犬山市議会 > 2006-06-13 >
平成18年 6月定例会(第4日 6月13日)

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  1. 犬山市議会 2006-06-13
    平成18年 6月定例会(第4日 6月13日)


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    最終取得日: 2021-07-27
    平成18年 6月定例会(第4日 6月13日)   平成18年 6月定例会  平成18年6月               定 例 犬 山 市 議 会 会 議 録                              第4号 6月13日(火曜日) ────────────────────────────────────────── 〇議事日程 第4号 平成18年6月13日午前10時開議   第1 一般質問            ******************** 〇本日の会議に付した案件   日程第1 一般質問            ********************出席議員(24名)    1番  宮 島   一 君       13番  川 村 佳代子 君    2番  高 間 信 雄 君       14番  大 島 金 次 君
       3番  山 本   誠 君       15番  原   欣 伸 君    4番  住 野 龍之介 君       16番  ビアンキ アンソニー 君    5番  水 野 正 光 君       17番  小 池 昭 夫 君    6番  東 海 孝 年 君       18番  大 脇 伸 孔 君    7番  上 村 良 一 君       19番  岡     覚 君    8番  三 浦 知 里 君       20番  山 下 一 枝 君    9番  稲 垣 民 夫 君       22番  福 冨   勉 君    10番  宮 地 繁 誠 君       23番  熊 澤 宏 信 君    11番  松 浦 英 幸 君       24番  本 多 克 郎 君    12番  山 田 拓 郎 君       25番  堀 江 正 栄 君            ******************** 〇欠席議員(1名)    21番  前 田 幸 雄 君            ******************** 〇職務のため出席した事務局職員の職・氏名  事務局長    長谷川   勲 君      次長      高 木 秀 仁 君  次長補佐    後 藤   裕 君      統括主査    中 田 妙 子 君            ******************** 〇説明のため出席した者の職・氏名  市長      石 田 芳 弘 君      助役      渡 邊 昭 美 君  教育長     瀬見井   久 君      市長公室長   山 澄 俊 明 君  総務部長    服 部 良 弘 君      民生部長    小 川 正 美 君  環境部長    大 澤 繁 昌 君      都市整備部長  金 武 幹 男 君  産業経済部長  番 家 敏 夫 君      学校教育部長  長谷川 隆 司 君  生涯学習部長  鈴 木 勝 彦 君      水道部長    牧 野 一 夫 君  消防長     松 田 一 雄 君      秘書広報課長  宮 島 敏 明 君  企画調整課長  酒 井 美 彦 君      総務課長    大 鹿 俊 雄 君  環境課長    小 川 正 博 君      都市計画課長  奥 村 照 行 君  農林商工課長  鈴 木 英 明 君      観光交流課長  中 田 哲 夫 君  庶務課長    小 島 豊 光 君      指導課長    滝     誠 君            ********************                  午前10時03分 開議 ○議長(大脇伸孔君) ただいまの出席議員は、24名でございます。  通告による欠席、21番 前田幸雄議員。  定足数に達しておりますので、直ちに本日の会議を開きます。  議事日程に従いまして、会議を進めます。            ******************** △日程第1 一般質問 ○議長(大脇伸孔君) 日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。  9番 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) おはようございます。9番 稲垣民夫でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告によりまして、3件の一般質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。  最初に、道の駅計画についてお尋ねをいたします。  さきの3月議会で、一心会の松浦議員の方から、城下町再生計画の中で、外縁部については、まちづくり三法の見直しが行われるので、当初計画の実現は非常に難しい状況であると、これからは道の駅のようなものを目指したいとの答弁がありました。  私は、国道41号線沿いに休憩施設地域振興施設を併設した道の駅をぜひ建設したいと思います。現在愛知県下には10カ所の道の駅があり、一番新しく建設されましたのが昨年、愛西市、もとの立田町でございますけれども、に10月にオープンした立田ふれあいの里があります。ここは、県道佐屋多度線沿いにあり、木曽三川公園に近く、先日見学してまいりましたが、大変にぎわっておりました。地域の振興施設には、立田村の特産品であるレンコンをベースにして、レンコンうどんレンコンかば焼きレンコンそば等があり、隣にある地場産の野菜売り場も大変活気がありました。  道の駅は休憩施設国土交通省が、地域振興施設を市町村または公的な団体が設置者になるとのことですが、お尋ねいたします。  1点目、現在の市の取り組んでみえる状況と、道の駅建設に対する当局の認識はどのようなものか。  2点目に、今後の進め方についてお示しください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  金武都市整備部長。   〔都市整備部長 金武君登壇〕 ○都市整備部長金武幹男君) おはようございます。道の駅計画につきましてご答弁をさせていただきます。  まず、道の駅に対する認識と状況ということでございます。先ほどのご質問にございましたように、地域再生計画における外縁部構想でございます。これは3月議会で松浦議員のご質問にもお答えをいたしましたとおり、現在、道の駅を核とした地域の活性化に方針を転換いたしまして、検討を進めるということになったものでございます。  これは、まちづくり三法の改正によりまして、外縁部における従来の考え方を整理をし直したということでございます。中心市街地の活性化、市の全体の活性化という地域再生の目標は従来と変わっておりません。しかし、当初の計画での大型商業開発から周辺の田園風景と調和した道の駅を核としながら、城下町を初めとする市内各地への誘導拠点、そして地元農産物の販売拠点の整備や地域の振興を図るために、方針を大きく転換をしていくということでございます。  通常、道の駅といいますと、ドライバーに休憩場所や道路情報を提供するということで、安全性を確保するために、道路管理者が整備する道路利用施設と、自治体が整備をいたします地域振興施設、大体この二つの施設で構成をされております。これが一体的な整備計画を作成いたしまして、整備が進められるということが現状でございます。状況でございますけど、ご案内のとおり、国道41号線は、1日当たり3万5,000台ぐらいの車が通過いたしております。この道路は名古屋都市圏と、特に富山を結びます日本の交通の大動脈でありまして、ここに観光案内情報、そして地域情報などの提供施設や地元の農産物の販売施設などを整備いたしまして、市内の国道41号線のポテンシャルを高めるため、犬山市内への誘導拠点としての活用を位置づけしていきたいと考えております。  この道の駅で、先ほど言いましたような地域振興施設の中で、犬山市の紹介を行うということもあります。一例といたしまして、城下町の映像などをその施設で紹介することによりまして、中には本物の城下町をぜひ自分の目で見たいという観光客が、当然お見えになると思います。そんな方の誘導をするというような拠点となるような施設の計画を考えているというところでございます。  また、それと併設いたしまして、地元農産物販売施設を設けまして、食の安全性への関心が高まる中で、生産者の顔が見える農産物へのニーズに対応するということが可能となるということと同時に地産地消の推進がされるということで、農家の生産意欲の向上、農地の利活用の促進ということで、ひいて言えば農業振興につながっていくことと考えております。  また、昨年秋に行いました地域再生計画における橋爪・五郎丸地区周辺の新しいまちづくり、これが一番もとになっておりますけど、このアンケート調査を行いました、その調査におきましても、アンケートをお願いしました方の半数以上の方から、ぜひとも道の駅などのような農産物の販売施設が必要な施設として挙げられておりまして、まさに市民ニーズにマッチしたものだというふうに考えております。  現在の状況は、担当レベルではございますけど、国道41号線の交通量や他の地区での道の駅の事例等を参考にしながら位置や規模、そして施設配置、概算事業費などのたたき台をつくっているということでございます。  それと、今後の取り組みでございます。  これにつきましては、今考えておりますのは、大きく二つのポイントがあるというふうに考えております。まず、一つ目は、これは国道41号線でございますので、道路管理者は国であるということで、国の直轄事業として認めていただきたいということでございます。  国の直轄事業で採択をされることになりますと、駐車場とか、トイレ、そして休憩所などの道の駅の道路利用施設部分の事業費につきましては、国が負担をしていただけるということになります。時間、費用の両面で、効率的な施設整備が可能となるということでございます。  あと、二つ目のポイントにつきましては、施設の運営主体をどうするかということでございます。特に、先ほど申し上げましたように、農産物の販売につきましては、質・量の両面で安定供給が必要になってまいります。ですから、農業関係者の皆さんと広範な検討を行いまして、協議を行う場が必要になってくるというふうに考えております。  今、二つのポイントを申し上げましたけど、まだまだこのほかに計画を進めていく中で、例えば用地の確保をどうするのかということとか、全体の、皆さんの意見をどう集約していくのかということ等の多くの課題がございます。そうした課題を一つ一つクリアをするためにも、先ほどお答えしましたような、たたき台をもとに、早い時期に関係機関との協議を進めまして、まず第一の国への要望を行っていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) ご質問の国道41号線沿いの五郎丸地区をどういうふうに考えていくかということについては、ここ10年来、本当に我々は一体となって、次から次、手をかえ品をかえ、計画を立ててきたところです。私から言わせると、地方分権と言っても全くあそこは中央集権の国の規制の極めて強いところでございまして、地方の声が全く生かせない、そういう厚い壁にぶち当たったところです。本当にこれは我々行政挙げて、次から次へと、実は努力してきました。そこの中で、ようやく可能な方法に到達したかなというのが道の駅です。  私は、昨日来、子育てで幼保一体化の議論がありましたけれども、あれも子育てを厚生労働省文部科学省のはざまで犬山独自の方法を模索したわけですが、この道の駅も国土交通省農業水産省の国の極めて強い行政のはざまで、何とか着地点を見出し得るかなというところに来たというふうに思っています。  地域の声を生かしながら、犬山独自の手法として、この道の駅は大事にこれから育てていきたいと、これを突破口に、大体あの五郎丸の最もいい田園地帯に、国道41号線というのは犬山の道路ではなくって、中部圏の大動脈ですからね、その大動脈によって五郎丸の土地が一変させられたんです。そこの中でやっぱり生き方を考えていかなきゃいけませんので、これは可能な方法として、繰り返しますが、慎重にかつ確実に物にしていきたいというふうに考えています。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) 慎重にかつ確実にという市長の答弁でございましたけども、この地域では、1度、2度、挫折しておりますので、今度、3度目の正直と申しますか、何とか実現に向けて努力していただきたいと思いますけれども、今、部長の答弁にもありましたように、国の方でやっていくことと、地域の方で取りまとめをしていかなければならないということがございますので、その辺のところ、協議会の設置等も考えているということでしたけれども、そういうところは積極的に進めていっていただきたいと思います。  それで、再質問でございますけれども、一応、こういう事業を計画するからには、ある程度の建設年月の目標がないと、なかなか前へ進みにくいと思います。建設目標、予定のようなものがございましたらお示しください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  金武都市整備部長。   〔都市整備部長 金武君登壇〕 ○都市整備部長金武幹男君) 再質問にお答えをいたします。  目標というご質問でございます。先ほど申し上げましたように、用地の問題、そして国との折衝、農林水産省との関係も、非常に大きな問題を抱えているということはもちろんでございました。  それで、今回の道の駅につきましては、地域再生計画ということで、一応、国から認定をいただいております。これの認定期間が平成21年度までに形をつけなさいというような認定の内容でございます。そういうことで、これから庁内、そして市内のいろんな皆さんと協議をしていきますけど、大体平成21年度を一つのめどとして考えておりまして、非常にこれからいろいろ協議を進める中で、我々も相当プレッシャーかかっておりますけど、あえてみずからプレッシャーをかけまして、この時期を一つのめどというふうに考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
    ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) ありがとうございました。平成21年をめどにということでございますけれども、道の駅は、全国非常にたくさんございます。いろいろ成功している例、また余りうまくいってない、お荷物になってるような施設もあるかと思いますので、その辺のところも十分吟味していただき、基本的機能を確保し、さらに発展的機能をも促進した道の駅建設に向けて努力していただきたいと思います。  次の質問に移らせていただきます。  2点目に炭と微生物による環境浄化についてでございます。  1点目に松枯れ対策についてお尋ねいたします。現在、日本各地で松などの樹木が枯れる被害が報じられております。犬山市内の森も例外でもはなく、広葉樹も弱ってきているとのことです。  この原因についてはいろいろな説がありますが、その中でも大気汚染等による酸性雨が樹木枯れの大きな原因の一つであるとも言われております。酸性雨が降ると土壌中のアルミニウムや鉄を溶かし、樹木の生育に必要なリン酸と結合するために樹木の成長が妨害されるのです。  また、酸性となった土壌中では樹木に栄養を送る微生物が殺され、栄養が樹木に行き届かなくなるため枯れてしまうものです。この対策の一つとして森林に炭をまくことが有効であると各地で実証され始めております。森林にまかれた炭が土壌を中性化し、アルミニウムや鉄の溶け出しを抑制し、これにより微生物が復活するための樹木が元気になるということです。  先月29日、愛知県豊田勤労会館において「炭焼きは地球を救う」というタイトルで、炭と微生物に関する国際シンポジウムが開催されました。講演者の一人、元東邦大学教授大森先生が大気汚染による樹木の立ち枯れと気候の変化というテーマで講演されました。項目のみ申し上げますと、1、今、世界じゅうの樹木が枯れている。2、樹木はなぜ立ち枯れる。3、温暖化と樹木の役割。4、温暖化による大雪、大雨、台風。5、立ち枯れを救うには。と題して、炭の効用を話されました。また、炭の効果が多く発表される中、森林の間伐材の利用開発が必要であるとの考えから、間伐材の炭化作用に取り組んでこられた愛媛大学大学院の鶴見先生から1回の炭焼きでより大量に炭化することができ、しかも炭材や木炭の出し入れが容易な、天井の開閉式大型炭化釜の開発に成功したこと。そして、できた木竹炭の使用例として、例えば、道路植樹帯へ敷設することにより、雑草等の繁殖の抑制、乾季における土壌の乾燥防止、自動車等の排気ガスによって生じる酸性雨を中性化することによる植栽木の保護、また地中に浸透する雨水の浄化による地下水や海水の水質の改善、CO2の永久固定による地球温暖化防止へも貢献することが確認されました。  また、竹炭の河川への敷設実験も行っているとの発表がありました。  豊かな里山を保全するのは、私ども犬山市民の共通の願いであると思います。  そこでお尋ねいたします。  1点目に、今日までの松枯れ被害の状況と対策はどのようになされたか。  2点目に、炭焼きによる樹木の再生についてどのような認識を持ってみえるのか。  3点目、今後の対策についてお示しください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  番家産業経済部長。   〔産業経済部長 番家君登壇〕 ○産業経済部長(番家敏夫君) まず、松枯れ対策についてのご質問にお答えいたします。  松枯れ対策としましては、第2次松くい虫の被害対策事業推進計画、これに基づいて市内の森林で実施しております。補助事業には、予防と駆除の二本立てがございます。平成17年度に実施しました松くい虫防除事業のうち、予防では、地上からの動力噴霧器による薬剤を健康な松に直接地上散布で実施しております。主な場所としましては、尾張パークウェイ周辺清水インター地区の山林でございます。面積は7ヘクタールを実施しております。  次に、駆除としまして、被害木を切り倒しまして、細かく砕きまして、チップにして、木の中にいるカミキリムシの幼虫とザイセンチュウの駆除を実施しております。場所につきましては、富岡の片洞地内でございます。  市の単独事業としましては、緑ヶ丘住宅とか、ひばりヶ丘公園、それから小野洞砂防公園で行っておりまして、議員ご指摘のとおり、炭による土壌の中性化、そして松の再生以外に、樹木について考えられるところであります。炭は有効性はあるということは証明されておりますもんですから、それを使っていく方向性はございます。  いずれにしましても、松を守るには、松林の下刈りですとか、これは風通しをよくするということとか、清掃などによる日ごろからできる松林の健康管理、これが一番大切なことであります。  今後の対策としましては、地域住民、そしてエコアップリーダーとか、いろいろ組織も育っておりますもんですから、そのような方々と、それから森林管理者、行政が一緒になって松を守る、そして里山を守っていくということでございます。  それが犬山の環境を守ることにつながりますし、今後とも松の松林の保全に努めてまいる所存でございます。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) ありがとうございました。  炭の効用について、立命館大学の久保先生が発表されておりますけれども、炭1グラムで畳200畳分の表面積があると、それだけ炭の中には気泡があって、そこの中へ微生物が溶け込めるということですね。炭1グラムで200畳と、そういうことでございます。  それで、久保先生が実験をされたデータがございますので、ご報告しますと、土壌中に5%の炭をまぜると、土壌中の微生物が3倍に増殖したと。また、植物の影響に関しましては、やはり土壌に5%炭をまぜたところへコマツナを植栽しますと、重量が1.8倍になる。クロロフィルムと、これ葉のクロロフィルムと書いてありますけれども、それも1.4倍になった。一番大きい違いは、コマツナの根が10倍になったと。植物は根が発達すれば、当然葉自体も成長すると思いますけれども、根が10倍になったというような発表を聞いて、私も驚きましたけれども、このような環境に炭と微生物は非常に有意義なものだと思っております。今度の6月23日にオープンいたします里山学センターにおいても、炭焼きをされるということでございますけれども、この1台で、どれだけの炭が市民の皆さんに供給できるかわかりませんけれども、積極的にこういうものを多く供給して、里山のみならず、河川、また農地等にもまけるような体制を望みまして、次の河川の浄化についてご質問いたします。  川は人々の命を支え、生活を支え、時には人々の心に潤いを与えてくれます。昔から川と人々の生活には、密接な関係があります。私は、炭と微生物の活用で、下水道が整備されていない地域から流れ込む排水路を初め、多くのため池、河川を浄化していきたいとの思いから質問いたします。  私の住んでいる地区では、毎年5月の終わりにどぶざらえと言って、区内の皆さん総出で排水路の掃除をいたします。  私たちは農家ですので、入鹿用水の掃除をしますが、このときの様子を申し上げますと、用水には、生活排水が入り、ヘドロと臭気は大変なものです。また、すぐ隣を流れる新郷瀬川は、以前と比べ若干水質がよくなりましたが、まだまだ清流というイメージからはほど遠いものです。  昨年からボランティアでこの新郷瀬川にイロゴイの放流を始めましたので、川の堤防を散歩しながら、いろいろな魚がより鮮明に見えるような川にするためにも、さらに水質をよくしたいと考えております。  先ほど申しました環境シンポジウムで、「矢作川水系並びに三河湾における市民の手による水質浄化活動の成果」と題して、岡崎市立福岡中学校篠原正樹先生からの映像による発表がありました。この内容は、EM菌入り活性液を使い、矢作川の主流である早川を浄化する取り組みでした。  早川への流入口近くで、毎週1トンのEM菌入り活性液を1年間流し続けたところ、今まで余り魚の見られなかったこの早川に、たくさんの魚が見られるようになったばかりでなく、たまっていたヘドロもなくなったという報告でした。  中学校の生徒による環境学習も兼ねているとのことでした。  ほかにも竹炭と有用微生物を河川に投入することにより、魚群多数復活、カルガモ、ミズトリ、カワセミ等も飛来、悪臭なくなる等、顕著な効果があらわれていること、また、炭と微生物を河川に投入することにより、浄化にすばらしい効果が出ている報告がなされました。  市内においても、現在、EM菌を活用して活動してみえる方々がおられますが、より大きな展開ができないかと考えます。  犬山市においては、有用微生物と炭による河川浄化について、どのような認識をお持ちなのかお示しください。  また、今後の河川浄化対策をお示しください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  大澤環境部長。   〔環境部長 大澤君登壇〕 ○環境部長(大澤繁昌君) 河川浄化についてお答えをいたします。  市の方では毎年2回市内の42カ所のところで河川の水質検査をしております。その結果では、魚のすめないような川は何とか、今のところないであろうと、こういった良好な結果となっております。  河川浄化に炭が効果あるということは、今いろいろご指摘があったとおりでございまして、試行的ですが、最終処分場の水の浄化にもどうだろうということで、今入れているというようなことでございます。  また、富岡地区では、10年ほど前に、市民の方が炭焼きを実践し、炭や木酢を利用して、郷瀬川浄化活動をされたことがございましたが、残念ながら、資材の入手、あるいは人手が要るというようなことで中止されておりましたが、このたび、里山学センターが完成しまして、その富岡で使っておられた機械を無償で借り受けることができましたので、当面、この炭を活用しての河川浄化には何とか努めていきたいなと思っております。  それから、新郷瀬川では、ひまわりの会、こういった市民団体がEMボカシを利用した浄化活動をされています。この団体は、平成12年にできて、今まで地道に活動していただいておりますが、ちょっとお話を聞きました。13年からEM菌のだんごを新郷瀬川へ流してると、15年からEM菌の発酵液を1トン、年2回、春と秋に流していると。効果としても、どろどろしていて見えなかった川底が見えるようになったということです。また、臭かった水がにおわなくなったと。生活排水の流入が原因と思われるけれども、これはもう続けていかなければ効果がないと、そんなご報告を受けております。  私どもとしても、大変結構な事業展開をしていただいておるわけでございます。こういった市民団体を側面的から支援をしていく必要があるんではないかと、こんなふうに思っております。  それから、今後の河川の浄化対策ということでございますが、広い意味でいえば、やはり土木工法による河川浄化の方法もございましょうし、また下水道、合併浄化槽の整備促進を促す、こういったことも重要なことと思います。しかし、身近なところからということで、ご指摘のあるようなEM菌や水生植物、ヨシですね、こういったものの水質浄化は各地で成果を上げてるというようなこともかんがみまして、これらの普及・啓発に積極的に取り組みたいと、かように考えます。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) 部長の方から積極的に取り組みたいというご答弁をいただきました。積極的に取り組む手法の一つとして提案いたします。  それは、EMの活性液の装置を買うことです。そんなに高くありません。40万円ほどで買えるそうでございますけども、これを現実に多くの市町でやっております。近くでは、南知多町。南知多町が平成14年から町でそのEMの活性液をつくる装置を購入いたしまして、それを授産所ですかね、そこで管理をしていただくという形で行っております。平成15年には2台目を購入いたし、平成17年、昨年度、3台目を購入いたしました。平成15年と平成17年に買ったのは、地元のNPOのふるさと創生という団体に管理を委託しておりまして、授産施設で1台、NPOのふるさと創生さんの方で2台、現在2万人ちょっと南知多町で3台購入して、水辺の環境浄化に努めているという、そういう状況でございます。  それで、1台の活性液、原液が1リットルとしますと、1次活性液、2次活性液にしますと1万倍になります。1リットルで10トンですかね、それだけの量に培養できるもんですから、ぜひともこの装置を市の方で購入し、ボランティア団体または犬山にもボカシなどで非常にすばらしいボカシをつくってみえるスマイルさん等、そういう事業所がございますので、そういうところで管理をしていただければ、犬山の河川浄化はもう一気に1年で、もう見違えるほど改良されると思いますけれども、まず私はEMの活性培養装置を、積極的に取り組むんだったら、取り組んでいただきたいと思いますけれども、その辺の見解について質問いたします。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  大澤環境部長。   〔環境部長 大澤君登壇〕 ○環境部長(大澤繁昌君) お答えいたします。  やはり、市民の皆さんからの盛り上がりが大事だと思っております。最初から貸し与えとか、買って用意したから使えよというよりも、むしろ先ほど申しましたひまわりの会とか、それぞれの市民団体の皆さん、それから里山学センターできましたので、ここを利用していただく皆さんにご意見を聞き、また、やってやるというようなお話が出てまいりましたら、真剣にその辺考えてみたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) 部長、ちょっと犬山市内やないので、ちょっと情報がなかなか入りにくいかと思いますけども、やってやろうという気が、東部地区を中心に、ずっと今盛り上がりつつありますので、その辺の情報収集の方もよろしくお願いいたします。  次に、有機農業についてお尋ねいたします。  食に対する安全性が、ますます強く求められる中、減農薬、減肥料の流れは年々大きくなっております。農薬、化学肥料にかわるものとして、炭入り完熟堆肥や有用微生物の活用が今後大切になってくると考えられます。私たちは、会派の視察でことし3月に福島県二本松市の岳温泉と国分農場に行きました。ここでは、温泉街の旅館・ホテルから排出される生ごみと近くの国分農場から排出される牛ふんの混合物に少量の炭を添加し、同農場にある堆肥製造装置により、優良な堆肥を生産しております。この内容を報告しますと、微生物にとって牛ふんは栄養分が少ないが、生ごみはえさとなり、発酵を助けるため、生ごみと牛ふんを混合することが短時間で発酵熱を上げるために重要である。できた堆肥は近隣の有機栽培農家により採用され、そこで生産された有機野菜は、生ごみの排出もとの旅館・ホテルで購入され、宿泊客に提供され、喜ばれているというものです。  このように岳温泉では、資源循環型の環境リサイクルのモデルが成立しております。福島県岳温泉で資源リサイクルが成立している原因は、市民が生ごみを資源と考え、資源リサイクルを企画し、実現しようと努力されているからです。また、このような資源リサイクルに参加する全員のメンバーにとって、それぞれに利益のあるものでなくては長続きしません。私は、議員になった年の平成11年12月議会で、最初に生ごみの堆肥化と剪定枝のチップ化を質問いたしましたが、既にその後7年余りを経て、バイオマス資源の循環型環境リサイクルが実現できないか質問します。  1点目に、市内における生ごみの完熟堆肥化への取り組みについてお示しください。  また、日本における有機農業の現状を見ますと、有機農産物のシェアは平成15年度実績で野菜0.17%、果樹0.06%、米0.14%、麦0.07%、大豆0.37%、緑茶1.62%、その他農産物1.72%、合計では0.1%となっております。まだまだ低い数字だと思います。有機農業は農業の自然循環機能を維持・増進する農法であって、これまでの環境負荷を強め、食の安全を危うくしてきた近代農業を見直し、これにかわる豊かな農村環境を取り戻す中核的農業であると言われております。資源循環型有機農業、有機稲作への転換には、機器の導入や認証経費とともに、一定のリスクも伴うので、環境支払いによる支援が必要不可欠だと思います。犬山市においては、食の安全、消費者の健康に寄与する減農薬、減化学肥料を進める有機農業を推進する考えはないのかお尋ねいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  大澤環境部長。   〔環境部長 大澤君登壇〕
    環境部長(大澤繁昌君) お答えいたします。  議員のご質問、有機農業推進あるいは農業振興推進の立場からのご質問かと思いますが、バイオマス資源の循環型環境リサイクルという言葉も出ておりますので、環境サイドからということでお答えさせていただきますが、現在、焼却処分しているごみの30%から40%が生ごみでございます。この生ごみの堆肥化につきましては、以前からこの議会でもいろいろ取り上げておられます。大変重要な事案と認識はいたしております。循環型社会形成のためには、生ごみを堆肥化し、有機農業で活用していける、ご指摘のとおり大変結構なことだろうとは思いますが、昨年の7月にいただきました環境審議会の答申では、近隣の生ごみ処理の視察を行った結果、具体的施策については、堆肥化の機械の設置場所や運搬、費用の面で検討を要することから、現段階ではちょっと難しいんではないかなと、こういった結論づけがあります。また、愛知県が立ち上げておりますごみゼロ社会推進あいち県民会議というのがございまして、その生ごみ再資源化部会というのがございます。ここが昨年の9月、県下の74市町村を対象に、この生ごみ再生利用の取り組みについて調べておりまして、この報告を紹介したいと思いますが、まとめのところで市町村の多くは生ごみの再生利用事業の必要性は感じているが、現在、生ごみの再生利用事業を実施しているのは、11市町村、1組合と少なく、実施しているところによっても、一部世帯、事業所に限定し、実施している状況であると、こう言っております。  また、堆肥化を進めていく場合の課題といたしまして、もちろん環境審議会からのご指摘もあるわけですが、一つに、事業コストの増加。2に、堆肥の活用先の確保。3に、堆肥の品質の確保。4に、生ごみの分別の徹底です。それから、5に、生ごみの収集方法。6に、悪臭対策。7に、処理施設の設置場所の確保などが挙げられると、こう言っておりますが、特に、このうちで事業コストの増加を挙げておりまして、経費面で見ますと、この調べの中での市町村ですね、ここの1トン当たりの必要経費は、やっぱりばらつきはあるんですね、5万円から46万円と、非常にばらつきがありますが、平均として13万円ということを言っておりまして、一方、ごみ処理経費ですね、一般ごみ処理経費というのは、1トン当たり、県下の平均では3万4,000円だと、こういうふうなことを見ますと、かなりの割高であるんではないかと。  さらに、これを犬山市に置きかえてみる必要もあると思いまして、試算してみました。犬山市では300世帯のモデル地区を想定しまして、生ごみの回収率を40%ぐらいではないかと、こう見てみますと、17トンから20トンの処理をすることになろうと。1トン当たり、犬山市でこれ試算しますと、20万円ぐらいかかります。20万円を超える数字が出てきます。ごみ処理経費については、県下と同じように、3万四、五千円ということでございますから、こういったとこから見ましても、やはり六、七倍の経費がかかると、したがいまして、バイオマス資源の循環型環境リサイクルというのは、実現は非常に必要なことだとは思うものの、課題が多過ぎるのではないかなと。お金をかけてもやらなければならないというものはあろうと思いますが、いま一度、総合的に研究・検討してみる必要があるんではないか。私どもとしては、まず、身近なことからということで、堆肥化の容器とか、ボカシ容器、生ごみの処理機器の購入について補助をしながら、少しでも減量に努めたい、かように今思っているのが現状でございます。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 番家産業経済部長。   〔産業経済部長 番家君登壇〕 ○産業経済部長(番家敏夫君) 有機農業の部分でございますが、食品として安全性が高くおいしいということで需要も高いですから、今後、普及・啓発活動に努めてまいります。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) 大澤部長の方から、生ごみの堆肥化は、集団でやるのは大変現在難しいよというようなことでございましたけども、やはり私もなかなか難しい、コストがかかって大変だとは思っております。やはり、最終的には自分とこで出た生ごみは自分とこで処理する、先ほど申しましたように、犬山では、ボカシの、ボカシでも何かピンからキリまであるそうですけれども、非常に良質なボカシを生産される施設がありますので、そういうところから供給していただいて、マンションに住んでる人までとはなかなか申し上げにくいんですけれども、せめて一軒家で、土地がそこそこある家に住んでみえる方には、十分、このボカシによる家庭内処理が実現可能だと思っております。そういう私も、このEMに関しましては、今まで全く無知でございまして、発酵の部分は、EMは嫌気性の発酵でございまして、空気を遮断して発酵させますけども、私はどちらかといいますと、今まで好気性の発酵に目が向いておりましたけれども、今回、この質問をするに当たりまして、嫌気性微生物、要するにEMを中心とした微生物での発酵いうのも、非常に有効であるということを確認いたしまして、先週の月曜日から密閉容器を三つ買ってきまして、生ごみを、今、自分の家庭でも取り組み始めたような、そういう状況でございますけれども、私は、生ごみを処理するためには、まず身近なところから、ひいては市の職員さんは全員それに参加するという、そういうところから始めないと、こういうものは市民の人全体に広がらないと思っておりますけれども、私は、まず市の職員さんから始めていただきたいと、このように思ってますけども、その辺について、部長の見解をお示しください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  大澤環境部長。   〔環境部長 大澤君登壇〕 ○環境部長(大澤繁昌君) お答えいたします。  職員が率先してやる、これは当然のことみたいな気がします。先ほども申し上げましたように、堆肥化については、よく検討していくということですが、まず身近なことからということで、申し上げましたように、コンポスターとか、ボカシ容器、さらには、今生ごみ処理機の納入の経費に一定の補助をしているというようなことでございまして、それらを積極的に、もっとやっていかないといかんなと思います。特に、平成18年度から生ごみを消滅させてしまう処理機がございまして、6月1日にモニターを募集するというようなことで、今やっておりまして、この実証実験は職員がやっておりまして非常に効果があるということで、今回これを始めていこうと、こういうことにしております。  いろいろな形で挑戦してみたいと思っておりますが、職員については、また私サイド、また市長サイドからも徹底が図れるように、また促していきたいと、かように思います。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) 私は、今回、3件の質問をさせていただく予定でしたけれども、ちょっと時間がなくなりましたので、3点目は次回に先送りさせていただきます。  それで、今回、炭と微生物に関しましては、非常に私自身、積極的に今後進めていきたいと思っております。それで、例えば南知多町の取り組み、岡崎市の中学校の取り組み、そういう実際に実践してみえるところの皆さんに来ていただいて、一度、講演会なり、セミナーなり、環境部の方で開催していただけないかと思いますけれども、その辺の予定、今後検討する意思はあるのかないか、部長の方からお願いします。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) 南知多町でEM、一生懸命やってること知ってます。町長と私親しいですからね。それから、可児市が日本で最も盛んです、EM菌の実践は。ただね、EM菌、ああいういいものというのはほかにもいっぱいありましてね、じゃあ、ほかの、例えばこの飲み物がいいから役所で使えとかね、そうなるともうむちゃくちゃになっちゃうんです。だから、私は行政が積極的にやるのは、ちょっと慎重にした方がいいのではないかなと思っています。  それから、私はEMやっておられる方をたくさん知っていまして、とてもすばらしい方がいます。まちづくりと一緒になってね。実は、私はもうずっと以前から、犬山市としてEMを行政として取り入れようと思って、ある学者に聞いたんですが、私はEMの創設者の琉球大学の比嘉教授にも会いました。奥さんにも会いましたしね、EM菌については本も数冊読みましたけれどね、学会で検証されてないんですよ、EM菌というのは、実は。ですからね、やっぱりまちづくりの運動として、そういうことをやっておられる方が一生懸命やられるということがいいのかなというふうな、今現在はそういう見解です。 ○議長(大脇伸孔君) 稲垣議員。 ○9番(稲垣民夫君) 市長は、あんまり行政が表へ立たない方がいいというような見解でしたけれども、私ども、これから地道な活動を積みまして、ぜひとも行政の方で応援したいという、そういうようなふうになるように、今後地道に活動していきたいと思います。  これをもって質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(大脇伸孔君) 9番 稲垣議員の質問は終わりました。  議員各位に申し上げます。16番 ビアンキ議員かから一般質問に関連する資料を配付したい旨、申し出がありましたので、これを許可いたしました。  議事の進行上、暫時休憩いたします。                  午前10時59分 休憩                   再     開                  午前11時00分 開議 ○議長(大脇伸孔君) 休憩前に引き続き、本会議を再開いたします。  一般質問を続行いたします。  16番 ビアンキ議員。 ○16番(ビアンキアンソニー君) 皆さんおはようございます。16番のビアンキです。3点一般質問をさせていただきたいと思います。  最初は費用効果の高い行政システム、パソコンリースについて聞かせていただきたいと思います。  これまでに何回も課題にしましたが、むだ遣いという言葉が適切かどうかわかりませんが、それよりも財源の最大、効果的、賢い使い方と言えばいいと思います。とにかく必要なものやサービスをできるだけ費用効果を高くすることは大事です。各所で現状をよくする余裕があると思っております。大変簡単なことですが、今よりも物やサービスを安く購入すれば、その差額、余るお金はニーズがあるところに回すことができます。財政の厳しい環境の中、それは特に大事です。市民は必要があると思う行事がお金がないため、できない、それを言われるのは嫌になりました。そして、我々は費用を削減することに最大限努力しないと、それを言う資格はありません。  パソコンのリースが高過ぎると思って、以前に質疑も何回もやったような気がする。思っているのは私だけではなく、平成17年度定期監査報告書に次のように掲載されていました。教育用、事務用、学校間ネットワークに多くのパソコン等機器が設置されているが、借上料、保守委託料、通信運搬費などに莫大な費用を要しており、積極的、効率的な運用を図られたい。以前に、企画課のしみんていで設置しているパソコン、デスクトップ1台、ノートパソコン1台とまちの駅で設置しているノートパソコン1台合わせて3台と、その周辺機器のリース契約は1年あたり60万円以上です。ほかにもっと経済的な購入方法があるという話をしました。市長公室長に次のような答弁をいただきました。「ご指摘のように、今後ちょうど平成18年7月に切れますので、ご指摘のことについては、よく検討・吟味する中で、どういう方法にするか考えてみたいと思っております。」それで、現状はどうなっていますか。とりあえず、ここまででいいですから、ご答弁ください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  山澄市長公室長。   〔市長公室長 山澄君登壇〕 ○市長公室長(山澄俊明君) 現在、しみんていには、今ご指摘がありましたように、各団体や市民の方にお使いいただけるように、デスクトップ型が1台とノート型が2台、合計3台のパソコンと、使い勝手がいいようなパワーポイントなどのアプリケーションソフト、さらには、周辺機器としまして、カラーイメージスキャナー1台と、それからカラーインクジェットプリンターが2台などが設置をされて、皆さんに活用がされております。  3月議会でもお答えをしていますように、現在の機器が7月31日をもちましてリース切れというふうになりますので、したがいまして、機器の入れかえに際しましては、情報管理課の方ともよく相談をし、使い勝手がよく、それからご指摘の点も踏まえまして、経済的な導入について検討をしていると、そういう状況でございます。 ○議長(大脇伸孔君) ビアンキ議員。 ○16番(ビアンキアンソニー君) ありがとうございました。3点の再質問をいたします。  とりあえず、今回の課題について当局から正しい情報をいただくのに、とても難しくて、いろいろな問題がありました。ずっと前から情報を依頼しましたのに、やっと正しい完全な情報を出してくれたのは、先週の金曜日でした。公務上、当局は正しい情報を出す義務がある。個人的に私は当局の対応に失望しました。信頼関係は大切だと思います。それが壊れてくれば、とても残念なことです。  さて、プリントを見てください。左側にしみんていからの希望です。別にNECにこだわらなくてもいいと思いますが、NECの機械を見本としています。その下に、今度の7月に切れるリースの総額です。その右側には、私の事務所が取った見積もりです。もちろん、当局の見本と同じ機種内容などになっています。今回終わる4年のリース契約の総額は、225万7,080円です。うちの事務所で取った見積もりは同じ4年リースの場合122万2,332円です。購入する場合、102万3,545円です。そして、参考のため、右の方にもう一つのメーカーの値段を掲載しました。その場合は80万円以下で同様の内容やサービスを購入できる。リースか購入か、どちらの場合でも、100万円以上の差があります。やはり、複数の業者やメーカーの見積もりを取った方がいいです。知っている限りで、当局は今まで一つのところにしか相談していない。  それで1点目、複数の業者や、メーカーの見積もりを取るつもりか、教えてください。もちろん、すべてうちで取った見積もり、金額は保守を含めています。機械の価値は割と把握しやすい、だから今回切れる225万7,080円のリースに含めている保守料が高いと思われます。  それで2点目、保守料についての考え方を教えてください。  そして最後に、今まで随意契約でやってきた、入札してもいいと考えられます。入札についてのご意見をお聞かせください。  以上3点、ご答弁ください。
    ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  山澄市長公室長。   〔市長公室長 山澄君登壇〕 ○市長公室長(山澄俊明君) 3点のご質問にお答えをしますが、答弁の都合上、順番がちょっと変わるかもしれませんが、まず、パソコンの導入の契約に当たりましては、契約規則に基づいた入札を行っていきたいというふうに考えております。  それに先立ちまして、入札の前に参考にするため、複数のリース会社あるいはメーカーから見積書を徴集していきたいというふうに思っております。  それから特に、パソコン機器等の保守点検委託料の内容ですが、どこまでサービスを要求するか、あるいは求めるかということによって、随分値段が違ってきますし、非常にわかりにくく不明確になっておりますので、こういうこともあわせて複数社から見積もりを徴集をしまして、その保守料についても比較検討していきたいと、そんなふうに考えております。 ○議長(大脇伸孔君) ビアンキ議員。 ○16番(ビアンキアンソニー君) ありがとうございました。やっぱりできるだけ、コンピューターの現在の状況をしっかり把握して、一番いい方法を選んでいただければありがたいと思います。とにかく9月議会までに結論が出ると思うから楽しみにしています。  次の質問に移りたいと思います。指定管理者制度、フロイデの現状について聞かせていただきたいと思います。  ことしの4月から犬山国際センター「フロイデ」で指定管理者制度が始まりました。指定管理者の国際交流推進計画が大分でき上がったはず。その計画について聞かせてください。そして、市民団体など今まで設備を利用した方々と管理者の間に、何に料金がかかるのか、かからないかについても誤解があったと耳にしました。  やはり、今まで活躍してくれた方々が嫌がらずに活動を気持ちよく継続できるように、十分配慮しなければならないと思います。  それから最後に、費用削減や利益を上げようとすることは当然ですが、それは建物の運営とサービス低下につながってはいけません。  そこで、今までに2カ月しかたっていませんが、目に見えた何か影響がありましたか教えてください。  これからの市民団体との関係や国際交流の推進と、建物の運営やサービスについて、これらの三つを含めて当局のご意見を教えてください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  番家産業経済部長。   〔産業経済部長 番家君登壇〕 ○産業経済部長(番家敏夫君) 指定管理者制度に係るご質問にお答えいたします。  まずビアンキ議員におかれましては、フロイデ設立当初よりフロイデ応援団としてご活躍いただいて、そのご協力によりまして10年が経過したということでありまして、本席をおかりしまして、お礼を申し上げます。  また、議員のフロイデに対する思い入れの深さにつきましては、管理者である行政にとっても大変ありがたいことだというふうに、冒頭、考えておりますことを披瀝いたします。  それでは、ご質問の3点にわたる分について、順次答弁申し上げます。  まず、国際交流計画についての部分ですが、指定管理者が今どのように編成されておるかということであります。  現在進行形ではありますが、アフリジャパン、アフリカ各国との学術等の交流団体があるわけですが、そこと指定管理者、アクティオが中心になって、今現在、計画が進んでおります。それで、アフリジャパンが主催するコンサートなどをフロイデで開催するという計画はございます。それが柱になって、年間計画でどのように展開していくかということで、現在、交渉中であります。  次に、設備の利用料金等で、すれ違いとか誤解があったのではないかということでございますが、何分、アクティオ等の指定管理者につきましては、私どもが要求したのは、犬山市内から新規に雇用を確保せよという部分をかなり強調をいたしました。それで、新規雇用者が4月1日から採用されたわけですから、そこが事務職等で、そこでやっておっていただいておりますが、やはりプロではなかったと、4月1日からはプロということになりますが、1カ月の訓練期間を経てということがございまして、手違い等あったことは事実であります。その部分につきましては、今後の糧として生かしていくようにという指示は出しております。  次に、2カ月が経過して、目に見えない影響があったかということでございますが、表面上は、まずございません。まず、今までも、言うならば契約に基づいて管理者として行っておっていただいたと、それは委託契約に基づいて行っておったと。これからは、協定で業者と行っていくという、そういう違いはありますが、業者は変わりましたけれども、業務内容については、基本的には変わっておりません。また、国際交流についても、2カ月が経過した時点でありますもんで、急速な進展はございませんが、当初のフロイデの掲げた理念、そして方向性等を踏み外さないようにということでは、きつく指示はしております。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) ビアンキ議員。 ○16番(ビアンキアンソニー君) ありがとうございました。確認を含めて5点の再質問をいたします。  誤解しないで。指定管理者制度になってから、劇的に交流が進展するべきと言っていません。しかし、今の答弁いただいても、今まで当局は管理者に事務的なことだけ期待していると、交流推進計画がなくてもいいという意見を持っているような気がした。それだけ一つ確認したいです。それ1点目です。  私が心配しているところ、アクティオは、ただ日常業務を委託されているわけないです。この会社はもうけようとしている。何回も言いましたが、もうけることはおかしくありません。だから、利益を得る方法を探していることは間違いありません。しかし、その方法はフロイデの設立趣旨に合わないといけません。交流や観光の行事を推進しながら、利益を得ればいいです。ある程度の計画がないなら、国際センターにふさわしくない行事をする危険性があります。国際会議などを犬山市へ引っ張れば、そしてそれが観光などにつながれば、それは大歓迎です。そうしながら、利益を得ればいいです。実は、指定管理者にそういう事業を見せてほしい。今まで、例年の行事で成功しているものに妨げにならずだけではなく、管理者が何か、もう先ほど一つ言ったんだけど、それ以上あれば、新しい試みとして、具体的なイベントなどを予定しているなら教えてください。それが2点目です。  市民団体やIIAなど、そうした団体の行事では、余りもうける余裕はないので、ちゃんと連携をとるには十分動機があるかどうかは心配です。IIA会長と話しましたが、まだアクティオから何も連絡、あいさつや情報などもないそうです。市民団体の活動が二の次にならないように、何を考えていますか。それが3点目です。  そして、ちょっと戻りますが、指定管理者は利益を得るために何でもいいわけない。プリントを見てください。写真がある方、左の上の写真は、フロイデのパンフレットからです。そちらは1階の北西のエリアです。その下の写真を見てください。そちらは、同じエリアの奥の角です。今、簡易パーテーションを立てて、マッサージというのをやっています。マッサージは商売として悪くないですが、犬山国際センターフロイデの趣旨に合わないです。そして、建築家黒川紀章氏に設計していただいた品のある建物に、この見た目はふさわしくありません。はっきり言ってやめた方がいいと思いますが、ご意見ください。それが4点目。  それで、最後に、建物の様子について、プリントで説明したいと思います。先ほど説明しました上の方にフロイデのパンフレットからの写真、その隣に今の様子、何か会社がつぶれた空き店舗みたいな状況になっています。その下の列は、例のマッサージ店、初めて見たときに、だれかの洗濯物が干してあると思った。その隣の写真は、上のパンフレットの写真の角度から撮った写真です。何とも言えないパネルをひいて、大きなTVスクリーンがあるんですよね、そのところがもう全然見えない。その下の列、観光のまち犬山の観光地図がそこみたいになっているから、もう見えない、いろんなものが置いてあるから。そして、その隣に、前回の議会で植物をリースするのはおかしいと言ったんだけど、全部取って、箱と土だけ置いておく、それもおかしいです。隣のは一番恥ずかしいかもしれないですが、この木は、韓国の総領事にいただいたものです。今の草ぼうぼうの中にある。総領事が来たらどうするの。恥ずかしいじゃないですか。その下の列、一番下の列は、グランズのそばの池と滝みたいなものがあったでしょ、今、水が全然ない。最後の二つは、ごみ置き場、このみっともない状況になっています。ほかに、駐車場の街灯がずっと切れたままとか、いろいろ聞いていますが、やはり何とかしないといけません。フロイデをこのままでやっていけば、だれも使う気にならんよ。建物の様子と運営についてのご意見を聞かせてください。それが5点目です。  以上、ご答弁ください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  番家産業経済部長。   〔産業経済部長 番家君登壇〕 ○産業経済部長(番家敏夫君) いろいろ、5点ご質問をいただきましたが、まず前提としまして、4月から2カ月が経過したということであります。そこの中で、まずアクティオの部分におきましては、まず運営費としての先渡し部分がございません。それで、大規模改修をやるには、行政の予算化の中でしかできないという、そういう前提もございます。  それで、もろもろの諸事業については、市民の皆さんとか、フロイデのご利用いただいておる皆様から、いろいろご指摘をいただいておりますが、今後、それぞれ細かい部分におきましても、当然、予算化が伴うわけですが、財政当局と協議をして、順次、整備を進めていきます。これが前提条件であります。指定管理者制度に移行した段階で、それで、具体的にいえば2,500万円という、そういう金額を提言して協定を結んだわけですが、その2,500万円のうちの一部分をフロイデの施設整備に充てていきたいと、これも維持管理費として、毎年やはり一定部分を確保していきたいというふうに考えております。  特に、プール等におきましては、塩素が結構きついもんですから、あそこの電気設備がすべて塩素によって侵食されまして、使えない状況ではないんですが、一部、やはり有料の貸し館でありますし、プールをご利用いただく皆さんに迷惑をかけてはいかんということで、そういう塩素の除去装置等の導入等も含めまして、今後考えていきたいというふうに思っております。  個別、具体事項につきましては、柱の部分だけお答えいたします。  まず、フロイデの内容を大別しますと、貸し館業務と、そしてフィットネス、そして市民の活動の拠点という3点がございます。それで、ビアンキ議員がご心配の市民の活動の拠点がないがしろになるのではないかという部分がございますが、これはIIAとか応援団とか、いろいろご活躍をいただいておりますが、その皆さんとの、団体との協議については、今後指定管理者と、そして行政と、それからご利用いただいております各種団体の皆さんと、当然、フロイデの運営協議会というのもございますから、そういう4者で一度定期的にでもですね、そういう会合を持つような、そういうことで今後皆さんの要望に合うような、フロイデの運営に努めてまいりたいと持っております。  市民活動が二の次にならないかというようなご指摘がございましたが、その部分においても、やはり運営については、これまでと何ら変わらず、また一層強化する方向性を見出していきたいというふうに考えております。  続いて、ごみ置き場とかいろいろございますが、当然、指定管理者に移行した段階で、かなり大量のごみは出ました。そして、そのごみについては、今は既に撤去されておりますが、経過措置ということでご理解いただきたいというふうに考えております。  それから、マッサージの関係ではありますが、1階部分、やはり暗いですわね、あそこの部屋は。部屋というか、スペースは。ですから、あそこを言うなら大改造をする必要がございます。その間の一応、アンテナショップ的な部分で指定管理者側が行われておるというふうにご理解いただいて、今後においてはあのままではないと。やはり皆さんがご利用いただけるような環境も、また大切なことですから、上のフィットネス事業の一環として、マッサージもやっておりますが、スポーツマッサージということでやっておるわけですが、どのような方策がいいのかというのは、恒久的な考え方をひとつ模索していきたいというふうに考えております。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) ビアンキ議員。 ○16番(ビアンキアンソニー君) ありがとうございました。  また、いろいろ聞きたいと思うんで、例えば、スポーツマッサージなら、スポーツの方にやった方がいいと思います。今、それはまだ国際センターと理解しています。上にもうスペースがないとわかっています、2階で。とにかく、今の段階でいろんな細かいところを聞くのは、しょうがないと思うんですが、始まったばかりとわかっていますので、進みながら、このポイントについて十分配慮していただければありがたいと思います。  では、最後に移りたいと思います。  土、日曜日の行政サービス、戸籍などの届け出の対応について聞かせていただきたいと思います。  母親が亡くなった、ある市民から、次のような話を聞きました。死亡届と火葬届をとりに、土曜日、市役所に行ったとき、2人のスタッフがいました。すると、いきなり、30分後にもう一度出直してきてくださいと言われました。出すのに30分かかるのなら、ここで待ちますと本人は答えました。待ちながら、その2人が関係ない話をしながら書いているので、間違いばかりをし、何回も書き直していました。用紙を見たら、ふつう、二、三分で終わるようなことだと思います。そして、正直言って、特にこういった親族が亡くなられた気持ちを察すれば、もう少し違う言葉を言うはず。平気で出直してきてと言うのは非常識。人前で仕事に集中せず、世間話をするのも失礼です。このようなことは、死亡届と火葬届のときだけではないと思いますが、今回の場合、特に目立ちます。それにもかかわらず、週末パートでやっている人に、まるでキャリア公務員のように、やることを期待するのは無理ですが、できるだけそのことに集中し、スピーディーに、市民に対し礼儀正しく扱うのは当然です。当局のご意見をお聞かせください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  服部総務部長。   〔総務部長 服部君登壇〕 ○総務部長(服部良弘君) それでは、私の方から、土曜日、日曜日の行政サービスについてお答えしたいと思います。  まず、当日対応した職員がパート等であれ、市民の方に、そのサービスに対して不適切な部分があったことについては、この場をおかりしておわび申し上げたいと思います。  現在、土曜日や日曜日の窓口対応につきましては、高齢者の就業機会の確保をするという点からも、平成4年度からシルバー人材センターに委託しております。土曜日と日曜日、祝祭日は高齢者6人の方が順次ローテーションを組んで、1日2人勤務体制で死亡届とか、婚姻届等の受け付け事務を行っております。それで、土曜日、日曜日等にお見えになった来庁者の方に正規職員と同様の行政サービスをするっていうことは当然のことだというふうに考えております。そのためですね、現在日直者が事務に精通するための研修、これにつきましては、年1回定期的にはやっておりますが、それ以外に年度末とか、人が、担当者が入れかわる場合があるわけですが、その都度、市民課の職員で個々に研修を行っているところでございます。  また、高齢者であるということもありまして、書類作成のためのマニュアルをそこに置いて、市民の方へのサービスに努めていきたいと、こんなふうにしております。しかし、今回、議員のご指摘にありましたように、今後は機会あるごとに、小まめに研修の数をふやして、実施して、また接遇態度についても折々にチェックして、そういう事務能力の向上といいますか、そういうこと含めて、それから接遇の態度についても一層の向上を図れるように努力していきたいと、こんなふうに思っております。  いずれにしましても、行政にかかわる職員というのは、当然、臨時、パート問わずに市民のための市役所と、こういう気持ちを十分認識して、市民サービスに努めるように取り組んでいきたいと、こう思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。 ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) ビアンキ議員の質問は、私はいつもしっかりと聞くようにしています。それはやっぱり、私はある意味では日本一のビアンキ議員はフロンティア精神にあふれておる議員だと思って、それはやっぱりニューヨークという多民族国家の中で育って、その多民族国家の文化・文明を体現する人ですから、日本の中のこの行政文化をどんどん率直にぶつけていただきたいと、まず思いますし、ちょっと評論家的に言いますと、デモクラシーは自由と平等ですが、やっぱりアメリカっていうのは、その中で自由を徹底的に追求する文明ですね。それと比べて、日本もデモクラシーですがね、日本の場合は平等の方にどうしても力が入る、まあ単一民族ですからね、自由の競争で優勝劣敗を受け入れるというよりも、平等の価値観に持っていこう、持っていこうとする傾向が、私はそういう民族だというふうに思います。ですから、これ文明の衝突かなと思って今聞いてましたけどね。そこの中で、やっぱりビアンキ議員の思い切った指摘というものを我々も謙虚に受けとめて、デモクラシーをやっぱり前進させていかなきゃいけないというふうに思っています。  繰り返しますが、日本は伝統的に、私は平等の方に力を置く、シフトしているデモクラシーではないかなと、こんなふうに解釈しています。どうぞ、これからもご遠慮なさらず、どんどんぶつけてきてください。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) ビアンキ議員。
    ○16番(ビアンキアンソニー君) ありがとうございました。市長に優しい言葉を言われまして、私の片言な日本語も許していただいている。それで終わるのにいいところだと思います。質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(大脇伸孔君) 16番 ビアンキ議員の質問は終わりました。  お諮りいたします。午前中の会議はこれをもって打ち切り、午後1時まで休憩いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。   〔「異議なし」の声起こる〕 ○議長(大脇伸孔君) 異議なしと認め、さよう決しました。  午後1時まで休憩いたします。                  午前11時38分 休憩                   再     開                  午後1時00分 開議 ○議長(大脇伸孔君) 休憩前に引き続き、本会議を再開いたします。  一般質問を続行いたします。  4番 住野議員より質問要旨の4番、部局間の連携ある行政についての質問を取り下げたい旨、申し出がありましたので、これを許可しました。  4番 住野議員。 ○4番(住野龍之介君) 4番 住野龍之介でございます。昨夜は、かの地ドイツで行われておりますサッカーワールドカップで、日本の青き侍たちが、結果は残念でしたが、大いに健闘してくれました。第2戦以降の若き侍たちの健闘に大いに期待をするところでございます。そして、ただいまからは、田舎侍の私が行政に挑もうといたしておりますが、一敗地にまみれるか、あるいは善戦をするかは、そのときの運として、一生懸命、通告どおり1件3点の質問をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。なお、要旨4点につきましては、ヒアリングの段階で疑問点が払拭をされましたので、質問事項から削除をさせていただきます。  さて、本年の初め、私は1冊の本と出会いました。特別どうしても読みたいと思ったわけではございませんが、しばしばテレビ等で話題の本として取り上げられておりましたので、話のネタとしてというぐらいの軽い気持ちで買い求めました。しかし、読み進むうちに、その重厚な中身にぐいぐいと引き込まれ、興味深く一気に読み終えました。  藤原正彦さんというお茶の水女子大学の教授で、彼が著者でありますが、本の題名は「国家の品格」というタイトルの本でございます。以下、後ほどの質問にも関係がありますので、著者の主張を随時紹介・引用しながら、私の持ち時間を進めさせていただきます。  本の中で、著者は、今日の日本における欧米化、とりわけアメリカ化は、小泉政権下の経済改革の柱となった市場原理を初め、経済分野だけにとどまらず、その社会、文化、国民性にまで深い影響を及ぼし、その結果、拝金主義、あるいは金銭至上主義にとりつかれた日本人、たとえて言えば、現在話題となっております旧ライブドアのホリエモンや村上ファンドの村上某氏のごとく、財力に任せた法律違反すれすれの企業買収を行い、その行為をひきょうとも下品とも思わない下劣な風潮をはびこらせ、日本人が古来から世界に誇り得る品格、品性を失い、それがゆえに国家の品格までも失墜をさせたと、憂国の念を吐露いたしております。  また、著者は、戦後の自由という概念につきましても、我が国の国民は自由という概念を自分に都合よく曲解をし、その結果、自由は身勝手の助長につながり、日本古来の道徳や日本人が長年の間培ってきた伝統的な形、すなわち武士道精神から導かれる行動基準をすたれさせ、品格なき日本と成り果てたと苦言を呈しております。  そして、著者は日本が本来の国家の品格を取り戻すためには、今必要なものは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であると主張をいたしております。  かように、著者の思い入れが強烈なせいか、かなり本の中身はラジカルな部分が多く、本の評価、著者の主張については賛否が分かれるところであろうと私は思います。しかしながら、私自身は、著者の主張と私のDNAが遠からず近いところにあり、今後は議員活動を通じ、武士道精神の啓蒙に努めていきたいと思っております。ましてや、これからの日本は、ますます市場原理の浸透から、弱肉強食の様相を強め、方や地方に目を向けたとき、弱体自治体は吸収合併されるしか、そのDNAを残す選択肢はなく、ゆえに地方としては自立、自主性を発揮、実施していかねば、市政の運営は立ち行かなくなることは時の流れとして明白の理であると考えます。  今日、民間社会では、厳しい現実の中、自社の存続をかけ、ユーザー等から信頼・信用される企業努力を日々必死の思いで続けております。それでも倒産・廃業は一向に減りません。これまでの地方行政は「寄らば大樹の陰」ではございませんが、国や県へ依存するという地方行政の甘い構造がややもすれば亡きにしもあらずのところがございましたが、国の三位一体、地方分権の方針から、それも期待できない現実が差し迫っている今日、犬山市の市政運営におきましても、民間同様、今以上の厳しさが当然求められることが予見をされるわけであります。  そこで、私は犬山市政はその運営過程の中で、品格の持つ精神と申しましょうか、心というものを採用していただき、ハート面から市民にアピールし、今以上に市民の信頼をかち得、確固たる犬山市政の実を上げるべきと考えます。  財政難のこの折、財政負担なくして市民生活の向上に貢献でき得るであろうこの考えを市長はどう思われるでしょうか。そもそも品格を辞書で調べてみますと、品位とか気品とかに訳され、その底流に流れるものは、自分はもちろん、他人をもおもんぱかる気持ちの優しさ、精神が求められるもので、まさに市民へ奉仕する公僕の集合体である市役所にも当然のことながら、この優しさを底流に持つ品格ある運営が必要ではないかと考えるところでございます。  過ぐる3月29日付の中日新聞の「物見櫓」の中で、石田市長は「ノーと言える教育委員会」と題する寄稿文の中で、我々自治体も品格のある行政に心がけねばならないとその文を結んでおられました。  そこで、この機会を通じて、市長の思い描く品格ある行政についての熱いご所見をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) 私の中日新聞への投稿についてご質問がありましたので、ちょっとここに書き込めなかったことを述べてみたいと思います。  これは、教育問題について品格という言葉を使いましたので、これは私の品格いう意味は、私は自分の教育観だとか、人生観、自分の仕事を、前提として私は品格のない人間だと思っていますので、少しでも品格つけようとして努力をしています。そのことだけ、前提として申し上げておきます。偉そうなこと言うなと思われるといけませんので。  論語という古典がありますけれども、論語は常に君子と小人と比較して、君子であるべきだと、小人であってはいけないと、こういう比較してますが、君子が品格のあるという意味です。君子というのを現代風に訳すと教養人と私は訳してもいいと思っています。小人というのは知識人と訳すとわかりやすいなと私は思っています。  教育でいうと、学歴とか、特に学閥とか、そういうのはいわゆる小人です。そういうことを外から見て重んじる考え方は、地位とか名誉とか、それは小人、知識人の世界であって、君子、教養人というのは、そういうことを問題にしないというふうに、私は分けてます。もちろん、私は君子、教養人になりたいと思っていますし、犬山市の教育はそうしたいというふうに考えています。  それから、藤原正彦さんの「国家の品格」をお引きになって、行政として何を、品格ある行政とはどういうことかということですが、これも私が心がけていることは、やはりハードよりもソフトですね、文化でまちづくりをしていくということだと思います。そのほかに、今、お話、自立というお言葉を使われましたが、やっぱり中央崇拝は品格ありませんね。それから、大企業崇拝も品格ありませんね。それから、自然破壊も品格ありませんね。そういうような一連のイメージで、自分は仕事をしたいと、犬山のまちづくりをやっていきたいと、こんなふうに考えています。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 住野議員。 ○4番(住野龍之介君) もう少し、でき得るならば広範囲なお答えをちょうだいをしたいと思いましたが、教育ということにある意味、限定をされてお答えをいただきまして、ありがとうございました。市長職というのは大変激務でございますので、健康には、これからも、くれぐれもご注意をいただきまして、市政発展のために、品格のあるリーダーシップを一層発揮されますことをご期待を申し上げます。  そこで、再質問をしたいと思いますが、これまでの市役所の業務がすべて品格のある仕事ぶりかと検証をしたとき、先ほどのビアンキ議員もご指摘のとおり、ちょっとクエスチョンマークがつく場合もあるのではないかと私も考えます。  そこで、再質問をさせていただきます。  京都大学霊長類研究所のリサーチ・リソース・ステーション、いわゆるRRS計画と呼ばれるものでございます。RRS計画は、本年2月、県の許可もおりており、粛々と現在、工事等が進められているわけでございますが、いまだ地元との合意は得られていないのが実情と確認をするところであります。本来、それなりの開発行為をする際には、地元との合意が大前提であると認識をいたしますが、しかし、今回の件では、京都大学サイドの時間的制約等もあり、環境保全及び公害問題等から建設反対という地元の意思がどちらかといえばないがしろにされた形で工事が進められております。  このことは品格を形づくる武士道精神に照らし合わせたとき、いささか強者の論理が優先をし、弱者あるいは虐げられた者への思いやりの心である惻隠の情とか、あるいはひきょうを恨む心が、憎む心が欠如していたように私には映りました。多分、亡くなった私の義父も、出身地である善師野の今後のことを遠いところから心配をしているところだと思います。しかし、昨今、当局の粘り強い調整努力により、地元もこのRRS計画について、少なからずのご理解をいただけるようになり、施設建設に何かの兆しがあるやに聞いております。仮定の話で大変恐縮でございますが、もしも、よからぬ悪徳業者が、よからぬ開発計画を企て、地元の反対にもかかわらず、今回のケースのように、県からの申請許可がおりたとき、地元や市の望まぬ施設ができてしまう可能性もないとは言えないわけで、その後の混乱は、恐らく火を見るよりも明らかなことで、このような事態の起こらぬように、今後は品格に心を砕くという見地からも開発計画におきましても地元との賛同、合意を得る作業、協議というものを大切にすべきと考えますが、担当部局のご所見をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  山澄市長公室長。   〔市長公室長 山澄君登壇〕 ○市長公室長(山澄俊明君) 改めて申し上げるまでもございませんが、京都大学霊長類研究所のリサーチ・リソース・ステーション、通常RRS計画というふうに言われておりますが、これにつきましては、昨年の11月15日号の広報にも取り上げられておりますが、日本猿を善師野地区の自然豊かな環境の中で飼育をしまして、全国の研究機関と協力をしまして、アルツハイマー病や老人性痴呆症、認知症というんですか、そういう難病克服のために役立てるということで、文部科学省の国家プロジェクトというふうに位置づけられているものであります。  同研究施設に係る開発行為につきましては、平成18年2月17日に、また林地と砂防指定地の行為、それと国定公園の普通地域内になっていますので、その国定公園内の普通区域の土地の形状変更につきましては、いずれも平成18年3月6日付で許可がおりておりまして、本年度より工事が着手されているというところが現状であります。  このような経過ではありますが、この間の周知につきましては、諸事情ございまして、市広報の特集号で記事として取り上げられたり、あるいは新聞等でも報道をされ、なかなか地元にはきちっと伝わっていないということはあったかもしれませんが、そういうことは否めないというふうには思っております。  こうしました経緯も踏まえまして、後づけではありますが、平成18年度に入りまして、善師野地区の皆さん、善師野の全区域の皆さんに対しまして、霊長類研究所とともに、全体の説明会を開催をさせていただきまして、環境や、あるいは公害に配慮をしました計画の概要と工事の進め方につきまして、善師野地区の皆さんに説明をさせていただいているところであります。  また、加えまして、建設地である清水の町内会の皆さん、さらには平成16年、平成17年、平成18年度の役員さんの方々にも別に説明会を開催をさせていただきまして、対応をさせていただいております。  議員のご指摘もありましたが、このRRS計画の実現には、地元の皆さんのご理解とご協力が不可欠であります。この認識は、今までも、これからも変わるものではありません。地元の皆さんが将来に向けて、安心してこの研究施設を受け入れていただけますよう、市としましても、今おっしゃいました武士道精神にのっとりまして、誠意を持って対処をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) 私からも、善師野のRRS計画についてコメントしたいと思います。  私は、この計画を聞いたときに、正直言って、善師野区にとっては、それこそ何も足さない、何も引かないです。何にもプラスになりませんし、何もマイナスになりません。善師野にとってはね。ところが、物すごい大きな規模で人類の、それこそ人類の医学と学問に、これは貢献しますね。ですから、私は担当者に絶対これはつくるんだと、やれと、きちっと手順を踏んで、行政的に手順を踏んできたならば、これは犬山市行政としては全力挙げて応援すべきだというふうに考えて今日まで至りました。  私も、今までの経験で、これ市長やって11年ですし、それまでに議員で公職者としてやってきましたけれども、この種のことは、しばらく、半年か1年過ぎれば、善師野の人たちは、そんな反対しとったかなというような状態になる事業だと、私は自信持っています。  むしろ、私はちょっと突っ込んで、住野さんのご質問に答えるという形で言うと、さっきの国家の品格の論点でいくと、戦後、日本人が忘れたものは、ご指摘のように心ですね、心よりも物を優先してきた。それから、伝統よりも進歩・発展を優先してきた。それからもう一つは、全体の利益より個人の利益を優先してきたんです、戦後の日本は。私は、ちょっと善師野の方には、失礼な言い方になるかもしれませんが、もう少し、やっぱり全体の利益のためにご理解いただく企画だと思いますね、このRRSは。  以上です。 ○議長(大脇伸孔君) 住野議員。 ○4番(住野龍之介君) ただいま市長からのご答弁ありましたが、私も質問の中で申し上げましたように、善師野地区の皆さんも、それなりに理解を示して、建築ということについて前向きの姿勢をとるやに聞いておりますので、これからはいろいろと協議事項がふえると思いますが、行政といたしましては、惻隠の情を持って、仲介の労をとっていく姿勢が大切であることを指摘をし、次の質問に入りたいと思います。  2点の先見性ある行政についてでございますが、市民の信頼を勝ち得、犬山市政の実を上げていく上で、将来を見越す先見性ある行政というものも市政発展の重要な要素の一つであると、常々私は感じております。過日、本年当初、犬山市にとっては大変有益な企業誘致の話が持ち上がりましたが、諸般の理由により、断念せざるを得ない結果となったわけでございますが、時間的制約の中で、担当部局はそのときでき得る限りのご努力をされたことにつきましては、大いに認め、評価をするところでございます。しかし、今回のケースを検証してみたとき、日々進化する産業界の今日を見れば、企業進出の際、企業側の求める諸条件に対して、担当部局としては、今はなくとも、この先いずれかは求められるかもしれない高いハードルというものを予見を持って周到準備しておくべき課題も少なからずあったのではないかと思うわけでございます。  そこで、次の機会に同様の誘致話が持ち上がったとき、二度と同じ轍を踏むことのなきよう企業進出の話の有無は別として、諸課題を今のうちから調査・研究し、解決・解消するという先を見越した、将来を見据えた取り組みが今後一層必要となると思いますが、担当部局の将来に向けた品格あるビジョンをお聞かせください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  山澄市長公室長。   〔市長公室長 山澄君登壇〕 ○市長公室長(山澄俊明君) 高根洞の工業団地でありますが、ご承知のとおり、この工業団地は市内で2番目の工業団地としまして、県の企業庁によりまして、平成15年3月31日に造成工事が完了しまして、4月より県企業庁と連携をしまして、企業誘致活動をスタートいたしております。  高根洞の工業団地は景観あるいは環境への配慮から、地区計画が定められておりまして、建物の高さも20メートルまでというふうに抑えられておりますし、また事業用の排水につきましては、入鹿用水土地改良区との基本協定によりまして、五条川左岸の公共下水道へ排出をする、こういうことになっております。このような条件のもとでありますが、議員の皆さんのご理解を得まして、大幅なインセンティブを設けまして、県企業庁と犬山市がタッグを組みまして、積極的に誘致活動を進め、6月現在では8社の優良企業に進出をしていただいております。
     昨年末に先ほどご指摘があったような、一番大きな5.3ヘクタールの区画に進出をしたいという優良企業がございましたが、これに当たりましても、県企業庁と積極的に誘致活動を展開をしましたが、最終的には高さの制限とか排水の問題ということで、断念せざるを得ない結果となりましたことは、既にご報告をさせていただいたとおりでございます。  排水関係あるいは、先ほど申し上げました地区計画等の見直しの件もありますが、現在引き合いも来ておりますので、まずは現状で、あと2区画残っておりますので、その2区画を早期に誘致できるよう、全力を尽くしてまいりたいと、こんなふうに考えております。  また、これはいつもこれは申し上げておるところでありますが、財政運営の提要は「入りをはかりて出ずるを制する」ということでありますので、今後の戦略といたしましては、ちょうど県の企業庁がこれから10年先に向けまして、350ヘクタールの内陸工業用地の造成を計画をいたしております。当犬山市としましても、もう先を見越しまして、開発に伴う厳しい規制、法的規制とか、いろいろございますが、こういうものも何とかクリアをしまして、自主財源確保に向けまして、新たな工業団地の検討をしていかねばならないというふうに思っております。  それからもう1点ですが、品格ある市政運営ということで、1点、ソフトの面から申し上げたいと思いますが、特に品格ある市政運営、先見性のある行政ということで、やはりこれにつきましては、ソフトの面では今検討していただいております犬山市の憲法でもあります自治基本条例だろうというふうに思っております。そこで、地方分権がこれからますます進むわけですが、まちづくりの基本方針、それから市民との関係、それから議会、さらには市長と行政、こういうあり方をきちっと規定をしまして、ローカルルールである自治基本条例にのっとった市政運営こそが、やはり品格ある市政運営であるというふうに考えております。 ○議長(大脇伸孔君) 住野議員。 ○4番(住野龍之介君) ありがとうございました。ただいまは、先回の断念の経緯を踏まえた上での前向きのご答弁をお聞きをいたしましたが、犬山市のあすに夢と希望を感じたわけでございます。  とはいうものの、夢について申し上げるならば、夢は見るものではなく、かなえるものであるということをご認識をいただきまして、市民生活向上のために、品格ある先見性を常に心に期して、仕事に対処していただきますことを指摘いたしまして、要旨3の質問に移りたいと思います。  それでは、最後の要旨3点目の質問に移らせていただきます。  一般質問の初日、東海議員が徳目の強制は内心の自由の侵害になりはしないかとの要旨の質問がございましたが、私は、それとは全く逆の、徳目の押しつけ教育の勧めという持論を展開し、教育委員会のお考えを拝聴をしたいと思います。  江戸時代、会津藩には日新館という藩校がございました。会津若松鶴ヶ城といえば、日本人の多くが、まず思い出すであろう、あの白虎隊も教えを受けていた藩校でありますが、ここに入る前の子弟に対し、「什の掟」というものがあり、そこにはこう記されておりました。主なものを読み上げてみますと、一つ、年長者の言うことにそむいてはなりませぬに始まり、二つ、年長者にはおじぎをしなければなりませぬ。三つ、虚言、うそを言うことはなりませぬ。四つ、ひきょうな振る舞いをしてはなりませぬ。五つ、弱い者をいじめてはなりませぬ。あと、6、7とございますが、以上、主なものを読み上げさせていただきましたが、これは日新館に学ぶ者の心得として、礼節、信義、惻隠ということに心を尽くしなさいと教え諭しているわけで、そのおきての最後には、「ならぬ事はならぬものである」と、紋切り型の文句で結ばれておりました。要するに、これは問答無用、いけないことはいけないと断じているわけで、今日の教育現場では先生方が我が意を得たりと、大上段に構え、子どもらに教え諭す方法としては、いささか周囲から理解を得づらいことであろうとは思います。  「国家の品格」の中で著者はこう主張を展開をいたしております。子どもの成長過程においては、本当に重要なことは、親や先生が幼いうちから押しつけないといけない。大体の場合、説明など不要で、頭ごなしに押しつけてよい。初めに何かの基準を与えないと、子どもとしてはよし悪しの判断基準や、やってよいこと、悪いことの行動基準が定まらない。  そこで、よいことはよいこととして押しつける、たとえて言えば、朝夕のあいさつの励行とか、給食時のいただきます、ごちそうさまでした等々で、逆に悪いことは悪い、だめなものはだめであるという価値観、行動基準を押しつけるべきと言っております。  私も、今日の子どもたちの現況をかんがみたとき、同感であります。例えば殺生、すなわち人をあやめることは、あるいは他人の命を侵すという行為につきましては、こうだからいけないとか、ああだからしてはならないことと、あれこれ理由づけ、説明をすることではないのであります。殺生することはだめだからだめと、断じるに尽きるのではないでしょうか。いじめ問題にしてもそうであります。いじめを本当に減らしたいのなら、大勢で1人をやっつけるということは、文句なしにひきょうであるということを子どもたちに徹底してたたき込むことが必要であると私は考えます。たとえ、いじめている側の子どもたちが清く正しくて、いじめられている側が性格のひん曲がった、大うそつきだったとしてもそうであります。中には、そんなやつなら、大勢で制裁したっていいじゃないかというのは、あくまでもこれは論理の話で、ひきょうというのは、そういう論理を超越して、とにかくだめだからだめだということであり、ならぬことはならぬことであります。今日の子どもたちを取り巻く、好ましからぬ環境から派生した、子ども自身の自己中心的思考あるいはせつな的思考に危うさを覚える私としましては、武士道精神から導き出される、ひきょうな振る舞いを憎む心をはぐくむ徳育の学習が急務と考えます。  少々乱暴過ぎる私の持論ではございますが、教育は国家百年の計であり、犬山のあすを託す犬山っ子の健やかな成長を側面的にサポートする強い押しつけの徳育が必要と提言をしたいと思いますが、教育委員会のご所見をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  長谷川学校教育部長。   〔学校教育部長 長谷川君登壇〕 ○学校教育部長(長谷川隆司君) 会津藩の日新館の資料館を何年か前に見学したことがございまして、非常になつかしく思い出しました。お答えさせていただきます。  いけないことはいけないとはっきり言うべきとの議員のご指摘に、まさに同感でございます。いじめや暴力など、緊急性を要するもの、それから命にかかわること、こういったことについては毅然とした態度で、即効性のある指導が必要でございます。  学校現場では、大半はこのような場合には厳しく諭す指導を必要に応じて行っております。しかし、道徳教育というのは、心の内面から変わらないと成果は出てきません。子どもの心に訴えかけ、じっくりと考えさせることが必要でございます。学校では、小学校から中学校まで、小学校1年生から中学校3年生まで、週1時間、年間35時間、小学校1年生は34時間でございますけども、道徳の時間を設定し、実践しております。  例えば、思いやりの心だとか、あるいは自分・他人の命を、生命を尊重するだとか、あるいは公正さ、正義、正義感といったこと、こういったことについて子ども同士で話し合い、教師の指導をもとに道徳的価値観を追求し、把握していきます。いわゆる学校現場では道徳的実践力の育成というふうに言っております。しかし、それを確かなものとするためには、あらゆる教育活動の中で学校教育全体を通して体験する場、経験する場をやっぱり設けることが欠かせません。そのためには、学校と家庭、地域が連携をして、教育力を高め、そして道徳的価値観を高めていくように働きかけることが非常に大事であります。  教育委員会といたしましても、教育活動全体を通して、じっくりと時間をかけて学校に働きかけ、道徳的価値観の把握について高めていきたいというふうに考えております。  なお、本年度ですけども、これは県の教育振興会が中心となって命を大切にする心をはぐくむ教育推進事業というのを県下全域に取り組み始めました。小学校、中学校、幼稚園、保育園含めまして取り組んでいくものでございますけれども、犬山市では、この命を大切にする心をはぐくむ教育ということで、犬山北小学校と犬山南小学校で名乗りを上げて、自分・他人を大切にする心、命を大切にする心をはぐくむ活動に取り組んでいくことになっております。こういった取り組みをもとに、心豊かな児童・生徒を犬山市の恵まれた自然環境、それから学習環境の中で根気強く育てていくことが将来の品格ある犬山人の育成につながるのではないかと信じております。よろしくお願いいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) きょうの住野議員のご質問は、とても興味をそそられまして、おもしろい議論だと思っておりますので、私からもちょっとコメントしたいと思います。  道徳を教えないということを言われる人が随分いますけどね、私は現実に道徳の教科書を読んでみて、これはもうしっかりしてるという自信あります。教育でいろいろな批判をされる人は、しっかりと実態や検証がなく言っている人が多いんです、この世の中。だから、学校で義務教育で道徳の教科書を読まなくて、今の世の中見て、道徳を教えとらんという人が割合おるんですね。それで、教育委員会でも、うちの教育委員会、私は出れるときは出るようにしていますけれども、道徳を教えるべきだという教育委員も強く発言していますし、うちの教育委員長なんかも、そういう論者です。だから、現場にもそういう空気育っていると思います。  これは、私は中央教育審議会の委員をやっていまして、その委員の中に、これは学校の現場の代表者なんですが、こういうことを言った人がいるんです。今の大人たちの現状で、よくぞこの程度の学力でとどまっているなと、子どもたちが。こう発言している現場の人がいるんです。それくらいね、大人はいいかげんです。そんな子どもに道徳教えんからいかんというような言う資格のある人はごく一部ですよ、本当の話。だから、私はもう少し現場の、どういう教育やっているかを検証することが必要ですね。  それから、学習指導要領にも、「早寝 早起き 朝御飯」というやつ入ってますよ。これ、学校で一生懸命それやっているんですよ。やっていますが、ほとんどの親は、ほとんどとは言わなくても、多くの親はね、これを子どもに言ってない。9時になったらテレビ消す、それから朝御飯食べさせる、これ親の責任ですよ。親が学校でやっていることをどんどんどんどん崩していってですよ、学校で教えろはね、これは僕はもうちょっとやっぱり社会全体、大人がやっぱりこれは考えるべきだと思っています。それは我々が言わなきゃいけないことだと思っています。世間に対して。  それから、今の殺生を教える、これね、大事な視点です。ところが、これは私の個人的な見解かもしれませんが、倫理というのは、やっぱり宗教観がなきゃだめです、これは。宗教のやっぱり偉大な力というのは、そこにやっぱり宗教が戒律を含んでるんですね。宗教の戒律というのは、もう、住野議員おっしゃるとおり問答無用なんです。問答無用でこれを守ることが宗教の宗教たる偉大な力なんですね。ですから、私はやっぱり宗教教育が大事。ですが、これは公教育では、これは教えられません。そこのところをやっぱりきっちりと整理をしていくことが大事ではないかと思っています。  江戸時代の藩校、これは立派なもんです。松下村塾。それぞれの藩がすばらしい教育理念を持っていました。それと、今の国家観というのは、ちょっと違います。藩が昔は国だったんです。尾張の国、美濃の国、これは目に見えるものなんです。ふるさとというのは目に見えるものなんです。ですから、そこのふるさと愛、対象が目に見えるものに対しては愛情がわきます。国家というのはバーチャル、目に見えません。ですから、目に見えないものを愛せよということは、私はリアリティーがないというふうに思っています。 ○議長(大脇伸孔君) 住野議員。 ○4番(住野龍之介君) ただいま、教育委員会あるいは市長の方から私の質問に対するご見解をお聞かせいただきましたが、私の理解度がないせいか、どうも私には耳ざわりはよいが、核心を外したご答弁としか感じません。  これまで、国や県と教育に対する考え方や方針の違いから、時として教育に対する、ある意味対峙していた信念のある犬山市教育委員会のご答弁としては、私はいささか物足りないものがあるということをあえて申し上げさせていただきます。  そこで、再質問をさせていただきますが、我がまちの子は我がまちで育てるという理念を標榜する気概ある犬山市教育委員会の私の提言に対する押しつけ教育について、再度のご所見をお伺いをいたしたいと存じます。よろしくお願いをいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  長谷川学校教育部長。   〔学校教育部長 長谷川君登壇〕 ○学校教育部長(長谷川隆司君) お答えさせていただきます。  意に沿うかどうかということでございますけれども、道徳教育、心の教育というのは、やはりこれは時間をかけてじっくり取り組むべきものであります。先ほども申しましたけれども、子どもたちが本当に納得して、心の底から道徳的価値というものを、子どもによってそれぞれとらえ方は、レベルは違いますけれども、その価値をやっぱり自分なりに、主体的につかんでこそ初めてものになるということで、これについては、やっぱり時間をかけて取り組んでいくということであります。  ただし、本当に緊急性を要するもの、先ほども言いましたけれども、やっていけないことはいけないですし、命にかかわることは、これはその場で即やはり指導しないと効果はございません。私の経験からで非常に恐縮なんですけれども、かつて非常に学校が荒れたという時期がございましたけれども、学校にそういう悪というか、そういった雰囲気のものがはびこるときには、子どもはどこまで教師を許すかを見ております。それを試しながら一歩一歩やってはいけないことをやるようになってきますけれども、それは即、早目に、やはり厳しく指導することがとても大事なことであります。ですから、犬山市の小・中学校の先生方にもお聞きをしますと、いけないことはいけないで、ふだんそういうことは必ずきちっとやっているというお答えが返ってきます。そのことはきちっと押さえてやっていきたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) 私は、こういう議論はやっぱり何遍もやった方がいいと思うんです。住野議員は押しつけ教育という言葉を使われまして、それは必要だということでしょ。私もそれはある程度認めます。  例えば、私はスポーツ好きですけど、体育という教育は、やっぱり耐えなきゃだめなんです。子どものころや若いころに身体的な耐える経験のある子とない子は、大きくなっても物すごく差ができます。ちょっと極端な例ですが、この間、戸塚さんという人が刑務所から出てきて、体罰は教育だと言ってましたけれども、あれはちょっとひど過ぎますけれども、しかし、あれに似たような、体で覚えさせる、体育教育がその典型ですけど、忍耐させる、これは必要なことだと、私は思っています。そういう意味で押しつけということは、ある程度私は理解できます。  ところが、学ぶということは、例えば学力ということは、私二つにきちっと整理しなきゃいけないと思うんです。それは基礎・基本と、それから真の学力とあるんですね。これは学習指導要領にもちゃんと書いてあるんですがね、基礎・基本というのは、ある程度、ぐっと反復練習して、我慢させて教えなきゃだめなんです。それはやっています。犬山市もやっています。それは当たり前のことです。押しつけの典型な例は受験教育です。押しつけ、押しつけ、押しつけ、これ試験終わると忘れちゃうんです。これは真の学力じゃないですから。もう1年もたつと、ぱっと全部忘れるんです。真の学力、これ真がつきますから大事なんですが、真の学力というのは、押しつけて身につくもんじゃないんです。教えられないんです、これは。中に眠ってるものを引っ張り出す、エデュケートする、引っ張り出すのが真の学力、これが大事なんですね。これは絶対押しつけて身につくもんじゃないんです、これは。それを引っ張り出す。引っ張り出す方法として、我が犬山市は少人数授業、ティームティーチング、それから教師たちが自発的、内発的に授業を改善して、構成して、それぞれの子どもたちの中から引っ張り出す教育を目指しておると、こういうことですね。ですから、押しつけという意味をどういうふうに解釈するかわかりませんが、私は、犬山市の目指す教育、学ぶ楽しさ、これは一つのイメージとしては、ベートーヴェンの第九、これベートーヴェンというのは耳が聞こえなくて、もう苦労して苦労して、苦難を突き抜け歓喜に至れ、最後はフロイデという歓喜をつかんだわけです。これ達成感です。達成感の喜びなんです、あのフロイデ、フロイデというのは。ベートーヴェンは決してあれですよ、楽して、楽と楽しむとは全然違うんです。楽じゃなくって、苦難、苦難、苦難を通り抜けた達成感が喜びなんです。そういうイメージの、私は犬山市は学ぶ喜び、学ぶ、真の学力、生きる力、こういう価値観を追求したいと思っていますね。 ○議長(大脇伸孔君) 住野議員。 ○4番(住野龍之介君) ただいま市長からご答弁をいただきましたが、私はあくまで押しつけの勧めということは、学力とか、真の教育とかは除外をしております。先ほどから言っておりますように、徳目という点についてのみ押しつけの勧めということを言っておるわけで、教育すべてをそのようにしてくださいというふうに要求しているのではありませんので、誤解なきようにお願いをいたします。  終わりに当たりまして、今回、極めて品格とは遠いところにいる私が、品格ある市政運営という大きなくくりで、恥ずかしながら質問をさせていただきましたが、関係部局の方々より真摯なご答弁をそれぞれちょうだいをいたしましてありがとうございました。  最後に当たり、戦国時代、尼子一族の武将である山中鹿之助がよんだとされる「憂きことの なほこの上に 積もれかし 限りある身の 力ためさん」の一句を石田市長初め全職員の皆さんにエールとしてお贈りをし、質問を終わります。 ○議長(大脇伸孔君) 4番 住野議員の質問は終わりました。  議員各位に申し上げます。12番 山田議員から一般質問に関連する資料を配付したい旨、申し出がありましたので、これを許可いたしました。  議事の進行上、休憩いたします。                  午後1時52分 休憩                   再     開                  午後1時53分 開議 ○議長(大脇伸孔君) 休憩前に引き続き、本会議を再開いたします。  一般質問を続行いたします。  12番 山田議員。 ○12番(山田拓郎君) 12番の山田拓郎です。先ほど住野議員からは、侍だということが冒頭にありましたが、私は百姓かもわかりません。しかし、草履取りから天下に羽ばたいた豊臣秀吉のように、私は侍以上の侍精神を持って、また多くの皆さんの思いを受けとめていけるような、そんな人徳ある人間を目指して、これからも頑張っていきたいと冒頭に申し上げたいと思います。  また、偶然の一致といいますか、住野議員も「国家の品格」をもとに質問を展開されました。私も非常にこの本には共感を受けまして、実は藤原さんは「国家の品格」という本だけじゃなくて、「祖国とは国語」というような著書もありまして、そういったものも引用しながら、特に、2点目、3点目ですけども、私も質問をさせていただきたいというふうに思います。  今回も犬山市の教育についてというテーマで行うわけです。  まず、要旨1点目の木造平家の学校建築の是非について質問をさせていただきたいと思います。
     「犬山の教育の重要施策2006 学びの学校づくり」という冊子があります。この中で、学びの環境づくりという項目において、学びの学校建築構想の基本は木造平家であるというふうに示されております。既に、ご承知のように城東小学校、そして犬山西小学校においては、あくまでも増築部分ではありますけれども、こうした方針に基づいて整備が予定をされております。  今後は、羽黒小学校の改築も視野に入れながら、本格的にこの木造平家の学校整備が進められていくということで示されているわけです。木造平家として進めていく理由については次のように述べられています。  木造校舎は木の持つ感触及び利便性がすぐれている。平家の校舎は災害時の倒壊の危険性が少なく、子どもの避難も容易で、バリアフリーの実現にも適している。また、木造平家は犬山市の街なみ、まちづくりとも整合性があると、このように示されているわけです。  感情的には、私も、そらコンクリートよりも木造の方がいいというのは非常によくわかる点なんですが、しかし、市内の14校、長期にわたって順番にこれすべて木造平家としていった場合に、管理上の問題、あるいは敷地の確保の問題等々、いろいろとクリアしていかなきゃいけない課題もあろうかと思います。  政策判断としても、いろいろと難しい点もあると思います。私自身、この問題についても、判断難しいとこだなと思っておりまして、改めてこの木造平家の学校建築について、メリット・デメリット、そして今後の課題、それから長期的、総合的に判断に立った場合、学校建築はどうあるべきなのか、そういった点において、当局の見解をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  長谷川学校教育部長。   〔学校教育部長 長谷川君登壇〕 ○学校教育部長(長谷川隆司君) 木造平家の学校建築についてお答えさせていただきます。  犬山市では学びの学校建築設計委員会、そこにおいて学校の豊かな学習活動と、それから効果的な学校運営、そういったことを建物空間との関係において構想するということを検討しております。そして、その中で、検討されていたことを、その思想を大切に考えて取り組んでおります。  まず、木造平家のメリット・デメリットについてでございますけども、今議員申されましたように、一部重複するところがございますけども、まず、平家のメリットということでは、災害時の倒壊の危険性を減らすということ、児童の移動が容易である。児童がすぐに避難しやすいということがあります。それから、一体感のある空間をつくりやすいということであります。このことについては、検討委員会の笠井教授がメンバーにおりますけども、アメリカ等の視察を見てきた折にもそういったところが非常にすぐれているということを言っておりました。平家についてです。  それから、バリアフリーの実現に適しているということがあります。  それから、平家のデメリットといたしましては、平面に教室、それからスペース等が構成されるために、全体計画がやや肥大化すると、広い敷地が必要になるということがございます。それから、時には用地の買収も必要になって、経費を要するということもございます。  次に、木造のメリットということでは、木の持つ感触、温かみ、それからぬくもり、やわらかさ、それから優しさ、それから落ちついた感覚、安心感、雰囲気、日本的な伝統ある雰囲気ということ、それから自然な感じがするということがすぐれているということがあります。  それから、利便性としましては、先ほどもお話ありましたけども、結露しないだとか、保温性が高いだとか、吸音性があるだとか、こういったすぐれた性質を有しております。  特に、木造ということについては、文部科学省もこういったことについて積極的に木の校舎建築を推奨しております。  デメリットといたしましては、耐火構造物でないということと、シロアリの被害に遭う可能性もあるということでございます。こういったようなメリット・デメリット、それぞれありますが、メリットの方が非常に多いということを考えております。  次に、こういったことを長期的に考えた場合に、総合的に判断してどうかということでございますけども、構造については、これは戦後、学校の校舎については、木造だった学校建築はほとんどが鉄筋コンクリート建てにつくりかえられております。木造の校舎建築というのは、見ることは非常に少ないということになっておりますけども、耐用年数は、木造が25年、それから鉄筋コンクリートづくりが60年というふうに言われておりますけれども、伝統的な日本建築を例に挙げるまでもなく、木造は長期の耐用年数を有しておりまして、築100年以上の建築物もめずらしくございません。建築単価についても、木造、鉄筋コンクリート造とも大差がないというふうに考えております。  それよりも木造建築がやはりいいと言われるのは、日本の気候に合った構造であるということ、比較的補修がしやすいということ、今後のリサイクルを考えたときに、地球環境にやさしい部材であるということは、昨年、愛・地球博でも、日本館に代表されますように、証明をされております。  しかし、時代の変化、あるいは土地の条件、周辺との調和、それから地震、台風、地球温暖化等の自然状況による変化があるために、木造がよいか、あるいは鉄筋コンクリートがよいかということを判断することは時の価値観ということもありまして、非常に難しい問題というふうにとらえております。  学びの学校建築検討委員会でも検討し、研究を進めてきておりますけども、その中で、学校建築構想については、三つの視点を掲げております。一つは、学びの学校づくりの視点ということで、子どもの学びの意欲を引き出す豊穣な教育環境を構築するということ、学ぶ意欲を引き出す豊穣な環境づくりということであります。  それから二つ目は、生活空間の視点ということで、子どもの学校生活を眺めてみますと、授業は全時間の6割程度、残りの4割は授業以外の時間でありますけども、かなりの時間を学校の中で子どもたちは過ごすことになります。食事、くつろぎ、友達とのコミュニケーション、そういったところ全体を含めまして、子どもたちにとってくつろげるというか、居場所にふさわしい空間の確保、そういったことが2点目に挙げられます。  三つ目は、地域社会からの視点ということで、学校は地域コミュニティの中心であると。地域コミュニティを核とした学校づくりということで、学びの学校づくりを進めておりますけども、生涯学習の拠点ということも考えて、地域の活動の拠点にふさわしい学校づくりということを目指しております。  そういったことから、今後は城東小学校、それから犬山西小学校で校舎建築ということを進めていくというふうで考えておりますけども、その建築の成果を踏まえて、ハード面、ソフト面、両面について検証をし、あわせて皆様方のご意見を聞きながら決めていくことが重要であるかというふうに考えております。よろしくお願いいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 山田議員。 ○12番(山田拓郎君) いずれにしましても、今後しっかりと検討を進めていただいて、とにかく行き当たりばったりのものにならないように、10年後、20年後、長い目で見たときに、混乱を来さないように、きちっと検討を進めていただきたいというふうに思います。  それから、木造平家とは少し違ってきますけども、学校建築という点で申し上げますが、今回の一般質問の中でも、児童館、児童センターの質問もありました。私はこういった機能は、今後は学校の中にそういった機能を組み込んでいくべきだというふうに思っています。現在は別のところにあるわけですけれども、子どもたちの立場に立って、また安全性、効率の面から考えても、そういった機能は学校の中に組み込んでいくべきだ。ですから、今後学校の改築を進めるに当たっては、そういった点も考慮しながら、検討を進めていくべきだということを実は民生文教委員会の視察の折にも感じて、そんな意見交換もしたところです。ぜひそういった点も含めて、検討を進めていただきたいということを指摘をさせていただいて、この点については終わりたいと思います。  次に移ります。  先ほどの住野議員の「国家の品格」からのご指摘で、日本がアメリカ化してきていると、こんなことをおっしゃられました。また、これは午前中のビアンキ議員の質問のときに、この議場でのやりとりを市長は文明の衝突とおっしゃられましたけれども、もともとこの日本という国には文明の衝突ということはなかったわけです。日本は、昔からいろんな文化、価値観が外国から入ってきても、それをうまく融合して、共生をさせて、新たな日本文化をつくってきた、そういう価値観持った民族です。そういった文化の面からもそうですし、自然というものについても、欧米は自然を支配の対象として見てきたのに対して、日本人というのは、そういった自然と共生を図っていく、そういう価値観を昔からずっと持ってきた、私はすばらしい民族だというふうに思っています。こういった価値観は、私は世界的に見ても絶対にこれから大事にしていかなきゃいけないということを強く感じておりまして、そういったことを含めて、2点目、3点目の質問をさせていただきます。  まず、2点目の質問です。  小学校での英語・コンピューター教育の是非と国語教育の立て直しについてお伺いをいたします。  今、多くの人が国際化や情報化の速い流れに惑わされて、少しでも子どもが小さいうちから、早いうちから英語やコンピューターを学ばせていかなきゃいけないという間違った先入観にとらわれてしまっていると思います。こうした英語・コンピューター教育、私は決して不要だとは思っていません。大事な力だというふうに思っていますけれども、しかし、特に小学生以下の子どもたちにおいては、まずすべての知的活動の基礎である国語教育を中心とした基礎・基本をしっかりと学ばせていく、そうした土台づくりをまず優先的にやっていった上で、そういった英語やコンピューターもやっていくべきだ。国際社会や情報社会の中で、真の評価を得る人物像というのは、単に英語やコンピューターができるだけの人物ではだめなんです。先ほど、市長さんも教養人と知識人ということをおっしゃられましたが、真の評価を得るためには、やはり私たちが日本人としての情緒や、あるいは教養、そういったものに裏づけられた人間としての中身があって初めて国際社会や情報社会の中で評価を得る人物になっていくわけです。ですから、そういったことを踏まえると、しっかりとまず国語を中心とした基礎・基本をやって、それから英語やコンピューターをやっても、決して遅くないというふうに思います。  しかし、現実はそういった時代の流れに押されるようにして、小学校にまで生活の時間やあるいは総合学習の時間の中で英語・コンピューター教育がどんどんと持ち込まれて、その結果、国語を中心とした主要科目にしわ寄せが及んできています。これでは本末転倒だと思います。お配りした資料にもあるように、総合学習の時間が導入されたことによって、平成2年と平成14年を比較しますと、国語を中心とした主要科目の授業時間数が一律に削減をされてきています。こうした総合学習の時間の中で英語やコンピューター教育が行われているわけですが、「二兎を追う者は一兎をも得ず」と、こういうことわざがあるように、これがどんどんと進んできますと、どれも中途半端になってしまわないかと、そんなことが心配されるわけです。しかも、驚くべきことに文部科学省は、小学校5年生、6年生において週1時間程度、英語を小学校で必修化していくということを現在検討を進めています。今後の展開によっては、さらにそういった国語を中心とした主要科目に悪影響が出るのではないかと懸念をされるわけです。「国家の品格」の藤原さんは、小学校から英語を必修化することは日本を滅ぼす最も確実な方法である、愚民化政策だと断じておられます。私はこうした指摘に全く同感であります。  そこで、お伺いをいたしますが、この小学校での英語・コンピューター教育について、当局はどのような見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。  それから、今申し上げたように、文部科学省は、小学校5年生、6年生において英語を週1時間必修化ということで検討を進められております。私は、こうしたことについて、やはり疑問を投げかけていくべきだというふうに思っています。以前、全国学力テストの不参加ということで、犬山市は表明をしたわけですけれども、3月議会の中で教育長は、文部科学省に物申すものがいない、だから犬山市は地方の立場から、現場の立場から文部科学省に物申して一石を投じていくんだと、こういうことをおっしゃられました。私は、全国学力テストの問題は、いろいろと波紋を呼びましたけども、しょせん枝葉の問題だと思うんです。この今回の小学校からの英語の必修化の問題こそ、私は日本を滅ぼしかねない極めて重要な問題だというふうに受けとめております。そういった意味では、この文部科学省の動きに対して、やはりしっかりと反対の立場から文部科学省に物申していくべきだというふうに思いますけれども、この点について当局の見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。  それからあわせて、国語教育の立て直しについて伺っていきたいと思います。  冒頭にも申し上げましたように、藤原さんは、「祖国とは国語」という本も書いておられまして、この「祖国とは国語」という言葉は、もともとフランスのシオランという人の言葉だそうです。藤原さんは、この言葉を紹介しながら、次のように述べられております。現在日本に起きているさまざまな社会問題を根本的に解決するためには、日本人特有の情緒や形を再生する必要があり、それには教育の改善が必要で、すべての知的活動の基礎となる国語教育の立て直しこそ教育改善の本質中の本質と指摘ししております。そして、とりわけ小学校における国語教育の量的拡大、質的改善が不可欠だと指摘しておられます。  私は、こうした指摘に共感する立場で、以下、質問させていただきますが、まず国語教育の量的拡大という点についてですが、この問題については、授業時間数の拡大という点でいえば、先ほど申し上げましたように、拡大というよりも、むしろ削減をされてきているわけです。現状の中でこの量的拡大を図っていこうと思うと、生活の時間やあるいは総合学習の時間をある程度割いてでも、国語教育に充てていって、そして授業時間数の量的拡大を図っていかなければいけないというふうに思っております。この点について、当局の見解をお聞かせいただきたいと思います。  また、犬山市は国語の副教本をつくっています。私もこれ見させていただきまして、古典や犬山の郷土の歴史なんかも書かれてあって、読みを中心とした副教本で、非常にいい副教本だなというふうに思います。しかし、これを活用するためにも、やっぱり授業時間数を確保していくということは必要だと思うんです。ですから、そういった意味合いも含めて量的拡大ということについて見解をお聞かせいただきたいと思います。  それから、国語教育の質的改善という点についてです。  国語力には、大きく分けて、読む・書く・話す・聞く、この四つの力があると思います。この中で最も重要なのは読む力だと思います。話すとか聞くということは、読む力さえきちっと備わってくればおのずとついてくるものだというふうに思います。国語教育を考える上では、やはりこの読む力をどう養っていくのかということに力点を置いていくべきだというふうに思います。しかし、現実的な話でお配りした資料にもあるように、小学校での国語教育における重点目標は低学年、中学年、高学年と、どちらかというと話すこと、聞くことにウエイトがあるような、そんな傾向が見てとれます。もちろん、これだけじゃないと思うんで、現場ではそれなりのことはやっておられるということは、もちろんわかっていますけれども、しかし、きちっと教育の目標として、読む力を位置づけをしていくということは、私は質的改善を図っていく上で大事なことだというふうに思っています。読む力を養っていくためには、漢字や、あるいは熟語や、そういった言葉の語彙力をしっかりと高めていく、語彙力を高めていくからこそ読書力がついてくる、そういった意味では、この語彙力をきちっと学ばせていくということはセットになってくると思います。ですから、そういった点に力点を置いた国語教育の質的改善を図っていくべきだというふうに思いますが、当局の見解をお聞かせいただきたいと思います。  以上の点、お願いします。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  長谷川学校教育部長。   〔学校教育部長 長谷川君登壇〕 ○学校教育部長(長谷川隆司君) お答えさせていただきます。  幾つかのご質問がありましたので、ちょっと整理しながら答弁させていただきたいと思います。  まず、国語教育についてその土台をしっかりとしなくてはいけないというようなお話、それから日本人としての情緒を備えた人物、こういった人づくりをしていくのが大切だということ、まさに本当にそのとおりで同感でございます。国語教育というのは、本当にすべての教科の中の土台ということで、やはり自分の国の言語を大切にしないとその国は滅ぶということでありますので、おっしゃるとおりでございます。  まず、英語教育とそれからコンピューター教育についてのことから答弁をさせていただきます。  現在の犬山市の小学校では、10小学校に2名のNETが派遣されております。総合的な学習の時間などを利用して、1学級、平均しますと大体10時間程度、英会話を中心に学習をしております。これは、必修ということではなくて、学校の裁量で実施をしております。学校の裁量でございます。外国人の方に対して物おじせずに、簡単な英語でコミュニケーションを図ろうとする態度の育成、これを目指したり、言語に対する理解を深め、英語になれ親しむということでのねらいで実施しているものでございます。  それからコンピューター教育でございますけども、これは10小学校に2名の情報教育アドバイザーを派遣しております。これも英語と同じように総合的な学習の時間を利用して、1学級、これも大体平均しますと8時間程度、必修としてではなくて、学校の裁量ということで、基礎的なコンピューターリテラシーの習得、それからコンピューター活用能力の育成に向けてということで学習をしております。こういった国際化、それから情報化の現代社会においては、小学校の段階で異文化に触れる、あるいは簡単な英語で外国の人とコミュニケーションをとったりだとか、あるいは基礎的なコンピューターの操作ができるということ、これも小学校段階で柔軟な思考の段階で学習していくということは大切なことであり、また資質・能力の育成ということで必要なことというふうに考えております。しかし、こういったことの必修化ということについては、小学校の段階で本当に英語教育やコンピューター教育を必修として学ばせる必要があるかどうかということ、現在の枠組みの中、教科の学習、教科領域と言ってますけども、それから道徳、特別活動、総合的な学習の時間のどの領域に位置づけるのか、それから指導する時間を生み出すために、何の時間をどの程度削減するか、こういったことについては十分な議論が必要というふうに考えております。  お配りいただいた、この資料の中にも、学校5日制が始まって、教科の時間数が随分と削減されております。そういった意味からも、国語の時間数も減ってきております。どの教科も、それぞれ時間があればというところでありますので、非常にもっともっと十分な議論が必要というふうに考えます。  先ほど申しましたように、国語の力はすべての教科の学習の基礎となるものでございます。特に、国語において物を考えるということ、思考力、判断力、それから表現力、そしてさらに感性を磨くということにも国語力の育成というものはその土台となるものでございます。読む・書く・聞く・話す、議員ご指摘のように、まさに非常に大切なところでございます。すべての教科の中で国語教育というものを学ばせていくという、そういう視点が、こういった授業時間数が削減された中では大切なことではないかということを思います。  先ほど、国語教育の時間数が削減されているが、その量的な拡大についてはどうかというご質問でございましたけども、これにつきましては、今ある授業時間数の中で国語は、国語の時間だけではなくて、社会科の中における国語教育、算数の中における国語教育、理科の中における国語教育、それぞれやはり国語をつける力というのは、それぞれの教科の中で考えられることも、そういう指導もございます。そういった点からまたやっていきたいと思いますし、それから副教本でございますけども、副教本は、犬山市の場合は二学期制を取り入れるということで、各学校、平均40時間程度授業時間数をふやすということで、国語の場合につきましては、基本的には10時間副教本の時間を確保して取り組んでおります。  それから、読む・聞く・書く・話すという、これが重要なことで、特に読むということが大事だという質問がございました。読解力が非常に大事だということのご指摘だと思いますけれども、これも議員おっしゃるとおり、学習指導要領が改訂されまして、伝え合う力というのが非常に重要だということで、これは国際社会を生きていくこれからの日本人を育てるのに、自分の考えをきちっと表現することができる、コミュニケーション能力を図ることが大事だということで改訂されたものですけれども、その反省といたしまして、犬山市では、副教本の中に物語文だとか、あるいは説明文だとか、そういった読み取る教材をたくさん、その反省のもとに入れております。こういったところもこれからの副教本の効果的な活用ということも十分考えて進めていきたいというふうに思います。  それから、実は犬山西小学校ですけれども、平成17年度、平成18年度と、これは文部科学省の国語力向上モデル事業という研究に取り組んでおります。内容としましては、今ご指摘のありましたように、読解力、それから表現力、コミュニケーション能力の向上を図るべく、取り組んでおります。  あわせて、犬山西小学校は、先ほど10時間程度ということを言いましたけども、実は犬山西小学校は学校の裁量で、英語の活動を週1時間、1年生から6年生まで、年間35時間という基本的なところで英語活動に取り組んでおります。そういったことも含めまして、犬山西小学校の取り組みというものの成果を市内の小・中学校に研究の進むべき方向性というものを見詰めながら、さらにその成果を広げていきたいというふうに考えております。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) 英語教育について、とても大事な議論だと思いますので、ちょっと私の考えておりますことを申し上げさせていただきます。  私、ご承知のように中央教育審議会の臨時委員になってますけれども、ここで今のおっしゃる議論はかなり激しくやっています。むしろ国語に力を入れるべきだと、英語なんか小学校から教える必要ないというのはね、少数派です。大勢はもう英語教えないと国際社会で生きていけないというのがもう大勢です。私は、そういう中央教育審議会の議論を聞いてますと、小学校へ英語教育がおりてくる、英語教育の流れはとめられないなという気がしています。  そこで、学習指導要領なんかにカリキュラムとして、小学校に英語教育が入ってくると、これはやっぱりやらざるを得ないなという気がいたします。私個人がどう思おうと、思うまいと、これは制度として入ってくるなという気がします。  これをどう考えていくかというのは、非常に難しい問題です。ただ、私はやっぱり国語は絶対的に大事にすべきだという論者ですので、そういう制度ができても、国語教育は徹底的にやりたいと思っています。そういうことです。 ○議長(大脇伸孔君) 山田議員。 ○12番(山田拓郎君) 部長と、それから市長さんと、それぞれ答弁がありました。何かすっきりしないというものがあるんですけども、まず、部長がいろいろとお話しをいただきました英語教育、国語教育、それぞれ。英語になれ親しむということをおっしゃられましたけれども、僕は今回の文部科学省のいろんな議論もそうですけども、週1時間程度の英語をやって、それが、じゃあどれだけの英語力に結びついていくのかということなんです。そういった余分な力を使うよりも、しっかりとそこを本来身につけるべき基礎・基本に力を向けていく、特に小学校においてはということで申し上げております。ですから、それが「二兎を追う者は一兎を得ず」になってしまわないか、かえってそれが私たちの日本人としての心、アイデンティティーを衰退させていくんじゃないか、私は国際化や情報化の社会に対応していくことを焦ることよりも、日本人としてのアイデンティティーを食いとめていくことの方が私は重大だというふうに思っています。  それから、部長の答弁の中に、どの教科ももっと時間が欲しいとおっしゃられましたが、基本的には、さっき授業時間数が削減されてきたと申し上げました、総合学習の時間、あるいは週5日制、そういったものの影響であるわけですが、どの教科も同じと扱っちゃいかんと思うんですね。藤原さんは「祖国とは国語」という著書の中では、一に国語、二に国語、三、四がなくて、五に算数と、こういうことをおっしゃられております。これは特に小学校においてということですが、ですから、どの教科も同じように扱っちゃいかんと思うんですね。それから、国語は理科や算数や社会でも、そういうことを養っていくんだと、国語の話をすると、すぐそういう議論が出てくるんですね。だったら、国語をやらんでも、日本人の中にほかり込んどけば、それで自然に覚えていくがやいうのと、私は似たような発想に受け取れるわけです。そうじゃなくて、きちっとした日本の文学とか、いろんな古典、古典文学ですね、それから情緒や形を養っていくというのは、そういったところから養われていくというふうに思うんです。市長、今回の一般質問の、東海議員の質問のときに小林一茶の句を引き合いに出されましたね、ああいったことをやっぱり我々が体で感じて、うんと、何かこうしみじみとした思いに浸るというか、まさにそれが情緒だと思うんです。藤原さんいわく、物の哀れ、懐かしさ、そういった思いがひいてはそういった、さっき言った倫理観だとか、社会の秩序に結びついていく、まさにその一番の原点になるのが国語教育だというふうに思うんです。ですから、ほかの科目と同じように扱うのは、私はいかがなものかなと。  もう一つ、これは市長さんご答弁になられました、中央教育審議会の中では、少数派だと、私もそういうのはよく理解してまして、実は世論調査を見ると、新聞各社、また文部科学省の世論調査を見ると、7割以上の人が小学校での英語教育賛成だと言っとるんです。私は、世論がいかにそうであれ、そうじゃないもっと大事なことを私たちは、特に公教育という部分では見ていかなきゃいけないという、そういう世論に迎合するということではなくて、そういったところを見ていかなきゃいけないということを申し上げたいわけで、さらにおもしろいデータは、じゃあ、英語がしゃべれるようになったら何がしたいか、何のために英語を学ばせたいか、こういう世論調査もあって、その上位に位置するのは、海外旅行に行ったときに英語がしゃべれるからとか、あるいは外国人に道を聞かれたら応対できる、そういうものが上位に来てるわけです。ですから、国際化ということを完全に私は履き違えているというふうに思うんです。最初の質問のときに、国際社会や情報社会の中で真の評価を得る人間というのはどういうことかというのは、それは単に英語やコンピューターができるという、その技術じゃないんです。それはあくまでも技術なんです。そうじゃなくて、我々人間の中身、教養、そういった日本人らしい情緒、そういったものを持った人間だからこそ、情報社会や国際社会の中で本当の評価を得る人間になっていくと思うんです。そこを私は教育者が間違っちゃいかんというふうに思うんです。ですから、そういった点を含めて、私が先ほど指摘した、そして今いろいろと申し上げた点について、もう一度見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  長谷川学校教育部長。   〔学校教育部長 長谷川君登壇〕 ○学校教育部長(長谷川隆司君) お答えさせていただきます。  世論に迎合するだとか、決してそういうことではございません。犬山市の教育は現場主体ということで、常に国がいろんな学習指導要領の改訂等を出してくる中で、主体的に、前向きにとらえて、子どもの実態に合った教育をということで進めてきております。国語の副教本のことが話題になりましたけども、この国語の副教本をつくるに当たって、まさに日本人としての心という面、そういったところを陶冶するにはどういう教材がふさわしいかということで、特に今、現状の子どもたちが乱れた言葉遣いに左右されることがあると、そのようなところから正しい日本語、美しい日本語、さらには日本の古典というもの、七五調のリズムを初め、古来からの我々がDNAとして受け継いでいる、そういう日本の文化の伝統、そういったものに触れさせるために、古典の教材がかなり減りました。そういう状況の中で、あえて小学校の中に、枕草子とか、清少納言等の作品を含めて持ってきましたし、それから先ほども言いましたけども、人としての生き方ですね、生きざま、こういったことも子どもたちに考えさせようということで、物語文が減りましたけども、例えばユダヤ人を救った杉原千畝氏の話だとか、ヘレンケラーの話だとか、そういった教材を通して、子どもたちに生きることを犬山の子どもたちに考えさせようだとか、さらにはふるさとの民話、犬山に伝わる民話、さらには、伝え合う力を育成するために青塚古墳の教材だとか、犬山祭の教材とか、そういったものを書きおろしという作品で書いていただきました。そういったところから、やはり子どもたちの精神的な面というのは、単に教科書をやるということではなくて、随分培われる面が、心が養われる面があるんではないかということで、こういった教材に取り組み、そして日々授業改善に取り組んでいるということでございます。  授業時間数のことにつきまして、先ほども二学期制で40時間程度、それぞれ犬山市の場合は授業時間数を組んだということ、これも画期的なことでありますけれども、現実、国語に10時間、算数に10時間、理科に10時間というようなことで、あとは学校の裁量にということで割り振っておりますけれども、本当にぎりぎりのところで授業時間数ということはやっております。その中で、国語の授業時間数というのは、先ほどの配られた表にもありますように、一番多い時間数ということになっております。やはり、いろんな教科の先生方に聞きますと、それぞれの教科がやっぱりもっとあればいいというところが本音でございます。ですから、国語だけというわけにはなかなかいかないところがありますから、先ほど、いろんな教科の中で、それぞれの教科の中での国語教育はどうあるべきかということ、そこのところをさらにやっぱり研究していくことが必要ではないかなということを思います。決して、何かに迎合していくということではございません。
    ○議長(大脇伸孔君) 石田市長。   〔市長 石田君登壇〕 ○市長(石田芳弘君) まず、山田議員のような若い世代がそういうことを強烈に主張していただけるのはとてもありがたいことだと思っています。国語をとにかく大事にする。私も、教育長は答えてませんが、教育長も絶対国語派です。国語をやらないかんという個人的な見解を持っています。  私は時々、犬山の教育方針を、前、東大の総長をやって文部大臣やられた有馬先生に時々聞きに行くんです。チェックしにね。有馬先生は、最近、1カ月ぐらい前に会いましたけども、有馬先生は英語を教える派です。なぜかというと、ずっと聞いてましたけど、何か北欧の方に学会に行ったと、フィンランドやスウェーデン、みんなむちゃくちゃ英語がうまいと、母国語のように英語を話すと、それはやっぱり子どものときから徹底的にやっているから。それで、有馬先生の説によりますと、英語をやれば、母国語もまた伸びると、こういう説ですね。それも聞いててね、うん、なるほどなという気もしないわけでもなかった。そういう人がそういう派なんです。  それで、私の分析ですが、英語を子どものときからやらせるべきだという、学者ですよ、学者はエリート教育です、これは。私はね、犬山市の義務教育はエリート教育をやっちゃいけないと思っています。やっぱり、一番コンセプトは落ちこぼれをなくすということなんです、これは。犬山市の今目指しているのは。私は犬山市は子ども、落ちこぼれの一人もない、それから高齢者の寝たきり一人もない、こういうまちをつくりたいわけですが、英語をもう一変繰り返しますが、子どもからやれというのはエリート教育です。そういうことです。私どもの考え方とは対極にあるところです。  それから、今、長谷川部長が授業日数が足らん、足らんと言ってますけど、世界一の子どもたちの学力のあるフィンランドは日本よりはるかに授業時間数は少ないんですよ。だから、授業時間数をふやせば学力がつくというものではありません。それは内容です。教え方です。子どもの持っておるものをどうやって引っ張り出すかという教える技術と授業の内容によって、必ずレベルは上がりますからね、単なる数字の時間数で学力が上がるものではないというふうに思っています。 ○議長(大脇伸孔君) 山田議員。 ○12番(山田拓郎君) いろいろと議論したいんですが、もう1点ありますので、ぜひ今回、私が指摘させていただいた点、受けとめていただいて、また今後の教育改革に生かしていただきたいというふうに思います。  また、市長さんには、エリート教育はなじまないというようなお話がありました。私、冒頭に百姓と言いましたけども、藩校教育よりも寺子屋教育かなと、そんなような印象で受けとめましたが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  最後に、人格の完成についてということでお伺いをいたします。  人間の人格っていうのは、私は死ぬまで完成することはないというふうに思っていますが、しかし、教育基本法の理念にのっとって、あえて犬山市が、この学びの学校づくりの中で、人格の完成ということを目標に掲げられたということは、私はすばらしいことだというふうに思っています。  ただ、この人格の完成を目指すに当たって、その人格形成の重要な要素として、この学びの学校づくりの中では、みずから学ぶ力というふうに定義されているわけです。もちろん、みずから学ぶ力も人格を形成する要素の一つだというふうには思っています。思っていますが、しかし、私はそれだけではまだ不十分だというふうに思います。これは先ほどの住野議員の質問にも、多少絡むところもあるわけですけれども、やはり人格を形成していくのは、みずから学ぶ力以上に、やはり私たち日本人が古くから大事にしてきた倫理観や正義感、あるいは自然観、そういった価値観であると。藤原さんの言葉をかりて言えば、日本人特有の情緒と形であるというふうに思います。  先ほど、市長さん、徳育を進めていくにはやっぱり倫理、宗教観がないとだめだということをおっしゃられました。それで、戒律ということをおっしゃられたと思うんですが、日本の古くからの価値観というのは、むしろそういう戒律に縛られるんではなくて、みずからの良心に照らし合わせながら、みずからの行動を律してきた、そういう価値観を持ってきた民族だと思うんです。それに対して欧米は一神教ですから、神の戒律があって、その教えに基づいて自分自身が縛られ、そして行動を律してきた、そういう思考回路だと思うんです。日本はそうじゃないんです。だから、私は世界に誇るべきすばらしい価値観だというふうに申し上げたわけですが、ぜひこの人格を形成していくに当たって、そういった表現が、どういう表現がいいかわかりませんが、情緒や形の再生ということを私はこの人格の形成という部分につけ加えていくべきだというふうに思います。そういったことによって、いろんな個々の教育施策に結びついていくと思います。この人格の完成というのは、まさにこの学びの学校づくりの一番の柱、背骨の部分ですから、私は非常に理念的な意味で大事な部分だと思いますから、ぜひそういった価値観の再生ですね、日本古来の価値観の再生ということをこの定義の中に加えていくべきだと思いますが、当局のお考えをお聞かせください。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  長谷川学校教育部長。   〔学校教育部長 長谷川君登壇〕 ○学校教育部長(長谷川隆司君) 人格の完成・形成ということについてお答えさせていただきます。  先ほど、議員お話がありましたように、学びの学校づくりということで、犬山の教育の重要施策、これ毎年教育委員会、校長会とも協議をし、学びの学校づくりを犬山の学校教育の指針ということで作成しております。それをもとに、各小・中学校が具体的にそれぞれの学校の学びの学校づくりを作成し、事業実践をしていくということでございます。  犬山では、その人格の完成を目指すということで、みずから学ぶ力を獲得させるということを目標としております。このみずから学ぶ力ということですけども、この定義づけでございますけども、これは基礎的な学力を身につけ、家族や友達を大切にし、地域を支え、自分の人生を大切にするとともに、生涯にわたってみずから学び続けようとする資質や能力と、こういうふうに定義づけております。  このみずから学び力の定義の中には認知面と情意面、情意面の方も含めて、両面含んでおりまして、今ご指摘がありました情緒、それから形、あわせて国語力、こういったことも含めて豊かな心、それから基礎的な学力、確かな学力、それから、さらには健やかな体ということもありますけども、そういったものに支えられた生きる力、これを総称的にみずから学ぶ力と表現したものでございます。  犬山の子どもたちに獲得させたい学力は何かと、そしてそれをどのような方法で身につけさせ、どのように評価、指導していくかと、教職員に周知徹底を図って、犬山市の将来を背負って立つ子どもたちの育成に、このみずから学ぶ力を中核として子どもたちがはぐくんでいくことをもとに精進してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(大脇伸孔君) 山田議員。 ○12番(山田拓郎君) なかなか私の質問に対して、教育長もご答弁いただく機会が少ないもんですから、全般にわたって、見解を伺いたいと思います。ご答弁いただきたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 答弁を求めます。  瀬見井教育長。   〔教育長 瀬見井君登壇〕 ○教育長(瀬見井久君) 最初の方の質問で、文部科学省の方に対して物を言う気はないかと、こういうご質問がございました。いっぱいございまして、何もこの件だけじゃないんです。例えば、教育基本法の改正から始まって、教職員の待遇問題から、さらに教育課程をなぶってますよね。それから、教育委員会の統廃合の話で、場合によっては、教育委員会を廃止するところが出てもいいと、特区でね、そういうことを認めようとか、そういう一連の議論があるんです。これは甚だ、僕はもってのほかの議論だと思っています。教育本来の義務教育のあり方を考えた場合は、これはまことにゆゆしい話だと思っていまして、たまたま議員が指摘された問題は、その中の一部なんですよね。ですから、言いたいことはいっぱいあるんでして、どこかでこの話は、やはり国に物を申していくような場面が生じてくるだろうと思っています。  それは、どういうことかと申しますと、先ほど来、再三答弁で答えていますように、犬山市の今までの教育改革の取り組みというのは、実は義務教育の本来のあり方というものは何かということを絶えず念頭に置きながら、そのあり方を追求しているという改革の方向づけをしとるわけでして、そうすると、本来の義務教育のあり方というのはもともとこうじゃないでしょうかという話は、先ほどの個々の問題を一つにまとめてトータルで国にやはり物申すような機会が、どこかで僕はあってもいいかと思っています。議員が言われるような、まさにそういうことなんです。  それから、人格の話に関係して、私、教育基本法の人格という意味と、今回犬山市で使っております教育目標につけた人格というのは、趣旨、全く同一意義でして、ということは、どういうことかといいますと、教育基本法というのは、あそこの中で人格という言葉を終戦直後で使ったということを今犬山市で使っているということは、これは実は恐らく、教育目標の中で、市町村で人格という表現を、あそこで麗々しく使った例はないと思うんです。これはどういうことかといいますと、非常に、使う方が、実は謙虚さからいうと、謙虚のない厚かましい使い方だと言われても仕方がないような言葉なんです。人格という言葉はね。それを犬山市の教育目標の中で堂々と使っているということは、これは多少、はったりかもしれませんけれども、犬山の、これまでずっと取り組んできた真率な教育改革に対する取り組みを一つの成果だと、そういう自信の裏づけであると、こういうふうにちょっと理解していただくといいんです。ですから、その人格の解釈をめぐっての、いろんな問題は、まだ詰めてあればあるほど、いろいろございます。ございますけれど、まずご理解いただきたいのは、今の時点で、あえて一市町村教育委員会が教育目標に人格という言葉を使ったということの意義、これだけはひとつご了解をいただきたいと思います。 ○議長(大脇伸孔君) 山田議員。 ○12番(山田拓郎君) 先ほどの部長の答弁、人格に関する部分、それから今ご答弁あった点、まだまだこの人格ということは、死ぬまで完成しないと、私申し上げましたが、本当に奥の深い問題で、十人十色、いろんな議論があって当然だと思います。ですから、きょう私が申し上げた点も十分含めて、私ぜひ定義につけ加えるべきだということを申し上げましたが、それに対しての明確な回答ではなかったと思いますが、答弁いいですから、ぜひ受けとめていただきたいというふうに思います。  私もいつもこうして質問しますと、質問終わった後に、生意気なことを言い過ぎたかなと複雑な思いになるときがありますが、私自身、まだまだ若輩者で人格を語るに足らない、私も人物だと思っています。住野議員は山中鹿之助の例を出されました。山中鹿之助は、「我に七難八苦を与え給え」と、こういうことを言っております。私もまだまだ若輩ですから、いろんな苦労の中で、いろんな経験をして、自分自身、人格を養っていきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○議長(大脇伸孔君) 12番 山田議員の質問は終わりました。  以上で通告による一般質問は全部終了いたしました。明14日午前10時から本会議を再開いたしまして、議案に対する質疑を行います。            ******************** ○議長(大脇伸孔君) 本日は、これをもって散会いたします。                 午後2時50分 散会...