補正事業の概要としましては、市民病院のESCO事業が経済産業省の補助金、エネルギー使用合理化等事業者支援事業に採択されましたことから、実施に必要な予算を計上するものであります。
このESCO事業でございますが、省エネルギー改修に必要な建設費、金利、ESCO事業者の経費といった費用を省エネルギー改修をすることにより実現する光熱水費の削減分で賄うことを基本とした事業でございます。
そのため、ESCO事業の実施により市が損失を被ることがないよう事業採算性が重視され、市の新たな財政支出を必要といたしません。
さらに、契約期間終了後の光熱水費の削減分は、全て自治体の利益となるものでございます。
市民病院では、平成11年3月の南病棟の完成から20年以上が経過し、設備の経年劣化に伴う更新が大きな課題となっております。特に、空調設備の更新には多額の投資が必要となることが見込まれ、市民病院の経営にも大きな影響を与えることが予想されます。
こうした背景の中で、平成19年11月22日に施行されました国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律を根拠としたESCO事業の活用について生活環境課と協力しながら検討を行ってまいりました。
平成29年度に市が策定いたしました津島市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)におきましては、津島市民病院で照明・空調の熱源設備などの更新にESCO事業を活用できるとの調査結果でありました。
こうしたことから、
令和元年度に生活環境課の協力をいただき、ESCO事業の実施に向けて詳細な調査を行い、本年度、経済産業省の補助金、エネルギー使用合理化等事業者支援事業への申請を行ったものでございます。
本年度の補助率は4分の1でございますが、ESCO事業の本来の目的である温室効果ガスの削減と新たな財政投資を行うことなく設備の更新を行うことができるものでございます。
補助事業として採択されましたのも、かねてより市議
会議員の皆様方が各方面に働きかけを行っていただきました結果であると考えております。
今回、ESCO事業により実施いたします省エネルギー改修は全部で4項目ございます。
1点目といたしましては、病棟など長時間点灯しております照明のLED化、2点目といたしましては、建物の屋上に設置しております空調熱源の更新、3点目といたしましては、院内で使用するお湯を沸かす給湯設備の更新、4点目といたしましては、医療機器の滅菌や調理で使用する蒸気を送る蒸気配管の断熱強化でございます。
この4項目の改修費用に対しまして、経済産業省から補助金を頂き、市民病院が負担する費用を10年間のリース契約で支払いを行うものでございます。
総事業費や補助金額、省エネルギー改修による削減効果などにつきまして、パネルを用いて御
説明をいたします。
エネルギー使用合理化等事業者支援事業でございますが、省エネルギー設備に更新する費用のうち、既存設備の撤去費など一部の経費を除いた費用に対しまして4分の1の補助金が交付されるものでございます。
今回採択されました市民病院のESCO事業では、設備更新費用の総額が税抜きで約2億6,750万円でございます。この金額に対しまして、約6,290万円の補助金が交付され、市民病院の負担額は税抜きで2億460万円となるものでございます。
次に、光熱水費の削減効果やESCO経費でございますが、省エネルギー改修により電力使用量で約116万キロワット時が削減できる見込みで、
令和元年度実績である約727万キロワット時の約16%に相当いたします。
金額でお示しいたしますと、
令和元年度の光熱水費のうち、電気料金1億4,450万円の16%、2,310万円が削減でき、1億2,140万円となる見込みでございます。
こちらに対しまして改修費用のリース料金でありますESCO経費は、
収益的収支では年間2,310万円で、削減効果額と経費が同額となるものでございます。
なお、リース契約に伴い、資本的支出のうち消費税相当額の年約200万円は、市民病院が負担することとなります。リース期間中の10年間は市の利益は生じておりませんが、リース終了後の11年目以降につきましては、光熱水費の削減額である2,310万円が毎年継続して市の利益となるものでございます。
省エネルギー改修は、この
補正予算をお認めいただきましたら速やかに事業を進めてまいります。現時点では、今年度1月末までに設備改修が完了し、2月からリース契約を予定しておりますので、2か月分の金額を計上しております。
それでは、8、9ページをお願いいたします。
令和2年度
津島市民病院事業会計補正予算実施計画
説明書の収益的支出でございます。
各科目に計上いたしました金額は、設備改修完了後の2月、3月の2か月分を計上しておりますのでお願いいたします。
第1款病院事業費用、第1項医業費用、第3目経費385万4,000円の減額は、7節光熱水費でESCO事業により見込まれる電気料金の削減額でございます。
第4目減価償却費341万1,000円の増額は、5節リース資産減価償却費でESCO事業のリース契約に伴う減価償却費でございます。
公営企業会計でリース契約を行う場合は、機器購入と同様にリース物件を資産計上するとともに、毎年の支払額のうち消費税相当額を除いた金額を減価償却費として計上するものでございます。
第2項医業外費用、第1目支払利息及び企業債取扱諸費43万6,000円の増額は、4節リース支払利息でESCO事業のリース契約に伴う利息額でございます。
続きまして、10、11ページをお願いいたします。
資本的支出でございます。
第1款資本的支出、第1項建設改良費、第2目資産購入費375万2,000円の増額は、ESCO事業のリース契約のうち、利息額を除く支払い額でございます。
戻っていただきまして、4、5ページをお願いいたします。
令和2年度津島市民病院事業会計予定貸借対照表でございます。
総額300万円以上のファイナンスリース契約の場合は、医業機器の購入など、通常の売買取引に準じた会計処理を行うものでございます。ESCO事業のリース契約のうち、利息額と消費税額を除いたリース物件相当額につきまして、リース期間中の債権としてリース物件の総額を資産のリース資産に計上し、支払いが完了した金額を減価償却累計額に計上しております。
また、リースの残存期間に対する支払い債務について、翌年度支払い見込額を流動負債のリース債務に、それ以降の支払い見込額を固定負債のリース債務に計上しております。
戻っていただきまして、最初のページをお願いいたします。
令和2年度
津島市民病院事業会計補正予算(第2号)は次に定めるところによるものであります。
第1条、
令和2年度津島市民病院事業会計予算第3条に定めた収益的収入及び支出の予定額を先ほど御
説明しましたとおり補正するものであります。
第2条、予算第4条
本文括弧書き中、資産購入費の増額に伴い、375万2,000円増額する不足額は当年度分損益勘定留保資金にて補填するよう金額を改め、資本的支出の予定額を先ほど御
説明しましたとおり補正するものであります。
第3条、債務負担行為をすることができる事項、期間及び限度額を定めるものでございます。
ESCO事業リース料につきまして、リース期間を10年間としておりますので、期間としましては
令和12年度まで、限度額は2億4,910万3,000円でございます。
なお、3ページの債務負担行為に関する調書にも追加をしております。
次の1ページ以降に実施計画、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書を添付しておりますので、お目通しをお願いいたします。
以上で
説明を終わります。何とぞよろしくお願いいたします。
5:
◯議長(
日比野郁郎君)[ 298頁]
議案の
説明は終わりました。
これより、ただいまの
議案に対する質疑に入ります。
質疑はありませんか。
6: ◯12番(
本田雅英君)[ 298頁]
それでは、3回質疑できますが、まず1回目ですね。このESCO事業につきましては、環境省、そしてまた経産省、この2つの省でスタートしていたと思うんですが、そもそもいつから始まったのか。当然、環境施策の企画、そして総合調整の仕事をつかさどっております生活環境課の所管である市民生活
部長、お答えいただけますか。
そしてまた、市民病院の事務局長にね、ESCO事業と通常一般的な省エネ改修工事があるわけですね。その違いはどういったものか、御
説明いただけますか。
7:
◯市民生活部長(
高林茂宏君)[ 298頁]
このたび市民病院が採択されました経済産業省の補助金、エネルギー使用合理化等事業者支援事業につきましては、平成10年度から先導的エネルギー使用合理化設備導入モデル事業として補助事業が始まり、平成13年度から現在の補助事業に変更されております。
また、環境省の地方公共団体カーボン・マネジメント強化事業補助金につきましては、平成28年度から補助事業が始まり、
令和2年度までの予定でございましたが、環境省において本年度はこちらの補助事業の予算化が行われなかったものでございます。以上でございます。
8:
◯市民病院事務局長(
古田正人君)[ 298頁]
議員お尋ねの一般の省エネ改修工事との違いでございますが、一般の省エネ改修工事では、設計、施工、運転がそれぞれ個別契約となることに対しまして、ESCO事業では、エネルギー診断から実施計画立案、改修工事、省エネルギー効果の継続といった全体を一括契約する違いがございます。以上でございます。
9: ◯12番(
本田雅英君)[ 299頁]
今、市民生活
部長のほうから、環境省は平成28年度からスタートと。当然、地方公共団体向けの事業ですので、これは当然その前年度に地方公共団体、各自治体に対して国から通知文が来ておると思うんですね。なぜ、これESCO事業の調査を行ってこなかったかということですね。時がたてばだんだんと補助率も下がって、挙げ句の果てに
令和2年までの予定が
令和元年で終わっちゃったと、こういう実態なんですね。もっと早い時期に着手すべきではなかったのかなと思うんですが、市民生活
部長、いかがですか。
そしてまた、このESCO事業においては、ESCO事業者との契約を結ぶことになりますけれども、このESCO事業者とはどういったものか、資格は必要なのか、市民病院の局長、お答えいただけますか。
今回、市民病院において、ESCO事業者とどういった契約を結び、どれくらいのエネルギー削減効果を見込んでいるのですか。仮に、エネルギー削減効果が見込みに達しなかった場合、そうした場合どうなるのか。そしてまた、今後の工期予定は、外壁の点検等も工事がありますね。その辺の兼ね合いもあるもんですから、工程はどういった工程を考えてみえるのかお示しいただけますか。
10:
◯市民生活部長(
高林茂宏君)[ 299頁]
ESCO事業の実施に当たりましては、対象となる施設に対し調査を行った上で計画を立てることが必須となりますが、本市におきましては、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、市町村が策定すべきである地方公共団体実行計画を平成29年度に作成するまで、その実施に対する可能性調査を行ってこなかったため、市民病院を含め、各施設におけるESCO事業に対する検討に至っておりませんでした。
本田議員がおっしゃるように、そういった素早い情報の収集が大切でございますので、そちらにつきまして、共有ができなかったことにつきまして、本当に認識が甘かったことを反省しております。今後、この反省を踏まえまして、市民に有益な事業についての情報につきましては、市役所内の各課のつながりを意識しまして、速やかに情報共有を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
11:
◯市民病院事務局長(
古田正人君)[ 299頁]
議員お尋ねの、まずESCO事業を行うために資格でございますが、ESCO事業を行う旨を法人の定款に掲載することが必要条件となります。
また、ESCO事業は一括契約の形態となりますので、建設業許可や電気工事許可などの許可が必要となります。
続きまして、ESCO事業者との契約でございますが、改修工事の支払いに対するリース契約と省エネルギーの効果を保証するためのパフォーマンス契約を締結することとなります。
リース契約につきましては、エネルギー使用合理化等事業者支援事業補助金の津島市との共同申請者であります三菱UFJリース株式会社と締結し、パフォーマンス契約は、実施計画の立案や改修工事等を実施するESCO事業者の株式会社エールケンフォーと締結いたします。
パフォーマンス契約の内容につきましては、補助金申請における省エネルギー効果に対しまして、照明設備で80%、空調、給湯設備では70%の保証を行うものでございます。
削減効果ということでございますが、こちらのほうは年で116万キロワット時が削減される予定でございますが、こちらのほう、仮に省エネルギー効果が下回った場合でございますが、保証した省エネルギー効果が得られるように、ESCO事業者の負担で照明器具の交換など、追加の改修工事を行うものでございます。
改修工事の予定につきましては、資機材や人員確保の後、10月中旬から照明の更新工事に入り、10月終わりごろから空調、給湯、蒸気断熱などの電気工事や配管工事を進める予定でおります。
空調熱源の設置は11月下旬頃を予定し、設置後に電気、配管等の接続の切替えを順次行います。現状では12月中には工事自体は完了する計画で進めております。
工事完了後は市民病院による完了検査のほか、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の執行団体であります一般社団法人環境共創イニシアチブの完了検査も1月末までに実施されるものと伺っております。
なお、各種の工事につきましては、土・日など休日の工事も行い、患者さんの診療への影響を最小限にとどめるようにしてまいります。以上でございます。
12: ◯12番(
本田雅英君)[ 300頁]
それでは、最後のお尋ねですが、今回、この省エネルギー投資促進に向けた支援補助金、要するにエネルギー使用合理化等事業者支援事業を活用いたしますけれども、まずこの補助金はどういったものか再度
説明いただきたいのと、
令和2年度のこの補助金の全国での工場・事業場単位での申請件数、それと同時に採択件数、それぞれ何件で採択率何%なのかをお答えいただきたいのと。そしてまた、これまで他病院での実績があるのか。ESCO事業を使った実績があるのかどうか、この点についてもお願いします。
6月議会において指摘をしましたけれども、残念ながらこの補助率が
令和2年度から3分の1から4分の1になったと、このことにより影響と対応について、改めて御
説明をいただきたいと思います。
最後に副
市長にお尋ねいたしますけれども、事務職トップとして、今回の市民病院におけるESCO事業の推進について、どのように認識、評価されているのかお伺いしたいと思います。
13:
◯市民病院事務局長(
古田正人君)[ 300頁]
まず、今年度のエネルギー使用合理化等事業者支援事業補助金の内容でございますが、省エネルギー設備への更新や改修とエネルギーマネジメントシステムを導入して、施設全体の省エネルギー化を行う工場・事業場単位と、高効率空調や高性能ボイラーなど季節設備を一定以上の省エネ性の高い設備に更新する設備単位ごとに区分されます。
市民病院で補助事業の申請を行いました工場・事業場単位につきましては、原油換算量ベースで5%以上、またはエネルギー消費原単位改善率5%以上を達成する一般事業、原油換算量ベースで省エネルギー量500キロリットル以上を達成する大規模事業、複数の事業者が一体となって一般事業または大規模事業のいずれかを満たす連携事業、エネルギーマネジメントシステムの制御効果と省エネルギー診断等による
運用改善効果により、原油換算量ベースで省エネルギー率2%以上を達成するエネマネ事業の4項目に分類されます。
市民病院の申請は一般事業に該当しまして、補助率は中小企業では3分の1以内、大企業では4分の1以内でございまして、設計費、設備費、工事費が補助対象経費であり、補助額の上限は3億円でございます。なお、市民病院では大企業に該当いたしまして、補助率が4分の1でございます。
続きまして、今年度、市民病院が採択されました工場・事業場単位の状況でございますが、申請件数446件のうち360件が採択され、採択率は80.7%でございます。
他の病院での活用事例でございますが、エネルギー使用合理化等事業者支援事業補助金を活用した事例につきましては、ちょっと確認ができませんでしたが、ESCO事業を活用した事例といたしましては、平成21年に名古屋大学医学部付属病院で熱源システムや空調システムなどの改修、平成30年に名古屋市立大学病院で照明のLED化が実施されたものと認識しております。
また、補助金が昨年度の3分の1から4分の1となりましたことによる影響でございますが、補助率が下がったことによりまして、補助金額では約2,100万円が減額となったものでございます。
このことから、市民病院の負担額が増加することとなりましたので、既存の空調熱源設備の撤去を断念し、現状の場所に残すことで改修工事費の低減を図ったものでございます。以上でございます。
14: ◯副
市長(
津田新太君)[ 301頁]
市民病院は御承知のとおり建設後20年が経過しまして設備、特に先ほどから申し上げていますように、空調等の熱電源に係る設備の更新が課題でありました。更新に当たりましては、国から補助される制度としては唯一、議員がお示しのESCO事業のみでありまして、これが採択されない場合には、全ての費用を病院が持ち出さなくてはならず、そのため県議
会議員のお力添えをいただき、また国
会議員を通じて国のほうへ強く要望しまして、何とか採択までこぎ着けたものであります。
そのことから、今年度3億円近い費用をもって改修、その持ち出しをしなくてはならないことがこのESCO事業でございますが、このESCO事業によりまして、効率な熱電源の更新により節約できた光熱水費をもって新たな財源を持ち出すことなく更新ができることになったわけでございます。
これの償還に当たりましては、10年間、節約額をもって償還をしていくということでございまして、10年後以降については、その節約額がこの市民病院会計に大きな利益をもたらすわけでございます。このようなことから、ESCO事業を実施することによりまして、大変津島市の会計にも大きく貢献したものと考えております。
15:
◯議長(
日比野郁郎君)[ 302頁]
ほかに質疑はありませんか。
質疑も尽きたようでありますから、これをもって質疑を終結いたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております
議案第64号は、
会議規則第36条第3項の規定により、委員会への付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議なしと認めます。よって、
議案第64号は、委員会への付託を省略することに決しました。
これより討論に入ります。
まず、反対討論の
発言を許します。
討論はありませんか。
次に、賛成討論の
発言を許します。