平成 8年 3月 定例会平成八年三月十一日(月曜日)●出席議員(二十九名) 一番 後藤 健君 二番 斎藤宗一郎君 三番 畠 貞一郎君 四番 山木雄三君 五番 塚本民雄君 六番 伊藤洋文君 七番 平野龍市君 八番 原田悦子君 九番 今野清孝君 十番 藤原良範君 十一番 今野藤悦君 十二番 平山清彦君 十三番 梅田味伸君 十四番 中田 満君 十五番 畠山一男君 十六番 柳谷 渉君 十七番 工藤勇男君 十八番 佐藤幹雄君 十九番 矢田部 昌君 二十番 武田正廣君 二十一番 松谷福三君 二十二番 竹内 宏君 二十三番 熊谷 健君 二十四番 大倉富士男君 二十五番 戸松正之君 二十六番 袴田謙弥君 二十七番 相場洋子君 二十八番 渡辺芳勝君 三十番 住吉新作君
---------------------------------------●欠席議員(一名) 二十九番 小林幸一郎君
---------------------------------------●説明のため出席した者 市長 宮腰洋逸君 助役 金田広実君 収入役 大塚慶治君 監査委員 西村 豊君 総務部長 桜田栄一君 生活環境部長 相沢東生君 福祉保健部長 安岡義則君 産業部長 石井 清君 建設部長 武田 敏君 企画調整室長 塚本佐市君 生活環境部 布川隆治君 次長 福祉保健部 秋元庄一君 次長 産業部次長 長内嘉右ヱ門君 総務部 斎藤憲身君 総務課長 総務部 工藤金美君 財政課長 総務課参事 袴田 司君 ガス水道局長 赤塚謙蔵君 教育長 野中和郎君 教育次長 工藤 靖君
---------------------------------------●事務局職員出席者 事務局長 鈴木一真君 議事係長 石出文司君 主任 畠山一仁君 主任 吉岡康隆君 主事 亀田吉之君
---------------------------------------●本日の会議に付した事件 日程第 一
一般質問--------------------------------------- 午前十時 開議
○議長(山木雄三君) ただいまより
能代市議会定例会継続会議を開きます。 本日の出席議員は、二十九名であります。 本日の議事日程は、日程表第三号のとおり定めました。---------------------------------------
△日程第一 一般質問
○議長(山木雄三君) 日程第一、一般質問を行います。順次質問を許します。一番後藤 健君の発言を許します。一番後藤 健君。 (一番 後藤 健君 登壇)(拍手)
◆一番(後藤健君) 明政会の後藤 健です。昨年四月の市議会議員選挙で初当選してから、はや一年になろうとしております。無我夢中の一年ではありましたが、市政発展のため微力ではありますが自分なりに努力したつもりであります。今後ともよろしくお願いいたします。一般質問はこれで二回目となりますが、今回は質問とあわせ、提言、他の市町村の試みなどを取り上げながら、当市の当面の課題や将来像などを私なりに探ってみたいと思います。 それでは、最初に国民健康保険の今後の見通しについてお伺いいたします。申すまでもなく国保の運営は、各自治体とも大変厳しい状況となっております。平成七年度の当市の場合も被保険者は減少し、高齢者の加入者数は増加し、低所得者層の増加等大変厳しい運営の中にあって、保健センターでの健診者の増加による病気の早期発見、早期治療の啓蒙、また医療の適性化、あるいはホームヘルパーの在宅看護の増加等々により予想された医療費が思いのほか減少し、財政調整基金から繰り入れられた繰入金二億一千万円を減額補正するなど、一見運営の厳しさが緩和されてきているかのようには見えますが、先日の市長説明では、平成八年度予算については、財政調整基金から一億四千万円を取り崩して繰り入れることで編成しているという説明がございました。このような厳しい状況下での今後の国保税、財政調整基金等今後の見通しはいかがなものか、お伺いいたします。 次に、福祉教育についてお伺いいたします。日本は、申すまでもなく世界一の長寿国であります。いろんな意味で今をときめく、かの厚生省が昨年発表した簡易生命表を額面どおり受けとめますと、しばらくの間長寿は伸び続ける、との見方を示しております。高齢化社会は、確実にかつ急速な勢いで進んでおります。県が毎年敬老の日に合わせて発表している高齢者人口でも、高齢化の比率が一段と進んでいることが明らかになっています。この調査によりますと、平成七年七月現在で当市の六十五歳以上の比率は一九・八%となっており、県内九市の中では鹿角市、男鹿市に続いて三番目に高い比率となっております。この超高齢化社会を支えていくのは私たちであり、将来の能代市を担っていく今の子供たちであります。そのためにも、福祉の心をはぐくむ福祉教育の充実が求められていると考えます。住みなれた地域で子供のうちから福祉に接する機会を与えていくことが、福祉型社会、
ボランティア社会を築く基礎となるはずです。県看護協会が、昭和四十三年から続けている一日看護学生や
触れ合い看護体験もその一つです。夏休みに高校生を対象に実施していますが、最近は女子だけではなく男子生徒の参加もふえています。医療、福祉の現場で体験した感動が、生徒たちの心を看護・福祉の道へと向かわせています。また、
県社会福祉協議会が実施しているサマーショートボランティアも、生徒たちが福祉の現状を体験する機会となっております。これまで三千六百人余りが参加していますが、その三割が福祉関係の仕事についているのは特筆すべきことであります。このように福祉現場での貴重な体験は、子供たちの進路決定に大きな影響を与えることが伺えます。福祉の仕事につかなくても、休日を利用して
ボランティア活動を行う社会人に成長していきます。子供のうちに福祉を体験させることが、これからの福祉社会を築いていく上でいかに大事であるかを証明しております。ともに支え合う、ともに助け合って生きていく、この福祉の心をはぐくむためにも市当局に対しては、子供たちへの福祉教育のなお一層の充実を望みます。県内では、積極的に保育所の子供たちや小学生たちに、
特別養護老人ホームや身体障害者施設などを訪問させている市町村がふえております。もちろん当市においても、ふるさと学習の一環として地域のおじいさん、おばあさんから昔の遊びを教えてもらったり、もちつきをしたりして理解を深め合う祖父母交流会、福祉教育推進校の指定を受けながらのクリーンアップ、養護学校との交流会、老人ホームなどへの訪問、学校によっては、学校全体としてのボランティア、もう一歩掘り下げ学級としてのボランティア、さらには私のボランティアと、個人レベルまで掘り下げ
福祉ボランティアの教育を推進している現状に大変な敬意を表するものであります。さきにも話しましたが、高齢化は確実に急速に迫っております。福祉の心、
ボランティア精神は押しつけや無理押しでは長続きもしないし、もとより強制などすべきものではないことは承知の上で、子供たちに自然な形でよりよい福祉教育をどのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。あわせて、今までいろいろな試みをしてみて、過去に問題点等はなかったのかもお聞かせください。 続いて、地域連携軸について質問させていただきます。「お隣はどうでも我が方がよければ」こんな考え方は最終的には孤立を招き、衰退の一途をたどっていくことは明白だと考えます。地域振興を図るためには市町村や県の枠を越え、産業、文化などのさまざまな分野での交流が欠かせないと思います。定住人口を重視することはもちろん大切ではありますが、これからは交流人口が大きなかぎを握ると考えられます。目先の行政にとらわれて、ダイナミックな施策を打ち出すことができない自治体は倒産することもある、と指摘する専門家さえいます。国土審議会は昨年十二月、計画部会がまとめた平成二十二年を目標年次とする
全国総合開発計画の基本的な考え方を了承しました。計画では、四つの国土軸を形成することを求めています。秋田県は、日本海国土軸に組み込まれています。この国土軸とともに地域連携軸構想も打ち出されました。国土軸が太平洋ベルト、日本海ベルトなど、いわば列島の縦軸で形成するのに対して、地域連携軸は横型で形成します。隣県にまたがる広い範囲で行政、産業、文化などの交流や連携を進め、新しい価値を生み出しながら地域の活性化を図るのがねらいと考えられます。この横軸の交流は、他の地区では既に始まっております。国土庁の調査によりますと、岩手県の北上市や横手市など国道百七号線沿いの十五市町村が年四回、共同で市(いち)を開催していますし、熊本県では十四市町村が共同でミニFM局の放送を開始するなどの事例が報告されています。では、我が能代市の地域連携軸は、どのような形で進められたらよいのでしょうか。県北、さらには岩手、青森の北東北三県を視野に入れた地域連携軸が考えられると思います。各市町村の縄張り意識や縦割行政が壁にならぬよう、積極的かつ柔軟な姿勢が求められております。日本海から太平洋までの地域連携軸を形成することによって、物流の活発化、消費人口の拡大、産業交流など、いろいろな面で可能性が広がっていくと考えられます。特にこのラインには、世界自然遺産の白神山地や自然豊かな森吉山、十和田・八幡平など魅力的で豊かな自然や観光資源が備わっています。
広域観光ルートづくりを実現するためにも、今地域連携軸が重要となっています。北東北三県の地域連携軸については、既に東北経済連合会が「環十
和田プラネット構想」を打ち出しています。十和田湖を中心に、秋田県内では大館北秋がエリアとなっています。我が能代市が手をこまねいている間に、ほかで地域連携軸が形成されてしまうのでは手おくれです。当市から八戸周辺までの日本海と太平洋を結ぶ地域連携軸、この横の連携は今後の地域振興を左右する大きな課題と受けとめられております。
米代川流域地方拠点都市計画の中でも、地域連携軸は構想に上っているはずです。地域連携軸を構築するための具体策について、市当局のお考えをお聞かせください。 続いて、防災対策について質問させていただきます。「二年以内に秋田沖でマグニチュード七・五以上の大地震が発生する可能性がある」これは、昨年九月に静岡県で開催された日本地震学会で、
東北大学理学部地震予知・
噴火予知観測センターの松沢助手が報告した内容です。単なる可能性を示唆しているだけであり、実際には地震が発生しないことにこしたことはありませんが、地震対策への警鐘ともなっているでしょう。当市は、被災した際にお互いに支援し合う「災害時の相互応援に関する協定」を県内九市と、そして文部省の宇宙研究所施設がある全国五市町村で組織する「銀河連邦」と締結しました。災害時に生活必需品を供給したり、職員を派遣するなどの応援体制をしくことを協定の柱にしております。阪神・淡路大震災を教訓に、支援体制の強化を図る今回の災害協定は、確かに評価できるものであります。しかしながら、この協定はあくまでも被災後の対応に重点を置いているものと考えます。被災後よりも、まず地震発生時の津波や火災などによる犠牲をいかに防ぐかを最優先に考えなければなりません。第四次能代市
総合計画基本計画の中でも、災害に強いまちづくりということで被災後の対応はほとんど網羅されております。昭和五十八年の日本海中部地震でも、当市は津波による犠牲者を数多く出しました。海岸部の住民に一刻も早く地震、津波の情報を伝達することが、津波被害を防ぐ決め手となります。この情報伝達網の充実を図るため、山形県の酒田市が、昨年、地震発生を気象衛星から直接受信する防災無線放送局を開設しました。市役所内の受信装置が、気象衛星を通じて気象庁からの情報を直接キャッチします。それまでは、仙台管区気象台を経由する方式をとっていました。地震発生から受信まで八分ほどかかっていたそうですが、この気象衛星を利用する方式で約三分短縮されたといいます。キャッチした情報は、沿岸部などに設置している拡声機などを使って住民に伝達しています。こうした先駆的な取り組みは当市でも学ぶ必要があると私は考えます。地震発生時の情報伝達のおくれは、取り返しのつかない被害を招きます。政府の中央審議会がまとめた新防災計画でも、災害情報の迅速な提供が防災の基本であると指摘しております。過去に津波で大きな被害を受けた当市であるだけに、この情報伝達網の整備は他の市町村に先駆けて取り組まなければならない課題であります。他の市町村の手本となるような
情報伝達システムの確立が求められていると思いますが、市当局のお考えをお聞かせください。 防災対策で危惧されるのは、冬場の防災対策が不十分ではないかと思われる点です。当市は雪国であり、冬期間は厳しい寒風が吹きつけます。阪神・淡路大震災では、被害者がビニールテントや公共施設の軒下などで、毛布にくるまって夜を過ごす光景が見られました。しかし、雪国ではそういうわけにはいきません。厳寒の中では、被害者の二次災害を確実に招くと予想されます。当市の場合、冬場の災害を想定した防災計画を綿密に立てておく必要があるのではないでしょうか。降雪期には、ガスや水道の復旧工事にも時間を要するはずです。雪の重さに強い揺れが加わると建物はどうなるか、という研究も必要でしょう。被災者の寒さ対策はどうするのか、夏場と冬場ではおのずと対策も違ってくるはずです。以上、防災対策に関して、他の市町村のモデルとなるような
情報伝達システムの確立、冬場の対策の二点について、市当局のお考えをお聞かせください。 最後に、自治体の広域合併について質問をさせていただきます。「昭和の大合併」と言われた流れを受けて、県内では昭和三十年前後に大幅な町村合併が進められました。それ以降、県内では、昭和四十七年に三町一村が合併して鹿角市が誕生して以来、自治体の合併は行われていません。昨年四月に、
改正市町村合併特別法が施行されました。住民による自主的な合併をより促進する内容となっております。住民による自主的な合併運動を国や県が後押しする形となっており、県でも、旗振り役はできないが積極的な支援は行う、との姿勢を示しております。市町村の合併について口にすることは、「自分の町をどう思っているのか」「住民を軽視しているのでは」等々の反感を招きやすく、なかなかできないのが現状と考えます。しかしながら、二十一世紀を展望するとき、合併構想は地域発展の方向を見出す大きなテーマともなっております。市町村の合併には、メリットもあればデメリットも当然つきまとうはずであります。それだけに合併には、期待論と尚早論が交錯いたします。現在の独自財源では、各市町村とも思い切った施策を打ち出せず、補助金への依存体質は強まるばかりと思われます。合併によるメリットは、財政基盤の強化、大
規模プロジェクトの推進、交流人口の増加に伴う商工業の振興等々が考えられます。反面、それぞれの地域で守られてきた文化や習慣が維持できなくなる可能性があること、行政サービスの低下などが心配されること、合併する市町村の住民感情がこじれやすいこと等々が、デメリットとして考えられます。鹿角市の合併以来、約四十年間県内では合併が行われていないわけですが、少しずつ合併に向けた動きは出始めております。例えば、仁賀保、象潟、金浦、西目の四町合併構想です。既に、四町の議員が合併に向けて研修会を開催するなど具体化しております。また、八郎潟の残存湖周辺の五町、横手市と平鹿郡の大合併構想も、水面下では芽生えていると聞いております。我が能代山本のお隣、鷹巣・阿仁部でも、大館能代空港の開港を契機に五町村の合併構想が浮上する可能性が出ております。それぞれの町村が莫大な経費をかけて同じような施設ばかりをつくる、あるいは町村の境界にとらわれて発想も狭くなる、ということでは地域の発展を望むのは到底無理があります。それだけに鷹巣・阿仁部五町村の合併構想は、大館能代空港の開港を目前にして空の時代をにらんだ選択として、今後の成り行きが注目されています。広域合併は、農協では既に行われております。大館市、比内町、田代町の三農協が広域合併して、ことし六月から「JAあきた北」としてスタートを切ります。能代市、山本郡の農協も一本化に向けて論議が浮上しております。近い将来、自治体の合併問題が浮上してくることは避けて通れないと考えるものであります。賛成論もあれば反対論もあるでしょうが、これまでに行政レベルで合併に向けて少しでも協議が行われた経緯があるのか、正式な協議でなくても合併問題が何らかの形で話題に上ったことはなかったのか、お聞かせください。そして、合併に対する市当局の考え方もあわせてお聞かせください。 以上で私の一般質問を終わります。生意気でありますが、市当局の前向きな答弁、将来を展望した大胆な発想を期待するものであります。以上、ありがとうございました。(拍手)
○議長(山木雄三君) 市長。 (市長 宮腰洋逸君 登壇)
◎市長(宮腰洋逸君) おはようございます。後藤議員の御質問にお答えをいたします。まず最初に、国保税の今後の見通しについてでありますが、国民健康保険の運営につきましては、提案説明でも申し上げておりますが、被保険者数は引き続き減少してきております。高齢化社会の進展に伴い高齢者の加入はふえており、一人当たりの平均医療費については依然として増高してきているのが現状であります。国保税の収入見通しとしては、国民健康保険の加入者が自営業、農業、給与、年金者等であり、今後とも国保税の大幅な増収は見込めない状況にあります。一方、医療費は、高齢化の進展や診療報酬改定等により、今後もさらに増加するものと予想されます。国保財政の健全な運用を図るため中期的な見通しに立って、平成三年に財政調整基金を設置し、医療費の増加や災害等により生じた減収などの財源不足に充てる目的で、これまで積み立てしてきておるところであります。平成七年度末の基金の現在高は七億五千八百七十四万四千円でありますが、八年度当初で財源不足のため基金から一億四千万円を取り崩して予算編成をしており、現段階での今後の収支見通しとしては、九年度にも取り崩しし、さらに十年度に至っては、基金を全額取り崩ししてもなお赤字となる見込みであり、国保財政の運営は非常に厳しい情勢にあるものと考えております。このような状況下において、国では平成九年度で国保制度の抜本的な改正を行う予定となっており、この制度改正を踏まえ、応益・応能割合の見直しも含め、税率改正の検討が必要になってくるものと考えております。 次に、福祉教育のあり方については教育長より答弁いたさせます。 地域連携軸についてでありますが、国では、
次期全国総合開発計画、いわゆる
ポスト四全総策定に向け、国土審議会において、現在、各種作業を進めておるところであります。この中で、市町村や県などの行政区域による制約及び地理や地勢上の制約を越えて、歴史、文化、自然、産業等の面で特色を生かした新たな地域間の交流、連携を強化することが、これからの国土政策の具体的方向であると報告されております。また、平成七年十二月、
国土審議会計画部会において、新しい
全国総合開発計画の基本的な考え方である「二十一世紀の国土の
グランドデザイン」が発表され、目指すべき国土構造の姿として、従来の第一国土軸の形成から東京一極集中へとつながってきた国土構造の流れを明確に転換する必要があるとして、新たな観点から複数の新しい国土軸の考え方が提起されております。すなわち日本海国土軸、北東国土軸、西日本国土軸、太平洋新国土軸の考え方であります。この新しい国土軸の形成に向けた方向づけにおいては、国土軸形成の基礎となる地域間連携及び国土軸を相互に結びつけ、国土軸の機能を高める地域連携軸を戦略手段として位置づけておるところであります。このような役割が期待される地域間連携の可能性の一つとして、お説のとおり、秋田・岩手地域連携軸の形成や環十
和田交流圏域構想、
南東北中枢広域都市圏構想などが打ち出されているところであります。市といたしましても、市町村などが単独で地域整備に取り組むだけでなく、それぞれの地域が特色を生かし、相互に補完、連携を強めながら、個性と魅力に富んだ地域づくりを実現していくべきものと考えております。このため能代市は、県北十八市町村で構成する
米代川流域地方拠点都市地域の中心都市としては、唯一港湾を有する海のゲートウエイ、環日本海交流の一翼を担う地域として位置づけ、この中心となる能代港については、大水深岸壁の整備促進により圏域全体の海の物流拠点のほか、マリーナ基地など
スポーツレクリエーション機能を備えた交流拠点として、積極的に整備を推進しているところであります。また、
東北縦貫自動車道から小坂・大館・鷹巣・能代・秋田へと続く
日本海沿岸東北自動車道については、先般二月六日、県北十八市町村が一致団結して、予定路線にとどまっている二ツ井・大館間を基本計画区間に組み入れるよう強く要望してきたところであります。日本海沿岸の各地域の青年会議所では、
日本海夕陽ラインネットワーク協議会を組織し、毎年日本海国土軸の形成に向けてシンポジウム等を開催するなど活発な活動を展開しているところであり、当市では平成五年七月、「未来によみがえれ、北前船から日本海国土軸へ」をテーマに第六回大会が開催されております。大館能代空港についても、秋田以北の市町村及び西津軽郡の町村や商工団体、農業団体等で組織する空港建設促進期成同盟会が中心となり、平成十年七月開港を目指し鋭意努力していることは御承知のとおりであります。これらの高速交通網の整備による地域間アクセスの向上が、地域間連携及び地域連携軸を形成するためには必要不可欠と考えております。また、地方拠点都市地域に指定された米代川流域や八戸、北上中部、庄内など各協議会では、持ち回りで東北ブロック会議を開催し情報交換を行っているほか、東北六県商工会議所青年部でも、地域連携軸形成促進のためキャラバンを編成するなど活躍されております。こうした中で当能代市を含めた北東北は、農林漁業の分野で豊富な地場資源を有しているほか、十和田八幡平国立公園や世界遺産に指定された白神山地など日本でも有数のすぐれた自然環境、恵まれたスポーツレクリエーション環境、縄文時代の遺跡や歴史などを有し、自然とのかかわりを重視するこれからの国土づくりにあっては望ましい環境にある地域と考えておりますので、これらの広域交流圏構想については関係市町村とも連携をとりながら積極的に進めてまいりたいと考えております。 次に、防災計画についてでありますが、地震が発生した場合、震度、震源、マグニチュード、余震の状況等の地震情報や津波情報、被害情報及び関係機関が実施する活動情報は効果的に応急対策を実施する上で不可欠であり、「能代市地域防災計画・震災対策編」第二章災害予防計画、第三章応急対策計画の中で取り上げております。現在、能代市で行っている無線による情報収集は地上系による無線システムで、全県市町村をカバーしている秋田県防災行政無線であります。秋田県では、これに加えて新たに防災通信機能及び信頼性の拡充・強化対策として、平成十年度運用開始に向けている衛星系による「衛星通信ネットワークシステム」を導入し、災害情報の受信、伝達の迅速化を図ることにしております。さらに、平成八年度事業として全県各市町村に震度計を設置し、その地震情報に基づき被害を推定し対応方針を検討、早期の広域応援体制を確立する震度情報ネットワークシステム整備事業を実施することにしております。能代市としましては、気象庁が平成七年度事業で全国の地震観測網の整備を進めている震度七まで観測できる計測震度計が能代地区消防署に設置されますので、県と協議しながら震度情報ネットワークシステムと接続し、モニターを設置するなどデータ収集を図ることにしたいと考えております。このシステムは当面NTT回線を利用することとなっておりますが、NTT回線が使用不能になった場合でも衛星回線を利用することが可能となっておりますので、震度情報の確実な受信ができるものと期待しております。一方、情報伝達手段としましては、特に津波情報の提供と避難周知のため落合海岸、能代港に設置されている同報無線システム、安全情報伝達施設により行っております。また、移動系である能代市防災行政無線及び広報車を最大限活用して災害情報伝達することにしております。平成八年度においては、情報収集を強化するためアマチュア無線の活用も図ることにしております。これらとあわせ、気象庁等による電波を利用した災害情報発信が年々迅速化しており、情報収集の受け手である市民の皆さんに対しても、携帯ラジオ等の準備を機会あるごとにPRしてまいりたいと考えております。なお、今後の情報伝達網の整備としては、固定系無線方式である災害対策本部と市内主要施設との相互連絡や、移動系無線方式をあわせ持つ地域防災行政無線の整備も検討しております。 二点目の冬場の防災ということでありますが、本県に被害をもたらした地震のうち、冬季に発生したのは八三〇年の出羽地震、一八三三年の庄内沖地震、一九一四年の強首地震の三件で、全国的に被災地に積雪があったのは一九六一年(昭和三十六年)の長岡地震と言われております。昨年の阪神大震災では、凍死者が二名含まれていたと報告されておりましたが、最近は本県でも屋内暖房が進み薄着傾向であることから、真冬に発生した場合、地震規模にもよりますが、家屋倒壊の際閉じ込められて脱出できない被害者等に相当数の凍死者も出ることが考えられます。御指摘のように、降雪期の地震対策は雪国にとって防災上極めて重要でありますが、前段申し上げましたとおり、発生が少ないこともあり具体的対応策が確立していないことも事実であります。想定される被害としては、積雪による家屋倒壊、消火活動のおくれ、雪崩の発生、凍土により液状化現象は抑えられるものの水道、ガスなどのライフライン復旧のおくれなどが考えられます。また、初動時には情報収集・伝達にも影響が考えられ、消防活動、救助救出活動等のおくれに伴う被害の拡大、緊急輸送活動の阻害などがあります。一方、対応策としては、一、雪・地震に強い住宅、施設づくり、二、消防水利の確保、三、避難所などにおける暖房確保、四、救出用資機材の整備、五、災害弱者の支援対策等の充実が必要とされますが、専門家によるさまざまな研究が進められており、冬季の地震対策として基本的な方針が示されることを期待したいと思います。また、降雪期に限りませんが、大規模地震発生時には行政対応にも限度があることから、火気の取り扱いなども含め、市民お一人おひとりが災害に強い自立した対応ができるように、防災意識の高揚も重要であると考えております。以上のようなことから、現在、能代市地域防災計画の見直し作業を進める中で、冬場における地震対策についても、総合的かつ具体的に検証しながら計画の中に取り入れてまいりたいと考えております。 最後に、市町村合併についてでありますが、国では平成七年四月、市町村の合併の特例に関する法律を改正し、自主的な市町村の合併を推進しております。この法律改正は、臨時行政改革推進審議会や地方制度調査会の答申のもとに、国土の均衡ある発展のため広域的な地域の振興整備を推進する必要があるほか、市町村を越える広域的な行政需要への対応や地方分権の推進等の観点からも、市町村の行財政能力をさらに強化するために改正されたものであります。日本の市町村数でありますが、明治二十二年には約七万一千市町村があったとされており、明治の大合併や昭和の大合併のなどの変遷を経て、平成七年九月現在、三千二百三十二市町村となっております。傾向としては、広島や仙台、熊本といった県庁所在都市や広域市町村圏の中心都市が周辺の市町村を編入するという事例が多いようでありますが、つくば市や北上市、ひたちなか市など、同規模程度の市町村が新設合併することで規模を拡大している事例もあるようであります。これまで能代山本の一市六町一村では、昭和四十六年七月に能代山本広域市町村圏組合を設立し、地方自治法に基づく複合事務組合として、
特別養護老人ホームなどの老人福祉施設や広域交流センター、スポーツリゾートセンターなど社会体育施設の管理運営、救急医療事務など広域的な角度から共同事務処理を行っているところであります。同様に消防事務、ごみ、し尿処理についても一部事務組合を設立し、効率的な運営により広く圏民に行政サービスを提供してきたところであります。市町村合併については、お説のとおり、行政運営上あるいは財政運営上いろいろなメリットがありますが、一方においてそれぞれ市町村の事情等が異なり、また歴史的経緯がございますので、私が軽々に申し上げることはできかねるところであります。ただ、今回の法律改正により、合併については従来のように行政側のイニシアチブだけではなく、住民等の意向、イニシアチブによる合併が進められることも可能となっておりますので、それらも勘案の上、慎重に対応していくべきと考えております。なお、能代市周辺において私が知り得る限りにおいては、これまでに行政レベルで合併に向けての協議を行ったことはなく、また公式、非公式においても合併問題が浮上したことはありませんでした。以上でございます。
○議長(山木雄三君) 教育長。
◎教育長(野中和郎君) 後藤議員の福祉教育のあり方についての御質問にお答えいたします。まず小・中学校における福祉教育の現状についてでありますが、能代市教育委員会「学校教育指導の重点」の中に福祉教育の推進を取り上げており、小・中学校の先生方の初任者研修では、奉仕活動という形で
特別養護老人ホームを訪問し、福祉の心をはぐくむ指導ができるような研修を実施しております。児童生徒の活動としては、ふるさと教育において、
特別養護老人ホーム等の諸施設の訪問や祖父母との交流会、地域の方々を学校にお迎えして講師をお願いし、いろいろなことを教わりながら相互理解を深める取り組みをしております。また、市内の小・中学校ではJRC活動の一環として
ボランティア活動を実施しておりますし、全市に参加の呼びかけが行われる風の松原や国道のクリーンアップ活動へ多数の児童生徒が参加しております。さらに具体例を挙げますと、常盤小・中学校の児童生徒による市川堰クリーンアップ活動、能代第一中学校では、先ほど後藤議員もおっしゃられたように、「私のボランティア、学級のボランティア、学校都市のボランティア」と呼んでいる個人や学級、学校単位の奉仕活動が行われております。学校の授業の中でも取り組んでおり、国語科、社会科、生活科等の教科や道徳、特別活動を通しての学習も行われております。また、学校間の交流活動も行われており、平成四年度に向能代小学校は、文部省指定心身障害児理解推進の公開研究会を開催し高く評価され、その取り組みが現在も能代養護学校との交流として続けられております。先日も、東京都世田谷区の教育委員会から、この交流の様子を視察するために先生方が見えられました。ほかにも常盤中学校や東雲中学校も、能代養護学校と交流活動を行っております。さらに、秋田
県社会福祉協議会、能代市社会福祉協議会の福祉教育推進校の指定が昭和五十三年度から始まり、平成七年、八年度の指定を受けているのは第五小学校と浅内小学校で、市内では合計十校が推進校になり研究に取り組んだことになります。また、県福祉保健部が作成した副読本「福祉の心」が五年生に配布され、各学校の授業で活用されております。以上のように、小・中学校の段階で福祉の心を身につけることができるように、組織的、継続的な活動が行われております。ふるさと教育や福祉教育では足の確保が必要になるのですが、平成七年度に教育バスを購入していただきましたので大変便利になり、活用させていただいております。次に、今後盛んにしていくための課題と考えられることについてでありますが、学校週五日制月二回実施が平成七年度から実施され、行事を実施するための時間のやり繰りが大変窮屈になっておりますので、活動の時間をどのように確保するかが問題になります。このような課題があるのですが、ふるさと教育の活動の充実や社会福祉協議会との連携を強めながら、福祉の心をはぐくむために努めてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(山木雄三君) 一番後藤 健君。
◆一番(後藤健君) 大変親切な御答弁ありがとうございました。そうすれば国保税は、やはりこの先まだまだ厳しさがあるということで、当分国保税の減税とかは到底考えることはできないという解釈でよろしいわけですよね。 それから、冬季の防災計画ですが、やはりこれは予算の絡むことであり大変難しいことではあるでしょうし、重々予算の苦しい部分はわかりますけれども、起きてからでは遅いのでその点について先ほど御答弁あったとおり、慎重に検討して善処していただければなと、こう思うわけであります。 あと市町村合併に向けてですけれども、いま現在の能代山本の動きを見ていますと、例えば、どこかで温泉施設をつくれば似たような施設をつくると。あるいは体育館をつくれば体育館もつくる、野球場をつくれば野球場もつくると。能代山本の八市町村で、同じような施設ばかりがどんどんつくられていると。来る平成十九年の国体に向けて、まあ、まだはっきり決まったわけではないですが、我が能代山本ではどうもバスケット競技が開催される可能性が大きいというふうに聞いております。そうなった場合に当市は、十一年後、あの総合体育館をメーン会場に使うのか、私はまだそこら辺わかりませんけれども、恐らく能代市一会場ではなくて、郡部でもバスケットやほかの種目を受けるためのまた同じような体育館建設が予想されるのではないかな、と考えるわけです。したがって、先ほど市長の答弁にもございましたが、広域圏の運営等々もあるでしょうけれども、もうここら辺でこの能代山本に同じ施設をばらまくのではなくて、むしろ独自財源では本当に苦しい事情なのですから、そろそろそういうことまで考えながら、どうせ同じ施設つくるんだったら八市町村まとまって東北一とか日本一の施設にするとか、そこまで考えてもいいのではないかなと。先ほどの御答弁にもありましたが、こういうことは行政サイドではなかなか軽々に口に出せる問題ではないとは認識しております。したがって、我々も行政サイドだけに求めるのではなくて、議員の立場として山本郡の議員の方々と連携をとりながら、これに向けての勉強会なるものを発足させたいなという気持ちは持っているわけですが、もうそろそろ行政サイドでも口にはできないまでも考えていっていい時期ではないのかなと私は考えておりますので、その辺もお酌み取りいただき、今後善処していただければなと思うわけでございます。以上で私の質問を終わります。
○議長(山木雄三君) 市長。
◎市長(宮腰洋逸君) 最初の国保税については、おっしゃるとおりであります。 それから、冬季の防災計画については、先ほども申し上げましたが、いろいろ専門家等の研究も進められておりますので、そうした結果にあわせ整合性を保ちながら、また地域の特性等も配慮しながら、準備を進めていくよう努力してまいりたいと思っております。 市町村合併についてですが、先ほど申し上げましたように、市町村それぞれにさまざまな歴史と事情等がございますので、合併というのはやはり機の熟するということが、それぞれの段階で必要かと思います。あと国体の場合、今それぞれの種目ごとに市町村に担当してもらって開催していこうという方向のようですが、そういうことになりますと、必然的に種目によっては現実の施設で対応できないところは当然新しくすることになる。そしてまた、それを全部能代市で引き受けるとなるとやっぱり足りないわけですから、それぞれのところで対応していかなければならないという事態があるわけであります。ただ、基本的に広域圏の中でも、それぞれ重複していかないように、それぞれの特性を持たせながら施設はやっていこうと、そういう形で進めておるわけであります。どうしてもその市町村にとって必要なというものについては共同で活用することはあっても、その町村として必要だということもあるという事情もあるので、軽々には国体等にあわせてじゃあどうしようかこうしようかということはこれは難しい問題であります。将来、合併等の機が熟するという状況の中では、いろんな形でまた話し合いも出てこようかと思いますが、現状ではそこまで進められる状況でない、というふうに思っております。
○議長(山木雄三君) 次に、十四番中田 満君の発言を許します。十四番中田 満君。 (十四番 中田 満君 登壇)(拍手)
◆十四番(中田満君) 市民クラブの中田 満です。通告に従い質問させていただきます。 市長は、平成八年度当初予算の編成に当たって、市財政が厳しい状況にあることから、その必要性、緊急性、効果などの観点を重視して、スクラップ・アンド・ビルドを行う、と姿勢を示しております。しかしながら、急遽浮上した形で建設費が計上されております土床体育館建設について、苦しい財政状況の中で建設の緊急性があったのか、ほかに必要なものがなかったのかどうか、私はどんなに考えても納得のいく答えが見つかりません。さらに木都能代の復活、木材の復権を目指している宮腰市政がなぜ鉄骨の体育館建設なのか、ぜひ私にわかるようにお答えをお願いいたします。 また、スクラップ・アンド・ビルドは何も行政改革のみならず、施設そのものにも文字どおり当てはまるのではないでしょうか。アリナス、新総合体育館、市民体育館、市民プール、それにこの土床体育館、能代市民はこれらを十分に活用しているのでしょうか。アリナスと市民プール、市総合体育館と市民体育館、これらにスクラップ・アンド・ビルドは当てはまらないのでしょうか。新しくつくるものには反対しない、しかし市民体育館をなくそうとすると市民の反対がある、だからできない。これでは能代市は箱物だらけになる。分子をスポーツ系の箱物施設、分母を市の人口にとると、なるほど能代市は豊かな恵まれた幸せを実感できる都市になるかもしれない。私は、今の能代にとって、スポーツ施設の中で体育館はこれ以上要らないと思う。もし、土床体育館をつくるのであれば、市民体育館を民生病院跡地の利用とリンクさせて、例えば新しい発想の市民住宅等の建設を考えるべきであると思います。他の施設との関連なく市民要望が二・九%ということを「にしきの御旗」に掲げた土床体育館建設について、これまでの新聞報道や説明会での論議を見た限りでは、必要性、緊急性、効果、スクラップ・アンド・ビルド、どう見ても言葉だけ躍っていると思われてなりません。苦しい財政の中で一般財源から三千三百万円を捻出できるのであれば、他の施設との関連でスクラップ・アンド・ビルドの理念を発揮できないのであれば、今度の土床体育館は見送って、再度別の機会に予算化してもよかったのではないかとも思います。必要性、緊急性、効果が最も当てはまるのは、市民要望の第二位にランクされている老人福祉施設だと私は考えるのであります。市民要望の十九位にランクされている土床体育館を軽視するつもりは毛頭ありませんが、今本当に土床体育館が必要なのかを市議会議員として問われたとき、私はあえて言いたい。必要性、緊急性、効果など、そしてスクラップ・アンド・ビルドの観点において、この土床体育館建設に対して消極的な見解を持たざるを得ません。この点について市長の見解をお伺いいたします。市当局は、これまで口ぐせのように「金がない、負担金の捻出が難しい」と言いながら、土床体育館の場合はいともやすやすと起債を獲得し、市負担を計上できたのは、隠し財源があるのではないかと指摘されても仕方ないと思うが、納得がいく説明をお願いしたい。 次に、市庁舎建設についてお尋ねいたします。今回、市は三月補正予算案に市庁舎建設基金として一億二百万円を計上しております。市庁舎建設については、十二月議会の十八番さんを初め、これまで同僚議員から何度か取り上げられておりますが、宮腰市長は就任三期目に入っているのに、いまだ財政難を理由に庁舎建設の年次計画を示しておらないのであります。昔から、市役所を建てるよりも学校建設が先だ、という哲学的な考え方が全国首長の間に言われてきたのも事実であります。私もその考え方を否定はしません。しかし、能代の場合は特別です。市庁舎内全体が、がたがたの状態でありますが、特に建設部職員の執務環境は限界にきていると思います。書類と資料の間のわずかなスペースの間で執務している現状です。職員の執務環境と市民サービスの低下は極限にきていると思います。指摘するまでもないことですが、市庁舎建設の場所、建設予定年度、といった問題は関係商店街はもちろんのこと、全市の商店街の構成上大きな関係があることは言うまでもないことであります。私が市庁舎建設を取り上げた理由は、以上述べた問題のほかに、たとえ現在は財政難で苦しくとも、建設年次を三年後、五年後という目標で示されれば、市民の対応もそれにあわせて準備があると思うからであります。宮腰市長は、早急に「市役所建設着工は平成何年」という大方針を立て、それに向かって市民をリードしてはいかがですか。また、市庁舎建設基金の計上の仕方ですが、年度末予算が余ったから急遽計上したという印象を市民に与える予算で計上するのではなく、当初予算に計上して市当局の庁舎建設への並み並みならぬ熱意を市民に示すべきであると思うのでありますが、いかがですか。いま一度お尋ねいたします。金がないから庁舎はつくれないというお考えではなく、一日も早く、平成何年に建設に着手という大方針を決めたらいかがですか。七十、八十の先輩の方々が、「おれたちの時代、新しい市役所を見れずにあの世へバイバイだ」と悲しいことを言っているのを耳にしたことがあります。市長に声を大にして言いたい。それは、現在の市庁舎の状況からして、「庁舎建設がぜいたくだ」などと思う市民は一人もおらないということであります。一日も早い決断の発表をお待ちいたします。 以上をもちまして私の質問といたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(山木雄三君) 市長。 (市長 宮腰洋逸君 登壇)
◎市長(宮腰洋逸君) 中田議員の御質問にお答えをいたします。まず、最初に土床体育館建設についてでありますが、この事業は、通商産業省所管の電源地域産業再配置促進費補助金制度を活用し、実施するものであります。本市では、当初除雪車設置事業を要望しておりましたが、一月中旬に東北通商産業局から、国で事業要望をまとめたところ予定された国の補助枠等の関係から、平成八年度で時限となる補助枠を有する本市に対し事業変更の打診があったものであります。通商産業省には、電源立地交付金を初め、おなごりフェスティバルの産業育成支援事業など、さまざまな形で御支援を受けておりますが、市の財政事情をお話しし、通常より補助率が高いこととして事業変更ができるかを検討してまいりました。事業の選定には、第四次能代市総合計画に多くの事業が提案されておりますが、補助対象事業であること、補助枠が約二億円であるため補助率を三分の二程度とすると事業費は約三億円程度が最も有効活用となること、八年度の申請が五月末とされていることなどを考慮し、数多くの事業の中からこれらの諸条件を満たす事業として(仮称)能代市土床体育館の建設を選定したものであります。土床体育館は、第四次能代市総合計画にもあり、市民要望や昨年の十二月定例会において屋内ゲートボール場の建設についての陳情が採択されるなど、いずれは建設しなければならない施設であります。苦しい財政状況にありますが、今後このような補助率の高い制度が確認されていない現在、平成八年度で時限となる二億円を有効に活用し、市民要望にこたえてまいりたいと考えたものであります。また、建設後の効果についてでありますが、これまで能代市発展のために尽くしてまいられた先輩の方々の多くが、健康維持のためのスポーツの一つとしてゲートボールを楽しんでおります。この先輩が冬期間のコート確保に難儀していること、及びサッカースポーツ少年団など屋外スポーツ愛好者からも冬場の練習場所が求められていることなどから、降雪地帯にある本市においてはぜひ必要な施設であり、四季を問わず雨天時や夜間にも利用できる多目的施設として多くの市民の方に利用いただけるものと考えております。 次に、木造化についてでありますが、土床部分の計画面積千二百平方メートルを確保するためには大断面材を使用することになりますが、天井高と床面積を確保するためには建物が鉄骨づくりより大きくなり、工期も単年度とする本事業では大断面材の発注から工事完了までに無理があることなど、床が土であることも考えて低コストの鉄骨でつくり、設備の充実を重視したものであります。ここ数年の間に体育施設は、落合テニスコートの増設、総合体育館、スポーツリゾートセンター「アリナス」などの建設により施設の充実が図られ、スポーツ愛好者からは施設の確保が容易になり楽になったと大変喜ばれているところであります。土床体育館の建設についても利用形態の違いもあり、それぞれの特徴を生かし市民の健康維持と体力増進のために、また平成十九年第六十二回国民体育大会の秋田県開催に向けて各種競技の競技力向上を目指し、いろいろな事業を展開し施設利用を図ってまいりたいと考えております。 次に、アリナスと市民プール、総合体育館と市民体育館のスクラップ・アンド・ビルドはないのかとのことでありますが、御承知のように市民プールは建築後十四年、市民体育館は三十四年を経ており老朽化が目立つ施設でありますが、市民プールは唯一の公認プールであり、小学生だけでの利用や幼児の利用が可能な施設として貴重であります。市民体育館は、三十余年にわたり多目的に利用された体育館であり、総合体育館完成後も大会以外は利用者に大きな変化は見られないようであります。また、商店街の背後にあることもあり、いろいろなイベントにも利用されております。これからは、週休二日制や労働時間の短縮により市民の余暇時間がふえ、体育施設の利用もふえるものと考えられるので、施設を快適に御利用いただくための付加価値をプラスした改修を考えてまいります。アリナスは宿泊施設のある合宿型施設として、総合体育館は国際大会も可能な施設で競技観戦を主体とした施設として、それぞれの特徴を生かした運営をしてまいります。 今回の土床体育館の建設に当たっては、現行の社会体育施設の補助制度が極めて小額のため、これを受けて実施するよりも産業再配置促進費補助金の方が高額の補助が確保できるめどがつき、起債についても補助裏の起債を確保できることから一般財源の持ち出しが少なくて済むことになるので、当初予算編成の中で八年度事業として取り組むこととしたものであります。少ない一般財源の中で、少しでも多くの事業を有利な制度を活用することにより実施できるよう努力しておりますので、御理解いただきたいと存じます。 次に、市庁舎の建設についてでありますが、この四月からスタートする第四次能代市総合計画の中で、市民の意見を反映しながら庁舎建設の検討と条件整備を進め、建設事業に取り組むこととしております。このため、計画的な庁舎建設基金の積み立てや庁舎建設検討委員会の設置など条件整備に努めることとしております。庁舎建設につきましては、これまでも申し上げてきましたが、今世紀末までに目安をつけ、また何よりも財源的な裏打ちが必要であるためまことに厳しい状況でありますが、この三月補正の中で基金利子等も含め一億二百十八万八千円を庁舎建設基金に積み立てすることにいたしました。単年度で一億円を積み立てるのは今回が初めてでありますが、これにより基金総額は二億二百七十九万三千円となります。今後、学校改築や大規模改造、上下水道整備、道路整備や福祉施設の整備、火葬場、し尿処理施設、スポーツ施設等の整備がメジロ押しの中での基金積み立てになりますが、最大限の努力をしてまいりたいと存じます。でき得れば、第四次能代市総合計画の期間内である西暦二〇〇五年の市制施行六十五周年までには、着手できるよう条件を整えてまいりたいと考えておりますが、庁舎建設には補助制度がなく、また他都市の例を見ても起債の充当率は事業費ベースで約三〇%程度しか見込むことはできず、したがって建設までには
自己資金として事業費の約半分ぐらいは確保する必要があります。庁舎建設は、市民の利便性や市民サービスの向上、行政の効率的運営、職員の執務環境の改善、能代の活性化、まちづくりの面からも重要な施策の一つとして考えておりますので、今後、予算編成において今年度以上の積み立てができるように努力してまいりたいと思います。大変力強い応援のお話をいただきまして、心から感謝いたしております。以上であります。
○議長(山木雄三君) 十四番中田 満君。
◆十四番(中田満君) まず市民要望が多いということに関して、一月一日の北羽新報の市民アンケートを見ると、体育館はもう要らないという声が随分たくさんありました。もういいから別のものに、高齢者福祉施設とかそういうものに、というアンケートの結果が出ています。それから、新たな総合計画策定ということで市でとったアンケートの中にも、上位に大学、高等教育機関とか老人福祉施設などがあり、確かに土床体育館というのが十九番目にはランクされておりますけれども、どうも市長の話を聞いているとこの辺に、何か納得できない部分がある。それともう一つは、私も審議会の委員に入りまして基本構想をずうっともんできて、十二月議会で委員会の中でも委員長報告を見ますと、「基本構想をまとめるに当たって市長の基本的な考え方について触れられ、市長からは、基本構想は二十一世紀に向けたまちづくりの指針として、港と木については地域固有の資源や現在能代が置かれている状況を考えた場合、地域をリードするものとして重点的に組み入れる」とあります。今回の目玉というのは、まあ、私自身は港と木じゃなくて、農業が基幹産業だと思っているんだけども、市民が選んだ市長が「木材だ、木都だ」と言うのだったら、じゃあ私はそれについていこうと、そのことで議論しようと思った途端にこういう形になる。それもこれから地方分権に当たって、今回のシーサイドスポーツリゾート拠点、ニューライフ交流・行政拠点ということについて、これも当然地方分権のところから入ってきて、それで地方自治の確立というか自立を考えたときに最も障害となるのは、先ほど一番さんの質問の中にもあった依存型体質ということであります。そういう意味では、それは確かに通産省から大変ありがたい話がきたと思いますけれども、やっぱり自分のきちっとした当初の考え方をそう簡単にころっと変えないでやってもらいたいと思うのです。その辺をもう一度お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(山木雄三君) 市長。