き屋」が4軒、非農家は19軒となっています。あとの93軒は大小にもかかわらず農業に依存している純農村集落であります。その生活の中心的役割を担っている「農業」で重大な危機が迫り、集落そのものの存在価値が薄らいできています。その実態は次の数字にあらわれています。  老人世帯で「跡取り」もいないので農業をやめざるを得ない人、もしくは空き家になる世帯は12軒であります。後継者はいるが農業をやめざるを得ない人、これは43軒であります。後継者が農業外で働いていて農業を続けると思えばできる人32軒、農業を主に他にも働いているが、いずれは農業を継ぐ人6人。今、専従で農業をやっている後継者2人。そのうち1人はまだお嫁さんをもらっていないという状況であります。市の基幹産業である農業の生産現場は荒れ放題。市の農業委員会の調査でも遊休地、これは畑ですけれども、全市で240ヘクタールに達し、多くの農民は「私一代で農業をやめざるを得ない」と心しています。  長い歴史の中で、家族の生活を守るために少しでも生産を高めよう、土地をふやしたい、こういう努力した時代はあっても、自分の土地を手離し、農業をやめなければならないという時代があったでしょうか。また、そういう状況に追い込んだ政治の責任は許されるものではないと思ってます。また、この人たちは、その生活の糧を今後何に求めていかなければならないでしょう。ここに私たち地方自治にかかわるものとして、子や孫に農業を基幹産業として、しっかり継承していく責任を果たさなければなりません。  しかし、国が示した「米改革大綱」は、市場原理を建前に4ヘクタール以上個人、20ヘクタールの法人の基準に据え、小規模農家の切り捨てにつながる米改革大綱を進めているわけでありますが、市長として鹿角農業の展望と現状をどのように考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。  さらに、4ヘクタール以下の農家には、減反割当、米の数量の配分はされ、国からの補助金、助成金はいずれもなく、とも補償を中心として、その責任は全農家に求められ、米の価格は下がる一方であります。大多数を占める4ヘクタール以下の家族を中心としてきた鹿角の農業経営がこのまま続けられるのか、市長に考えを伺いたいと思います。  また、農業法人、協同方式の生産体制の取り組みはあるのか、それを支える担い手はどう育成していくのかも、伺いたいと思います。  米改革大綱で、集落説明会が開かれていると聞いています。農民側から見ますと、減反の割りつけ、米の数量配分、国が示した制度の説明に終始し、上からの一方的押しつけになり、何も勇気の出る内容となっていないことから、行政の不信感、あきらめ、無気力が漂っております。市の基幹産業が見えてこないからであります。例えば、おいしい米が求められる中で、減農薬にもつながる有機栽培の確立や、支援体制など具体的に農家に示し、相談をし、生産意欲や勇気を与えるべきではありませんか。市長の考えをお聞かせ願いたいと思います。  農業も今までよりも違って、企業感覚でと、大型化、合理化をモットーに国策として進めてきました。県内にも15町歩から30町歩の米経営農家が多数おります。その集まりに私も参加できました。その発言の中で、市場相場制への移行は恐ろしいと。米価の下落は一瞬にして、この大きな農家のすべての財産を失うんだと、小規模切り捨てというにとどまらず、大型農家もこのままでは生き残りはできません。ましてや、政府が食糧から撤退、流通と市場の自由化は結果的には大きい農家、小さい農家、問わずにして農業をつぶすことになるんだという、こういう発言を私は聞く機会があったわけです。本当に農業を守り、農家を守ることは「価格保証」なくして不可欠だと私は考えますが、鹿角市の主要農産物に対して、価格保証制度を確立するべきと考えますが、市長の考えを伺いたいと思います。  次に、年金、福祉問題について質問いたしたいと思います。  今国会での福祉問題の特色として、一部介護や医療の来ておった補助金を一般財源化するということが、特色的であります。これは各自治体の施策のやり方が注意されることになります。  何と言っても、今度の年金改革は、市民の暮らしに深刻な影響を与え、将来の年金が「もらえるか、もらえないか」という不安を一層大きくしています。  一つは、年金保険料の掛け金の問題であります。  国が示した内容では、厚生年金保険料がことし4月から14年間連続して毎年1万円ずつ値上げをさせると。国民年金は来年4月から年間3,360円を13年間連続引き上げていくということを打ち出しております。先ほど申し上げたように、市の基幹産業である農業の廃墟、第2、第3産業で働く方々の賃金引き下げ、パート化、会社の福利厚生から除外されることが進む中で、年金保険料の掛け金が重い負担として市民にのしかかるわけであります。非加入者や滞納状況を含めて、年金を扱う行政として、今後の見通しをお聞かせを願いたいと思います。  次に、年金の給付問題であります。もらう方ですね。  今、国が示した「マクロ経済スライド」という言葉が出てきました。これは厚生労働年金給付で2022年度まで18年間徐々に支給引き下げ、5割で下げどめすると言っていますが、ここだけでも約16%の大幅なカットで、現役世代の賃金総額が減少すれば、給付水準もまたそれと合わせて引き下げるんだと。また、「物価スライド」で下がった分に合わせて引き下げられます。私が心を痛めるのは、国民年金で「低年金」の5万円ないし4万円しか現在もらっていない方々にも一律カットが示されてきているからであります。鹿角市の給付状況はどのようになっているのか、見通しをお聞かせ願いたいと思います。  今、テレビで「妻が夫を殺す」とか、「息子が親を殺す」などと放映されています。まさに、この鹿角でもそういう状況を否定できない、客観的状況が生まれつつあります。年金にかかわらず、福祉行政全体の問題として、生活困窮者への支援対策制度を求めたいと思います。このことについても市長の考えを伺います。  最後に、市の監査体制のあり方についてお尋ねいたします。  鹿角市はスポーツ事業団の不祥事、児童クラブ会費の横領、尾去沢老人クラブのセンターの事務扱いの監査問題にかかわる問題が問われました。例えば、スポーツ事業団の一例をとっても、毎年事業や決算の報告を受け、翌年の予算を決定しているはずであります。その時点で行政側として内容の精査や監査が強く求められたはずであります。予算を計上する立場からも、そういう不祥事を見抜く精査、監査体制が欠如していたのではないかと。それは他の不祥事も同様でありますが、行政として一連の不祥事に対して、どのように総括され対策をとられたのか、市民の前に明らかにしていただきたいと思います。  また、「三位一体の改革」の名のもとで、地方交付税の大幅な削減のもと、法人や指定団体に委託する方向が打ち出されて多額の予算が措置されていくと思います。今まで以上に内容の精査、監査体制が求められると思いますが、外部からの専門的人材も含めて新たな監査体制を構築すべきと考えますが、市長の考えをお聞かせ願いたいと思います。  これで演壇からの質問を終わります。     (18番 豊田重美君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。     (市長 佐藤洋輔君 登壇) ○市長(佐藤洋輔君) 豊田重美議員のご質問にお答えをいたします。  初めに、米政策改革大綱と鹿角農業の現状についてでありますが、国では、平成14年12月、平成22年度を目標に「売れる米づくり」や担い手が水田農業の大宗を担う姿を目指す「米政策改革大綱」を策定し、この大綱に基づく改正食糧法では生産調整を「農業者・農業者団体が主役」となる仕組みに転換するとともに、計画流通制度を廃止して、流通は大幅に自由化されることになります。  本市の複合経営の根幹をなす水田農業は、小規模兼業農家が多く、農業従事者の高齢化、後継者不足などにより、担い手への農地集積が進んでいない状況にあり、また転作田に占める自己保全管理等の不作付け水田が3割を超えているなど、水田の有効利用の面でも構造改革が進んでいない現状にございます。  このような水田農業を取り巻く現状及び課題を踏まえて、今年1月に鹿角地域水田農業推進協議会では、国の「米政策改革大綱」に基づき「鹿角地域水田農業ビジョン」を策定をいたしました。  平成16年度からは、このビジョンのもとで、担い手の育成と特色ある産地づくりなど、水田農業の構造改革の実現に向けて、関係機関、団体、地域が一体となって、水田農業の安定的な振興を図るため、市場及び消費者の需要動向に即した「売れる米づくり」に重点を置き、高品質・良食味米の生産を推進するとともに、消費者が求める安全・安心な生産体制を確立しながら、地域資源を生かした環境に優しい米づくりを推進してまいります。  さらに、地域特性を生かした「産地づくり」のため、収益性の高い野菜、花きなどの地域戦略作物等の拡大、明渠などの排水対策による水田の汎用化、水田機能を生かした作物の導入を初め、高齢者生きがい対策作物及び景観性作物など多様な作物による農業所得の向上を図るとともに、地産地消等により地場産に対する意識の高揚を図りながら、地域住民が誇れる地域農業を目指してまいります。  また、地域の実情に応じて水田農業の担い手を明確にし、農地保有合理化事業等により水田面積の60%を目標に農地集積を促進するとともに、作業受委託の活発化を促進することにより、担い手を中心とした水田農業を展開し、水田の有効活用を図ってまいります。  特に、農地の受け手となる担い手の育成・確保は重要な課題であることから、担い手を明確にし、その人たちを中心に地域農業を守っていく集落や、作業受託組織、あるいは特定農業団体をつくって将来法人化を目指す集落、これからの方向をみずからが選択して取り組み、また取り組もうとしている集落を対象に支援を講じてまいりたいと考えております。  次に、家族型農業経営の展望についてでありますが、本市は稲作を中心に冷涼な気象条件を生かしながら、野菜、果樹、畜産等を組み合わせた複合経営地域でありますが、国の農業政策が認定農業者や担い手を明確にし、農地保有合理化事業等により農地集積を促進する大規模農家主導型に推移してきていることから、平成16年度からスタートする「鹿角地域水田農業ビジョン」に基づく水田農業推進計画におきましても、これまで日本の農業を底辺から支えてきた小規模農家に対する支援策は厳しくなってくるものと認識をいたしております。  しかしながら、本市の場合、認定農業者や担い手農家に位置づけられているのは全体の17%程度で、残りの多くは小規模兼業農家であります。  地域農業を維持するためには、大規模農家だけでは地域の農地管理や環境保全ができないことも確かであり、地域営農を維持するために小規模農家が果たす役割が重要であると考えます。  また、農業は第一次産業にとどまらず、今や癒しや安らぎなど精神的価値を提供する第三次産業としての機能を持ちはじめており、農業の規模に関係なく農家レストランなどが展開され、地産地消など地域資源の有効利用にも貢献をいたしております。  さらに、米を取り巻く環境が変化する中で、農業者が将来展望を持って取り組むためには「売れる米づくり」を確立する必要があり、特別栽培米、有機栽培米など高付加価値農業に積極的に取り組み、トレーサビリティシステムを進めながら消費者・市場ニーズに対応した信頼される米づくりがますます重要となりますので、今まで培った栽培技術等を活用しながら複合経営を展開して所得向上に結びつけていかなければならないと認識をいたしております。  近年、本市の農業を取り巻く環境も農業従事者の高齢化と新規農業者の減少に伴う担い手不足により不作付け地が増加の傾向にあり、農業に活路を見出すために農業に従事する家族一人一人が共同経営者としての立場を確立し、今後の農業経営や暮らしの目標を明らかにして、家族間の話し合いをもとに、その目標に向かってそれぞれの役割分担と責任を果たしながら、営農・生活設計を明確にし、魅力のある農業と農家生活の実現を目指して創意・工夫しながら取り組んでいく必要がございます。  本市においても、集落における担い手を育成しつつ、その集落を構築するそれぞれの農家の機能や役割を融合させるとともに、農地の利用と管理・役割の分担を明確にし、農業・農村の持つ多面的機能に配慮しながら、地域農業の基礎となる家族型農業経営の維持発展に努め、鹿角独自の農業政策を展開するため、農業関係機関一丸となって取り組んでまいります。  次に、地域農業法人の設立と後継者の見通しについてでありますが、水田農業ビジョンに位置づけられている担い手として、認定農業者を初めとした一定の経営規模を有する農業者や生産組合等のほか、農業生産法人の育成を図ることが重要となっております。  こうした中、ほ場整備事業が実施された用野目集落において、大規模区画における効率的な機械化への対応や生産性の向上、作業労力の軽減を図る必要性から、昨年3月に農事組合法人「用野目ファーム」が設立され、本市初の特定農業法人として地域農業を担っており、米作付け作業受託のほか大豆や枝豆の集団転作に取り組んでおります。  現在、二本柳集落を初め、草木地区においても、ほ場整備事業計画が進められておりますが、これらの集落においても第2、第3の特定農業法人の設立を促すため、集落内での話し合いや合意形成に向けた体制づくりに対し支援を行うほか、他地域の集落においても、既存の生産組合等を法人化することも含め、関係機関と連携し、その推進を図ってまいります。  後継者の見通しについては、その育成支援対策として新規就農者を対象とした戦略作物新規即戦力農業者育成事業や、フロンティア農業者育成事業など後継者の技術習得に向けた支援を実施いたしております。  長引く不況の中、農業への就職が見直されている昨今、天候や自然災害など外的要因に左右される面はあるものの、自分が頑張った分だけ収穫の喜びが得られる農業の魅力を若者にアピールすることが大切であり、青年農業者会議や農業近代化ゼミナールなど、若手農業者組織への参加を勧め、情報交換や仲間づくりをすることも意識を高める上で大変有意義であり、これら組織の会員を中心として、若手農業者の輪が広がっていくことも、後継者確保につながる一つの流れととらえております。  さらに、地域ぐるみで若手農業者を育てていく体制も必要であり、法人設立により雇用を図るなどの手法もこれからの農業経営に求められておりますので、法人化に対する支援も含めて、積極的に後継者確保に努めてまいります。  次に、特色ある地域づくりのための有機栽培の確立とその支援体制についてでありますが、安全で安心な農作物を求める消費者ニーズを背景に、地域ブランドを確立し、農業者の所得向上を図っていくためには、農薬や化学肥料を抑えた特別栽培農産物の生産拡大が極めて有効であると言われております。
     そのため、生産ほ場の団地化に向けた調整や、生産者が取り組みやすい環境づくり、地域ブランドとして消費者に指示されるような産地づくりを推進するとともに、家畜排せつ物の堆肥化をより一層推進するほか、稲わら等の焼却を減らし、有機資源として活用していく必要もございます。  現在、JAかづの等が県の特別栽培農産物認証制度による認証を受けた米、きゅうり、トマトなどの減農薬、減化学肥料栽培に積極的に取り組まれており、年々作付面積も増加し、昨年度は109ヘクタールで栽培をされております。〔訂正発言ありP170〕  平成16年度は、ネギ、枝豆を追加し162ヘクタールに拡大する計画であり、農産物のトレーサビリティシステムの導入が進められております。  市では、この取り組みに対し、「鹿角地域水田農業ビジョン」に基づく産地づくり対策として、特別栽培農産物の普及拡大のため、有機投入資材のかかり増し経費分を助成することとしており、今後におきましても、引き続き、意欲ある規模拡大農家や新規就農者の支援を行い、農家の所得向上を目指し、資源としての家畜排せつ物の利用の促進と、堆肥需給の把握に努め、必要な情報提供をしながら資源循環型農業の構築を図ってまいります。  次に、急速に進む市場化と農産物の価格保証制度の創設についてでありますが、本市においては、稲作を主体に冷涼な気候を生かした果樹や夏秋野菜、畜産等の複合経営が展開されておりますが、輸入野菜の急増や産地間競争により生産環境は大変厳しいものがある一方、消費者に安全で安心な農畜産物を安定的に供給することが求められております。  野菜につきましては、社団法人秋田県青果物価格安定基金協会の「青果物価格保証制度」により、生産者が農協を通じて出荷した青果物の市場価格が著しく低落した場合に、補給金を交付することにより生産農家の経営安定を図る制度があり、冷夏や長雨の影響等があった平成15年度の交付金額は、トマト、キュウリの指定野菜とネギ、さやいんげん、かぼちゃ等、6品目の一般野菜をあわせて約4,500万円となっております。  平成16年度は新たに花きについても対象品目をふやすこととしており、トルコギキョウについて加入申込みを検討するなど、生産者の経営安定と消費者への安定供給を図ることといたしております。  一方、米については、米政策改革に伴い鹿角地域水田農業ビジョンを策定しておりますが、消費者が求める安全・安心な生産体制を確立しながら、市場及び消費者の需要動向に即した「売れる米づくり」を重点に置き、高品質米、良食味米の生産を推進していくことといたしております。  売れる米づくりには、需給バランスのとれた生産調整が必要でありますので、収益性の高い複合作物の振興により鹿角らしい産地づくりを推進してまいります。  国では、産地側の地産地消や消費者サイドとの連携、有機栽培米や生産・流通ルートの確かな付加価値のついた米を生産・販売しようとする動きにあわせ、米流通システムが抜本的に変わることから、JAかづの等の集出荷業者独自の米販売や、マーケティング活動、産直販売に取り組んでまいります。  また、コシヒカリやあきたこまちのような売れる米の産地に重心を移してきておりますので、あきたこまちについては、現行作付け比率85%の目標を維持しながら、特別栽培米への支援対策を行い生産拡大を図ってまいります。  米価下落補てん対策につきましては、いずれも、生産調整の実施者かつ生産者拠出金が必要になりますが、稲作所得基盤確保安定対策と担い手経営安定対策がございます。  稲作所得基盤確保安定対策は、その年の米価が基準価格より下がった場合、下がった分の5割と、60キログラム当たり300円が補てんされ、担い手経営安定対策は、経営規模4ヘクタール以上の認定農業者などの大規模農家や、20ヘクタール以上の集落型経営体については、下がった分の9割までが稲作所得基盤確保対策とあわせて補てんされます。  このように、国並びに公的機関による価格補てん制度が確立されておりますことから、市独自の価格補てん制度の創設は考えておりません。  また、全国とも補償は廃止になりますが、地域一体となった生産調整に取り組むため、国からの産地づくり対策交付金と生産者からの拠出金で基金を造成し、鹿角地域とも補償としてビジョン実現のため有効活用することといたしております。  鹿角地域とも補償では、すべての転作作物に一定額を交付する基本部分に加え、販売や団地化といった取り組み内容に応じて加算部分を設けており、各作物への助成単価について、農家所得の向上とつながる実効性のある転作への取り組み、収益性の高い地域振興作物の推進や担い手育成を重視した助成体系を設けており、地域特性を生かした産地づくりを推進してまいります。  次に、国民年金の今後の見通しについてでありますが、昭和34年に国民年金制度の発足以来、40年以上の歳月を経て、現在約3,400万人の被保険者と、約2,100万人受給者を抱える制度として、国民に広く定着しておりますが、平成14年4月に市町村事務から国の事務に移管され、現在市といたしましては加入者の受付、学生及び災害等の事情により納めることが困難な方々などに対する免除申請の事務を中心に取り扱っております。  このため、加入者の個々のデータは、社会保険事務所が管理し、市においては直近4年間の動向に限り、しかも狭い範囲でしか確認することができませんので、以前のように長年の検認状況を把握することはできない状況にございます。  また、最近、新聞・テレビ等で毎日のように、平成16年度からの年金制度改革に向けて政府案が報道され、議論されておりますが、今回の改正は、公的年金制度を将来にわたり持続可能で安定的なものとし、国民の老後の生活の支えとしてふさわしい役割を担うことが可能な制度を目指しております。  その内容につきましては、現在、自営業者等の第1号被保険者の保険料は、月額1万3,300円でありますが、今回の政府案では、平成17年4月から280円引き上げ、月額1万3,580円とし、以後、毎年4月に280円ずつ引き上げ、平成29年からは1万6,900円で据え置きになります。  また、保険料の免除につきましては、所得に応じた免除方法をさらに小刻みにし、全額・半額の2段階に加え、4分の1と4分の3を加えた4段階になるようであります。  なお、保険料が免除されますと、その分給付される年金額は減ることになります。  年金給付の見通しにつきましては、40年間保険料を完納された方の老齢基礎年金の額は、現在79万7,000円でありますが、若者と高齢者が支え合い、国民が安心して暮らせることのできる社会保障制度を構築することとしており、少なくとも現役世代の平均年収の50%を給付水準とし、最低限の給付は確保することといたしております。  年金制度は、現役時代に働くことにより収入を得、自立した生活に必要な一定の生活基盤を構築している方を念頭に置き、その期間の保険料納付実績に見合った年金を受給時の個々の生活状況にかかわらず一律に支給し、それぞれの現役時代の生活レベルを大きく下回らないようにしようとするものでございます。  なお、国民年金の基礎年金部分は、3分の1は国庫負担で賄われておりますが、免除申請をした期間にもよりますが、40年間全額免除の方は月額6万6,000円の3分の1に当たる2万2,000円、40年間半額免除の方は4万4,000円となります。  市内の国民年金保険料の滞納状況につきましては、平成15年12月末現在の未納者は約2割となっており、対前年度比6.6ポイントの増、未納者数については3年前に比べて約3倍となっております。  また、未加入者につきましては、厚生年金・共済年金の事務が一元化されておりませんので、データとしては持ち合わせておりませんが、全国的に見ると、1号被保険者全体の約4.5%と言われており、これを本市に当てはめますと、約250人弱の未加入者がいると推測されます。  この要因としては、新聞報道によりますと、20歳代では不信感・無関心による未加入、50歳代では年金受給権の発生していることによる未納とされております。  地方分権一括法の施行に伴い、市町村の事務は保険料の納付督励、口座振替の促進、広報活動などについての協力連携と、各種手続の申請及び受理、国への報告などを主なものとして実施しておりますが、保険料未納者の増加、無年金者の増加は市の財政負担の増加につながりますので、市といたしましても、住民福祉サービスの向上の観点から保険者である国と協力・連携し、市民の皆様の国民年金制度に対するご理解・ご協力が得られるように努めてまいります。  福祉行政全体の問題としての生活貧困者への支援対策につきましては、年金給付水準の引き下げによるとよらないにかかわらず、憲法の精神にのっとり、国の責任において、国の調査により設定された最低生活費に満たない額を補う程度で、生活保護による給付を受けられることになります。  生活保護は申請主義がとられておりますが、福祉事務所やお近くの民生委員、あるいは社会福祉協議会などの相談機関で、いつでも相談に応じる体制をとっております。  次に、市の監査体制のあり方についてでありますが、昨年の一連の不祥事から、庁内にあっては会計事務処理の適正な執行について、事務説明会の開催、会計事務マニュアルの作成を行ったところであります。  特に、調定のあり方や、現金保管につきましては、一人で扱うことなく相互チェックが働く体制を取るよう、指導を徹底いたしております。  また、外部団体につきましては、市の監査委員が法に基づく財政援助団体監査を行っておりますが、監査の範囲はあくまでも交付した補助金、負担金等にかかわる出納及び収納に関連した事務の執行に限定されておりますので、団体みずからが税理士等の導入などにより会計処理等の運営の適正化を図り、不祥事再発防止に取り組むことを強く要請いたしております。  さらに、市から理事、監査等の役員を派遣している団体につきましては、単に参画するだけではなく、公金が支出されている意義を強く意識し、当該団体の経営状況等の報告を受けた際も、運営チェック体制が形式に流れることのないよう、経営努力も含めて問題点を抽出し、適正な運営が図られるよう指導するよう指示を出しております。  スポーツ振興事業団につきましては、事業団みずからが運営体制及び事業を見直し、改革プログラムを作成いたしておりますので、その誠実な履行を求め、指導監督してまいります。  なお、市の16年度当初予算においては、スポーツ振興事業団関連の委託料・補助金については前年度対比で1,452万円、9.1%減となっております。  市の監査体制につきましては、監査委員は非常勤2人、議会選出1人で計3人で、事務局職員は2人となっており、決算審査、定期監査、財政援助団体監査、例月出納検査を実施いたしております。  監査委員の定数は、地方自治法に基づき条例で定めることとされ、市の場合は2人以上4人以下とされていますが、本市は3人と定めております。  県内他市では4人設置が1市、3人が1市、2人が6市となっており、うち常勤監査委員設置は4市となっているほか、全国的にも監査委員の少人数化、非常勤化が趨勢となっている状況にございます。  以上のことや、組織の簡素・効率化、経費面等を考え合わせますと、外部監査の導入は難しいものと考えておりますので、ご理解を願いたいと思います。  すみません、一つ訂正をしておわび申し上げます。  有機栽培確立について、JAかづのが減農薬、減化学肥料栽培に取り組んだ「昨年度」109ヘクタールと答弁いたしましたが、「昨年」に訂正を願います。     (市長 佐藤洋輔君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) 再質問ございますか。豊田君。 ○18番(豊田重美君) 今の話でありますけれども、私の集落を一つの例にとったわけですけれども、全市において、ああいうふうな状況が今農家に起きているということを謙虚にやっぱりとっていただきたい。そして、前者にも答えていただいたわけでありますけれども、やはり現実をきっちりと認めた上で、もっと行政の担当の方々が現場にやはり足を運んで、よく声を聞くということではないかと私は思います。  そこで、私一つお聞きしたいのがある。同じ鹿角市と言っても、その地域の特色があるはずであります。私の小さいころは柴平の上台地方では、炭焼き ───木炭を製造しておったわけでありますが、やはり大型化するという反面に、もう一面には今やっている所得を上げているプラス・アルファを考えて、そこの地域に何ができるのかというものをもっと真剣に起こしてこないと、いわゆる後継者も育たないのではないかと思いますが、このことについてはどういうふうにお考えですか。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 確かに、米主体に頑張っておられる農家、集落、あるいはリンゴなどを主体にやっている農家、いろいろございますけれども、現在せっかく今まで頑張ってきたリンゴの木を伐採している農家などを見ますと、大変に心が痛んでおります。いわゆる後継者がいないということが大きな原因であろうかというふうに思いますけれども、その後継者育成についてもさまざまな手だてをしておるわけなんですが、やはりもう少し現場を見るべきだということは確かに謙虚に反省しなければならない、現状把握という面ではそのとおりでございます。  ただ、それと同時に農協とか、普及所とか、いろいろな関係団体と連携をとりながら、どのようにしたらいいかというふうな検討も必要かというふうに思っております。  また、たばこや、先日農協の婦人部大会に行ったり、演芸大会に行ったりしますけれども、女性の方々は非常に元気をもって農業を頑張っている地区もございます。いろいろな、悪さだけを見ないで、いい面も見ながら、いいところを伸ばす。そして、我々のできるところはどういうところかというところを、自分たちぎりでなくて、いろいろな声を聞きながら、現地を見ながら進めることが、今一番大切なことだろうというふうに思っております。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) 2つ目に取り上げた問題でありますけれども、特に私は家族ぐるみの農業ということの大切さを感じてます。これは所得にはかかわらず、いわゆる老人世帯を含めた大きな福祉の内容を私は持っておると思います。ただ、今、国が進めている農業の目的は、所得倍増というふうなことにだけ目が奪われて、そういうふうな面がやはり多々失われてきているんじゃないかと。やはり、私はおじいちゃんがいて、おばあちゃんがいて、そして子供方がいる。こういう中での生産を高めるというのが、従来ここら辺で重ねてきた、また歴史を持ってきた一つの立派な産業に育ててきているんじゃないかと。これをぜひ、やはり活動型として形を出していただきたい。  例えば、組み合わせはいろいろあると思います。米プラスリンゴ、米プラス畜産、そういうモデルといいましょうか、市とその生産農家と議論を深めた上で5年間でこういう目標を決めて、こういう鹿角の一つの行く道を示していただけないのかというふうな、ちょっと細かい話だと言えばそれまでだけれども、そこから積み上げてこないと、今の農業の立て直しは私はないと思いますが、そういうふうなことをまず考えていらっしゃのかということをお尋ねします。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 単に農業を大型化すればいいというものではないというのは私は豊田議員のおっしゃることは十分に理解できるし、私も賛同する面がございます。一つのそういうふうな大規模生産団地をつくり、そして一つの産地化するということも必要でありますが、今おっしゃられたように、農家の方の一つの温かい家族が、一つの農家としての生き方を進めていくということは非常に夢があっていいし、今現在、例えば山ブドウとか、ブルーベリーにお年寄りが取り組んだり、わずかながらニワトリを飼ったり、そういうふうな形で地産地消とか、あるいは地元の温泉旅館、ホテルなどにおさめるような形のようなほのぼのとした農家としての生き方というものも非常に魅力的なものであって、そういうふうな形が昔のように形成されれば、すばらしいなというふうに思うこともたびたび、最近はこのようにいろいろな食糧に関する問題が出てくる場合に思います。これはひとついろいろな面で検討する余地があろうかなというふうに思います。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) やっぱり、あともう一つは後継者の問題だと思います。私の村一つとっても、ああいう状況であります。例えば、法人を立ち上げたいという意向が生まれてきたとしますと、だれがそれを担い手として育てていくのか、これは非常に難しくて、しかしやっていかなきゃならない一つの施策だと思います。先ほど用野目の例を出されましたけれども、やはり各地区にどういう範囲でどれぐらいの規模で、何を選択肢として生産の手段として、それを目標にしているかというふうな、そういう具体的な計画というのか、方針というものは、まだ議論されてはいないでしょうか。 ○議長(阿部佐太郎君) 産業部長。 ○産業部長(馬淵晴彦君) それぞれの地域においての後継者育成ということで、今、米改革大綱の中では担い手育成とあわせて一緒に考えておりますけれども、現時点では認定農業者を中心にという背景がありますが、ただいまご質問のように後継者がまだ定まっておらない、あるいはおらない地域においては、その地域に私どもも足を運んで、この地域はどういう農業を展開するべきかということを話し合いながら、相談に乗りながら、後継者を定めていただきまして、その中であわせて高齢者対策も一緒に、技術をお持ちでありながら体力が衰えている、あるいは後継者でなければならない分野の業務を一緒に取り込んでいただけるような施策にしてまいりたいと。そのためにここの地域は何をしましょうではなくて、これからどういうことを展開していきますかと。そのために私どもも足を運ぶ、あるいはいろいろな施策を講じたり、相談に乗りながら育てていきたいと、このように基本的には考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) きょうは3階の方でお聞きになっている人がいるけれども、やはりちょっと抽象的なんですよね。もっと具体的に、例えば八幡平の水沢で出かけるときはちゃんと歴史を調べてどうだと、私はこういうことを考えるんだけれども、こういうことをひとついろいろな情報で考えているんでないかというふうな提案をしていかないと、先ほど壇上で申し上げたように、こちら側から押しつける、国の決まりだけを説明する、ここには何も前に進むような状況なんて出てきません。  やっぱりそういう地域地域の要求をよく役所も勉強しに行って、例えば、池をやって鯉をやる場所であるならば、そういうものに対しての討論を起こしながら、それをどうしてやっていくのかというものを提起しながら入っていかないと、部落の活性化というのが、集落の活性化は私はあり得ないと思うんだけれども、ちょっと答弁の中でもっと具体的な、こういうことを計画していると。3年間ではこういうたたき台がつくられていくんだということをしないと、何か今までの答弁のように終始、上面だけ私は言っているように受けとめたので、あえてここをもう一回聞きたいけれども、やっぱり大綱を示され、活動のチーフがそういう構築をしなければならないという岐路に立たされているあんた方の立場として、もう少しきっちりとした、その地域地域においての歴史なり、生産物なりを組み合わせて、どれだけの所得が上がるんだろうなというところまで試算しながら提示していくべきだと思いますが、この辺は。 ○議長(阿部佐太郎君) 産業部長。 ○産業部長(馬淵晴彦君) これまで、昨年の7月から取り組んでまいりまして、ご承知のように先ほど来、市長の答弁にもありますが、米改革大綱の鹿角バージョンにつきましては、これまでの地域の特性を十分に踏まえた上で、稲作に関連するすべての機関、業種の方々からも参画をいただいて策定をさせていただきました。今回それぞれの130強に及ぶ各集落を説明あるいは配分面積等についてお願いをして歩いたわけですので、この中で鹿角としての産地づくり交付金の有効な使い方だとかを具備しておりますので、今、豊田議員のおっしゃられたように地域独特の歴史風土、あるいは特産物等についても私どもも謙虚にこれまでの実績等を分析しながら、各自治会あるいは地域に入っていって納得のいく農業を展開していくべきだと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) やっぱりもう一つが高齢者の方々、これをどうして生産に向けていくのか、今まではゲートボールの方は非常に頑張ってはおるんだけれども、これをどうして生産に結びつけるかというふうな、その辺の考えは今持ち合わせですか。 ○議長(阿部佐太郎君) 産業部長。 ○産業部長(馬淵晴彦君) とりあえず、今私どもで考えております高齢者対策につきましては、山菜等、先ほど市長もちょっと触れましたが、山菜等の栽培、あるいは転作田に対しての景観形成の中でひまわりだとか、高齢者でもできる作物を奨励しながら元気をつけていただいて地域で盛り上げていただきたいと、こういうことで、今作物等についても銘柄等をこちらの方で指定しながら説明をしている最中でございます。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) いずれ農業をどう変えていくのかという現実から見れば非常に難しい難問題であると思います。それはやはり言葉ではなくて、日に日に崩壊に近づいているような状況の中で、一つでも、1年でも早くそういうふうな状況まで近づけさせていただきたいと思います。  次は、3番目の監査体制のあり方なんですけれども、先ほど市長の答弁では外部からも入れないというふうなお話に私は聞きとめたんだけれども、やはり一連の不祥事、経ているんですね。市民の人方は「何か役所は人ごとのような感じして受け止めているんでゃないか」と。こういうのは私には本当に聞こえてくるんですよ。ということは、そういう不祥事が起きた段階でどういうふうな対処をしたのかということが、やっぱり見えてこないですよ。事業団がどうだとか、これは相手の問題だ。役所の立場としてどういう反省をしたのか、どういう変化をしたのか、こういう面がきちっと出てこない。そういう意味で私は今回取り上げたわけですけれども、その辺の……反省ということでもないし、総括だと思いますけれどもね。  そういうことを踏まえて、私はやっぱりもっと人をふやせということではありませんけれども、もっと外部からも入れて、そういう監査はきちっと市民の目にわかるようなシステムをつくっていただきたいというような私の願い、市民の願いでお話したわけですけれども、この辺のところをもう一度お願いいたします。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 監査体制をしっかりとするということもありますけれども、事業団の体質そのものを改革しなければならない。豊田議員がおっしゃられたように、あのままでいいとは全然思っておらないわけでございまして、このままではまた、もとのもくあみになるというふうな意識は私は十分に持っておって、それは根本から改革しなければならないという気持ちは変わりないわけでありまして、監査体制も含めて、いろいろな事業団とか、外部団体、委託先を含めて、いろいろな面で改革していかなければならないというふうに、決算委員会でも申し上げたとおりでございます。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) それで、もう一回重ねてお尋ねするわけですが、外部からのそういう専門的な人材を登用して監査体制の見直しということはあり得ないということですか。 ○議長(阿部佐太郎君) 市長。 ○市長(佐藤洋輔君) 監査ということよりも、もっと運営といいますか、そういうものが重要じゃなかろうかというふうに思っております。もちろん、帳簿関係なんかは最重要なことでありますけれども、運営そのもの自体の問題として切り込んでいかなければならないなというふうに思っております。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) 何かその辺の考え方の相違といいましょうかね。ただ、事業団一つ見ても、私は当時の不祥事云々というんじゃなくて、帳簿を見ればわかるんですよ、簡単なことなんですよ、あれは。あれすらこちらでチェックできないで、税務署に入られてわかったなんて、恥ずかしい話なんです、本当は。そういうことを私言っているんですよ。大きい監査体制を含みながら、そういうのを常にやはりチェックできる人材をそういう部署に充てていかないと、同じような状況がまた起きるんじゃないかというふうなことで、私はお話をしているわけであります。  最後に、福祉関係のお話します。  確かに年金は大きい意味では国の方針というものは非常に大きいウエートを占めて入ってくると思いますが、やはり私が先ほど申し上げたように、本当に困っている人、例えば5万円台の年金から介護料を1万3,000円引かれますと、やっぱり4万円台になります。こういう方々の人が家族で暮らしている場合は暖房費でも、それからいろいろなものは互いに持ちつ持たれつという形で暮らすわけですけれども、1人、2人の年金で当然暮らしはできないというのを、私は目の当たりにしています。細かい話ですけれども、小さいストーブを置いて、こたつがあると思って足を入れたら冷たかったと。それはお金がなくてそういうことをしているということをきちんと言うわけですよ。私は貧乏物語を言うわけではありませんけれども、そういう環境の中に置かれた方々をどういうふうに援助していくのか、これは私は今回の福祉の問題で一番言いたくて、またやっていかなきゃならない問題として取り上げたわけであります。この辺のところをもう一回お尋ねをいたします。 ○議長(阿部佐太郎君) 市民部長。 ○市民部長(金澤文好君) 年金の受給のことだと、こういうふうにとらえて申し上げたいと思いますけれども、やはり今問題になっております、先ほども市長の答弁にもありましたように、若い人方の不信感といいますか、こうしたことが将来の年金受給者になったときの問題に絡んでくるわけでありますので、私どもも保険事務所に変わったからといって何もしないということではなくして、現在推進員も県からも市を通じて回っておりまして、そうした実情を伺って免除すべきものかどうかというものも行っておりますので、そうしたことを十分聞いていただきながら、ぜひ受給者になったときに年金が得られるように、ぜひ進めてまいりたいとこのように思っているところでございます。  現在、60歳近くになりまして、年金がもらえるのかもらえないのかということで、年金相談に来られる方もありますけれども、先ほど申し上げましたように、市で確認できるとなると直近の4年分より確認できないということから、ぜひ年金相談の日に来ていただきまして、自分の今までの掛けている状況、そういうのも確認して、早目に対応していただければありがたいなと、こういうふうに思います。これから先、納めれば、あるいは免除を受ければ受けられるという方もおりますし、また、60歳を過ぎて任意加入することによって受給権を得られるという方もあるようであります。こうした状況というのも、うっかりしてあったり、あるいはないがしろにされてあってはもらえないということが起きますので、そうした点について私どもも相談に応じてまいりたいと、このように思っております。 ○議長(阿部佐太郎君) 豊田君。 ○18番(豊田重美君) 私が今の話で一番お願いするというのかな、責任を果していかなきゃならないというふうな問題では、やはり困ったときのそういう生活を支える、そういうものがやっぱり必要だというふうに思います。時間はありますけれども、これで終わりますけれども、いずれやっぱりそういう局面を肌で感じていただきたいと思います。どうもありがとうございます。 ○議長(阿部佐太郎君) 以上をもちまして、豊田重美君の質問を終わります。  昼食のため、午後1時30分まで休憩いたします。     午後0時16分 休憩 ──────────────────────〇 ─────────────────────     午後1時30分 再開 ○議長(阿部佐太郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  先ほど本職より宮野議員の一般質問の際に、最後の発言に対する答弁漏れの事項は、後日文書によりお知らせするようにと申し上げましたが、休憩中に関係部分の記録を確認し、また、宮野議員に対し、発言の趣旨が質問であったのか、意見であったのか、改めて確認いたしましたところ、意見ということでご理解いただきたいとの回答でありました。したがいまして、宮野議員の発言に対する当局からの文書回答は要しないものといたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(阿部佐太郎君) ご異議ないものと認め、そのように決します。  次に、順位6番、阿部節雄君の発言を認めます。阿部節雄君。     (12番 阿部節雄君 登壇) ○12番(阿部節雄君) 佐藤市政が誕生して早いもので4年の任期を終えようとしておりますが、この間の佐藤市政を私なりに検証してみますと、第1点としては、これまで市民との対話を重視するとともに、議会との協調に配慮された市政運営に努力されてこられたとこう思います。
     第2点としては、経済戦略会議及びトップマネージメント会議の設置、行政政策に対する評価制度の導入、企業の出身者らしく、行政に企業的感覚を導入されるなど、創造的な市政運営がなされております。  第3点としては、財政運営においてはこの4年間で地方債、いわゆる長期債務を大きく減少されたこと。一方、財政の特別需要に対応できる積立金を増額されたこと。また、財政分析による各財政指標を見るとき、県内9市の中でもおおむね上位にランクされるなど、財政運営に安定度を増してきており、行財政全般を通して見ても確実に市政の流れが変わっていることを実感できるものであり、佐藤市政の1期目の実績を高く評価するものであります。  今、国・地方を通じた長期債務は700兆円にも及ぶ額となり、財政の現状は深刻な事態に直面しております。そのため、政府においては厳しい三位一体改革が進められておりますが、地方自治体の首長は、これまで経験したことのないこの難局を乗り越えるためには、行財政運営に豊富な経験が求められるものと思います。再選を目指して立候補を表明しておられる佐藤市長には、引き続き市政を担うべく最善の努力を期待するものであります。  それでは、鹿英会を代表して当面する市政の諸課題について一般質問を行います。  初めに、国・地方財政の三位一体改革と本市の行財政運営についてお尋ねをいたします。  昨年末に決まった三位一体改革2004年度は、国庫補助負担金を1兆300億円を削減し、所得税の一部を地方自治体に配分する所得譲与税が創設されることになりましたが、しかし、地方にとっては裁量拡大につながる財源は2,198億円にとどまっただけではなく、地方交付税総額を1兆1,832億円の額に抑制するなど改革の痛みが先行する結果になりました。  なお、三位一体改革について政府は3年間で4兆円の補助金削減をするとしており、6月にもその全体像が示されるようであります。いよいよこの改革が山場を迎えることになります。  また、こうした改革案を受けて2004年度の地方財政計画は計画規模を前年度比1.8%減に抑制されております。3年連続のマイナスとなります。地方交付税も前年度比6.5%減となりましたし、交付税の代替財源として発行する臨時財政対策債も28.6%縮小したことから、実質的な交付税総額は12%の大幅減となりました。  このように一段と厳しさを増す国の予算及び地方財政計画を受けて地方自治体の財政運営は、大きな試練を迎えることになると思います。  本市の2004年度当初予算は、市長選挙を控えていることから、骨格予算が編成されておりますので、予算全般につきましては、本予算提案の際お尋ねしますが、今回は三位一体改革に関連する事項についてお尋ねをいたします。  質問の第1点は、三位一体改革に対して地方自治体は強い姿勢で主張すべきところはきちんと主張していかなければならないと思います。  特に、国から地方への税源移譲後、自治体間の財政力格差について財源調整、財源保障機能を一体として果たす地方交付税の取り扱いにも大きな課題となります。  私は、三位一体改革に対しては、明確な理念や哲学を持ちながら地方6団体が連携して国に働きかけていかなければならないと考えますが、市長のご所見をお伺いいたします。  第2点は、我々自治体としても財政の健全化のための行財政改革には、不断の努力をしていかなければならないと考えます。  その対応として思い切った行政経費の節減が必要となりますが、それを大胆に進めるためにも引き締まった自治体を目指して、議員定数並びに職員定数のさらなる削減による人件費の抑制を図ることまで踏み込まざるを得ないものと考えます。  また、あわせて一部公共施設及び事業の民間委託など、積極的に進めていかなければならないものと考えます。  三位一体改革による補助金負担金及び地方交付税の大幅な削減を受けて、本市の行財政改革をどのように進めようとしておられるのか、市長のご所見をお伺いいたします。  次に、実効のある行政及び政策評価制度についてお尋ねをいたします。  かつての大量生産、大量消費時代は、よいものをつくれば売れたのですが、個性化した現代は「ものがよいか、悪いか」をお客さんが決める時代になっております。このためお客さんが望むものを提供することが大事な時代になりました。これを行政面から見ると、税金を納めた市民の望むことを早く提供することが、必要ということであると思います。  さて、秋田県においては平成11年度から政策事業の評価制度を本格導入しております。また、政府においては平成12年「政策評価制度」の標準的な指針案をまとめ公表しております。本市においても、平成13年度、市民の声を市政に反映させるための政策評価制度をスタートさせております。  秋田県の場合は、当初「政策事業評価実施要綱」に基づき、庁内で政策を自己評価してきましたが、政策事業の重点化を図り、政策評価を予算編成に反映させた要綱にかわって政策評価を条例化させております。この条例化のねらいは、政策評価の客観性を確保するには庁外の第三者機関の評価が必要であると判断したとしております。本市においては、これまで市民による行政評価制度の一環として、各種施策についてのアンケート実施並びに行政評価市民会議を実施しているようであります。  私は、行政評価制度は、市民の満足度を高める視点から施策の優先順位を決める仕組みであると思います。それぞれ手法が異なるものであると思いますが、例えば「事業評価」はコスト評価であり、「施策評価」はプログラム評価、「政策評価」は政治的評価であると思います。  そこで、お尋ねいたしますが、第1点として、本市は今後どのような評価を重点に進めようとしているのかお尋ねをいたします。  第2点として、平成14年度、評価対象とした事業件数はどのくらいか。また、これまでの行政評価制度の成果をどのようにとらえておられるのでしょうか。  第3点として、みずから選定した政策目標を実現するための施策事業についての効果をいかに把握しておられるでしょうか。  第4点として、政策についての企画立案の段階の事前評価、終了後の事後評価を繰り返し実態や効果を分析し、その結果を公表するところに政策事業の評価制度の意義があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  第5点として、行政評価制度に取り組むには相当のパワーが必要であると言われております。多種多様な施策、政策が対象となることから、簡単に答えが出てくるものではないと考えます。  庁内全体で議論を突き詰める必要があると思いますし、行政評価、政策評価は市民にわかりやすく、ある程度専門的立場からの議論が必要であると考えますが、現在それが欠けているように思います。  市長はどのように対応しようと考えておられるのかお尋ねをいたします。  次に、防災への備えと危機管理対策についてお尋ねをいたします。  平成7年1月17日突然襲った「阪神・淡路大震災」を目の当たりにした私たちは、我が国の日常生活に危機管理なしということを、いやが上にも痛感されせられたものでした。阪神淡路大震災では、自治体の危機感のあり方が問われることになったのであります。その後も平成15年5月26日岩手県沿岸南部、内陸部で発生した震度6弱を記録した強い地震が発生。また、15年8月発生の台風10号の豪雨による九州熊本及び北海道日高地方における大被害の状況など、新聞・テレビ等で見るとき、自治体としての対応が後手に回っているような気がしてならないのであります。  いつ襲われるかわからない大災害、突発的な事故、自治体はそれらの事態に備え、常に住民の安全と社会の秩序を守っていかなければならないと思います。新たなる危機が住民の方々を襲う前に備えをしておかなければならないと思います。公共生活の管理者である国及び自治体の危機管理はどうあるべきかを問い直す必要があると思います。とりわけ住民に最も身近な市町村は、住民組織の見直しや、まちづくりの設計・行政運営の仕方までの広い視点に立って、総合的な危機管理政策を再構築していくときであると考えます。  そのような観点からお尋ねをしてまいります。  まず、第1点は、各種災害発生時に早急に対応するマニュアル策定の必要性についてであります。本市は、盆地という地形から、周囲の山々が比較的急峻であること、地理的条件により、河川の多い地域であること等から、ひとたび集中豪雨に見舞われると、大被害をこうむる危険性が大きいと思うのであります。  最近記憶に新しい災害の発生状況を見て学ぶべきことは、平成15年9月26日早朝に発生した十勝沖地震は、北海道東部を中心に最大震度が6弱という巨大地震で、苫小牧市の油槽タンク火災や、釧路空港の破損など110億円を上回る被害がありましたが、しかし、住民の防災意識の高さが幸いし、同規模の1952年の十勝沖地震に比べても被害は抑えられたということであります。  こうした実態が報告されるとき、市民の防災意識を高めるためにも防災マニュアルの策定は必要性が高いと考えますが、ご所見をお伺いいたします。  第2点は、近年、本市にはお年寄りだけの世帯が増加しております。住宅の立地環境を見るとき、一部の世帯にあっては隣接地に急傾斜地あるいは樹高の高い樹木があるところが見受けられます。このような危険箇所については総点検をして、人身事故を未然に防止する対策を速やかに実施すべきであると思います。また、同時にそうした危険箇所にある世帯については、緊急時には一時避難所として公共施設の一部を開放するといった対応も必要であると思いますが、いかがでしょうか。  第3点は、阪神淡路大震災の後、各自治体における「地域防災計画」の見直しが指示されておりました。先般、本市の地域防災計画について見直し整備が終わったようでありますが、今回の見直しをされた主なる内容についてお尋ねをいたします。  次に、「県立少年自然の家」の誘致についてお尋ねをいたします。  近年、「県立少年自然の家」などセカンドスクールに学ぶ児童・生徒が増加しているようであります。現在、秋田県内には大館市・岩城町・大森町の3市町にそれぞれ「県立少年自然の家」が設置されております。これらの施設は、普段学校では体験できない野外活動、学習などを学習の一部に取り入れるとともに自然への関心、興味を深めたり、仲間との結びつきを強めるのに利用されております。  野外活動としては、植物や昆虫、野鳥の観察、化石採取、登山、天体観測、オリエンテーリング、キャンプ、スキーなどの学習。  屋内活動としては、木工や木彫り、そば、きりたんぽの秋田を代表する食材づくりなどを手がけているということであります。  児童・生徒にとって貴重な野外活動、実習などを学習できる施設の利用は、今後とも増加するのではないでしょうか。  こうした野外活動、屋内活動の内容から考え、私は八幡平切留平地区に「県立少年自然の家」の誘致を提案するものであります。特に、後生掛周辺に泥火山・大噴湯・大湯沼を初め、貴重な高山植物などが見られます。また、近くには自然との触れ合い活動を促進するための中核施設として「八幡平ビジターセンター」が昨年改築され、内容の充実した施設に整備されております。そして、切留平地区には、テニス・水泳プールなどの運動施設がありますし、春には遅くまで滑られるスキー場もあります。周辺には、市の遊休地があり、建設用地も容易に確保することが可能でありますし、学習活動及び自然環境など、すべての条件が整った最適地であると思います。このような施設の誘致によって、地元小・中学校の児童・生徒との交流学習の場として活用することも検討されてはいかがでしょうか。市長のご所見をお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。     (12番 阿部節雄君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) ただいまの質問に対し答弁を求めます。市長。     (市長 佐藤洋輔君 登壇) ○市長(佐藤洋輔君) 阿部節雄議員のご質問にお答えをいたします。  初めに、国・地方財政の三位一体改革と本市の財政運営についてでありますが、地方がみずからの創意工夫と責任で行政を運営する地方分権の本来の姿の実現を目指す、いわゆる「三位一体の改革」の推進につきましては、6月に決定された「骨太の方針2003」に具体的に明記されたわけでありますが、地方交付税の総額抑制とともに、18年度までの「改革と展望」の期間中に地方団体に対する国庫補助負担金を4兆円廃止縮減することとし、16年度はその初年度として約1兆300億円の廃止・縮減を図るとともに、児童保護費等負担金のうち公立保育所運営費分を初めとした国庫補助負担金の一般財源化と、所得譲与税などの創設による暫定的税源移譲による財政措置などが図られたところであります。  今回廃止縮減された約1兆300億円の国庫補助負担金のうち、地方が引き続き主体となって実施する必要のある事務事業分2,440億円と15年度の改革の「芽出し」として一般財源化した影響分2,344億円の合計4,784億円が地方財政計画への計上と地方交付税の基準財政需要額に参入されるとともに、そのうちの児童手当に係る市町村事務取扱交付金や国負担対象額として精査された額を除く計4,249億円が所得譲与税として暫定的に税源移譲されるものであります。  本市の場合、所得譲与税については6,500万円余りの財源措置しか見込めない状況にある一方で、三位一体の改革による国庫補助負担金の一般財源化に伴う本市への影響額は児童保護費等負担金のうち公立保育所運営費分が本年度当初予算要求比較で約1億8,500万円(国庫負担金1億2,330万円、県負担金6,165万円)、介護保険事務費交付金1,389万円、児童手当及び児童扶養手当市町村事務取扱交付金約280万円、在宅当番医制事業運営費補助金約210万円など、主なものだけでも約2億円余りの減額となっており、地方交付税の基準財政需要額への算入措置が講じられるとはいえ、削減額に見合うだけの財源措置がなされたとは言えない状況にございます。  さらに、公立保育園を例にとれば、国で全国一律に細かく規制している保育士の配置基準や施設の広さの基準といった法令等による国の関与、いわゆる仕事の自由度の面に関しても具体的見直しの動きが見られておりません。  地方の歳入歳出の自由度を増すのが「三位一体の改革」の本質論であるのに対し、「初めに国の歳出削減でありき」で、実質的には単なる地方への負担転化となっている現状から、今後の三位一体改革の動向を引き続き厳しく監視していかなければならないものと考えております。  また、本市において最も影響額の大きかった公立保育所運営費負担金については、後年度においても多額の一般財源持ち出しによる財源措置を行っていかなければならないことから、適正な受益者負担のあり方も含め、今後の保育行政全般のあり方や公立保育園の管理運営手法のあり方について調査検討していかなければならないものと考えます。  現在、国では、経済財政諮問会議の場で6月をめどに今後の三位一体の改革の具体像を示す動きがありますが、国庫補助負担金改革に関して引き続き検討されているものとしては、義務教育職員の給与費負担金本体分(学校事務職員分も含む)については、16年度からの国立学校準拠制の廃止に伴う給与体系の見直しや、18年度実施予定の地方公務員制度改革と歩調を合わせた教員給与制度の一層の見直しを進めるとともに、総額裁量制も視野に入れながら、18年度末に決着をつけることとしております。この分として、約2兆円が3年後までに留保されている状況と言われております。  生活保護費負担金については、社会保障分野の抑制方針のもと、自治体の主体性・独自性を生かし、民間の力も活用した自立・就労支援の推進、事務執行体制の整備、給付のあり方や、国と地方の役割や費用負担について検討を行い、その結果に基づいて17年度に見直しする方向が示されておりますし、介護保険制度における給付と負担のあり方についても現在検討されているところであります。  公共事業関連についても、本年度規模をめどに引き続き削減されるものと考えられますし、国庫補助負担金整理合理化指針に基づき、引き続き地方の事務として同化定着しているものや、人件費補助的性質の補助負担金についても、引き続き一般財源化の方向で検討されてくるものと思われますので、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。  また、地方交付税改革につきましては、昨年5月に地方分権推進会議が試案として発表した 「地方共同税」構想、これは地方が大幅な財源不足にあるにもかかわらず地方交付税の法定率分のみを地方共同税とし、特例加算分を国が政策的に決定する財源である「財政調整交付金」として財源不足を地方財政対策により補てんするといった予算措置による対応はせず、臨時財政対策債元利償還金に対する交付税措置の廃止などが主な内容でありますが、この構想に見られるように、地方交付税法第6条の3第2項に規定する交付税法定率分の変更の考え方や地方財政計画あるいは地方財政対策に対する無理解など、あくまで国庫サイドに立った交付税削減を念頭に置いた論調も一部には強くあることも事実でございます。  国・地方を合わせた長期債務残高は16年度末見込みで719兆円になり、また地方交付税特別会計においても16年度末で50.2兆円もの借入金残高となるなど、国家財政が危機的状況にあることをかんがみれば、財政の持続可能性の確保に向け、国の歳出見直しと歩調を合わせて、地方財政の歳出構造改革と行財政の健全化に取り組んでまいらなければならないものと考えております。  その一方で、真の地方分権とは地方団体の自己決定の範囲を拡大し、また地方団体間の競争を促すための改革であるものと理解しておりますし、それは地方財政に対する国の責任放棄を正当化するものではなく、むしろ競争を促すのであれば競争条件をそろえることが国の責任であり、こうした観点からも財源調整機能と財源保障機能をあわせもった地方交付税制度の基本的枠組みは絶対に堅持されるべきものと考えております。  三位一体の改革の目的とする「歳入・歳出両面での地方の自己決定権を高めるとともに、地域の実情に即した政策選択を可能にし、行政の効率化を実現する」という目的を見失うことなく、すべてにおいて国からお仕着せとならぬように、地方の実情を理解してもらえるよう国から提言すべきことは積極的に提言していかなければならないものと考えております。〔訂正発言ありP188〕  去る2月23日にも、全国市長会として、各都市の過大な収入不足の現状や税源移譲と権限移譲の一体的実現、地方交付税の急激な削減の現状を訴える緊急要望を国に対して行ったところでもあり、また今後、経済財政諮問会議での三位一体の改革の全体像提示の動きや、今夏の参議院選挙におけるマニフェストなども念頭に入れ、引き続き国の動向を注視しながら地方6団体とともに真の地方分権につながる改革となるように強く働きかけてまいりたいと考えております。  財政健全化に向けた地方財政改革につきましては、本市の財政構造は、税財源が3割と脆弱で地方交付税に依存する割合が60%に及ぶ財政構造となっていることから、このたびの三位一体の改革の影響は他団体よりも非常に大きいものがあります。  今後の地方交付税改革については、地方歳出の合理化・効率化に応じた交付税総額の抑制や、国の義務づけや関与の緩和に対応した交付税算定の簡素化、事業費補正や政策誘導的性格の強い算定方向の縮小、留保財源率引き上げ等による総額の抑制などがさらに加速されてくると言われております。  将来にわたり持続可能性のある行財政運営を目指し、今後策定する鹿角市行財政運営基本方針の計画に基づき、歳出全般にわたる事務事業の見直しや組織機構のあり方、適正な受益者負担のあり方や自主財源の確保方策等について鋭意検討してまいりたいと考えております。  行財政改革の進め方につきましては、三位一体改革等、昨今の地方財政を取り巻く厳しい状況を踏まえ、去る2月9日鹿角市行財政運営基本方針を定めております。  計画策定に当たっては、市民とともに運営する行政の視点を忘れないこと、鹿角学の理念のもと「鹿角方式」の行財政運営手法を構築すること、聖域を設けないことを基本に、「事務事業の見直し」「健全な財政の推進」「簡素で効率的な組織機構の構築」「人材育成計画の見直し」の4項目を柱に検討を行うことといたしております。  現在、具体的な計画策定のため、「事務事業の見直し」「健全な財政の推進」「簡素で効率的な組織機構の構築」の3項目について庁内若手による横断的なプロジェクトチームを編成し、検討に着手したところでありますが、「事務事業の見直し」では、公と民の役割分担の見直しの中で現在行政が担っているサービスについて市が提供する以外にどのような提供主体や手法が考えられるのか、「健全な財政の推進」では、行財政運営を低コストで行うことが可能な方策及び自主財源確保方策について、「簡素で効率的な組織機構の構築」では、意思決定過程の見直しと組織機構のあり方を主要テーマに、今年度内に一定の方向づけを行うことといたしております。  将来において身の丈にあった財政規模の中である程度計画的な投資を行いながら安定的な行財政運営を行いうる体制を築いていくためには、経常経費の削減は急務であり、公共施設管理、事業については、指定管理者制度、地方独立行政法人制度への移行等による効率的・効果的な行政サービスの提供と組織機構のスリム化、またワークシェアリングの視点を踏まえた住民の行政運営への参加による職員定数の削減など、その課題や問題点を明らかにしながら検討を進めてまいります。  次に、行政評価及び政策評価制度についてでありますが、本制度は市民サービスの向上に向けた施策の重点化を目的とした制度であります。本制度の導入とともに、各政策の充足の度合いを図るため「政策に対するアンケート」を実施したほか、事務事業のあり方を含めた市政全般に対する市民の声を反映させるため「行政評価市民会議」を設立し、また、これらの結果を踏まえて昨年度より実施計画策定方針を定めております。この中で、重点化の対象とする政策分野を定めることとしており、今年度は雇用・産業振興、社会保障など4つの分野を定めております。  特に今後は、本市の将来像を見据えた上で、一過性のものではない政策の重点化を行う必要があることから、行財政基盤の強化による自立を進めながら、これらの制度を継続し、市民が真に必要とする政策を見きわめてまいります。その実現の手段についても多様な意見が存在することを考慮し、これまでも実施してまいりました市長への手紙、市民意識調査のほか、コミュニティミーティングといった新たな広聴制度の結果を組み入れ、幅広い意見を集約することとし、より具体的な政策の形成につなげるように、体制づくりを進めてまいります。  また、政策評価制度では、基本計画において96項目定めております各施策を直接の対象として評価しておりますが、平成14年度には330の事業に対し、実施計画の策定を通じ、政策評価の結果に基づいた見直しを行っております。制度自体の成果については、こうした事業の見直しとともに、市政を取り巻く状況に対する認識の共有と、円滑な行政運営に対し重要な役割を果たしているものと考えております。同じく平成14年度には初めて事務事業評価についても取り組んでおり、53件の事務事業について検証し、事務の改善に努めております。  施策の成果の把握につきましては、政策評価制度においては、政策の進捗による効果とともに市民生活の水準をはかる値として120余りの評価指標を設けております。平成14年度の値を見ますと、救命率など安全対策に関するものや、ほ場整備面積など生産基盤づくりに関するものを中心として60件のものが向上する傾向にありますが、低下の傾向にあるものが44件となっております。順調に推移しているものについても指標としての妥当性と施策との関連を検証しながら、より適したものへと見直しを進め、そうでないものはアンケート等の結果とともに、市の取り組みを促すシグナルととらえ、事業の見直しに活用してまいります。  また、評価制度に関する解説や市民会議の結果など各種の資料は、市ホームページ上で公開をいたしております。今後は評価制度の先進自治体の例を参考にしながら、内部的な評価の過程についても段階的に公開を進め、市政に対する理解を深めていただけるように努めてまいります。  なお、専門的な立場からの議論につきましては、これまでも行政評価・政策評価制度を専門とする大学教員から、制度に関する全般的な指導を受けております。先進自治体においては評価制度の拡大につれ事務作業の負担が増大する例が見られることから、今後の制度の拡充に当たってもアドバイスを受けながら無理のない運用を図ってまいります。また、高度な専門的知識を要する評価の必要が生じた際は、行政評価規則に定めております専門評価の規定に基づき、調査研究機関等への調査依頼についても検討してまいります。  次に、防災への備えと危機管理対策についてでありますが、防災マニュアルの策定と市民防災意識の高揚につきましては、現在、本市で策定している防災マニュアルとして、行政担当者レベルでの「初動体制マニュアル」がございますが、これは特に地震被害を想定し、行政サイドの初動体制を主眼として策定したものであり、現時点では市民レベルでの防災マニュアルは策定されておりませんので、その計画の大綱として位置づけられる鹿角市地域防災計画を基本に対応することになります。  マニュアルは、その性質上、より詳細で具体的な指針を示すものであることから、災害発生の兆候段階から、応急復旧終了の段階まで、さらに、各種災害及び規模の大小に応じてということになりますと、相当膨大なものになることが予想されますので、想定されるマニュアルの必要性を見きわめ、汎用性・緊急性・重要性の高いものから、計画していかなければならないものと考えております。  また、防災マニュアルの有無にも増して重要なことは、高い市民の防災意識でありますので、平常時から、家庭の中で、そして地域の中で防災が話題となる雰囲気を醸成することが、行政としての役割の一つと考えております。  昨日、黒澤議員への答弁でも申し上げましたが、差し当たっては、今年度作成予定の「防災のしおり」を利用し、また、継続的に自主防災組織の意義を啓発していくことで、防災意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。  高齢者世帯の増加とその防災面での対応策につきましては、年々、高齢者のみの世帯が増加する傾向にあり、その重要性はますます増してきているものと考えております。市内には大規模なものとして、急傾斜地を初め、地すべり災害危険地、土石流危険渓流等、災害危険地が県砂防課などによって把握されておりますが、もっと身近に目を向けたとき、すぐそばにある危険箇所が数多く存在するのも事実であります。しかしながら、現実としてこれらの危険地についてまで、行政サイドで把握することは限界があるものと考えております。したがいまして、小規模な災害危険地及び災害弱者の把握については現在組織されている14の自主防災組織及び自治会との連携を密にし、その対応策を講じてまいりたいと考えております。  災害危険箇所等にある世帯の一時避難所としての公共施設一部開放につきましては、公共施設は平常時、一定の行政目的のために利用されるものでありますが、緊急時に利用していただくことは当然のことであります。したがいまして、施設の一部を開放する場合においては、その利用する期間や、災害の状況、被災者の様態に応じて、柔軟に対応していかなければならないものと考えております。  鹿角市防災会議において承認された防災計画第4次修正の主な修正点につきましては、阪神淡路大震災後、都市防災のあり方が大きく問われ、当時支障を生じた点について、その対応を強化した部分が修正点となっております。その主なものは、ボランティアの受入計画、義援金の受入配分計画、罹災証明書の発行要領などであります。  また、本防災計画から避難場所の定義を明確にし、避難地、避難所の概念を導入いたしました。基本的には市の所有する学校、公民館、街区公園等に限定しており、これらの施設には今後計画的に、災害対策用資機材及び備蓄品を充実してまいりたいと考えております。  さらに、本市の広大な行政面積を考慮し、一時避難地、一時避難所の概念を導入いたしております。これは避難場所への距離が遠くなる地域において、自主防災組織もしくは自治会単位で独自に身近な自治会館等を利用していただくことを念頭に入れたものであります。  複雑な地域の防災課題に対応するため、今後ともなお一層、自主防災組織及び自治会等との連携を密にしてまいりたいと考えておりますので、ご協力をお願いを申し上げます。  なお、教育関係のご質問につきましては教育長が答弁をいたします。  すみません、1カ所訂正させてください。  三位一体改革を「地方」から提言すべきと答弁するところを、「国」からと申しましたので、訂正させていただきます。失礼しました。     (市長 佐藤洋輔君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) 教育長。     (教育長 織田育生君 登壇) ○教育長(織田育生君) 私から、阿部節雄議員の教育関係のご質問にお答えします。  初めに、県立少年自然の家誘致についてでありますが、今日の子供たちを取り巻く環境・社会情勢などを考えてみるとき、ご提案いただきました郷土学習や恵まれた自然環境の中で集団による体験・野外活動などの実践は、児童・生徒に協調性・創造性・思いやりの心など豊かな人間性を育み、多くの効果を生み出すことが期待できるものと考えております。  このようなことから全国的に多様な体験活動の支援や体験の場の整備が進められております。秋田県においても、秋田ドリームチャレンジプランの中で、少年自然の家など学校以外の施設をセカンドスクールとして自然体験活動に活用するよう奨励している状況であります。  県立少年自然の家は、ご承知のように県南・中央・県北に1カ所ずつ設置してあります。県北地区では大館市長根山地域に設置され、毎年、学校や子供会、スポーツ少年団等社会教育関係団体を中心に約3万人に利用されております。  鹿角市内小・中学校の校外学習における学習先の状況については、小学校ではほとんどの学校が5年生を対象に大館少年自然の家での宿泊を伴う体験活動を展開しております。中学校では、1年生は鹿角地域での郷土学習や八幡平オートキャンプ場「アスピア」での宿泊体験、2年生は岩手国立青年の家での活動が多いようです。  県立少年自然の家のような施設を八幡平切留平地区に誘致できないかということでありますが、ご提案の趣旨はまさにそのとおりでありますし、環境的には候補地になり得るかと思われます。しかしながら、秋田県教育委員会によりますと、現在、八森町に「体験活動センター」の建設計画が具体化している以外は、当面計画がないとのことでありました。  このような事情から、少年自然の家のような施設の誘致につきましては相当難しいことと思いますが、可能性を探る調査、研究をしてまいりたいと思います。  なお、教育委員会では、阿部議員のご提案の趣旨と同じような考え方で、鹿角市の人材・資源を生かし、固有の歴史・風土・文化等を宿泊により「学び体験する」事業を、鹿角トレーニングセンター「アルパス」をセカンドスクールとして展開できないか、平成16年度中に方向性を決定すべく、学校サイドと協議をしているところであります。
        (教育長 織田育生君 降壇) ○議長(阿部佐太郎君) 再質問ございますか。阿部君。 ○12番(阿部節雄君) 質問をかなり用意しておったんですが、時間がありませんで、所管委員会で質問させてもらいますが、ただ1点ですね。  防災の関係ですけれども、市長の答弁では公的施設云々と、こういうことでしたが、実は私、昨年9月の台風14号が通過した後、あるお年寄りの方からお電話をいただきました。電話の内容は、暴風雨になった場合に一時避難することも考える必要があるとこういうふうに思って近くの公共施設にお願いに行ったというんですよ。そうしたら「夜間はだれもいなくなるので避難することはできない」と、こう言われたということでした。私は大変気の毒なことをしたなと、こういうふうに感じたわけです。確かに、今は各地区の公共施設というのはほとんど夜間は無人化になっておるんですね。一時的に避難するにしても、その場所がないということであります。恐らく消防署等ぐらいしかないのじゃないのかなと思います。今、市内に高齢者所帯というのは3,000所帯あるんですよね。この存在というものをやはり考えていかなきゃならない。やはり避難したいと思われる方々の安全確保のために、避難できる施設をあらかじめ指定しておいて、それを事前に周知しておくということは非常に大事なことじゃないかなと、こう思いました。それだけで終わります。 ○議長(阿部佐太郎君) 質問じゃなくしていいですか。(「もしあれですけれども、時間あればいいです」の声あり)お答えありますか。総務部長。 ○総務部長(児玉 一君) 今、阿部議員さんが言われたことは大変大事なことでありますので、それを踏まえて検討していきたいと思っています。 ○議長(阿部佐太郎君) 阿部君。 ○12番(阿部節雄君) 終わります。どうもありがとうございました。 ○議長(阿部佐太郎君) 以上をもちまして、阿部節雄君の質問を終わります。  ここで、お諮りいたします。お手元に配付いたしましたように、陳情5件が提出されております。これを本日の日程に追加し、直ちに議題に供したいと思いますが、これにご異議ございませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(阿部佐太郎君) ご異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたします。  それでは、ただいま追加されました陳情5件につきましては、議案及び請願・陳情追加付託表のとおり、所管の常任委員会に付託し、審査をお願いいたします。  以上で本日予定しておりました議事日程は、全部終了いたしました。  ただいまの時刻をもちまして散会いたします。     午後2時28分 散会              平成16年 第1回鹿角市議会定例会          議案及び請願・陳情追加付託表                              (平成16年3月4日提出) ┏━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃委員会名 │      付託内容                         ┃ ┠─────┼───────────────────────────────────┨ ┃     │16陳情第2号 地方財政計画地方交付税等の見直しの意見書採択を求める陳┃ ┃     │       情                           ┃ ┃     │                                   ┃ ┃総務財政 │16陳情第3号 地域の不況を深刻化させるマイナス人勧を行わせず、ILO勧告 ┃ ┃常任委員会│       を受け入れた民主的な公務員制度改革の実現を求める意見書採┃ ┃     │       択に関する陳情                     ┃ ┃     │                                   ┃ ┃     │16陳情第6号 寒冷地手当の「見直し」改悪を行わず、改善を求める陳情  ┃ ┠─────┼───────────────────────────────────┨ ┃     │16陳情第4号 不必要な農薬の使用を助長する農産物検査制度の見直しを求め┃ ┃産業経済 │       る陳情                         ┃ ┃常任委員会│                                   ┃ ┃     │16陳情第5号 秋田県地方最低賃金の引き上げと最低賃金制度の抜本改正を求┃ ┃     │       める陳情                        ┃ ┗━━━━━┷━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛...