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08月31日-04号

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  1. 豊川市議会 2018-08-31
    08月31日-04号


    取得元: 豊川市議会公式サイト
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    平成30年 第3回定例会(9月)豊川市議会第3回定例会会議録 8月31日(金)平成30年8月31日 午前10時00分開議出席議員   第1番  八木月子            第2番  倉橋英樹   第3番  柴田訓成            第4番  中川雅之   第5番  神谷謙太郎           第6番  浦野隼次   第7番  星川博文            第8番  中村浩之   第9番  安間寛子            第10番  佐藤郁恵   第11番  井川郁恵            第12番  大場昌克   第13番  早川喬俊            第14番  堀内重佳   第15番  柴田輝明            第17番  堀部賢一   第18番  石原政明            第19番  小林琢生   第20番  大野良彦            第21番  野本逸郎   第22番  松下広和            第23番  山本和美   第24番  波多野文男           第25番  冨田 潤   第26番  榊原洋二            第27番  太田直人   第28番  鈴木義章            第29番  中村直巳   第30番  今泉淳乙欠席議員   なし地方自治法第121条の規定による説明のための出席者   市長       山脇 実      副市長      竹本幸夫   副市長      田中義章      企画部長     池田宏生   防災対策監    飛田哲孝      総務部長     杉浦弘知   財産管理監    鈴木信弘      福祉部長     鈴木一寛   子ども健康部長  中田和男      市民部長     鈴木敏彰   産業部長     鈴木 充      環境部長     中野正晴   建設部長     柴谷好輝      都市対策監    鈴木 高   上下水道部長   原田 潔      病院事業管理者  西田 勉   市民病院事務局長 岡田達也      消防長      白井直樹   監査委員事務局長 岡田光弘      教育長      高本訓久   教育部長     関原秀一出席した議会事務局職員   事務局長     田中邦宏      事務局次長    中森利仁   議事課長     伊藤 伸      議事課長補佐   多比良幸憲   議事調査係長   橋爪慈子      書記       山本義和議事日程   第1 会議録署名議員の指名   第2 一般質問本日の会議に付した案件   1.議事日程に同じ  (午前10時00分 開議) ○野本逸郎議長 ただいまから、本日の会議を開きます。 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、神谷謙太郎議員、浦野隼次議員を指名します。 日程第2、一般質問を行います。 昨日に引き続き、発言通告順に質問を許可します。 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 おはようございます。 発言通告に従いまして一般質問を行います。 初めに、震災時などに備えたアスベスト(石綿)飛散対策についてです。 私たちは、ふだんアスベスト被曝の危険性は意識せずに過ごしています。過去、クボタが毒性の強い青石綿を大量に使って、旧工場周辺住民400名以上が何十年も後にアスベストを原因とする中皮腫や肺がんになり亡くなった、このクボタショックがその危険性を世に知らしめました。 アスベストを使った製品が新たにつくられることはなくなりました。しかし、アスベストを含む建物の解体現場や震災で多くの建物が倒壊した場合など、建材などに使われるアスベストが飛散することで、現場で作業する労働者や近隣住民が被曝することが懸念されています。 阪神・淡路大震災では、被災建物の復旧作業にかかわった65歳の男性が中皮腫で亡くなり、2012年労災認定をされています。マンションなど被災建物の解体、改修現場での廃材の片づけや清掃作業が主な仕事でした。たった2カ月のアルバイトの後、清掃作業が主な仕事の中で亡くなったということになります。ほこりで前が見えない状態でも粉じん用のマスクや眼鏡はせず作業していたといいます。 また、2013年明石市環境部の職員が49歳で中皮腫で亡くなっています。公務災害の請求を出してから1年後でした。道路上の障害物を撤去するよう指示され、パッカー車で収集に回り、スレート板など建築廃材、がれきを収集するパッカー車の回転盤が建築廃材等を押しつぶし、ほこりが舞い上がるだけでなく、ふだんの倍量詰め込んだため、油圧式の荷台が持ち上がらなくなり、密閉されたほこりが充満する容器の中に入ってスコップでかき出す作業もたびたび行ったということです。 アスベストは非常に微細な鉱物で、肺の奥まで入り込み、一度吸い込むと体外に排出されにくく、分解されることもなく、細胞などに突き刺さって刺激を与え続け、がんなどの病気を引き起こすと考えられています。 中皮腫は胸膜や腹膜などにできるがんの一種で、どちらも息苦しさ、胸の痛み等の症状が出、治療は困難です。静かな時限爆弾と言われ、被曝後数十年後に発症し、アスベストを低濃度で短時間で吸い込んだ場合でも発症例があり、かげんはわかっておりません。 まず、アスベスト被曝の危険性の本市の認識と国、県が震災のときアスベストの飛散防止に向け、どのような対応をしているのかお伺いいたします。 ○野本逸郎議長 環境部長 ◎中野正晴環境部長 被災時におけますアスベスト被曝については、平成7年の阪神・淡路大震災の経験からその危険性が指摘されております。これを受けて、国は、平成19年8月に、災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルを取りまとめました。 その後、東日本大震災で発生した大規模な津波被害への対応や、平成25年6月の大気汚染防止法の改正等を反映させるために、平成29年9月に同マニュアルを改訂いたしました。改訂版においては、平常時における石綿使用建築物等の把握、住民、初動対応者への注意喚起、災害発生時の大気中アスベスト濃度モニタリングの方法を追加したほか、被災建築物の解体等、工事にかかわる立入検査等の留意事項などを変更しました。これを受けまして、愛知県は、地域防災計画の中で、アスベスト含有廃棄物の処理について飛散防止措置を講ずるよう指導すると記載しております。 続きまして、本市においてアスベスト被曝の危険性の認識でございますが、平成7年の阪神・淡路大震災では、議員御紹介のとおり、復旧工事に当たった労働者が中皮腫に罹患し、労災認定を受けているという事態もございまして、被災時におけるアスベスト被爆を防止することは大変重要であると認識しております。 今後の対応でございますが、地域防災計画災害廃棄物処理計画の改定時に、災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルなどの国や県の取り組みの動向を反映させていくことを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 それでは、国はアスベスト使用の規制や禁止をどのように行ってきたか伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長 ◎中野正晴環境部長 国のアスベスト規制状況につきましては、昭和50年9月に吹きつけアスベストの使用が禁止されました。その後、平成7年にはアスベストを含有する製品の規制の対象が従前5%以上の含有率であったものを石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止となりました。さらに、平成18年には同基準が0.1%以上へと改定され、ほぼ全面禁止となってございます。 こうした規制によりまして、新規の建築物においても建築基準法が平成18年に改正されまして、建築材料に石綿を添加しないこと、石綿等をあらかじめ添加した建築材料を使用しないこととされておりますので、新規の建築物につきましては、国土交通省が定めたものや認定を受けたものを除き石綿は使用されていないと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 それでは、国は建物の解体時などアスベストの処理について、アスベスト飛散の危険の程度に応じて処理方法を示していると思います。その内容について伺います。 また、県や市がその処理にどのようにかかわっているのか、その対応についても伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 アスベスト含有建材は発じんの度合いによりまして、レベル1から3に便宜的に分類されております。 レベル1は最も飛散性の高いアスベストを含む吹きつけ材が該当します。建築基準法で規制されている吹きつけアスベストなどがございます。 続きまして、飛散性の高いレベル2には、アスベストを含む保温材、断熱材、耐火被覆材が該当します。 レベル3はそれ以外のアスベスト含有建材で、具体的には、主にスレートや岩綿吸音板などの成形板の仕上げ材料が該当します。 環境省の作成しました建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル2014.6においては、レベル3も含めて処理方法が細かく規定されております。大気汚染防止法に規定されます特定粉じん排出作業を行う場合には、県への届け出が義務づけられており、作業内容が大気汚染防止法や同マニュアル等に従った適正なものか県において確認されております。 本市においても、事業者や市民からの相談等があった場合は、同マニュアルに基づき説明等、対応している状況でございます。 また、本市においては、民間の既存建築物の壁や柱、天井等に露出して吹きつけられたアスベストの飛散による健康被害を予防し、生活環境の保全を図るため、アスベストの分析調査や除去等を行う者に対しまして、必要な経費の一部を補助する吹付アスベスト対策事業費補助金交付制度を平成21年度から実施しております。平成21年度から現在までの実績は、分析調査が5件、除去が3件でございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 御答弁にありましたように、建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル2014.6には、レベル1からレベル3までの処理方法が書かれております。しかし、実際のところ、大気汚染防止法に規定され、県への届けが義務づけられているのは吹きつけ材のレベル1だけになっています。レベル2の保温材などは、労働基準監督署に届ければいいことになっております。スレート、形成板などレベル3は、法の規制はなく、届けも不要で、マニュアルどおり行わなくても罰則はなく、いわば野放しです。しかし、レベル3も屋根等建材の表面の劣化や破損時など安全とは言えないというのが専門家の見方です。決して油断ができるということではないと思っております。そういう中で、アスベスト被害の被害者支援の団体などは法整備も含めた対応が必要だと、レベル3の規定を求めているところです。 次に伺いますのは、本市の公共施設について、レベル1の吹きつけアスベストの調査、処理は一応終わっていると思いますが、改修や解体時、今後ふえてきますのでどう対応するのか、アスベストの事前調査の実施状況や考え方について伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 本市の公共施設におけますアスベストの使用状況の把握については、それぞれの所管課において適切に行われているところでございます。 平成29年5月30日付、環境省水・大気環境局大気環境課長の通知において、石綿含有仕上げ塗り材について、吹きつけ工法により施工されたことが明らかな場合には、大気汚染防止法施行令第3条の3第1号の吹きつけ石綿に該当するものとして取り扱うとの見解が新たに示されました。これを受けまして、各施設の所管課では、改修工事等の際に調査を行い、使用実態の把握を進めていく予定でございます。 なお、市役所本庁舎及び北庁舎については、平成29年度の調査で、内装材及び外装材にアスベストが含まれていないことを確認しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 次に、民間の建築物解体時のアスベスト飛散対策の現状について、具体的にはコニカミノルタ八幡西工場解体工事について伺います。 民間の建物の被災時のアスベスト対策と平常時の建物解体作業時の対策は基本は同じで、その現状が被災時にも生かせると思うからです。 既に、ことし7月から八幡町にありますコニカミノルタ八幡西工場の解体工事が始まっております。同工場、倉庫などには分散してレベル2からレベル3のアスベストを含む建物が使用されており、住民説明会が事前に開かれました。まずその状況について伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。
    中野正晴環境部長 御質問に対しまして、事業者に確認したことを順次申し上げさせていただきます。 事業者では、今回の八幡西工場の解体工事に当たりまして、工事開始のお知らせを近隣住民にどのように周知するかということをことしの6月6日に八幡町内会長、7日に県営平尾住宅自治会長に相談した結果、説明会を開催することになったということでございます。 説明会は、工場周辺の約100戸に開催案内を直接投函することで告知いたしまして、7月14日午前10時からコニカミノルタの三河サイト内の食堂において開催されました。近隣住民15名が参加されたそうでございます。 説明会で説明した内容は、工事スケジュールとして、工事期間、作業日、作業時間、工法といたしまして建屋の解体方法、工事中の環境対策といたしまして産廃運搬車両のルート、誘導員の配置や騒音、振動、粉じん対策、アスベスト含有保湿材や建築材の粉じん対策等でございました。 説明会で出た主な質問は、説明会に来ていない周辺住民や呼びかけをされていない住民との情報共有、アスベスト関係の届け出、保管方法、処置方法等、騒音、振動、粉じんのモニタリングの要望等であったそうです。 今後につきましては、事業者としての追加の説明会の開催は現時点では考えていないそうでございますが、住民から要望いただいた情報共有につきましては、工場敷地内にある工事用掲示板への掲示を中心に周知いたしまして、必要に応じて周辺住居へのお知らせの投函などを行って、住民の不安解消に努めていくとのことでございました。 なお、レベル2のアスベスト除去作業は既に完了しておりまして、結果についてはまだ承知しておりませんが、昨日8月30日に搬出予定と聞いております。レベル3のアスベストについても、その後、手ばらしの方法で解体を進めまして、9月6日には撤去完了予定ということでございます。これで今回の解体工事におけますアスベストの撤去作業は全て終了となる見込みということでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 住民説明会につきましては、コニカミノルタ側から必ずしも行う予定ではなく、住民の意向で行うことになったということです。 また、工事直前に近隣の方のみ対象に行われた住民説明会の中でも切実な意見や要望が出されたことはわかります。 それでは、コニカミノルタアスベスト飛散対策につきましては具体的にどうなっているのか伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 大気汚染防止行政を所管いたします県東三河総局環境保全課に確認いたしましたところ、6月28日に事業者と面談し、解体工事の規模や概要を初め、県への届け出が義務づけられているレベル1の吹きつけ材は存在していないことや、アスベストが含まれる屋根及びスレート板、配管用エルボの状況を調査報告書や写真で説明を受け、解体工事について了解していることを本市として確認しております。 また、アスベストに関する大気汚染防止法上の届け出については、レベル3のアスベスト含有建材の除去に関しては必要なく、レベル2のアスベスト含有建材の除去は飛散しない工法で処置することからこちらも同じく届け出は必要ないとのことでございました。 また、県東三河総局環境保全課では、8月3日、7日、21日の3日間にわたりまして工場への立入調査を行っておりまして、その際にレベル2の配管エルボの石綿含有保温材については使用部分をビニールで覆った後、10センチ離れた箇所で切断して、ビニールに入れているということ、そして、レベル3のスレート等アスベスト含有建材については、作業前に水をかけて折損した場合の飛散を防いだ上で手で解体し、ビニールに入れてフレコンバックに収納し、さらにフレコンバックをコンテナに格納した上で、その上にカバーをかけて、搬送中の飛散も防止していることなどを確認しております。 県といたしましては、作業内容には問題なかったという認識とのことでございました。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 コニカミノルタ側の対策につきましては、今お話のあったとおりかと思います。その中ですが、この対策が必ずしも初めからとられるということではありませんでした。特に、レベル3の建材につきましては、そのままフレコンバックに詰めて、コンテナに入れるという会社側の説明でしたが、それでは飛散の可能性があるということで住民の方から要望があり、今お話がありましたように、ビニールに詰めて搬出すると、こういう対策がとられたということになります。 また、県の担当課の方が立ち合いを3日間にわたって行われましたが、これにつきましても住民の皆さんからいろいろ不安が寄せられる中で立ち合いが行われ、その際にはレベル1の建材がないかどうかも含めて確認されておられます。 こういう中で、教訓になると思いますのは、住民の皆さんと行政、そして事業者、こういった皆さんがそれぞれアスベストの飛散について対策を考え、一緒に話し合っていく中でさまざまな対策がとられるということかと思います。こういうことが震災時においても大事になってくると、そういう思いをいたしました。 そこで、次に伺いたいと思いますのは、国は自治体の地域防災計画アスベスト対策の項目を入れる努力をさきの災害時における石綿飛散防止対策に係る取扱いマニュアルで求めているところですが、本市といたしまして、アスベスト対策地域防災計画に入れていく必要が私はあると思いますが、お考えについて伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 石綿を含む特定粉じんを規制する法律といたしましては、大気汚染防止法と石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律がございます。この両方におきまして、所管官庁は愛知県になります。 さきにお答えしましたように、愛知県の地域防災計画では、県はアスベスト含有廃棄物の処理について、飛散防止措置を講ずるよう指導するとし、飛散防止対策の役割を担っております。 一方、本市では、地域防災計画においては、災害廃棄物処理実行計画により災害廃棄物対策を行うこととしておりますが、実行計画を内包いたします災害廃棄物処理計画の中でアスベストを有害廃棄物と定義いたしまして、その処理やモニタリングなど具体的な取り組みについて定めております。 このことによりまして、国作成のマニュアルを活用しながら、実務上の対応は十分可能とは考えておりますが、今後、両計画にアスベストに関して具体的な記載を入れるかどうかについては、他市、他団体等の状況も鑑みながら検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 この地域防災計画などに災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルのことを記載している自治体があるということですが、全国でどのくらいあるのか、また近隣市の状況についても伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 全国的な調査の実績というものはございませんが、23政令指定都市等と、その所在道府県の16県23市の計39県市を対象といたしました総務省の調査では、32県市に記載があるとのことでございました。 また、近隣市の状況につきましては、蒲郡市と新城市が地域防災計画上に記載がございます。豊橋、田原市は本市と同様記載がございませんでした。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 マニュアル改訂版を見ましても、今後、国、県、市、市民が連携して対策をとることが一層求められるようになっております。ぜひ次回の計画には、市民にわかりやすい記載を望んでおきたいと思います。 次に、被災時に、どこの建物にレベル1のアスベストがあるのか、石綿使用建築物等の把握、これは民間も含めた当然把握になりますが、これを平常時につかんでおくことは非常に大事であり、マニュアル改訂版でも強調しているところですが、本市の対応、お考えについて伺います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルでは、石綿使用建築物等の把握といたしまして、アスベスト調査台帳建築確認台帳固定資産課税台帳等の情報を活用することが記載されております。 市では、そもそも民間建築物のアスベストに関する情報がないため、一からつくり上げることになりまして、これに要する労力、費用というものが負担となることが想定されます。現状、その情報を恒常的に更新、保管する手段のめども立っていない状況でございます。 そのため、現状唯一一定規模以上のアスベストを使用している民間建築物の情報を持つ県とどのような情報共有体制が構築できるかが今後の検討課題と考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 愛知県は、災害時における石綿飛散防止対策についての中で、毎年度実施している民間建物の建築物の吹きつけ石綿の使用実態調査の結果、これは住所等の一覧表だそうですが、これを災害時に各県民事務所と各市町村に提供する体制を整えているとしております。 このことから見ますと、県のほうは、被災時には情報提供すると、こういう体制をとってきているということになります。 また、札幌市など政令指定都市になるかと思いますが、アスベスト使用建築物の所在情報や、反対にアスベストがないという情報など、アスベストマッピングの作成を行いまして、地図に入力してさまざまな用途に活用しているということです。 それで、本市もぜひ国や県の情報提供を積極的に求めて、一刻も早い把握に努めていただくよう求めておきたいと思います。 次に、マニュアル改訂版では、震災時アスベストが飛散した場合、建物所有者による応急措置が困難な場合、東日本大震災などの実態を踏まえまして、自治体による応急措置を行うことが盛り込まれました。これは、県と連携しつつ、各自治体、つまり本市が実施する部分も大変大きいことが予想されます。アスベストを覆うビニールや防じん服、防じんマスク、機材の備蓄もこういった場合必要になってくると思いますがお考えを伺います。 また、コニカミノルタ八幡西工場の解体では、住民説明会等で情報を得て、そのあとすぐに解体工事が始まって、住民が対策をとる間もないという状況がありました。震災時はましてやそうなります。 そこで、震災時、アスベストが飛散した場合、住民にマスクを配れるような備蓄が必要と思いますが、どう考えるか伺います。 また、震災時住民からむき出しになった倒壊建物からアスベストの懸念がある建材を発見したなどの場合、市にも連絡を受け付ける窓口の設置、通報の呼びかけなども、震災時の知識として住民に周知できるよう検討していく必要もあると思いますが、お考えを伺っておきたいと思います。 ○野本逸郎議長 環境部長。 ◎中野正晴環境部長 まず、ご質問の備蓄についてでございます。 今現在、市としては、備蓄というものを保有しておりませんので、今後関係部署と協議、検討の上で対応等を検討してまいりたいと考えております。 また、窓口の整備ということでございますが、震災時、アスベストに特化した通報というものがまずなかなか難しいと、まず通報される方もアスベストの知識が十分であるとも考えにくいこともございますので、災害対策本部に寄せられる情報の中から、私どもがそこを整理しながら、その危険性について検討を加えながら対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。  (「マスクを用意するのか」との声あり) 済みません、大変失礼しました。 備蓄の中にマスクを含めるか、いろんな災害時の協力体制がございますので、そちらに依頼しながらそういうものを準備させていただくということも考えられると思います。これも含めて今後の検討課題と考えておりますので、御理解いただければと思います。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 被災後数日間が、非常に濃度が高い時期となりますので、備蓄等が必要不可欠と思います。ぜひ今後検討を深めて、早急に対応していただきたいと思います。 それでは、次に、豊川市防災行政無線整備事業基本設計業務委託と業務委託最低制限価格制度の問題点について伺います。 本定例会に、豊川市公契約条例の制定についてが議案として提出されており、いよいよ実施という段階に来られましたことは大いに評価するとともに、大変提案者としてもうれしく思うところです。 一方で労働者の賃金も含め、働く環境を悪化させかねない入札に関する問題も起きており、その認識や対応について、以下伺ってまいります。 ことし、平成30年5月24日に、本市は豊川市防災行政無線の整備事業基本設計業務委託の指名競争入札を行いました。ビーム計画設計株式会社が97万2,000円で落札しております。ところが、平成30年度の予算説明書では、防災情報伝達システム基本設計委託料644万3,000円と計上されており、これは同じものなのか、この状況について伺います。 また、豊川市防災行政無線整備事業基本設計業務委託料は、同じものであればこの金額になりますが、もし違っていれば予算は幾らだったのか伺いたいと思います。 あわせて、その入札の状況についてもお答えいただきたいと思います。 ○野本逸郎議長 財産管理監。 ◎鈴木信弘財産管理監 本事業の予算額は、今お話いただきましたとおり644万3,000円でございます。 入札の状況でございますけれども、指名競争入札で実施しまして、7者を指名いたしまして3者が入札、それから4者が辞退をしております。先ほどの予算額に対する契約金額の割合というのは15.1%となっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 それでは同じものと、こういう認識でいいかと思います。 それで、今お話がありましたように、落札率が15%ということになります。 第2の落札率が29%になるかと思います。そして、第3の落札率が76.5%であとは辞退ということになります。 それで、ビーム計画設計が15%という、いわばダンピングを行ってでも受注しようとした、こういうことになると思うんですが、この背景に何があったのか確認しておきたいと思います。 平成29年2月2日、公正取引委員会が消防救急デジタル無線機器の製造販売業者に談合があったといたしまして、株式会社富士通ゼネラル、日本電気株式会社、沖電気工業株式会社、日本無線株式会社、株式会社日立国際電気に排除措置命令を出し、日立国際電気を除く4者に課徴金63億円の納付命令を出しました。談合は遅くても2009年12月から2014年3月まで続き、この間全国で516の入札があり、うち5割強で談合が成立していたということです。 平成30年3月5日、全国市民オンブズマン連絡会議などが、岐阜県内の七つの消防本部、市や組合の監査委員に対しまして、中央電子工学株式会社と沖電気工業株式会社から、各自金9,786万円を違約金として請求する措置をとることを勧告するよう求めております。 沖電気工業につきましては、談合の当事者であるということですが、この中央電子工学につきましては、請求先となっておりますのは、沖電気工業株式会社の代理店として談合にかかわっていることが公正取引委員会で認定されているからです。 関市議会では、これら問題を市議会でも取り上げるなどの中で、元ビーム計画設計株式会社の方の内部告発文書が日本共産党関市議団を通じて予算特別委員会に提出されました。それによりますと、この談合の実態が詳しく書かれております。 それは、一つにビーム計画設計株式会社が実施設計を行う段階から消防事務組合に沖電気工業の代理店である中央電子工学の担当者が出入りし、消防担当者と打ち合わせを行い、沖電気工業の社員の出入りもあったということが述べられております。 また、ビーム計画設計は、結果を取りまとめるだけで、納期が近づくころはこの3者で機械の納入金額の調整も行ったということ。 また、ともに働く上司から、ビーム計画設計は中央電子工学のために設計をする会社であり、ビーム計画設計が設計業務を低価格で受注しても中央電子工学から設計協力金が入る、このような説明を受けたということです。 また、設計の仕様につきまして、沖電気工業製の機器の独自の特徴が盛り込まれたものになっており、他者が参加できないような仕様づくりを進め、ビーム計画設計は仕様書作成にかかわることはなく、沖電気工業が作成した仕様書をまとめるだけだったということです。 これを裏づけますように、公正取引委員会は、自治体が特定のメーカーしか対応できない製品の仕様で発注したりと、その手口を指摘いたしまして、談合を助長するおそれがある行為だとして全国の自治体に注意を喚起しております。 これは、実際に関市のあります中濃消防組合でもこのようなことが認められます。 公正取引委員会の排除措置命令などの内容、また、関市議会に提出されました告発文書はごらんになっていると思いますので、内容の確認について伺います。 ○野本逸郎議長 財産管理監。 ◎鈴木信弘財産管理監 御指摘の告発文書におきましては、佐藤議員から資料の御提供をいただきまして、目を通しております。内容につきましては、今議員が言われた内容でこの告発文書に書いてあることを承知しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 次に、伺いたいと思いますのは、本市の場合、談合5者の排除措置命令が出された後の入札となります。また、今後実施設計の入札を行う可能性もあり、その後どうなるのかということがあります。また、工事の入札もこれからという状況です。 しかし、既にかかわって今回入札いたしましたビーム計画設計の持っている情報が今後有利に働いて、結果予想どおりの落札になる、そういう可能性も高いと思われます。 そこで、岐阜市などは、こういったことがこれまでもあり、談合情報への対応で調査委員会などを設置いたしまして、談合情報どおりの業者と契約してよいのかどうか、この調査を依頼した例があります。 本市もこのような第三者機関の設置、あるいは豊橋が談合情報処理実施要領などをつくりまして談合情報に対応しております。本市として、これらに取り組むお考えはないかを伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 財産管理監。 ◎鈴木信弘財産管理監 本市におきましては、談合情報が寄せられた場合には、平成9年5月1日から施行しております豊川市談合情報対応マニュアルというものをつくっておりますので、こちらのマニュアルに沿って対応を今しているところでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 ぜひ公正取引委員会の資料なども取り寄せて、それに照らして対応を考えていただきたいと思います。 次に、同時に今回の基本設計業務委託には低入札の問題があります。平成30年度、本市は業務委託最低制限価格制度を導入しました。これは、業務委託について新たにつけ加えたということなんですが、業務委託にどのようなものがあり、この制度の対象業務を五つに絞っていると思いますので、どのような基準でこの五つを決めたのかお伺いいたします。 また、その他市長が必要と認めるものという項があり、今回の基本設計業務委託を対象にすることも可能であると思うんですが、なぜそうしなかったのか伺います。 ○野本逸郎議長 財産管理監。 ◎鈴木信弘財産管理監 今、最低制限価格制度の対象とする業務につきましては、予定価格が50万円を超える競争入札に付する業務のうち、庁舎その他施設の建物清掃業務、除草及び草刈り業務、樹木管理業務、庁舎その他施設の受け付け、案内等業務、給食調理等業務を対象としております。これらの業務を設定した基準としては、主に人件費の割合が高く、比較的賃金単価の低いものを対象としておりまして、御指摘のその他市長が必要と認めるものというものについては、この設定基準に準ずるものを対象というふうに考えております。 また、本年度から労働環境確認の対象範囲を業務委託の一部へ拡大しておりまして、この基準に合わせて最低制限価格制度の対象範囲も本年度から業務委託へ拡大をしたためでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 比較的単価が低いものということでした。 それで、豊橋市の場合なんですが、豊川市の業務委託最低制限価格制度も当然お持ちですが、これとは別に工事に伴う業務委託につきまして、予定価格500万円未満の業務につきましては最低制限価格を、また、500万円以上については低入札調査基準価格を設定しておられます。業務委託につきましてもこういう設定をしているということです。 特に今回の防災行政無線整備事業基本設計業務委託は、予定価格644万3,000円、予算上そうなりますので、豊橋市の制度に当てはめて考えれば、この500万円以上の工事に伴う委託業務に係る低入札価格調査試行要領に当てはめて処理をするということに、豊橋市に当てはめればそういうことになります。 それで、ちょっと考えてみますと、この15%の落札率というのは、まず失格判断基準にひっかかってきます。つまり、初めから失格になるだろうということです。測量業務や建設設計業務、建設コンサルタント業務につきましては、直接測量費や直接人件費などは豊橋では10分の9を乗じた額、その他諸経費は10分の2を中心として10分の9の間で乗じた額の合計額を下回ったものを失格するとしております。予定価格の15%の金額はこの基準から言えばずっと下回ることになります。 また、低入札の調査基準価格はそれより上回るわけですから、人件費や諸経費など100%確保していくという考え方がこの基準価格には示されております。 このように対応をとられておるということなんですが、国におきましても、公共工事の品質確保の促進に関する法律24条では、公共工事の調査、設計業務の品質確保に関し、公共工事に準ずる内容が記載されております。 また、その運用指針では、調査、設計業務の品質確保として、ダンピング受注を防止するために、適切に低入札価格制度、または最低制限価格制度の適切な活用を徹底すると述べております。この趣旨につきまして、国はQアンドAの中で、公共工事に関する調査及び設計の品質が公共工事の品質確保を図る上で重要な役割を果たすものであることから、発注体制が整い次第取り組み願いますと自治体にも実施を求めている立場は明確です。 本市においても、設計業務などに最低制限価格制度を広げ低入札調査基準価格をつくりまして、ダンピングの防止を行うこと、これは必要と思いますがお考えを伺っておきたいと思います。 ○野本逸郎議長 財産管理監。 ◎鈴木信弘財産管理監 低入札価格調査制度ですとか最低制限価格制度の目的は議員御指摘のとおりダンピング受注の防止ということでございまして、その内容としては、工事の手抜きですとか、労働環境の悪化、下請へのしわ寄せなどを排除することにある、これは御指摘のとおりでございます。 ただ、現在のところ工事においてはそういった仕組みができておりまして、委託については平成30年度から、先ほど申し上げた五つの業務に適用しているところでございますが、今現在では、最低制限価格制度の範囲を拡大するという考え方は持っておりません。 ただ、本市の入札契約制度改革の手段の一つとして、先ほども御指摘いただきましたとおり、ダンピングの防止を目的とするという、この最低制限価格制度につきましては、今でも調査、研究しております。必要に応じて先進地の事例なども参考として、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 佐藤郁恵議員。 ◆佐藤郁恵議員 検討されるということでは十分期待いたしたいと思います。 このダンピングの中で働かざるを得ない、働く皆さんにとりましては、そもそも働きがいの問題、あるいは賃金の問題、その他しわ寄せが本当に来ると思います。ぜひ一刻も早い条例の提案を求めまして質問を終わりたいと思います。 以上です。 ○野本逸郎議長 以上で佐藤郁恵議員の質問を終わります。 次に、中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 議長の許可をいただきましたので、通告いたしました内容に基づき、順に質問させていただきます。 大項目1、JR豊川駅周辺の自転車等駐車場整備についての質問をさせていただきます。 この地域は、先輩である中村直巳議員の活動エリアであり、この件について何度も質問や要望等が出されておりますが、私の住む東部校区の住民もこの駅を利用し、日々ひどくなっていく駅周辺の自転車等に対しての要望等も出ておりますので、この状況を鑑み、そして何とかならないのかという多くの声もありましたので、中村直巳議員の許可もいただき質問させていただきます。 平成8年12月JR豊川駅が橋上駅舎として生まれ変わりました。それまで西口付近には有料の自転車等駐車場、以下駐輪場と呼ばせていただきますが、数カ所存在しました。その後、廃業や自動車用駐車場に転換され、駐輪場不足はその当時も課題だったと聞いております。その後、駅西口に隣接する現在の敷地に駐輪場を整備し、平成10年4月から供用が開始されたとのことです。当時の計画において駐輪場の収容台数は、駅までの交通手段となる自転車等を受け入れるだけの容量を確保できる施設として設計されたと思われます。しかし、現状はどうなのでしょうか。 豊川市公共自転車駐車場条例等と鑑み、本市の考えと認識について、最初に(1)本市の駐輪場の整備についての考え方についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 公共自転車駐車場条例は、第2条に、自転車等を利用する者の利便を図るとともに交通安全の確保に資するため、駐車場を設置するとあります。 JR豊川駅周辺の駐輪場は、豊川駅が橋上駅舎となる以前は市営の駐輪場が計590台、民営の駐輪場が計505台の収容能力により、駅利用者の駐輪に対応できていました。 しかし、民営の駐輪場の廃業、自転車利用者の増加によって放置自転車が増加し、平成3年度からは自転車等の放置の防止に関する条例を施行して、利用者のマナー向上を図ってきました。 そして、平成10年度には、現在の豊川駅西口駐輪場を供用開始しましたが、同時に借地していた土地を返却する必要があり、既設の駐輪場200台分を廃止しています。そのため、西口駐輪場には、開設当時から収容能力を超えた駐輪がされており、以後、平成17年度に豊川駅東口駐輪場の拡幅、平成25年度には豊川元町駐輪場を開設しましたが、抜本的な解決にはつながらず、適切な土地が確保できない状況が続き、現在に至っております。 駐輪場の整備については、条例第2条にある駐輪場設置の目的に沿って実施するものと考えていますが、豊川駅周辺については十分でない状況があると認識しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 では、次に(2)の現状について伺います。 私はふだん、豊川駅を利用するときは東口の駐輪場を利用しています。混んでいるなと思うことは時々ありますが、とめるのに困ったことは一度もありません。 しかし、豊川駅西口駐輪場は、平日、休日を問わず、北にある踏切近くまで道路沿いに自転車があふれている状況にあります。 そこで、西口と東口にある駐輪場の収容能力と実際の駐輪台数の状況をお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 収容台数は、豊川駅の西口駐輪場は600台、東口駐輪場は400台、合計1,000台となります。実際の駐輪台数については、ことし4月から5月までのうち28日分の状況を調査しており、平日昼間の平均において、自転車の駐車は、西口が735台、東口が264台であり、バイクの駐車は西口が2台、東口は34台という状況でした。土・日、休日や夜間の平均は、これより200台程度少なくなります。また、最大駐輪台数は、自転車が西口が947台、東口が403台であり、バイクは西口4台、東口が53台という状況でありました。 豊川駅北側の踏切の直近に至るまで道路上に自転車が置かれるという御指摘がありました。そこで、シルバー人材センターに委託し、年間を通して、朝、夕各2時間、駐輪場及び道路上の自転車の整理を行っております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 私も1日のうちに何度も豊川駅西口を通るのですが、朝夕シルバーさんが自転車の整理をしている姿を見るにつけ、本当に心の中で感謝している次第です。 それでは、次に(3)駐輪場を新設する場合の判断において、勘案すべき点がないのかについてお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 新たに駐輪場を開設する場合、豊川駅周辺の現状だけでなく、将来的な利用の見込みについても検討する必要があると考えています。その場合においては、駅勢圏人口と呼ばれる鉄道駅周辺の人口、その人口のうち駅を利用する人数、そのうち自転車を使用して駅に来る人の人数について、それぞれの今後の見込みがどのようになるかが勘案すべき点であると考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 国立社会保障人口問題研究所の調査によると、全体的な人口は減少に向かうと見込まれていますが、今後、JR豊川駅と名鉄豊川稲荷駅周辺の人口をどう見込んでいるのか、お伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 まず、本市の将来人口ですが、本市の人口ビジョンにおいては、平成52年に約15万9,000人となる社会保障人口問題研究所の推計に対し、約16万9,000人とする目標を掲げていますが、それでも現在より人口は減少することになります。 駅勢圏人口については、豊川駅周辺の鉄道環境を踏まえて、徒歩及び自転車の圏域を考える場合、駅を中心に半径2キロメートル以内を設定するのが適当であることから、豊川駅では、豊川、桜木小学校区の全域と東部、三蔵子、天王、金屋、豊小学校区の一部が該当することになります。また、名鉄豊川稲荷駅においては、これらに牛久保小学校区の一部が加わります。 人口は、市全体として減少してまいりますが、まちづくりの進展や政策誘導により抑制はできるものの、駅勢圏人口は減少が見込まれるものと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 次に、今後のJR豊川駅及び名鉄豊川稲荷駅を利用する人数と駅勢圏人口のうち両駅を利用する割合についてどのように見込んでいるのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 平成26年度から平成28年度までの豊川駅の1日平均乗車人数は、3,087人、3,199人、3,172人と推移しており、また、豊川稲荷駅においては2,485人、2,525人、2,527人と推移していることから顕著な増減傾向は見られません。 今後の見込みについては、本市の立地適正化計画では、主要な鉄道駅の1日平均乗車人数は平成26年度値の1万9,126人から10年間はやや増加して、平成36年度に2万人となり、これを平成52年度まで維持することを将来目標としております。そのため、両駅を利用する人数については減少を見込んでおりません。 次に、駅勢圏人口のうち鉄道を利用する者の割合ですが、1日平均乗車人数を駅勢圏人口で除した割合の推移を見ると、豊川駅で、平成2年度で約12%、平成28年度で約11%、豊川稲荷駅が平成2年度で9%、平成28年度で約8%となっております。20年間の推移から見ると、今後当面は大きな変化なく推移していくものと見込んでおります。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 では次に、豊川駅及び豊川稲荷駅を利用する人のうち自転車を利用する人の割合はどのように見込んでいるのかをお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 豊川駅周辺における駐輪台数の平均を豊川駅及び豊川稲荷駅における1日平均乗車人数の合算人数で除すと、両駅を利用する者のうち自転車を利用する者の割合を算出できます。平成28年度においては、その割合は約18.6%となります。この割合は、さきにお答えしたとおり、両駅の1日平均乗車人数がほぼ横ばいで推移していくものと見込んでおりますので、鉄道利用者における自転車利用が伸びていく要素がない限り、今後も大きな増減はないと見込んでおります。そのため、豊川駅周辺の駐輪台数は現在はほぼピークの状態にあるのではないかと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 私も豊川市の統計をもとに表計算ソフトを使って推移を調べてみたところ、JR豊川駅の利用客数は、平成14年度から平成27年度までの間に1日平均3,135人を前後にさほど大きな変化はありませんでした。そのうち、定期券利用客も61%から63%の間でおさまっております。 一方、名鉄豊川稲荷駅の利用客数は年度により変化が激しいので、こちらは定期券利用客を参考に推移を見てみると、平成11年度を1とした場合の平成27年度は21%増加しています。年度ごとの数値で近似曲線を引いても明らかに増加傾向であることがわかります。 本市の調べでは、JR豊川駅及び名鉄豊川稲荷駅の駅勢圏人口は減少していきますが、両駅の乗車人数は横ばいで推移し、両駅の利用者における自転車の利用者数に大きな増減はないと見込んでいることがわかりました。 次に、新しい駐輪場整備の認識について、現状を踏まえ、どのように対応していくのかについてお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 現在のところ、駐輪台数が増加していく要素は特に見込まれませんが、かといって速やかに減少に転ずるという要素もありません。現在、豊川駅の西口にあふれている自転車は、道路を通る自動車にとっても、歩行車、自転車利用者にとっても通行の支障となっており、シルバー人材センター委託による整理が不可欠な状況にあります。したがいまして、駐輪場の収容台数を拡大することを初めとした何らかの対策を講じる必要があると考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 確かに北側に行くにしたがって駐輪できる用地が先細っていき、道路からはみ出す自転車は自動車や歩行者、そしてほかの自転車利用者の通行の支障となっています。本市を訪れた観光客の目にはどう映るのでしょうか。そして、そこに自転車を置いていく人も不安だと思います。また、少し強い風が吹いただけで見事な将棋倒しが起きます。 駐輪場の収容台数を拡大するなどの対策が必要であるとの認識ですが、駐輪場を拡大する場合、その位置をどのように考えているのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 豊川駅周辺における駐輪の状況を踏まえれば、西口においては収容能力を超えた駐輪がされていますが、東口においてはおおむね収容台数内におさまっており、付近の路上に駐輪されるような状況はありません。 また、西口駐輪場への自転車の動線を調査したことがありますが、豊川牧野線からと前田豊川線からだけで西口への駐輪の90%を超えている状況にありました。そのため、喫緊の対応が必要なのは西口であると考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 それでは、西口の駐輪場の拡大はどの程度の増設をどこにつくるのがよいと考えているのかお伺いします。 また、新しく駐輪場をつくる場合は有料を考えているのかどうか、有料の場合は、現在の駐輪場は無料ですが、それを利用する人はいるのかどうかについてもお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 駐輪場を拡大する場合の収容能力は、豊川駅の西口付近の路上にある自転車駐輪台数を踏まえれば300台程度は必要であり、場所については駅と近接した場所に土地を求めているところであります。 有料とするかどうかについては、市が有償で土地を借りて新たに開設することになれば有料も検討しなければならないと考えています。 有料の場合の利用者の見込みですが、過去、豊川駅周辺には民営の有料駐輪場があり、平成4年の調査では958台の駐輪台数のうち434台が有料の駐輪場に置かれていました。そのため有料でも300台程度の利用はされるものと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 有料も検討しているとのことですが、過去そういう状況にあったというだけでは根拠として弱いように思います。 今回の検討に当たって、自転車利用者に何らかの意向調査を行ったのかどうかお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 意向調査については、ことし6月に豊川駅周辺の自転車駐輪場利用者にアンケートを行っています。回答158人のうち有料でも利用するが34人で21.5%、有料でも条件次第で利用するが78人で49.4%という結果になりました。 また、有料で借りてもよいと思われる金額は、回答者149人のうち、月500円以下が92人で61.7%、1,000円が40人で26.8%という結果であり、有料の駐輪場に求めることとしては、安い料金設定、広い駐輪スペース、駐輪場全体を覆う屋根の順に多い状況がありました。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 アンケートを行ったとのことですが、それではその結果は、今後どのように踏まえていくのか、お伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 アンケート結果の反映については、最初に有料駐輪場の場合の料金設定ですが、近隣にある駅の有料駐輪場の水準からかけ離れた利用料金の設定は難しいと考えています。しかし、屋根の設置については、雨天時の利用環境が向上しますので可能であれば対応したいと考えています。 また、広い駐輪スペースについては、現在の豊川駅西口駐輪場では自転車がすき間なく並んでおり、引き出すことで自転車が傷つくこともあり、苦情が寄せられる事例もありますので、この点については必ず配慮していきたいと考えています。 これらの配慮と駅の近さなど全体的な利用のしやすさを高めることにより、有料でも利用されるようにしたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 大分具体的な構想ができつつあるようですが、その有料駐輪場を利用する人がふえてきた場合、2匹目のドジョウを狙うという人も出てくるかもしれません。 駅周辺において、空き家、空き地を活用した民営の駐輪場が新設される可能性もあると思いますが、その場合の考えをお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 今回の新しい駐輪場の検討に際し、専門のコンサルタントからは、有料の駐輪場運営のビジネスモデルとして、豊川駅周辺であるなら東西の駐輪場を一括、つまり1,000台程度を扱わなければ経営的に採算が取れないのではないかという話を聞いています。そのため、空き家、空き地を活用した民営駐輪場が開設される場合は、副業としての運営形態となり、小規模な運営になると考えています。また、継続的な運営という点においては、小規模な民営駐輪場の収容能力に頼り過ぎていてはその廃業の際等に支障が出てまいります。 こうしたことから、新しい駐輪場を開設する必要は変わらないものと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 先ほど駅に近接した場所に開設したいという意向をお聞きしましたが、その場合、自転車を駐車するために来る人の動線と駅の乗降客の動線との整理が必要になると考えられます。事故が起きないような配慮が必要だと思います。この点についてどのように考えているのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 駅の近接地に開設を行う場合、一時利用を可能とすると、駅の乗降客と駐輪場利用者の動線の整理が大変困難になります。そのため、定期利用を原則としたICカード等の認証を用いたゲート方式による入出場の管理とすることを検討しています。これにより利用者を限定することができますので、駐輪場から自転車があふれることもなく、利用ルールの遵守の徹底が行いやすくなるものと考えています。それでも開設当初の混乱を避けるためには、一定期間は誘導員等による交通整理が必要になると考えます。ただし、利用ルールが浸透したことにより、一定期間で交通整理業務等は縮小できるものと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 豊川駅の周辺では自転車の盗難が多いと聞いております。ここ数年における件数と新しい駐輪場を踏まえた対策についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 まず、豊川警察署が発表している小学校区別の犯罪発生状況の内訳に、自転車盗難の件数が記載されています。豊川警察署からは、豊川小学校区における自転車盗難は大半が豊川駅周辺で発生していると聞いております。そこで、市全体の発生件数、豊川小学校区の件数、全体に占める割合についてお答えしますと、平成28年中が全218件のうち30件で13.8%、平成29年中が185件のうち51件で27.6%、平成30年1月から6月末までは84件のうち23件で27.4%となっております。こうした状況は市と豊川警察署で共有しており、今年度自転車の安全な利用の促進に関する条例の施行も踏まえ、市と豊川警察署で連携しながら自転車の鍵かけを重点的に呼びかけているところです。あわせて、豊川防犯協会連合会から防犯カメラの寄贈も受け、去る6月末に東口駐輪場に2台を増設、さらに近く西口駐輪場にも1台を増設する予定となっています。 新しい駐輪場については、ゲート方式の採用と防犯カメラの設置により盗難に遭う恐れは少ないと考えています。また、盗難に遭うのは西口の踏切付近の路上に置かれた自転車が多いということも聞きます。新しい駐輪場の開設によってそうした駐輪が減少することにもつながり、自転車の盗難件数が減少する効果もあるのではないかと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。
    ◆中村浩之議員 今回、JR豊川駅周辺の自転車駐車場整備についての質問を順次行ってまいりました。課題はあるものと感じるものの、新しい駐輪場は必要なものと私も認識しております。早期の実現を望むものですが、最後に、開設する時期についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 市民部長。 ◎鈴木敏彰市民部長 開設する時期ということでございますが、土地利用者との交渉が進行中であることなどの事情があり、現在のところ時期を明言することはできません。 また、課題があるとの御指摘でしたが、市としても同じ認識であり、開設当初においては、利用者に対しまして、新しい駐輪場の利用のルールを円滑に浸透させていく必要があると考えています。したがいまして、開設する際には駅が混雑する季節を避けてまいりたいとは考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 現在のところ時期を明言することはできないとのことですが、豊川駅は本市の第6次総合計画にも示されているとおり、中心拠点の中の主要駅です。豊川市内には、JR線、名鉄線、あわせて19駅ある中でも代表格となる駅です。本市の顔となる駅になるよう努めていただきたいと思います。 私は、これからのまちづくりにおいて、自転車を含めた交通まちづくり施策がますます重要になってくるのではと考えています。交通の利便性の高い本市ですが、住居と駅間の交通手段として利用される自転車も、時代の変遷とともに、また各人のライフスタイルに合わせて素材や形状が変化してまいりました。今回の質問で、駅に隣接した場所に有料駐輪場の設置を検討していくとのことでした。それにより、また新たな需要が生まれるかもしれません。 駅勢圏人口の動向を見ながら、20年、30年後の豊川市のあるべき姿を想像し、エコな乗り物、自転車と共存、そして共生することができるまちづくりに取り組んでいただくことを希望して、JR豊川駅周辺の自転車等駐車場整備についての質問を終わります。 では次に、大項目の2、小、中学校における熱中症の予防についての質問に移ります。 熱中症に関しましては、多くの世論やマスコミ、そして本市においても小、中学生を持つ保護者やその家族にとどまらず、本当に多くの市民の関心事となっておりますので、この時期に今回この質問をさせていただく意図を酌んでいただき、通告のとおり質問させていただきます。 ことしは例年より暑い日が多く、熱中症の警鐘が関係各省庁から発信されておりました。環境省では、熱中症予防強化月間が本日の8月31日まで延長されています。 ことし、本市では、4月から夏日と呼ばれる気温25度に達した日が6日ありました。7月は23日に最高気温39.6度を記録し、平均気温は28.9度でした。 また、今月8月はお盆の終わりに数日間ほど朝方涼しい日が続きましたが、その後は再び気温が上昇し、一昨日29日までの平均気温は7月より0.2度高い29.1度と記録されています。 本年6月21日には、環境省から気候変動適応法が公布されました。また、ICPP、これは気候変動に関する政府間パネルのことですが、第5次評価報告書では、気候変動に対し熱中症を含め多くのリスクが上げられています。温暖化対策は地球規模で待ったなしの状況です。 本市において、昨年度より中学校から順に空調設備の設置が始まりました。小学校については2カ年計画で本年度より実施予定とのことです。計画は順調に実施されていると思われますが、来年度へ持ち越しの学校は、もう一年、朝から、暑さを示すWBGTでは厳重警戒、温湿度計によっては厳重注意というものもありますが、最上位の危険レベルの暑さの中で学習しなければなりません。そのような環境の中で子供たちは体力を維持し、集中して授業を受けることができるのでしょうか。 また、危険とわかっていながら学校へ送り出す親御さんの気持ち、そして、その環境の中で子供たちを預かり授業をしなければならない教職員の皆様の立場を推察すると大変胸が痛みます。 本来なら本市の施設の中で、子供たちを猛暑から守るために最優先で取り組まなければならない学校施設の空調設備がいつの間にかなおざりにされ、最後になってしまっています。 第2期豊川市教育振興基本計画の基本目標4、施策③学校教育環境の整備の中で、主な取り組みとして学習環境の整備が掲げられています。そこには、普通教室の空調設備の整備とトイレの便器の洋式化が上げられています。その内容として、小、中学校において、児童、生徒の健康面への配慮と学習環境の向上を図るため、普通教室に空調設備を整備しますとあるように、子供たちに、公平で平等な教育環境の質を担保するためにも、そして、本気で子育て支援を目指すなら、トイレの洋式化も大事ですが、優先順位として空調設備の設置を1年間で行ってしまうのが本来として、行政としての使命ではないかと私は考えます。 初めに、(1)本市の熱中症の発症状況について伺ってまいります。 本件については、総務省消防庁からその数について、週報、月報が発表されています。直近の速報値によると、都道府県別熱中症による救急搬送人員数の平成30年度と平成29年度の比較では、平成29年5月1日から8月26日までの確定値4万9,376人に対し、本年度は1日早い算入ですが、平成30年4月30日から8月26日までの速報値8万9,305人と前年対比81%増となっております。そのうち亡くなった方の人数は、全国で155人、県別では愛知県がトップで14人でした。発生場所については、住居の40.6%を筆頭に、6番目に教育機関が6.6%となっています。 それでは、本市全体の熱中症の発生状況や学校現場における熱中症の発生状況について昨年度との比較とあわせてお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 本市全体の熱中症発生状況につきましては、消防本部が取りまとめました7月までの熱中症による救急搬送人員数でお答えいたします。 平成29年度5月に3人、6月に1人、7月に74人の合計78人でございました。平成30年度は、5月に3人、6月に13人、7月に108人の合計124人となっており、昨年度と比較いたしますと59%の増加となっておりました。 なお、平成30年度の7月までの年齢区分別熱中症による救急搬送人員数につきましては、7歳から18歳未満が25人、18歳から65歳未満が56人、65歳以上が43人となっておりまして、どの年齢層でも熱中症の危険性があるということがわかります。 続きまして、小、中学校におけます教育活動中の熱中症や熱中症の疑いによります事故発生状況につきましては、7月末までの状況でお答えいたしますと、平成29年度はゼロでございましたのに対し、平成30年度は6人となっております。6人の内訳につきましては全て中学生でございまして、部活動の練習中や大会参加中、また、大会終了後に学校へ戻る途中で体調が悪くなり発症したといったような状況で、座り込んで動けなくなったり、あるいは手足の震えやけいれん、嘔吐などのため救急搬送に至ったものでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 小、中学校における教室環境についての研究は、日本建築学会の教室環境の質が児童の体調と集中力に与える影響に関する実態調査を初め、関連するテーマで文部科学省、環境省ほか各学会からもこれに関する多くの論文が出ております。 朝から気温がぐんぐん上昇する夏場においては登校時から注意が必要です。そして、登校後の学校生活における活動、教室外での活動、また中学校の部活動について、本市の小、中学校における熱中症事故の防止策についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 熱中症事故の防止策につきまして、まず登下校中につきましては、小学校では帽子を着用することや水分補給などをするように指導しております。 続きまして、登校後の活動につきましてですが、まず朝、健康観察を行っておりますので、この健康観察をしっかりと行い、子供たちの体調の把握に努めております。授業につきましては、中学校ではエアコンを使用しておりますので、教室内では快適に学習ができているものと思われます。小学校につきましては、現在は扇風機をフルに使いまして活動を行っております。教室外の活動につきまして、温度や暑さ指数、WBGTの数値などを見まして、活動内容を変更したり、屋外の活動であれば体育館やエアコンの使える部屋に活動場所を変更したりするなど対応をしております。 中学校の部活動につきましても、時間を短縮したり、場合によっては中止にしたりするなどの対応をしております。なお、活動中は水分補給の時間や休憩時間をこれまで以上に小まめに設定いたしまして、子供たちに過度な負担とならないように配慮しております。 万が一熱中症の児童、生徒が出たときのために、保健室には経口補水液や冷却材の準備をいたしまして、エアコンを常につけ、すぐに対応ができるようにしているところでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 熱中症の予防には水分補給が大切と言われています。そこで水分補給についてお伺いします。 低学年の児童は、ランドセルと水筒を持って汗だくで登校しています。麻生田連区の上野地区の子供たちは、歩いて5分のところにある一宮西部小学校、そしてそのまま南下すれば十数分のところに豊小学校があるにもかかわらず、さらに歩いて、歩いて、40分、50分かけて通学している子もいます。低学年の児童は、体に合わせて水筒も小さいので、学校につくまでに水筒のお茶や水を飲みほしてしまう子もいますが、通学の途中にあるお寺や公園で水分補給と休憩をとりながら通う通学団もあります。そのような子供たちを含めて、通学時と学校内での水分のとり方についてどのように指導されているのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 水分補給につきましては、先ほども述べましたように、登下校中でも適宜とるように指導はしております。通学距離が遠い児童もおりますので、学年通信などで水分をたくさん持たせていただくように保護者に依頼をしております。 また、子供たちには、どうしても一度にたくさん飲んでしまう傾向がございますので、たくさん飲んでしまわずに計画的に飲むように、そういった指導もしております。 状況によりましては、水道水で口をゆすがせたり、あるいは職員室の水分を飲ませたりして対応する場合もございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 高学年の児童の中には水筒を2本持ってくる子もいると聞いておりますが、低学年の児童にランドセルとプール用具、それに加えてさらに大きな水筒を持たせて通学させるということは大変酷な話だと思います。ぜひこの件について、もう一度教育委員会内で御検討いただければと思っています。 では、ことし7月17日に豊田市の小学生が熱中症で死亡するという事故がありました。その事故後の対応の変化についてまずお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 熱中症対策につきましては、文部科学省や愛知県教育委員会から出された文書を各校へ通知いたしまして周知を図ってまいりました。本年度は、熱中症にかかわります文書がこれまで6回出されておりまして、例年よりも多くの文書を発信しております。 平成30年5月15日と7月4日付で文部科学省から出されました熱中症事故の防止についてでは、水分や塩分の補給、熱中症発症時の適切な対応、WBGTの活用などが書かれておりましたが、先ほど議員のお話にありました豊田の事故後の7月18日付で出されました文書には、それまでの内容に加えまして、活動の中止や延期、見直しなど柔軟に対応を検討することといった内容がつけ加わりました。各校でもこうした通知内容に従いまして、活動内容の検討を行っております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 本市の各校では具体的にどのような対応をしたのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 事故が起きましたのが夏休み直前でございましたので、主に本年度の夏休み中の活動についてお答えいたします。 小学校では、例年水泳指導やプール開放、部活動などを行っておりますが、一定期間または気温の高い日に中止にした学校が数多くございました。プール開放を実施した場合につきましても、プールサイドに水筒を置いて水分補給がすぐできるようにしたり、テントを張って日陰をつくったり、プールへの補給水を多目に入れて、水温調節をしたりするなどの対策を行いました。 また、夏休み中に学校で学習をいたしますサマースクールにつきましても、活動場所をエアコンの使える部屋に変更いたしました。 そのほかにも、夏休み中は日中に登下校することが多くなりますので、体調が悪い場合は無理をして登校しないように改めて保護者に通知を出した学校もございます。 持ち物につきましても、スポーツドリンクや塩分タブレットを持ってくることを一時的に認めている学校がございます。 中学校では、主に部活動につきまして、活動内容や時間の変更、活動の中止などの対応をいたしました。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 それでは、環境省が出している暑さ指数、WBGTの学校での活用とその周知についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 環境省が出しておりますWBGTにつきましては、文部科学省より5月15日付で出されました熱中症の防止についての文書に記載がございまして、その通知を各校に送って周知を図っております。 また、その後も数回にわたり熱中症予防に関する文書が出され、その中にもWBGTに関する記載もございました。同様に各校への周知を図っております。 先ほども述べましたように、各校では、気温やWBGTの数値によりまして、活動を中止したり、活動等の内容を変更したりしております。 また、昨年作成いたしました豊川市立小、中学校空調設備運用指針では、空調設備の稼働につきまして、暑さ指数が厳重警戒以上をあらわしますWBGT28度以上と予想される場合は、期間及び室内温度にかかわらず稼働できるとしております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 WBGTをはかる環境管理温湿度計の小、中学校における設置状況についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 環境管理温湿度計は、現在全ての学校で設置しているわけではございませんが、ただ、本年度の猛暑によりまして購入した学校も多数ございます。 環境管理温湿度計は、1台1万円から2万円ほどで、中学校では部活動を行っておりますさまざまな場所の数値をはかるために複数台購入している学校がございます。また、簡易的なものもございますので、簡易的なものを全教室に設置している学校もございます。 その他といたしまして、環境省が行っておりますサービスに、各地域のWBGTの数値をパソコンやスマートフォンなどで見ることができるといったシステムもございます。東三河地域ですと、豊橋、新城、蒲郡の、この3地域の数値を見ることができます。パソコンで確認して職員に周知したり、そのシステムを職員がスマートフォンなどに登録いたしまして、休日に部活動などを行う際の目安にしたりしている学校もございます。 以上であります。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 環境管理温湿度計が全ての学校に設置してあるものではないとのことですが、また、環境省が行っているサービスについても学校ごとにいろんな温度差があると思いますので、今後小、中学校に限らず、また保育所等にも必需品と思われます。各学校に毎年配分される費用からではなくて、しっかりと予算をとっていただき、少なくとも校舎内と体育館には配備していただけるように希望いたします。 では、本年度改定されました学校環境衛生基準についてお伺いします。 改定された学校環境衛生基準では、健康を保護し、かつ快適に学習する上で維持されることが望ましい温度の基準は何度と記載されるのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 学校環境衛生基準には、教室などの温度につきまして、改定前は10度以上30度以下であることが望ましいと記載されておりましたが、本年度より17度以上28度以下であることが望ましいに改定されました。 この改定の理由といたしまして、近年冷暖房機器の一般家庭への普及に伴いまして、児童、生徒は快適な温度に保たれた室内環境で過ごす時間が長くなったことによりまして、教室などの温熱環境におけます児童、生徒の温かさであるとか冷たさを感じる感覚、温冷感でございますが、これは昭和39年当時とは随分異なってきていることが上げられております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 では、(3)の運動会、体育大会、スポーツ大会の開催時期についての質問をさせていただきます。 隣の豊橋市を初め、多くの市では、昔ながらの地域とのかかわりのある慣習などがある場合を除き、最近の猛暑などを考慮して、暑さの残る9月開催の運動会や体育大会を避け、5月の連休明けから練習を始め、5月中に行うところがふえているとお聞きしております。 運動会や体育大会の開催時期と暑さ対策についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 平成30年度は、26小学校中10校が春に運動会を行いました。残りの16校は9月に実施予定でございます。中学校の体育大会につきましては、全ての中学校が9月に行います。 運動会、体育大会の開催時期につきましては、他の学校、学年行事との兼ね合いがございます。特に中学校におきましては、部活動の大会とか修学旅行などの行事が大きくかかわってまいります。小学校では、行事以外にも地域との関係がある学校もございます。 各校の状況はさまざまでございまして、春、秋それぞれによさがありますので、一概に結論づけることはできませんが、暑さへの対応につきましては、今後ますます考えていかなければならないことだと思っております。 9月実施の対策といたしましては、先ほど申し上げました水分補給や休憩時間を多く設けることのほか、テントを町内会などから借りまして、できるだけ多く日陰をつくる工夫を考えている学校がございます。 また、運動会等の練習時間を比較的涼しい午前中に設定したり、体育館での練習をふやしたりすることを考えている学校もございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 9月に実施する学校は26小学校中16校、中学校は全校だということで、この点については、私も春、秋それぞれのよさがあると思っております。各学校の事情や地域の行事に合わせて、9月中も30度近い気温になる日も多いとの記録が残っております。熱中症に気をつけて、臨機応変に実施していただければと思っております。 熱中症予防のためのテントは、私の住む東部小学校区では子供会の親御さんたちが毎年資源回収を行い、そのお金でテントを一張りずつ買い増しをしていると聞いております。 それでは、各校の空調設備の設置状況と今後の見通しについての質問に移らせていただきます。 現在、全国や愛知県内の小、中学校における普通教室への空調設備の設置状況はどのようになっているのかまずお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育部長。 ◎関原秀一教育部長 今年度のデータがまだ発表されておりませんので1年前のデータとなりますが、文部科学省が発表した平成29年4月1日現在の状況で申し上げます。 平成29年4月1日現在の公立小、中学校の普通教室へのエアコン設置率は、全国で49.6%、愛知県では35.7%となっております。都道府県別で最も高い設置率は東京都の99.9%、次いで香川県の97.7%となっておりますが、同じ四国の愛媛県では5.9%であるなど設置率1割未満の自治体もあり、都道府県の格差が激しい状況にございます。その中にあって、愛知県の整備率は全国平均を下回る結果となっております。 なお、愛知県の各市の整備状況につきましては本年6月現在で申し上げます。愛知県市長会が取りまとめた調査結果で申し上げますと、県内38市のうち名古屋市、春日井市、小牧市、日進市、北名古屋市、みよし市の6市では100%設置済み、また、一宮市と刈谷市の2市では平成30年度中に設置完了予定となっているほか、豊川市を初め5市で設置工事を実施中となっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 中村浩之議員。 ◆中村浩之議員 8月21日付中日新聞朝刊12面、東三河版で、小、中学校のエアコンの現状はと題して、東三河各自治体のエアコンの設置をめぐる状況や今後の方針が報道されていました。その後、蒲郡市が8月27日、9月定例会において補正予算案を提出し、小、中学校の普通教室と保育所の全室にエアコンを設置する方針を出され、29日には、田原市が来年夏までに市内小、中学校の普通教室全室にエアコンを設置する方針を明らかにしたと報道がありました。さきに熱中症による児童の死亡事故のあった豊田市は、エアコン設置工事を前倒しで進める方針を決定したとの報道もありました。 別件ではございますが、6月18日に起きた大阪府北部地震でブロック塀が倒壊し、登校途中だった小学校4年の女児が下敷きになって死亡した事故もありました。子供たちが犠牲になってから対処するのでは遅いと思います。 先人は言いました。常に備えよ、転ばぬ先のつえ、後悔先に立たず、予防は治療にまさる、用心にけがなし、用心は前にあり、備えあれば憂いなし、備えや予防についてのことわざは挙げれば切りがありません。夏場だけではなく、年間を通して、そして夏休みに児童クラブに通う子供たちにも安心して快適な学習環境を与えること、また小、中学校と保育所の全室にエアコンが設置されれば、豊川市に移住定住を検討している子育て世代の方々にシティセールスとしてのアピールポイントとなるのではと考えています。 エアコン設置だけが熱中症予防の全てではありませんが、現在行われている老朽化した小、中学校の改修、改築工事にも文部科学省の示す環境を考慮した学校施設の整備推進といった、エコスクールなどの考えも取り入れて実施されていることと思います。 昨日、大場昌克議員から気候変動に関する質問がありました。さきに述べたICPP第5次評価報告書によれば、温室効果ガスの削減を進めても世界の平均気温が上昇すると記載されており、具体的な数値予測も示されています。 これまで小、中学校において熱中症の予防策について質問してまいりました。限られた時間内の限られた質問項目に対し、お答えいただいた内容だけでは不十分で、最近の暑さ対策には対応し切れませんが、企業も人間も含めた生物は環境に適応できなければ生存することはできません。人間として適応できない気候変動に対処するには、やはり空調設備に頼らざるを得ないと考えます。支援が予知できていることには迅速に対処していただくことを希望いたします。 最後に、豊川市における空調設備の整備状況と今後の見通しについてお伺いします。 ○野本逸郎議長 教育部長。 ◎関原秀一教育部長 豊川市では快適で充実した学校生活が送れるよう、東三河では唯一普通教室への計画的な空調設備の整備を進めているところです。 現在までの整備状況は、平成28年度に校舎大規模改造工事に合わせて整備した萩小学校を初めとし、平成29年度には中学校全10校の整備と一宮東部小学校の校舎大規模改修工事に合わせた整備を行っており、この12校につきましては、ことしの夏の猛暑にも対応することができました。残りの小学校につきましては、今年度12校、来年度12校、うち1校は大規模改修工事でございますが、の工事により全校の整備が完了する予定でございます。工事は夏休み期間を利用して実施しておりますので、ことしの冬の暖房から今年度の工事のところも稼働できることになります。 参考までに、整備予定の普通教室数633教室に対する整備率で申し上げますと、平成29年度中に32.2%、平成30年度中に63.3%、そして平成31年度中に100%の整備率となる予定です。 なお、今後の見通しにつきましては、空調設備の設置には多額の費用が必要となるため、国の財源措置を前提とした段階的な整備を進めているところですが、今年度の猛暑や豊田市での事故を受け、国は空調設備の前倒しのため、秋の臨時国会に補正予算の提出を検討しているとの報道もありました。まだ正式な発表はございませんが、今後、国の動きを注視し、前倒し可能であれば平成31年度実施予定の小学校につきましても、来年夏からの稼働も視野に入れ、できるだけ早い事業完了を目指してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 以上で中村浩之議員の質問を終わります。 ここで、しばらく休憩します。  (午前11時42分 休憩)  (午後1時00分 再開) ○野本逸郎議長 ただいまから会議を再開します。 次に、倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 議長の許可のもと一般質問を行います。 今回は、義務教育における児童、生徒の服装などの指定についてであります。 自分が子供のころは何とも思っていなかったのですが、中学校の制服などに支出する金額を知ると非常に大きく、まだまだ収入が上がり切っていない子育て世代の大きな負担になっています。 そこで、まず制服そのものの意義、必要性というところから聞いていきたいと思います。 中項目(1)の中学校における制服などの指定状況であります。 制服など生徒が同じ服装をすることの意義、効果を本市はどのように考えているのか最初に伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 制服の意義といたしましては、全員が同じ服装を着るということにより、連帯感を生んだり愛校心を育んだりするためにも有意義なものと考えております。 また、制服は長く定着してきておりますので、それぞれの学校の伝統を受け継ぐという側面もございます。 一方、制服を着用しているということで外から見て学生であることがわかりますので、生徒指導の面でも防犯の面でも効果があると言われております。 生徒の中には、毎日の慌ただしい朝に、服装に迷わずに学校に出かけられるので便利であるとの声も聞かれております。また、保護者の中には服装に気を使わなくても済むといった意見もございます。 さらに、全員が同じ服装をするということで経済格差があらわれにくくなる効果もあると考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 わかりました。私が一番しっくりきたのが連帯感と経済格差があらわれにくいという御説明でした。 しかし、その連帯感や愛校心というものは、ややもすると若げの至りというか、他校に対するライバル心や豊川市としての一体感の阻害にもつながるのかなと思ってしまいました。ただ、ライバル心というものには悪い影響だけではなく、よい面もありますので、ここは納得して次にまいりたいと思います。 学校指定用品の取り決めの方法はどのようになっているのでしょうか。また、最近の事例がありましたらお聞きしたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 学校ごとで決めております指定用品につきましては、各学校の伝統を踏まえつつ、時代の変化や社会の情勢に応じまして見直しされております。例えば、体操服では、材質面でよりよい製品が出た場合など費用面を考慮した上で変更することもございます。そうした場合につきましては、児童、生徒や保護者の意見を聞き、業者とも情報交換をしながらじっくりと検討してまいります。 最近の変更事例といたしまして、平成29年度夏の制服を変更した中学校がございます。それまで男女ともポロシャツであったものが、男子は開襟シャツに、女子はセミシャツに変更しております。なお、経過措置といたしまして、現在も兄弟姉妹のポロシャツ使用も可能としております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 わかりました。最近の事例もあるとのことで、経過措置というものも必要だと思いますのでいいことだと思います。 それでは、次に、中学校の主な学校指定用品について、実際にどのようなものがあるのか確認したいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 中学校の指定用品につきましては、学校により多少差はございますが、制服、体操服、体育館シューズ、上履き、水着、水泳の帽子、名札などがどの学校でも指定となっております。これに自転車通学者用のヘルメットなども指定をしております。 また、ほとんどの学校では夏の開襟シャツは白の無地とか、登下校に履く運動靴は体育の授業でも使用するため白い靴など、どこのメーカーでも構いませんけれども、製品に一定の条件を指定しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 きっちり学校が指定するものと色など一定の条件下では自由に購入できるものがあるという御答弁でした。 それでは、今お聞きしましたきっちりとした指定があるものについて具体的な状況をお聞きしてまいりたいと思います。 中項目(2)に移ります。指定用品の具体的な状況及び学校間での差異についてです。 まず、制服の指定状況について、大体の値段も含めてでいいですのでお聞きしたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 制服につきましては、男子の場合、冬服は学生服でございますが、夏服は校章入りの開襟シャツなどを指定しております。女子の場合につきましては、夏、冬ともにセーラー服を指定しております。値段につきましては、男子の冬服が平均で約3万5,000円、女子のセーラー服が平均で約3万8,000円となっております。また、小学校には制服はございません。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 ありがとうございます。今回、本当は学校間での差額も聞こうとは思ったんですが、詰襟もセーラー服も指定のものの中でも、ウールやポリエステルなどで、材質が違うということで、値段が1万円ほど変わってしまい、また、指定店によって店頭に並ぶ品番が多かったり、少なかったりしまして、正しく学校間の差が把握できないなと思って断念をさせていただきました。ただ、最安値で私が聞き取り調査で調べていくと5,000円ほどの差は少なくともあるのかなと感じております。 それでは、次に、主に制服の話題となりますが、中学校区ごとの指定販売店、つまり制服がここに売ってますよという案内があると思うんですが、この販売店の数について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 指定販売店数につきましては、平成29年度時点で、中学校区ごとに少ないところで1店舗、多いところで5店舗となっております。なお、この指定販売店数につきましては、地元の商工会などと連携しながら行っておりますため、学校では詳細な店舗数を把握できていないといった校区もございます。また、小売店自体の減少によりまして、指定販売店数が変わってきている校区もございます。 また、制服の指定販売店数につきましては、校章の必要のない男子制服につきましては量販店でも購入できますので、制服についてどこまで指定販売店としているか、詳細につきましては学校も把握していないところがございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 ありがとうございます。私も個人的に調べたところ同じような数だったと思います。ただ、生徒が少ない校区で1店舗というところと、非常に大きな規模の校区での1店舗だけというところもあり、ちょっと問題じゃないかなと思う部分がありましたが、この点は後に少し話を回させてもらいます。 また、詰襟に関しては、おっしゃるとおり量販店、場合によってはインターネットショップでも購入できまして、2万円以下、1万7,000円ぐらいだとかで販売しているところもありました。もちろんボタンが違うので、最終的にはボタンだけ買うということになるかと思いますが、ただ、このインターネットですと、品質についてはわかりませんので安易には勧められないものかもしれません。 続きまして、体操服やウインドブレーカーの指定の状況、こちらは学校ごとの金額の差について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 中学校の調査でお答えいたしますと、体操服につきましては全中学校で指定しております。また、個人で希望すれば購入することのできます防寒用のウインドブレーカーを指定している学校もございます。 費用につきまして、できる範囲で調査した結果でお答えいたします。体操服の場合、素材やサイズなどによりまして値段が変わってきておりますが、夏、冬上下の合計金額で1万3,000円程度から1万9,000円ぐらいの間になっております。なお、ウインドブレーカーにつきましては、上着のみを指定している学校と上下を指定している学校とがございますが、上着のみで比較いたしますと、5,000円台から8,000円台となっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 御答弁いただいたように、素材やもしかしたら生産場所などの差もあろうかと思いますが、体操服で6,000円、ウインドブレーカーで3,000円ぐらいの差があるようです。体操服については、普通は2着ずつ買うと聞いておりますので、金額の差はさらに倍になるんじゃないかと思います。 続きまして、体操服の指定販売店の数をお聞きしたいと思います。 基本的に指定店の数は制服とほぼ同じだとは思いますが、男子制服などと違い、量販店での購入ができないと思いますが、この認識でよいのかも含めて確認したいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 体操服の指定販売店の数につきまして、学校で完全には把握できておりませんけれども、やはり制服と同様に1から5店舗程度となっております。 また、校章などが入っておりますので、基本的には指定店での購入となってまいります。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 ありがとうございます。私も調べている範囲では量販店などでは買えないと聞いております。一部で体操服だけ売っているところがふえるというところもあるようです、これは一宮だと思うんですけれども。続いて、かばんの指定の状況及び値段についても伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 中学校のかばんにつきましては、1校のみが指定しております。値段につきましては5,800円程度となっております。他校につきましては、通学の安全と生徒の体への負担軽減のため、リュックサックのような肩かけタイプで、華美でないものを推奨する学校が多くなっております。一方、小学校につきましてはランドセルを指定しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 中学校のかばんについては1校のみが指定しているということですから、そもそもこの指定が必要なのかという部分の議論も出てくるのかなと感じております。 私が調査した範囲では、かばんの指定がない中学校区の制服などが置いてあるショッピングセンターというか販売店で、かばんも置いてあって、値段を見ますともう少し安いものが並んでおるということもありました。逆にもちろんもっと高いかばんというものもありますので、この5,800円が適正かどうかというのはわかりませんけれども、かばん指定の校区では、少なくとも親が負担する金額を選べないということだと思います。 続きまして、体育館シューズ、上履きの指定の状況及びその値段についても同じようにお聞きしたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 体育館シューズにつきましては、全小、中学校で指定しております。また、中学校では学年色という色を指定している学校もございます。値段につきましては、学校により違っておりますが、体育館シューズにつきましては、3,000円から3,500円程度となっております。 また、上履きにつきましては、上靴の学校とスリッパの学校がございますが、全小、中学校で指定しております。上履きの値段につきましては調査をしておりませんけれども、中学校のスリッパにつきましては、1,300円から1,700円程度となっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 御答弁いただきましたように、体育館シューズ、上履きは数百円の違いのようです。一部、たまたまなのかわかりませんけど、体育館シューズが1,890円で売っているところも、在庫処分なのかもしれませんけれども、そういったところもありました。今のは除外にするとしても、親御さんからしたらほとんど同じような体育館シューズや上履きで、中学校区の違いだけで500円違うというのは、もし知れば疑問に思うところかなとも思います。 続きまして、ヘルメットの指定の状況及び値段、またこのヘルメットについては、SGマークつきのヘルメットかどうかも含めて伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 ヘルメットにつきましては、中学校の自転車通学者が使用いたします。また、部活動をやっている者につきましても、大会や練習試合に参加するときに自転車を利用する生徒がおりますので、全中学校で指定しております。値段につきましては1,700円から3,300円程度となっております。 SGマークつきのものにつきましては、一般財団法人製品安全協会が推奨しているものでございまして、現在は1校が指定しております。また、SGマーク入りのものを含めます複数の製品を指定している学校もありますので、SGマーク入りの製品を選んで使用しているといった生徒もございます。なお、SGマーク入りのものは費用が高くなるとして、ひび割れしにくい素材でできた、頭が熱くなりにくい自転車用として販売されております現状のヘルメットを使用している学校もございます。 この話題につきましては、本年5月に行われました中学校の校長会でも話題として取り上げておりますので、学校によりましては、来年度の1年生からSGマーク入りのヘルメットの導入を検討し始めているところもございます。 一方、小学校につきましては、入学時に人権交通防犯課が配付する通学用のものを登下校の安全のために使用しております。あくまでも通学用のヘルメットでございますので、自転車に乗る場合には専用ヘルメットを準備するように保護者にも伝えております。 また、小学校高学年を対象にいたしまして、中学校での自転車通学を見越しまして、校区の中学生と同じヘルメットを購入するように勧めている小学校もございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 ありがとうございます。自転車に乗る子供たちが、実は自転車用ではないヘルメットを着用しているんじゃないかという話を以前問題として聞きましたが、本市では、校長会の話題として取り上げ、検討しているとのことで安心いたしました。 また、私は知らなかったのですが、SGマーク入りではない安価な自転車用ヘルメットがあるということで、ぜひ親の負担と安全面を両立したヘルメットの導入拡大に期待しております。 では次に、今少し言いました親の負担軽減という面から、ここでは議論を単純化するために、中学校の枠組みで聞いていきたいと思います。 中項目(3)の指定用品に対する親の負担軽減についてです。 まず、中学校入学時の学校指定用品に関する、全部買った場合の、おおよその金額について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 中学校男子が入学時に学校指定用品をそろえるとして金額を算出いたしますと、制服、体操服、ウインドブレーカー、ヘルメット、体育館シューズ、スリッパをそろえた場合、合計で約7万4,000円となります。一方、女子につきましては合計で約7万7,000円となります。なお、体操服につきましては、先ほど議員もおっしゃられましたように、洗いがえが必要となってまいりますので、2枚購入した場合は男女とも追加で約1万8,000円ほどかかってまいります。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 体操服2着として考えて、女子の場合は足し算すると9万5,000円ほどの費用が入学のためにかかるということで大きな負担となってきますが、経済的に苦しい家庭への援助というものもあるかと思います。そこで、就学援助のうち新入学時学用品費の額について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 就学援助の新入学時学用品費につきましては、小学校で4万600円、中学校で4万7,400円となっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 中学校で言えば、つまり9万5,000円のうちの半額程度は苦しい経済状況の方には援助があるということがわかりました。逆に半分は実費となり、また、この就学援助を受けられない家庭では当然100%の負担となります。 そして、今までの答弁から必ずしも9万5,000円で済むということではなく、学校によって制服で5,000円ぐらい違ったり、あるいは体操服の2着で1万2,000円違ったり、かばんやその他のもので1万円から2万円ほど変わるということも考えられます。 同じ豊川市に住んでいるのに、この親の負担の違いは何なのかと。本当に連帯感や愛校心、服装に迷わない、防犯上としてここまでの負担や指定が必要なのか。例えば、先ほども言いましたかばんは1校だけ実施しておりますが、これがどういう効果をもって、本当に指定の必要があるのかということが考えられます。 そこでお伺いしたいと思います。学校ごとの費用の差異についての認識及び親の負担軽減について本市はどのように考えているのかお聞きしたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 学校ごとに何を指定用品にするかで必要な費用には差が生じてまいりますが、保護者負担を少しでも少なくするよう努めることは、市教育委員会を含めまして全小、中学校の共通認識としております。 文部科学省は、平成27年3月4日付で教材の購入に関して保護者などに経済的負担が生じる場合は、その負担が過剰なものとならないよう留意することとして通知を出しております。指定用品のほかに授業で使う教材の費用もございますので、それらを含めて各学校では保護者負担の軽減に努めております。 一方、それぞれの学校では、自分の学校の費用が高いのか安いのかなどのそういった情報は持っておりませんので、市教委といたしましては、各学校の費用の現状につきまして、校長会などへ情報提供してまいりたいと考えております。 以上でございます。
    野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 保護者負担を少なくするというのは共通認識で持っていただいて、また実行されている面もあるのかなと思います。ありがたいことだと思います。 ただ、各学校間での情報共有がされていなかったので、高いのか安いのか、今まではわからなかったという答弁じゃないかなと思います。これでは確かに改善しようという動機が生まれにくかったと思いますので、まずは情報共有するために市が動くということで理解しました。よろしくお願い申し上げます。 では、次に、この制服の価格の問題に対して、文部科学省ではなく公正取引委員会が調査を実施しております。そこで、公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書の概要について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 議員の申されましたこの調査は、公正取引委員会が、平成28年12月から平成29年7月まで全国600の公立中学校に調査したものでございます。 概要につきまして、まず調査の趣旨からお答えいたします。公立中学校の生徒の通学服である制服の費用は比較的高額で、制服の販売価格は近年上昇傾向にあるため、取引実態に関する調査を実施することとしたものでございます。 調査結果から、制服を指定していると回答した学校は98.4%、制服と私服の自由選択性と回答した学校が0.2%、制服を指定せず私服を着用してもよいと回答した学校は1.3%でありまして、全国のほとんどの中学校で制服が指定されていました。 学校が制服を指定する理由といたしましては、秩序維持、生徒指導のためが71.9%で最も多く、次いで学校への所属意識を高めるためが65.8%、生徒や保護者の経済的負担を軽減するためが58.5%でございました。 また、制服一式の販売価格につきましては、男子生徒、女子生徒ともに最も多い販売価格帯は3万円以上、3万5,000円未満でございました。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 ありがとうございます。本調査では、若干制服の平均金額が本市よりも安いようですが、これは、都会によるスケールメリットもあるのかもしれません。それでも全国的に制服が高いということで調査されているようです。 また、本調査で経済的負担を軽減するために制服を導入しているという話がありましたけれども、それなのに実態としては親の負担になっているというところが若干気になりました。とはいえ、その負担を減らすための改善提案までこの調査報告書は出しているかと思います。 そこで、公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書にある改善提案の内容について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 調査報告書の改善提案につきましては3項目が示されております。 一つ目は、制服メーカー及び指定販売店などの選定について、制服メーカー間や販売店間の競争を促すということです。学校においては、コンペ、入札、見積もり合わせといった方法で制服メーカーや指定販売店などを選ぶこと、また、指定販売店の数をふやすよう提案もしております。また、制服の販売価格に関しまして、少しでも安い価格になるよう要望するように求めております。 二つ目は、制服メーカー及び販売店に対して独占禁止法違反行為の要件に該当しないよう、適正な取引が行われるよう求めるということです。 三つ目は、公正取引委員会が制服の取引について、競争が促進されることによって、生徒、保護者に良質で安価な制服が提供されるよう、学校関係者などに対して積極的に調査結果の周知を図るとともに、引き続き、学校における制服の取引の動向を注視して、独占禁止法に違反する行為に対しては厳正に対処していくということでございます。これらが改善提案として示されております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 ありがとうございます。三つの提案を述べていただきましたが、本市行政にかかわるのは一つ目、あるいは二つ目の部分になるのかなと思います。 そこで、本報告書でも提案されております制服メーカーの複数化、あとは販売店の増加が必要な校区に対する認識と取り組みの検討はしないのか伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 文部科学省は、平成30年3月19日付、学校における通学用服などの適正な取り扱いについてを通知いたしまして、保護者負担の経済的負担軽減に係る留意事項といたしまして、一つに、保護者などの経済的負担が過重なものとならないよう留意すること、二つ目に、教育委員会は、保護者などができる限り安価で良質な学用品などを購入できるよう、所管の学校における取り組みを促すとともに、各学校における取り組み内容の把握に努めることを求めております。 また、通学用服の選定などに当たっての留意事項といたしまして、学校における通学用服の選定や見直しについては、最終的には校長の権限において適切に判断すべき事柄ではございますが、その選定や見直しを行う場合は保護者など学校関係者からの意見を聴取した上で決定することが望ましいと示されております。 教育委員会といたしましては、所管の学校において、通学用服、いわゆる制服の選定や見直しが適切に行われるよう指導を行ってまいります。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 適切な指導を行ってまいりますということで期待もしております。実際に販売店の指定店が1店舗のみという校区があります。 ただ、この制服に関しては、特に男子生徒は量販店でも買えるということがわかっておりますし、セーラー服も店舗によっては、品番を言ってもらえれば買えるというような話も聞きました。 しかし、体操服はもう少しまた問題は違うのかなと思います。制服と違って、ほかのところで買えないという状況です。しかも、先ほども申し上げましたが、生徒の少ない校区ではない中学校区でも1店舗となっている場所があります。 この問題は、先ほどの改善提案二つ目にも該当するんですが、メーカーが販売店をふやさないようにしているという話もお聞きしました。 また、指定店となっていない店舗が体操服の指定店になりたいよと学校に相談すると、学校側は面倒くさがってなのか、メーカーに聞いてくださいだとか、あるいは販売店組合に聞いてくださいなどと問題を丸投げしてしまって、実際にメーカーや組合などには結局断られてしまって、寡占化が正されないという事例があるようです。 しかし、本来行政としましては、文部科学省の通知や公正取引委員会の報告などからしても中学校区内で複数の店舗、あるいは中学校区ではなくても、隣の校区の店舗でも生徒の家からしたら近いということもありますので、複数の販売店があって、保護者の負担軽減につながり得る状況にすることが望ましいものと考えています。 今言った例では、新たに販売店になろうとする店舗があれば真摯に相談に乗って、場合によってはメーカーに一緒にお願いするなどして、ほかに丸投げしないようにすべきだと思います。販売店の拡充、特に体操服で問題だと思っておりますが、保護者負担の軽減に対する本市の考えを改めてお聞きしたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 体操服につきましては、校章等が入っておりますので、基本的に指定店での購入となってまいります。体操服につきましても、保護者などの経済的負担が荷重なものとならないように、各学校への情報提供をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 情報提供をして、しっかりと販売店増加についても肯定的に考えていってほしいと思います。例えば、私の住んでいる御津中学校区ですら5店舗あるのですから、ほかの中学校区で1店舗だけっていうのは、なかなかそれが適正かって言われてみればちょっと違うかなと思います。 それと、体操服の値段には1.5倍ほどの差もあります。生産国のせいかわかりませんけれども、この値段と耐久性についてもできれば調査して、安くても長く使用できているのかなど豊川市全体として比較、検討、調査、そしてその情報共有もお願いできればと思っております。 次に、制服などの販売価格決定について、学校などの関与はしているのかについて確認をしたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 学校では、わかる範囲で販売店の紹介をしているのみでございますので、販売価格決定にはこれまで関与はしておりません。今後は、他市の情報収集に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 わかりました。この価格に対する関与については、公正取引委員会の報告書で有効であるとしつつも、独占禁止法に当たらないように留意するようにともありますので、私からこの点については具体的に強くは申し上げないこととさせていただきます。情報収集をよろしくお願いします。 次に、改善提案には書いてはありませんでしたが、この公正取引委員会の報告書の中には、他の自治体で行っている統一デザインによって販売価格の抑制ができる旨も書いてありました。これは、単純にロット数の増加、簡単に言えば、同じ製品なら生産数が多いほど量産効果が出て安くなるということです。本市でも、児童、生徒の減少でロット数の減少というものがこれから、今もですけれども、危惧されております。 そこで、自治体統一の制服、あるいはもう少し小さな範囲でいえば、小、中学校で同じデザインの体操服など、コスト増となる少子化によるロット数減少に対しての考えについて伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 自治体で制服を統一、共通化するということは、他市では同一市内で、転校した場合は、制服の買いかえをしなくて済むようにとして行ったものや、スケールメリットが発生して、保護者に対する販売価格が抑えられるとして行ったといった事例はございます。しかし、本市で制服を共通化するということはこれまで検討したことはございません。 一般的に制服や体操服は学校単位の小ロット生産でございまして、スケールメリットが小さい商品でもあります。また、在学中着用できる品質に加えまして、入学式に間に合うための確実な納品などが求められている商品でもございます。そのため、指定の品を製造する制服メーカーは継続的に制服を学校に納入しなければなりません。 本市におきましても、児童、生徒数の減少で、ロット数も減少しております。現在、生地価格の高騰が言われております。他市では、メーカーを複数にすることによる価格競争への期待などから、指定するメーカーをふやすといった動きも見られるとも聞いております。 本市といたしましては、保護者負担の軽減に向けまして、他市のそういった情報や、あるいはメーカーの動向等につきまして、引き続き情報収集には努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 メーカー間の競争も含めて具体的な方策の情報収集をしていただくということで理解いたしました。 冒頭に少し言いましたが、豊川市としての一体感という点もあります。どこの学校かわからんという意見もありますが、それなら校章、ワッペンなど小物で判別してもいいのかなと思っておりますので、検討する時期になったらぜひさまざまな方向から検討をお願いしたいと思います。 そこで、すぐにというわけではないにせよ、こういった制服や体操服などの指定変更となる場合の猶予期間の設定について確認させていただきたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 制服指定の変更がある場合につきましては、猶予期間の設定は必要なことと考えております。それと同時に、やっぱり指定業者とも連絡をとりながら進めるべき内容であると認識しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 その回答で納得いたしました。ただ、販売店からの聞き取り調査では、以前に猶予期間が1年もなく、大量の在庫を抱えてしまったことがあると聞きました。お店からすると2年くらいあると助かるということですので、一言申し添えさせていただきます。 また、このときは保護者が大分、中古を買ったり、譲ってもらったりして使えんくなったということで、ブーイングの嵐が起きたということも聞いております。ぜひ今回の答弁のようにお願いします。 続きまして、親が指定品の項目や価格の詳細がわかる時期についても確認したいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 指定品の詳細や価格につきましては2月上旬に行っております入学説明会で資料をもとに紹介しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 入学説明会の2月ぐらいということは結構ぎりぎりかなと思っております。兄弟や保護者同士のつながりで早く知る人がほとんどだとは言え、周りに同じくらいの子供がいないということもあります。 そこで、市の中学校を紹介するホームページなどに指定品や販売店の公開など早目に知らせる努力があってもいいのかなと思っております。その御検討はいただけないのでしょうか。 値段については、公正取引委員会で、場合によっては価格を硬直化させてしまう可能性もあるということで、メリット、デメリットあるということですから、ここは私がまだ答えを持っておりませんので求めませんが、この販売店や指定品というところの情報公開、検討をしないのか、考えを伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 指定品や販売店の公開につきましては、早目に知らせる必要性の有無を含めまして、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 わかりました。 続いて、保護者の負担軽減に大いに役立つであろう制服などのリサイクルバザーの実施状況について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 リサイクルバザーにつきましては、資源の有効活用、再利用にもつながってまいります、大変よい取り組みであると認識しております。本市でも保護者負担軽減のために9中学校で文化祭や入学説明会後などの機会を使って実施しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 入学説明会後のバザーですとちょうどよいのかなとも思いますが、文化祭のころだと秋になってしまうんでしょうか、制服などの指定品がわかったときにはもうバザーが終わっていたということになります。 販売店への聞き取り調査では、お店の人の感覚として、8割の人が入学説明会前に購入しているということでしたが、逆に2割の人たちがあえて買わなかったのか、しっかり何が必要なのかを確認してから買おうとしたのかわかりませんけれども、こういった人たちに情報を届けるという意味があるのではないかなと思いました。 さて、ここまで親の経済的負担という視点でお聞きしてまいりました。制服や体操服の販売指定店という制度的な問題、あるいは販売店数の数が少数であることによって、資本主義を支える市場メカニズムが有効に働いているのかという点。そして、制服そのものの仕様やかばんなどが指定用品でそもそもあるべきなのかといった点も今後検討されねばならないと思っております。基本的にまずは情報共有からということだったと思いますが、一歩前進ということで期待します。 また、もし制服の仕様変更などがある場合は、保護者や生徒の意見、あるいは業者と相談もしているという話でした。 ただ、1点、今回の経済的な負担という趣旨とは離れますけれども、他市では、制服の仕様の検討のときに、いわゆるLGBTの人たちへの配慮ということも取り入れて検討しているそうです。つまり、スカートとスラックスの選択ができるようにするだとか、女子のスラックスが自然なように、セーラー服ではなくブレザーにするといった例です。こういった視点も、機会がもしあるのでしたら、LGBTに理解のある方にも検討に入っていただくなどよろしくお願い申し上げて、次の、最後の質問事項に移りたいと思います。 中項目(4)、子供の健康を守る服装についてであります。 私からは、熱射病ではなく、同じ太陽から来る健康被害、紫外線の状況について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 近年、紫外線につきましては、皮膚がんや白内障など健康に悪影響を及ぼすことがわかってまいりました。また、紫外線の影響を最も受けやすいのが子供たちであります。子供時代は体の細胞分裂が活発に行われるなど成長が盛んでございますので、環境に対しても影響を受けやすくなる時期ということでございます。 それに関連しまして、人が一生のうちで浴びる紫外線量の約50%は18歳までに浴びるとも言われておりまして、18歳未満の日やけは、その後の皮膚がんや白内障などの発症率を高めるとも言われているところでございます。 世界保健機構でも子供の紫外線対策の必要性を訴えられております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 私の子供時代を思うと自分自身無防備でしたし、考えが甘かったと思っております。特に最近、目も悪くなってきており、紫外線のダメージは回復せずに蓄積するものだと知り、後悔の念すら持っております。 そこで、帽子などを初め、本市で取り組んでいる紫外線対策の状況について伺いたいと思います。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 紫外線対策の状況でございますが、子供時代には外で元気に遊んだり、スポーツをしたりすることも子供の成長にとても大切なことだと思っております。その中でいかにして子供たちに紫外線対策をさせるかが重要なポイントとなってまいります。 そこで、通学や外出時は、今おっしゃられたように帽子をかぶったり、なるべく長袖を着たりするなど肌に直接日光を受けさせないようにする工夫をしております。プールにつきましても、ラッシュガードや日やけどめを許可するなどの対応を行っております。 また、子供自身に紫外線対策の意味を理解させるといった必要性もございます。そこで、オゾン層の破壊などを学習する中で、紫外線の危険性について社会科や理科で学習をしております。紫外線を浴びることで体に悪い影響があることをわかりやすく説明して、子供自身みずから率先して紫外線対策を行う必要性を学習することも大切なことであると考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 特に肌に対して、考え得る範囲での対策をしていただいているということかと思います。 ただ、先ほどお答えいただいたように、紫外線の健康被害というのはまだ問題視されて日が浅く、私の世代でも気にしていない人もおります。できれば子供に衣服などを買い与える保護者への理解も得られるような資料の配布など、周知もあればいいのかなと思いました。 そして、私はもう一歩さらに進んでお聞きしたいと思います。 小、中学校における登下校や部活動時でのスポーツサングラスなどの使用についてです。 私は、サングラスの効果など広く認知を促し、使っていくということも一つの手だと思いますが、市の見解はいかがでしょうか。 ○野本逸郎議長 教育長。 ◎高本訓久教育長 子供たちの登下校、部活動時でのスポーツサングラスなどの使用につきましては、紫外線対策の面だけでなく、総合的にやっぱり判断すべきものと考えております。 医学的に必要性のある子供につきましては、申請すれば許可をさせていきますけれども、スポーツサングラスなどをどんな場面でどのように使用すればよいのかなどにつきましては、個別に検討していく必要があると考えているところでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 倉橋英樹議員。 ◆倉橋英樹議員 まだまだ一般常識として、サングラスがファッションやあるいは不良というイメージがあるように思います。だから、医学的な必要性が求められている場所ではやりますよというところまでは言っていただけるけれども、全体としてはまだそこまで踏み込んでは言えないのかなと思います。 しかし、アメリカでは、子供がサングラスをかけているから不良だというふうに見られるわけではありません。オーストラリアでは、園児から小学生にサングラスを義務づけ、制服の一部にしたという話もあります。公立中学校でも制服の一部として義務づけようかという議論も出てきているそうです。もちろん、人種としての紫外線リスクの差もありますが、日本でも一部の少年野球チームでスポーツサングラスの利用を推奨するといった動きもあります。 何より環境省が出しました紫外線環境保健マニュアルには、第3章の中に、紫外線を防ぐためサングラスをかけるという項目を一つつくってまで書いております。もちろんサングラスと言っても色つきでないものもありますし、色がついていると逆効果になることがあるので、色の薄いものでUVカットの効果があるものがいいというふうに書いてあります。 今回、紫外線による健康被害とサングラスに対する市民の認識を少しずつ私は国際標準にしていきたいという思いから、あえて聞かせていただきました。今後、教育長がさらに広い対象についても大手を振って検討できるように、私のほうでも周知活動など頑張っていきたいと思っております。 そして、最後に、本質問に当たって柴田訓成議員から非常に目からうろこな視点もいただきましたことをこの場でお礼を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○野本逸郎議長 以上で倉橋英樹議員の質問を終わります。 次に、今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 議長の許可のもと一般質問を行います。 昼のテレビで北陸、東北地方では集中豪雨による警報が報道もされておりました。また、台風等も接近してきております。気をつけてまいりたいと思っております。 6月の定例会では、豊川(とよがわ)の恵み、利水についてお伺いしました。今回は、豊川(とよがわ)の治水、流水について伺ってまいりたいと思います。 近年、全国各地で異常な集中豪雨が発生し、甚大な被害が生じています。この7月上旬の西日本を中心に中部地方や北海道を襲った西日本豪雨では、各地の雨量観測地点で観測史上1位となり、岡山県では河川堤防が決壊し、多くの浸水被害が起こったことは記憶に新しいところでございます。 本市の東部には1級河川豊川(とよがわ)が流れており、過去には堤防の決壊も起こっております。川沿いの地域住民が安心して日常生活を送ることができるように、ふだんから行政が準備すべきこと、また市民が準備すべきことなど大変重要であることと感じております。 以前、中村浩之議員が豊川(とよがわ)の洪水対策について一般質問をされておりますが、改めてお聞きします。 そこで、大項目として、豊川(とよがわ)の整備計画について。中項目として西日本豪雨の被害状況について。次に、豊川(とよがわ)の計画について、霞堤の対策についてをお伺いしてまいりたいと思います。 初めに、この6月末から7月頭にかけて西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となった西日本豪雨について、その被害状況の概要をお伺いします。 ○野本逸郎議長 防災対策監。 ◎飛田哲孝防災対策監 西日本豪雨は、本年6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録された台風7号及び梅雨前線などの影響による集中豪雨のことをいいます。報道機関などでは、気象庁が命名する前から西日本豪雨と称している事例も多く、気象庁による命名後も西日本豪雨という名称を継続して用いている報道機関も少なくありません。 気象庁は、7月9日に西日本を中心に、北海道や中部地方など被害が広範囲となったため、地域名を入れない形で、平成30年7月豪雨と命名しました。なお、気象庁が豪雨に対して名称をつけるのは、昨年の平成29年7月九州北部豪雨以来となっております。 この豪雨により、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生いたしました。8月7日付の平成30年7月豪雨非常災害対策本部発表の資料によりますと、河川の一般被害では、国直轄河川の22水系、47河川、365カ所で床上、床下あわせての浸水家屋数が約1万2,000戸、都道府県管理河川の68水系、223河川で床上、床下あわせての浸水家屋数が約2万3,000戸、土砂災害については、土石流等480件、地すべり52件、崖崩れ1,042件のあわせて1,574件発生し、人的被害は、死者220名、行方不明者10名、住家被害は、全壊5,443棟、半壊6,597棟となっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 気象庁は平成30年7月豪雨との命名とのことであります。しかしメディアは今も西日本豪雨として報道されております。 非常に大きな災害であります。この豪雨災害で被災された多くの方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方に哀悼の意をあらわすものであります。 それでは、西日本豪雨に対する国の対応及び愛知県や県内自治体、本市からも派遣しております支援の状況についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 防災対策監。 ◎飛田哲孝防災対策監 今回の豪雨に対する国の主な対応といたしましては、7月8日に非常災害対策本部が設置され、8月7日までの間、計17回にわたり非常災害対策本部会議が開催されました。その中で、被災者の生活支援を迅速かつ強力に進めるため、被災者生活支援チームが設置されております。 全国11府県、64市、38町、4村に対して災害救助法が適用され、10府県、83市町村に対しては被災者生活再建支援法が適用されました。また、平成30年7月豪雨よる被害を特定非常災害に指定し、加えてこれを激甚災害に指定する政令が閣議決定されております。 愛知県及び県内自治体からの支援につきましては、まず7月6日から12日までの間、緊急消防援助隊愛知県大隊の後方支援として、東三河ブロック後方支援小隊が岡山県倉敷市に派遣され、本市からも救急小隊を含め11名が従事いたしました。 また、本市からの派遣はございませんが、同じく倉敷市へ、7月11日から9月1日までの予定で県内から1班5名編成、1班の派遣期間は1週間程度で計10班、保健師等を派遣しております。 そのほか、7月12日から19日までの間、日本水道協会からの要請を受け、愛知県支部から名古屋市と豊橋市が、広島県呉市に対し給水車を派遣いたしました。 また、7月9日に広島県庁で開催された被災市区町村応援職員確保システムに基づく現地調整会議で、愛知県が東広島市を、被災自治体と支援する都道府県などをペアにする方式である対口支援方式で支援することが決定され、7月19日から23日までの第1陣を皮切りに、8月4日から8日までの第五陣まで5回にわたり、県内49の市町から延べ55名の職員が派遣され、罹災証明書の交付のために必要となる被災者家屋の被害認定調査業務に従事いたしました。本市からは7月23日から27日までの5日間、第二陣として資産税課の職員を1名派遣いたしております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 支援任務につかれた方に対しまして大変御苦労さまであります。ありがとうございました。 西日本豪雨により、岡山県において河川の堤防が幾つも決壊したのは記憶に新しいところであります。その主な原因は、河川の増水によるものだとは思いますが、発生要因を把握するため、堤防が決壊に至るメカニズムについて確認しておきます。 ○野本逸郎議長 防災対策監。 ◎飛田哲孝防災対策監 洪水による堤防決壊のメカニズムは大きく三つに分類されます。河川水の越水によるもの、河川水の浸透によるもの、河川水の侵食・洗掘によるものの三つでございます。 一つ目の越水によるものとは、河川の水が堤防を越えて流れ、その越流水により河川と反対側、つまり河川の外側ののり尻が徐々に削られ、最終的に堤防が崩壊に至るというものです。 二つ目の浸透によるものには二つのパターンがございます。一つはパイピング破壊と呼ばれるもので、地盤内に水がしみ込み、堤防の下を通って、河川の外側までパイプ状の水みちができ、それを放置しておくと徐々に水みちが広がり、堤防が落ち込み、最終的に崩壊に至るものです。もう一つは浸透破壊と呼ばれるもので、降雨などにより堤防内の水位が上昇し、河川の水が堤防内に浸透し、堤防の土の強さが徐々に低下し、最終的に崩壊に至るものです。 三つ目の侵食、洗掘によるものとは、河川の水により、河川側の堤防が徐々に侵食、洗掘され、さらにそれが進むと堤防が滑り始め、最終的に堤防が崩壊に至るというものです。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 堤防決壊のメカニズムについてはわかりました。 それでは、西日本豪雨による岡山県の河川堤防の決壊状況及びその地区の浸水被害状況についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 防災対策監。 ◎飛田哲孝防災対策監 岡山県では、河川の氾濫や堤防の決壊による浸水被害や土砂災害が相次いで発生しました。全半壊、浸水家屋の数は少なくとも1万4,000棟に上り、岡山県内の風水害による被害といたしましては戦後最悪となりました。倉敷市真備町では、7月7日朝までに小田川と支流の高馬川などの堤防が決壊し、広範囲が冠水いたしました。真備町だけで51人の死亡が確認されており、ほとんどが水死とみられております。死者のうち43人は屋内で発見され、そのうち42人は住宅の1階で発見されました。浸水の深さは、南北1キロメートル、東西3.5キロメートルの範囲で5メートルを超え、最大では5.4メートルに達したとみられ、浸水範囲は真備町の4分の1に当たる1,200ヘクタールに及びました。 国の調査委員会の見解によりますと、小田川の堤防が決壊した原因は、合流先の高梁川の増水に伴い水がせきとめられるバックウオーター現象が発生し、越水により堤防の内側が削られ破堤したとみられております。 真備町における堤防の決壊箇所は小田川で2カ所、支流の高馬川で2カ所、末政川で3カ所、真谷川で1カ所が確認され、小田川ではほかにも6カ所でのり面の崩落が確認されております。小田川は真備町の上流側に位置する井原市や小田郡矢掛町においても本流または支流において堤防が決壊し、浸水被害が発生しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 まさに水の恐ろしさであります。河川堤防の決壊状況及びその地区の浸水被害状況については理解いたしました。 それでは次に、岡山県のこの地区では、以前より危険性が指摘され、国土交通省による河川改修の計画があったと聞いておりますが、その計画内容について、お伺いします。 ○野本逸郎議長 防災対策監。 ◎飛田哲孝防災対策監 倉敷市真備町における堤防決壊は、本流である高梁川の水位上昇により、支流の小田川の水が流れにくくなったことがその引き金となったと言われております。 この合流点付近は、これまでもたびたび洪水を引き起こしており、国はその改修に向け、今からさかのぼること50年前、昭和43年に柳井原堰建設計画を策定いたしました。昭和47年、実施計画に着手した後中断、以後膠着状態にありましたが、平成19年、国土交通省による高梁川水系河川整備基本方針の策定、引き続き、平成22年には高梁川水系河川整備計画が策定され、平成26年には事業が予算化、平成29年、河川整備計画の変更を経て、高梁川、小田川など国の管理区間である延長36.4キロメートルを対象におおむね30年間を計画対象期間とし、改修事業に着手したところでございました。折しも、小田川と高梁川の合流点を、現状より約4.6キロメートル下流につけかえるという抜本的な改修工事につきましては、この秋に着手の予定だったと伺っております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 もし河川整備工事が早期に行われていれば堤防が決壊せず、浸水被害もここまで甚大になることもなかったかと思うと残念でなりません。これまでの答弁で、西日本豪雨の被害状況についておおむね理解しました。集中豪雨、いつ、どこで起きても不思議ではない状況であると思われます。 そこで、ここからは本市の豊川の整備計画について伺ってまいります。 初めに、昭和44年に破堤してから、平成13年に豊川(とよがわ)の河川整備計画が策定されるまでの経緯と整備計画の内容についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 豊川は、幹川流路延長77キロメートル、流域面積724平方キロメートルの1級河川で、その流域は、本市を初め3市1町にまたがっております。 豊川(とよがわ)では、昭和44年8月に台風7号により堤防が決壊し、甚大な被害が発生しました。その状況を踏まえて、昭和46年6月に工事実施基本計画を、計画規模150年に1度の流量に対応できる計画に改訂いたしました。 その後、平成9年の河川法改正に伴い、平成11年に豊川水系河川整備基本方針が定められ、さらに学識経験者からなる豊川(とよがわ)の明日を考える流域委員会での延べ23回にわたる審議や、12地区、延べ約500名での地元住民との意見交換会と関係自治体との協議を踏まえて、平成13年に豊川水系河川整備計画を策定しております。計画内容としましては、計画対象区間が約46キロメートル、対象期間はおおむね30年としております。 整備計画の目標は、水位観測所がある新城市庭野の石田地点において、戦後最大流量の毎分4,650立方メートルとなった昭和44年8月洪水が再来した場合の水位を、ほぼ全川で計画洪水以下に低下させ、破堤などによる甚大な被害を防止するとともに、霞提地区の浸水被害を軽減することとなっております。 また、内水氾濫による床上浸水被害の軽減や、地震に伴う基礎地盤の液状化による堤防の沈下等が生じた場合の浸水などの二次災害の発生の軽減を図ることも目標としております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 昭和44年の決壊を踏まえ、対応すべき整備が進められているのがわかりました。30年という長期にわたってであります。 それでは、整備の進捗状況についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 整備の進捗状況としましては、平成29年度末において全体計画事業費約339億円に対し、実施事業費は約125億円で、進捗率は約37%となっております。 主な内容の進捗率を申し上げますと、河道改修としまして、河道の掘削を行う低水路拡幅は、全体計画約50万2,000立方メートルのうち約38万9,000立方メートルを実施し、約77%、樹木伐採は全体計画約19万8,000平方メートルのうち約17万平方メートルを実施し、約86%、旧堤防の撤去は、全体計画約9万8,000立方メートルのうち約2万9,000立方メートルを実施し、約30%、築堤、堤防補強などの堤防整備は、全体計画約6万5,000立方メートルのうち約6万立方メートルを実施し、約92%、護岸の堤防整備は、全体計画約5万9,000立方メートルに対し未整備となっております。 また、霞提対策としまして、小堤、これは本堤よりも低い堤防のことですが、その整備計画が3カ所に対し未整備となっており、耐震対策は、全体計画約400メートルが全て整備済みとなっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 多額の金額を要し、一朝一夕でできるものではないということはわかります。進捗状況は理解いたしました。 しかし、平成13年の河川整備計画の策定から約17年が経過しております。昨今の異常気象を鑑みると、この計画の見直し、変更の必要があるのではないかと思います。 そこでまず、水防災という観点での、昨今の国や県などの取り組み状況についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 豊川(とよがわ)においては、平成13年の豊川(とよがわ)水系河川整備計画策定後、先ほどお答えさせていただいたとおり、昭和44年8月洪水の流量を安全に流下させるため、流下能力の低い箇所の河道掘削、樹木伐採や堤防補強を重点的に進めてまいりました。しかしながら、議員の言われるとおり、整備計画策定からは約17年が経過しており、自然環境の変化など河川事業を取り巻く環境が変わってきているのも事実です。 こうした中、平成27年9月の関東・東北豪雨、平成28年の北海道、東北地方を襲った一連の台風、平成29年7月の北九州北部豪雨などを受けて、国土交通省は、平成27年12月に水防災意識社会再構築ビジョンを、また平成28年9月には国、県、豊(とよ)川(がわ)沿川の豊橋、豊川、新城の3市が一体となり、施設では守り切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、社会全体で洪水に備える水防災意識社会を再構築するための取組方針を策定いたしました。愛知県においても、平成29年12月に愛知県管理区間における取組方針を作成しております。 さらに、平成29年6月には、水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画を発表いたしました。この水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画は、緊急的に実施すべき事項について、実効性を持って着実に推進するため、おおむね5年以内、つまり平成33年までに取り組むべき方向性、具体的な進め方や国土交通省の支援について、32項目の緊急行動計画を取りまとめたものになります。 その後、平成30年5月には、緊急行動計画を踏まえた取組方針の改訂を行い、国土交通省中部地方整備局と愛知県との合同で減災に取り組む豊川(とよがわ)圏域大規模氾濫減災総合サミットを開催し、国、県、関係市町の連携、取り組みの拡充を図ったところでございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 昨今の取り組み状況は理解いたしました。 それでは、その取り組み状況を踏まえた上で、平成13年度策定の河川整備計画の変更の必要性等のお考えをお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 国土交通省は、豊川(とよがわ)水系河川整備計画策定後、社会情勢の変化や地域の意向、河川整備の進捗状況や進捗の見通し等を適切に反映できるよう整備計画を点検することとしております。その河川整備計画の点検を目的とし、国土交通省が豊川(とよかわ)水系流域委員会を発足させ、第1回の委員会が本年、平成30年の7月25日に開催されております。 なお、河川整備計画の変更の必要性につきましては、豊川(とよがわ)水系流域委員会での意見を受けて、最終的に中部地方整備局長が判断することとなっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 この豊川(とよがわ)水系流域委員会は、国土交通省、中部地方整備局、そして豊川河川事務所及び設楽ダム工事事務所が事務局となり、河川整備計画の点検を行うに当たり、河川に関し学識経験を有する者の意見を聞くことを目的として豊橋河川事務所長が設置していると聞いております。そして、最終的判断は中部地方整備局長がする、最後は国であります。 そこで、7月25日に開催された豊川(とよがわ)水系流域委員会での議事内容と各委員からの意見など、協議内容についてをお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 第1回の豊川(とよがわ)水系流域委員会では、豊川(とよがわ)水系河川整備計画の概要及び進捗状況の報告と、設楽ダム建設事業の再評価が審議されました。このうち、豊川(とよがわ)水系河川整備計画に関しての委員からの主な意見としましては、昨今の豪雨災害の発生状況を鑑み、近年の気象条件の変化を踏まえる必要があると考えられる。まず、水文的統計の前提条件に関して、近年新たに取得されたデータを通し、定量的な判断材料を整理し、今後の検討の必要性を議論すべきと考えるといった意見や、西日本豪雨を見ても、想定を超える災害については、ハード、ソフトの連携が重要、また、現在、水防災意識社会の再構築で進められている大規模氾濫減災協議会を通じた関係機関相互の情報共有や被災経験を持つ他地域の減災協議会との経験共有が極めて重要であるといった意見がございました。また、設楽ダム建設事業の再評価につきましては、将来起こり得るリスクに備え、近年の気候変動を視野に入れ計画を点検することも検討されたいとの意見がございました。その後、設楽ダム建設事業の再評価の対応方針案について、継続で了承されました。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 今後も豊川(とよがわ)水系流域委員会において、時代にマッチした整備計画の検討を進めていっていただきたい、このように思います。 それでは、先ほどの答弁で、設楽ダム事業が継続で了承されたと答弁がありましたので、豊川(とよがわ)には欠くことのできない設楽ダムのこれまでの経緯と現在の状況についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 設楽ダムは、洪水調節、流水の正常な機能の維持、新規利水開発などを目的として、昭和53年に実施計画調査に着手以降、平成11年に豊川(とよがわ)水系河川整備基本方針、平成13年に、さきに述べました豊川(とよがわ)水系河川整備計画、平成20年には設楽ダム基本計画が策定されております。平成21年には、水源地である設楽町、愛知県、国の3者によりダム建設同意の調印がなされ、用地補償契約や道路工事に着手しております。 進捗状況としましては、平成30年3月末現在で、全体事業費2,400億円に対し約683億円を投資しており、進捗率は約28%となっております。現在は、仮排水トンネル、いわゆる転流工や道路のつけかえ工事などの整備を行っており、平成38年度の完成を目指しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 設楽ダムの進捗状況はわかりました。 それでは、設楽ダムが完成したときの具体的なダムの事業効果についてお伺いします。
    野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 設楽ダムの目的は大きく分けまして3項目に分類できますので、事業効果について項目ごとに説明させていただきます。 一つ目は、洪水調節機能でございます。これは、洪水が発生したときに設楽ダムで流出量を調整することで、下流の水位を低下させ、氾濫、浸水被害などを軽減させることを目的としております。 具体的には、設楽ダム地点で、最大毎分約790立方メートルの洪水調節ができる計画です。下流の新城市庭野にある水位観測所の石田地点では、毎分約550立方メートルが軽減できる予定で、これは、約60センチメートルの水位が低下できる計画となっております。 二つ目は、流水の正常な機能の維持です。豊川(とよがわ)では、頻繁に水のない区間が発生しており、アユの窒息死や塩水の遡上による上水道への影響が起きており、その改善として、10年に1回発生する規模の渇水において河川流量を増加させ、河川環境を保全するとともに、取得用水の取水の安定化を図ることを目的としております。具体的には、水のない区間の軽減として、流れの少ない日数を、近年の平均日数である年に約200日をゼロとする計画になっております。 三つ目は、新規利水開発です。これは、東三河地域の農地に対するかんがい用水や水道用水として利用できる水量の増加を目的とするものです。具体的には、東三河地域の農地に対するかんがい用水として、新たに年平均で毎秒約0.34立方メートル、水道用水として新たに毎秒約0.18立方メートルの取水が可能となる計画になっております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 設楽ダムの事業効果ということで、一つ目として、洪水の調節機能、60センチの水位の低下が望めるということであります。そして、無水地区、水のない河川のところを河川環境の保全ということで水を通すことであります。 三つ目は新規の利水。ダムを完成するまではまだ早くて8年という年月がかかってまいります。今も台風が接近しております。こういう点では憂慮するものであります。 設楽ダムの事業効果は理解しました。この東三河地区にも恩恵のある設楽ダムの建設を早期に望みまして、次の質問に移ってまいりたいと思います。 霞堤の対策についてであります。 豊川(とよがわ)の左岸側には、現在も豊川市内に2カ所の霞堤が残っています。霞堤は、治水事業の一環として、堤防を不連続にし、その箇所から洪水をあふれさせることで、上流、下流地区の浸水を軽減させることを目的として江戸時代につくられたと言われております。 霞堤地区では、洪水のたびに浸水に悩まされており、現在でも被害は続いておりますので、お考えをお聞きしていきます。 初めに、霞堤地区の対策についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 議員の言われるとおり、豊川(とよがわ)の左岸側には、豊川市内に金沢と一部加茂地区を含んでおりますが、三上の2地区、豊橋市内には下条、牛川の2地区の霞堤地区が残存しております。近年の洪水においても、この霞堤地区では、浸水被害が生じ、効果的な浸水被害軽減対策が求められています。 このため、平成28年1月に豊川(とよがわ)霞堤地区浸水被害軽減対策協議会を設立し、同年7月には豊川(とよがわ)霞堤地区浸水被害軽減対策計画を策定し、さまざまなソフト、ハード対策を実施しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 霞堤地区の浸水軽減対策についてはわかりました。 それでは、先ほど設楽ダムが完成すれば、石田地点で河川の水位が約60センチメートル下がる、このような御答弁がありましたが、ダムが完成すれば霞堤を閉じて、本堤を築造することが可能なのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 国土交通省からは、豊川(とよがわ)水系河川整備計画では、霞堤を締め切った場合には、下条地区より上流において洪水時の水位が上昇し、破堤などの危険性が増大することから、残念ながら現計画では本堤を築造することはできないと聞いております。 しかしながら、設楽ダム建設と並行して、ハード対策として、河道の改修や霞堤の開口部に小堤を設置することにより、浸水頻度、浸水面積、浸水時間などを軽減させることができ、平成最大の洪水である平成23年9月の洪水に対応できることになると聞いております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 本堤の築造ができないのは川の沿川住民にとっても大変残念であります。何かと築造に向けて計画の再検討をしていただきたいと思います。 それでは、平成28年1月に設立された豊川(とよがわ)霞堤地区浸水被害軽減対策協議会では何を実施しているのか、協議会の平成29年度及び平成30年度の活動内容についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 豊川(とよがわ)霞堤地区浸水被害軽減対策協議会の活動内容でございますが、地元役員との作業部会、地元住民への説明会の中で、豊川(とよがわ)霞堤地区浸水被害軽減対策計画に対する進捗状況や当該年度の事業内容などの説明を行っております。 その後、豊橋河川事務所、愛知県、豊橋市、豊川市、豊川(とよがわ)改修期成同盟会、豊川(とよがわ)改修促進期成同盟会で構成する委員による協議会で、地元説明会の報告などを行っております。 平成29年度は、三上地区においては、平成29年4月24日開催の作業部会で役員が6名参加、平成29年7月3日開催の地元説明会で、地元住民20名に参加していただきました。金沢地区においては、平成29年4月25日開催の作業部会で役員が6名参加、平成29年7月25日開催の地元説明会で地元住民22名に参加していただきました。なお、協議会につきましては、平成29年8月16日に行っております。 また、平成30年度につきましては、三上地区においては、平成30年7月10日開催の作業部会で役員5名に参加していただきました。 次に、金沢地区につきましては、平成30年7月12日に開催の作業部会で役員が10名参加、平成30年8月21日開催の地元説明会で地元住民24名に参加していただきました。 なお、三上地区の地元説明会と協議会については現在調整中でございます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 協議会の事業活動内容は理解できました。今後も地元の方の意見を聞きながら整備を進めていただくことを切望します。 次に、同じく平成29年度及び平成30年度の具体的な対策や取り組み内容についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 平成29年度の対策、取り組み内容につきましては、ソフト対策としまして、タイムラインの設定、水位監視カメラ、簡易水位計の設置、霞堤地区防災情報ポータルサイトの開設、浸水想定区域図の作成、提供に加え、建築確認申請時の閲覧業者へ霞堤地区の特異性についての説明会開催などを実施しております。 また、ハード対策に向けまして、堤防建設予定地の現況測量を行っております。 さらに、豊川市では、想定最大規模降雨、これは1,000年に1度の降雨になりますが、この降雨によるハザードマップの作成と豊川(とよがわ)流域の全世帯への配布を行っております。 平成30年度につきましては、ソフト対策としまして、簡易水位計の設置、浸水の周知のための回転灯の設置及び運用などを行う予定になっているほか、平成30年5月30日には、愛知県内で初めて緊急速報メールの配信訓練を実施いたしました。 また、ハード対策としまして、小堤の設計に伴う用地調査などを行う予定となっております。 このほか、平成31年には、昭和44年の破堤から50年が経過しますので、この破堤の教訓が風化せず、後世に語り継がれていくよう、破堤50年の記録誌の作成も予定しております。 さらに、豊川市では、浸水案内看板の設置も予定しております。 これらのソフト対策は、さきの平成30年7月豪雨で問題となりました住民への情報提供において、極めて充実した対策の一つとなっていると認識しております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 ソフト面ではいろいろ取り組んでいただいておるということであります。大変ありがたく思っております。 また、昭和44年8月江島地区での破堤も記録誌作成などの作成により、その事実を風化させないように取り組んでいただきたいと思っております。 それでは、次に、霞堤地区の地元の方から霞堤対策に対する整備等の要望があったと認識しております。その内容についてお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 霞堤地区の要望書につきましては、平成28年から3カ年、金沢町内会長と金沢霞堤対策委員長の連名で提出されております。要望内容につきましては大きく3項目ございます。 一つ目は、法の下の平等、財産権の保障、建築基準法などを鑑み、結論として早い時期での本堤完成を第一に要望する。 二つ目は、設楽ダム設置後に本堤をすぐ構築できないのであれば、豊川市には浸水被害軽減のために下ノ郷排水機場と同等の施設の構築と浸水地域住民には、固定資産税の減額を含め浸水対策費用の補償をすることを要望する。 三つ目は、ソフト対策完成の早期予算確保と施行を要望するというものでございます。 なお、国土交通省豊橋河川事務所長と豊川改修促進期成同盟会長にも同様の要望書が提出されております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 議長の許可を得てここに金沢地区の要望書等を持っております。この要望書の表紙には、金沢区における豊川(とよがわ)の抱える課題である洪水による被害、霞堤による内水濫の被害を解決し、また地震による二次災害等のない安全で豊かな住みよい地区づくりを実現するための要望である、悲願としてあります。そして、先ほど建設部長が述べられました霞堤要望書等、ここにつけられております。昭和44年の決壊時の写真等もこれには載せられております。 抜粋して言いますと、金沢地区住民、霞堤を住民の同意もなしに文化遺産と称し、左岸のみ残し、浸水の常習地帯とし、さらに堤内を遊水池とし、土地や家屋には新しく各地に規制を設けさせ、著しく市場価値を落とさせ、損失の補償もなく計画を推進することは、憲法第29条の財産権の侵害に抵触しませんか。 また、こうした要望も出ております。要望の中には、愛知県副知事、豊橋市長、そして、本市の山脇市長も意見を述べられております。 それを抜粋してお知らせしますと、どなたも霞堤地区を遊水池にする案は永久に霞を閉めることができないこととなり、地域の思いと相反するため受け入れがたく、農地等は受益権保障をする必要と優良農地が減少することで離職を余儀なくされる農業経営者も出てくることが予想され、農業の衰退が懸念される。心配されて、重ねて地元住民の意見をよく聞いて、不安の払拭に努めていただきたいと提案、提言され、地元としては感無量でございます、副知事に至っては、家屋ピロティ化などの建築条件の強化の指摘をされ、負の要因を十分に踏まえる必要を提案されています。そして、結びといたしまして、金沢住民としては非常に感謝しますが、負の要因をいろいろ国に要望、指摘されても実現していただかないと提言要望はしてきたとの逃げ口上にしかならない。このように結んでおります。そこで、この霞堤地区からの要望書に対する本市のお考えをお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 まず一つ目の要望でございますが、先ほどお答えさせていただきましたように、国土交通省から、残念ながら現計画では本堤を築造することはできないと伺っておりますが、本市としましても本堤の築造は霞提地区の皆様の長年の思いであることは十分認識しておりますし、この本堤築造に対する思いは本市も同様でありますことを御理解いただきたいと思います。 二つ目の要望の下ノ郷排水機場と同等の施設の構築につきましては、市として、排水機場の検討を行いたいと考えております。 次に、地域住民の固定資産税の減額を含め、浸水対策費用の補償につきましては、個別地区または個人的な災害補償が関連してくるため、また事例もないことから非常に難しいと思われます。 しかしながら、豊川市では、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた世帯のうち、被災者生活再建支援法による支援の対象とならない世帯に対し、豊川市被災者生活再建支援金を支給する要綱を、本年、平成30年4月1日に施行しております。 この支援金は、暴風、豪雨、洪水、地震、竜巻などを初めとした異常な自然現象により被害を受けた世帯に対して支援金を支給するものでございます。 支給対象世帯は、家屋の全壊世帯、半壊解体、または敷地被害解体世帯、長期避難世帯、大規模半壊世帯で、住宅の被害の程度に応じて支給される基礎支援金と住宅の再建方法に応じて支給される加算支援金がございますので、緊急の場合は活用できるのではないかと考えております。 また、現在、豊川市では、宅地かさ上げなどに対する助成金などの検討も行っております。こちらも有効な施策でありますので、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 そして、三つ目の要望のソフト対策完成の早期予算確保と施行につきましては、本市でも毎年早期実現に向けて、国土交通省や愛知県に早期実現の要望書を提出させていただいております。 あわせまして、本市でも被害軽減対策に向けてハザードマップの作成や浸水看板の設置、防災教育のための出前講座など、できる限りの施策を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 言葉はやわらかく答えていただいておりますが、非常に厳しい意見と考えております。遊水地イコール調整池、まさに調整池なんです。霞堤地区の住民の方々の思いを考慮し、決定権は国でありますが、少しでも要望について検討していただくことを切望する次第であります。 それでは、霞堤に限ったことではありませんが、ゲリラ豪雨による災害に対し、国の災害復旧事業の補助金があるのは理解しております。 しかし、近年では災害が余りに多いために災害復旧費において国の補助金がもらえず、市が全て負担する、このようにならないか危惧しているところであります。もし本市で災害が起こり、災害復旧費が莫大にかかったときに、どこかに何か基金のような蓄えがあれば心配しなくてもいいのではないかと思います。豊川市として、本市として、災害復旧のために基金等の対応策を考えておられるのかお伺いします。 ○野本逸郎議長 建設部長。 ◎柴谷好輝建設部長 災害などはないに越したことはありませんが、万が一災害があり、莫大な災害復旧費が生じた場合には、まず国の災害復旧事業の補助金の活用を検討することが考えられます。しかしながら、昨今では災害が多いことから申請の手続に時間を要したり、災害の復旧事業の補助メニューに合わず不採択となり、国の補助金等の活用が見込めない場合も考えられます。 そこで、どうしても補助金等が利用できない場合の対策としまして、財政調整基金を活用することが考えられます。 財政調整基金は、予期しない収入減少や不時の支出増加などに備え、長期的視野に立った計画的な財政運営を行うための積立金であります。そのため、その用途の一つとして、災害により生じた経費の財源、または災害により生じた減収を埋めるための財源に充てることができることになっておりますので、豊川市財政調整基金条例第6条に基づき、災害復旧費の助成に活用することになると思われます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 財政調整基金が災害復旧費に充当できることは私も理解しております。しかし、災害復旧だけに充当できるわけではないので、災害復旧に特化した基金があれば、速やかな復旧、復興ができます。市民も安心して暮らしていけると私は考えております。 今後、災害復旧に特化した基金の設立について豊川市の考えをお伺いします。 ○野本逸郎議長 田中副市長。 ◎田中義章副市長 災害復旧に特化した新たな基金の設立につきまして、私からお答えさせていただきます。 災害復旧には財政調整基金で対応することができるわけでございますが、議員のおっしゃるとおり近年の自然災害の発生状況を考えますと、災害復旧費に充当できる財源が別に確保できれば市民の皆さんにも安心感を与えることができるのではないかと考えます。 県外では、徳島県を初め、福井市や藤沢市などで災害復旧及び復興に関する事業に充てるための災害対策基金を積み立てております。 県内においても、日進市に同様の事例が見られますので、そうした先進事例を参考にしながら、災害復旧に特化した基金の設立について、今後基金の目的や対象範囲、財源の確保などさまざまな角度から検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 今泉淳乙議員。 ◆今泉淳乙議員 先ほど、中村議員の質問の中にもありました、備えあれば憂いなし、こうしたことわざもあります。よりどころがあって、初めて、市民、住民が安心して暮らせる、このように私は考えております。そうした中、豊川市として最大限の力を発揮していただきたい、このように考えております。言いっ放し、またお願いはいけない、こういうふうにも言われております。最後に、いま一度前向きな検討が行われるのかどうかをお聞きして、質問を終わりたいと思います。 ○野本逸郎議長 田中副市長。 ◎田中義章副市長 しっかりと前向きに検討させていただきます。 以上でございます。 ○野本逸郎議長 以上で今泉淳乙議員の質問を終わります。 これで、通告による質問は終わりました。 関連質問をされる方は午後2時55分までに議長に申し出てください。 ここでしばらく休憩します。  (午後2時43分 休憩)  (午後3時00分 再開) ○野本逸郎議長 ただいまから会議を再開します。 関連質問の通告はありませんでした。 これで一般質問を終わります。 以上で、本日の日程は全て終わりました。 本日は、これで散会します。  (午後3時00分 散会) 上記会議の顛末を記録し、その相違なきを証するため、ここに署名する。  平成30年8月31日     豊川市議会議長        野本逸郎     豊川市議会議員        神谷謙太郎     豊川市議会議員        浦野隼次...