参考資料1をごらんください。
このたび、文化財所有者から、文化財指定申請書が教育委員会に提出され、教育委員会が
碧南市指定有形文化財の指定を決定しましたので、
報告するというものであります。
1、経緯につきましては、昨年の12月5日及び7日に、文化財所有者から教育委員会へ文化財指定申請書が提出され、
碧南市文化財保護
条例第5条の規定により、12月20日に文化財保護審議会に諮問した結果、2月1日付で指定に異議なしとの答申を受け、2月14日の教育委員会2月定例会において指定が決定されたというものであります。
2、指定有形文化財につきましては、海徳寺所蔵の木造阿弥陀如来立像、林泉寺所蔵の絹本着色釈迦三尊像、
碧南市藤井達吉現代美術館所蔵の明月記断簡及びてこくま物語の4件であります。
3、指定理由の
概要につきましては、専門の方が作成した調書に基づき作成しておりますので、ここでは要約して御
説明させていただきます。
まず、1件目の(1)木造阿弥陀如来立像であります。
このお像は、海徳寺の現在の御本尊であります丈六阿弥陀如来座像、通称大浜大仏が明治2年に移される前の旧御本尊で、現在は本堂内の西の脇壇に安置されているものであります。
このお像は、平安末期から鎌倉初頭期に多く見られる三尺阿弥陀立像で、平安後期彫刻の余風を色濃く残しながらも、顔つきや体つきなどから鎌倉彫刻の写実味が既にあらわれていることから、鎌倉時代前期、13世紀初めにも近い三尺阿弥陀立像として貴重なものであります。
2ページをお開きください。
次の2件目の(2)絹本着色釈迦三尊像であります。
中央に描かれている釈迦如来像の衣は薄い朱色で、細かな部分まで金が施されており、顔つきはやわらかいけれども、線に力があるということ、また、台座や、釈迦如来を守る両脇の菩薩、象や獅子などの装飾もよく施されていることから、鎌倉時代後期、13世紀後期のすぐれたものであります。
次の3件目、(3)明月記断簡であります。
藤原定家の日記『明月記』のうち、江戸時代初期までに原本から離れた一紙と見ることができ、建暦2年3月9日の出来事が書かれた日記の一部である
可能性が高く、新出の本文であること、また、定家の自筆によって書かれたものと見られ、定家自身のみならず、関係者の動向が、わずかながらもほかの文献には見られない情報が書かれており、史料としても貴重なものであります。
なお、この断簡につきましては、美術館が所蔵する作品のうち、石川三碧コレクションに含まれるもので、
平成26年に寄贈を受けたものであります。
最後の4件目、(4)てこくま物語であります。
『てこくま物語』は、『おかべのよ一物語』とあわせ、2巻で1つの物語となる絵巻物で、九州の豪族による所領争いや、一族の滅亡から逃れた主人公のあだ討ちなどが語られる物語であります。
このうち、上巻に当たる『おかべのよ一物語』は、神戸松蔭女子学院大学図書館が所蔵するもので、室町時代後期に描かれたもの、また、下巻に当たる『てこくま物語』は、東京国立博物館が所蔵するもので、江戸時代末期に描かれたものとこれまで知られてきました。
今回発見されたこの絵巻は、東京国立博物館所蔵の親本と
考えられ、神戸松蔭所蔵のそろいとなる、室町時代後期、永禄9年に書き写された
可能性が高く、風俗や山城などの合戦の絵画史料としても注目される、貴重なものであります。
なお、この絵巻も、明月記断簡と同様、
平成26年に寄贈を受けた石川三碧コレクションに含まれるものであります。
次に、5、今後の予定としまして、3月7日付で告示、指定文化財の指定日とし、4月5日の市制記念式典において指定書の交付を行っていく予定であります。
最後に、6、その他であります。
碧南市指定有形文化財の県指定への移行でありますが、
平成31年2月15日付で、市指定有形文化財美術工芸品彫刻のうち、海徳寺蔵の木造金剛力士立像2躯、一行庵
個人蔵の木造不動明王立像1躯、木造毘沙門天立像1躯の、計3件が県指定文化財となっております。
この結果、今回の新指定を含めまして、市内の指定等文化財件数は59件となりました。その内訳につきましては記載のとおりであります。
以上で
説明とさせていただきます。
64 ◆
部会長(
生田綱夫)
説明が終わりました。
これより
質疑に入ります。
65 ◆
部会員(
加藤厚雄)
部会長。
66 ◆
部会長(
生田綱夫)
加藤部会員。
67 ◆
部会員(
加藤厚雄) 当然、指定文化財になると、管理にしても修理にしても補助金、特に修理は補助金等が出るんですけれども、この4つの作品が、先ほども言っていましたけど、所有者が寄贈されたのと
個人所有と、もう一回ちょっと
説明してください。
68 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
69 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
70 ◆文化財課長(池田竜也) 今回の指定有形文化財ということでよろしかったでしょうか。
木造阿弥陀如来立像については、海徳寺のものということで、海徳寺さんの所有のものと。それから絹本着色釈迦三尊像につきましては、林泉寺さんが所蔵のもの、持っているものと。その後の明月記断簡とてこくま物語につきましては、
碧南市が寄贈を受けたものということになりますので、所有者は
碧南市ということになります。
71 ◆
部会員(
加藤厚雄)
部会長。
72 ◆
部会長(
生田綱夫)
加藤部会員。
73 ◆
部会員(
加藤厚雄) 市が寄贈を受けたものはいいんでしょうけれども、
個人とか法人が持っているもので、市が、年間にかかる修理費の補助金、
あと、自宅だと管理できないから空調のきいたところで管理してくれとかいう、そういったのを含めると、管理とか修理に、寄贈されていない部分で年間かかる費用というのは、予算は幾らぐらいなんですかね。
74 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
75 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
76 ◆文化財課長(池田竜也) それぞれの所有者が持っているものにつきましては、特に幾ら管理に要する費用がかかるかというのは、ちょっと把握しておりませんが、
碧南市がそういった文化財の修繕をするというに当たっての補助金についての予算額のベースで言いますと、例えば、
平成31
年度の予算では、保存事業としては62万9,000円ということで、修繕とか、それから保存管理ということで計上をしております。
77 ◆
部会員(
加藤厚雄)
部会長。
78 ◆
部会長(
生田綱夫)
加藤部会員。
79 ◆
部会員(
加藤厚雄) ちょっと嫌らしいけれども、
個人所有で、先ほど言ったように、ちょっと金が使われていると。だから、逆に、修理費にお金がかかるから指定してもらって、それで補助金で修理しているというような感覚ではないんだよね。
80 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
81 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
82 ◆文化財課長(池田竜也) そういった意識は特になくて、あくまで補助金ですので、半分は所有者が負担をするということもありますので、それよりも、大変貴重なものを、文化財を持ってみえるというようなことのほうが大きいのかなというふうに思っています。
83 ◆
部会員(
山口春美)
部会長。
84 ◆
部会長(
生田綱夫)
山口部会員。
85 ◆
部会員(
山口春美) きょう
報告があって、あしたに認定をされる、指定されるんですが、3つ目の文書なんかは、3月9日の出来事ということで、非常に日にちも接近していて、えらいタイムリーだったなというふうに思うんですけれども。
その他のところに、県の指定に格上げされたものが書いてあるんですが、この4つの中では、県指定に将来なり得るものとか、そういうものはあるんでしょうか。県の中でも、また国になっていくものもまだあるのか。どんな条件で格上げがされるんですかね。
86 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
87 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
88 ◆文化財課長(池田竜也) 県指定につきましては、例えば、市が指定、申請をするということでなくて、県のほうが独自に調査をすると。当然、その中には資料提供等をしていきますが、その中で県指定がされていくというようなことがあります。
今回のこの4つの指定有形文化財のうち、恐らく、重要文化財、急になるであろうというものにつきましては、今知る限りでは、明月記断簡とてこくま物語もそうなんですが、つい最近、先週の日曜日に、ある方の、学芸員さんですね、国立博物館の方に見ていただいたところ、絹本着色釈迦三尊像についても、これはなかなか珍しいというもので、将来的にはそういった重要文化財級になり得るだろうというようなことも、お話をいただいております。
89 ◆
部会員(
山口春美)
部会長。
90 ◆
部会長(
生田綱夫)
山口部会員。
91 ◆
部会員(
山口春美) 一定の時間が必要と、いろいろのさまざまな。やがては昇格していくかもしれないよという
可能性を秘めて。そうですか。
常設展示ですが、1番目の木造のほうは、いつ行っても見られるような形なんでしょうかね。
あと、『てこくま物語』は、もうちょっと踏み込んで、
子供たちに親しいような形で、絵本になるとか、そういう類いのものではないんでしょうか。
この間、大浜まち歩きのときに、西端の元教頭先生が、信長の初陣の話を紙芝居にしてやってみえたんだけど、非常に親しみがあってよかったので、ああいった類いでなるような物語、どんな物語なんですか、これ、てこくまさん。教えてよ。
92 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
93 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
94 ◆文化財課長(池田竜也) 概略でいきますと、さっきちょっと言いましたけれども、九州の豪族による所領争いだとか、一族の滅亡から逃れた主人公のあだ討ちということになっておりますが、これにつきましては、身がわりとして、娘さん、てこくまを身がわりに出したと。それに対するかたき討ちという物語がそこに書いてあるという、概略であります。
95 ◆
部会員(
山口春美)
部会長。
96 ◆
部会長(
生田綱夫)
山口部会員。
97 ◆
部会員(
山口春美) 『てこくま物語』は、ここに描いてあるものだけじゃなくて、何ページにも及ぶものなんですか。1巻となっていますけれども、物語なんかにすれば、何ページにもなってしまうもの?それは掘り起こしてもらないと、
子供たちにわかるように。
98 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
99 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
100 ◆文化財課長(池田竜也) 今回のこの『てこくま物語』につきましては、巻物でありますので、ここに今、4ページのほうに描いてありますが、そこにサイズ、縦30センチ、それから横、巻物、ずーっと長く押していきますと1,052センチということで、『てこくま物語』はこれだけの長さがあると。
それから、さっきお伝えしましたが、『おかべのよ一物語』につきましても、同じサイズのものということで、2つ合わせるとこの2倍のサイズになってくるという、かなりの量になってきます。
101 ◆
部会員(
山口春美)
部会長。
102 ◆
部会長(
生田綱夫)
山口部会員。
103 ◆
部会員(
山口春美) 常設かどうかは、私
たち、見てもわからないんですけど、このまんまだと。常設はされるの、どこかで。一定期間、決めて。そんな20メートルもあるようなものなら、ナンバーワン、ナンバーツーで、ぜひ絵本にしてもらって、もっと親しみのあるものにできたらいいなと思うんですが、そういった計画もあるんですか、将来的には。
104 ◆文化財課長(池田竜也)
部会長、文化財課長。
105 ◆
部会長(
生田綱夫) 文化財課長。
106 ◆文化財課長(池田竜也) こういったものは大変貴重なもので、美術作品と同じように、やっぱり空調管理だとか、セキュリティーだとか、光の関係だとか、そういったものの管理をして保存、展示をしていく必要があると思っていますので、なかなか、そういった的には条件は厳しいんですが、例えば、今後、そういった企画展の中で1つ、コーナーでやっていくだとか、それから、さっきの『おかべのよ一物語』はほかのところに所蔵していますので、それとあわせて、一緒に並べてやっていくだとか、そういった機会をつくっていきたいなとは思っています。
以上です。
107 ◆
部会員(
山口春美)
部会長。
108 ◆
部会長(
生田綱夫)
山口部会員。
109 ◆
部会員(
山口春美) 美術館や文化会館も含めて、大変貴重な超一流のものが、本物が間近に見られるということで、本当に成長に役立っているなといつも感謝していますので、ぜひ大事にしてもらって。他者から見ても、一目置かれるようなものなんですね。ぜひよろしくお願いします。
110 ◆
部会長(
生田綱夫) 要望ですね。
ほかに。
(「なし」という者あり)
111 ◆
部会長(
生田綱夫) ほかに
質疑もないようですから、これにて
報告を終わります。
以上で、
協議事項は
終了いたしました。
これにて
総務文教部会を閉会いたします。
(午前 11時 22分 閉会)
───────────────────○────────────────────
以上は、
碧南市議会協議会
総務文教部会の記録である。
平成31年3月6日
碧南市議会協議会
総務文教部会
部会長 生 田 綱 夫
Copyright © Hekinan City Assembly Minutes, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...