安城市議会 > 2021-03-04 >
03月04日-02号

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  1. 安城市議会 2021-03-04
    03月04日-02号


    取得元: 安城市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-11
    令和 3年  3月 定例会(第1回)            令和3年第1回          安城市議会定例会会議録               (3月4日)◯令和3年3月4日午前9時45分開議◯議事日程第3号 日程第1 会議録署名議員の指名 日程第2 代表質問       安城創生会       25番 二村 守議員          1 令和3年度当初予算について           (1)当初予算額について           (2)歳入全般について           (3)歳出全般について           (4)財政調整基金の考え方と今後の行財政運営の基本方針について          2 健幸都市とSDGsについて           (1)推進体制について           (2)今後の事業展開について           (3)2050年カーボンニュートラルについて          3 行政改革について           (1)第7次行政改革大綱について           (2)新たな外部評価について           (3)押印の見直しについて          4 市制施行70周年記念事業について          5 新型コロナウイルスワクチン接種について           (1)市の役割について           (2)スケジュールについて           (3)市の体制について          6 街頭防犯カメラについて           (1)市が設置するカメラについて           (2)町内会が設置するカメラについて           (3)商店街振興組合が設置するカメラについて          7 GIGAスクール構想等について          8 上下水道事業の経営について           (1)水道事業について           (2)下水道事業について       みらいの風       21番 辻山秀文議員          1 施政方針について           (1)令和3年度予算編成について           (2)次世代型行政サービスの推進について           (3)品質マネジメントシステムについて          2 第8次総合計画(後期計画)について           (1)重点戦略「健幸都市推進プロジェクト」について           (2)新たな工業用地の確保について           (3)SDGs(持続可能な開発目標)について          3 学校教育について           (1)令和3年度に向けた取組について           (2)小中学校のSDGsの取組について          4 子育て支援について           (1)不育症患者への支援拡充について           (2)結婚新生活支援事業について          5 防災対策について           (1)上下水道施設の耐震化について           (2)発災時における水道の供給について           (3)発災時における公共下水道の対応について           (4)大規模災害時を想定した職員の育成について          6 新型コロナウイルス対策について           (1)予防接種の接種体制について           (2)安城プレミアム商品券の発行について           (3)子育て世帯への商品券の配布について           (4)大学生等緊急奨学支援金について           (5)児童扶養手当受給対象者特別給付金について          7 安全・安心なまちづくりについて           (1)空き家対策について           (2)犯罪被害者支援について           (3)町内会について       公明党安城市議団       22番 今原康徳議員          1 新型コロナウイルスワクチン接種について           (1)予約方法について           (2)集団接種について           (3)施設入所者等について          2 農業文化都市について           (1)市の農業について           (2)営農支援について           (3)農業研究施設の誘致について           (4)他自治体との連携について          3 働き方改革について           (1)自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)について          4 まちづくりについて           (1)2050年カーボンニュートラルについて          5 教育政策について           (1)屋内運動場について          6 防災・減災について           (1)地区防災計画について◯会議に付した事件 日程第1から日程第2まで◯出席議員は、次のとおりである。      1番  大屋明仁      2番  石川郁子      3番  神谷和明      4番  白谷隆子      5番  塚原信一      6番  森下祥子      7番  寺沢正嗣      8番  沓名喜代治      9番  松本佳栄     10番  石川博英     11番  守口晶治     12番  稲垣退三     13番  宗 文代     14番  法福洋子     15番  石川博雄     16番  深津 修     17番  杉山 朗     18番  鈴木 浩     19番  石川 翼     20番  白山松美     21番  辻山秀文     22番  今原康徳     23番  松尾学樹     24番  近藤之雄     25番  二村 守     26番  野場慶徳     27番  神谷清隆     28番  永田敦史◯欠席議員は、次のとおりである。        なし◯説明のため出席した者の職・氏名は次のとおりである。  市長         神谷 学    副市長        三星元人  企画部長       武智 仁    総務部長       神谷澄男  市民生活部長     杉浦章介    福祉部長       原田淳一郎  子育て健康部長    小笠原浩一   産業環境部長     岩瀬康二  建設部長       神谷浩平    都市整備部長     宮地正史  上下水道部長     市川公清    議会事務局長     野畑 伸  行革・政策監     横山真澄    総務部次長      加藤浩明  危機管理監      杉浦健文    福祉部次長      永井教彦  子育て健康部次長   岩瀬由紀子   産業環境部次長    小栗滋昭  都市整備部次長    水野正二郎   都市整備監      伊藤寿彦  会計管理者      林 武宏    秘書課長       澤田一樹  人事課長       近藤俊也    企画政策課長     仲道雄介  経営情報課長     久野正史    行政課長       深谷英衛  財政課長       神谷 徹    契約検査課長     神谷 孝  市民税課長      邨澤英夫    資産税課長      久野晃広  納税課長       大見徹也    議事課長       河合英明  市民協働課長     原田浩至    市民安全課長     鈴木栄一  市民課長       早水直美    アンフォーレ課長   横手憲治郎  危機管理課長     津口嘉己    市民安全課主幹    田邊光徳  社会福祉課長     小林博史    障害福祉課長     松村 誠  高齢福祉課長     大岡久芳    国保年金課長     土屋誠二  子育て支援課長    石川芳弘    子ども発達支援課長  加藤典子  保育課長       鈴木淳之    健康推進課長     大見雅康  高齢福祉課主幹    杉本 修    保育課主幹      太田芳樹  農務課長       村藤 守    商工課長       高橋宏幸  環境都市推進課長   籠瀬博敬    ごみゼロ推進課長   鶴見康宏  維持管理課長     早水義朗    土木課長       若林康成  建築課長       鈴木宜弘    施設保全課長     石川清輝  公園緑地課長     伊藤洋一    南明治整備課長    早川一徳  区画整理課長     香村正志    下水道課長      稲垣英樹  水道業務課長     鈴木貴博    水道工務課長     竹内 剛  農務課             大岡広幸    商工課主幹      外山賢一  土地改良事業室長                     水道工務課  下水道課主幹     新村 誠               山本泰弘                     浄水管理事務所長  教育長        杉山春記    教育振興部長     早川智光  生涯学習部長     宮川 守    総務課長       長谷部朋也  学校教育課長     稲留雄一    生涯学習課長     原田敬章  スポーツ課長     名倉建志    文化振興課長     近藤一博  選挙管理委員会参与  神谷澄男    選挙管理委員会副参与 加藤浩明  選挙管理委員会書記長 深谷英衛  監査委員事務局長   加藤 勉  農業委員会事務局長  岩瀬康二    農業委員会事務局次長 小栗滋昭  農業委員会事務局課長 村藤 守◯職務のため出席した事務局職員の職・氏名は次のとおりである。  議会事務局長     野畑 伸    議事課長       河合英明  庶務係長       廣瀬直子    議事係長       長谷部剛志  議事係主査      各務綾子    議事係主事      沼田知恵  議事係主事      都築甚矢◯会議の次第は、次のとおりである。 ○議長(大屋明仁)  おはようございます。ただいまの出席議員は定足数に達しています。 ただいまから休会中の本会議を再開します。     (開会 午前9時45分) ○議長(大屋明仁)  本日の議事日程は、第3号でお手元に配付のとおりです。 これより本日の会議を開きます。 なお、新型コロナウイルス感染症対策として、約30分に1度休憩し、換気を行いますので、御了承ください。     (開議 午前9時45分) ○議長(大屋明仁)  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、2番 石川郁子議員及び16番 深津 修議員を指名します。 次に、日程第2、代表質問を行います。 代表質問は、既に御通告をいただいておりますので、御登壇の上、意見を述べていただき、質問は質問席からお願いします。また、質問、答弁とも簡明にしていただき、進行を図りたいと思いますので、御了承の上、御協力願います。 ただいまから代表質問に入ります。 初めに、安城創生会、25番 二村 守議員の質問を許します。     (登壇)(拍手) ◆25番(二村守)  皆さん、おはようございます。安城創生会会長の二村です。 平成31年3月の代表質問以来、今期初めての質問席となりますので、いささか緊張をしております。精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いしたいと思います。 ただいま議長のお許しをいただきましたので、質問席から順次本題に入っていきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。     (降壇) ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  早速入らせていただきます。 1、令和3年度当初予算について。 (1)当初予算額について、質問いたします。 今般のコロナ禍の影響により、令和3年度の当初予算編成作業は、想像を越える厳しいものであったと想像します。予算編成は、仕事上、当然のこととは言え、市長を始め、職員の皆さんの御苦労にまずは感謝と敬意を表します。その上でお伺いしますが、今回の当初予算額の規模と概要についてお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  ただいまの質問に対し、答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  お答えいたします。 令和3年度の一般会計当初予算額は677億3,000万円としており、前年度に比べ、率にして6.1%、金額では43億7,000万円の減額としています。これは、1つには、令和2年度が名鉄新安城駅の駅舎改修事業や北部学校給食共同調理場移転建設事業などの大型事業に伴い、アンフォーレを取得した平成28年度に次ぐ過去2番目の721億円という大型予算であったことがあります。加えて、コロナ禍における厳しい財政状況を踏まえ、経営資源の選択と集中を図り、限られた財源の効果的な配分に努めた結果であります。 今回の当初予算編成は、私が市長に就任した平成15年以降では、リーマンショック時の平成21年度当初予算編成に匹敵する厳しいものとなりました。そのような中においても、まずは市民生活と地域経済を守るためのコロナ対策に注力することを最優先としながら、予算編成方針に掲げたスローガン、新たな生活様式、働き方改革に対応する未来への投資の実現に向け、SDGs関連の公民連携事業や未来への投資につながる施策についてもバランスよく計上することができたと考えております。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  前年度に比べ43億7,000万円の減額となることが分かりました。そのような中、一方で未来への投資も予算の中に組み込んだということで、やりくりに苦労されたのではないかと推察いたします。 次に、(2)歳入全般について。 令和2年度に実施した大型事業が一段落したことが大きな減要因ですが、コロナ禍による市税の大幅な減収も予算減額の要因ではないかと考えます。令和3年度の予算を編成するに当たり、市税をどのように見込んだのかについてお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。総務部長。 ◎総務部長(神谷澄男)  市税の見込みについて、お答えします。 まず、個人市民税及び法人市民税では、令和2年度においていずれも想定したほどの落ち込みは見られませんでしたが、景気回復の先行きが依然不透明であるため、令和3年度当初予算では、個人市民税で給与所得の減少を見込み、リーマンショック時と同程度の13%、額にして18億円の減収となる121億円を計上しております。法人市民税では、企業の業績悪化などにより63%、額にして13億円余の減収となる7億円余としています。 一方、固定資産税については、いずれもコロナ禍に伴う令和3年度限りの措置として、課税標準額が上昇する土地について令和2年度と同額に据え置く特別措置が講じられることや、家屋及び償却資産については中小事業者等への軽減措置が実施される影響から、全体で約5億円の減収を見込んでおります。結果として、市税全体では、前年度比9.3%、約36億円の大幅な減収となる350億円余としています。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  大変厳しい税収見込みをしていることが分かりました。令和2年度の9月補正予算では、コロナ禍を踏まえ、早々と法人市民税を6億円減額とする補正を行われました。今回の3月補正予算において、その法人市民税を5億5,000万円に戻す補正予算を上程され、おおむね令和2年度当初予算の水準まで戻すことができることに胸をなで下ろしているところです。しかしながら、感染拡大の波を繰り返すコロナ禍の経済への影響は、引き続き大きく、予断を許さない状況にあります。令和3年度の市税収入について、リーマンショック時を踏まえた厳しい見積りとするのは致しかたないかなと考えております。 そこで再質問ですが、市税収入の減収を補うため、基金からの繰入金や市債をどのぐらいの規模としたのかを始め、市税を除く歳入全般についての特徴をお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。総務部長。 ◎総務部長(神谷澄男)  再質問にお答えします。 普通交付税不交付団体である本市においては、かつては可能であった臨時財政対策債の発行は、現在認められておりません。したがいまして、市税の減収を補う手段としては財政調整基金から繰り入れるほかなく、今回の当初予算では、これまでで最大となる30億円の取崩しを行っております。一方、市債につきましては、世代間の負担の公平性と資金調達の両面から受益が後年度に及ぶ普通建設事業費などの適債事業について借入れを行うものであり、地方自治体にあっては、国の赤字国債に類するような財源不足を補うための赤字地方債を発行することはできません。したがいまして、北部学校給食共同調理場移転建設事業を始めとした大型事業に伴い40億円余の借入れを計上した令和2年度に対し、令和3年度は、24億円余の大幅減となる16億円の借入れとしております。これは、大型公共施設の改修事業の完了や桜井地区及び南明治第一地区の土地区画整理事業が終結に向かい、徐々に事業費が縮小していることなどによるものでございます。 そのほか、コロナ禍に伴うものとして、固定資産税の減収分を補填する国の特別交付金5億円余や新型コロナウイルスワクチン接種に係る国庫支出金10億円余を計上し、加えて、新たな財源確保として、こども未来事業団の運営開始に伴う国・県支出金8億円などを計上しております。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  財政調整基金からの繰入れが過去最高となる30億円になったことや、財源が大変厳しい中、財政調整基金からの繰入れに頼るだけでなく、新たな財源の獲得にも努めていることが分かりました。 では、次に(3)歳出全般について。 去る12月議会で、杉山 朗議員の一般質問において、令和3年度当初予算は、コロナ対策、公民連携、そして未来への投資を基本方針とし、厳しい財政状況の中でも優先度を厳選しながら予算編成を行う旨の答弁をされています。その後の予算編成において、これら重点的に取り組む施策が、最終的にそれぞれどのような形で予算計上されたのかについてお尋ねをします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。
    ◎市長(神谷学)  当初予算編成方針に掲げた重点施策の予算計上について、お答えいたします。 まず、1点目のコロナ対策では、国が主導する新型コロナウイルスワクチン接種を1人でも多くの市民の皆様に安心してお受けいただけるよう、まずは周知啓発とコールセンターによる問合せ対応を行うとともに、接種体制の安定的な確保に努めてまいります。また、行政のデジタル化の推進では、住民票などの各種証明のオンライン申請手続や母子手帳アプリの導入、RPAのさらなる推進などにスピード感を持って対応してまいります。中小企業対策の分野では、新製品開発やWEB展示場開設への支援を行うとともに、市独自のプレミアム商品券及び建設券を発行してまいります。加えて、今回は18歳までの子1人につき1万円の商品券を無償配布することで、子育て世帯への生活支援を図りながら、同時に市内商店等への消費喚起にもつなげてまいります。 学校教育の分野では、日々校内消毒作業などに従事するスクールサポートスタッフを全校に配置するほか、GIGAスクール構想に基づき1人1台のタブレット端末を全小中学校児童生徒に配布し、教育環境のICT化を進めてまいります。また、コロナ禍による家計収入の減少により修学機会が失われることがないよう、大学生などへの緊急奨学支援金も引き続き実施してまいります。これらコロナ禍対策に要する予算は、総額で25億円余、うち市単独事業費は14億円余になります。 次に、2点目の公民連携と未来への投資では、令和2年度から後期計画としてスタートした第8次総合計画で新たな位置づけを行ったSDGsの理念に基づき、将来の安城市のあるべき姿を検討するとともに、民間事業者などとも連携を図りながら、SDGsモデル事業の策定を進めます。このほか、定住人口の増加につながる魅力あふれるまちづくりと、その基盤となる安定的な財源確保を図るため、三河安城駅南地区の土地区画整理事業の組合設立認可に向けた支援のほか、三河安城駅周辺における公民連携のまちづくりを推進するため、パワーアップ再生プロジェクトとして様々な社会実験に取り組んでまいります。内外の経済情勢、金融市場などの先行きが依然として不透明であるため、まずは、足元の市民生活と地域経済をしっかり固めることを最優先し、その上で将来の都市経営基盤につながる未来への投資の種まきをできる限り進めていく、このような短期戦術と中長期戦略のバランスを重視した方針に基づき、このたびの予算編成を行ったところであります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  市長が編成方針に掲げられた基本方針であるコロナ対策、公民連携、そして未来への投資の各分野にきめ細かな予算配分がなされていることがよく分かりました。また、厳しい財政状況の中でも、私ども安城創生会から提出した4分野60項目にわたる令和3年度当初予算要望事項に対し、8割を超える部分について予算化をしていただきました。また、そのほかの項目についても、検討や研究をしていくという前向きな回答に感謝を申し上げたいと思います。 それでは、次の(4)財政調整基金の考え方と今後の行財政運営の基本方針についてお聞きします。 本市は、今年度にコロナ対策として30億円を超える取崩しを行い、市民生活と地域経済の支援を行ってきました。その結果、一時は財政調整基金の残高が7億円余となり、9月議会における特定目的基金の廃止とその財源の財政調整基金への積み直しがなければ財政運営にも支障があったものと思います。今回の3月補正予算において、新たに27億円余の積込みを行うことができるということでまずは一安心しているところでありますが、今後の先行きが不透明であることを考えれば、当初予算取崩し後の残高48億円余ではいささか不安を覚えるのも事実です。 そこで質問ですが、この厳しい状況下における財政調整基金の考え方と、併せて今後の行財政運営の基本方針についてお伺いします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  答弁いたします。 初めに財政調整基金の考え方についてですが、景気回復が見通せない状況と税収の落ち込みが数年程度続く前提での行財政運営を見据えますと、本市は地方交付税不交付団体であるがゆえに、福祉、子育て等国の政策による公共サービスの市費負担分を全額市税で補う必要があり、税収減少局面ではその使途に強い制約がかかります。したがいまして、財政調整基金の運用に当たってはこれまで以上に慎重を期すとともに、3月補正予算編成によって生じた財源のほか、決算剰余金の計画的な積立てにより、安定的で持続可能な行財政運営に心がけてまいります。 次に、今後の行財政運営の基本方針についてお答えいたします。 行財政運営の基本は、限られた財源の中で事業の選択と集中により収支均衡を図ることであり、将来に大きな負担を残さない範囲において最大限の市民サービスを提供するよう努めることであると認識しております。したがいまして、税収が戻るまでの間は、市民生活の質の低下に直結しない分野を中心に、事業の縮小、延伸や一時凍結、廃止など、緊急性と費用対効果を重視した政策判断を行っていくのはやむを得ないと考えます。 しかし、その一方で、大幅な税収減少の局面であってもなお市民生活と地域経済を守り抜くために、真に必要な施策や未来への礎を築くまちづくりなどの事業については、新しいアイデアと創造性をかなえる積極的な投資姿勢を忘れてはなりません。リーマンショックや東日本大震災後の市政運営の経験を活かしまして、ピンチをチャンスに変えるべく、時には慎重にブレーキをかけ、時には思い切ってアクセルを踏みながら、市民の皆さん並びに議員各位と力を合わせて、オール安城でこの困難を乗り切っていく覚悟でありますので、御理解、御協力をいただきますようにお願い申し上げます。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  大幅な減収の中にあっても、市民生活と地域経済を守り抜くオール安城でこの困難を乗り切る覚悟を表明していただきました。 では、次に移ります。 2、健幸都市とSDGsについて。 (1)推進体制について。 本市の第8次総合計画も折り返し地点を過ぎ、後期計画ケンサチ2.0がスタートしてから1年が経過しようとしています。この後期計画では、新たな項目として、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標SDGsの視点を全ての施策の推進に取り入れております。 今、モニター画面に、タブレットに17の目標を出していただきました。 SDGsは、健康や福祉、教育、環境、経済等17の目標をパートナーシップで達成することとしており、個別目標の大きさに違いはあるものの、第8次総合計画に基づき進めてきた施策と取り組む方向性が同じであると感じております。市としても、総合計画の推進を図ることでSDGsの目標達成が図られると説明をされています。このたび、企画政策課の課名を健幸=SDGs課に来年度から改めるとお聞きしました。課名を変えて、今後どのような体制でSDGsを進めていかれるのかをお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  本市は、第8次総合計画(後期計画)に基づき、ケンサチのまちづくりを進めることは、SDGsの目標達成に資するものと考えます。SDGsは、目指すべきゴールが普遍的なものであり、かつ目標が高いこともあり、その実現のためには、これまでの行政施策を超えた発想、手法が必要となります。また、SDGsは、経済、社会、環境の3側面を一体不可分なものと考え、総合的に目標の達成を目指すという統合性にその顕著な特徴があり、個々の施策目標だけを達成すればよいというものではありません。すなわち、市のあらゆる分野の施策、事務事業をSDGsの統合的視点で正しく捉え直すことが重要であり、従来の縦割り的な庁内組織の枠組みにとらわれない柔軟性を持った職員の意識改革を進めていく必要があります。 以上のことを踏まえまして、来年度からは、企画政策課の名称を、新たに健幸=SDGs課と改め、市としてSDGsを推進する姿勢をより明確化するとともに、副市長をSDGs推進本部長とする全庁的な取組体制を整備いたします。健幸=SDGs課がケンサチまちづくりとSDGs推進の司令塔となり、庁内各部局にSDGsの知見を備えた職員を配置し、育成を図り、全部署、全職員を挙げて、「幸せつながる健幸都市 安城」の実現に向けて、ケンサチ及びSDGsを、市として強力に推進する所存であります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  新年度からは、単に課名が変わるというだけでなく、副市長がトップとなり、全庁的な取組とするため、SDGsの趣旨に沿った職員の意識改革を図る体制を整備し、健幸都市の実現に向け各種事業を進めるとのことでした。ケンサチまちづくりとSDGsの推進に対する神谷市長の力強い意思を感じました。大いに期待するところであります。 (2)今後の事業展開について。 それでは、この新体制の下に、来年度から具体的にどのような事業展開をしていくお考えなのかをお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 SDGsを推進する具体的な取組につきましては、1つ目として、職員がSDGsを正しく理解すること。2つ目は、事業の見直しや新規施策の創出にSDGsの視点を活用すること。そして3つ目は、SDGsの普及に取り組むことを重点的に進めたいと考えています。 最初に、職員研修によりSDGsの正しい理解を促進します。今年度の若手職員を中心としたSDGsカードゲームによる研修会では多くの気づきが生まれたことから、来年度以降も引き続き研修会を開催するなどして職員の意識向上を図ります。次に、事務事業にSDGsの視点を活用することにつきましては、実施計画の策定方針や各課の重点課題にSDGs的思考を位置づけ、統合的な視点で各課の新規施策や事務事業の企画立案を促してまいります。最後に、SDGsの普及促進につきましては、今年度、2030年には、社会の中心となる若者を対象に、SDGsについて考えるきっかけとする安城市版SDGs未来会議を開催しています。来年度以降も、市民や企業を対象に、安城市版SDGs未来会議を開催するなどして普及促進に努めてまいります。 市といたしましては、ケンサチまちづくりの各分野において、SDGsの視点を広く周知、共有することで、市民、企業や団体など、様々なステークホルダーとの連携を図りながら地域課題の解決に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  SDGsは2030年の国際目標でありますが、ケンサチは第8次総合計画の2023年度が目標です。「幸せつながる健幸都市 安城」の実現に向け、SDGsを上手に活用していただきたいと思います。 ところで、本市では、いわゆる地方創生に関して、まち・ひと・しごと創生法に基づく第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を第8次総合計画(後期計画)の計画期間に合わせて策定しております。この第2期総合戦略は、総合計画の重点戦略、健幸都市推進プロジェクトに統合されていますが、SDGsと地方創生施策について、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  SDGsと地方創生の取組について、お答えいたします。 政府はSDGsを原動力とした地方創生を推進することとしており、その具体的な制度的枠組みとして、全国の自治体の中から、SDGsの達成に向け優れた取組を提案する自治体をSDGs未来都市に選定しています。SDGs未来都市に選定されると、該当事業が国の地方創生推進交付金などの交付対象となったり、様々なSDGs推進の取組に対して公民連携による地域課題解決の呼び水になったりする効果が期待できます。これまでに合計93の都市がSDGs未来都市に選定されていますが、1年度で選定されるのは30自治体ほどであり、選定された自治体も、1回の応募で認められることはなかなか難しいということもあって、大変狭き門となっております。 本市としましても、ケンサチまちづくりと地方創生SDGsを一体的、重点的に推進する方針の下、かなりハードルが高いことは承知の上で、このSDGs未来都市の選定に向けて、既に初めての応募手続を終えたところであります。 ○議長(大屋明仁)  質問の途中ですが、ここで、本会議を、換気のため10時20分まで休憩いたします。     (休憩 午前10時15分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午前10時20分) ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  簡単には選定されない狭き門を突破して、SDGs未来都市を勝ち取ってほしいと願っております。 では、次に(3)2050年カーボンニュートラルについて質問します。 SDGs未来都市への挑戦は、今後、本市がSDGsの達成に貢献し、持続可能な都市として発展していくために重要であり、すばらしいことであると思います。 さて、SDGsの17個の目標に関してですが、これらの目標には、格差解消、持続可能な消費や生産の実現、気候変動などの環境対策があり、それぞれが相互に関連しています。目標は、経済、社会、環境の3つの側面を調和させ実現を図っていくこととされています。その中の環境に関して、現在、最も注目されている話題としては、2050年カーボンニュートラルになるかと思います。昨年10月に、菅総理が、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル脱炭素社会の実現を目指すことを宣言されました。まさに、国を挙げて取り組んでいく目標となっております。 そこで質問ですが、2050年カーボンニュートラルと今後の地球温暖化対策について、市の考えをお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  お答えいたします。 菅総理が表明された2050年カーボンニュートラルは、様々な方面に脱炭素化の動きを加速させており、二村議員が言われるように、国を挙げた目標となっています。さらに、温室効果ガスが要因とされる気候変動について、今後、ますます影響が深刻化すると予想されており、本市としても、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガス排出抑制の取組を加速させねばならないと考えております。 我が国における温室効果ガスの排出内容を見ると、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素排出量が8割以上を占めていることから、2050年カーボンニュートラルの実現のためには、化石燃料の利用削減が必須となります。こうしたことから、今後の地球温暖化対策としては、これまでと同様、省エネルギーの取組支援と再生可能エネルギーの普及促進を中心に取組を行ってまいります。具体的には、引き続き温室効果ガスの排出が少ない暮らし方や事業活動への転換を促すための啓発を行うとともに、太陽光発電設備、燃料電池システム、蓄電池システムなどの設置に対するスマートハウス機器普及促進補助やガソリンなどの化石燃料の利用を減らすため、次世代自動車購入費補助などを行ってまいります。ほかにも、市施設で使用する電気を可能な限り再生可能エネルギーで発電された電気への切替えを検討したり、庁車の電動車への切替えも推進するなど、市の事業活動における温室効果ガスの排出削減を図り、市民や事業者の意識改革につなげる率先した取組を行ってまいります。さらに、地域内でエネルギーを創り、有効に活用することが温室効果ガスの排出抑制と効率的なエネルギー利用になることから、市施設に設置する太陽光発電設備からの電気や環境クリーンセンターでのごみの焼却熱を利用し、発電した電気や蒸気などのエネルギーについて、地域循環型の利活用の方法や仕組みの調査研究を行ってまいります。 地球温暖化対策は、これまでは経済成長の制約になるものとの考え方もありましたが、今や産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるものとの考え方が主流となっております。このことからも、今以上に地球温暖化対策を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  地球温暖化対策は、市だけの取組では限界があり、国や事業者自身の取組も必要となりますので、市として様々な関係者と実施可能な取組をお願いしたいと思います。 さて、2050年カーボンニュートラルを目指す取組が進む中で、環境省が推進しているゼロカーボンシティの宣言があります。現在、全国で宣言されている自治体が増えており、市民や事業者への意識啓発として有効な取組であると思っています。 それでは再質問になりますが、ゼロカーボンシティの宣言について、市の考え方をお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  再質問にお答えいたします。 ゼロカーボンシティは、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を公表した地方自治体のことであり、現在全国で230余りの市区町村が宣言しております。本市では、かつて行政が取り組むべき課題を明確にし、市民を巻き込んだ事例として、平成18年にごみ減量20%を掲げ、市民総参加でごみ減量に取り組み、目標を達成した経験があります。こうした経験からも、地球温暖化対策を推進していくため、市がスローガンなどを掲げ積極的に行動することが、市民や事業者の意識を変え、取組の機運を盛り上げる有効な手法であると考えます。 宣言については、よりアピール効果を高めるため、今後、新たな地球温暖化対策を実施するタイミングに合わせて行うなど、前向きに検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  ゼロカーボンシティの宣言について、前向きに検討いただけるという答弁をいただきました。宣言は、市民や事業者に地球温暖化問題に対して自分ごとであると認識を深めていただくいいきっかけになるのではないかと思います。ぜひともこのゼロカーボンシティの宣言も含め、地球温暖化対策について積極的な推進をお願いしまして、次の大項目に移ります。 3、行政改革について。 (1)第7次行政改革大綱について。 これまで、本市では、昭和60年に第1次の行政改革大綱を策定して以来、現在まで6次にわたる大綱の下、行政改革に取り組んできました。令和元年度における第6次行政改革大綱の進捗状況は、43の実行プランのうち、プランを達成したものが8件、計画以上に、または計画どおりに進んでいるが32件となっており、順調に取組を進めているのではないかと考えております。現行の第6次行政改革大綱の計画期間は、令和3年度までですので、来年度には新たに第7次行政改革大綱を策定することとなります。 そこでまずお聞きしますが、現行の第6次行政改革大綱における現時点での見えてきた成果や課題について、お聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。三星副市長。 ◎副市長(三星元人)  まず、令和元年度までの成果につきましては、二村議員の言われるとおり、全43プランの9割以上に当たる40プランが、計画どおり、あるいはそれ以上に進捗しており、全体としては、おおむね順調に取組を進めているものと認識しております。これまでの具体的な取組としましては、公立幼稚園、保育園の民営化に向けた検討やRPAの導入により、1つ目の重点目標、適正な財政運営につなげることができたものと考えております。2つ目の重点目標、人と組織の活性化において、女性職員をリーダーとするプロジェクトチームをつくり、おくやみ窓口の創設にめどをつけたことは、人材育成、女性職員のさらなる活躍の機会創出に寄与したものと考えております。3つ目の重点目標、市民と行政の相互理解の促進では、安城市LINE公式アカウントによる情報発信の実施をとおして、情報発信の充実につなげることができたものと考えております。 次に課題ですが、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、イベント事業数や参加率などを数値目標に掲げている実行プランは、計画どおり進めることが難しい現状がございます。市といたしましては、こうした厳しい状況下であるからこそ、職員一人一人が、従来の手法に固執することなく柔軟な思考と創造力を持って実行プランの取組を進めることが重要であると考えており、計画期間の最終年度である来年度までの目標達成に向け引き続き努力してまいります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  本市の来年度の一般会計当初予算は、コロナ禍による厳しい経済環境の中、市税収入の減収等の影響により、677億円までに減るとのことです。社会経済情勢が急速に変化し、先も見通すことが厳しい中で、行財政運営の効率化と質の高い行政サービスを効果的に提供するには、行政改革を推し進めることが今後一層重要になるのではないかと考えるところであります。そのためには、従来の枠組みにとらわれることなく最善の手法を本市一丸となって取り組む必要があるものと考えます。 そこで再質問ですが、第7次行政改革大綱の策定に当たって、現時点でのお考えをお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。三星副市長。 ◎副市長(三星元人)  第7次行政改革大綱は、安城市総合計画を行財政運営の観点から支援する同計画の下位計画と位置づけており、重要な役割を担っております。行財政改革において大切な視点は3つあると考えています。1つ目は、市民の満足度を常に意識し、満足度向上に向けた改善を絶えず進める視点。2つ目は、急速に変化する社会情勢を踏まえ、時期を逃すことなく対応する視点。3つ目は、真に必要な施策を的確に進めるとともに、経営資源を効果的に活用し、無駄のない行財政運営を進める視点です。この3つを職員一人一人が常に意識し、改革に向けた取組を主体的に実行することが重要であると考えております。 市では、現在、次期行政改革大綱の骨子、進捗管理手法などを検討しているところであります。大綱の構成としましては、大綱の目標と重点項目を掲げ、あわせて、本市が5年後に達成すべき行財政運営の目指すべき姿及び進捗管理指標を設定する予定であります。市の各部署は、大綱に設定する目指すべき姿の実現に向けて、毎年度、主体的に行財政改革に資する取組を実行し、かつこれを進捗管理する仕組みを構築したいと考えております。次期行政改革大綱におきましても、引き続き持続可能で安定的な行財政運営の実現に向けて、経営資源の最大活用、健全財政の維持、行政のデジタル化などの取組を柱に進めてまいりますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  市が各種施策を進めるに当たっての基盤は、持続的、安定的な行財政運営にあるものと考えます。市職員一人一人が、効果的、効率的な行政サービスが提供できるよう最善の手法を考え続けるような安城市役所、職員になっていただくことを期待しております。 では、次の質問に移ります。 (2)新たな外部評価について。 市においては、良質な行政サービスを持続的に実施するために、行政改革に取り組んでみえますが、これを着実に進めていくための1つの手段として、行政評価が行われているものだと考えます。本市における行政評価は、事務事業を所管する部署が自ら行う内部評価と、評価の客観性、公平性を保つための外部評価を実施してきました。これまでの経緯を振り返りますと、平成19年度に外部評価委員会による外部評価を導入されました。そして、平成23年度には東京からファシリテーターや外部評価員を招いて事業仕分を実施、平成26年度から令和元年度までは、公開行政レビューとして足かけ9年にわたり公開イベント型の外部評価を実施してきました。外部評価については、今、申し上げましたとおり、評価の客観性、公平性を担保する上でも必要な取組であると考えております。 そこで質問ですが、これまでの公開イベント型の外部評価の課題を踏まえ、どのような新たな外部評価の仕組みを考えてみえるのか、お聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 これまでの外部評価では、アンフォーレなどの会場で大勢の評価員の方に事業を評価いただくイベント型の形態を取っていたため、会場の確保や事務負担を踏まえますと実施日数が限定されることから、外部の視点を反映させる事業数が少ないなどの課題がございました。これらの課題を踏まえ、来年度からは評価方法の見直しを行います。ホールなどの会場で大勢の評価員の皆様に事業を評価いただく形式を改め、附属機関である行政改革審議会の場で公募市民や各委員に事業を評価いただく審議会型の外部評価へと転換を図ってまいります。これにより、事務負担の軽減が図られるだけでなく、個々の対象事業について、審議会においてより一層深い議論が可能となることで、外部評価の実効性が高まることが期待されます。 なお、この3月定例会に、行政評価委員会を行政改革審議会に統合する条例案を上程させていただいております。附属機関を統合することにより、組織のスリム化を図るとともに、行政改革と行政評価の一体的な運用を通じて、改革を着実かつ効率的に推進してまいります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  これまでの公開行政レビューに代わる新たな外部評価を通じて、事務事業について、より深く議論し、行政改革に向けた取組につながることを期待して、次の質問に移ります。 (3)押印の見直しについて。 昨年来、国及び愛知県においては、新型コロナウイルス感染症への対応策の一つであるテレワークなどの推進とデジタル時代に向けた規制、制度見直しの一環として、書面主義、押印原則、対面手続に関する規制、制度や慣行の見直しが進められています。国及び県は、まず、住民や事業者から提示される申請書等、いわゆる行政手続における押印廃止に取り組み、11月に、国は、約1万5,000の行政手続のうち実印など83を除き押印を廃止することを表明し、法改正が必要なものは今年の通常国会に一括法案が提出されています。また県は、約6,000の行政手続のうち、国の法令に基づき押印が義務づけられている約1,500の手続を除き押印を廃止することとし、規則や要綱の改正を経て、今年1月1日から約4,500の手続における押印を廃止しています。 そこで質問ですが、国や県のこうした動きを踏まえ、市民や事業者の方が市に提出される申請書類に関する押印の見直しについて、市の考えをお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 本市では、平成27年度に押印の見直しに取り組み、約1,200種類の申請書類のうち、約4割に当たる490種類について押印を廃止し、署名を基本とする手続に改めました。しかし、今年度、新型コロナウイルス感染症への対応に加え、行政や民間事業者においては、デジタル・トランスフォーメーションの一層の推進が求められています。こうした社会情勢の急速な変化に対応するため、本市では、平成27年度に作成した申請書等の押印見直し方針を昨年12月に改正しました。具体的には、市と相手方の双方が記名押印する契約書や法令、通知等により押印が義務づけられているもの、押印の義務づけを廃止することにより、申請者、市、第三者に明らかな不利益を生じる場合などを除き、押印の義務づけは原則として廃止する方針としました。市では、この方針に基づき、1月から全庁的に、市民、事業者などから提出される申請書等の押印の見直し作業を行っております。押印原則を見直すことにより、行政手続の簡素化及び効率化を図るとともに、行政手続等におけるオンライン化の一助にしていきたいと考えております。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  国や県の動きを踏まえ、本市においても押印の見直しに向けて取り組んでいることが理解できました。市において、1月から申請書類における押印の見直しを始めて2か月が経過しようとしています。今回の議会では、安城市職員の服務の宣誓に関する条例等の一部改正議案が上程されています。現在の押印見直しの進捗状況と、見直し後の申請書類をいつ使用開始するのか、お尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 現在の押印見直しの進捗状況につきましては、市民、事業者及び職員から提出される申請書等のうち、押印を義務づけているもの約970件のうち、押印の義務づけを廃止するもの約110件、廃止の方向で検討しているもの約600件、押印を存続するもの約180件、取扱いを精査中のもの約80件でございます。 次に、見直し後の申請書類の使用開始時期ですが、押印の義務づけを廃止することとした申請書等のうち、規則または要綱等において様式が定められているものは、順次、改正手続を進めており、本年4月1日から見直し後の運用を図ってまいります。規則または要綱等に基づかない申請書等につきましても、順次、改正の手続を行っており、同じく4月1日から改正後の様式を使用してまいります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  新年度から、取組に向けて見直しの手続が進んでいることが理解できました。市におかれましては、今後も市民サービスの向上と業務の効率化に向け、さらに取組を続けられることを期待して、次の大項目に移ります。 4、市制施行70周年記念事業について。 安城市は、昭和27年5月5日に市制を施行しましたので、令和4年に市制施行70周年を迎えることとなります。あと1年2か月後には安城市も70歳となるわけですが、人の年齢に例えますと、70歳は古希に該当するもので、高齢化が進む現代においては、還暦よりもより本格的な長寿の祝いと考えられているようです。しかしながら、昨年より続くコロナ禍は世界中の経済や社会に依然として多大な影響を及ぼし続けており、いまだに収束の兆しは見えません。もちろん、国内においてはこれからワクチンの接種も始まりますので、事態も徐々に好転していくことを切に願っているところであります。 そこで、改めて安城市の市制施行70周年をどのような方針で進めていかれるのか、お聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  本市は、現在、第8次総合計画に基づき、ケンサチのまちづくりを進めております。令和4年度は総合計画の最終年度の前年に当たることから、これからの安城市が進む方向性を市の内外に改めて広く示すことで、目指す都市像、「幸せつながる健幸都市 安城」の実現に向けた一つの集大成として市制施行70周年記念事業を実施してまいります。 70周年記念事業のテーマは、「ともに、かなえる」です。この言葉には、SDGsの誰一人取り残さないという理念の下、市民の活躍の場を広く提供し、多くの市民がつながりを深めることができるよう誰もが活躍できる機会を創出したいとの願いが込められています。 実施方針としては、次の4つを挙げています。1つ目は、年齢や性別、障害の有無、国籍の違いなど様々な垣根を越えて、誰もが活躍できる機会の創出です。2つ目は、一過性の事業ではなく、今後の自発的な市民活動やまちづくり活動につなげる次世代の明るい未来を創造です。3つ目は、今まで関係が薄かった人と人とがつながることで新しいアイデアや交流が生まれる、すべての人とのつながりを深化です。4つ目は、著しく変化する社会経済や市民生活の状況を捉え、柔軟な発想や革新的な手法を活用する新しい常態(ニューノーマル)への挑戦です。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  「ともに、かなえる」をテーマとし、4項目の実施方針を掲げて70周年事業を進めていくことが分かりました。特に実施方針については、誰もが参加することができ、人と人がつながりを深め、新たな社会状況にも対応するという未来志向の方針であると感じました。このような方針の下、多くの市民が参加する機会が持てるよう積極的に事業を進めていただきたいものです。 そこで、令和4年度の市制施行70周年に向けて令和3年度はどのように事業を進めるのか、今後の予定についてお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 来年度につきましては、特にPRを重点的に進めてまいります。市制施行70周年記念事業のロゴマークを手始めに、「ともに、かなえる」というテーマを掲げ、ポスター、チラシ、マグネットシート、懸垂幕や横断幕を作成するほか、市公式ウェブサイトやSNSなど様々な電子媒体を活用して、公民連携により多くの方々に市制施行70周年を発信したいと考えています。また、一部の事業につきましては、令和4年度に先駆けて来年度先行的に事業を実施いたしますので、広く市民の皆様に興味を持っていただき、参加していただけるようPRに努めてまいります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  来年度は、市制施行70周年のPRを重点的に行うということですね。「ともに、かなえる」というテーマを多くの市民の方々が実現できるように、これからPRを重ね、様々な事業を準備し、積極的に進めていただくようお願いし、次の質問に移ります。 ○議長(大屋明仁)  質問の途中ですが、ここで、本会議を10時55分まで休憩します。     (休憩 午前10時50分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午前10時55分) ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  大項目の5、新型コロナウイルスワクチン接種について。 政府は2度にわたる緊急事態宣言を発し、不要不急の行動の自粛や営業時間の短縮など、徹底依頼を行うなど、あらゆる方法を駆使して感染拡大防止に努めています。ではありますが、感染者の減少は見られるものの、いまだ終息のめどは立っていない状況の中、最後の切り札として、現在、全世界で、急ピッチで取り組まれているのがワクチン接種です。日本でも、ワクチンの承認から必要数の確保、接種体制の整備など様々な調整を同時進行的に行い、国民に速やかなワクチン接種を提供できるよう取り組んでいることは、連日の報道からも知るところであります。 本市におきましても、希望する市民が少しでも早くワクチン接種できる体制を整えていく必要があり、そのために、既に様々な作業に取り組まれていることだと思いますが、市民の生命と健康を守り、社会経済活動の復興の要となり得るこの重要なワクチン接種について、幾つか確認をさせていただきたいと思います。 (1)市の役割について。 今回の新型コロナウイルスに対するワクチン接種において、国や県、市のそれぞれの役割はどのような体制となっているのか、お答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  お答えいたします。 新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、国、都道府県、市町村がそれぞれの役割を分担し、協力し合うことで、円滑に実施していく体制を構築する必要があります。まず、国の主な役割としましては、ワクチンの薬事承認、接種対象者や接種順位、接種期間などの指定のほか、ワクチンや注射器等の購入、ワクチンに係る科学的知見の国民への情報提供、健康被害救済に係る認定等を行います。また、県の主な役割としましては、各自治体へのワクチン流通体制の整備、医療従事者への接種体制の確保、医学的見地が必要となる専門的な相談対応等を行います。そして、市の主な役割としましては、住民への接種勧奨や情報提供、接種券等の送付、接種会場の確保等接種体制の整備、医療機関との調整や接種費用の支払い、接種に関する一般的な相談対応、健康被害救済の申請受付や給付事務等を行います。 市としましては、住民の皆様に責任を持って迅速かつ安全にワクチン接種を進められるよう努めてまいります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  国、県、市それぞれの役割について、分かりました。国がワクチンを購入し、県が各自治体へ流通するとのことですが、本市で行うワクチン接種では、どのようなワクチンを使用する予定なのか。また、どれぐらい供給される予定なのか、分かる範囲内でお答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  再質問にお答えいたします。 国は、メッセンジャーRNAワクチンであるファイザー社製ワクチンが約1億4,000万回分、モデルナ社製ワクチンが約5,000万回分、ウイルスベクターワクチンであるアストラゼネカ社製ワクチンが1億2,000万回分の、合計約3億1,000万回のワクチンを各社との契約締結や基本合意によって確保していると発表しています。現在のところ、唯一国内で薬事承認されたのはファイザー社製のみで、このワクチンを接種することとなっております。このファイザー社製ワクチンはマイナス75度の超低温冷凍庫での保管が必要であり、また、ワクチン接種時には生理食塩水で希釈する必要があるなど、取扱いには負荷がかかります。また、市への供給量は不明であるものの、国が確保したワクチンは、需要と供給を全国で一元管理するワクチン接種円滑化システムによって全国自治体に適正に配分されることになっています。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  ワクチンの取扱いには制約が多く、超低温冷凍庫の設置を始め、しっかり管理を行わなければならないことが分かりました。 (2)スケジュールについて。 次に、ワクチン接種の進め方についてお聞きします。 2月14日にファイザー社製ワクチンが正式に薬事承認され、まずは医療従事者への接種が開始されたようですが、本市でのワクチン接種の今後の予定、スケジュールはどのようになっているのか、お答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  お答えいたします。 現在は全国の国立病院機構等の医療従事者約4万人に対して先行接種が行われているところで、今後のスケジュールとしましては、国が示しているとおりとなります。まずは、3月中旬から全国の病院や診療所、歯科診療所、薬局、救急隊員など、新型コロナウイルス感染者やその疑いのある方に頻繁に接する業務を行う職員に対して優先接種が開始されます。次に65歳以上の高齢者への接種が開始され、高齢者入所施設の従事者も高齢者施設入所者と同時に接種することができます。その後、16歳から64歳までの基礎疾患を有する方や高齢者施設等の従事者、また、ワクチンの供給量によっては、60歳から64歳までの方への接種を優先して行った後、それ以外の方への接種が始まる予定となっています。高齢者への接種は、現在のところ4月12日以降と示されており、それ以外の方の接種開始時期については、未定の状態となっております。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  本市には、16歳以上の方がおおよそ16万人居住していると思いますが、それらの方、全員を対象に接種を行い、しかも2回の接種が必要と考えると、32万回もの接種を行える体制を整えなければいけないことになります。市や医療機関はどのような体制で臨んでいく予定なのか、お答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  再質問にお答えいたします。 二村議員が言われますように、32万回分の接種を円滑に進めていくことは大変なことであり、医師会を始めとする医療従事者の全面的な協力なくしては成り立たない状況です。1月22日には、医師会が中心となり、安城更生病院や八千代病院の医師も含め、市との新型コロナワクチン対策協議会を立ち上げていただきました。 一方、市においても、1月25日に保健センター内に全庁横断的な体制で取り組むように新型コロナウイルスワクチン接種対策グループを立ち上げ、接種体制の整備を進めているところです。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  新型コロナウイルス感染症の蔓延により、医療従事者の疲弊や医療体制の逼迫が心配される中、本市においてはワクチン接種に医師会の全面協力が得られているということは、大変有り難いことです。今後も医師会を始めとする医療機関との連携や調整を確実に行い、ワクチンはあるのに接種ができないというような事態にならないよう最善を尽くしてもらいたいと思います。 次に、(3)市の接種体制について。 4月以降に予定されている65歳以上の高齢者を始め、住民はどこで接種を受けることができる予定なのか。また、接種のためのワクチンはどのように適正に配備する予定なのか、お答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  お答えいたします。 本市では、病院や診療所でワクチン接種を行う個別接種と接種会場を設けてワクチン接種を行う集団接種を併用します。現在、個別接種を行う医療機関の確保や集団接種のための医療従事者の確保に向け、医師会と調整を行っております。集団接種の会場は、へきしんギャラクシープラザと明祥プラザ、北部公民館の3施設としています。5月から10月までの土曜日と日曜日を接種日として確保し、ワクチンの供給状況を踏まえ、できるだけ早い時期に開設できるよう医療従事者の確保も含めた調整を現在行っているところであります。一方、個別接種についても、現在のところ約30の医療機関で接種できることとなっていますが、より多くの医療機関で接種できるよう調整中です。 次に、ワクチンの適正な配備についてですが、本市では、超低温冷凍庫が設置された医療機関以外のワクチンを市で一元管理していくことを予定しております。保健センターに超低温冷凍庫を設置し、市が定期的に専用BOXで各診療所にワクチンを配送することにより、ワクチンを適正に配分することが可能となり、より多くの診療所において、個別で接種を行うことが可能となります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  病院や診療所で接種を行う個人接種と接種会場を設けて接種を行う集団接種の両方の体制で接種を進めていることが分かりました。ぜひ多くの診療所で接種が可能となり、また、集団接種も全日程で開催できることを期待しています。 最後に、集団接種について再質問します。 集団接種会場でのワクチン接種はどのような流れや体制で行われるのか、教えてください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  再質問にお答えいたします。 集団接種の大まかな流れとしましては、土曜日及び日曜日の集団接種日直前の金曜日までに事前予約をしていただき、当日は、受付、予診、接種、待機の流れで進めてまいります。まず受付では、接種券と予診票、運転免許証などの本人確認書類を持参していただき、各書類の記載内容に基づき確認します。その際、体温の測定も行います。次に、予診では、予診票の内容や体調の具合等について医師が聞き取りをしながら確認をし、ワクチン接種の可否を判断します。接種は看護師による筋肉注射を行い、その後ワクチンの種類が記載された接種済証をお渡しします。接種後の待機は別スペースで15分から30分程度とし、看護師の見守る中、アナフィラキシー等の症状を観察します。また、アナフィラキシー症状など万が一を想定し、救急処置用資機材の配備などの体制を取ります。 なお、会場での密を避けるための対策として、予約時間を30分単位で細かく指定したり、各ブースをパーテーションで区切ったりし、待機エリアの間隔等にも配慮したレイアウトとしております。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  3月1日午後、明祥プラザで集団接種シミュレーションを見学しました。その模様をモニターで御覧ください。 今、全体写真と市民に扮した方が模擬接種を受けているところです。痛そうな顔をされています。 集団接種が迅速かつ円満に接種する体制づくりのため、医師、薬剤師、看護師、市民役の方が参加して実施されました。見学の感想としましては、予診、問診に時間がかかるのではないかと危惧をしております。また、ただいまの答弁で、新型コロナウイルスワクチン接種に対する市の体制や今後の流れなどについて把握することができました。非常に多くの業務や調整を短期間で行わなければならず、担当部署の負担も相当だと思われます。今後も引き続き医師会の協力をいただきながら全庁一丸となって取り組んでいただき、希望される方全員への接種が、速やかに、スムーズに、そして安全に行えるよう入念に体制を整えて臨んでいただきたいと思います。このワクチン接種によって、新型コロナウイルス感染症の脅威が軽減され、市民の生命と健康が守られ、社会経済活動が再び活性化していくことを期待して、次の項目に移ります。 6、街頭防犯カメラについて。 (1)市が設置するカメラについて。 犯罪発生状況について、過去5年間の犯罪発生総数は減少にあるものの、自転車盗は高止まりの状況にあり、今後は、コロナウイルスの影響で経済が低迷することにより犯罪の増加が懸念されるところであります。 さて、2020年10月27日に更新された県民意識調査の中で、「防犯対策で特に力を入れてほしいこと」では、1番に防犯カメラの設置40.6%、2番目に住宅地や公園などへの街路灯及び照明灯の設置26.5%、3番目に警察による犯罪の取締り・パトロール活動25.2%となっています。このように、アンケート結果では、多くの県民がカメラの設置を望んでいることが分かります。防犯カメラは、犯罪抑止だけでなく、犯人逮捕、住民の安心感を高める効果があると言われており、刈谷市や岡崎市の近隣市でも防犯カメラ設置推進に取り組んでいます。本市では、令和3年度当初予算の対象事業に100台の防犯カメラを設置し犯罪抑止を図りますとありますが、この事業についてお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  防犯カメラ設置推進事業についてお答えいたします。 本市は、公共の場所に向けて設置する防犯カメラ、いわゆる街頭防犯カメラの設置につきましては、平成23年度から平成25年度まで民間駐車場を対象に、平成26年度からは町内会による設置を対象に補助事業を実施し、また、商店街への補助事業や、市が主体となって駅前広場や駅駐車場等の公共施設に設置するなど推進を図ってまいりました。市内の犯罪発生件数は、防犯カメラのほか町内会を始めとした地域で防犯活動や警察活動の展開などにより減少傾向にあるものの、令和2年は851件発生しており、さらに子供や女性に対する声かけやつきまとい等の不審者情報は後を絶ちません。防犯カメラは犯罪抑止や犯人検挙につながる期待が大きいことから、さらなる設置推進を図るために、令和3年度には市が主体となって100台を設置します。 設置場所につきましては、不特定多数の人が昼夜を問わず行き交い、犯罪が発生する危険性の高い鉄道駅周辺と防犯ボランティアの高齢化や共働き家族の増加などによる子供を見守る地域の目が減少している通学路周辺を計画しております。警察や学校の意向も確認しながら設置場所を決定し、令和4年1月から稼働させる予定です。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  映像の閲覧については警察に限られると思いますが、犯罪捜査に必要であるとすると、時間をおかずデータの取り出しとなります。設置業者は緊急時も警察の要請に対応できるのか。また、個人のプライバシーは確保できるのかについてお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。市民生活部長。 ◎市民生活部長(杉浦章介)  再質問にお答えいたします。 本市が設置する街頭防犯カメラは、常時モニターで監視するものではなく画像データをカメラの内部に記録するものです。画像データの取り出しは、市の職員が電柱に設置されたカメラの真下から専用端末を使用して無線LANでダウンロードする方式を予定しており、設置業者を介する必要がないため緊急時も早期対応が可能でございます。 画像データの提供は、法令に基づく場合、例えば警察から犯罪捜査または事故捜査のために照会文書の提出があった場合などに、必要な画像のみを取り出して提供します。また、防犯カメラの設置場所を決定する際には、カメラに映り込むお宅を個別訪問し、設置の了承をいただきます。その際、家が映らないように塗りつぶすマスキング処理の御要望があれば対応します。さらに、画像データの漏えいや不正アクセス防止のため、パスワードによるアクセス制限や暗号化によるセキュリティ対策も行います。 このように、安城市防犯カメラの設置及び運用に関する条例等に基づき、個人のプライバシーは適正に確保してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  令和3年度は100台の防犯カメラの設置でありますが、コロナ禍の影響で縮小された結果が100台になったのではないかと推測をしております。今後も市民生活の安全安心のために、この事業の拡大を願っています。 次に、(2)町内会が設置するカメラについて。 本市では、町内会に対し街頭防犯カメラ設置補助金の交付を平成26年から開始して、今年度で7年目になります。この補助金制度で、81町内会のうち1台でも設置した町内会の数は幾つあるのか。また、これまでに何台のカメラが設置されているのか、お尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。市民生活部長。 ◎市民生活部長(杉浦章介)  お答えします。 街頭防犯カメラ設置補助金制度により防犯カメラを設置しました町内会は、81町内会のうち34町内会です。また、補助金制度によって設置されました台数は156台になります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  10分の9の補助金制度がありながら、なかなか設置されていない現状があります。安城市街頭防犯カメラ設置補助金交付要綱の第4条第1項に「維持又は管理に関する費用は、除く」と規定されており、カメラの維持管理費が町内会に大きな負担となっているのではないでしょうか。防犯カメラ設置のため、維持管理費についても町内会に補助金を交付したらどうか、市のお考えをお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。市民生活部長。 ◎市民生活部長(杉浦章介)  再質問にお答えいたします。 安全で安心して暮らせるまちを実現するため、それぞれの町内会においては、自分たちのまちは自分たちで守るといった高い防犯意識を持って防犯カメラを設置していただいておりますが、適正に運用するためには毎年保守点検を実施していただく必要があります。保守点検費用につきましては、年間3万円程度が必要となり、それが町内会の負担となっていることは承知しております。町内会設置の防犯カメラの保守点検費用などを市が補助することにつきましては、今後、防犯カメラのより効果的な設置や管理の方法などを検討する中で、併せて考えていきたいと思っておりますので、御理解をお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。
    ◆25番(二村守)  中電電柱に共架されているカメラは、地上5m以上の位置に設置することとなっており、カメラ設置や点検のために高所作業車が必要となります。この作業車が自己所有であれば問題はないんですけれども、リース車両では、1回の借入れで2万円以上の経費が必要となります。岡崎市では、カメラ点検費用として1台につき1万円の補助をしていることを報告しておきます。 (3)商店街振興組合が設置するカメラについて。 各振興組合が所有する防犯カメラは、平成26年から国、県、市の補助金により設置されました。まずは、振興組合が設置した組合数、カメラの設置年度、台数及び補助率、総台数をお知らせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  お答えします。 初めに、防犯カメラを設置している商店街振興組合につきましては、安城北部、安城セントラル、御幸、本通り、末広、朝日町、日の出町の7つの組合です。 次に、防犯カメラの設置年度、台数及び補助率につきましては、平成26年度に北部が20台、セントラル及び御幸が各10台、本通りが7台、末広が6台を設置いたしまして、国、県、市の補助事業を活用し、対象経費の90%の補助を受けております。また、昨年度は朝日町が1台設置いたしまして、本市の補助事業を活用し50%の補助を、今年度は日の出町が15台設置いたしまして、県と市の補助事業を活用し90%の補助を受けております。 なお、商店街振興組合が設置した防犯カメラの総数は、69台でございます。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  平成26年度に設置したカメラは、全て交換する時期に来ているように思います。設置後5年間は、交通量調査、犯罪状況などを国に報告する義務があり、その後については報告しなくてもよいことになっています。防犯カメラは運用が重要であり、特にメンテナンスは常に実施しなくてはなりません。中でも録画装置や電源部が故障の原因となり得ることがあります。また、時間の修正も必要になってきます。振興組合の設置したカメラ更新や点検費用の補助についてお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  再質問にお答えいたします。 現在、商店街振興組合が防犯カメラの更新をする場合、市の単独補助である商工団体等事業費補助金として、対象経費の50%を補助しております。また、県と市の共同補助である愛知県のげんき商店街推進事業費補助金として、対象経費の90%の補助がございます。ただし、この補助事業の場合は、防犯カメラの更新とともに防犯パトロール活動を行い、安全安心なまちづくりへの対応や商店街地域の環境改善が図られ、地域コミュニティーの形成に一層の効果があると愛知県のげんき商店街推進事業審査会で認められた場合に限られます。 なお、防犯カメラの保守点検に係る費用につきましては現在補助を行っておりませんが、先ほど申し上げましたとおり、町内会の防犯カメラと同様に、より効果的な設置及び管理方法などを検討する中で、併せて考えてまいりますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  モニター画面を御覧ください。 左側の看板は、平成23年度に作られた看板です。剥げて白黒になってしまっております。そして、真ん中には防犯カメラ作動中となっており、防犯カメラ設置付近にこの看板はオーケーでありますが、設置していないところにもかなりついており、この看板はおかしいという声も上がっておりました。 右側の看板は最近の看板でありまして、黄色と黒の文字がはっきりしております。防犯カメラ設置推進地区とありますので、推進地区であればどこに掲示してもオーケーであるというふうでありまして、最近、作られているこの看板は丈夫で長持ちするものに代わっているようであります。今後、カメラを設置してある場所には「作動中」、設置していない場所には「推進地区」の表示と使い分けていただきたいと思います。 最後に、町内会や振興組合のカメラも更新時期に来ている台数も多くあります。今すぐとは言いませんけれども、点検も含め、町内会、振興組合設置全ての街頭防犯カメラは市で一括管理をしたらどうでしょうか、私の提案といたしまして次に移ります。 ○議長(大屋明仁)  質問の途中ですが、ここで、本会議を換気のため11時30分まで休憩します。     (休憩 午前11時26分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午前11時30分) ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  7、GIGAスクール構想等について。 それでは、安城市の教育について質問をいたします。 前段では各論といいますかGIGAスクールについて確認させていただき、後段では教育行政に関わる総論をお聞きしたいと思います。 まず、全校に1人1台のタブレット端末の配付が間もなく終了する予定と聞いています。また、既に2校のモデル校では、他校に先駆けて、タブレット端末の活用方法について実践を進められているとのことです。私も、モデル校である東山中学校と桜林小学校へ石川博英市民文教常任委員長とともに、タブレット端末の活用状況について調査をさせていただきました。その模様をモニターに出していただいております。御覧ください。 この中の右側にモニターがあります。小学校の各教室にはありますが、中学校にはないので、コロコロと引っ張ってきて、今、据え付けてあります。今、順次導入されているということでありますので、近いうちにはついていくのかなというふうに思っています。 次、お願いします。 これは、まだ箱に入ったままのタブレットを生徒たちが大事そうに使っております。初々しいです。1人1台のタブレットはうれしいと女子生徒が言っておりました。このように、東山中学校では、2年生の社会科の授業でタブレットを活用した模様を拝見し、たまたま見た中学生は、私よりも早い文字入力でびっくりしました。案外、先生よりも進んでいるのかなとも感じました。桜林小学校では、6年生が1年生にアカウント、パスワードの入力アシストをしていると説明を受けました。1年生と6年生ではタブレットの捉え方が全く違うようです。桜林小学校に通っている1年生の孫にID番号を教えてと頼んだところ、先生から誰にも教えるなと言われているよと鼻を膨らませていました。教えてもらえませんでした。 1人1台のタブレット端末の活用については、多様な子供たちを誰一人残すことのない創造性を育む教育の実現が重要となり、ICT教育で次世代の人材を育てる必要があります。しかしながら、すぐに応用的な活用は当然難しく、12月議会の松尾学樹議員への答弁にありましたように、まずはタブレット端末に慣れることに重点を置き、簡単な操作での利用から始められることも理解できます。 そこで質問ですが、今後1人1台のタブレット端末の活用を進めていくに当たって、ICT環境の整備、メンテナンスを行うGIGAスクールサポーターや授業支援を行うICT支援員、また外部人材の活用など、現時点でどのような人的配置や研修を考えているのかお尋ねをします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。杉山教育長。 ◎教育長(杉山春記)  まず、人的配置につきましては、GIGAスクールのサポートとして、GIGAスクールサポーター、ヘルプデスク、ICT支援員を配置します。GIGAスクールサポーターは、本年度設置する機器等の保守整備を行うため、常時4人配置します。学校からの要望に対応等するヘルプデスクは、教育センターにおいて、これまで月曜日と木曜日の週2日、2人ずつの配置を、令和3年度は常時2人ずつに増員を計画しております。また、授業の補助を行ったりタブレット端末の活用についてアドバイスをしたりするICT支援員は、これまでの各小中学校へ1校当たり年間70時間の配置を、令和3年度は年間150時間程度に増やす計画をしています。これらの業務は、専門的な知見を有する業者に業務委託するなど、外部人材の活用を適切にしていきます。さらに、GIGAスクール構想を推進するためのプロジェクトチームを教育センター内に立ち上げ、教員研修の体制や活用方法の研究、また活用事例の収集と周知等を行い、適正な人員配置と併せて学校を支援していく予定であります。 次に、研修につきましては、文部科学省のICT活用アドバイザーなどを務めた岐阜聖徳学園大学の教授を講師に招き、令和3年8月に、各小中学校の校務主任、教務主任、情報教育担当教員を対象にICTで学び合い研修を実施します。また、教育委員会の調査研究事業として、タブレットを利用した学び合い、授業で生かせるアプリ活用方法研究を新たに企画し、研修に活用していきます。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  1人1台のタブレット端末の活用の重点の1つとして、不登校児童生徒への支援をこれまでの議会や市民文教委員会でも述べられてきました。不登校児童生徒のつながりや現在のコロナ禍で家庭訪問が制限される中での面談等、現在どのような対応をされているのかを伺います。あわせて、今後、不登校児童生徒への支援についてはどのように考えられているのか、お聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。杉山教育長。 ◎教育長(杉山春記)  1つ目に、家庭訪問支援が必要な児童生徒の一部に対しては、オンライン会議システムで支援をしました。令和2年8月から12月までの5か月間で、オンライン会議システムでの支援は合計22回行いました。 2つ目に、ふれあい学級に通室している児童生徒と学校をつなげる取組も行いました。具体的には、担任と面談をしたり学校行事の様子を参観したりしました。また、市内の他のふれあい学級との交流をオンライン会議システムで行いました。 今後の不登校児童生徒への支援につきましては、1人1台のタブレット端末を最大限活用できるように、GIGAスクール構想を推進するプロジェクトチームで不登校児童生徒支援に何ができるのかを検討してまいります。特に、ふれあい学級にも通うことができない児童生徒を中心にタブレット端末の活用を考えています。現時点では、タブレット端末を使った健康状態の把握、AIドリルなどの教材の提供、学校の担任への橋渡し方法などを検討し実施することで、不登校児童生徒支援をさらに推進していこうと考えています。1人1台のタブレット端末が、人と人との関わりが苦手な不登校児童生徒でも画面越しに人とつながりが持てるようになる不登校対策の切り札になればと願っております。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  小学校での学習指導要領には、情報活用能力の育成やICTを活用した学習活動の充実が明記されています。ICT活用については、導入して終わりではなく、導入後の効果や使い勝手の確認も含めて、活用計画やフォローアップなど継続的に改善を続けていくことが大切と考えます。教育長の答弁で積極的な事業が展開されることを伺い、安堵いたしました。 そこで、GIGAスクール構想の各論から議論を発展しまして、今後の安城市の教育行政がどうあるべきなのか、総論的な視点からお尋ねしたいと思います。 教育長が、この3月で現在の任期を終えられます。この何年間で教育を取り巻く環境が大きく変動してきたことは周知のとおりであります。変革期と言ってもいいこの時代にあって、今後の教育行政がどうあるべきなのか、残念ながら、教育について素人の私にはなかなか具体的なイメージが浮かびません。そこで、現場の教師として長く子供たちに接してこられ、あるいは学校教育の担当者として教育行政の第一線で戦ってこられたその御経験と実績を踏まえて、今後の安城市の教育行政について、我々は一体どういったイメージでどの方向を目指し、具体的には何をしていけばいいのか、教育長の忌憚のない御意見というか現時点での思いをお聞きしたいと思います。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。杉山教育長。 ◎教育長(杉山春記)  今後の本市の教育行政についての私の思いの一端を述べさせていただきます。 ここ数年、二村議員の言われたとおり、教育界も大きな変革を迎えています。キャリア教育、プログラミング教育、道徳教育、英語教育、さらに先ほどのGIGAスクール構想なども含め、学校教育が担う領域は拡大する一方であります。こうした変化に学校がスムーズに対応できるような施設や環境、さらに人員等を整備する必要があります。しかしながら、これらの施策は子供たちの成長を支える一つの手段だと思っています。大きく変化する現在だからこそ、手段のみに振り回されるのではなく、将来の社会の担い手となる子供たちへの願いをより確かなものにすることが大切だと考えています。 第8次総合計画にも示してあるように、あくまで人づくりが学校教育の本質だと思っています。友達とともに、学び、遊び、行事に臨み、汗を流す、こうした、学校だからこそ、時には問題も発生しますが、仲間とともに乗り越えていく力を育てること、また不登校の子供が増加する中にあって、しなやかで折れない心を育てることが極めて大切であると考えております。そして、命の大切さを実感させる「いのちの教育」こそ、今後も継続して取り組む必要性を強く感じています。これらは教職員が教えるものであるとともに、子供たち自身が日々の学校生活の中で自ら感じ取り、学び取っていくものでもあります。こうした考えを、安城市学校教育プランに掲げている「いのちの教育」、「学び合い」、「個の支援」という3つの柱として示させていただいているものであります。 今後も様々な施策が国や県から示されてくるものと考えますが、子供たちにかける強い願いの下、子供たちの具体的な姿を思い描きながら、子供たちを将来の社会の担い手として認識し、じっくりと政策を講じていく必要があると考えています。実際に目で見て、肌で感じて、目の前の子供たちの姿を基に将来の幸せを願う教育行政でありたいと思っております。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  しなやかで折れない心を育てること、命の大切さを実感させる「いのちの教育」、子供たちの将来の幸せを願う教育でありたい、教育長の思いを語っていただきました。 最後になりますが、教育長がまだ新任の頃の出来事をある人からお聞きしました。教師になって3年目に、錦町小学校の1年生の担任をされたそうですね。その頃の教え子たちが鮮明に記憶しているのが、掃除のときのエピソードでした。杉山先生は、掃除の際に、最初にバケツの水をざっとまいてしまったそうです。子供たちはびっくりしたようですが、「さあ、これをみんなで拭き取ろう」と提案され、子供たちはそれを杉山先生と一緒に拭き取るのがとても楽しかったとのことでした。普通なら、雑巾掛けというのはつまらない仕事なんですが、これを楽しい遊びに転換してしまう杉山先生のアイデアは大したものだと思いました。40年も前の掃除の時間のことを、子供たちは楽しい思い出として覚えているということでした。杉山先生の薫陶を受けた教え子たちは、今社会の第一線で活躍しています。ぜひともその薫陶を次の世代に伝えていただくために、今後もお力添えをいただきますようお願い申し上げ、次の質問に移ります。 8、上下水道事業の経営について。 (1)水道事業について。 水道事業及び下水道事業は生活に密着した重要な事業であり、安全安心な水の供給と排水の衛生的な処理は、365日24時間途切れることなく安定的かつ継続的に実施していかなければなりません。経営の継続には安定した収入が必要です。将来を見通すと、人口減少に伴う水道使用量の減少により、両事業とも経営が厳しくなることが予想されます。 そこで質問ですが、本市の水道事業に関わる経営の現状と課題についてお尋ねいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  初めに、経営の現状につきまして、主な経営指標を、3つを用いてお答えします。 1つ目は経常収支比率です。この指標は、100%以上ありますと、単年度の費用が収益で賄われて黒字であることを表します。本市は116.9%となり、人口が15万人から30万人規模の類似団体の平均値113.4%を3.5ポイント上回っています。2つ目は料金回収率です。この指標は、100%以上あると、水道水を作り提供する費用が水道料金収入で賄われることになり、採算が取れていることを表します。本市は112.6%で、類似団体の平均値106.1%を6.5ポイント上回っています。3つ目は企業債残高対給水収益比率です。この指標は、数値が低いほど水道料金収入に対する企業債残高が少ないことを表します。本市は21.3%となり、類似団体の平均値290.4%を大きく下回っており、令和元年度末の残高は、5億8,900万円余と、少ない状況となります。これら3つの指標から、現状は健全な経営が維持されていると考えております。 次に、課題についてお答えします。 高度経済成長期に急速に整備した施設や機械設備などが更新時期を迎え、また迫りくる災害に備えるための耐震化も進めており、今後多額の投資が必要となってきます。さらには、将来的な人口減少や節水機器の普及及び大口使用者による専用水道の新規申込みがありますと、料金収入の減少が見込まれます。水道事業は地方公営企業であり独立採算制が原則となりますので、料金収入の減少と投資の増加によって収支のバランスが取れなくなり、経営に影響することが今後の課題となります。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  今お答えのように、将来的な人口減少や節水型洗濯機、節水型トイレなどの普及による減収や、平成25年から安城更生病院、平成26年には八千代病院、そして平成27年以降企業等では専用水道を使用開始し、単年度の影響額は6,100万円余の減収になっています。このように、水道料金収入の減少と経費の増加により経営が厳しくなってくるという課題があることが分かりました。 水道は住民生活に不可欠なライフラインであり、事故が発生したときには多くの人々の生活に影響を与えてしまいます。水道のサービスが今後も持続的かつ安定的に供給されるよう老朽化や耐震化に伴う更新を着実に進めていくことも必要です。将来的な課題がある中で、今後どのように経営を維持するのかお尋ねします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  お答えいたします。 収入については、水道料金支払い時の利便性向上のため、スマートフォン決済を導入することによって、現在の収納率99.9%の維持向上に努めてまいります。また、将来的には収入減少や投資の増加によって財源不足となることが想定されるため、現在の水道使用者だけでなく、次世代も含めた公平な負担による財源として企業債の活用を検討してまいります。 次に、支出については、民間委託等による業務の効率化や更新時において現状と将来の水需要を見据えた適正な管路口径へのサイズダウンなどにより、経費削減に努めてまいります。また、多額の費用を要する施設や機械設備などの更新及び耐震化に対しては、限られた財源の中で、効果的、効率的に事業を進めていくため、投資に見合った必要性を十分に見極め、長期的な計画を持って実施していくことが必要と考えています。 本市では、持続、安全、強靱の視点から、中長期的な水道事業の在り方を示す安城市新水道ビジョンを平成29年度に、経営の基本方針としての安城市水道事業経営戦略を平成30年度に策定し事業進捗を図っています。今後も、持続的、安定的な経営を確保していくため、これらの計画を適宜見直し、時代にかなった効率のよい水道事業を運営してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  次に、(2)下水道事業について。 今年度末で、企業会計に移行して2年が経過することとなる水道事業会計の昨年度の実績と今年度の見込みとを比較して、変わった点はあるのでしょうか。また、この2年間を振り返って、下水道事業の経営課題は何かお尋ねいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  下水道事業会計における令和元年度の実績と令和2年度の見込みを比較しますと、大きく変わった点はございません。主な内容についてお示ししますと、収入の面においての下水道使用料は、供用開始区域の拡大などにより2,000万円余の増となる15億9,000万円余に、支出の面においての建設改良費は、国の方針により令和7年度を目途に下水道整備をおおむね完了するために、1億6,000万円余の増となる16億1,000万円余を見込んでいます。また、一般会計からの負担金、補助金及び出資金は、9,000万円余の増となる17億3,000万円余を見込んでいます。 次に、下水道事業の経営課題についてお答えします。 国は、下水道事業を含む地方公営企業の経営に要する経費は経営に伴う収入をもって充てる独立採算制が原則であるとしていますが、全国的に実現できていない地方公共団体が多い状況となっています。本市におきましても、全国と同様に、経費に対して下水道使用料や国庫補助金などの収入では賄えておらず、一般会計からの繰入れにより事業運営を行っていることが課題であると考えております。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  下水道使用料や国庫補助金などの収入では経費を賄えておらず、一般会計からの繰入れにより事業運営を行っていることが課題であることが分かりました。 そこで再質問ですが、課題解決に向け、どのような取組が必要であるとお考えかお聞きをします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  課題解決のためには、経費の削減と財源の確保に向けた様々な取組が必要であると考えております。経費の削減では、民間活力の活用として、個々に行っている施設管理を一括して行うことでスケールメリットが図れる包括的民間委託を検討してまいります。また、AIやRPAを活用した維持管理業務の効率化などについて、全国的な先進事例を調査研究してまいります。財源の確保では、適正な使用料設定の検討や未接続世帯への接続促進などが考えられ、適正な使用料設定は、一般会計からの繰入れにより収支を保っている現状から検討を進める必要があると考えております。 また、利用者に下水道事業について理解を深めていただくことも課題解決の一つとして考え、今年度、部内の若手職員によるプロジェクトチームをつくり、水道事業を含めて分かりやすい事業の周知方法の検討を進めております。様々な取組を行うことで、将来にわたって安定的な下水道事業となるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 二村 守議員。 ◆25番(二村守)  愛知県の市町村の水道料金及び下水道使用料の平均は、いずれも全国平均よりも安く、その中でも本市の料金は安いほうだと聞いております。水道事業、下水道事業ともに今後は厳しい経営になると考えますが、できる限り値上げをせず頑張ってください。 以上で、全ての質問は終わりました。市長を始め、執行部の皆さん、御丁寧な答弁をいただき、ありがとうございました。また、議員の皆さん、御清聴ありがとうございました。これで代表質問を終わります。     (拍手) ○議長(大屋明仁)  以上で、安城創生会、25番 二村 守議員の質問は終わりました。 ここで、本会議を午後1時まで休憩します。     (休憩 午前11時57分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後1時00分) ○議長(大屋明仁)  ここで産業環境部次長から発言の申出がありますので、これを許します。産業環境部次長。 ◎産業環境部次長(小栗滋昭)  午前中の二村議員の質問で、2番、健幸都市とSDGsについての(3)ゼロカーボンシティ宣言を行っている市区町村の数を全国で230余りと申し上げましたが、昨日、環境省のホームページが更新されまして、3月3日現在では267の市区町村が宣言をしておりましたので訂正をさせていただくとともにおわびを申し上げます。 ○議長(大屋明仁)  それでは、次に、みらいの風、21番 辻山秀文議員の質問を許します。     (登壇)(拍手) ◆21番(辻山秀文)  皆さん、改めまして、こんにちは。みらいの風代表の辻山秀文でございます。 本日は、令和3年第1回定例会におきまして、議長のお許しを得て代表質問をさせていただきます。代表としての大きな責任と緊張感でいっぱいですが、最後まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 昨年からの新型コロナウイルスの影響により、世界中が感染拡大により、感染死亡者の増加、また、それに伴う経済活動の低迷による甚大な影響も今なお続いています。また、国内では、九州地方を襲った7月豪雨災害により多くの方がお亡くなりになられ、いまだに仮設住宅にお住まいの方も多くおみえになります。お亡くなりになられた方への御冥福と一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。 今年の明るいニュースは、1年延期されました東京オリンピック・パラリンピックが目前に迫り、アスリートの頑張る姿に世界中が感動や元気、勇気を期待しています。 さて、昨年10月に私どもみらいの風から、令和3年度当初予算要望の6つの重点指針を柱に71項目の要望を出させていただきました。会派の重点指針では、安城市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいたまちづくりの課題と目標達成に向け政策形成能力の向上、行政組織の体質強化に努め、行政施策のアウトカムの追及などを挙げています。本日の代表質問では、ぜひ10年先、20年先の安城市の明るい未来に向けた建設的な議論を進めさせていただきたいと思います。 それでは、通告どおり質問をさせていただきますが、午前の安城創生会二村会長の代表質問と重複する部分もありますが、通告に従い質問させていただきますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。 これにて壇上からの発言は終わらせていただき、この後は質問席にて一問一答形式で通告順に質問させていただきます。市長始め執行部の皆さんの誠意ある御答弁をお願いいたします。     (降壇) ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  それでは、早速質問に入らさせていただきますが、質問時間は2時間半と長丁場になる予定ですのでよろしくお願いいたします。 大項目1、施政方針について、(1)令和3年度予算編成について。 新型コロナウイルスの感染拡大により、全国の都道府県と市区町村の88%が財政悪化を見込んでいることが昨年9月の共同通信のアンケートで分かったとの報道がありました。感染拡大防止対策や冷え込んだ地域経済の活性化策の財政負担に加え、大半が今後の税収減を懸念し、悪化は見込まれないとした自治体は主に小規模町村の一部で、都市部を中心とした新型コロナの深刻な影響が全国的な行政サービスの低下につながりかねない実態が浮き彫りになりました。 本市においても、2月に行われた議案等説明会及び今3月議会で上程された一般会計当初予算額は、前年度に対し6.1%、43.7億円減の677.3億円となっています。また、歳入では、法人市民税で企業業績の動向や法人課税の偏在財政による見直し等による減額のほか、個人市民税や固定資産税においてもコロナによる影響を受け、市税全体では前年度より35.9億円余の減額となる350億円余を計上されていますが、令和3年度の予算編成の考え方についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  ただいまの質問に対し答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  御質問にお答えいたします。 令和3年度予算編成方針の策定時点で、既に歳入においては、財政運営の根幹をなす市税収入がコロナ禍の影響により約40億円の大幅減となることが見込まれ、歳出においては、少子高齢化の進展や保育需要の増加などへの対応により、扶助費を始めとする社会保障関係経費の増加が避けられない情勢でありました。そのため限られた財源を最大限有効活用すべく、これまで以上に事業の必要性や緊急性、優先度の精査を行い、既存事業の見直しも含め事業の選択と集中を行う必要がありました。 その上で、まずもって市民の皆様に生活の安心感をもたらし、また同時に未来への希望を抱いていただけるようなバランスの取れた予算にせねばならないと考えました。現在も収束を見ないコロナ禍への効果的な支援策や、将来にわたって本市が活力を維持するための未来への種まきとなる施策に対しては積極的に予算配分するなど、新たな生活様式、働き方改革に対応する未来への投資を基本的な考え方に据え、全力で予算編成に当たってきたところであります。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  令和3年度の税収が40億円と大幅な減額となる中、扶助費や社会保障費関係の増加が見込まれ、非常に厳しい財政運営となることが分かりました。そうした中でコロナ対策の対応や新たな生活様式、働き方改革に対応する未来への投資を見据えた予算編成に全力で対応されたとのことで、神谷市長さん始め執行部の皆さんの御苦労を確認できました。 そこで再質問ですが、SDGsについては次の大項目2で詳しく触れる予定をしていますので、ここでは令和3年度予算案において、SDGsの視点からどのような特徴的な予算が計上されているのかについてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  再質問にお答えいたします。 SDGsは、経済、社会、環境の3面統合で取り組むことが今や先進自治体の標準になっておりますが、その本質は飽くなき欲望の経済活動が社会を分断し、同時に環境、すなわち地球上の豊かな自然と貴重な資源を食い尽くしてしまうだろうという世界的な危機意識の共有にあると認識しております。 昨今の顕著な傾向としまして、大企業を始め様々な団体から持続可能性に関わる社会的責任を積極的に果たそうとする機運が急速に高まっています。経団連のSDGsデータベースによれば、掲載企業の最も多くが取り組もうとしているのは、17の目標のうち、住み続けられるまちづくりであるとのことです。 このような中、本市としましても、既に展開しているケンサチの取組をSDGs発の危機意識をてこにさらに一段、質を高め、裾野を広げたいと考えています。当初予算に盛り込んだ具体的な打ち手としまして、1つ目にケンサチプロモーション事業と公民連携事業では、デジタルコンテンツを活用した人的交流をICT先端企業の参画も期待して展開するとともに、公民連携によるケンサチ未来都市を構想し、関連プロジェクトを取りまとめます。 2つ目に、三河安城パワーアップ再生「協創のまちづくり」では、「まちをつかってつくる」というキャッチフレーズの下、市民、地域団体、事業者と行政が協力し合いながら、ウィズコロナ対応の実証実験などを行う予定です。 3つ目の地区防災計画では、これまで行政がひな形を示し、それに沿った計画をつくるのが一般的でありましたが、このたびは、いざというときに確実に機能する防災計画づくりに住民主体のボトムアップ型で取り組みます。このほか地域電力を視野に入れたエネルギー利活用検討調査などがあります。 いずれも現時点で確実な成果の道筋が見えていないという意味で、思い切った予算づけとなっております。これは公共が限られた財源、人員の中で誰一人残さない住民福祉の実現という難題に迫られており、一方で、民間は持続可能性に関わる社会的な責任分担を強く求められ、そうした現状から、SDGsは必然的に両者の連携を加速させるだろうと見ているためであります。近い将来訪れる状況への一歩先を見据えた未来投資と言えます。 このように自治体SDGsは、第一義的に持続可能性という共通価値の公民連携プラットフォームを地域に構築することですが、もう一つ重要な点は、一般の市民にとっても、日常の消費活動を始め生活のあらゆる行動がSDGsにつながっている事実をできる限り意識してもらうよう啓発することであると考えています。さきに挙げた事業への取組をシンボリックな形で市民に情報発信することも必要と考え、SDGsポータルサイトなどの関連予算を盛り込んでおります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  ケンサチの取組をSDGs発の危機意識をてこに、さらに一段、質を高め、裾野を広げたいとの考えを確認できました。また、具体的には、ケンサチ未来都市を構想し、関連プロジェクトの取りまとめ及び地域電力を視野に入れたエネルギー利活用検討調査など、これまでにない特徴的な取組だと思います。 自治体SDGsの目標は、持続的に成長していける力を確保しつつ、人々が安心して生活ができるようなまちづくりを行うことです。 そこで、今後の財政予測及び財政体質強化についてのお考えと取組についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。三星副市長。 ◎副市長(三星元人)  1点目の今後の財政の見通しについて、財政健全化判断比率等の推計を基にお答えいたします。 財政健全化4指標のうち、実質赤字比率、連結実質赤字比率は、一般会計及び連結する特別会計、企業会計において引き続き黒字を確保できる見込みであるため、早期健全化基準を大きく下回るものと考えております。将来負担比率につきましても、市債などの将来負担すべき額を大きく上回る充当財源を確保できる見込みであることから、引き続き良好な数値で推移するものと考えております。 一方、実質公債費比率については、令和2年度までに順次実施してまいりました公共施設の大規模改修事業や小中学校への空調機器設置事業など、大型事業に係る市債の償還が始まることから、今後3年間の公債費がおおむね30億円から32億円に達することに加え、コロナ禍による市税の大幅な減収を想定せざるを得ないため一時的に悪化するものと予測しております。 また、健全化4指標とは別に経常収支比率においても、近年、扶助費に代表される義務的経費の伸びに比例して上昇傾向にあり、これに経常一般財源の代表格である市税の減収が追い打ちをかける形となって、さらに数値が上昇するものと考えております。 これらの数値の上昇は、すぐに財政運営に支障を来すものではありませんが、引き続き各種指標の動向を注視しつつ、新規経常もしくは大型建設事業については実施時期を慎重に判断するなど、健全な財政運営に努めてまいります。 次に、2点目の財政体質強化の考えと取組についてお答えをします。 財政の体質強化に向けては、中期的な財源確保対策として自主財源の根幹である市税確保への取組が重要と考えます。そこで、企業誘致に向けた工業用地の確保を始め三河安城駅南地区や南明治第三土地区画整理事業など、定住人口の増加に資する未来への投資を進めます。これらの成果が市民税の増収につながり、さらなる財政体質の強化が期待されます。 また、短期的な取組として歳入の確保と負担公平の観点から、これまでの市税コールセンターの業務対象に介護保険料と後期高齢者医療保険料の公債権を新たに加えて、令和3年度から収納コールセンターに衣替えすることで未収債権の回収を一層強化します。加えて、受益者負担の適正化をさらに推進するとともに、ふるさと納税の返礼品の拡充など自主財源の確保に向けた様々な取組を進めてまいります。 このほか持続可能で安定的な行財政運営の確立に向け、新たに専門家アドバイザーの支援による外部行政評価制度を導入するなど行政改革を進め、さらなる歳出削減と行政サービスの最適化に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  今後の財政予測及び体質強化の取組内容について分かりました。使える財源が限られている中、市民からはこれまでのサービスを継続することが求められ、その一方で社会ニーズの多様化により、これまで以上のサービス拡充や新たな政策課題の解決のための取組も求められています。当然、自治体の使えるお金には限りがあり、やりたいことの全てを実現できない以上、施策事業に優先順位をつけたり種々選択をしたり、あるいは少ない経費で効率的に事業が実施できるよう経費の精査を行ったりしながら、見込まれる収入の範囲に支出を抑えていく、これが予算編成であり、これを複数年度の計画として行うのが行財政改革ということになります。 神谷市長がこれまで長年にわたりこだわってこられた持続可能で安定的な行財政運営の確立に向け、全職員が一丸となり行財政改革を進め、さらなる歳出削減と行政サービスの最適化に努められることを要望し、次の質問に入らさせていただきます。 (2)次世代型行政サービスの推進について。 世界の潮流として、世の中のあらゆるもののデジタル化が急速に進行しており、スマートフォンやIoT機器の普及、AIの活用や5Gの整備など、ICTを取り巻く環境は進化を続け、デジタル技術を誰もが利用できる状況にある中、既存のサービスが新たなデジタル技術を活用したビジネスモデルに取って代わられるなど、いわゆるゲームチェンジが起きつつあります。 しかし、新型コロナウイルスの感染症対策の実施を通じて行政分野でのデジタル化、オンライン化の遅れが明らかになりました。新たな日常の構築を通じ、質の高い経済社会を実現するためには、市民に身近な行政サービスを提供する地方自治体においては、行政手続のオンライン化、自治体情報システム標準化、AI、RPAの活用など、自治体デジタル・トランスフォーメーションを加速させ、次世代型行政サービスを強力に推進することが重要と考えます。 本市においてもデジタル化の取組が進められていますが、現在までの取組状況と課題についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。三星副市長。 ◎副市長(三星元人)  今年度は、行政のデジタル化に関して、主にRPAやウェブ会議の導入、テレワークの実証実験を進めてまいりました。取組状況につきましては、RPA、これは定型業務を自動化できるソフトウエアロボットでございますが、固定資産税、都市計画税の減免処理業務や福祉サービス、障害支援区分更新対象者リスト作成業務など、4課6業務に本格導入してまいりました。現状では、RPAを作成できる人材が不足しているという課題はありますが、高い導入効果が見込まれることから、引き続き積極的に導入を進めてまいります。 ウェブ会議システムは、現在までに全体の約8割の部署で延べ300回以上の利用がありました。課題としましては、個人や少人数で使用できる会議室やマイクセットなどの周辺機器の不足のほか、使い方の研修などに対する要望が多いことが挙げられます。 また、テレワークの実証実験では、コロナ禍のような緊急事態時に職員が在宅勤務をする場合においても一定の庁内事務を行えることが確認できました。課題としましては、パソコンなど必要な機器が不足をしておりますので、本年度機器の増設を予定しております。 以上でございます。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  行政のデジタル化としてPRAやウェブ会議を積極的に導入され、その有効性と課題について理解することができました。 愛知県では県内全市町村とあいちAI・ロボティクス連携共同研究会を2019年1月に設置し、住民の利便性の向上及び業務効率化を目的に、AI、ロボティクスを活用したシステムの導入、利用を推進しています。今年度は、研究会においてAIを活用した総合案内サービスを39市町村で共同導入し、そのうち32市町村において11月16日から運用を開始しました。 安城市も昨年11月16日から自治体の各種手続などに関する住民からの問合せに、人口知能(AI)を使って総合回答する総合案内サービスが始まっていますが、本市の現時点で対象となる分野と今後の計画についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  AIを活用した総合案内サービスAIチャットボットで取り扱う分野につきましては、福祉、子育て、健康・医療など多岐にわたり、市民にとって身近な行政手続や制度に関する問合せに関して3,000件以上のQ&Aをあらかじめ作成しています。今後の計画では、寄せられた質問に対するAIチャットボットの回答状況を分析した上で、問合せに対してより的確な回答ができるようAIの再学習を進めるとともに、新たなQ&Aのつくり込みを行ってまいります。 市としましては、AIの技術革新は今後も加速度的に進むことが予想されますので、本サービスを共同導入している他の自治体及びサービス提供事業者と連携を図り、サービスの質を向上させるためのより効率的、効果的な方法を検討し、改善に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  安城市ホームページ望遠郷画面に「AIチャットボットに質問する」アイコンがあり、そのアイコンをクリックし、質問を入力すれば回答を得られるようになっています。私も試しに自宅付近のAEDの設置場所を検索してみましたが、地図上にAEDの設置されている施設が表示されました。今後も新たなQ&Aのつくり込みをお願いするとともに、最も行政の情報が分かりにくいのが外国から来られている方ではないかと思います。あいちAI・ロボティクス連携共同研究会に外国語の対応についても提案いただきたいと思います。 続きまして、(3)品質マネジメントシステムについて。 安城市品質マネジメントシステムは、安城市では「安城をかえる」というキーワードの下、市役所の業務改善と職員の意識改革を今まで以上に推進することによって、市民の皆様の満足度を向上させるために品質マネジメントシステムの認証を取得し、さらに行政品質を高めるために市の実情に合った品質マネジメントシステムを目指し、これまで取り組んで培ってきたノウハウを生かしながら独自のシステムを再構築し、運用してまいりますと書かれています。 安城市品質マネジメントシステムマネジメントレビュー令和元年度の報告書に書かれている行政品質目標の達成状況では、令和元年度は、目標項目485に対し達成率が93.6%で、31の未達成項目となりました。未達成項目として、工事8件や他部署との調整が必要となる方針・計画策定等で遅れが6件、また新型コロナウイルス感染症による6件の影響もあったと記載されています。 そこで、令和2年度の状況についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 今年度の行政品質目標数は473項目あり、9月末時点で計画どおり達成している項目の割合は92.6%と、おおむね予定どおり業務を進めることができているものと考えております。 未達成項目につきましては29項目あり、このうち新型コロナウイルス感染症の影響による遅れは、昨年度の6項目から16項目に増加し、イベントの開催や対面を必要とする業務などで遅れが生じています。 これらの未達成項目につきましては、所属長よりスケジュールや計画の変更などの指示を行い、目標達成に向けて適切なフォローアップを実施しておりますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  今年度の行政品質目標数が473項目で、9月時点では92.6%と、おおむね予定どおり業務が進められていることが分かりました。 お客様満足度アンケート結果にある総合満足度が、平成30年89.4ポイントから令和元年度は87.48ポイントと、1.92ポイントと大きく満足度が下がっており、その要因として最も起因しているのが「用件が済むまでの時間」となっています。また、公の施設利用者満足度アンケート結果では、「駐車場のスペース」「手続のしやすさ」が平成27年、平成29年、令和元年度と低い値となっています。これらのアンケート結果において、他の設問に比べ満足度が低い項目についてどのように改善され、満足度の向上につなげられるのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お客様満足度アンケートにおいて、満足度が低い「用件が済むまでの時間」に対する改善例として、マイナンバーカード関係では、市役所窓口の増設、日曜臨時窓口や出張窓口の開設などにより混雑の解消を図っているほか、来年度には遺族の方向けの手続をワンストップで御案内するおくやみ窓口を導入し、事前予約制とすることで待ち時間の短縮につなげ、利便性を高めたいと考えています。 また、新型コロナウイルス感染症の広がりによる社会環境の変化の中で非対面による行政手続が求められていることから、今後はオンライン申請の拡充に取り組むほか、マイナンバーカードを利用した申請書の自動作成サービスなど手続の所要時間を短縮できる仕組みについて研究を行ってまいります。 一方、公の施設利用者満足度アンケートにおいて、満足度が低い傾向にある「駐車場のスペース」の改善例として、北部公民館では来客用駐車場を拡張整備したほか、参加者が多く見込まれる催事等は開催日を調整するなどの取組を行っております。 アンケート結果につきましては、各施設及び担当課へフィードバックし、引き続き改善を行うことにより、利用者満足度の向上につなげてまいりたいと考えています。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  マイナンバーカード関係では、市役所窓口の増設や日曜臨時窓口、出張窓口の開設など混雑解消に取り組まれ、新年度からは新たにおくやみ窓口を導入し、事前予約制で待ち時間の短縮を図るなど、利便性を高める取組状況が分かりました。今後もさらなる利用者満足度の向上に向けて改善を進めていただくことをお願いし、次の質問に入らさせていただきます。 ○議長(大屋明仁)  質問の途中ですが、本会議を1時35分まで休憩します。     (休憩 午後1時30分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後1時35分) ○議長(大屋明仁)  ここで行革・政策監から発言の申出がありますので、これを許します。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  ただいまの辻山議員の代表質問、大項目1、施政方針についての(2)次世代型行政サービスの推進についての初回質問に対する御答弁の中で、テレワークに必要な機器の増設に関しまして、本年度機器の増設を予定しますと御答弁申し上げましたが、正しくは来年度機器の増設を予定しているということでございますので、おわびをして訂正をさせていただきます。大変申し訳ございませんでした。 ○議長(大屋明仁)  それでは、代表質問を続行します。辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  続きまして、大項目2、第8次総合計画(後期計画)について、(1)重点戦略「健幸都市推進プロジェクト」について質問いたします。 第8次総合計画は、自治体経営の最上位に位置づけられる計画であり、健康や福祉、都市計画、教育、産業など、行政が携わる全体分野の主要な施策の中長期的な方針を示すものです。第8次総合計画は、2016年度から2023年度の8年の重点戦略として健幸都市推進プロジェクトが掲げられ、5Kのうち健康を軸に捉え、これに関連する施策、事業の重点化を図っています。 第8次総合計画策定から間もなく5年となりますが、昨年の中間見直し、第8次総合計画(後期計画)、4年間の重点戦略「健幸都市推進プロジェクト」に掲げられているひとづくり、しごとづくり、まちづくりに対し、どのような取組を行っているのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  本市は、昨年度、第8次総合計画の中間見直しを行い、重点戦略である健幸都市推進プロジェクトについても、施策の体系をひとづくり、しごとづくり、まちづくりに改めました。持続可能な都市経営を実現するため、社会の担い手となるひとを育て、産業基盤の維持とイノベーションの促進によりしごとを創出するとともに、若い世代が本市に定住し、生涯にわたり住み続けたくなるような魅力ある、誰もが活躍できるまちづくりを進めていくことを柱としております。 具体的な取組につきましては、ひとづくりでは、健康やスポーツを通じた地域の活性化、安心して子供を生み育てられる環境づくり、教育環境の整備、社会の担い手の育成などにより、誰もが健康で幸せに暮らし続けられる環境づくりを進めてまいります。 しごとづくりでは、ものづくり産業を中心とする地域の産業振興や新規産業の創出、スマート農業の推進、広域連携による商業、観光振興などを通して安定した雇用の維持を図ってまいります。 まちづくりでは、多様な主体によるまちづくりの推進、地域防災力の向上や土地区画整理事業、公民連携事業などの取組により、住みたい、住み続けたいまちづくりを進めてまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  4年間の重点戦略「健幸都市推進プロジェクト」に掲げられているひとづくり、しごとづくり、まちづくりに対する基本的な柱となる取組について説明いただきました。 そこで、もう少し具体的なひとづくり、しごとづくり、まちづくりに対し、令和3年度の取組内容についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 ひとづくりでは、健康づくり環境整備事業を継続するとともに、スマホやパソコンなどで母子健康手帳の内容などを入力し確認ができる母子健康手帳アプリを新たに導入します。要介護者や要支援者の高齢者の外出を促進し、在宅生活の充実を図るため、一般タクシーの利用助成を行います。子育て支援としては、プレミアム商品券の無償配布や、保護者の負担軽減を図るため、保育園での使用済み紙おむつの回収、処分などを実施します。 次に、しごとづくりでは、安城ビジネスコンシェルジュを通じた中小企業支援を始め、商工会議所への支援により、中小企業者の販路拡大を図るオンラインによるWEB展示場とビジネス交流会を開催します。 最後に、まちづくりでは、老朽化の進む市営井杭山住宅の建て替え工事に着手します。また、南明治土地区画整理事業区域内28街区内につきましては、来年度末の竣工に向け土地有効活用事業を継続するとともに、三河安城駅周辺地区では社会実験等を通じてまちの魅力を高めるパワーアップ再生プロジェクト推進事業を実施いたします。 以上3つの健幸プロジェクトを推進することで、「幸せつながる健幸都市 安城」の実現を目指してまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  令和3年度のひとづくり、しごとづくり、まちづくりに対する様々な取組内容が分かりました。事業を計画どおりに進めていただき、3つの健幸プロジェクト推進をぜひ「幸せつながる健幸都市 安城」の実現を目指していただきたいと思います。 続きまして、(2)新たな工業用地の確保について。 企業誘致政策は、地域振興及び産業政策の中の重点的な政策として多くの地方自治体が力を入れて展開しています。なぜなら企業誘致は地域における雇用の場の創出、所得機会の創出、地域経済の活性化、地方財源の強化等に、直接的、即効的に貢献できる政策として従事されています。 第8次総合計画(後期計画)には、新たな発展に向けた工業用地の計画的誘導として、「恵まれた地理的条件や交通体系を活用し、新たな都市の活力を生み出す工業用地の確保を進めるため、国道23号沿線を産業軸として位置付け、周辺土地利用との調和を図った計画的整備を誘導します。また、北部地域の主要地方道の結節点となる地域に新たな産業ゾーンを設け、巨大地震などのリスク分散を考慮した産業立地を誘導します」と書かれています。地元企業の市外流出を抑止するための工業用地のニーズはますます高まっており、北部地域の新たな工業用地確保の案をお聞きしました。 また、今年度本市で初めて企業立地に関する計画が策定されましたが、その中で本市企業の現状と課題をどのように分析されたのかお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  お答えします。 本市の産業を牽引してきた自動車関連産業において、CASE革命と言われる100年に一度の大変革期を迎えております。特に電動化により、ガソリンエンジンなどの内燃機関、駆動系関連の事業者では、将来の売上げ減少が見込まれます。また、部品の共通化や設計開発の効率化が進み、試作、金型事業者では受注の大幅な減少が既に現実となっています。このことから、現在の事業の継続と業態変更を並行して実行していくことが各事業者に求められています。 その中で、新規事業や将来の事業拡大による増産、周辺住宅地への対応、施設の老朽化対策など、様々な理由で工場の移転や拡張に対する土地需要が高まっております。実際に計画策定の過程でヒアリングをした市内企業59社、市外企業4社、計63社のうち40社から45.6haの工業用地の希望をお聞きしております。特に市北部地域の希望が多く、その面積は全体の約7割に当たる32.3haでございました。 しかし、本市の現状から考えますと、まとまった工業用地を確保するためにはどうしても市街化調整区域内の土地利用を考えていかなければなりませんが、様々な法令上の制限などの制約から、企業の進出できる場所が限られます。このことから、今後どのように企業の需要に即した工業用地の確保を進められるかが課題となっております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  ヒアリング調査の結果、40社から45.6haの工業用地の希望があり、その中でも特に市北部地域の希望が約7割と高い状況がある中で、農地利用には様々な制約があり、需要に即した工業用地の確保が課題であることが分かりました。 しかしながら、近隣市においても工業用地の開発が活発で、市内企業の市外への転出や市内への進出意向のある企業の誘致を逸することが懸念されます。企業立地推進計画において、企業立地方針の基本理念に既存企業の流出抑制と新たな企業の誘致を進める環境づくりとあります。今後、市として工業用地確保策をどのように考えているのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  再質問にお答えいたします。 工業用地の確保に向けた取組につきましては、企業意向への迅速な対応を最優先課題として捉え、民間事業者による、整備を促進するため、その環境整備を進めていくこととしております。 その取組として、まず、市公式ウェブサイトに企業立地に関する専用ページを設けて情報発信してまいります。また、既存工業地の効率的な利用に向け、工業用地の拡張を希望する事業者とのマッチングを目的とした工業用地の土地及び工場活用サイトが商工会議所ウェブサイトに開設される予定でございます。 一方、民間事業者による整備を進めていきますと効率的な土地利用が図れない可能性があることから、産業ゾーン内の道路等を公共主導で計画、または整備していくことを検討してまいります。 さらに、大規模な企業の進出や複数の企業が計画的に進出するためには、公共が事業主体とならざるを得ないことも想定されるため、その場合に備え、最適の整備手法について検討してまいります。特に公共が事業主体となって工業用地を確保するには、様々な規制や地域の理解を得ることなど解決すべき課題が多くあり、長い時間を要します。そのため産業ゾーン内の工業用地確保に向けて工業用地としての適地調査を行うため、委託料の補正予算を計上させていただき、時期を逸することなく進めてまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  本市では、令和2年に企業立地推進計画が初めて策定されましたが、近隣市の刈谷市では、平成28年3月に刈谷市企業立地推進ビジョンが策定され、企業立地に向けた取組が進められています。地方自治体にとっての企業誘致のメリットは、一般的には税収のアップ、地域の雇用を増やすことです。支店や工場の誘致ができるだけでも地元の雇用環境の改善、周辺事業の発達などによる地域の活性化につながります。環境変化の厳しい時代にあって、チャンスの機会を逸することがないように進めていただくことをお願いします。 続きまして、(3)SDGs(持続可能な開発目標)について。 最近は、SDGsという言葉を新聞、報道等でよく耳にするようになりました。簡単に説明させていただきますと、SDGsとは持続可能な開発目標を意味し、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。誰一人取り残さないという理念の下、世界共通の課題である貧困、飢餓の撲滅、健康福祉、ジェンダー平等、住み続けられるまちづくりなどの17のゴールと169のターゲットを設定しています。 第8次安城市総合計画(後期計画)にも、SDGsのゴール目標アイコンを総合計画に組み込まれました。私が代表を務める会派みらいの風から出させていただいた令和2年度の当初予算要望から、項目ごとにSDGsの目標アイコンを掲示しています。 SDGsは、先進国、開発途上国を問わず、世界全体の経済、社会及び環境の3側面における持続可能な開発を統合的取組として推進するものであり、多様な目標の追求は日本各地における諸課題の解決に貢献し、地方の持続可能な開発、すなわち地方創生を推進するものです。地方創生は、少子高齢化に歯止めをかけ、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服し、将来にわたって成長力を確保することを目指していますが、地方が将来にわたって成長力を確保するには、人々が安心して暮らせるような持続可能なまちづくりと地域活性化が重要となります。国が示す地方創生との整合性を本市は自治体SDGsの具体的な取組としてどのように進めていくのか、考えをお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。
    ◎市長(神谷学)  国は、SDGsアクションプラン2021の4本柱の一つに、SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出を定めております。一方、本市の第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略は、第8次総合計画の後期計画と歩調を合わせ、一体的に推進を図ることとしており、健幸都市の実現を目指しております。 加えて、後期計画からSDGsの視点を新たに取り入れており、SDGsの17の目標と総合計画の18の分野の施策項目との関連性を明示しました。総合計画の各種施策は、経済、社会、環境の統合的向上の実現を目指すSDGsの理念と同じ方向性にあることから、総合計画に掲げる健康、環境、経済、きずな、こどもの各分野の施策を推進することにより、SDGsの目標達成を目指すこととしております。これらの取組を加速させるため、本市では、来年度から副市長を本部長とするSDGs推進本部を設置し、全部局、全職員が一丸となってケンサチまちづくりとSDGsの一体的な推進を図ってまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  総合計画に掲げる5Kの施策を推進することにより、SDGsの目標達成を目指すことが分かりました。そして、来年度からは副市長を本部長とするSDGs推進本部を設置し、全部局、全職員が一丸となってケンサチまちづくりとSDGsの一体的な推進を図られるとのことで、取組の本気度が伝わってきます。 2021年1月4日発行の日経グローカルによりますと、全国の自治体の間では、当初環境関連の目標に注目が集まっていたが、最近ではより魅力ある地域をつくろうと、経済、社会、環境の3分野の取組を総合的に進める動きが加速していると書かれており、全国815地区を対象に、18年に続いて2度目のSDGs先進度調査を実施しています。 公表データと併せて経済、社会、環境のバランスの取れた発展に各市区がどれだけつなげているかを評価したところ、さいたま市が首位と掲載されていました。経済分野では、前回同様トップは刈谷市で、上位6位までを愛知県が独占し、安城市は、刈谷市、みよし市、豊田市、東海市に次ぐ6位と、全国的にもトップクラスにあります。 しかしながら、安城市は今回110位で、前回の94位から後退していますが、後退した要因及び今後の取組についてお聞かせ願います。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 SDGs先進度調査は、インターネット上でのアンケート結果に国の公表データを加え、経済、社会、環境の3側面から各指標を得点化してランキングされたものとなります。 辻山議員の御指摘のとおり、2019年1月の初回調査での安城市の総合ランキングは94位でしたが、2021年1月の第2回調査では110位でした。 3側面の分野別得点について比較したところ、今回の調査では、全体の配点割合、採用指標や項目が前回の調査と変更されているため単純には比較ができませんが、経済がほぼ横ばい、社会が5.5ポイントの増加、環境が6.2ポイントの減少となり、環境面での減点が大きな要因であると考えております。 採点指標を分析したところ、これまで本市が精力的に取り組んできた再生可能エネルギーや生ごみ処理機への助成制度の配点が下げられ、新たに森林面積割合など本市にとって不利に働く項目が追加されており、これらが直接減点につながった要因の一つと推察しております。 今後につきましては、先ほどもお答えしましたとおり、全部局、全職員が一丸となって、経済、社会、環境の3側面の統合的向上を図るSDGsの視点を重視しながらケンサチまちづくりを推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  今回の調査結果では、環境面での減点が大きな要因であり、これまで取り組んできた再生エネルギーや生ごみ処理機への助成制度への配点が下げられ、新たに加えられた項目が本市に不利な点が減点要因であったことは理解しました。 内閣府は、18年以降、全国自治体から毎年30団体程度をSDGs未来都市に選び、20年度末現在94自治体が選定されています。21年度SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の選定が2021年2月19日から3月1日正午まで行われましたが、本市はSDGs未来都市選定に申込みをされたのかお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  政府は、令和元年12月に発表した第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略において、地方創生を推進する具体的な制度的枠組みを設け、全国の自治体の中からSDGsの達成に向けた優れた取組を提案する自治体をSDGs未来都市として選定しています。SDGs未来都市に選定されると、国からの支援が受けられる財政的なメリットや本市の取組が広く全国へPRされ、企業や団体等、SDGsの達成を目指す様々な活動主体から協力を得られる可能性が高まり、公民連携が促進するなどのメリットがあります。これまでに合計93の都市が選定されていますが、1年度で選定されるのは30自治体ほどで、大変狭き門となっております。 本市といたしましても、総合計画と併せてSDGsを重点的に推進する方針の下、SDGs未来都市の選定に向けて既に初めての応募手続を終えたところであります。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  SDGs未来都市の選定に向けて、既に初めて応募手続を終えたとのことであり、ありがとうございます。昨年の同時期にはまだ考えていないと言われていましたので、非常に驚いております。SDGs推進本部を設置し、全部局、全職員が一丸となって、ケンサチまちづくりとSDGsの一体的な推進を図るとの意気込みを感じます。 参考までにSDGs先進度では、さいたま市の人口知能(AI)やIoTなどの最先端技術やデータを活用し、新たな生活支援サービスの提供やコミュニティづくりなどを目指したスマートシティさいたまモデル、2位の京都市では食品ロス削減の取組、3位の葛飾区では、受動喫煙防止のための罰則つきの条例を制定した数少ない市区の一つとなっています。本市も、ケンサチまちづくりで全国の自治体モデルになるような取組を期待しています。 続きまして、大項目3、学校教育について、(1)令和3年度に向けた取組について。 本市では、2016年に安城市教育大綱が策定され、この大綱は第8次安城市総合計画の基本構想及び基本計画に基づき、本市の教育行政を推進するための基本方針であり、学校教育のほか生涯学習、文化・芸術、スポーツなどの各分野の目指すべき姿の実現に向けた施策を示すものとなっています。 また、現在、社会を取り巻く状況が急速に変化し、その変化の下で学校においても新しい時代に対応した教育や人材の育成が求められており、こうした社会状況の中で安城市教育大綱やこれまでの本市の取組を継承しつつ、新たな課題への対応や今後求められる資質、能力の育成に向け、安城市教育大綱の4つの柱及び施策の方針に基づく学校教育の分野別計画として、2019年度から2028年度までの10年間を計画期間とする安城市学校教育プラン2028が策定されました。 安城市学校教育プラン2028には、4つの大きな基本方針があります。それぞれの基本方針ごとに現在取り組まれている主な内容についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。杉山教育長。 ◎教育長(杉山春記)  まず、基本方針1の「学び合いやかかわり合いを重視した次世代を担う児童生徒の育成」につきましては、学び合いやかかわり合いを重視した分かりやすく楽しい授業の実践を各学校で進めています。1時間の授業で子供たちが互いに考えを聴き合う場面を設けたり、ふだんから学級内で意見を言いやすい雰囲気づくりを行ったりしています。 基本方針2の「豊かな心やたくましい体の育成と健康教育の推進」につきましては、本市の小中学校ではいのちの教育を推進し、学校生活を通して自他を認める活動を積極的に進めています。今年度からは、小学校5年生以上に、学校生活における児童生徒の意欲や満足感及び学級集団の状態を測定するアンケートであるhyper-QUというのを実施し、一人一人の児童生徒の心の状態に応じた支援をしています。 また、体力の向上については、教育委員会の調査研究事業として体力づくり推進研究を行いました。1年間の成果として、市内体育教員による体力づくりの体操動画を作成しましたので、今後の小中学校の指導に役立てていきます。 基本方針3の「様々な支援を必要とする児童生徒へのきめ細やかな対応」については、まず教育委員会の調査研究事業として、特別な支援が必要な子供たちのために作成する個別の教育支援計画、個別の指導計画の内容の見直しを行いました。特別支援学級を担当する教員が一人一人の特性を見取り、適切な支援が行えるようにしていきます。 次に、適応指導教室であるふれあい学級を北部と南部にも設置し、合計3か所で不登校児童生徒の支援を行えるようにしました。これまで以上に特に小学生の不登校児童が通いやすくなり、通室生の人数が増えております。 最後に、基本方針4の「安全・安心・快適を重視した教育環境の充実」については、普通教室と特別教室のエアコンの設置率は100%を達成しています。今後本市で特に力を入れることは、ICT機器のさらなる有効活用の方策を探るとともに、設備の充実を検討することです。これまでのタブレット端末活用事例を参考にしながら、1人1台のタブレット端末の活用方法を全市体制で研究をしてまいります。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  それぞれの基本方針に対する今年度の取組について、よく分かりました。 では、そのことを踏まえて、令和3年度に向けた次の一手はどのように考えているのかお尋ねいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。杉山教育長。 ◎教育長(杉山春記)  令和3年度はGIGAスクール構想元年となりますので、1人1台のタブレット端末をそれぞれの基本方針に絡めていくことが重要と考えています。基本方針1については、学び合いの授業でタブレット端末をどのように活用すれば、子供たちは、授業は分かりやすく楽しいと思うようになるかを研究していきます。 基本方針2については、情報モラル教育なども含め、心の教育にタブレット端末を活用し、自分にはよいところがあると思える児童生徒を育てていくよう努めてまいります。 基本方針3については、不登校児童生徒への対応として、オンライン機能を活用し、居場所づくりと学校や人とのつながりづくりを進めていきます。 基本方針4については、児童生徒及び教職員のタブレット端末の活用を進め、個別最適化された学習が行えるように学習環境を整えていくことはもちろんですが、タブレット端末の活用による教員の勤務時間の適正化を図ることも目標に取り組んでいきます。 このように、1人1台のタブレット端末を導入することによる本市の教育改革を進めることが次の一手と考えております。 以上です。 ○議長(大屋明仁)  ここで本会議を換気のため2時10分まで休憩します。     (休憩 午後2時07分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後2時10分) ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  タブレット端末が3月中に全小中学校の生徒の皆さんへ配付され、いよいよ新学期から本格的に1人1台のタブレットが導入されます。これまでと授業内容も大きくさま変わりしていきます。今後ますます教育におけるICTを基盤とした最先端技術の活用は必須となり、変化の激しい時代を生き抜くには、従来の一斉教育だけではなく、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、個別最適化された創造性を育む教育の実現が重要となります。学校現場で継続的に実現させていただくことをお願いします。 続きまして、(2)小中学校のSDGsの取組について。 文部科学省では、持続可能な開発目標SDGs達成に向けた取組が広く普及したとして、2020年度から本格実施を迎えた新学習指導要領において、持続可能な社会の創り手の育成が明記されました。このことを背景に、SDGs達成のための教育(ESD)の推進に向けた内外のニーズが一層高まっていることを踏まえ、SDGs達成の担い手に必要な資質、能力の向上を図る優れた取組に対する戦略的な支援を実施していますと記載がありました。 本市の小中学校でのこれまでのSDGsの取組内容と成果についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。杉山教育長。 ◎教育長(杉山春記)  SDGsへの取組は、未来を担う児童生徒にとってとても重要なものであり、各学校の授業や行事をSDGsの目標の考え方で整理をし、SDGs達成の担い手に必要な資質、能力の向上を図ってまいりたいと考えています。 小学校では、6の「安全な水とトイレを世界中に」、14の「海の豊かさを守ろう」に該当する浄配水場やクリーンセンターの見学、下水道の出前講座を行い、環境問題と関連づけた総合的な学習を展開し、節水やごみの減量のために自分たちができることを考える実践がありました。 中学校では、7の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」に該当する再生可能エネルギーについて調べ、意見交換を行う授業を社会科で行ったり、14の「海の豊かさを守ろう」に該当するプラスチックごみの海洋投棄について意見文を作成して発表する授業を国語科で行ったりして、教科の学習にSDGsの目標を取り入れた実践がありました。 成果につきましては、子供たちがSDGsの意味を意識することにつながったことと考えております。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  本市の小中学校でのSDGsの取組について知ることができました。参考までに相模原市では、SDGs普及啓発のツールとして市独自のSDGsカードゲームを開発し、市の特産品や環境施設などを取り入れたゲームを小中学校の総合学習の授業などで活用されています。また、さいたま市の小中学校、特別支援学校、市立高校では、SDGsを意識するため全ての市立学校が自校の取組を学校PRシートにまとめられています。本市においても、ぜひ参考にしていただきたいと思います。 続きまして、大項目4、子育て支援について、(1)不育症患者への支援拡充について。 不妊症については皆さん御存じだと思いますが、あまり聞き慣れない不育症とは不妊症とは異なるものです。 そこで、不育症について簡単に説明させていただくと、妊娠はするけれども、2回以上の流産、死産もしくは生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡によって、結果的に子供を持てない状態をいいます。流産を繰り返す反復流産や習慣流産も不育症に含まれます。検査費用は高額で、公的医療保険が適用される親の血液検査などの患者負担は2万円から3万円とのことですが、流産、死産した胎児の染色体検査は保険適用外のため4万円から10万円かかります。 報道によりますと、先進的に不育症の治療や検査に取り組む名古屋市立大が2010年カップル1,676組に行った研究では、原因不明が約70%を占めていたそうです。そして、2012年に482組のカップルに行った調査では、胎児などの染色体検査を行った場合は原因不明が全体の25%にとどまったとあります。 政府は、2021年度から不育症患者への支援を拡充するとの報道があり、保険外の胎児の染色体検査に1回当たり5万円を上限に支給されます。これにより原因の特定と患者が妊娠に向き合いやすくなる効果が期待されています。愛知県内でも瀬戸市、東海市、東郷町、小牧市が不育症助成制度を進められており、本市においても不育症で悩んでいる方に不育症治療助成制度を創設すべきと考えますが、市の考えについてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  お答えいたします。 厚生労働省所管の不育症対策に関するプロジェクトチームが昨年の11月に発表した報告書によりますと、日本では2回以上連続した流産の既往を持ついわゆる不育症の方が年間で約3万1,000人いると推定されるとあります。 辻山議員が言われますように、国は、来年度から流産した胎児の染色体検査などの保険適用外の検査費用に対し、1回5万円を上限に県を通じて不育症の方に助成していく予定です。また、愛知県においても、現在、名古屋大学医学部附属病院内に相談専用窓口を設け、電話や面接、メールでの応対を行う相談体制を整備し、対応しています。 このような状況の中、本市としましては、県の相談窓口の周知を図るとともに国や県の動向を確認しつつ、今後、調査研究してまいりたいと考えておりますので御理解くださいますようよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  今後研究してまいりたいと考えておりますとの回答をいただきました。実は、平成30年12月の一般質問で不育症治療助成について質問しました。そのときの回答としましては、不育症の一次スクリーニング検査や有効性や安全性が確認された治療は、そのほとんどが保険適用となっておりますので、現段階で助成については考えておりませんとの答弁でしたので一歩前進と受け止めさせていただきます。 第8次総合計画の子育てでは、安心して出産を迎えることができ、子育ての主役である保護者が喜びと安心の中で子育てができるよう、地域社会で子供の健やかな成長を見守り、子育てを担う保護者を支えることができるまちづくりを目指すと書かれています。安城市は、不妊症に対しては助成制度があります。子供が欲しいという思いはどちらも同じではないでしょうか。夫婦の経済的な負担の軽減を図り、少子化対策の推進を図ることを強く要望し、次の質問に移ります。 (2)結婚新生活支援事業について。 結婚新生活支援事業とは、内閣府の少子化対策として、結婚を希望する方が希望する年齢で結婚をかなえられるように環境を整備することが重要という趣旨で実施されている国策です。政府は、少子化対策の一環として、新婚世帯の家賃や引っ越し費用など新生活に係る費用について、これまでの30万円だったものを2021年4月から補助金の上限を60万円に倍増させる方針を固めました。ただし全員補助金をもらえるわけではなく、一定の条件があります。夫婦ともに婚姻日における年齢が34歳以下、かつ世帯所得340万円未満の新規に婚姻した世帯で、補助対象は婚姻に伴う住宅取得費用または住宅賃借費用、引っ越し費用となっています。補助金をもらえるのは、結婚新生活支援事業を実施している地域に住み、新たに婚姻届を提出した夫婦に限られます。 内閣府が公表している資料によると、2020年11月1日現在で交付が決定している市区町村は289で、愛知県内では弥富市だけとなっています。本市の結婚新生活支援事業実施についての考えについてお聞きします。また、昨年、安城市の新婚世帯は何件あったのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答します。 本市では、第2期総合戦略に基づき、低年齢児の保育需要増加や多様な保育ニーズへの対応、就労など、自立に向けた支援等により、結婚や出産の希望がかない、安心して子供を生み育てられる環境づくりを進めております。 市といたしましては、こうした取組を実施することにより、結婚、出産を始め子育てをする家庭を包括的、継続的に支援をしておりますことから、新婚世帯の経済的負担を一定程度軽減する当補助事業の政策目的は理解をいたしますものの、本市への導入につきましては、現在のところ考えておりません。御理解くださいますようよろしくお願いいたします。 また、昨年度の本市の新婚世帯件数につきましては、把握することができませんが、人口動態調査に基づく本市の日本人の婚姻件数は1,079件です。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  本市における婚姻件数は1,079件と推定され、年齢や所得など補助対象の条件を満たす新婚世帯はもっと少なくなると思います。しかしながら、本市の導入については、現在のところ考えていないとの答弁であり、非常に残念です。 弥富市では、予算額を設定され事業を導入されています。新婚世帯が結婚に踏み切れない要因を調査した国のアンケートでは、結婚資金が結婚の障害と答えた人が全体の約40%、結婚のための住居費用と答えた人が約20%いたそうです。そのため結婚に伴う経済負担を減らすために、新婚世帯に対して結婚に伴う新生活の初期費用、特に新居の家賃と引っ越し費用を支援するために国が補助を行っています。結婚イコール少子化対策でありませんが、結婚を希望する人が希望する年齢で結婚をかなえられるように環境を整備することが重要であることを強く要望させていただきます。 続きまして、大項目5、防災対策について、(1)上下水道施設の耐震化について。 市民が利用する水道や下水道の施設には、浄水場、配水場、管路、ポンプ場、浄化センターなど、数多くの施設があり、災害時においてどこか1か所でも被害を受けますと水は来なくなり排水できず、市民生活を脅かすこととなります。被害が何か所かにわたりますと、通常の生活を取り戻すまでには多くの時間と労力が必要となります。また、施設の管理者が安城市のほかにも愛知県企業庁や愛知県建設事務所など多岐にわたっていることも回復を遅らせる原因の一つになるとも思います。 大規模災害に備えた水道及び下水道の耐震化対策は、部分的な耐震化だけではなく、取水源から供給先の各家庭まで、また各家庭から汚水の処理をする浄化センターまでを一気通貫にて耐震化対策を進めることが被災時における被害を最小限に抑えることになると考えます。 そこで質問ですが、供給源となる県及び市の浄水場から汚水を処理する浄化センターまでの間における施設の耐震化状況についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  初めに、水道施設の耐震化状況についてお答えします。 本市における水道の供給源は、ダムを水源とする県営水道と地下水を水源とする市の水道があり、県営水道は、矢作ダムを水源とする県営豊田浄水場から安城北部浄水場までのルートと、牧尾ダム等を水源とする県営尾張東部浄水場から安城中部配水場までのルートの2系統になります。 県の水道施設について愛知県企業庁からお聞きしたところ、浄水施設耐震率は豊田浄水場が100%、尾張東部浄水場におきましては、現在耐震補強工事を施工中であり、また、各ルートの県営水道管路は延長約200mを残して耐震化済みで、耐震適合率は99%となります。 市の水道施設について、令和元年度末において3つの浄配水場では、32施設のうち21施設の耐震化が完了したことにより、耐震化率が65.6%となり、配水管は総延長1,047km余のうち357km余が完了したことにより、西三河8市の平均20.6%より13.5ポイント高い34.1%となっています。また、今年度は北部浄水場のろ過機の耐震化などを行っております。 次に、下水道施設の耐震化状況についてお答えします。 各家庭から排出される汚水は、市が管理する公共下水道管から愛知県が管理します流域下水道管を経て、矢作川、境川及び衣浦東部の各浄化センターにて処理されています。 市の下水道施設については、平成9年度に日本下水道協会が策定した下水道施設の耐震対策指針を適用する前に建設された37.4kmの重要な幹線管渠などの耐震診断調査を平成22年度までに行いました。この結果、耐震性がある、または緊急の対策は必要ないと判断しました36.5kmを除き、耐震化整備が必要な877mのうち725mで完了し、今年度におきましては広美中継ポンプ場の建物などの耐震対策を行っております。 県の下水道施設につきましては、愛知県にお聞きしたところ、3か所の浄化センターなどの建物施設の耐震化を優先的に行っており、また浄化センターは沿岸部に位置することから、液状化現象についても対策を進めています。なお、津波による浸水被害は、南海トラフ地震を想定した津波高よりも施設の地盤高や堤防高が高いため、想定していないとのことでした。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  県の浄水施設耐震率は、豊田浄水場は100%、尾張東部浄水場においては現在耐震工事を施工中で、耐震適合率は99%であることが分かりました。また、市の水道施設については、34.1%と西三河8市の中では高く、今年度は北部浄水場のろ過機の耐震化を行っていることが分かりました。発災時における被害を最小限に抑えるためにも、計画どおりに耐震化を進めていただくことをお願いします。 続きまして、(2)発災時における水道の供給について。 安城市新水道ビジョンは、中長期的な視野に立った水道事業全体の計画を考慮し、2018年を初年度として、10年後の2027年度までに実施する各種整備計画の策定年度と目標数値を設定しております。 水道施設設計指針2012では、リスク管理の一つとして非常時の飲料水の確保を挙げており、水道施設が甚大な被害を受けた場合に備え、飲料水の確保についても述べられています。 また、安城市地域防災計画の中で応急給水に関する考え方について、応急給水の目標として発災から3日目までが1日3L、4日目から10日目までが20Lなど、経過日数の段階ごとに目標水量や市民の水の運搬距離が示され、さらに南海トラフ地震が発生した場合の被害として水道管の被害箇所は約800か所で、地震直後の断水人口が約17万人、全体の94%が断水になると想定しています。 そこで質問ですが、発災直後は個々の備蓄に頼るところも多いかと思いますが、発災後、水道事業としてどのような体制を取って市民へ水を供給するのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  災害発生時の初動体制につきましては、安城市水道事業地震防災初動体制マニュアルにより、発災から3日後までのタイムラインを定めています。発災から1時間後を目標に上水道班を立ち上げ、被害調査体制を整えます。次に、6時間後を目標に市内を4か所に分け、幹線管路や避難所への応急給水管の埋設された道路を中心に被害調査を実施するとともに、各浄配水場の被害調査も進めます。あわせて、通報による被害状況を取りまとめ復旧計画を策定します。その後、12時間後を目標に災害時における復旧工事の協力に関する協定に基づき、事業者と協力して各浄配水場に近い上流から復旧工事を開始し、避難所や病院への通水を優先的に行ってまいります。 また、並行しまして進める給水活動につきましては、浄配水場の配水池に確保されています約2万8,000tの水道水を公民館避難所に運搬します。まずは中部配水場にて組立式の1立方メートルの給水コンテナをトラックに積載し、給水を行い、各公民館避難所まで運搬、設置します。この運搬給水につきましては、災害時における応急対策の協力に関する協定を結んだ市内の水道業者、土木業者31社から構成されています安城市上下水道災害時支援連絡協議会の協力を得まして行い、その後、市所有の2台の給水車で各浄配水場から繰り返し運搬します。 これらの行動を確実なものとするため、職員の初動体制の訓練のほか、給水コンテナを用いた給水訓練を協定を締結している協議会と合同で毎年実施し、発災時に迅速に行動できるように備えております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  発災時における初動体制等について、水道班の役割の重要性を再認識することができました。また、職員の初動体制の訓練や給水コンテナを用いた給水訓練を協議会と合同で毎年実施されるとお聞きし、心強く感じました。 各地での地震に伴う水道施設に被害が発生した事例や、近年の地球規模での温暖化や異常気象による災害を教訓として、災害や事故に対応できる施設に整備するとともに、広域的バックアップ体制などを定めていると思いますが、その危機管理体制についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  お答えします。 災害や事故において停電した場合に対応できる施設としましては、各浄配水場の配水ポンプ用に自家発電設備を設置しております。現在、非常時に使用できる燃料を3つの浄配水場を合わせまして約8,000L備蓄しており、この燃料で約2日間は稼働することが可能と考えております。 また、被災時に水道復旧活動拠点となります西庁舎につきましても、令和3年度に非常用発電機の整備を予定しております。 次に、広域的なバックアップ体制の整備としましては、応急給水活動、水道管の復旧工事及び給水車の応援などにつきまして、日本水道協会や県外の自治体及び市内の事業者と協定を締結し、有事に備えております。 毎年のように全国各地で発生します災害に対しましては、日本水道協会を軸に各水道事業体の結束力が強く、先日の福島県沖地震におきましても、地震発生の翌日には、宮城、福島両県の被害状況や応援要請状況も取りまとめるなど、迅速な応援体制が図られています。本市においても、同様に災害時のバックアップ体制が整っていると考えております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  危機管理体制については、非常時の燃料の備蓄及び広域的なバックアップ体制の整備として、応急給水活動、水道管の復旧工事及び給水車の応援など、日本水道協会や県外の自治体及び市内の事業者と協定を締結し、有事への備えを確認することができました。 発災を想定した家屋の地震対策、病院、避難所等の質問は、これまでに何度もさせていただきましたが、今回の質問で発災時における水道供給の重要性について改めて痛感しました。今後も有事に備えたさらなる危機管理体制の整備をお願いいたします。 続きまして、(3)発災時における公共下水道の対応について。 下水道施設は、水道や電気とともに住民生活を支える重要なライフラインの一つであり、震災によってその機能が麻痺した場合、トイレの使用ができなくなるほか市民生活に与える影響は極めて大きいと言えます。 市の防災計画では、南海トラフ地震の被害想定を被害箇所約30か所、発災1日後の支障人口を約9万5,000人としており、95%の復旧見込みを3週間としています。その対策としてトイレが使用できないことについては、マンホールトイレの整備や各自における携帯用トイレの備蓄の啓発など、各種対策に努めていただいていると思います。 大規模災害時に下水道施設が被災した影響としては、トイレの問題だけではないと思います。市民生活への影響としてどのようなことが想定されるのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  お答えします。 大規模災害時におきまして下水道施設が被災した場合の市民生活への影響としましては、主に3点あると考えています。1点目に、汚水の流下機能が喪失したことによるトイレ使用の問題があります。生理現象は止めることができず、市民生活への影響が最も大きいと想定されます。 2点目に公衆衛生の問題があります。下水道管の破損や停電によるポンプ施設などの機能が低下した状態で汚水を流し続けた場合には、各所のマンホールなどから汚水が流れ出し、生活空間で滞留することや河川などの公共用水域及び地下水を汚染するおそれがあります。 3点目としましては、道路における車両等への交通障害があります。地盤の液状化によりマンホールが浮き上がったり、下水道管が破損することで道路が陥没するなど、道路上において交通障害が発生します。特に緊急輸送道路で発生した場合、被災者の救助活動や支援活動に支障を来すことになります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  大規模災害時において下水道施設が被災した場合、トイレ以外には公衆衛生の問題、道路の交通障害の問題が市民生活に及ぼす影響が大きいことが分かりました。 その想定される内容について市としてどのような対応を考えているのか、課題を含めてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。上下水道部長。 ◎上下水道部長(市川公清)  再質問にお答えします。 発災時における職員の対応は、安城市下水道事業業務継続計画や班別行動マニュアルによりタイムラインを定めております。発災から3時間を目標に下水道班の立ち上げを行い、被害状況の確認、道路上の危険箇所等の応急措置を開始します。6時間を目標に県の浄化センターなどの被害状況の確認、12時間を目標に緊急点検、被害情報収集などを行い、3日を目標に汚水溢水箇所の仮排水などを行うこととしています。その後、復旧計画を策定し、安城市災害緊急協力事業者(工事)登録要綱に基づく登録事業者の協力を得まして、下水道機能の回復、道路の開放を目指します。 このような対応の中でも、特に700km余に及ぶ下水道の損傷箇所の把握や、75か所ある小規模ポンプ施設が停電により停止した場合における汚水溢水への対応が重要であると考えております。損傷箇所の把握は、2万か所以上あるマンホールの蓋を開け、流下状況を把握するための人員及び日数が必要となります。 汚水溢水への対応は、保有する2台の非常用発電機での優先箇所を判断することや、溢水箇所周辺及びその上流の住民に対する周知が必要となります。これらの課題解決には事業者や自主防災会などの協力が必要となりますので、今後協議してまいりたいと考えております。 ○議長(大屋明仁)  質問の途中ですが、ここで本会議を2時45分まで休憩します。     (休憩 午後2時40分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後2時45分) ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  発災時における職員の対応は、安城市下水道事業業務継続計画や班別行動マニュアルによりタイムラインを定められており、発災から3時間を目標に下水道班の立ち上げを行い、被害状況の確認、道路上の危険箇所等の応急処置を開始するとの答弁でした。課題として、2万か所以上あるマンホールの蓋を開け確認するための人員と日数が必要であることが分かりました。課題解決には事業者や自主防災会などの協力が必要とのことで、体制整備をお願いいたします。 続きまして、(4)大規模災害時を想定した職員の育成について。 近年、災害が頻発化、激甚化しており、特に最近は、これまで実施してきた津波、地震対策に加え、平成30年7月豪雨や令和2年7月豪雨などを受けた浸水対策や新型コロナ感染症対策が新たに喫緊の課題として浮上してきています。日本は世界的に見ても災害多発国として知られており、毎年のように全国各地で自然災害が発生しています。本市においても、南海トラフ巨大地震が発生した場合、最大震度7で死者数700人、建物全壊・焼失数1万4,000棟との被害想定が出されています。 2月には、福島、宮城で震度6強の地震が発生し、10年が経過した東日本大震災の余震と言われています。万一災害があった場合には、地方公務員は都道府県や市区町村で働いているため、職員自身も被災者である場合が高いです。しかし、公務員が優先すべきは市民の安全であり、自身の身は二の次として考えなければなりません。 そこで質問ですが、本市では大規模災害時を想定した職員育成をどのように行われているのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  災害対応の専門的能力を備えた職員の育成としましては、平成26年度から毎年1名、名古屋大学減災連携研究センターの研究室に受託研究員として危機管理課の職員を派遣しています。そこでは県内外18市町や民間企業等から派遣された受託研究員との共同研究に参加し、先進的、専門的な知識の習得に励んでおります。研究活動の成果は担当業務に反映するとともに、危機管理課内での情報共有により、課内職員のレベルアップにもつながるものと考えています。 そのほか、防災スペシャリスト養成研修など、国や県が開催する研修会にも積極的に職員を派遣し、育成に取り組んでいます。 こうした危機管理課で災害対応等に関する専門的な知識を習得した職員が各部署に異動し、異動先の職場で中心的な役割を担うことにより、組織全体の防災力向上が図られるものと考えています。 次に、全職員に向けた育成としましては、総合防災訓練を始め大規模災害発災を想定した職員の非常参集訓練や、初動体制を確立するための本部運営訓練などの各種訓練を定期的に実施するとともに、避難所関係者説明会や防災講演会などを開催することにより、職員の熟練度を向上させております。 また、復興支援として、熊本県益城町など被災地への職員派遣や、ボランティア活動への参加につきましても、被災現場での経験や知識を積んでいることから、貴重な人材育成につながっているものと考えております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  平成26年から毎年危機管理課の職員を名古屋大学減災連携研究センターの研究室に受託研究員として継続的に派遣されていることが分かりました。また、総合防災訓練を始めとした大規模災害発災を想定した様々な訓練を行い、職員の熟練度向上に向けた取組についても分かりました。 それでは、本市では今後どのようなことに重点を置き、訓練や研修を行うことを考えているのか。また、今年度は、コロナ禍において訓練や研修等において中止や延期を余儀なくされていると思いますが、このまま開催しないわけにもいかないので、今後はどのように開催することを考えられているのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。危機管理監。 ◎危機管理監(杉浦健文)  南海トラフ巨大地震が発生し、広域にわたり被害が発生した場合は、道路や鉄道の寸断、広域的なライフラインの停止などで、発災後3日間は外部からの応援は見込めないことが想定されます。そのため発災直後は本市の職員のみで災害対応を行う必要があることから、連絡体制の確認、職員の参集、庁内各班のマニュアル等に基づく手順など、初動対応の確認が重要と考えております。 一方、4日目以降は外部からの応援も期待できることから、応援があった際に円滑な受入れを可能とする体制を確保することが重要となります。そのため昨年度策定した安城市災害時受援計画を基に、全庁を挙げた手順の確認を本部運営訓練などと併せて実施することで、計画の実効性の検証や周知を図りたいと考えております。 しかしながら、辻山議員の言われるように、今年度は様々な訓練や研修、会議が新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました。このような状況が続くようであれば、人を一堂に集めて開催する訓練などの実施は困難となります。そのため今後は、小規模な単位で分散した訓練の実施やインターネットの通信技術を活用した訓練など、コロナ禍においても実施できる訓練の在り方も検討していく必要があると考えております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  今後は、コロナ禍における小規模な単位で分散した訓練の実施やインターネット通信技術を活用した訓練等の在り方も検討していただけるとの答弁でした。よろしくお願いします。 参考までにお話ししますと、一昨年の11月に会派で香川県坂出市の危機管理スペシャリスト養成プログラムについて視察をさせていただきました。坂出市は、近い将来発生が予測される南海トラフ地震などに備えて、職員一人一人の防災力、危機管理能力を高めることで全庁的な対応力アップを図ることを目的に、早い段階から消防職員であった危機管理専門官の笠井武志氏の発案により、全職員に防災教育を実施する取組を始めることを提案し、まず職員の中から指導者となるスペシャリストを養成し、スペシャリストが職員を教育していくというシステムを構築されました。 笠井氏によりますと、これまでの課題として南海トラフ巨大地震の大規模な災害が発生した場合は、防災、危機管理担当の職員だけではなく全職員で対応する必要がある。しかし現状は、職員の退職や異動があった場合の引継ぎや業務に係る教育が十分に行われていない。担当者以外は防災、危機管理業務の知識を有していない。また、阪神大震災や地下鉄サリン事件などをきっかけに注目されるようになった惨事ストレスは、多数の死者が出た現場や同僚の殉職に直面したショックで、不眠や無気力、鬱といった症状が出ます。すると、心的外傷後ストレス障害PTSDに進行するおそれもあるとのことでした。本市の危機管理課においても、機会があれば香川県坂出市の危機管理スペシャリスト養成プログラムを一度参考に研究していただけたらと思います。 続きまして、大項目6、新型コロナウイルス対策について、(1)予防接種の接種体制についてお聞きします。 厚生労働省は、2月14日、アメリカの製薬大手ファイザーが申請していた新型コロナウイルスのワクチンについて、製造販売を特例承認しました。新型コロナウイルスのワクチンとして国内で初めて承認となりました。16歳以上が対象で、費用は全額国が負担し、医療従事者への先行接種の後、4月以降に65歳以上の高齢者約3,600万人への優先接種が始まる予定となっています。 対象者には、予防接種法に基づき接種を受けることに努めなければならない努力義務が課せられています。努力義務は、社会全体を感染症から守るためにほかの定期接種でも設けられている規定で、接種はあくまでも希望した人が受けるのが原則となっています。高齢者で持病があり通院してみえる方や、ワクチン接種による副反応を心配される方も多くおみえになると思います。 また、ワクチンは原則として住民票がある市町村で接種することになっており、里帰りや出産や単身赴任などの事情がある場合や、長期の入院や老人ホームなどに入居している人などはどこで接種できるのか分からず、特に不安も多いと思います。本市では、不安を感じている市民からの相談や問合せに対応するため、新型コロナウイルスワクチンコールセンターを3月8日から開設すると伺っています。 そこで、コールセンターについてお聞きします。 コールセンターのオペレーターは、業務委託で対応されるとお聞きしていますが、対応準備、コールセンターの対応日時、配置人数、設置場所等についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  新型コロナウイルスワクチン接種のための専用コールセンターは保健センター内に設置し、3月8日以降、平日の午前8時30分から午後5時15分まで、10名のスタッフにより運営していきます。対応の準備期間として3月1日からの1週間で、スタッフにはワクチン接種に関する電話や窓口対応マニュアルの習得、ワクチン接種円滑化システムの操作方法、集団接種予約システムへの入力方法等を習得してもらいます。 なお、市のコールセンターでは、接種医療機関や集団接種会場についての問合せや集団接種の予約受付、接種券の再発行、市外での接種や施設入所者の接種方法についての問合せ、一般的なワクチンの有効性や副反応の問合せなどに対し、迅速、丁寧、的確に対応してまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  コールセンターは、3月8日から10名体制で平日の午前8時半から午後5時15分まで対応し、市民の方からの相談に対し、迅速、丁寧、的確に対応できるような体制で準備が進められていることが分かりました。安心しました。 しかしながら、気になる点もあります。日本語が不慣れな外国人への多言語などの対応はどのようにされるのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  再質問にお答えいたします。 新型コロナウイルスワクチンは、集団免疫を獲得するため外国人の方にも積極的に接種していただく必要があります。多言語化対応としましては、まず接種券の送付時には、封筒に「COVID-19予防接種」と英語ややさしい日本語で表記し、ワクチン接種に関する通知書であることが分かるようにします。また、同封する文書には、ワクチン接種に関する外国語での説明が必要な方に外国語表記での市公式ウェブサイトの閲覧をしてもらうよう記載します。 次に、コールセンターにおいては、ポルトガル語が堪能なスタッフを最低1名配置するとともに、外国人と市コールセンター及び市民協働課が委託する電話通訳の3地点、3者間通訳サービスも活用し、様々な言語での問合せに対応できる体制を整えます。 さらに、集団接種会場においても、多言語化した案内文や注意文書を会場内に掲示するなど、様々な対策を講じていきたいと考えています。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  接種券の送付時には封筒にCOVID-19予防接種の通知書であることが分かるようにし、コールセンターにも電話通訳のサービスも活用され、集団接種会場にも多言語化した注意書を掲示するなど、様々な対応を講じていただけることで安心しました。 さらに、細かい点についてお願いすると、漢字にはルビをつけたり、接種を分かりやすい注射に変更したり、多言語の問診票を準備することも検討をお願いします。本市も3か所で集団接種が計画されており、医師、看護師、職員の手配等で大変だとは思いますが、市民が安心してワクチン接種が行える体制準備をよろしくお願いします。 続きまして、(2)安城プレミアム商品券の発行について。 昨年は、新型コロナウイルス感染拡大に対する地域経済対策として、全国各地で市区町村独自のプレミアム付きお買物券が多くの自治体で実施されました。本市においても、令和2年度5月追加補正予算として2億500万円が計上され、安城プレミアムお買物券発行事業が行われました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが減少した市内の飲食店や小売店等を支援するもので、また、特に影響の大きい飲食店を支援するため、新たにプレミアム率を高めた飲食店券が発行されました。それぞれのプレミアム率は、飲食店券50%、商店券30%、量販店券10%で、1人につき上限5万円まで申込みができ、2万5,431人が申し込まれ、結果的に1万998人の方が抽せんから外れる結果となりました。 令和3年度も新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者に対し、安城市プレミアム商品券の発行が予定されています。利用期間が8月上旬から令和4年1月末となっており、建設券に関しては令和3年7月からとなっており、利用期間の違いについてお聞きします。また、前回の課題を踏まえて改善した点があればお示し願います。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  初めに、利用期間の違いについてお答えいたします。 プレミアム建設券は、利用期間内に工事の着手から施工完了までしなければならなく、購入者は工事を行う取扱店に事前に相談し、施工の確約の上、取扱店から商工会議所に申し込む必要がありますので、プレミアム商品券よりも長い利用期間を設けております。 また、建設券の購入者を先に決定することで、商品券の販売が抽せんとなった場合に建設券の未購入者を優先に購入できるようにしてまいります。 次に、来年度実施予定のプレミアム商品券発行事業の改善する点についてお答えいたします。 まず、販売額は1冊1万円から5,000円にし、販売冊数も6万冊から16万冊に増やします。また、今年度は1人5冊5万円まで申込みできましたが、来年度はプレミアム率20%で中小の商店、飲食店で使える地元応援券3,000円分と、量販店でも使える共通券3,000円分をセットにして1人6冊3万円までの申込みとし、少しでも多くの方に購入いただけるようにしてまいります。 さらに、申込み多数で抽せんとなった場合は、今年度購入できなかった方を優先してまいりたいと考えております。販売方法も新型コロナウイルスの感染リスクが懸念される対面販売をやめ、コンビニエンスストアやQR決済事業者を通じての支払いとし、入金確認後に商品券を送付することも検討しております。 なお、プレミアム建設券につきましても、令和元年度実施時は一口5万円を10口50万円まで申込みできましたが、来年度は5口25万円までの申込みとし、より多くの世帯が購入できるようにしてまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  プレミアム建設券の利用期間が長い理由について理解できました。今回は、プレミアム商品券、プレミアム建設券ともに、多くの方に利用していただけるように申込み口数を今年度よりも減らし、申込み多数となった場合には今年度購入できなかった方を優先するなどの改善点を確認できました。 続きまして、(3)子育て世帯への商品券の配布について。 昨年から新型コロナウイルス感染症に対し、国、県、市町村で様々な施策が行われてきました。本市としましても多くのコロナ感染症対策の支援策が実施され、弱者になりやすい子育て世帯への支援は自治体の本気度が問われる部分であると思っています。 今年の新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て世代を支援するため、安城プレミアム商品券1万円分をゼロ歳から18歳まで無償で、この3月議会で可決されれば配布される予定となっていますが、改めて子育て世代を対象とされた市の考えについてお聞きします。 また、プレミアム商品券は地域経済の活性化にもつながりますが、配布時期、配布方法及び商品券利用の対象店舗等についてお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  初めに、子育て世代を対象にプレミアム商品券を無償配布する本市の考えをお答えいたします。 昨年9月中下旬、1,679人の登録者を対象に新型コロナウイルス感染症についてeモニターアンケートを行い、1,174人から回答をいただきました。その中でコロナの家計への影響につきましては、56.6%の方が収入は変わらないと答えられた一方、14.5%の方が収入が3割以上減少したとされました。収入が3割以上減少したと答えられた方につきましては、40代が最も多く、次いで30代であり、子育て世代がその多くを占めていることが分かりました。 また、収入の減少以外にも、休校措置や緊急事態措置による活動自粛などにより、様々な面でコロナの影響を大きく受けていることが考えられます。 これらのことから、子育て世代を対象に商品券を無償配布し、子育て世代の方々が生活の安心感や未来への希望が少しでも感じられるようにしてまいりたいと考えております。 次に、プレミアム商品券の配布時期及び配布方法につきましては、7月下旬に地元応援券1万円分を直接御自宅に郵送してまいります。 なお、商品券の利用対象店舗につきましては、プレミアム商品券事業の地元応援券が利用できる中小の商店や飲食店等となります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  eモニターアンケート回答結果から、収入が3割以上減少した子育て世代を対象に商品券の無料配布を決定された理由について理解しました。また、利用対象店舗はプレミアム商品券事業の地元応援券が利用できる中小の商店や飲食店ということで、多くの店に参加していただけたらと思います。 そこで再質問をさせていただきますが、対象がゼロ歳からということですが、ゼロ歳はいつ生まれた子までが対象となるのか。また、転入、転出者はどうなるのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  再質問にお答えいたします。 商品券配布の対象につきましては、令和3年5月1日を基準日として住民基本台帳に記録されている平成15年4月2日以降に生まれた子供としておりますが、12月末日までに出生し、住民登録された子供も対象としてまいりたいと考えております。 また、転入者の対応につきましては、12月末日までに転入し、住民登録された方も対象としてまいりたいと考えております。 なお、転出者につきましては、令和3年5月1日の基準日以後、7月に予定する商品券発送の前に転出された場合は商品券を配布いたしません。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  ゼロ歳児は、今年の12月末までに生まれたお子さんも対象であることが確認できました。 私からプレミアム商品券について提案があります。昨年、家庭ごみを収集していただいている作業員の方たちに感謝、ねぎらいのメッセージを届ける動きが広がりました。新型コロナウイルスの影響による巣籠もり生活で家庭ごみが急増し、感染リスクとも向き合う作業員たちに数々のメッセージがエネルギーになったとの報道がありました。愛知県は緊急事態宣言が先月末に解除されましたが、厳重警戒宣言が発令され、地元商店街、飲食店は今なお厳しい経営状態が続いています。プレミアム商品券の一部に応援メッセージを書けるスペースを設け、地元商店街を応援できたらと思います。スペースの関係もあると思いますが、御検討をお願いします。 続きまして、(4)大学生等緊急奨学支援金について。 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大により大学生らにも大きな影響が出ました。休業要請や外出自粛などの影響でアルバイト収入や親の収入が減り、学業の継続に不安のある学生も多くいました。 それを踏まえ、全国の自治体や大学などで学生を経済的に支援するための独自策が打ち出されました。本市においても、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響により、勉学に意欲のある大学生の修学の機会が経済的理由により失われることを防ぐために、安城市が独自で緊急奨学金を支給され、私は高く評価しています。対象者1人当たり15万円が支給され、申請期間は令和2年6月1日から令和2年9月30日までとなっており、当初見込みは330人で予算額5,000万円を見込んでいたものが96人増加し、1,450万円予備費から充用され、合計で426名に支給されました。 そこで質問ですが、令和3年度は支給金額1人15万円と変わりませんが、対象者が700人と大幅に増加していますが、増加理由及び増加人数の内訳についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。教育振興部長。 ◎教育振興部長(早川智光)  お答えします。 対象者の算定に当たり、その基礎となります本市の大学生等の人数が把握できない中、前回の算定では、大学等進学者の推計、退学を検討している学生及び年収400万円以下の世帯の割合から推計をしました。結果、見込みを超える支給者数であったことからしますと推計が過少であったと考えます。今回はその反省を踏まえ算定を改め、本市の住民税課税者数を基に算定しております。 支給要件であります課税総所得金額が230万円以下で、所得控除の特定扶養控除を申告している数から、片働き世帯の割合で推計しています。 まず、特定扶養控除は19歳以上23歳未満を対象にした控除であることから、該当する者の多くは学生と考えられます。また課税世帯には共働き世帯と片働き世帯があり、共働き世帯では、2人の課税総所得額が230万円以上になる可能性が高いことから、片働き世帯の割合で算定するとともに、令和2年分の所得はコロナ禍の影響を受けており、令和元年分で判定した前回より対象者は増加するとの予測も含め算定しております。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  前回は、対象者の推計予測が過少であったことから、今回は算定を改め、住民税課税者数を基に算定されたとのことで、今回の対象者の増加理由が分かりました。 支給対象者に対してどのようにしてこの制度をお知らせするのかお聞きします。また、申請期間が令和3年6月から8月末と、昨年と比べ1か月短縮されていますが、その理由と、前回同様に9月とされる考えはあるのか、お聞きいたします。 答弁願います。教育振興部長。 ◎教育振興部長(早川智光)  再質問にお答えします。 まず、支給対象者への事業の周知方法でございますが、支給対象者を把握できないため個別の御案内ができません。そのため市公式ウェブサイトを始め広報「あんじょう」、公共施設への掲示、県内大学等への案内、また町内会の回覧板を活用したPRを実施してまいります。 次に、申請期間につきましては、前回は急遽事業を実施しましたことから、5月に公表、6月から申請受付と周知期間が短かったこともあり、期間を6月から9月までの4か月間としました。 今回は、事前の周知期間があることと、現に困窮し、この給付金をすぐにでも必要とする学生に対して授業料の一部を支援する目的で支給しますことから、6月から8月までの3か月間といたしました。 なお、申請期間の延長につきましては、申請状況を見極めながら判断してまいりたいと考えております。 ○議長(大屋明仁)  ここで、本会議を3時20分まで休憩し、換気をいたします。     (休憩 午後3時15分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後3時20分) ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  まず、申請期間については、今回は周知期間が長いとのことで理解しました。また、支給対象者を把握できないため、周知方法については市公式ウェブサイトを始め広報「あんじょう」、公共施設への掲示、県内大学等への案内、また町内会の回覧板を活用したPRを実施されるとのことで、よろしくお願いします。 新型コロナウイルスの影響により、家計の収入が急変したりアルバイトができない状態が続くなど、人によっては今後の学業の継続に問題が生じるなど人生を大きく左右しかねないため、有効な支援策であると思っています。緊急奨学支援金により、途中で学ぶことを諦めることなく卒業していただき、社会で活躍していただければ幸いと考えます。 続きまして、(5)児童扶養手当受給対象者特別給付金について。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を勘案し、ひとり親世帯の生活の安定を図るため、安城市が特別に児童扶養手当受給対象者に対して支給対象者1世帯につき3万円が支給されました。対象者には、令和2年4月1日に安城市児童扶養手当受給対象者特別給付金申請書が送付され、窓口または郵送で提出し、支給日は児童扶養手当5月定期支払日と同日と素早い対応をされました。 市内でひとり親世帯の給付金対象者が何世帯であったのかお聞きします。また支給合計金額実績についても併せてお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部長。 ◎子育て健康部長(小笠原浩一)  お答えします。 児童扶養手当受給対象者特別給付金の対象世帯は、令和2年3月分または4月分の児童扶養手当を受給する1,273世帯で、昨年4月1日に申請書を送付しました。申請期限が8月31日であることの周知や、申請勧奨として広報「あんじょう」及び市公式ウェブサイトへ掲載するほか、7月と8月にそれぞれ1回ずつ計2回、申請されていない方へ個別に通知書を送り、申請を促してまいりましした。その結果、1世帯当たり3万円を支給した特別給付金の実績は、支給世帯数が1,254世帯、支給金額は3,752万円でした。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  対象世帯1,273世帯中1,254世帯と98.5%と、多くの世帯で受給されていることが分かりました。しかしながら、令和3年度は、安城市児童扶養手当受給対象者特別給付金が3月議会の当初予算には計上されていませんが、その理由についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部長。 ◎子育て健康部長(小笠原浩一)  再質問にお答えします。 児童扶養手当受給対象者特別給付金は、令和2年3月下旬の時点で新型コロナウイルス感染症の影響により生活困窮状態に陥ることが最も心配されていたひとり親世帯に対し、市として、スピード感を最優先に緊急的に手元に現金をお届けすることが必要であると考え、国に先んじて実施しました。国は、ひとり親世帯への支援として、特別定額給付金、子育て世帯臨時特別給付金のほか、令和2年8月にはひとり親世帯臨時特別給付金を支給し、同年12月にはこの給付金の再支給を実施しております。 このように国が政策的に支援していることから、本市の令和3年度当初予算案には計上しておりませんが、国が行う支援事業については円滑に事務を処理してまいりますので御理解くださいますようお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  答弁では、国はひとり親世帯への支援として特別定額給付金、子育て世帯臨時特別給付金のほか、令和2年8月にはひとり親世帯臨時特別給付金を支給し、同年12月にはこの給付金の再支給を実施している。このように国が政策的に支援していることから、本市の令和3年度当初予算案には計上していないとのことですが、ひとり親世帯は支援がそれだけ必要であるために国が政策的に支援しています。本市においてもひとり親世帯の実態調査をしていただき、支援策の再度の検討を要望させていただきます。 続きまして、大項目7、安全・安心なまちづくりについて、(1)空き家対策について。 空家等対策の推進に関する特別措置法は、空き家の放置によって発生する様々なトラブルを解消し、空き家の活用や処分を後押しするための法律です。 市民の皆さんで知らない方のために少し詳しく説明させていただくと、具体的には空家対策特別措置法で特定空家等として認定された空き家の所有者に対し、行政は、修繕または撤去の指導、勧告、命令を行うことができます。空家対策特別措置法が示している特定空家等は4つに分類されます。 まず、1つ目が倒壊の危険がある住宅です。次に、2つ目は衛生面において悪影響が及ぶと考えられる住宅です。そして、3つ目が管理が行き届いておらず、周囲の景観を損ねる住宅です。最後に、4つ目がその他周辺の生活環境を著しく乱すと考えられる住宅です。安全面、衛生面、景観面、防犯面において問題のある空き家が放置されれば特定空家等と判断される可能性があります。 そこで質問ですが、本市における特定空家等に認定する具体的な基準と認定状況についてお聞きいたします。
    ○議長(大屋明仁)  答弁願います。建設部長。 ◎建設部長(神谷浩平)  お答えします。 本市では、平成30年3月に策定した空家等対策計画で実態調査により把握した643件の空き家について、ランクゼロからランク5までの区分に分類し、そのうち3件をランク5の最も危険な空き家としていました。本市における特定空家等へ認定する基準は、ランク5の空き家を対象とし、住宅地区改良法の規定による住宅の不良度の測定基準を用いて、倒壊するおそれがあるか否か、隣地住民や通行人の人命を脅かす、又は財産等を大きく損壊する危険性が高いか否かを判断します。そのほかこれまでの所有者との対応なども総合的に勘案し、特定空家等の可能性があるか判断した後に、法律や建築の専門家などで構成される空家等対策協議会で意見を確認し、空家等の適正管理に関する連絡調整会議にて最終判定することとしています。 次に、特定空家等への認定状況は、平成30年8月に錦町の空き家を、令和2年7月に根崎町及び桜町の空き家を認定しています。なお、令和元年8月に錦町の空き家は行政代執行により除却していますので、現在、特定空家等は根崎町及び桜町の空き家の2件となっております。 以上です。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  平成30年3月に実態調査により把握した634件の空き家について、ランク分けを行い、最も危険な空き家ランク5が3件、錦町の空き家は行政代執行により除去され、現在最も危険な特定空家等は根崎町と桜町の2件であることが分かりました。 そこで再質問しますが、現在2件の空き家が特定空家等に認定されていますが、これらの今後の対応についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。建設部長。 ◎建設部長(神谷浩平)  再質問にお答えします。 根崎町の空き家については、特定空家等へ認定後、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく助言を実施したところ、敷地に繁茂する樹木の伐採など改善に向けた動きが見られます。今後も所有者による自主的な改善を促してまいります。 一方、桜町の空き家についても同様に対応しましたが、進展が見られないため、複数回にわたり指導を行いました。その後も改善が見られないことから、令和2年11月には勧告を行いました。今後は、所有者が自ら改善するよう働きかけを継続するとともに問題の解決に努めてまいりますので、御理解くださるようよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  平成27年5月26日に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。この法律により、雑草が長期間放置されていたり、今にでも朽ち果てそうな空き家や適切な管理が行われていない空き家は、その地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていると考えられ、特定空家等と認定され、行政が所有者等へ改善を求める助言や指導、勧告、命令等の措置を行うことが可能となりました。 特に桜町の空き家に関しては、道路に面しており、多くの通勤、通学の自転車や歩行者が危険空き家の前を利用されています。被害が出る前に適切な対応をお願いします。 続きまして、(2)犯罪被害者支援について。 新聞報道によりますと、愛知県は、2021年度犯罪に巻き込まれた被害者や遺族を対象にした助成制度を新設する方針を固めたとありました。加害者側に損害賠償を求めて再提訴する費用の助成、遺族、加害者への見舞金、遺児支援の3つが柱となっています。 再提訴費用の助成は、被害者側の泣き寝入りを防ぐのが目的となっています。損害賠償を求めた訴訟で勝訴しても、加害者側が弁済しない場合は時効により10年で請求権が消えてしまうため、被害者側が改めて提訴できるように裁判費用として33万円を補助するとのことです。 また、見舞金は、犯罪に巻き込まれて重傷や重い病を負うことになった被害者に20万円、遺族に60万円を支給され、被害直後の生活費などに充ててもらうそうです。 また、親を亡くした遺児には年1回支援金が支給され、小学生以下が1万5,000円、中学生が2万円、高校生が2万5,000円となる見込みと書かれています。 県は、これらの助成制度を始め手厚い被害者支援を目指し、県の責務などを目指し、明文化した条例を制定する予定とあります。 警察庁によると、犯罪被害者支援に特化した条例は、2020年4月時点で三重、滋賀など21都道府県、名古屋市など7政令市、326市区町村で制定されています。本市においても被害者等支援条例は必要と考えますが、現在の市の取組及び条例の制定についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。市民生活部長。 ◎市民生活部長(杉浦章介)  本市の犯罪被害者支援の取組としましては、犯罪被害者からの相談、問合せにより、各部署で税の納付猶予、介護保険料等の軽減、市営住宅への優先入居やDV被害者のシェルターへの避難、住民票の閲覧制限等を行っております。 また、新たな支援として、令和2年4月から市民安全課に総合的対応窓口を設置しました。総合的対応窓口は、犯罪被害者等がつらい経験を何度も話す必要がないように、関係各課の職員を集めて相談、問合せを一度に聞いたり、相談者に付き添って各課の窓口を回るほか、関係部局や関係機関、団体に関する情報提供、橋渡しを行うものです。御利用実績につきましては、現在のところありません。 次に、犯罪被害者支援の条例についてお答えいたします。 愛知県にお聞きしたところ、愛知県は、犯罪被害者支援の条例制定に向け、今後準備していくとのことです。本市としましては、県が制定する条例の内容と近隣市の状況を確認しながら本市独自の条例制定について調査研究してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  04年に成立した犯罪被害者等基本法は、国だけではなく、自治体に被害者らを支援する施策を制定して実施する責務があると明記しています。都道府県では、宮城県が04年4月に初の支援条例を施行しました。各地の条例では、基本理念のほか相談体制の整備、病院への付き添いなどの生活支援、見舞金の給付などに関する規定が盛り込まれています。本市としましては、県が制定する条例の内容と近隣市の状況を確認しながら、本市独自の条例制定について調査研究していくとの答弁でした。 誰もが犯罪の被害者になる可能性がある今日、犯罪防止や犯罪被害者等のための様々な取組や支援活動を推進することが犯罪被害者等の権利、利益の保護、回復につながります。犯罪被害者等支援条例の一日も早い制定を要望し、次の質問に入らさせていただきます。 (3)町内会について。 町内会に加入するメリットの一つが地域住民と交流が持てるとのことです。地域によっては、運動会やお祭り、防災訓練、清掃活動などのイベントがあり、住民同士のコミュニケーションの場となっています。近隣にどんな人が住んでいるのか全く知らないと不安ですが、顔を合わせた経験があると安心できるでしょう。特に独り暮らしの場合、近所に頼れる人がいると心強いです。また、災害時に住民同士の協力が必要となった場合でも、日頃から交流があると連携しやすいと言えます。 市内には、現在81町内会があり、それぞれの町内会が抱える課題は違いがあると思いますが、共通して言えるのが若い世代は関心がなく、加入率が低下してきている、高齢化により役員のなり手不足ではないかと思います。 本市の町内会加入率の状況についてお聞きします。かつては町内会加入率が90%を超えていた時期もあったと思いますが、どのように推移して、現在はどのような状況にあるのかお聞きします。また、近隣市の現在の町内会加入率状況についても併せてお聞きします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。市民生活部長。 ◎市民生活部長(杉浦章介)  お答えします。 初めに、本市の町内会加入率の推移につきましては、平成7年度に初めて90%を下回る89%となり、その8年後の平成15年度には80%を下回るほどに大きく減少しました。町内会加入の重要性について広く情報発信するなどの対策による効果もあり、その後は緩やかな減少に転じたものの減少を続け、平成30年度から今年度までの3年間は、いずれも72%となっております。 次に、隣接7市の直近の町内会加入率を確認したところ、加入率が高い順に岡崎市89%,西尾市81%、豊田市79%、碧南市71%、知立市67%、刈谷市64%、高浜市55%で、本市は西三河地域においては中程度の水準でございました。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  本市の町内会加入率は、89%から8年間で10%低下し、ここ3年間は72%で推移しており、西三河地域においては中程度の水準である現状が分かりました。 また、近隣市では岡崎市が89%と高く、高浜市が55%と低いのには驚きました。岡崎市の人口は約38万6,200人で、高浜市が約4万9,000人で、人口が多いほど町内会の加入率が低下するイメージが私にはありました。 再質問させていただきます。 平成28年度には当時の79町内会にアンケート調査をしているようですが、その調査結果も踏まえて、町内会活動の現状に対し市はどのような課題認識を持ち、その対応策についてお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。市民生活部長。 ◎市民生活部長(杉浦章介)  再質問にお答えします。 町内会活動における課題は、辻山議員言われますように加入率の低下と役員等の負担増の大きく2つであると認識しております。平成28年度に実施した町内会へのアンケート調査では、町内会に加入しない理由の上位は、短期的な居住を除けば、「加入しなくても困らない」、「会費を払いたくない」、「町内会活動に関心がない」などでした。対策として、毎年度広報「あんじょう」に町内会特集記事を掲載し、加入を促すほか、転入手続等の際に町内会・自治会会員異動届を配布し、窓口に専用ポストを設けることで手間がかからない加入手続としています。 また、先月には、公益社団法人愛知県宅地建物取引業協会碧海支部と安城市町内会長連絡協議会、安城市で安城市における町内会等の加入促進に関する協定を締結し、不動産業界との連携による加入率向上の取組を開始しました。今後も引き続き町内会加入の重要性を広く発信してまいりたいと考えております。 役員等の負担増につきましては、同じアンケート調査で「役員の負担が多い」、「市からの依頼事項が多い」などの課題が挙げられていますので、市からの依頼業務や申請書類と補助金手続等の見直しにより、一層の負担軽減を進めてまいります。 また、令和3年度からは、土木事業に関する町内要望対応の窓口を一元化することで、連絡調整を行う役員の皆さんの負担軽減を図ってまいります。 ○議長(大屋明仁) 辻山秀文議員。 ◆21番(辻山秀文)  役員の負担が多い、市からの依頼事項が多いなどの課題については、負担軽減を進められるとのことですので、しっかりと進めていただくことをお願いします。 町内会の加入は強制ではありませんが、加入により多くのメリットもあります。災害時に助け合う共助、防犯パトロールや防犯教室などの防犯対策、地域住民の交流や高齢者の見守り活動などがありますので、しっかりとPRしていただき、加入促進に努めていただくことをお願いします。 これで通告した全ての代表質問は終わりました。長時間にわたり御清聴いただきありがとうございました。また、神谷市長さん始め三星副市長、杉山教育長、執行部の皆さんの真摯な御答弁をいただき感謝を申し上げます。 最後になりますが、今年度をもって御退任をされる執行部の皆さんには、長年にわたり市政のために御尽力いただきありがとうございました。今後ますますの御活躍を御祈念申し上げます。 これで代表質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。     (拍手) ○議長(大屋明仁)  以上で、みらいの風、21番 辻山秀文議員の質問は終わりました。 ここで、本会議を午後3時50分まで休憩します。     (休憩 午後3時43分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (開議 午後3時50分) ○議長(大屋明仁)  なお、本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長します。 公明党安城市議団、22番 今原康徳議員の質問を許します。     (登壇)(拍手) ◆22番(今原康徳)  皆さん、改めましてこんにちは。公明党安城市議団代表の今原康徳です。本日最後の登壇ですが、皆様、大変にお疲れのようですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 現在、新型コロナの影響で私たちの生活は変化を余儀なくされ、今なお多くの人々が先行きに不安を抱いています。世界的な広がりを見せる新型コロナは、もはや一国の対策だけでは封じ込めることはできません。地球温暖化対策なども含め、国際社会の結束が問われる今、米大統領の誕生は、一縷の転機になるかもしれません。 一方で、昨年末、イギリスは、移行期間も終了し、EUから完全離脱いたしました。国際社会が分断、対立から協調へ流れを変えられるか、その動向を見極めながらまずコロナ禍から国民の命と暮らしを守ることが最重要になるかと思います。 ワクチン、治療薬の開発、供給、検査体制の拡充といった感染症対策と産業や雇用を守るための経済対策に総力を挙げて取り組んでいかなければなりません。 また、ポストコロナに向けて日本の課題をしっかり解決していくことが重要だと思います。コロナ禍で明らかになったデジタル化の遅れやコロナ以前からの課題だった少子化や防災・減災、地方創生、脱炭素社会の構築など強力に進めていく必要があります。新型コロナにより停滞した社会に希望と安心をもたらす変革が急がれています。 昨年11月には、私ども会派要望を5分野にわたり97項目を予算要望書として提出させていただきました。それらを踏まえ、通告に従いこの後質問席より質問させていただきます。 本日は、3番目ということで重複する質問もあるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。     (降壇) ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  それでは、大項目1、新型コロナワクチン接種について伺います。 新型コロナウイルス感染症対策に関わる緊急事態宣言が3月7日まで延長されましたが、愛知県は2月28日をもって他の5府県と同時に解除されました。多くの方は、コロナ禍の収束に向けて確たる道筋を求めています。 こうした状況の中、今般のコロナワクチンの接種事業は、国にとっても収束に向け極めて重要な国家プロジェクトであり、安城市においても3月中旬以降の予約票の郵送作業に取り組んでいるところだと思います。 公明党は、1月20日に党本部にワクチン接種対策本部を設置し、全国の都道府県本部の対策本部と密接な連携のもと、円滑な接種体制の整備に向け全力で取組を進めています。2月12日には、菅内閣総理大臣宛てに以下の緊急提言をしております。 ①ワクチン接種に要する自治体への財政措置について。 ②自治体の接種体制の整備などについて。 ③ワクチン接種に関わる国民への周知について。 ④その他としてコールセンターの整備についてです。 以下、順番に質問していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 最初に、(1)予約方法について伺います。 65歳以上の方に予約票を郵送されると思いますが、どのように予約ができるのか、接種までの手順をお知らせください。また、予約証明書みたいなものが発行されるのかお聞きします。予診票も同封されるみたいですが、ワクチンが変わった場合、予診票も変わるのでしょうか、お聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  ただ今の質問に対し答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  お答えいたします。 まず、予約から接種までの手順についてですが、接種方法には医療機関で接種を行う個別接種と接種会場で接種を行う集団接種の2種類があります。 個別接種の場合、接種を希望する医療機関に直接申込んで予約を行い、当日、その医療機関に出向いて接種を受けます。一方、集団接種の場合は、インターネットを通じた予約か市のコールセンターにて電話予約をした上で、予約した日時に会場に出向いて接種を受けます。 次に、予約証明書の発行についてですが、個別接種の場合は、各医療機関がそれぞれ予約受付をし、対応します。一方、集団接種の場合は、インターネットでの予約申込み時に本人が指定したメールアドレス宛てに接種前日案内メールを送信することで接種忘れを防ぎます。また、コールセンターでの電話予約では、接種券などに予約日時を記録しておくようお願いするなど、接種日を忘れることがないよう御案内してまいります。 最後に、ワクチンが変わった場合、予診票も変わるかについてですが、現在、国から全国統一の予診票の様式が示されています。しかしながら、ファイザー社製ワクチン以外のワクチンが薬事承認された段階で、複数のワクチンに対応できるよう予診票の見直しがされる可能性があると考えています。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  個別接種と集団接種では、予約方法が違うことが分かりました。集団接種では、インターネットでもでき、コールセンターで電話予約もできることが分かりました。また、予約証明書等の発行はしませんが、インターネット予約の場合は、前日にメールが届くとのことでした。電話予約のときに忘れてしまったり、本人都合で変更する場合もあるかと思います。また、ワクチンが変わった場合、予診票も変わる可能性もあるということで、多分、一般の人たちの接種のときには変わっているのかもしれません。いろいろな問合せが発生すると思いますが、ここで再質問いたします。 コールセンターの役割をお知らせください。また、開設の周知方法もお知らせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  再質問にお答えいたします。 まず、市のコールセンターの役割としましては、接種医療機関や集団接種会場の案内、集団接種の予約受付、接種券や接種方法など市民からの一般的な問合せ等に応対していきます。 一方、ワクチン接種事業の施策に関することは国のコールセンターが、ワクチンの有効性や副反応等の医学的なことは県のコールセンターがそれぞれ応対することになっています。 次に、コールセンター開設の周知方法としましては、市のコールセンター開設については、広報「あんじょう」3月号に掲載しました。今後は、接種券送付時に同封するリーフレットや町内会の回覧板、ポスター掲示など様々な媒体を使って国や県のコールセンターも含めた周知を図ってまいります。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  国と県の役割が分担されているので、問合せ内容によって、またかけ直すことがないようにしていただきたいと思います。また、予約確認専用コールセンターがあったほうがいいと私は思っております。このことを要望いたしまして次の質問に移ります。 続きまして、(2)集団接種の人員確保についてお伺いいたします。 集団接種をするに当たり、それぞれの会場ごとに医師、看護師、事務スタッフ、運営スタッフ、設営スタッフ等が必要になるかと思いますが、人員は確保できているのかお知らせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  お答えいたします。 集団接種会場を開設、運営していくためには、医師、看護師、薬剤師、事務スタッフが必要になります。医師は、接種前の問診や接種後に副反応が現れた際に対処します。看護師は、接種のための筋肉注射や接種後15分から30分の容態の見守り、ワクチンの希釈や注射器への注入作業を行います。薬剤師は、ワクチン管理を行うとともに、看護師とともにワクチンの希釈や注射器への注入作業を行います。事務スタッフは、会場の設営、撤去を始め、受付での検温、接種券、予診票、予約の確認など、さらに接種後に接種済証を発行します。 5月以降10月末までの毎週土曜日、日曜日に3か所の集団接種会場を運営していくためには、多くの人員を確保し、日程調整する必要があります。現在、会場の運営、撤去及び事務を行うスタッフについては、専門業者に委託し、人員を確保する予定をしておりますが、医療従事者については、医師会や薬剤師会などに御協力いただき、人員の確保に向けて調整を行っているところです。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  5月以降から10月末までの毎週土日、市内3か所で進めていき、また、医師会等との調整も進んでいることが分かりました。現在、国から自治体へのワクチンの量が圧倒的に少ない中、この5月時点で間に合うのか不安は尽きないと思いますが、よろしくお願いいたします。 再質問いたします。 接種会場で接種終了書みたいなものは発行されるのかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  再質問にお答えいたします。 接種をした証明としましては、市民に郵送します接種券に接種済証用シートがついており、接種を終えるとそのシートにワクチンの種類とロットナンバーが記載されたシールを貼付することによって接種済証としてお渡しすることになります。 この接種済証は、接種した記録としてだけでなく、2回目の接種のときに1回目にどの種類のワクチンを接種したか確認でき、異なる種類のワクチン接種を防止します。また、万が一ワクチンに不具合があった際には、ロットナンバーで対象者を特定できる仕組みになっています。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  接種済証が発行されることが分かり安心いたしました。2回目の予約がその場でできるとよいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 施設入所者等について、高齢者、障害者等についてお伺いいたします。 施設入所者や自宅で往診の方などの接種方法についてお知らせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  お答えいたします。 新型コロナウイルスワクチンの接種は、接種医療機関の申出をした病院や診療所の医師によることとなっております。このことから、施設入所者のうち高齢者施設の入所者につきましては、接種医療機関の医師で施設の嘱託医、または医師会から依頼された医師により施設内などで接種を行える体制を整えていく予定です。 なお、障害者支援施設等の入所者につきましても、今後、嘱託医による施設内での接種も含めた調整を各施設や医師会と行ってまいります。 次に、自宅で寝たきりなど接種医療機関や集団接種会場に出向くことができない方につきましては、接種医療機関の医師でかかりつけ医、または医師会から依頼された医師による往診により自宅において接種が受けられるよう今後医師会と調整していく予定です。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  今後医師会と調整していくことが分かりました。調整後、周知の徹底をお願いしまして再質問いたします。 市や県をまたぐ場合、ワクチン接種は可能なのかお伺いいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。子育て健康部次長。 ◎子育て健康部次長(岩瀬由紀子)  再質問にお答えいたします。 新型コロナのワクチン接種は、住民票所在地の市町村にて接種を行うことが原則となっています。ただし、やむを得ない事情で住民票所在地以外に長期間滞在している場合は、接種医療機関や接種会場が所在する市町村に事前に届出をすることで、住民票所在地以外で接種することが可能となります。 具体的には、単身赴任や出産のための里帰りなどで、市外にみえる方が、市外の医療機関や接種会場での接種を希望する場合、事前に滞在している市町村に届け出てもらい、住所地外接種届出済証を交付してもらい、それを持参することで接種が可能となります。 例外として市外の病院や施設に長期入院、長期入所していたり、基礎疾患を有する方が市外の主治医のところで接種したりする場合などは事前の申出なく接種することが可能となっています。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  やむを得ない事情がある場合は、事前に届出をすることにより、住民票所在地以外で接種することができることが分かりました。このことも周知をお願いいたします。 現在、政府から新しくワクチン接種記録システムが配信される予定ですが、もう既に接種記録システムを決めている自治体等使用しないところもあるのかなと思います。国からタブレットが接種場所ごとに配布されると聞いておりますが、これにも入力スタッフが必要になると思います。医師を始め、看護師、スタッフ等たくさんの人が関わっていきます。調整等大変だと思いますが、何とか頑張ってほしいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 大項目2、農業文化都市について、(1)市の農業について。 本市の農業の歴史と発展は、先人たちが成し遂げた明治用水の開削から始まっています。かつては安城ヶ原と呼ばれ、水利が不便で、当時はため池や井戸の水を利用するしかありませんでした。こうした状況から、都築弥厚さんが私財を投げ出して石川喜平とともに測量を行い、その後の計画を岡本兵松らが受け継ぎ、1880年明治13年、今から140年ほど前に民間資本による用水路が開通いたしました。 その後、用水路は延長され、現在では幹線水路及び小幹流水路の両水路延長は約300km、末端水路では約1,000km、かんがい面積は5,500ha弱に及び、このうち本市は3,100ha余に配水されております。 また、この明治用水の一部はパイプライン化され、全国的にも珍しい約205kmが歩道や自転車道として上部利用されております。現在は、大規模地震に備え、国営総合農地防災事業、矢作川総合第二期地区において、頭首工や明治本流の耐震工事が進められております。 また、平成28年には、世界かんがい施設遺産にも登録されるなど、先人たちの業績に改めて敬意を表しますとともに、こうした意志は次世代につなげていかなければなりません。これまでの先人たちのたゆみない努力により、かつて日本デンマークと呼ばれ、水田農業を中心に多角的農業を行い、自ら農産物の購入や販売、勉強、病院づくりを行い、全国の模範となる地域農業を実践してきました。 本地域の農地は、昭和の時代に農地の区画整理であるほ場整備事業にいち早く取り組み、安城モデルと呼ばれるものを実施し、時代に即した農業を営んできました。こうして発展を遂げてきた本市農業ですが、今では各地域に担い手と呼ばれる農家が精力的に農業経営を行っています。 しかし、近年では、農地の所有者、すなわち地主のほとんどは水田に関しては非農家となり、生計、所得につながらない田んぼへの思い入れは希薄となっている傾向にあると思います。 このことは、様々な要因があると思いますが、結果として地主は農地の開発に対する抵抗感が薄れ、工業用地など開発への転用の要請にむしろ積極的に応じてしまっているように感じます。 一方で、都市部など農地を所有していない方は、客観的に農地を環境や防災上の視点から資源として捉え、高い評価をしている面もあるといえます。 そこで、(1)市の農業についてお聞きいたします。 本市の農業政策に関して、現状と課題についてお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  お答えいたします。 昨年行われた5年に一度の統計調査である農林業センサスの市町村別の結果はまだ公表されておりませんが、速報として公表された国や県別の数値を見てみますと、農業従事者の減少、高齢化や農地面積の減少などの傾向であり、本市も同様であると考えております。 また、地球温暖化によって近年多発している自然災害への影響や新型コロナウイルス感染症による消費の落ち込み、販売価格の低下などのほか、用排水路や農道などの農業用施設の老朽化が進み、その改修費用や維持管理費用などは年々増加しているなど厳しい状況であるといえます。 こうしたことを踏まえ、今後さらなる農地の集積、集約化を図るとともに、梨やイチジクなどの特産農作物の担い手の育成、確保及び支援を行ってまいります。また、先端技術の導入等により生産性向上につながる支援を行ってまいります。 このほか「農」ある暮らしを身近に感じてもらえるような産直市の開催や農業体験イベントなどを関係団体と協力して開催するなど本市農業の持続的発展と優良農地の保全に努めてまいります。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  これまで培ってきた本市農業の施策は、全国的に見て名古屋近郊の都市であるにも関わらず、また、世界的企業であるトヨタ自動車のお膝元でありながら多くの優良農地の保全につながっていると思います。 本市の面積86.0k㎡のうち市街化調整区域が約75%を占め、その多くが農地です。いわゆる農工商のバランスが取れて発展してきたといえます。 そこで、再質問いたします。 先ほどの答弁にもありましたが、優良農地の保全に関しての計画、考えをお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  再質問にお答えします。 農地は、米や野菜などを生産する基盤だけではなく、保水や地下水の涵養などの自然環境、生物多様性の場、美しい田園風景の景観など、多面的な機能を有しており、我々の貴重な財産、資産であるといえます。 また、担い手にとりましても安定的な経営を支える重要な役割がございます。本市は、これまで、優良農地の保全を積極的に行い、農工商のバランスの取れたまちとして発展してまいりました。今後も、この方向性は変わることなくまちづくりを進めてまいります。 しかしながら、少子高齢化、人口減少を迎える本市においては、定住者の増加や財政基盤の強化のための住居系市街地や工業用地の整備も進めていく必要があり、農地の減少は避けられないものと考えております。 つきましては、こうした課題等に対し、次年度に見直しを行う農業振興地域整備計画において優良農地の保全について考え方を整理いたします。また、農地転用許可制度をこれまでどおり厳格に適用することで無秩序な転用を抑制し、併せて農業委員会による農地パトロールの実施などを通じて、耕作放棄地や違反転用の発生防止を図り、調和の取れた土地利用と優良農地の保全に努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  なかなか開発と優良農地を守ることの両輪は難しいと思いますが、今後も適切な農地保全をお願いして再々質問いたします。 次期総合計画のことを言うのは早い気がいたしますが、現在の第8次安城市総合計画も後期計画がスタートしてはや1年が経過いたしました。健やか、幸せを意味する健幸都市の実現を目指すものですが、次の総合計画の策定に向けてそろそろ動き始めてもよいのではないでしょうか。 そして、昨年からの新型コロナウイルス感染症によって新しい生活様式が求められ、働き方の変化も見受けられます。コロナ禍において一次産業である農業は、学校給食や飲食店等の時短営業などで全国的に消費が落ち込み、廃棄してしまう農作物があるとも聞いております。 家での食事やテイクアウトなどの形での消費は増えたものの、外国人観光客の減少などの影響から、今後どこまで回復するか不透明です。今こそ農業のよさを再確認し、その先頭に立つときではないかと思い、農業文化都市を目指すべきと考えますが、市の見解をお願いいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  本市における農業の意義は、明治用水の開削と荒野の開墾に始まり、先駆的な産業組合を結成し、地域の力を結集した共同経営を進めるなどまちづくりの根幹を担ってきたものと認識いたしております。 しかしながら、本市を取り巻く産業構造や社会経済状況は、時代とともに変化しており、特に新型コロナウイルス感染症の影響は、人々の生活のみならず経済や社会全体の在り方にも甚大な影響を与えています。 本市は、平成28年度から健康で幸せでありたいという市民共通の願いを実現するため、目指す都市像を「幸せつながる健幸都市 安城」とする第8次安城市総合計画をスタートしました。そして、後期計画では、総合計画の推進がSDGsの目標達成に資することから、ケンサチはSDGsと銘打ち、その取組を始めたところです。 2030年までの持続可能な開発目標SDGsでは、特に経済、社会、環境の3側面を調和させ、統合的に達成することが重要となるため、本市としましては、まずはこうした理念をまちづくりの方向性に継承することが求められていると考えております。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  SDGsの目標達成に向け、経済、社会、環境の3側面を調和させ、統合的に達成することが重要となるとの答弁でした。 日本デンマークと呼ばれた当時も、農家と産業組合と農会、3者が一体となって経営と運営に当たり、多角形農業という生産方式に加え、産業組合による共同販売方式がタイアップしてきたとされています。先ほどの経済、社会、環境の3側面に合致すると思います。ただ、その3側面は、バランスが崩れ、調和してない、そういうことも思うのは私だけではないと思います。ぜひ検討の1つに農業文化都市を加えていただきたいと申し上げ、次の項目(2)営農支援についての項目に移ります。 国では、平成26年以降農地中間管理事業を活用した農地の集積と集約化を推進しており、本市でも現在では6割強が集積されているとお聞きしております。担い手農家は多くの場合、地主からの同事業による賃借権の設定により10年や15年を中心とした期間で農地を借り入れ、農業経営に当たっています。そして、借りている間は、収穫物の高品質化や多収量化を図るため、土壌改良や機械導入等の投資を行うなど様々な経営努力をしています。 そこで、質問です。本市において考える地域の担い手、営農に対する支援についてお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  国の主な支援としまして、水田で麦、大豆を生産した場合に、1反当たり3万5,000円を交付するなどの水田活用の直接支払交付金や諸外国との生産条件の格差により不利がある麦、大豆等の生産、販売を行う農業者に対して標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を交付する畑作物の直接支払交付金があります。 県には、農業経営の改善に必要な資金の融資制度などのほか、JAあいち中央では、新品種の普及拡大等に対する事業費の半額を助成する支援などがあります。 また、本市では、国や県などの補助対象とならない事業に対し、きめ細かい支援を行う食料・農業・交流推進事業補助金制度があります。例えば、水田農業を対象とした環境に配慮した水稲直播きの推進事業や水田畦畔除去事業などがあります。 さらに、国、県及びJAにおいては、スマート農業に関するICT機械等の導入に対する補助や支援する事業などもあります。 本市においても高品質化等の革新的な取組に対して事業費の2分の1以下を補助する制度があります。 こうした補助制度について関係機関と連携し、担い手農家への周知啓発を図るとともに、より効果的な支援を行い、持続可能な本市農業の発展に資するよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  しっかりと営農への支援を行っていただくようよろしくお願いいたします。 本市では、農地の約3,600haの6割が僅か150人弱の担い手農家に集積されていますが、地主が転用に伴う農地の売却に応じることとなれば、農地の賃借契約を期間の途中でも解約せざるを得なくなると思います。 つまり、担い手農家への農地の集積が進めば進むほど1人の担い手が転用により受ける影響も大きくなるということです。そうした場合、契約を解除するには、原則として農業委員会の許可を受けなければならないことになっています。 ただ、農地法により、その解約が両者の合意に基づくことが書面により明らかである場合などは許可は不要であるとされていますので、実際には、令和2年中に農地転用等を目的として行われた76件の解約の全てが両者の合意に基づくもので、借手が地主に配慮した結果、合意解約に応じているということだと思います。 しかし、転用等に伴って契約期間の途中で耕作地を失う担い手農家に対しては、それまでの投資や将来の逸失利益に対する何らの補填措置はありません。さらに、今年度策定される安城市企業立地推進計画により、今後、優良農地が大きく喪失することが心配されます。 このことは、担い手農家の農業に対する意欲を低下させるばかりでなく、経営計画にも支障を来すことにもつながりかねません。 そこで、再質問いたします。 市が今後工業団地を整備する場合のほか、農地が転用されることにより、耕作地及び所得が減少してしまう担い手への損失補填制度の導入のお考えがあるかお答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  再質問にお答えいたします。 山間部や臨海部がなく、市街化区域内にまとまった土地が少ない本市において、工業用地などを整備しようとする場合には、市街化調整区域内の農地を活用せざるを得ません。 集積、集約化が進んでいる本市では、今原議員が言われました農地の減少により担い手農家が被る損失に対して直接的な支援を行う制度について、昨年4月に本市農業委員会が市長に提出した意見書やJAあいち中央との農政懇談会でも度々御要望をいただいているところでございます。損失補填制度につきましては、先進事例の研究やJAと連携して国や県に働きかけてまいりたいと考えております。 一方、民間事業者等の転用行為を原因として担い手農家が受ける影響への対策につきましては、地主を含む当事者間で決めることといえますので、市が関与していくことは今のところ考えてはおりません。 いずれにしましても、直接的な損失補填制度だけではなく、その地域の課題解決になるよう、老朽化が進んだ用排水路の改修、大区画化などの基盤整備事業、高収益作物への転換などの国や県の補助事業を活用する営農支援もございますので、御理解をいただきますようよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁)  ここで本会議を4時30分まで休憩します。     (休憩 午後4時27分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後4時30分) ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  民間の場合は、致し方ないとしましても、ぜひ公共による制度化に向けて努力を行っていってください。国や県が制度化されなくても本市独自の制度も検討していただければと思います。 しかしながら、営農への金銭的な補償などを行うことは、税金を使うわけですので、もちろん農業者でない市民からの理解も得る必要があると思います。農地を保全していくためには、地域の担い手や農用地利用改善組合等の組織も農業や農地の重要性に対する理解が得られるような活動に一層取り組むことも求められると思います。ぜひとも本市農業を支える営農、担い手が生活できなくなるようなことを避けていただくようお願いを申し上げ、次の(3)農業研究施設の誘致についてに移ります。 本市篠目町地内にあります愛知県畜産総合センター種鶏場は、昭和12年に、愛知県種畜場清洲分場から種鶏場として独立し、昭和13年から業務を開始している施設で、当時の農家さんからの強い要望からこの地に建設されたものと理解しております。 この種鶏場を誘致するに当たっては、安城町長であった岡田菊次郎氏や、農林学校の初代校長であった山崎延吉氏らの努力と地元の協力があったものであり、先人たちの功績に改めて敬意を表するものです。 また、この施設は、全国的にも名前が知られている名古屋コーチンを飼育し、ひなの出荷も行っている、まさに名古屋コーチンのふるさとだといえます。こうした施設が本市にあることは、あまり市民の方は御存じないのかもしれません。県の施設とはいえ、もったいないことです。その施設が、現在、愛知県により小牧市への移転が進められております。 そこで、お聞きいたします。分かる範囲で結構ですので、県の事業の進捗状況、今後のスケジュールについて教えてください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  愛知県に事業のスケジュールについて確認しましたところ、まず、移転先となる小牧市においては、令和元年度までの2か年で造成工事が完了しており、今年度の養生期間を経て、令和3年度から2か年をかけて施設の建設工事を行い、令和5年度には、本市から小牧市へ移転する予定であると聞いております。 また、施設の移転が完了した後、現在の施設が立地している篠目町地内の建物などの解体に向けた実施設計を行い、令和6年度に解体工事を行い、令和7年3月までには更地にする予定とのことでした。 なお、現在のところ、移転に向けたスケジュールは予定どおり進んでいるとのことでしたが、コロナ禍の状況においては、その進捗について引き続き注視が必要であると考えております。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  分かりました。順調に進めば、あと4年後には何もなくなってしまうということです。この種鶏場跡地というのは、JR安城駅、名鉄新安城駅、JR三河安城駅に囲まれており、市街化区域とも隣接しており、非常によい区域と思います。私たちの議会も、令和元年度から未来型施設整備研究特別委員会が設置され、野場委員長のもと、この種鶏場跡地について検討していることは承知しております。 そこでお聞きいたしますが、県の現施設が撤退した後について、市の跡地への農業研究施設の誘致について考えをお聞かせください。 私は、先ほど質問させていただいた本市農業の課題や営農、いわゆる担い手さんに少しでも所得向上につながるため、今ある農作物を特化しての産地化や農作物の省力化などにつながるような大学の研究施設や最先端の生産工場などが誘致できないかなと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 現在の愛知県畜産総合センター種鶏場の土地は、全体で約3万8,000㎡ありますが、このうち約7割に当たる2万6,000㎡の土地はJAあいち中央が所有しております。また、残りの土地のうち本市名義として約4,500㎡、近隣4市との共有名義の土地が約7,200㎡ございます。 種鶏場跡地の施設整備につきましては、敷地の大半を所有するJAあいち中央の意向が大きく関与してまいりますので、土地所有者であるJAあいち中央、本市及び他市が連携を密にしながら、協議などを通して検討を進めていくべきであると認識をしております。 本市といたしましては、この土地の立地特性を踏まえ、今原議員が言われますような施設の整備が可能かどうかも含めまして、今後も情報収集と調査研究に努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  現在は何も動きがないということですが、JAさんと協力して、本市の農業の発展のためになる施設にしてもらえればと思います。 では、次の(4)他自治体との連携についてお伺いいたします。 本市は、山も海もなく、平坦な土地であり、多くが農地です。これまで近隣も含め、ほかの自治体との農業に関する連携や協定などがあれば教えてください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部長。 ◎産業環境部長(岩瀬康二)  お答えします。 本市では、農業に関してほかの自治体との協定は結んでおりません。しかし、連携につきましては、JAあいち中央とその管内になる碧海5市の農政担当及び愛知県農業改良普及課で構成する衣浦東部農政連絡協議会を平成8年に立ち上げております。協議会は年6回開催し、意見交換や情報共有の場として、主に各市の課題やJAの取組のほか、農業者への支援に関する国の補助金交付制度について、特に今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響に関する農家の支援、対策の方法などを議論いたしました。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  分かりました。農業分野について他自治体と協定は結んでいないものの、JA管内の協議会があり、いろいろな協議をしていることは分かりました。 そこで、再質問です。 農業の分野に限らず、多くの自然環境に接する機会を増やすお考えはありますか。長野県の根羽村さんとは、これまで環境分野などで交流があったかと思います。しかし、海に関しては何もないように思います。例えば、西尾市の佐久島に海に関する体験学習に行くとか、根羽村以外の山間部を含めて、ほかの自治体との連携をしていくお考えはありますか。現在の取組などがあれば、併せてお答えください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 本市と根羽村は、平成3年度から矢作川水源の森、分収育林事業により、森林の共同経営に取組んできたほか、村内の茶臼山高原野外センターにおける市内中学校の自然教室や、七夕まつりへの根羽村の子供たちの招待事業などを通して、児童生徒の交流に長年取り組んでおります。 一方、本市と碧南市、西尾市、高浜市及び愛知県は、平成5年度に油ヶ淵水質浄化促進協議会を設立し、アクション油ヶ淵を始め、様々なイベントを通して、油ヶ淵の水質保全や河川美化、水辺環境について市民の関心を高めていただくために普及啓発活動を行っております。 山も海も持たない本市としましては、SDGsの視点も踏まえ、自然環境や水資源の重要性について市民の理解と共感を醸成するために、引き続き根羽村や隣接市との連携、交流に努めてまいりたいと考えております。 加えまして、自然環境に接する機会となる新たな連携、交流につきましても、今後研究してまいりたいと考えておりますの、御理解くださいますよう、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  今後、研究していかれるということですが、これまでの本市の農業の歴史を踏まえ、都市化と農業の共存、バランスの取れたまちづくりを目指して、営農たちも含め、市民が誇れるまちとして、また、碧海農業のリーダーとしてのプライドを持ち、全国の模範となるよう、時代を先取り、持続可能な農業施策を行っていただくことを期待しまして、次の質問に移ります。 大項目3、働き方改革について、(1)自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)について伺います。 デジタル・トランスフォーメーションとは、スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱したもので、経済産業省によるDXの定義は、企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立することとなっており、デジタル技術による事業、社会の抜本的な変革を意味しております。 DXが社会的な注目を集める転機の一つとなったのは、2018年9月に経済産業省が発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』で、このレポートでは、仮にDXが進まなければ、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると警告いたしました。 「2025年の崖」は、老朽化などの問題を抱えているシステムが、数多く社会に残った場合に想定される経済の停滞などを例えた言葉で、DXレポートでは、多くの企業が、DX推進の必要性を理解しているが、実際に変革に結びつけられていないと指摘、その要因の一つが、老朽化や複雑化、ブラックボックス化している既存の基幹システムだとしています。 こうしたシステムに費用や労力が投入され、新しい技術に資源を投入できなければ、競争力は低下いたします。DXレポートでは、2025年には、21年以上の長期に渡って稼働するレガシーシステムが全体の6割を占める可能性に言及しています。 また、コロナ禍を受け、今年はリモートワークの普及や外出自粛などで、DX推進の社会的ニーズが高まりました。加えて10万円の特別定額給付金などの遅れや、行政機関のシステムの互換性がなく、テレビ会議を行えないなどの事態もあり、行政のデジタル化の遅れが顕在化いたしました。 押印や書面を要求される手続のためにテレワークが進まない事例も散見され、現在、押印やファクスが必要な業務見直しに向けた社会的な要請も高まってきています。こうしたコロナ禍を受けた社会情勢を踏まえ、経産省は、昨年8月に新たな検討会を立ち上げ、DX推進の取組を加速いたしました。菅政権としても、日本社会におけるDX推進の司令塔となるデジタル庁創設の方針を打ち出し、現通常国会に関連法案を提出し、今やDXは、国家プロジェクトとして位置づけられております。 デジタル庁の創設で、国と自治体のシステムの統一化や、マイナンバーカードの普及促進を通じた各種給付の迅速化が進み、スマートフォンを使った行政手続の普及やオンライン診療、デジタル教育に関する規制緩和も期待されているところです。 安城市においても、当初予算の中でRPAやAIを活用した事業や、スマホで納税できる事業予算が組み込まれており、行政の働き方も情報共有や市民サービスの向上によって相談窓口の拡充、計画、企画立案などに変化していくものではないかと思っております。 前置きは長くなりましたが、一方で、デジタル社会が進むことによって、高齢者や障害を持つ方など、必ずしも恩恵を受けていない方がいることも事実です。現在、総合計画でもうたわれているSDGs(持続可能な開発目標)の理念でもある、誰一人取り残さないことは、情報デジタル弱者への配慮が必要になってまいります。弱者の目線に立つ技術開発や技術者育成、ユーザー側の技術受容を促すための意識改革支援など、このコロナ禍で課題はクローズアップされてきたことと思います。 そこで、質問ですが、誰もが情報通信技術を活用できる環境を創出するデジタルミニマム社会の構築が必要だと思いますが、市としてどのように考えていますか。また、高齢者等へのデジタル活用支援などにおける現状の取組を含めてお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 デジタル・ミニマムとは、デジタル技術が活用される社会において、誰もが取り残されず、新たな日常へ参画することが可能となるよう、デジタル格差対策などを行っていくことと認識しております。 本市では、こうした取組として、社会福祉協議会が高齢者を対象にスマートフォンの体験講座や、その活用に関する講座などを開催しております。また、市民課がマイナンバーカードの制度説明やカード申請支援を目的に、マイナンバーサロンを実施しております。なお、現在、策定を進めております情報化の推進に関する計画において、ICTの活用における格差の是正を施策の一つに位置づける予定でございます。 今後もデジタル化の推進による恩恵を誰もが享受できる社会を目指し、ICT機器の使い方講座やマイナンバーカードの利活用に関する支援など、様々な取組を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  策定中の計画では、ICTの活用における格差の是正を掲げ、ICT機器の使い方講座などを通して、デジタル化の推進による恩恵を誰もが享受できる社会を目指すとの答弁があり、うれしく思います。市長中心に、担当部署において強力に推進していただけたらと思います。 デジタルミニマム社会に向けた取組として、国の制度にデジタル活用支援員があります。国は2020年度にこの制度を試験導入し、2021年度に拡充する方針です。 そこで再質問ですが、格差の是正に向けたデジタル活用支援員の本市での導入について考えをお聞かせください。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。行革・政策監。 ◎行革・政策監(横山真澄)  お答えします。 国がデジタル活用支援員を通して行っております事業の目的は、高齢者等がICT機器やサービスの利用方法に関し、身近な場所で身近な人に気軽に相談できる体制を構築することにあります。 現在、市では、市公式ウェブサイトや市公式LINEでの情報発信、各種オンライン申請サービスなど、ICTを活用した行政サービスを提供しておりますが、高齢者等においては、ICT機器の利用に不安があり、利便性を感じてもらえていないということも認識をいたしております。このため、市といたしましては、国の仕組みを参考にして、民間事業者等とも連携を図りながら、高齢者等のデジタル格差対策について調査研究に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  民間事業者との連携を図りながら調査研究に取り組んでいくということですが、国の制度設計では、高齢者、障害者等がICT機器を利活用することで、AI、IoTによる恩恵を受け、活き活きとより豊かな生活を送ることができるようにするためには、先ほど言われました高齢者等が住居から地理的に近い場所で、心理的に身近な人からICTを学べる必要があるとあります。 昨年10月から全国で実証事業がスタートしております。地域のNPOやシルバー人材センターなどが担い手となって、高齢者を中心にスマートフォンやパソコンなどの電子機器の使い方や電子申請などのアクセス方法を分かりやすく教える取組です。これらを調査研究しながら導入に向け、誰一人取り残さないデジタルミニマム社会の構築の推進をお願いし、次の質問に移ります。 大項目4、まちづくりについて、(1)2050年カーボンニュートラルについて。 近年、大型台風や集中豪雨による大きな災害が日本各地で発生しております。一昨年には、台風15号と19号が関東地方や東北地方で猛威をふるいました。昨年7月には、九州の熊本などで線状降水帯が発生し、局地的に猛烈な雨が降り、大規模な河川の氾濫が発生いたしました。 通常、気象庁は、特別警報級の天候が予想される場合には、事前に記者会見を開き、警戒を呼びかけていますが、このときはそうした対応ができませんでした。まさに人間の想定を超える異常気象であり、気候変動の進展による自然災害の激甚化を感じさせられる出来事でした。 そうした中、昨年10月に菅総理が2050年に国内の温室効果ガス排出の実質ゼロ、カーボンニュートラルを表明されました。この表明は、国内外に大きなインパクトを与えることになり、地球温暖化が要因とされる気候変動問題がメディアで注目され、気候変動と地球温暖化対策への関心が一気に高まることとなりました。 そこで質問ですが、2050年カーボンニュートラルについての気候変動の状況などの認識も含めて市の考えをお尋ねいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。神谷市長。 ◎市長(神谷学)  お答えいたします。 本市の平均気温は、安城の統計の公表数値で最も古い記録の昭和32年から5年間の平均値と直近5年間の平均値等を比較しますと、約2度上昇しております。また、本市の降水量は、顕著な傾向は見られませんが、全国では年間降水量の変動がほぼない中、降雨日数は減少し、1時間当たりの降水量50mm以上の発生回数は増加しており、短時間に降る強い雨が増加する傾向が見られています。 それらの傾向とともに、近年、大型台風や局地的な集中豪雨により人々の生活や企業活動に大きな被害を及ぼしており、今後、世界各国がパリ協定に基づき気候変動を抑える取組を積極的に進めたとしても、年平均気温は上昇すると予想されていることから、気候変動問題は大変深刻であると認識しております。 こうした中、昨年10月に菅総理が表明された2050年カーボンニュートラルは、国を挙げた目標となっております。この表明以降、国では政策の見直しを行う委員会の創設や議論が進展しており、脱炭素を目指す宣言をする民間企業なども現れるなど脱炭素化の動きは大きく加速しています。 本市としましても、社会動向を注視しながら気候変動の要因である温室効果ガスの排出抑制を推進してまいりたいと考えております。 気候変動の脅威から将来にわたって命や財産を守り、経済や社会の持続的な発展につなげるため、市だけではなく市民や事業者などと一体となり、2050年カーボンニュートラルに向け地球温暖化対策を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  気候変動の状況について市が危惧していることや、気候変動の対応のため2050年カーボンニュートラルを意識し、地球温暖化対策を推進されることが分かりました。 今の答弁にもありましたが、今後、世界各国がパリ協定に基づき、取組を積極的に進めても年平均気温が上昇することは確実とのことであります。そして、さらに、気候変動が進展し、人々の暮らしに与える影響が大きくなることは、将来世代に負担をかけることになります。 今後、気候変動の進展を抑えるための地球温暖化対策の推進はもちろんのことですが、気候変動の進展を完全に止めることができないのであれば、一方で、気候変動を受け入れ、予想される被害を軽減、回避する対応が必要になってくると思います。 そこで、再質問となりますが、気候変動への対応について市の考えをお聞きいたします。
    ○議長(大屋明仁)  答弁願います。産業環境部次長。 ◎産業環境部次長(小栗滋昭)  再質問にお答えします。 気候変動による影響は、本市においても見られており、生育に大切な時期に気温が高過ぎることで、稲作では、玄米の白濁現象が発生したり、露地栽培のイチジクでは、よい品質のものが収穫できない場合があるなど農作物への影響が生じております。 そうした気候変動への対応については、その要因とされる温室効果ガスの排出を抑制する緩和策と、現在または将来予測される気候変動による被害の回避、軽減を図る適応策に分けられ、この2つを両輪として取り組んでいくことが重要となります。 具体的には、緩和策として、省エネルギーにつながる暮らし方の啓発や太陽光発電設備、燃料電池システムを始めとする再生可能エネルギー機器の設置に対する補助制度などを2050年カーボンニュートラルを目指して引き続き推進してまいります。 また、適応策としては、熱中症の予防や対処方法の周知、防災訓練の実施、水害ハザードマップによる情報提供、農作物への対策、災害被害の抑制のための基盤整備などを推進してまいります。 気候変動への対応は、SDGsの目標の1つであり、ケンサチのまちづくりを進める中で取り組んでいく課題でもあります。地球温暖化対策や生物多様性の保全などの環境に関する分野、防災に関する分野、農業の振興に関する分野など対応は多岐にわたることから、市を挙げて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁)  質問の途中ですが、ここで本会議を5時5分まで休憩します。     (休憩 午後4時57分) ○議長(大屋明仁)  休憩中の本会議を再開します。     (再開 午後5時05分) ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  気候変動への対応には、緩和策と適応策を合わせて行っていく必要があることが分かりました。今後の2050年カーボンニュートラルに向けた取組、そして、気候変動に対する取組を積極的に推進していただくことをお願いして次の質問に移ります。 大項目5、教育政策について、(1)屋内運動場についてお伺いいたします。 当初予算に小中学校屋内運動場等建具改修事業4億4,100万円が計上されていますが、内容をお聞きいたします。また、カーテンも1階から操作できるようになるのでしょうか、お尋ねいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。教育振興部長。 ◎教育振興部長(早川智光)  お答えします。 屋内運動場では、日頃の暑さ対策や今般の新型コロナウイルス対策として、窓を開けて換気を行っております。また、屋内運動場及び格技場には高所にも窓が設置されていますが、1階から窓を開けるための開閉装置が整備されている学校はごく一部で、開閉は高所に上がって行っております。しかし、足場が狭く、危険な状況で窓を開閉したり、手が届かず、開閉できない窓もあります。今回の工事で安全に高所の窓が開閉できるように、既存の建具が鋼製の場合には、建具はアルミ製に更新し、1階に開閉装置を設置します。また、既存の建具がアルミ製の場合には、建具はそのままで、1階に開閉装置を設置します。この設置工事につきましては、工事量を考慮しまして、令和3年、4年度の2か年で計画しています。 カーテンを1階から開閉操作することにつきましては、現状、高所に設置されたキャットウォークと呼ばれるスペースがありますカーテンは安全性が確保されておりますので、その場で開閉をします。それ以外のカーテンは1階から開閉操作できるようになっております。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  換気をしやすくするためにオペレーター装置を設置し、1階から操作できるようにすることが分かりました。1階から操作できるのは大変重要だと思います。しかしながら、カーテンの開閉は、安全性が確保されているキャットウォークに関してはそのままだということも分かりました。キャットウォークは、本来設備の点検、調整等が主な目的だと思いますので、1階からカーテンの開閉操作もできるのが望ましいと思われます。 続きまして、夏の暑い時期でも利用できるように、スポットクーラーや冷房機器設置の考えがあるかお聞きいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。教育振興部長。 ◎教育振興部長(早川智光)  再質問にお答えします。 屋内運動場へのスポットクーラーや冷房機器の設置につきましては、近年の猛暑への対策を考えますと、屋内運動場における児童生徒にとって、快適な教育環境の確保に課題があることは認識しております。しかし、一昨年、3月議会で、今原議員から災害時の避難所として活用する屋内運動場への冷暖房機器の設置についての質問に、本市の屋内運動場は断熱性、気密性が保たれていない構造にあり、効果的な冷暖房を行うためには、体育館全体の断熱性能を上げる必要があり、この費用が冷暖房機器設置以外に発生し、多額の費用を要することから、将来の課題と認識しているとの答弁をいたしました。 現在、学校現場では、児童生徒の命の安全を第一に考え、室温35度以上、または暑さ指数31度になりますと、屋内運動場での授業や部活動などによる使用を中止しております。しかしながら、年々気温の上昇により屋内運動場を利用できない機会が増加することに対しましては、対策を講じる必要があると考えておりますので、本市に設置する場合の技術的な課題等について検証してまいります。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  東京都立川市では、市内小中学校27校に据置型(電気)の空調設備機器をリース方式で昨年夏末に設置しております。市教育委員会は、早期設置、性能、安全性、実績、維持管理の面から総合的に検討した結果、据置型(電気)をリース方式で設置することとしました。体育館の断熱性や気密性の構造は、寒冷地を除き、全国的にあまり変わらないのではないかと思っております。多分、早期設置に重点が置かれたかと思っています。東京都は半分補助金が出ますので、そのことも判断材料の一つだと思いますが、誠に羨ましい限りです。 昨年9月の文部科学省の全国の体育館空調設備設置率を見ますと、愛知県は、小中学校の場合、全国平均5.3%に対しまして0.6%でした。文科省は、毎年調査はしているみたいなので、今後増えていくのではないかと思います。早期の設置をお願いし、次の質問に移ります。 大項目6、防災・減災について、(1)地区防災計画について伺います。 近年、大きな被害を伴う水害が多発しており、ここ3年間でも、平成30年7月豪雨、令和元年房総半島台風(台風15号)令和元年東日本台風(台風19号)、令和2年7月豪雨があります。 また、地震では、平成30年北海道胆振東部地震や、大きな被害にはならなかったようですが、2月には、福島県沖を震源とした震度6強の地震もありました。今年の3月11日で東日本大震災からは10年が経過する節目の年でもあります。幸いなことに安城市は、ここ何十年も大災害には見舞われておりませんが、水害はどこで起きてもおかしくない状況でありますし、地震についても、前回の南海トラフ地震の発生から70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まっております。 そのような状況の中、地域住民が主体となる地区防災計画の策定は、地区の防災意識を高め、いざというときに命が助かるようにするためにも非常に重要なことであると考えております。 市は地区防災計画の策定について、今年度中に地区防災計画のマニュアルを作成し、令和3年度より順次自主防災組織への呼びかけや支援を行っていくと伺っております。まずは、どのようなマニュアルを作成し、今後はどのような手順で計画を策定していくことを考えていますか。また、策定後は、どのように活用していくことを考えていますか、お伺いいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。危機管理監。 ◎危機管理監(杉浦健文)  阪神・淡路大震災では、倒壊家屋から救出された方の約8割は、近隣住民の共助により救出されたと言われており、地区のみんなが助かるために、お互いの行動ができるような共助の力を強くしていくことは非常に重要であると考えております。 地区防災計画は、まさに、地区の自助・共助を具体化する計画です。今年度、計画づくりの手助けとなる手引書を策定しましたので、より多くの地域で活用し、計画策定に取り組んでいただきたいと考えております。 手引書に基づく計画策定の手順は、大きく4つのステップに分かれており、ステップ1では、ハザードマップなどによる災害リスクの確認や災害の歴史について再確認するなど、地区の特性診断を行います。ステップ2では、備蓄や避難方法、安否確認など、災害に対して不安に思うことを地区の課題と捉え、取り組むべき活動を定めます。ステップ3では、それまでに話し合った内容に加え、過去に作成した防災マップや地区のルールなどを整理し、計画書として作成します。ステップ4では、次年度から早急に取り組むべき活動を整理し、いつ、どこで、誰が、どのように実行するかなど、計画の内容を年度ごとに具体化していくための企画書を作成します。 地区防災計画は、作成することがゴールではなく、地域住民同士で話合い、訓練などの実施を通じて計画を見直し、常に改善していただくことも必要であります。そうした活動を継続することにより、共助の力を育てていくものと考えております。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  地区防災計画を策定していく手順が分かりました。 では、再質問として、令和3年度より、どのような地区をモデル地区として選定していくことを考えていますか、お伺いいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。危機管理監。 ◎危機管理監(杉浦健文)  地区の選定については、2つのモデルを考えております。 1つは水害についてで、今年度策定した水害ハザードマップにおいて、浸水被害の可能性が最も高く、甚大な被害が想定される矢作川沿いの地区について優先的に計画の策定を呼びかけています。 2つ目は地震についてです。特に、地震の被害が大きいと想定される古い建物が多い地域や、家屋が密集した地域、また、積極的に地震災害に対して取り組む姿勢のある地域などを対象としてまいります。 現在、地域の意向を確認しながらモデル地区の選定を調整していますが、3月中に3地区程度を選定し、来年度から計画策定を支援してまいります。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  災害からの逃げ遅れを防ぐ対策の1つとして、先ほど質問した地区防災計画のほかに、国土交通省などは、住民一人一人の行動計画であるマイ・タイムラインの作成を推進しております。台風等の接近による大雨によって河川の水位が上昇するときに、自分自身が取る標準的な防災行動を時系列的に整理し、自ら考え、命を守る避難行動のための一助とするものとして、非常に有効なものであると考えています。 そこで、お聞きいたします。昨年、法福議員がマイ・タイムラインについてお聞きした際には、小川町において策定を行っているとお聞きいたしましたが、どのような内容で作成し、現在、それ以外の地域でも策定を行っているのかお伺いいたします。 ○議長(大屋明仁)  答弁願います。危機管理監。 ◎危機管理監(杉浦健文)  マイ・タイムラインは、平成27年9月に発生した鬼怒川・小貝川下流域の大規模氾濫を契機に取組が始まったものです。本市においては、令和元年度から手作りハザードマップの作成を通じて、ワークショップの参加者にはマイ・タイムラインの役割を担う災害避難カードを紹介するとともに、その作成の体験も行っております。 災害避難カードは、主に各家庭における最大級の被害想定や、公的機関から発せられる情報と避難すべきタイミングなどを自らの環境に合わせて記入することで作成できるものです。 迅速な避難行動に結びつくような項目を事前に整理するものであり、マイ・タイムラインを容易に具体化することができます。昨年度は小川町内会、今年度は三ツ川町内会がこの取組を行っております。 今後は、手作りハザードマップだけではなく、次年度から始まる地区防災計画の策定過程においても取り組むべき活動の1つとして、災害避難カードを活用したマイ・タイムラインの作成についても合わせて住民に周知していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大屋明仁) 今原康徳議員。 ◆22番(今原康徳)  災害避難カードがマイ・タイムラインの役割を担っていることが分かりました。モデル地区での作成支援や検証、そして、周知もしっかり行っていただき、今後も市内全域で地区防災計画ができるように支援をよろしくお願いいたします。 以上で私の代表質問は全て終わります。多岐に渡る質問に対し、市長を始め執行部からの誠意ある答弁に感謝いたします。御清聴大変にありがとうございました。     (拍手) ○議長(大屋明仁)  以上で公明党安城市議団、22番 今原康徳議員の質問は終わりました。 これで通告者の質問は全て終了しました。 以上で代表質問を終わります。 次回は明日5日午前9時45分から本会議を再開し、一般質問を行います。 本日はこれで散会します。     (散会 午後5時19分) 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。      令和3年3月4日       安城市議会議長  大屋明仁       安城市議会議員  石川郁子       安城市議会議員  深津 修...