春日井市議会 > 2021-03-11 >
03月11日-05号

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  1. 春日井市議会 2021-03-11
    03月11日-05号


    取得元: 春日井市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和 3年  3月 定例会(第1回)             令和3年第1回          春日井市議会定例会会議録第5日-----------------------------------                      令和3年3月11日(木曜日)◯出席議員(32名)            1番  堀尾国大君            2番  奥村博史君            3番  奥村昇次君            4番  安達保子君            5番  小林宣子君            6番  前田 学君            7番  石田裕信君            8番  梶田正直君            9番  金澤陽貴君           10番  石飛厚治君           11番  長谷和哉君           12番  鈴木秀尚君           13番  伊藤貴治君           14番  原田祐治君           15番  伊藤杏奈君           16番  田口佳子君           17番  末永 啓君           18番  加藤貴章君           19番  加納 満君           20番  鬼頭宏明君           21番  村上慎二郎君           22番  梶田高由君           23番  長谷川達也君           24番  小原 哉君           25番  熊野義樹君           26番  伊藤建治君           27番  長縄典夫君           28番  田中千幸君           29番  佐々木圭祐君           30番  林 克巳君           31番  宮地 隆君           32番  友松孝雄君-----------------------------------◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者      市長        伊藤 太君      副市長       早川利久君      副市長       加藤達也君      教育長       水田博和君      監査委員      森 鋭一君      企画政策部長    加藤裕二君      総務部長      長谷川 透君      財政部長      加藤俊宏君      市民生活部長    冲中 浩君      文化スポーツ部長  上田 敦君      健康福祉部長    山口剛典君      青少年子ども部長  勝 伸博君      環境部長      大橋弘明君      産業部長      足立憲昭君      まちづくり推進部長 大島常生君      建設部長      石黒直樹君      市民病院事務局長  丹羽教修君      上下水道部長    小久保健二君      会計管理者     梶田岳宏君      消防長       高桑 博君      教育部長      松原眞一君      監査事務局長    小西史泰君-----------------------------------◯事務局職員出席者      事務局長      長谷川 晃君      議事課長      長縄友美君      議事課長補佐    梅村知弘君      議事担当主査    安田和志君      主事        鳥居翔太君-----------------------------------◯議事日程  令和3年第1回春日井市議会定例会(第5号)                       開議 3月11日 午前10時  日程第1 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  1 一般質問                    午前10時 開議 ○議長(友松孝雄君) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は,お手元に配付の議事日程のとおりであります。よろしく御協力のほどお願いいたします。 日程第1 一般質問を行います。 通告者は18人であります。通告順に発言を許します。3番 奥村昇次君。     〔3番 奥村昇次君 登壇〕 ◆3番(奥村昇次君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い質問させていただきます。 大項目1の家庭ごみの排出問題についてお伺いいたします。 地球温暖化,マイクロプラスチックなど世界的な環境問題に対処するため,国はレジ袋や使い捨てスプーン,フォークの有料化など,プラスチック廃棄低減対策を着実に実施してきております。廃プラスチック対策は,先行してペットボトル,そしてペットボトル以外のプラスチック製容器包装リサイクル関連法が立法化されてきています。プラスチック容器包装とは,食品トレーや洗剤ボトルなどの商品を入れるまたは包むものをいいますが,商品そのもののおもちゃやバケツなどのプラスチックは除いています。そのプラスチック容器包装をはじめとしたプラスチック類排出の課題について,今回質問させていただきます。 自宅付近にあるごみステーションにおいて,昨年3,4回実際に目の当たりにしたのですが,生ごみの燃やせるごみではなく,プラスチック容器包装資源リサイクル回収の日に,カラスがお菓子の袋や食品トレーをついばみ,飛散防止の黄色いネットから引きずり出し,ごみステーション周辺に散乱した状態になりました。その散乱したプラスチック類を拾う作業は,私を含め,気がついた周辺住民が行いました。 そこで,小項目1,家庭のプラスチック類排出についての1点目の質問です。 プラスチック容器包装について,市の分別ルールの基本は資源リサイクルですが,ただし書きで,汚れが落ちにくいものは燃やせるごみへという表現になっています。そこで,汚れたプラスチック類容器包装のマヨネーズ,ケチャップのチューブ類,お菓子の袋,粉末スープの袋は,資源リサイクルか燃やせるごみかどちらで出せばよろしいのかをお尋ねします。 次に,小項目1の2点目の質問です。 資源リサイクルペットボトルプラスチック容器包装以外のプラスチックの市の分別ルールは,歯ブラシなど30センチ以内は燃やせるごみ,洗面器など30センチから80センチは燃やせないごみ,プラスチック製収納など80センチ超えは粗大ごみとしていますが,このようにプラスチックのおのおののサイズで分別している根拠と排出後の処分方法をお教え願います。 次に,小項目2,ごみステーションの管理についての質問です。 小項目1のプラスチック類排出のところでも触れましたカラス被害に関連する話ですが,ごみステーションには黄色いネットがあり,場所によっては金属製または樹脂製の折り畳み式ごみボックスがあります。そのごみボックスはカラス対策に有効で,町内会が購入して設置しているのをよく見かけます。 そこで,小項目2の1点目の質問です。 折り畳み式ごみボックスを町内会で購入する際,市からの補助金は購入費の半額で上限が5,000円という要綱の規定があります。インターネットで調べますと,折り畳み式ボックスは金属製や樹脂製,またはボックスの大きさ,目の粗さなど多種多様なものがあり,耐久性,使い勝手など適切と思われるものの価格は1万5,000円から2万円程度となっております。予算の少ない町内会でも購入しやすくするため,せめて補助金の購入費半額の上限を5,000円から1万円に引き上げてほしいという要望があります。ごみステーションのカラスによるごみ散乱は,日々の生活上の大変悩ましいトラブルで,町内全体に関わる最優先課題の一つと思われます。そこで,この補助金の規定の見直しを御検討していただけないかをお尋ねします。 次に,小項目2の2点目の質問です。 ごみステーションの清掃・管理は,分別ルールを守らない市民がいたりカラス問題があったりして大変ですが,その役割は町内会が当番制にして,町内会員が分担して行っているところがほとんどだと思われます。しかし,現在町内会の加入率が低くなり,加入している町内会員の負担がますます増加していることを大変危惧しております。このような事態に対し,市としてはどのようなお考えを持たれているのかをお尋ねします。以上,私の壇上からの1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) それでは,家庭ごみの排出問題について,小項目2つの御質問に順次お答えをいたします。 初めに,家庭のプラスチック類排出に関する御質問ですが,レトルト食品調味料チューブ類など汚れたプラスチック製容器包装につきましては,軽く水洗いし,資源物での排出を案内しております。しかし,汚れが落ちにくいものにつきましては,燃やせるごみでの排出を案内しております。現在のようなプラスチックごみを大きさにより区分けした排出方法は,平成25年度にプラスチック製容器包装を資源物として収集開始した際に,今後の可燃・不燃・資源物それぞれのごみの排出量などを推計し,他市の状況や廃棄物減量等推進審議会などでの審議を経て決定しております。 また,燃やせないごみや粗大ごみで排出された30センチを超える比較的大きなプラスチックごみにつきましては,最終集積場であるクリーンセンターで破砕処理した後,有効利用できないものは埋立て処分し,小さなものは焼却処分することで,焼却炉の燃焼効率の向上に利用しております。 次に,小項目2,ごみステーションの管理に関する御質問ですが,ごみボックスにつきましては,購入費補助制度の創設から5年が経過し,設置した区・町内会などからは,鳥獣等によるごみ散乱防止ごみ出しルール意識の向上に効果があったとの声をいただいております。製品については,より軽いものや網目が細かいものなど様々な種類が商品化されており,市でも現在市場調査や研究を行っているところですが,補助額につきましても地域の事情に合わせた製品がお使いいただけるよう,今後廃棄物減量等推進審議会などの中で審議してまいります。 また,ごみステーションの管理につきましては,区・町内会などへの加入・未加入にかかわらず,利用する方皆さんで維持管理していくものと認識しております。 ○議長(友松孝雄君) 3番 奥村昇次君。 ◆3番(奥村昇次君) それぞれ御回答ありがとうございました。 小項目1,家庭のプラスチック類排出についての2回目の質問をさせていただきます。 市の資源ごみの分別ルールは,資源ごみの出し方便利帳で分かりやすく載っていますが,プラスチックの種類が多過ぎてよく分からない市民が多いと思います。具体的に分別ルールをもう一度整理しますと,資源リサイクルペットボトル資源リサイクルプラスチック容器包装,燃やせるごみの30センチ以内のプラスチック製品,燃やせないごみの30センチから80センチのプラスチック製品,粗大ごみの80センチ超えのプラスチック製品,そして金属資源リサイクルの例えばヘアドライヤーなどのプラスチック複合品など,多種多様なものがあります。 そこで,市民の方が排出しやすいように分別区分を分かりやすくし,さらにプラスチック全製品の排出方法を一覧にして,市民が一目で理解していただけるような資料を資源ごみの出し方便利帳などに追記していただくことはできないのかをお尋ねします。 最後に,小項目2,ごみステーションの管理についての2回目の質問です。 ごみステーションの清掃・管理は,町内会加入,未加入にかかわらず,その利用者全員の責務ということが分かり少し安堵しましたが,その点を市民全員へ周知徹底するという重要な課題に対する取組につきましてどのようにお考えなのかをお尋ねします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) それでは,小項目2つについて,2回目の御質問に順次お答えをいたします。 初めに,小項目1について,プラスチックごみの取扱いにつきましては,国が昨年5月に策定したプラスチック資源循環戦略に基づき,プラスチック製容器包装を含むプラスチックごみ全般を「まとめて回収しリサイクルする仕組み」を検討しており,現在その動向を注視しているところです。今後その仕組みが導入されますと,排出区分がより分かりやすくなると思われますので,国から取組内容が示された際には,本市も仕組み導入に向けた検討を行ってまいります。 また,現在の排出区分につきましては,市広報に併せて配布する毎年12月発行の環境カレンダーや本年4月発行予定の資源・ごみの出し方便利帳の中で,市民の方がより分かりやすい記載に努めるとともに,様々な機会や媒体を通じ,周知・啓発を行ってまいります。 次に,小項目2について,ごみステーションの維持管理につきましては,現在市でもごみ出しマナーの悪いごみステーションでの立ち番指導や防鳥ネット・ごみボックス設置の提案など,環境美化に向けた取組を実施しているところですが,今後も市職員による出前講座や市ホームページごみ分別アプリなどで,市民の皆様へより一層のごみ出しルールの周知に努めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 3番 奥村昇次君。 ◆3番(奥村昇次君) 家庭ごみにつきまして,多岐にわたる質問に分かりやすく前向きに御回答いただき,誠にありがとうございました。家庭のごみ問題は,地域と市が一体となり,課題を解決していく必要があると思いますので,今後ともよろしくお願いいたします。以上です。 ○議長(友松孝雄君) 6番 前田 学君。     〔6番 前田 学君 登壇〕(拍手) ◆6番(前田学君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従いまして,学校の少人数学級への対応について質問させていただきます。 公立小学校の学級編制については,現在の義務標準法では1クラスの上限は小学1年生のみ35人,小学2年生から中学3年生は40人とされておりますが,令和2年12月17日に少人数によるきめ細かな指導体制を計画的に整備し,安全・安心な教育環境とICT等の活用による新たな学びを実現するために,義務標準法を改正し,公立小学校の学級編制の標準を令和3年度から5年かけて35人に引き下げると発表されました。 少人数学級については,学級編制の標準の計画的な引下げは約40年ぶりとなり,教室不足への対応など各自治体の実情に応じて柔軟な対応ができるよう必要な措置を検討し,また,教職員定数の計画的な改善を図ることになりました。現在,コロナ禍でこれまでとは全く異なる形での学校生活を経験している子どもたちや日々の教育活動と感染症対策に取り組んでおられる先生に寄り添い,ICTの活用と少人数学級を両輪として,多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく,新しい生活様式を踏まえて全ての子どもたちの可能性を引き出す最適な学びと協働的な学びの実現に向けて取り組んでいかなければならないと考えます。 また,よりきめ細かな指導ができる学級編制にしなくてはならないと思いますし,教員の負担軽減という観点からも,大局的に見て取り組んでいくことが極めて重要です。今回の35人学級への引下げについて,今まで40人詰め込んできた日本の学級にゆとりをもたらす意味で非常に大きな意義があり,改革の第一歩として大切であり,一人一人の子どもを丁寧に見ながら,教え方や子どもと学ぶ方法を進化させていくきっかけになるものと考えます。 また,教員の確保としても,今後5年かけて1万4,000人の教職員定数の改善を図ると発表されていますが,現在の教員の労働環境では小学校で3割,中学校で6割の教員が過労死ラインを超えて働いていることが調査結果として公表されており,世界一の労働時間となっております。 また,公立学校教員新規採用試験では,ピークであった2000年度は約12.5倍の倍率であったものが,昨年は全国平均で小学校は2.7倍,中学校は5.0倍であり,教員志願者が減少していることも分かります。教職の魅力の向上,現職教員の離職率の低下,教員志願者の増加,教員の質の維持,向上を図っていくことが今後取り組んでいく課題だと考えます。そして,今回の35人学級導入において教員の確保が課題として挙げられ,働き方改革とともに実行していき,教育に対し,高い効果を上げていかなければならないと考えます。 また,教室の確保として,現状プレハブ校舎で対応している学校もありますし,コロナ禍における3密を回避した教室環境などの諸課題を鑑み,しっかりとした準備が必要だと思います。今後学級を増やすにも,学校によっては空き教室がないという可能性があります。そのため,これを機会に小学校における適正な学級規模がどれくらいなのかということを考えていかなければならない時期だと思います。 そこで質問ですが,少人数学級への対応に向けて,現状の小学校の教員,教室の充足状況はどのようになっているかお伺いします。以上,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,学校の少人数学級についての御質問にお答えいたします。 少人数学級の対応として,教室については,令和6年度もしくは令和7年度までに35人学級を小学校全学年でした場合,現時点における小学校区ごとの児童推計から,既存施設により対応できる見込みにあります。 また,教員については,義務標準法に定めるところにより,県が必要とする教員の配置をしていくと聞いております。 ○議長(友松孝雄君) 6番 前田 学君。 ◆6番(前田学君) 御答弁ありがとうございました。 現時点では教室については現存の施設で対応可能であり,教員についても,県の見解では必要とする教員を配置していくということが分かりました。小学校では35人学級移行により,学校では児童に対し今より丁寧に関われ,35人学級で改善される学級サイズと増える教員,スタッフ,専門職の配置を工夫することにより,働き方改革を推進し,教員のゆとりを増やすこと,コロナでの行事や部活の縮小の経験を役立てるなどの取組を行い,また,ICT環境が整えば事務作業の効率化ができ,教員の事務負担を軽減することが期待できます。 ほかにも専門性を持った教員の確保・育成や専門職,サポートスタッフの配置拡充も重要です。様々な実績を持つ人材を学校で確保することや,これにより空いた時間を教員が授業準備等に活用し,また,担任外教員が保護者や子どもたちの課題に対応するなどの工夫で教員の負担を減らしていくことも併せて重要だと考えます。 そして,少人数学級のメリットとこれから解決していかなければならない課題があると感じました。最終的には子どもたちが楽しいと感じる学校生活を送れることが重要になってきます。そのためにも,今後も教育委員会が学校と協力しながら学校教育をよりよいものにしていく必要があります。今回の35人学級を最大限の教育効果を発揮できるよう対策を進め,その効果を最大限生かすためには,学校規模も大切な要素になると考えます。 そこで質問ですが,令和8年度までの学級数推計において,通常学級の最大数が6学級以下,7から11学級,12から24学級,25から30学級,31学級以上の各小学校数をお伺いします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の質問にお答えいたします。 令和8年度までの学級数の推計では,通常学級の最大数が6学級以下の小学校は4校,7から11学級の小学校は6校,12から24学級の小学校は23校,25から30学級の小学校は3校,31学級以上の小学校数は1校の見通しです。 ○議長(友松孝雄君) 6番 前田 学君。
    ◆6番(前田学君) 御答弁ありがとうございました。 学校規模については,最大数が6学級以下の学校が4校,7から11が6校,12から24が23校,25から30が3校,31学級以上の学校は1校の見通しであることが分かりました。 小学校でも規模格差があり,大規模,適正規模,小規模などが点在しており,今後小学校から中学校に進学するときには,小学校以上の規模の格差が発生すると考えられます。学校生活において,勉強,部活,人間関係において様々な経験をすることになりますが,学校規模の格差があると,同じ市内の学校でも経験値に差が出ると考えます。その差をなくすためにも,今後中学校に35人学級が導入された場合などを想定し,現状の小中学校の通学区域,接続関係の見直しなどを幅広く検討し,子どもたちの将来においてプラスになるような取組をしていかなければならないと考えます。 そこで質問ですが,市内の学校規模の格差について,市教育委員会はどのように捉え,今後どのように取り組んでいくかをお伺いします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,3回目の質問にお答えをいたします。 学校の適正規模についての取組につきましては,児童生徒数だけでなく,通学区域,地域コミュニティーなど,地域の実情も加味する中,様々な条件も同時に検討する必要があると考えており,学校関係者,保護者,地域の方々とそれぞれの立場から子どもたちの望ましい教育環境を目指すという視点で協議をし,合意形成を図っていくことが必要だと捉えております。 ○議長(友松孝雄君) 12番 鈴木秀尚君。     〔12番 鈴木秀尚君 登壇〕(拍手) ◆12番(鈴木秀尚君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従いまして,こども110番の家について一般質問を行います。 昨年,市内事業者の方より,CSRの一環として地域への貢献を検討しているがどんな方法があるのかという御相談をいただき,幾つか御案内をする中で,こども110番の家に登録してみてはどうかと紹介したことを機に,改めてこども110番の家についてや子どもの防犯について調べてまいりました。 こども110番の家制度の始まりは,平成8年3月,岐阜県可児市の小学校でPTAが中心となり,警察や地域防犯協会などと連携をし,通学路周辺の店舗が子どもに対する付きまといや声かけなどに対して,緊急避難先として子どもを保護し,警察へ通報することにより,事件の未然防止を目的に子どもに分かりやすいステッカーを掲示したのが始まりで,その後,全国へ普及していったと言われています。本市においても,小学生をはじめ,子どもたちが安全・安心に暮らせるまちを目指し,地域が一体となって犯罪の発生を未然に防止するため,平成17年よりこども110番の家の設置が始まりました。 一方で,子どもに対する声かけや付きまとい等の情報件数は年々増加傾向にあり,昨年の本市の13歳未満の子どもに対する声かけや付きまとい等の情報件数は,春日井署の手集計によりますと89件でした。同時期の愛知県内の数字は1,162件と伺っており,この数字だけを見ますと,本市の89件という数字は決して低いものではなく,むしろ高いと言わざるを得ない数字となっております。 また,子どもが狙われやすい時間帯については,下校時間帯である午後3時台から午後5時台の事案発生が全体の5割を超えており,狙われる場所としては,道路上での事案が5割を超えております。地域の連携強化,防犯意識の高揚,犯罪発生の抑止のためにも,こども110番の家制度が効果的に運用され,継続的に展開されることが,子どもの安全確保に大きな役割を果たすものであると考えております。 まず,小項目1のこども110番の家の現状についてですが,1回目の質問としまして,子どもが110番の家に駆け込み,110番通報された件数は何件あるのか,また,110番の家の登録件数について,これまでの実績をお伺いいたします。 次に,小項目2,こども110番の家の活用についてですが,こども110番の家に駆け込むには,子どもが110番の家についてどういったものなのか理解をし,その存在を認識していなければならないと考えます。今その役割は学校で担っていただいているものと認識しておりますが,1回目の質問としまして,学校では児童に対してどのように周知しているのか,また,どのような取組をしているのかをお伺いしまして,壇上での1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 私からは,こども110番の家についての御質問に順次お答えをいたします。 初めに,小項目1,こども110番の家の現状についてでございますが,こども110番の家からの通報につきましては,春日井警察署に確認いたしましたところ,少なくとも過去3年間では事例がないと聞いております。こども110番の家の登録件数につきましては,委嘱者に対して意向調査を行った平成28年度では931件でしたが,今年度意向調査を行った結果,現時点では849件となっております。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 私からは,小項目2,こども110番の家の活用についての御質問にお答えいたします。 こども110番の家の周知につきましては,多くの学校において通学班会議,安全マップの配布などを通して場所の確認をしております。また,2年生の生活科ではこども110番の家を探検したり,3年生の社会科ではこども110番の家の意義を学習するなど,各校が工夫をして周知をしております。 また,多くの学校では,不審者に付きまとわれたりした際などに活用しやすくするための取組として,通学路点検,一斉下校指導等の折に通学路上のこども110番の家を訪問したり,一部の学校ではさらにこども110番の家へPTAや職員がお礼の手紙を届けたりするなど,顔の見える関係づくりに努めております。 ○議長(友松孝雄君) 12番 鈴木秀尚君。 ◆12番(鈴木秀尚君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 まず,小項目1の現状についてですが,過去3年では実績はないとのことでした。また,件数については,現在849件の登録があり,減少傾向であるということで理解をいたしました。 2回目の質問ですが,こども110番の家が子どもたちにうまく活用されていないという可能性もあるのかと思いますが,利用実績がないことに対してどのように考えているのか,また,110番の家の件数が減少しているとのことでしたが,減少してしまった理由についてお伺いいたします。 次に,小項目2の2回目です。 学校での取組について御説明いただきました。2,3年生の生活科や社会科の授業の中にこども110番の家を取り入れている学校や,顔の見える関係づくりに努めている学校もあるとのこと,各校それぞれで工夫をされて取り組まれていることが分かりました。こういった取組は全て地域で子どもを守るということにもつながり,大変有意な取組であると思います。 2回目の質問としまして,こども110番の家が記載された安全マップの家庭への配布や通学路上のこども110番の家を児童に把握させるよう指導するなどの有意な取組は,全ての学校で取り入れていくべきだと考えますが,御所見をお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 小項目1の2回目の御質問にお答えをいたします。 こども110番の家からの110番通報の内容は警察情報であり,捜査に支障を来すおそれのある発生場所や被害者情報などの詳細については本市には提供されないことから,把握することができません。現在のこども110番の家の登録件数が平成28年度と比較して減少した理由といたしましては,閉店等で店舗が存在しないことが判明したケースや高齢者のみの世帯であることのほか,日中を不在にしていることなどによる辞退の申出があったためでございます。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の御質問にお答えをいたします。 学校では地域ぐるみで子どもたちを守るため,子ども応援団,ボニター,PTAなど多くの方々の協力を得ながら交通安全,防犯の取組を実施しています。こども110番の家の家庭や児童に把握させる指導については,全ての学校で作成している安全マップの配布並びに毎年実施している通学路点検などの際に確認するよう進めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 12番 鈴木秀尚君。 ◆12番(鈴木秀尚君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 3回目です。 小項目1,現状について理解をいたしました。小項目1については,以上です。 小項目2について,全ての学校において効果的な取組を実施していただけるよう,よろしくお願いいたします。子どもたちの安全・安心のため,こども110番の家が効果的に運用されていくには,まず大前提として,通学路上にこども110番の家があること,そしてそれを子どもたちが把握をし,110番の家について理解をしていることだと思います。もう一つは,有事の際に子どもが駆け込むという行動を取れるかどうかということだと思います。そのためには,見ただけ,聞いただけではなく,110番の家の方の顔を知っていることや実際に駆け込む実践をすることが大切ではないかと考えます。避難訓練などのように定期的に訓練をすることが必要なのではないでしょうか。 他市の事例を1つ紹介いたします。ハロウィンなどのイベントを活用して,子どもたちが110番の家を訪問するという取組です。子どもたちがトリックオアトリートの代わりに「助けて」と言って110番の家を訪問し,実際に顔を合わせることで,自分たちを守ってくれている人が身近にいて,困ったときに駆け込むことのできる安心な場所であるということを実感できるイベントであります。防犯意識の高揚や顔の見える関係性の構築のため,そしていざというときに駆け込むことができるようにするためにも,御紹介したような楽しみながらできる駆け込みの実践の手法を取り入れてみるのも一つの方法ではないでしょうか。 3回目の質問ですが,周知や把握,理解については学校でさらに取組を進めていただけるとのことでしたが,減少してしまった110番の家の軒数を増やすことや,いざというときにこども110番の家が子どもたちの緊急避難先として効果的に活用できるようにするために,今後どういった取組をしていくのかをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 小項目2の3回目の御質問にお答えをいたします。 子どもを犯罪から守るためには,地域ぐるみで子どもを守り,育てていただくことが重要であります。そのため,危険な場面に遭遇した際に逃げ込むことができるこども110番の家の存在は,非常に大切なものと認識をしております。登録件数を増やすためには,こども110番の家の活動に御賛同いただく必要があることから,学校や警察と連携しながら周知啓発を図ってまいります。 また,効果的に活用していただくための取組といたしましては,安全・安心まちづくりボニターと連携して開催しているこども防犯教室などを通して,こども110番の家の活用促進を進めております。 今後も学校や警察,地域の皆様と連携して子どもたちの安全・安心を守るため,さらなる取組について他自治体の事例などを参考にしながら調査・研究してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 8番 梶田正直君。     〔8番 梶田正直君 登壇〕(拍手) ◆8番(梶田正直君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,小・中学生の体力向上について質問させていただきます。 令和2年度第5回定例会の一般質問におきまして,小中学生の体力について触れさせていただきました。その後,ほかの議員から春日井市の小中学生の体力測定の結果について御指摘があり,あたかも全国低水準であるかのような発言がありました。私が知る限りでは,体力測定の実態は各自治体で様々であり,春日井市内の小学生の体力が決して全国低水準ではないという立場から一般質問をいたします。 体力テストの測定は,全国統一で行われている学習テストのように,同日かつ同環境下で実施されているわけではありません。当市では各テスト項目の測定は一度きりであり,他の自治体によっては事前に練習したり再測定したりするところもあり,様々な方法にて記録されています。また,測定場所が競技場であったり土のグラウンドだったり,天候による影響,身につけている靴などの有利性,測定する教員の専門的な能力など,様々な原因によって数値は大きく変わってきます。春日井市内で測定された記録は至って純粋な数値であり,必ずしも全国最下位レベルの体力というわけではありません。誤解を招きかねないので,体力測定の数値を取り扱う場合は,単純に他の自治体との数値的な優劣だけで判断せず,その背景を理解した上で注意しながら取り扱うことが必要です。実施項目を事前に練習さえすれば,間違いなく結果はよくなり,見た目体力が上がったように思えることでしょう。 我々が注意して見なければいけないポイントは,ほかの自治体との比較ではなく,親の世代に当たる30代以降の大人が子どもだった頃と見比べ,確認する必要があります。スポーツ庁が実施した令和元年度全国体力・運動能力,運動習慣等調査結果によると,特に小学生男子の体力が下がっており,平成20年度の調査以降,過去最低の数値です。文部科学省が昭和30年代から調査している体力・運動能力調査によると,子どもたちの体力は昭和60年代を境に低下していると発表されています。この問題は,子どもたちの未来のために家庭と学校が連携し,社会全体で考えなければならない重要な課題であると考えます。 現代の子どもたちは,食生活の改善によって発育がよくなる一方,体力・運動能力の視点から見ると,筋力や反射神経が低下しています。子どもたちの体力を低下させている背景には幾つかの理由があり,1つ目として,暮らしや生活環境が便利になったことによって運動する機会が減ったこと。2つ目,スポーツや外で遊ぶために必要な時間や仲間,遊べる場所が少なくなったこと。3つ目,学校や地域に適切な指導者がいない,または見つからない。4つ目,運動を楽しいと思わせる工夫や教員の経験不足など。5つ目,偏った食事や睡眠で生活習慣に乱れがあるなど。この5つの理由から,子どもたちの体力低下を招いています。 近年,社会の風潮が学力や知識偏重によって運動を軽視しているケースが見受けられます。子どもたちの体力向上に努めるには,運動する習慣づくりを幼児期から始めなければなりません。保育園・幼稚園では自発的に運動することの楽しさを感じさせ,学校では体育の授業で運動を楽しませる工夫を取り入れ,そして学校外でも運動する機会を設けていくことが大切です。体力を向上させる点において,自発的に体を動かすといったプログラムやマニュアル作成は必要不可欠と考えます。 現在,小牧市のある中学校において民間による部活指導が行われています。それは基礎体力や体幹に特化した部活で,野球やサッカーなど民間クラブに所属している生徒たちがメインとなって入部し,活動している課外クラブ活動です。週1回外部コーチが指導のため来校,その指導の様子を教員がビデオ撮影し,翌日以降,録画したビデオを参考に繰り返し指導を行うというものでした。取組を実施している中学校長の感想は,参加している生徒の生き生きとした姿がすばらしい,また,外部指導を取り入れたことによって教員の負担が少なくなり,働き方改革の一翼を担っているように感じるとのことで,来年度も引き続き継続されることが決定しているようです。さらに,本年6月より,岡崎市のある中学校においても導入されることが決定されております。 我が春日井市においても,独自の方法にて民間クラブチームに所属している・していないに関係なく,また,文化部に所属している児童生徒でも参加できる基礎体力・体幹トレーニングを目的としたトータルスポーツ部を,これは仮称でしたけれども,設立し,基礎体力の向上を目指す春日井モデルを全国に先駆け取り組んではどうかと思います。 また,市民ニーズとして,市内のある中学校区においては,基礎体力・体幹に特化した部活動の設立を希望されている地域もあります。その取組は中学校での部活に限定したものではなく,小学校でも取り入れるべきだと思いますし,保育園・幼稚園でも進めていくことが必要であると感じます。現在行っているスポーツやこれから始めたいと思うスポーツの礎を築いていく,そんな場所があってもいいのではないでしょうか。そして自分に合ったスポーツが選択または見つけ出すことができるよう,楽しみながら運動できる環境を整えていくことが必要であると考えます。 私も学生時代は陸上競技を一生懸命頑張っており,厳しい練習の中でも楽しく自分自身の限界に挑戦してきたことを思い出します。スポーツや運動することはとても楽しく,目標も持ちやすいです。生涯スポーツという観点からも,子どもたちが生涯にわたり健康でいられるよう,整備していくことが必要であると感じます。 それでは,以上のことを踏まえ,質問させていただきます。 基礎体力・体幹を鍛えることに特化したクラブ活動の設立について,学校長の判断で行っていけるのか,または教育委員会主導で進めていけるのかお尋ねし,私の1回目の質問とさせていただき,終わりたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,小・中学生の体力向上についての御質問にお答えをいたします。 部活動に対する生徒のニーズは,1つの競技に打ち込みたい,様々な競技を体験したいなど,多種多様になってきています。また,部活動は学校長の判断により設立などなされますが,様々な競技を体験したり,基礎体力・体幹を鍛えることだけの部活動は本市にはございません。小中学生の体力向上のためには,児童生徒の基礎体力・体幹を鍛えることは必要なことです。そうした中,部活動の枠組みの中で行うかどうかについて研究をしてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 8番 梶田正直君。 ◆8番(梶田正直君) 御回答ありがとうございました。 ぜひとも将来を担う子どもたちのために研究いただきたいと思います。しかし,新しい部活を設立する場合,教員の確保や働き方改革により時間が制限されますが,小牧の中学校のような民間の力を借りながら部活を進めていくことが春日井市では可能なのか,また,部活動の指導を進んでしたい教員の参加はできるのか,2回目の質問をさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の質問にお答えをいたします。 今後の部活動の在り方を検討する中で,民間だけでなく,地域の力を借りることについても検討してまいります。また,部活動に携わりたい教員が働き方改革を踏まえて携わる方法については,令和3年2月17日付で「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について」を受けた公立学校の教師等の兼職兼業の取扱い等についての通知がされましたので,現在その内容を精査中であります。 今後は他市の検討状況を注視しながら,本市においては部活動に携わりたい教員の方が携われる方法について検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 8番 梶田正直君。 ◆8番(梶田正直君) ありがとうございました。 教員の負担も軽減しながらさらに児童生徒の体力を上げていくという難しい課題でありますが,この取組が不可能ではなく,むしろ可能であることに期待できると認識いたしました。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 本年7月には朝宮公園陸上競技場が完成します。多くの市民に利用していただくためにも,まずは市内の児童生徒に体力測定の場として利用していただき,基礎体力に対するモチベーションを上げていただきたい。根拠が曖昧な発言や提案がある中,私は具体的な方法や手法,情報を関係者に対し報告させていただきますので,ぜひ受け止めていただきたいと思います。 最後に,日本には日本陸上競技連盟という大きな組織があります。その団体は陸上競技関係者だけで構成されているわけではなく,様々なスポーツ経験者を理事として構成されております。専門競技に特化することに重点を置かず,基礎体力向上を優先すべきとの考えも持っており,現在,全国の児童生徒の基礎体力向上プログラムに着手し始めています。ぜひ春日井市としてどこの自治体よりも先に手を挙げ,日本陸連と協議体制を築きながら,全国に発信できるような取組を構築していただければと思っております。そして,子育てのまちをさらにバージョンアップさせた健やかに子どもたちが育てられるまちになることを期待しながら,今回の私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 9番 金澤陽貴君。     〔9番 金澤陽貴君 登壇〕(拍手) ◆9番(金澤陽貴君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,コロナ禍における生活保護についてを議題とし,質問いたします。 中国を発生源とする新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,私たちは経済的にも精神的にも大きな打撃を受けています。コロナ禍において事業を継続していただくための補助金や給付金制度の情報が多く飛び込んでくる状況の中,生活支援の在り方についても大きな議論になります。コロナ関連の生活困窮に対し,社会福祉協議会の特例貸付や住居確保給付金の要件緩和などの対策が取られましたが,いずれも期限つきの特例制度であり,生活費や住宅費,医療費などの広範な生活ニーズに対応する生活保護制度は特に注目されるべきものであります。 日本国憲法第25条では,「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。今年1月27日の参議院予算委員会にて,菅内閣総理大臣が「最終的には生活保護」との発言があり,話題となりました。生活保護制度は日本のセーフティーネットであり,生活保護を受ける権利のある人は受けるべきものであります。実際,厚生労働省のホームページを見てみますと,「申請は国民の権利です」と明記され,迷わずに相談するよう呼びかけています。 一方で,生活保護を利用する方においては,例えば就労などにより一日でも早く自立していただくことが望まれます。生活保護法第1条では,本法律の目的についてこのように書かれています。「第1条 この法律は,日本国憲法第25条に規定する理念に基き,国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長することを目的とする。」 厚生労働省が発表している政府統計,生活保護の被保護者調査(令和2年12月分概数)の結果を見てみますと,保護の申請件数は1万7,308件となり,対前年同月と比べると1,055件増加で6.5%の増加,保護開始世帯数は1万7,272世帯となり,対前年同月と比べると662世帯増加で4.0%の増加となっており,これは新型コロナウイルス感染症拡大による雇用情勢の悪化が影響したと見られています。 また,昨年の完全失業率は11年ぶりに増え,自殺者数も11年ぶりに増えました。自殺者については,特に女性の増加が目立っています。コロナ禍が医療や介護,飲食業などの非正規労働者が多い業種を直撃していると言えます。 また,労働相談や生活相談を受け付けているNPO法人POSSEでは,生活相談について大きな変化が見られたとの記事をヤフーニュースで閲覧することができます。当NPO法人に寄せられた生活相談は,コロナ以前には病気や障がいを抱えた働けない人たちが多く,全体の7割以上が障がい・傷病者を抱える世帯であったのが,コロナの感染が拡大した昨年4月から6月の相談を集計しますと,404件中382件と9割以上が労働問題に起因する生活困窮であったようです。つまり働ける人たちからの相談であり,主な要因は,多い順に,「休業・勤務日数減」,「解雇・雇い止め」,「仕事が見つからない」でした。 春日井市において平成30年度以降,生活保護の開始件数の推移はどのようになっているでしょうか。その中で,コロナに起因する件数についても伺います。また,生活再建がうまくいき,生活保護の受給を廃止される人々もいると思いますが,保護廃止の件数と推移,また廃止の理由についてもお伺いし,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,コロナ禍における生活保護についての御質問にお答えをいたします。 生活保護開始件数につきましては,平成30年度が286件,令和元年度が252件,令和2年度は1月末時点で219件となっております。そのうち新型コロナウイルス感染症により解雇された方や就労に至らない方などは,令和元年度が9件,令和2年度が53件でございます。 また,生活保護廃止件数につきましては,平成30年度が282件,令和元年度が306件,令和2年度は1月末時点で204件でございます。その理由として最も多いものは受給者の死亡で,廃止件数の約半数を占めております。次いで就労による収入の増加が約2割,年金の受給等による社会保障給付金の増加が2割弱となっております。 ○議長(友松孝雄君) 9番 金澤陽貴君。 ◆9番(金澤陽貴君) 御回答ありがとうございます。 春日井市において開始件数の全体を見てみると,コロナ禍であっても少しずつ減少していること,しかし新たにコロナに関連する生活保護の開始件数が増えていることがよく分かりました。 御回答いただいた事柄に関連し,2回目の質問をいたします。 厚生労働省が発表している政府統計の中の生活保護関連の表を見ますと,様々な傾向を読み取ることができます。扶助の種類別扶助人員では,生活扶助,住宅扶助,教育扶助,介護扶助,医療扶助というように扶助費の種類ごとの傾向が,また,世帯類型別の表では,高齢者世帯,母子世帯,障がい者世帯,傷病者世帯というように世帯の種類ごとの傾向が,そして都道府県別の表では,地域ごとの傾向が確認できます。春日井市においては,扶助費の傾向はありますでしょうか。そしてコロナ禍において,その扶助費の傾向に何らかの変化もしくは影響がありますでしょうか,併せて伺います。 次に,扶養照会についてであります。 生活保護を申請しますと,自治体の福祉事務所が本人の親族に援助できないかを確認する扶養照会をめぐり,2月4日,厚生労働省は照会手続を緩和する方針を示しました。田村厚生労働大臣は,2月4日の衆議院予算委員会の中で,扶養照会については弾力的に運用すると明らかにしています。扶養照会が心理的なハードルとなって申請をためらうことがあったとしたならば,本来生活保護を受けるべき人々の権利が侵害されていると言えます。海外の公的扶助の利用について調べてみると,扶養照会の範囲や資産調査の有無など,日本の制度よりはるかに利用しやすい仕組みになっております。 この扶養照会については国が定める事務であることから,ここでは踏み込んで質問いたしませんが,春日井市において扶養照会の在り方をどのように考え,運用されているでしょうか。今後もコロナ禍の影響によって生活保護を申請しようとする方が増える可能性もあると思います。そのような方々が申請をためらうことのないよう努めていただきたいと思いますが,扶養照会に対する御所見を伺います。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 2回目の御質問にお答えをいたします。 本市における生活保護扶助費のうち,生活・住宅・教育に係るものにつきましては,受給者の減少に伴い,平成28年度以降,年々減少しております。一方,医療・介護に係るものは,令和元年度には過去3年で最も高額となっておりましたが,コロナ禍における令和2年度は,前年同時期と比べ約1割減少をしております。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛や,医療機関への受診機会及び介護サービスの利用が減少したことなどに起因をしたものと考えております。 次に,扶養照会につきましては,コロナ禍においても感染対策を徹底する中で,申請者との面談等を通じて親族の状況を丁寧に聞き取り,それぞれの家族の事情に十分な配慮をしながら実施をしていくものと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 9番 金澤陽貴君。 ◆9番(金澤陽貴君) 御回答ありがとうございます。 生活保護に関しては,しばしば不正受給も大きな話題となります。国の補助制度を悪用するなどの不正受給は断じて許してはいけないものであり,日本の社会保障の信頼を根底から崩してしまいます。一方,制度の対象となる方々はためらうことなく,迷わず申請できる仕組みづくりが必要で,保護対象者には一刻も早い生活の再建を促していかなければいけません。春日井市において,今後も困っている方に寄り添った対応をしていただきたいと思います。以上で一般質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 11番 長谷和哉君。     〔11番 長谷和哉君 登壇〕(拍手) ◆11番(長谷和哉君) それでは,さきに通告いたしました市民病院のコロナ禍の対応について順次質問いたします。 本市の新型コロナウイルス感染者数は,3月10日現在で累計967人であり,令和3年3月1日,愛知県の緊急事態宣言解除後も,気が緩めばリバウンドも懸念され,油断は許されない状況であります。本市においては,昨年の3月に市内第1号の感染者が発覚してから10月までの8か月間は,名古屋市ほか人口30万人以上の市と比較しても感染者数はあまり目立たなかったものの,11月に204名,12月には316名,年が変わり令和3年1月は254名と感染者が急激に増加し,現在に至った状況と承知しております。 市民病院は地域の主要な感染症指定医療機関として,新型コロナウイルス感染症の感染拡大時から感染が疑われる患者の診療及び陽性患者の入院治療を行ってきたわけでありますけれども,1点目の質問といたしまして,新型コロナウイルス感染症の診療実績について伺います。 市民病院がこれまでに受け入れた入院患者の実数及び延べ患者数,市民病院のPCR検査,抗原検査等の検査実施件数及び検体のみ採取した件数についてお尋ねいたします。 2点目の質問は,院内感染による診療への影響についてであります。 昨年12月から本年1月にかけて院内感染が発生し,入院患者23名,職員21名,合計44名と承知しており,昨年12月17日午前8時30分から19日午前8時30分までの実質2日間の救急車の受入停止と,12月19日午前8時30分から26日午前8時30分までの7日間,救急外来患者の診療停止をするなど,診療への影響があったものと思いますが,どの程度のものであったかについて伺います。 3点目は,コロナ禍における経営状況について伺います。 昨年11月の厚生委員会でお尋ねした経営状況では,今年度4月から9月までの収益の状況は,入院収益が約49億4,000万円,前年度比マイナス約7億円,率にしてマイナス12.4%,外来収益が約23億1,000万円で前年度比マイナス約2億3,000万円,率にしてマイナス9.2%となっており,医業収益と医業外収益を合わせた経常利益は約4億円で,前年度比マイナス約6億6,000万円,率にしてマイナス62.1%とお聞きしました。これは半年間の数字です。そこで,コロナ禍における現時点での経営状況及び令和2年度の決算の見込みについてどう見ているのかお伺いいたします。また,今年度4月から高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が始まる見込みでありますが,感染拡大が完全に収束するとは考えにくい状況であると推察いたします。 4点目の質問として,令和3年度の当初予算については,経常赤字の予算を立てておられますが,今後どう見通しているのかについてお伺いいたします。以上,壇上から1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民病院事務局長 丹羽教修君。 ◎市民病院事務局長(丹羽教修君) それでは,市民病院のコロナ禍の対応についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,新型コロナウイルス感染症の診療実績についてですが,これまでに市民病院において令和3年1月末までに受け入れた入院患者の実数は137人,延べ患者数は1,685人です。また,院内での新型コロナウイルス感染症の検査につきましては,令和2年7月から実施しております。令和3年1月末までの実施数につきましては,抗原検査5,041件,PCR検査181件,合計5,222件で,また,これまで検体採取のみ行った件数は455件です。 次に,小項目2,院内感染による診療への影響についてですが,実際に診療制限の影響を受けた患者数を把握することはできませんが,令和2年度の直近の救急患者の受入実績は,救急車受入件数が1日平均約23件,自家用車などで来院されるウオークイン患者の受入件数が1日平均約41件でした。これらの数値から,それぞれの診療制限により影響があった患者の件数は約330件と推定されます。ただし,救急車の受入停止期間中には小牧市民病院や名古屋徳洲会総合病院が,また,救急外来の停止期間中には休日・平日夜間急病診療所に積極的に患者を受け入れていただいたことに加え,当院の通常の外来診療を停止することがなかったため,影響は最小限であったと考えております。 次に,小項目3,コロナ禍における経営状況についてですが,令和2年4月から令和3年1月末までの収益の状況は,入院収益が約82億6,000万円で前年度比マイナス約11億4,000万円,率にしてマイナス12.1%,外来収益が約39億円で前年度比マイナス約3億7,000万円,率にしてマイナス8.7%となっており,経常収益はマイナス約7,000万円で前年度比マイナス約11億9,000万円,率にしてマイナス106.2%となっています。このような状況から,令和2年度の決算は経常黒字とすることが困難な見込みです。 次に,小項目4,令和3年度以降の経営状況についてですが,令和3年度につきましては,新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進められていることから患者数は徐々に回復すると見込み,一方,新棟の増築など大規模な投資に伴う控除対象外消費税などの増加により,経常損失になると見込んでおります。しかしながら,これまでに培った健全な病院経営基盤を基に,地域の医療機関とのさらなる連携や増築棟に整備するハイブリッド手術室やアレルギーセンターなどにおける高度専門医療の提供,多様化する医療需要への対応により患者数の増加を図り,令和4年度以降の経常黒字を目指します。 ○議長(友松孝雄君) 11番 長谷和哉君。 ◆11番(長谷和哉君) それぞれお答えいただきました。 診療実績につきましては,入院患者の実数及び延べ人数についてはほぼ想像していたものでありますが,令和2年7月以降,令和3年1月末までの検査件数については約5,200件,検体採取のみの件数も約450件であったことを聞いて,あまりの多さに驚きました。 私が調べたところ,愛知県所管の春日井保健所は,令和元年6月に新型インフルエンザの医療体制,まだ帰国者・接触者外来と言っていた頃,A群・B群といった医療体制整備の各病院に対する意向調査を電話・アンケートで実施して以来,翌年2月,新型コロナウイルスが国内で発症した際にも,急ぎ体制整備を構築していなかった事実が分かっております。したがって,抗原・PCR検査など,現在の帰国者・接触者外来改め診療・検査医療機関が設置されるまでかなりの時間を要しました。 昨年末の本市における多数の感染者が発覚した直前の10月過ぎに35施設の診療・検査医療機関が設置,最近でもこの医療機関数は39施設程度であり,そのうち名前が公表されている診療・検査医療機関は13施設しかありません。市の医師会に確認したところ,市内には内科の病院,クリニック等の開業医が約95件であるが,新型コロナウイルス感染症に関する診療・検査医療機関は約40%弱であります。市民病院の役割は,新型コロナウイルスの中等症・重症者の入院治療が主であり,保健所の体制整備の遅れにより市民病院に相当な負担がかかっていたことが想像されます。 そのような状況のさなか,令和2年12月から本年1月に院内感染が起き,診療への影響についてお聞きしました。救急車の受入停止は2日間のみで約40件,救急外来の該当患者数も7日間で約290件,合計で約330件とのことが分かりました。当時はマスコミによりかなり大げさに報道され,再開日などは小さな扱いであり,私の知人などからも心配との相談,多くの問い合わせがありました。市民病院は,いわゆる風評被害に遭ったと言えます。 ここで,項目に上げた診療実績と院内感染の診療への影響に関して,1番,2番をまとめまして2回目の質問でありますが,診療実績のうち,春日井保健所等から依頼を受けて治療した新型コロナウイルスに関する入院患者数の実数及び検査件数はどのぐらいの比率を占めていたのかをお伺いいたします。 現在の経営状況に関しては,市民病院が受けた風評被害などが影響したことにより,外来患者や入院患者が減り,結果として10年間積み上げてきた黒字経営を見送る事態になろうとしていることは本当に残念であります。現在の経営状況と今後の経営状況の見込みをまとめまして,2回目の質問をいたします。 コロナ禍における病院経営は厳しいことが分かりましたが,国や県からの補助金はどのような項目があるのか,また,概算で結構ですので,総額でどのくらいの規模なのかをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民病院事務局長 丹羽教修君。 ◎市民病院事務局長(丹羽教修君) それでは,2回目の御質問にお答えいたします。 春日井保健所から依頼を受けた入院件数については86件,率にして約63%です。また,検査実施件数については67件,率にして約1.3%,検体採取のみを行った件数は288件で,率にして約63%です。 次に,新型コロナウイルス感染症対策に関する補助金は,PCR検査機器など検査に必要な設備に対するもの,個人防護具や簡易陰圧装置など院内の感染防止対策を実施するための設備に対するもののほか,感染症患者の入院のために確保した病床に対する空床補償,医療従事者の手当や宿泊施設に宿泊した費用に対するものなどがあります。今年度の補助金額につきましては,現状での概算ではありますが,約6億円と見込んでおります。 ○議長(友松孝雄君) 11番 長谷和哉君。 ◆11番(長谷和哉君) お答えいただきました実数をお聞きして,いかに当市民病院に負担がかかっていたかが理解できました。春日井保健所だけでなく,近隣他市の保健所からの要請もあり,特に昨年の7月から年末,本年1月頃までの慌ただしさは相当なものだったと想像されます。特に春日井保健所が指定した診療・検査医療機関の開業医において抗原・PCR検査ができるような体制になったのは,たしか昨年の10月過ぎと記憶しております。それまでの間,発熱・検査という病院は少なく,市民病院に重くその責務が課せられたのではないか,検査であれ検体採取であれ,また救命救急の救急車受入れ数も県下上位であるため,市民病院に多くの患者が出入りするわけでありますから,その負担の大きさは相当なものと思われます。 私の手元の資料にある本年1月13日の愛知県緊急事態宣言後6週目の感染者数を見ると,岡崎市は90.8%の減少,豊橋市は82.3%の減少,豊田市が87.4%の減少,一宮市は94.8%の減少に対し,春日井市は66.7%の減少で,最も減少傾向が悪い状態です。もちろん本市は名古屋市隣接であるという点は考慮しなければならないと思いますが。また,春日井市の2月25日時点の感染者数955名の内訳を見ますと,軽症が74%,中等症が8%,重症は1%,症状なしが17%であります。これらの数値は断片的にしか県のホームページに出てきません。また,退院・完治等の回復状況や感染経路に関する情報なども一切公表されておりません。感染症の司令塔である保健所を当市が持っていないため,市民が知りたい情報が出てこないのが現状であります。情報がなければ市民への対応も的確にできないのではないでしょうか。 令和3年度以降の経営状況の見込みについて,あえて2回目の質問はしませんでした。といいますのも,当市民病院にはコロナ禍以前から長い年月をかけて築き上げてきた経営地盤があり,本年度から新たな明日を切り開くべき新棟の建設も始まっております。 最後に,私から1点だけお願いがあるのですが,現在建設中の新棟工事中の壁面に,何が出来上がるのか市民に向けての告知をしていただくことを要望させていただきます。言われる覚えのない風評被害から脱却するためにも,ぜひお願いをしたいと思っております。コロナ禍にあって懸命に職務に向き合っておられる市民病院医療現場の全ての皆様に感謝と敬意を込めまして,私の一般質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 5番 小林宣子君。     〔5番 小林宣子君 登壇〕(拍手) ◆5番(小林宣子君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,子育てを孤立の孤の「孤育て」にさせない相談体制について,質問をさせていただきます。 少子化や核家族化が進み,共働き世帯の増加や地域のつながりの希薄化など,社会環境の変化により子育てが孤立化していると言われています。それに加えて,この1年は新型コロナウイルスのために社会が混乱し,これまでにない緊張感を持った生活を強いられました。ゼロから2歳の子どものいる方を対象にしたアンケートによりますと,コロナ禍で外界との接触機会が減ったことで孤独を感じていること,家族時間が増えても夫婦間で子育てに対する意識差があると孤独感が高まることなどの課題が浮き彫りになりました。これまでとは全く違う生活スタイルとなり,周囲のサポートを受けるのも難しくなったことで,子育てに不安を抱えやすくなり,孤独を感じながらの子育て,孤立の「孤育て」をしている人が増えたのではないかと考えられます。 NPO法人ファザーリング・ジャパンとスリール株式会社が子育てしている男女558名に行った共同アンケートによると,自治体の両親学級等に対して,赤ちゃんの世話の仕方を学ぶ機会,自治体の制度が分かる,パパ友ができる,夫と共に考える時間を持てるということを期待しており,不安の解消やその後どのようにスタートできるかを決める大事な場になっていることが分かりますが,実際にコロナ前出産では希望した人の78%が受講できているのに対して,コロナ禍出産では34%しか受講できなかったことが分かりました。 また,産後ケアサポートに関しては,コロナ前出産では希望者の84%がサポートを受けているのに対し,コロナ禍出産では希望者の約半数にとどまっています。サポートを受けられた方の感想としては,里帰り出産せず行政の産後ケア施設で1週間過ごして助かった,受けられなかった方は,慣れない育児で夫婦以外のサポートが必要,眠れない日々に鬱になりかけたなど,ほかにも行政やプロによるサポートが必要といったものもありました。 いずれの結果からも,コロナ禍においては希望した支援やサービスを受けることができず,出産前から不安が募っていったのではないかと考えます。また,外出機会の減少が子どもたちの発達によくない影響を与えたのではないかと心配する声もあるとのことです。 そこで,小項目1,子育て相談の現状について。 両親学級,本市ではパパママ教室やさんさんルームのほか,集団で行う乳幼児健診など,子育て相談ができる事業の開催状況と利用件数について,コロナ禍前と比較した状況をお伺いします。また,相談内容の変化についてもお尋ねします。 乳幼児期だけでなく,学童期や思春期においても一斉休校後の勉強面での遅れを心配する声が聞かれます。そして乳幼児期同様,子どもの発達を心配する声も多いです。本市におきましては,「子はかすがい,子育ては春日井」宣言の下,妊娠から子育てにわたる切れ目のない支援体制の充実として,多くの子育て支援の施策を打っていただいております。さきに述べましたさんさんルームでは,お母さんが疲れたときや育児がつらいときに休養や相談ができ,1日ゆっくり過ごせます。ほかに一時預かり事業,児童館や子育て支援センター,げんきっ子センターなど,相談もでき,子育てしている方にとって心強く安心できる場所となっています。また,独り親の方の相談,児童センター内での家庭児童相談,教育研究所内でいじめ・不登校相談も行っていただいております。 しかし,このように多岐にわたる相談支援を行っていただいているにもかかわらず,多様な問題を抱え,どこへ相談に行っても的確なアドバイスをいただけないと諦めすら感じていらっしゃる方もお見えです。例えば不登校になりかけてしまった子どもさんをお持ちの妊婦さんや,夫がコロナで仕事を失ってしまった複数の未就学児の育児をしているお母さん,また発達障がいの兄弟の育児をしながらお仕事をしているお母さんは,子どもさんのトラブルで仕事もままならない状況でした。それぞれが複数の問題を抱えており,一度は関係機関に相談していましたが,解決の糸口すら見つかっていませんでした。 そこで,小項目2,多様な問題を抱える子育て家庭の相談について。 このような複数の問題を抱えている家庭に対して,現状どのように対応をしていただいていますでしょうか。 以上,2点お聞きして,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 子育てを「孤育て」にさせない相談体制についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,子育て相談の現状についてでございます。 コロナ禍における主な事業の開催状況と利用件数について事業ごとに申し上げますが,まず,日曜パパママ教室については,新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため,令和2年3月から6月まで4回分を中止し,その後,内容及び参加定員を縮小して再開しております。令和2年度の再開後の月平均の利用者数につきましては63人で,前年度の65人と大きな差は見られません。 次に,さんさんルームの利用については,令和2年4月から5月まで利用を中止しました。その後,利用定員を縮小して再開しておりますが,再開後の利用者数については月平均70人で,こちらも前年度の69人と大きく差は見られません。 次に,集団の乳幼児健診については,対象となる全ての乳幼児が受診するものであり,令和2年4月から5月まで事業を一時休止し,その間,影響を受けた対象乳幼児約1,200人のうち,4か月児健診約400人の家庭に対し,保護者の不安軽減のため,保健師が電話をかけて相談を行いました。その後事業を再開し,この3月までに延期対象となった乳幼児も含め,対象者全員の健診を実施することとしております。健診では保護者の不安を捉えるため問診を行っていますが,ゆったりとした気分で過ごせていないと回答した方や,育児不安により要支援となった方の数は前年と比較して横ばいであり,現時点においては大きな変化は見られません。 こうした中,各種事業を通じて把握している相談内容の変化については,育児不安や心身の調子に関する相談については大きな変化は見られませんが,外出が自粛され,子ども同士で関わる機会が減少する中,子どもの発達に関する相談の割合が若干増加しており,今後とも注視していく必要があると考えております。 次に,小項目2,多様な問題を抱える子育て家庭の相談についてでございます。 複合的に問題を抱える子育て家庭の相談につきましては,現在子育て相談の総合的な窓口として,子ども政策課と保育課を子育て世代包括支援センターと位置づけ,母子保健や育児,保育園の入所など,主に乳幼児の保護者が抱える様々な相談に応じるとともに,必要に応じて関係部,関係機関と連携して支援しております。また,御指摘にありました学齢期の児童に関する内容が含まれる場合には,教育委員会とも連携し,必要な支援につながるように努めているところです。 ○議長(友松孝雄君) 5番 小林宣子君。 ◆5番(小林宣子君) それぞれ御答弁いただきました。 小項目1の相談内容と件数につきましては,コロナ禍における各種事業への影響がある中,内容や定員が縮小されたにもかかわらず,コロナ禍前と比べても同様のニーズがあったということでした。やはりこれら子育て相談の場ともなる事業は,皆さんにとって大事な場であるということが分かりました。縮小しつつもできるだけ継続していただいたとのこと,大変に心強く思います。感謝申し上げます。これが功を奏したといいますか,相談内容の主な変化については大きな変化はないとのことで,安心いたしました。しかし,子どもの発達に関する相談の割合が若干増加しており,今後も注視する必要があるとのことでした。そうした中においても,一時休止の影響を受けた子どもの家庭に対し,保護者の不安軽減にきめ細やかな対応をしていただいていることも分かりました。 まだまだ緊張感を持った生活が続いております。引き続き子どもたち,その保護者に対するコロナ禍の影響について注視していただくとともに,寄り添った対応をお願いいたします。小項目1の質問は終わります。 次に,小項目2の分野が異なる問題を抱えている場合の相談体制についてです。 子育て相談の総合的な窓口として,青少年子ども部を子育て世代包括支援センターとして位置づけ,主に乳幼児に関する様々な相談に応じ,関係部等と連携して支援しているとのことでした。また,学齢期の児童に関する内容が含まれる場合も,必要な支援につながるよう努めていただいているとのこと,感謝申し上げます。ただ,先ほども述べましたとおり,学齢期の児童やその保護者などが様々な問題を複数抱える場合,その相談先が分からず不安になっていると多数御相談を受けております。そうした方々にとりましては,一つ一つの相談窓口を訪ねる気力が低減されていることもあり,最初の相談窓口で複雑な問題の関係を整理,一元化していただくことは,相談者にとって安心と信頼の下,前に進む気持ちになる大切な機会となるものと考えます。 現在,国においては,妊娠期から子育て期にわたる総合的な相談や支援の実施拠点としての子育て世代包括支援センターとともに,より幅広く子ども家庭の支援全般の調整機能を担う拠点としての子ども家庭総合支援拠点の体制づくりを市区町村に求めております。本市においても今までの取組を基盤として,さらにきめ細やかに相談者の実情を把握し,関係部,関係機関と連携した支援がより円滑化するためにも重要な取組と考えます。 そこで,小項目2の2回目の質問として,国が求めている子ども家庭総合支援拠点への対応について考えをお尋ねします。 ○議長(友松孝雄君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 子ども家庭総合支援拠点につきましては,全ての子どもの権利を擁護するため,現在の子育て世代包括支援センターの機能を含め,子どもの自立に至るまで子ども家庭の相談全般に対し,子どもを取り巻く環境を把握して必要な支援を検討するソーシャルワークを重視するなど,より幅広くきめ細やかな対応が可能となる体制が必要であると考えております。そのため,支援が必要な子ども家庭に対し,地域の支援者や支援サービスなどの各種資源をより有機的につなぐため,その中心的役割を担う拠点として子ども政策課を位置づけ,職員の意識変革をはじめ,相談技術の向上,相談員の拡充など支援体制の整備に取り組んでまいります。 いずれにしましても,現在設置されている各種相談窓口の専門性を生かすことが重要であると考えておりますので,支援が必要な子ども家庭に対し,よりよい支援につながるよう,全庁的に取り組んでまいります。 ○議長(友松孝雄君) 5番 小林宣子君。 ◆5番(小林宣子君) さらなる相談・支援体制の整備に取り組んでいくとの大変前向きな御答弁をいただきました。複数の問題を抱える子ども家庭に対しては,市の職員の方と共に問題の整理を行う中で,その家庭の方々が問題解決に向けて前向きに捉えて生活できるように,今後とも寄り添った取組を期待しております。 また,本市の「子はかすがい,子育ては春日井」宣言の下,様々な観点からの取組を進めていただいていることは承知しておりますが,市内外の方々にとっても分かりやすい環境づくりも重要と考えております。 子育てに悩むお父さんもコロナ禍で増えていると思います。誰もが気軽に相談しやすくなるような工夫として,分かりやすい案内表示や快適な相談室の整備,1階市民フロアではWi-Fiを活用したスマホアプリやロボットにより,相談窓口を案内したり各種情報を瞬時に手に入れることができたりすることなどが考えられます。 残念なことに,行政ほか様々な関わりがありながらも,理不尽な理由で子どもたちの大切な命が失われるような痛ましい事件も起こっております。そのようなことが決して起こらぬように,今まで築いてきた基盤を大切にしつつ,子育て世代だけでなく,本市全体の子育て力をアップさせるような取組を御期待し,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) この際,暫時休憩いたします。                    午前11時38分 休憩-----------------------------------                    午後1時 再開 ○議長(友松孝雄君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を求めます。10番 石飛厚治君。     〔10番 石飛厚治君 登壇〕(拍手) ◆10番(石飛厚治君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,従来の選挙を一変するオンライン選挙の可能性について質問させていただきます。 近年,パソコンやスマートフォンを利用して様々な手続がインターネット経由で行えるようになってきています。窓口に行って書類を提出する必要がなくなり,便利になりました。しかし,オンライン化が進む中でも,インターネットが全く使われていない領域がまだ残っています。選挙の際の投票です。 インターネット投票は,以前からアイデアはあるのですが,なかなか実現しないことの一つです。選挙運動については,候補者に関する情報の充実,有権者の政治参加の促進等を図るため,インターネット等を利用する方法が2013年に解禁されています。有権者はウェブサイト,SNS,動画共有サービス等を利用した選挙運動ができます。候補者・政党等はこれに加え,電子メールを利用した選挙運動もできます。現在の投票制度は投票日に投票所において投票するという「投票日当日投票所投票主義」を原則としていますが,例外として以下の投票制度を利用することができるようになっています。 1つ目に,期日前投票制度です。仕事や旅行,レジャー,冠婚葬祭等の理由で当日投票できない方が,投票日前であっても投票を行うことができる仕組みです。投票の仕方や手続は,投票日に投票する場合と同じです。 2つ目に,不在者投票制度です。出張・旅行などで名簿登録地以外の市区町村に滞在している方は,滞在先の市区町村の選挙管理委員会で行えます。また,指定した病院や老人ホームに入院・入所中の方は,その施設内で不在者投票をすることができます。 3つ目に,郵便等投票制度です。身体に一定の重度の障がいを有する人が自宅等において投票用紙に記載し,これを郵便等によって名簿登録地の市区町村の選管に送付する制度です。 4つ目に,洋上投票制度です。日本国外を航海する指定された船舶の船員は,事前に手続をしておくと洋上からファクシミリで不在者投票ができます。対象となる選挙は,衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙です。 そして,在外投票制度です。国外にいても日本の国政選挙へ参加できる制度を在外選挙といいます。住んでいる地域を管轄する在外公館(大使館や総領事館)で在外選挙人名簿への登録を申請し,登録された方には投票時に必要な在外選挙人証が所定の市区町村の選管から在外公館を通じて交付され,投票することができます。 これらの投票は,いずれも紙の投票用紙によって行うのが原則となっています。これは,選挙人本人が自分で候補者の氏名や政党名を書く自書式投票という方式ですが,投票用紙に文字を記入できない選挙人のために,代理投票や点字での投票もできます。さらに,事務処理の迅速化,利便性の向上などを目的として電子投票が導入されています。インターネット投票の可能性について模索する上で,電子投票は参考にすべき重要な制度であると考えます。しかし,電子投票の認知度は比較的低いのではないでしょうか。 そこで,1回目の質問ですが,電子投票の制度について詳細な内容をお聞かせください。また,本市ではこの電子投票を導入されていないと認識していますが,これまでに導入されていない理由をお伺いいたします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) それでは,従来の選挙を一変するオンライン選挙の可能性についての御質問にお答えをいたします。 初めに,電子投票についての御質問でございますが,公職選挙法で定められた投票方法の特例として別に法律で定められているもので,投票所において,投票用紙の代わりに専用の投票機を用いて,投票したい候補者を選択することにより投票を行うものでございます。 次に,本市において導入していない理由につきましては,電子投票は制度創設以来,全国の10団体で25回実施をされておりますが,投票所におけるトラブルが度々報告されており,中には選挙の結果に重大な影響を及ぼした事例もございます。また,電子投票は現行法令では地方選挙のみに認められている制度であり,国政選挙では実施できないため,選挙の種類によって投票方法が変わることにより選挙人の混乱を招くおそれがあります。以上のことから,本市においては電子投票を導入はしておりません。 ○議長(友松孝雄君) 10番 石飛厚治君。 ◆10番(石飛厚治君) それぞれ御答弁いただきました。 電子投票は投票所において専用の投票機で候補者を選択する方法なのに対し,インターネット投票は自分のコンピューターやタブレット,スマートフォンなどを使ってインターネット経由で投票するというもので,両者は大きく異なるということが分かりました。また,導入されていない理由については,多くのトラブルや選挙結果に重大な影響を及ぼした事例,そして選挙人の混乱を招かないための配慮とのこと,理解いたしました。 現在の日本の大きな問題は,少子高齢化と人口の都市部への集中です。人口が減り,高齢者が増えている地方では,投票所の数を減らすようになってきており,お年寄りが投票に行くのがますます難しくなってきています。逆に,都心部では投票所に駐車場がないことが多いので,ふだんは病院や介護施設に行くことに車を利用しているような有権者にとっては非常に不便になります。また,台風や大雨など災害が各地で頻繁に起こるようになってきており,外出することが危険な天候の場合もあります。実際に台風の影響である県知事選での投票日が前倒しされる,期日前投票の打切り,開票作業が大幅に遅れるなどの事態が起こっています。今後,選挙での投票にもインターネット投票が導入されれば,これらの問題の解決にも役立つのではないでしょうか。 このような状況の中,国も動き始めています。総務省では2019年度の予算案に2億5,000万円を盛り込み,インターネット投票の実証実験を行っています。これは特に,海外に住む有権者は在外投票制度を使って紙で投票していますが,開票は日本で行われる必要があるので,投票の締切りは国内の投票日よりも早く設定されています。こうしたことから,在外投票の投票率は非常に低い状態が続いていました。以前から総務省では投票環境の向上方策等に関する研究会により様々な議論がなされており,2018年8月に公表された在外選挙インターネット投票についての提言において,対応すべき課題を解決すれば在外投票にインターネット投票を実現することは可能であるとされました。 そこで,在外選挙インターネット投票システムのプロトタイプが構築され,次の2点をポイントとし,実証事業が実施されました。1つ目は,投票の秘密保持という選挙特有の課題に対応できるものになっているか等の検証,次に,市区町村選管の現場の意見を聴取し,運用に当たっての具体的な課題を抽出するということです。結果として,プロトタイプを用いた実証実験により,選挙事務及び研究会モデルによるインターネット投票が可能であることを実証できたとしています。 一方,インターネット投票と紙の投票による二重投票の防止や開票結果の正当性を確保するための運用等が課題として挙げられています。地方公共団体においての取組の例としては,つくば市では2018年8月に国内初のブロックチェーンとマイナンバーカードを活用したネット投票の実証が行われています。 インターネット投票が実現した場合の具体的なメリットは,大きく4つあると考えます。第1に,スマホやタブレットを利用した手軽な投票によって,若年層の投票率アップが期待できることです。第2に,投票に関する天候や災害のリスク低減に役立つことです。例えば離島などからの投票用紙の搬送時や有権者の外出時のけがなどのリスクを避けることができます。第3に,高齢者や障がいのある方に対する投票の配慮です。投票する意思があるのに外出が困難なため,投票を諦めるといった問題も解消できます。そして第4に,開票事務のスピードアップです。デジタルデータにより,素早く正確な投票結果の自動集計が可能になります。 このように,インターネット投票はより多くの人の投票を可能にし,投票機会の平等が確保できると考えます。さらに,今後は投票日という考え方ではなく,投票期間という考え方が投票機会の平等には必要であると考えます。しかし,問題が多くあることも事実です。インターネット投票を実現するには,確実な本人確認をした上で1票分だけの投票を認める不正投票防止,投票データの改ざんなどを防ぐ不正集計防止,そして本人の自由意思に基づく投票内容の秘密保持の3つのポイントを同時にクリアすることが求められています。ただ,透明性と秘密保持,この相反する2つの条件を両立させることが投票においては重要なポイントとなりますが,これは従来の選挙システムにおいてもインターネット投票においても同様であると考えます。 そこで2回目の質問ですが,このように,インターネット投票の実現には安定的なシステムや自由な意思で投票できる環境の確保など,乗り越えなければならない課題がありますが,大きな可能性を秘めていることは確かです。インターネット投票について,本市のお考えをお聞かせください。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 2回目の御質問にお答えをいたします。 インターネット投票につきましては,現時点では法令に規定がありませんので,実施するためにはまず国において関係法令が整備される必要があります。また,住民記録システムをはじめとする情報システムの全国標準化が進められている現状においては,二重投票の防止や投票システムへのサイバー攻撃への対策等も含めて,各地方自治体が個別に行うのではなく,国の主導により推進される必要があると考えております。 本市といたしましては,今後の国の動向を注視するとともに,その適正な執行方法について調査研究してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 10番 石飛厚治君。 ◆10番(石飛厚治君) 御答弁いただきました。 政府はデジタル庁を創設し,行政におけるデータのやり取りの迅速化やデジタル化による手続の迅速化などを目指しています。また,行政のデジタル化に加え,マイナンバーカードの普及,健康保険証や免許証との統合など,国民側のデジタルトランスフォーメーションとの相乗効果により,利便性の高いデジタル社会の構築を目指しています。改革の基本方針では,デジタルの活用により一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ,多様な幸せが実現できる社会を目指し,誰一人取り残さない人に優しいデジタル化を進めていくと明記されています。 選挙の投票においても,インターネット投票を導入することにより,これまで投票に行けなかった人が投票できるようになるなど,投票環境における制約を解消,改善し,投票機会の確保につながると考えます。また,投票所や開票所の設営,期日前投票の運営コスト,選挙管理に関わる人材などの削減効果などにも期待できます。投票は民主主義を支える社会基盤であるという意識を持って,将来的な実施に向けて準備をしながら,従来の選挙を一変するオンライン選挙の可能性について環境整備に努めていただきますよう,よろしくお願いいたします。今後の本市の取組に期待し,私の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。     〔17番 末永 啓君 登壇〕(拍手) ◆17番(末永啓君) それでは,通告のとおり,順次質問をさせていただきます。 長引くコロナの影響により拡がる経済格差と対応策についてお伺いいたします。 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は,3月5日の参院予算委員会で新型コロナ終息の時期を問われ,季節性インフルエンザと同等の病気と認識されるまで2年から3年かかるとの見通しを示しました。コロナの経済への影響が長引く中,3月5日の厚生労働省の発表によれば,コロナに関連する解雇や雇い止めは累積で9万3,354人,雇用調整の可能性がある事業所数は12万5,355としています。解雇等見込み労働者数の累積数が多い業種は,製造業,飲食,小売,宿泊,卸売,労働者派遣,サービスなどとなっています。企業の2020年冬のボーナスは8年ぶりのマイナスになり,その下落率はリーマンショック後の2009年に次ぐ大きさとのこと,企業の早期希望退職の実施もリーマンショック後の水準,また,今春卒業予定の就職内定率も大幅減少しています。 コロナショックは企業活動や雇用情勢に様々な影響を与えており,予断を許さない状況で,とりわけ所得の低い層ほど経済的な打撃が大きいとされています。その一方で,政治家や公務員は,コロナショックの渦中にあっても給与に影響はありません。国民生活の苦しさが理解できないのではという批判があります。コロナで膨らんだ財政・借金に充てるために,政治家や公務員の定数や給与を減らさざるを得ないといった議論も今後出てくるかもしれません。こうしたときだからこそ,政治行政の民間に対する認識,向き合い方が問われています。今回の質問では,政治行政が国民生活の実態にしっかり向き合い,支援姿勢を示すことの重要性を改めて明らかにしたいと思います。 ところで,経済危機といえばリーマンショックが記憶に新しいですが,リーマンショック後,日本は景気・経済の回復が遅れ,その後,世界から遅れを取ってしまいました。構造改革や金融緩和を適切に実行しなかったからです。今回のコロナショックでは,その教訓を生かさないといけないと思います。しかし,例えば本市議会定例会に提出されている請願第1号にも記載があるように,世界各国はコロナ対応の経済対策として付加価値税,消費税の減税を行っているにもかかわらず,日本は消費税を減税する気配はありません。春日井市の令和3年度の市政方針では,「にぎわいの創出と経済の活性化」を市政運営の柱の一つに据えました。コロナの影響でぼろぼろになっている経済をいかに立て直すかが当面の政治行政の課題です。残念ながら,国の動きには期待できないところもありますので,春日井市には市民の生命,財産を守る基礎自治体として,市民と市内企業が世界の経済成長から取り残されないように,積極的に策を講じていただくことを期待しています。 そこで,(1)経済格差の状況についてです。 昨今,日本では所得や資産の格差が広がっており,とりわけコロナ禍において格差が様々な形で浮き彫りになったとの指摘があります。そこで,コロナの影響で個人や法人の経済格差,所得及び資産の格差がどのように広がっているか,市の現状認識とその要因や根拠についてお尋ねいたします。 (2)2021年の日本と各国の経済成長率の見通しについてです。 政治行政の役割は,所得を適切に再分配することです。しかし,経済全体が成長していなくては自治体も税収が増えていきませんから,格差是正や貧困対策など所得の再分配を行う財源が十分に賄えません。そこで,2021年の日本,世界各国の経済成長の回復率の見通しについて,市としてどのように把握しておられるのかお尋ねをいたします。 続いて,(3)ポストコロナにおける市の成長戦略についてです。 本市の令和3年度予算は,各種税目で減収を見込んでいます。個人や法人の所得が回復しない限り,自治体の税収も増えず,市民サービスを行う財源は限られます。コロナショックにより打撃を受けている個人や企業を支援するためにいかに経済を立て直すかということが,自治体の財政運営の観点からも喫緊の課題です。今,感染症の動向など先行きが不透明視されていますが,需要を喚起し,企業の投資意欲が前向きになるようなビジョンを描くことが,今,政治に求められていることではないでしょうか。そこで,市はポストコロナに向けて市内経済を成長させる戦略を持ち合わせているのか,経済の成長戦略をどのように考えているのかお尋ねいたします。また,需要の回復見込みについてはどのような見通しを持っておられるのかお尋ねをいたします。 続いて,(4)早期の景気回復や経済成長を実現するために伸ばす分野についてです。 本市の産業の強みと,ポストコロナに向けて早期の景気回復や経済成長を実現するためにはどの分野を伸ばすことが有効と考えるのか,所見をお尋ねいたします。 続いて,(5)過剰債務問題についてです。 2020年,4~6月期のGDP成長率は,百年に一度と言われた経済危機,リーマンショック後以上の落ち込みになったにもかかわらず,持続化給付金などの各種支援策や無利子無担保融資などの資金繰り支援策で企業の倒産件数は一定水準に抑えられてきました。しかし,この間企業の債務は大きく膨らんでおり,過剰債務問題は今後の日本経済の足かせになることが予想されます。さらに,外出自粛など社会経済活動が抑制された状態が続けば,対人業種などを中心に企業はもうからず,債務が積み上がる状態が今後も続くことになります。そこで,過剰債務に係る相談の状況と債務が膨らんでいる企業への支援をどのように行っていくのかお尋ねをいたします。 続いて,(6)生産性向上についてです。 ポストコロナを見据え,生産性を向上させることが日本経済の課題となっています。内閣府月例経済報告の政策態度では,成長分野への民間投資を大胆に呼び込みながら生産性を高め,賃金の継続的な上昇を促し,民需主導の成長軌道の実現につなげるとしています。生産性向上とは具体的にどういうことなのか。生産性が向上すれば利益率が上がり,給料が上がります。最低賃金も上がるはずです。しかし,生産性向上の重要性は分かっていても,具体的に何をすればいいのか分からない人が少なくないのではないでしょうか。他方,消費税増税やレジ袋有料化,生活必需品の値上がりなどで家計は苦しくなっています。行政や企業が生産性向上に力を入れないと,国民の所得水準は底上げされず,国民生活はますます苦しくなっていくのです。そこで,市が様々な支援策を実施する上で,企業の生産性が向上しているのかどうかをどのようにモニタリングしていくのか,モニタリングの方法や実施の見通しについてお尋ねをいたします。 続いて,(7)コロナショックで離職した方等のキャリアチェンジについてです。 コロナの影響による雇い止め・解雇,休業,離職を一つのきっかけに自身のキャリアを見直し,今までと同種の仕事を探すのではなく,より生産性の高い職種等にキャリアチェンジを促していくことは,格差是正だけでなく,個人消費を伸ばすためにも重要な取組になります。国はポストコロナに求められる構造転換に向け,日本企業の変革を後押しし,加速させようとしています。労働者側も発想を変えることが求められており,転職や再就職の際にはより生産性の高い分野・職種にキャリアチェンジしたいというニーズもあるでしょうし,政策的にもこれからの成長を担う分野やより生産性の高い分野への労働移動を促すことは,経済成長の観点から必要なことと考えます。そこで,コロナショックで離職した方などがより生産性の高い分野へ再就職できるように支援を行うことについて,所見を伺います。 また,先般商工会議所が開設した従業員を休業させている企業や求職者に対し情報発信する掲示板,市内企業で人材が不足している求人企業を募集し,公開しているものですが,この新型コロナウイルス感染症緊急求人掲示板の実績についてお尋ねをいたします。あわせて,足元でどのような分野・業種で人手不足が発生しているのか,現状認識をお尋ねします。 最後に,(8)デジタル格差とDXを推進する意義についてであります。 DX,デジタルトランスフォーメーションとは,デジタルによる変革,変容を意味して,ITの進化に伴って新たなサービスやビジネスモデルを展開することでコストを削減し,働き方改革や社会そのものの変革につなげる施策を総称したものであります。相対的に所得の高い層や大企業はデジタル化推進によって生産性を伸ばすことができる余力がある一方で,所得の低い層や中小企業ではデジタル化を推進する余力がなく,生産性を向上させられず,それが一段の経済格差の拡大につながるおそれがあります。そこで,企業がDXを推進する意義とその支援策について所見をお尋ねします。また,特に中小企業がデジタル化を推進する意義について市の所見をお尋ねして,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,大項目1,長引くコロナの影響により拡がる経済格差と対応策についての御質問に順次お答えさせていただきます。 初めに,小項目1,経済格差の状況についてでございます。 コロナの影響による経済格差の状況について,所得格差はコロナ以前から卸売・小売,飲食・宿泊,その他サービスといった対面サービス中心の業種は相対的に所得が低く,経済格差が広がりつつあったところに,そのような業種がコロナの影響を最初に受けてさらに格差が加速しているという国や民間の調査結果があります。資産格差は,もともと株式などの資産を保有している層がアベノミクスによる株高の影響を受けてその資産額を増加させたことで,持つ者と持たざる者の格差が拡大しており,昨今の株高によりその差が広がっているとの指摘があります。このため,本市としてもそのような状況にあると認識しております。 次に,小項目2,2021年の日本と各国の経済成長率の見通しについてでございます。 2021年の各国の経済成長の回復率の見通しについては,国際通貨基金(IMF)によれば,全世界の経済成長率が5.5%,主要国では中国が8.1%,アメリカが5.1%,ユーロ圏が4.2%で,日本が3.1%となっています。 次に,小項目3,ポストコロナにおける市の成長戦略についてでございます。 需要の回復見込み及び事業構造の変化を踏まえた経済成長戦略については,コロナ以前の水準まですぐに需要が回復することは難しいものの,ニューノーマルによる新たな需要の創出とそれに対応した新たな設備投資が進むと考えております。国としても,人々の働き方やサービスの在り方が変化することを踏まえ,企業の事業転換や生産工程をデジタル化するデジタルトランスフォーメーションが重要になると考えております。このため,本市としてもそれらの推進が重要だと考えております。 次に,小項目4,早期の景気回復や経済成長を実現するために伸ばす分野についてでございます。 早期の景気回復,経済成長実現のために伸ばすことが有効な分野については,企業が特定の分野に偏在することなく,バランスよく分布することが本市の経済の強みである中では,特にどこの分野というわけではなく,様々な分野の市内中小企業が新事業展開やデジタルトランスフォーメーションによる生産の効率化を進めることが重要だと認識しております。 次に,小項目5,過剰債務問題についてでございます。 過剰債務に関する相談の状況については,商工会議所の金融相談において,国の融資制度での据置期間の設定により当面の追加の資金需要はそれほど出てきておらず,過剰債務の相談もあまり出てきていないとのことです。債務が膨らんだ企業への支援策については,既に国が各都道府県の再生支援協議会を通じて,新型コロナ特例リスケジュールという制度で返済猶予を行う特例支援を実施しております。また,全国銀行協会でも融資に対する相談窓口を設置し,中小企業の相談に応じております。 次に,小項目6,生産性向上についてでございます。 企業の生産性の向上に係るモニタリングについては,実施しておりません。今後,商工会議所の生産性向上・業務効率化委員会と連携して調査研究を進めてまいります。 次に,小項目7,コロナショックで離職した方等のキャリアチェンジについてでございます。 生産性の高い分野への再就職支援については,離職した方の場合はハローワークを利用していただく必要がありますが,ハローワークでもトライアル雇用制度の拡充など,再就職の支援を進めております。また,企業からの出向という形であれば,令和3年1月から国の産業雇用安定助成金の制度が始まりましたので,積極的な活用を促してまいります。 商工会議所の新型コロナウイルス感染症緊急求人掲示板については,現在59社が受入先として登録されていますが,企業からの問い合わせが幾つかあるものの,マッチングに至ったものはありません。人材を出す側と受ける側のそれぞれの企業における労務関係の体制ができていないことが原因と考えられるとのことです。 また,人手不足の分野・業種については,半導体関連の製造業,物流業,福祉関係の企業等で人手が不足しているとの声を聞いております。 次に,小項目8,デジタル格差とDXを推進する意義についてでございます。 企業のデジタル化の推進の意義と支援策については,デジタル化が経済格差を解消する有効な手段となるという調査もあり,国もそうした観点から,特に中小企業のデジタルトランスフォーメーション推進による生産性向上のための支援策を充実させています。本市としても国の支援策に加え,生産性向上ICT活用支援事業助成金や設備投資事業助成金といった市の支援策の活用を促してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) それぞれ詳細にお答えをいただきました。 ここからは一問一答で進めたいと思います。 まず,(1)の2回目であります。 1回目では,個人や法人の経済格差の現状認識を伺いました。市としても所得や資産の経済格差の拡大を認識しているとのことです。そこで,市として経済格差の適正水準をどのように考えるのか,所見をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 経済格差の状況に対する市の期待値については,生産性の違いによる業種での格差はある程度考えられますが,過度な経済格差は市民の健康や教育の格差につながるとの指摘もあり,住民福祉の面からも看過できないと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (1)の3回目であります。 コロナショックではどのような人たちが経済的に大きな打撃を受けたと認識しているのか,お尋ねいたします。また,市として経済格差をどのように是正していくのか,所見をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1の3回目の御質問にお答えさせていただきます。 観光業や飲食業などのコロナによる影響を受けた方の格差是正策については,国・県・市の各種支援策の活用を促してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(2)の2回目であります。 1回目の答弁のとおり,経済ショックからの回復率は各国で大きく差が出る見通しになっています。ここで問題にしたいのは,なぜ日本の回復は他国と比べて低水準なのかということです。冒頭,壇上でも申し上げたように,日本は経済危機のたびに回復が遅れます。リーマンショックのときのことを思い出していただくと,アメリカに端を発した金融危機だったにもかかわらず,アメリカはいち早く回復したのに日本は長い低迷が続きました。昨今グローバル化や世界的な金融緩和,大規模災害など様々なリスク要因がありますので,経済危機は10年に1回ぐらいはあると思って臨むぐらいがちょうどいいと思いますが,とりわけ日本の課題としては,経済危機があったとしてもすぐに回復できる強い経済構造をつくることだと思います。国の課題は自治体の課題でもあり,なぜ日本は経済危機のたびに経済の回復が鈍いのか,要因を分析していくことが必要です。そこで,なぜ日本は経済ショックからの成長率,回復が鈍いのか,その要因を市としてどのように見ているのか,お尋ねをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目2の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 IMFによれば,景気回復の力強さには各国間で大きなばらつきが出ると予測されており,医療介入へのアクセスや政策支援の有効性,国際的な波及効果による影響,危機発生時の構造的特徴が決め手となるとしています。本市の認識としては,過度に特定の業種に依存した経済構造とスタートアップ企業がなかなか育ちにくい環境が,景気回復の障壁になっているのではないかと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (2)の3回目であります。 こちらは意見をちょっと申し上げます。 日本の経済成長の低さの要因として,特定の業種に依存した経済構造やスタートアップが育ちにくいという課題が挙げられました。私もそのとおりであると思います。経済・産業構造が硬直化していることによって潜在成長率が低く,それが経済危機からの回復力に如実に表れています。やはり国民生活を豊かにすることを考えるのであれば,この問題に正面から取り組まなければなりません。アメリカのGAFAMなどの高成長企業を見れば,その差は歴然です。硬直化した経済構造をいかに変革するのか,またスタートアップ,新しい事業をいかに育てていくかということです。日本に残された時間はそんなにありません。国の課題は自治体の課題でもあり,市としてもそうした認識で,意識で取り組まなければ,本当の意味で地方創生はなし得ないと思います。 次に移ります。(3)の2回目です。 成長戦略について,1回目の答弁では,デジタルトランスフォーメーションの重要性について,市の見解が分かりました。一方で,需要の早期回復は見込めないとのこと,こちらも私としても同じ認識です。今後,市として経済成長を実現するためには,どのような分野で需要が見込めるのかを見定め,有効な需要喚起を行う必要があります。個人消費や企業の投資について,新たな需要を喚起する必要性と具体的施策について,所見をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目3の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 新たな需要の喚起と施策の考え方については,国の令和2年度第3次補正予算により,中小企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築を支援する中小企業等事業再構築促進事業が創設されるとともに,中小企業生産性革命推進事業に特別枠が設けられ,IT導入補助金が拡充されます。本市としては,これら国の支援策の積極的活用を企業に促すとともに,令和3年度予算で新製品・新規事業支援事業を新たに創設し,企業の新事業展開等を支援してまいります。また,今後の国の施策の実施状況を見つつ,市として必要な個人消費を含めた需要の喚起策を検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(4)の2回目に移ります。 1回目では,様々な分野の中小企業が新しい事業展開やデジタルトランスフォーメーションによる生産の効率化を進めることが重要であるという答弁でした。そこで,新しい事業展開やDXによる生産の効率化を促すための市の施策の在り方について,所見を伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目4の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 本市の施策としては,商工会議所や企業のニーズを把握し,新事業展開やデジタル化といった新たなことに取り組む企業への支援に力を入れてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (4)の3回目,こちらは意見を申し上げます。 足元では企業の債務は膨らんでおります。コロナ対応の特別貸付の据置期間,ここ数年が経営立て直しの勝負どころになります。ぜひ市内経済が早期回復するように,積極的に取り組んでいただきたいと思います。 続いて,(5)の2回目に移ります。 企業の過剰債務について,懸念していることは2つあります。企業の投資意欲の低下と債務返済の実現性です。 まず1つ目,企業の投資意欲の低下です。 先行きへの不透明感や債務が膨らんでいることで,企業の投資意欲が消極的になっている状況が伺えます。過剰債務となっている状態の企業マインドの見通しについて,市の認識をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目5の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 過剰債務となっている企業マインドの動きについては,令和2年12月時点での日銀短観において,対個人サービス,宿泊・飲食サービスを含め,いずれの業種においても資金繰りDIの値は前回よりも改善しています。また,令和3年3月の見通しについても業況DIは回復見込みとなっています。国の貸付制度では最長で5年間の据置期間が設けられていることから,企業にとっては当面の資金繰りに対する不安よりも,コロナ収束への期待感が大きいと思われます。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(5)の3回目であります。 こちらでは,過剰債務状態における借入返済の見通しについてお尋ねします。 コロナによる需要ショックにより売上げが大幅に落ち込み,今もなお売上げが落ち込んだままの企業がたくさんあります。コスト削減などの企業努力にも限界があり,やはり基本は売上げが回復することだと思います。しかし,需要の早期回復は見通せない中で,企業はどのように債務を返済していったらよいのでしょうか。単純に考えると,最低でもコロナ前の水準以上の利益を確保しなければ,返済に回せる原資がないと思います。コロナ前の水準までの需要の早期回復が見通せない中で,個々の企業は債務の返済をしていくことが可能なのかどうか,市としてどのように見ているのかお尋ねいたします。
    ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目5の3回目の御質問にお答えさせていただきます。 企業個々の返済見込みについては把握しておりませんが,返済が据え置かれている間に新事業や生産性の向上等により,利益率の向上を図ることが重要と考えております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(7)の2回目に移ります。 1回目の答弁では,人手不足の分野・業種について現状認識を伺いました。御承知のように,有効求人倍率は昨年初頭に急降下して以降,低水準で推移しています。一方で,日本は今後も生産年齢人口が減少していきます。こうした状況下では,我々は発想を変えていかなくてはならないのではないでしょうか。つまり,より生産性の高い分野や人にしかできない仕事に労働移動を促す観点から,今人手不足になっている分野・業種の中には,そもそもデジタルトランスフォーメーションで代替できる可能性があるのに,人の手で行っている仕事もあるのではないかと思慮いたしますが,市の認識をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目7の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 環境の変化に対応し,ニーズを基にデータとデジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを変革するデジタルトランスフォーメーションを進めることにより,見える化による業務効率化や自動化による生産性向上につながる業種もあると考えております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (7)の3回目であります。 企業は業務や組織を見直し,生産性の高い職種を生み出していく意識を持たないと,DXも人材確保もなし得ません。市としても,企業が業務や組織を見直す中でDXを推進して,より生産性の高い分野に雇用が生まれるように見ていただきたいと思います。 続いて,(8)の2回目に移ります。 民間のある調査では,DXに成功した国内企業は14%にとどまるとのこと。DXに失敗する要因として,DXに対する理解不足,経営者に当事者意識がない,IT人材の不足,IT部門のスキル不足,事業部門の理解が得られないなどの課題が指摘されています。デジタルトランスフォーメーションを推進する余力のある企業は生産性が向上する一方,投資できない企業は遅れを取っていきます。相対的に大企業には投資余力がありますので優位に進められますが,中小企業はどうでしょうか。最終的には経営トップにDXを推進する意欲があるのかどうかが決め手になると思いますから,経営者の皆様の変革に向けた発想の転換,経営判断を期待したいと思います。しかし,そうはいっても身近なところで同じような成功事例がなければ,DXを推進するイメージが湧きにくいと思いますので,市としてはDXの取組を広げるために具体的な活用事例をしっかり示して,水平展開させていくことについて所見をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目8の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 本市としては,令和元年度からホームページ上で,春日井カエル企業として新たな取組を進める企業を取材・公開しております。この中で,デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業を取り上げていくことを検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (8)の3回目です。 これまで多項目にわたって質問してきましたが,ここまでのやり取りをまとめますと,新たな事業展開や生産性の向上を図らないと,債務の返済や事業の継続しかり,経済成長は望めないということだと思います。今,過剰債務やコロナの動向など,経営者や働く人たちは先行きについて不安視されております。市としてはぜひ今回の答弁の姿勢を崩すことなく,むしろ今は変革のチャンスと捉えて果敢に民間の経済活動を支援し,生産性向上による市民の所得水準の向上を目指していただきたいと思います。 また,冒頭にも触れましたように,今後所得や資産の経済格差や貧困が大きな問題になっていくことが予想されます。制度のはざまで困っている方はいないか,支援策がしっかり行き届いているのか,福祉行政を担う市当局全体でしっかり目配りしながら格差是正策や貧困対策を適切に進めていただくことをお願いし,私からの質問とさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 28番 田中千幸君。     〔28番 田中千幸君 登壇〕(拍手) ◆28番(田中千幸君) 議長のお許しをいただきましたので,通告してあります自殺防止対策について質問させていただきます。 毎年3月は月別自殺者数が最も多いため,自殺対策強化月間となっています。今年はいつもの状況に加え,新型コロナの影響から様々な年代・職業の方に対して新たな懸念が高まっています。自殺者数は近年減少傾向にありましたが,2020年は一転し,前年比で908人増の2万1,077人と最新情報で報告されています。これはリーマンショック直後の2009年以来,11年ぶりのプラスとなってしまっています。そして,女性や小中高校生が多い点が特徴として表れており,男性は11年連続で減ったのですが,女性は7,025人で2年ぶりに増え,小中高校生も2019年比で約4割増の479人となっています。 こうした事態を受け,政府は経済的支援策のほか,第3次補正予算及び21年度の予算に地域自殺対策強化交付金を増額させて,地方自治体への支援を強化させています。愛知県にも交付されてくることと思います。本市においては2019年度から2023年度までの自殺対策計画が策定されており,9月の自殺予防週間と併せて心の悩みの相談先を周知する街頭啓発キャンペーンやパンフレット類の配布をはじめ,公共施設への啓発ブースやパネル展示などのほか,広報,ホームページやそこからリンクするこころの体温計などのツールで自殺予防に関する情報発信を行っていただいているところであります。 鬱症状などを早期に発見し,相談先へつなげていくさらなる取組が求められています。本市では様々な取組の一つとして,いち早く気づける人を増やすため,ゲートキーパーを養成する研修が行われています。そこで,これまでの研修参加人数とそのうちの市職員の人数についてお尋ねします。 また,緊急事態宣言が解除になったとはいえ,コロナ禍で人との接触を控える必要があるときですので,街頭啓発活動などができにくい状況にあります。この時期の周知方法の吟味が必要になってきます。神奈川県では,自殺などに関わる相談窓口の電話番号一覧をツイッター上の広告に掲載し,ツイッターで「死にたい」など自殺をほのめかすような語句を頻繁に投稿したり検索する人には相談を呼びかける画面が表示され,その画面をクリックするといじめや心の健康問題など,内容別の電話番号が表示されるといったことが行われていきます。国の21年度地域自殺対策強化交付金を原資にするということであります。若い世代にはこうしたSNSを活用した施策は届きやすいと思われますが,年配の方の中には電話で話すほうが便利と考えられる方も多いとの考えから,自殺者の多い深夜から早朝の時間帯にも受け付けをする体制をつくり上げ,24時間365日体制を構築した富山県の例もあります。コロナ禍における本市の相談や周知・啓発に対する取組をお伺いします。 また,子どもたちに関するショッキングなニュースも飛び込んできました。文部科学省は,2月15日,2020年に自殺した小中高校生が過去5年間で最多であるとの発表をしました。特に女子高校生が138人と2倍近くに増えており,小学生は前年6人から14人へ,中学生は96人から136人へとそれぞれ増えています。さらに国立成育医療研究センターが昨年11月から12月にインターネットで実施した調査では,心の状態をチェックする9項目の質問に高校生344人中の30%に中等度以上の鬱症状があり,中学生では110人の25%,小学生の261人の15%に症状が見られるというのです。 また,この自由記述欄には,「コロナになって悪口を言われたり差別されたりしている人がいる」や「コロナに縛られて自由がない」といった意見が相次いだといいます。調査に携わった半谷まゆみ医師は,長期間に及ぶコロナ禍のストレスで鬱症状が増えているのではないかと分析され,子どもはストレスを自覚し発散することが得意ではない,保護者は子どもに共感し,話を聞いてあげてほしいと訴えておられます。また一方,保護者約3,600人に対する調査でも,29%に鬱症状が確認されたとのこと。保護者の状態は子どもに影響を及ぼすという見解も示されています。 そこで,学校教育における気づき・早期発見の現状についてお伺いして,壇上からの1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,私からは,自殺防止対策についての小項目1及び小項目2の御質問にお答えをいたします。 初めに,ゲートキーパー養成講座につきましては,募集をした市民のほか,民生委員・児童委員,地域包括支援センターや市の職員などを対象に平成23年度から実施をしており,これまでに1,159人が受講をしております。そのうち市の職員は,保健師,社会福祉士などの専門職や生活や子どものことなどの悩みを聞く機会が多い所属の職員など,133人が受講をしております。 次に,コロナ禍での周知啓発活動でございますが,コロナ禍においては,感染への不安や自粛生活に伴うストレスなどにより,新たな悩みを抱える方の増加が懸念されるところであり,精神科医師や臨床心理士などによるメンタルヘルス相談の役割は大変重要なものと考えております。本市では,こうしたことから新たにオンラインを活用した相談も開始したところでありますが,対面での相談は言葉だけではなく,表情の変化などを直接見ながら対応できることやお伝えする内容を深く理解していただけるなど,メリットは大きいと考えております。対面での相談業務につきましては,今後も感染予防対策を十分に講じながら継続をしてまいります。 また,街頭での自殺防止キャンペーンは,昨年から新型コロナウイルスの影響により活動を控えておりますが,広報紙やホームページに相談窓口や支援情報を掲載するとともに,新たにストレスの予防,解消に役立つパンフレットを窓口や介護事業所などに設置し,啓発に一層努めているところでございます。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 私からは,小項目3,小中学校に於ける早期発見・対応の現状についての御質問にお答えをいたします。 学校では,子どもにとって最も身近な教職員である学級担任によるさりげないコミュニケーションや観察などを通して,子どもの様子の小さな変化に気づくことができるよう,日頃から子どもとの関わりを深め,不安や悩みの把握につながる子どもの理解に努めております。そのような中,教員が子どもの気持ちを受け止め,必要に応じてスクールカウンセラーなどの専門家や関係機関に相談するよう促し,解決につながるようにも努めております。また,問題の背景に家庭環境などがある場合は,福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーと連携して,訪問支援にも取り組んでいるところでございます。 さらに,令和2年度から全中学校で導入した匿名通報アプリを活用したインターネット上で24時間いじめ通報を受け付ける「スクールサイン」には,自死の相談が寄せられたこともあります。いじめ相談にとどまらない,場所や時間にとらわれず,匿名で悩み事も投稿できる「スクールサイン」の特性を生かすことで,相談窓口の拡充を図っております。 ○議長(友松孝雄君) 28番 田中千幸君。 ◆28番(田中千幸君) それぞれ御答弁をいただきました。 ゲートキーパー養成講座の受講者が今後も増えていくことに期待をいたします。学校現場でもいじめ対策の延長線上で匿名投稿の仕組みが盛り込まれ,心強い限りです。このような状況の中で,子どもたちと最も接する学校の中で新たにコロナ鬱の兆候に気づき,各種の相談機関につなげていくことが大変重要になってきます。 教育に関する評価報告書の課題,今後の方向性の欄に,次の記述があります。いじめの発見の多くは学校の教職員によるものであるが,それ以外からの情報により発見される場合もあることから,相談窓口や相談員の認知向上を図る必要があるというものです。この記述は今後も大変重要な視点であり,示唆に富んでいます。庁内の健康増進課をはじめ,障がい福祉,子ども政策,住宅政策,消防等々,学校教育課以外からの情報により速やかに各種相談機関につなげられ,的確なアドバイスへの体制が構築できると思われます。これは春日井市自殺対策計画にある春日井市自殺予防対策ネットワーク会議の構図そのものであります。ネットワーク会議の構図のままに,庁内を横断した実務者連携会議で情報交換・共有が行われることに期待をいたしますが,その状況についてお伺いして,2回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 2回目の御質問にお答えをいたします。 関係機関との連携についてですが,本市では,悩みや不安を抱える市民を早期に発見し,対応していくため,地域包括支援センターや自立支援相談機関,子育て世代包括支援センターなどとも相互に課題や対応困難事例を共有し,市民に寄り添った支援策の協議に努めているところでございます。 また,長期化する経済の低迷や災害・感染症の影響などにより,過労や生活困窮,いじめ,孤立など,様々な要因が自殺の背景に複雑に絡む場合も想定がされ,保健所や警察などが関わるケースが一層多くなるものと懸念をしております。 今後も自殺のサインを察知した場合に関係機関の連携がより速やかに図られるよう,必要に応じた協議を重ね,適切な支援につなげてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 16番 田口佳子君。     〔16番 田口佳子君 登壇〕(拍手) ◆16番(田口佳子君) 議長のお許しをいただきましたので,それぞれ質問をさせていただきます。 私は,平成30年3月議会で,生活困窮者の相談状況と自立支援につなげる着実な取組について質問をさせていただきました。そのときの答弁は,「相談者の置かれている状況及びその原因について丁寧に聞き取り,相談者の状況に応じた支援を行っています。生活困窮者を自立支援につなげる着実な取組については一定の基準を設け,より適切な支援につなげていきたい」といただきました。また,春日井市第六次総合計画においても,政策分野2健康・福祉の施策として,地域での支え合いの推進として,「生活困窮に至る前に必要な支援を行うとともに,生活困窮者の生活の安定と経済的な自立に向けて生活保護制度や生活困窮者自立支援制度の適切な運営を図ります」とあります。 コロナ禍による収入の減少や失業,求職活動の不調,心療内科への通院,頼る親族がいない,生活上の様々な悩みを抱えた困窮者のための相談窓口として,社会福祉協議会に委託している自立支援相談コーナーが本庁2階にあります。支援体制,運用ともに万全であり,コロナ禍においても困窮者自立支援制度は困窮者に寄り添い,誰一人置き去りにしない社会の実現に向けて稼働しているはずです。しかし,なぜ困窮者と支援が結びつかない事案が起こるのでしょうか。本市が社会福祉協議会へ生活困窮者自立支援の事業を委託して事業が完成するわけではありません。事業の目的が達成されて初めて事業が完成すると考えています。困窮者と支援を結ぶ適正な事業がなされているのか,検証が必要だと考えます。 そこで,大項目1,生活困窮者自立支援制度の活用と検証についてお伺いいたします。 生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化を内容とする生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律が,平成30年,31年に2段階に分けて施行されています。改正の主な概要は,自立相談支援事業等の利用勧奨の努力義務の創設,関係機関間の情報共有を行う会議体の設置,基本理念,定義の明確化,自立相談支援事業,就労準備支援事業,家計改善支援事業の一体的実施の促進,子どもの学習支援事業の強化,居住支援の強化などです。改正後の生活困窮者自立支援法と厚生労働省社会援護局長からの自治体宛ての制度マニュアルを何度も読み返しました。どこまでも困窮者に寄り添う支援制度が具体的に強化され,感動いたしました。 困窮制度による相談支援が機能するためには,様々な課題に対し,包括的に対応できる支援員の配置が重要です。改正法でも自治体の努力義務として,支援を適切に行うために必要な人員を配置するよう努めるものと規定しています。実施状況調査によりますと,人口30万人以上50万人未満の自治体では,自立支援事業の支援員は平均9.4人配置されています。本市は3人です。本庁2階に配置されている相談職員は,主任相談支援員1名,有資格者かつ実務従事者です。相談支援員2名は実務経験者です。相談窓口は多くの関係機関と連携するとともに,対象者に寄り添い,継続的な支援を行う業務を担っています。支援員の配置は適正かつ支援が適正に行われているのか,相談者の視点で検証は行われているのでしょうか。 生活困窮者の中には,失敗体験の積み重ねによる気力の減退,自尊感情や自己肯定感の低下,地域社会からの孤立に伴う情報の遮断,行政機関への心理的な抵抗感等により,自ら自立支援の窓口に出向き,相談や申請行為を行うことが困難な方も少なくないため,支援を必要とする人を相談窓口で待っているだけでなく,支援を個人に届ける観点,アウトリーチが重要です。事業の全部を委託した場合でも,実施主体は自治体であります。委託先の事業が効果的に事業の成果を上げていくためには,自治体と委託先が協働関係を構築して,自治体としての適切なバックアップやガバナンス,事業のモニタリングが不可欠です。事業がより効果的に運営されるよう,事業の効果の検証及び評価は重要だと考えます。現在,事業の効果の検証及び評価はどのように行っているのでしょうか。 小項目1としまして,社会福祉協議会に委託してからの自立支援相談コーナーで受けた相談件数,プラン件数,周知方法,アウトリーチ件数,あわせて自立支援事業の適正かつ効果的な実施の観点から,支援会議の現状についてお伺いいたします。 小項目2としまして,自立支援事業について関係課や関係機関との連携強化が必要と思われますが,連携により相談につながった件数と連携の現状についてお伺いいたします。 次に,大項目2,町内会の加入促進についてです。 この質問を取り上げるに至った経緯は,毎年いただく区・町内会役員の方からの切実な声です。主立ったものは,今年は町内会を脱退したい相談が多い,コロナ禍で行事ができなかったのをきっかけに複数人でやめてしまう,区画整理で新しい人も入ってきたが,意味を感じなければ若い人は見切りをつけるのも早い,お世話になってきた地域のことだから,今まで恩返しのつもりで役員も引き受けてきたが,年齢的にも限界です。組の人数が少なくなれば合併も考えなければいけないが,合併されるほうから組の面積が広くなることに懸念の声が上がっています。何か市で打開策はないでしょうか。私は,本市が取り組んでいることを説明いたしましたが,うなだれたままでした。つまり,町内会加入者の減少について,本市の提案はすばらしいのですが,誰がそれを実行するのかで足踏みされてしまいます。 そこで,小項目1としまして,本市における町内会の加入率の推移と現状をお伺いいたします。 次に,令和2年3月,町内会支援策の立案の参考にするために,本市が行ったウェブアンケートの結果が発表されました。ここで私が注目したのは,町内会に加入していない主立った理由が,町内会から勧誘されていない,加入の仕方が分からないです。そして,町内会を退会した理由には,役員が回ってくるためというのが主立った理由です。そして,これから町内会にどのようなことを期待するかについては,防犯活動など安心して暮らせる地域づくりなどです。これは自助共助,地域住民の協力が必要です。加入していない理由,退会した理由,期待することは,ともに町内会加入者のみで解決するには力量が追いつかないのではと考えます。 小項目の2といたしまして,アンケートの結果をどのように分析されたのかお伺いいたします。 小項目3といたしまして,アンケートから読み取れる課題解決のために,具体的に取り組まれた課題があればお伺いいたします。 次に,本市における町内会の加入促進をするために,協同労働という新たな仕組みが有用ではないかと考えます。協同労働とは,「みんなで力を合わせ,助け合い,支え合って共に働く」「みんなで出資し,みんなで働き,みんなで経営する」働き方です。これを法制化したものが,昨年12月,労働者協同組合法として成立いたしました。新たに法的根拠が与えられた労働者協同組合は,これまでの地域活動の主体とは違う可能性が期待されています。 広島市のホームページを見ますと,平成26年度から協同労働モデル事業が始まっています。現在は20近くの協同労働が誕生しています。それぞれの地域が抱えている課題,地域活性化や志を同じくする人々が,自ら出資して仕事を創造し,地域課題に取り組む,そして,同時に自らも事業に従事します。スタートから終わりまで,自らの意思が地域貢献事業として反映されます。設立には当局の許認可などは必要ありません。準則主義で簡単に設立できることも大きな特徴であり,今後の地域活動の有力なツールになり得ます。労働者協同組合が行う事業は,持続可能で活力ある社会の実現に資する事業であれば,基本的に自由に行うことができます。 今回の質問は,協同労働の制度について問うのではなく,今まで町内会の加入促進は町内会で取り組みましょう,地域のことは地域で,これが基本でした。任意団体ですが,町内会に求められる役割に,防災減災などの比重は重くなっています。本市が準備する災害物資や情報など,任意団体の町内会が機能すれば,災害時の町内状況確認や避難所生活等,過去の教訓を生かし,本市が求める災害に対応できる地域づくりにつながります。町内会の加入促進について,町内会の住民以外が取り組む選択肢として,既にあるNPOやボランティアという存在もありますが,私は,協同労働という取り組み方が本市には結果が出せる可能性が高いと考えました。本市における町内会の課題抽出や解決には期待できる制度かと思います。 小項目4といたしまして,町内会の加入促進の手法の一つとして,協同労働という仕組みの活用について御所見をお伺いいたします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,私からは,質問事項1,生活困窮者自立支援制度の活用と検証についての御質問にお答えをいたします。 初めに,相談件数等についてでございますが,自立相談支援事業における前年度の新規相談件数は184件で,そのうち支援プラン作成件数が68件,アウトリーチ件数が52件でございます。また,今年度は1月末時点におきまして,新規相談件数が527件,そのうち支援プラン作成件数が82件,アウトリーチ件数が44件でございます。 次に,周知方法につきましては,市内公共施設等に制度のチラシを設置するとともに,民生委員児童委員協議会や地域の高齢者,障がい者を支援する機関等に,生活困窮者に対する本事業の説明や窓口への案内をお願いしております。 支援会議につきましては,個別の支援ケースについて毎月庁内の関係部署と調整を行うほか,必要に応じてスクールソーシャルワーカーや医療機関をはじめとする外部機関と調整を行っております。 次に,連携強化についての御質問でございますが,関係機関等からの連携により相談につながった件数については,昨年度は3件,今年度は1月末時点におきまして19件でございます。関係機関との連携の現状につきましては,税や料金の支払いに来られた方や児童扶養手当の相談に来られた方などから生活に困窮している旨の話があった場合には,それぞれの窓口で相談に応じたり,自立支援相談コーナーへの案内を行っております。また,市社会福祉協議会におきまして生活福祉資金等貸付けの相談の際に,必要に応じて本事業への案内を行っております。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) それでは,私からは,大項目2,町内会の加入促進についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,町内会の現状についてですが,本市における町内会加入率は令和2年4月1日現在で58.5%であり,ここ数年は毎年1%ほど減少しております。町内会は安全・安心で住みよいまちづくりには欠かせない活動を行っていますが,世帯構成の変化,ライフスタイルや価値観の多種多様化などが進み,私たちの生活に密接に関わる町内会の活動に関心が低くなっているものと考えております。 次に,小項目2,アンケートの結果と分析についてですが,昨年度に実施しましたウェブアンケートでは,加入の仕方が分からない,町内会の活動内容が分からないといった意見がいまだに多く,これまでもチラシやポスター,春日井まつりなど多くの市民が集まるイベント,デジタルサイネージなど,様々な媒体を通じて啓発活動を実施してまいりました。さらに町内会活動に対する認識や加入に関する情報を積極的に周知していく必要があると考えております。 次に,小項目3,課題に対する取り組みについてですが,加入促進の取組といたしましては,今年度から市民課窓口で配布している加入呼びかけチラシにQRコードを活用し,市ホームページでの加入申込への誘導を行ったほか,町内会が配布する加入促進チラシを各町内会の活動をより具体的に掲載できる書式に改めるなど,加入や勧誘がしやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。今後も若い世代が多く集まるイベントなど,より多くの機会や媒体を通じまして,町内会の意義や活動を知り,関心を持っていただけるよう,積極的に働きかけてまいります。 次に,小項目4,協同労働という新たな仕組みの活用についてですが,市としましては,加入促進など地域課題に対する効果的な取組について調査研究をする中で,協同労働につきましても,地域の課題を解決する一つの手段として参考にさせていただきたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 16番 田口佳子君。 ◆16番(田口佳子君) それぞれ御答弁いただきました。 大項目1,生活困窮者自立支援制度の活用と検証について,小項目(1)自立支援事業の適正かつ効果的な実施について,2回目でございます。 相談件数とプラン件数の差が,令和元年と令和2年では倍以上に増えております。申請に至らず,面接相談のみの世帯及び申請が取下げや却下となった人は,生活保護の基準に満たなくても既に経済的に困窮し,最低限度の生活を維持することができなくなるおそれがあるため,生活困窮者自立支援制度の支援対象となります。支援プランを作成しないケースについてもしっかりと検証を行うことが,相談者を見守ることになります。支援員は相談スキルに何が必要なのか,足りなかったものはなかったのか,検証してこそスキルアップにつながると考えます。このようなケースを検証することについて,現状と今後どのように取り組まれるのか,御所見をお伺いいたします。 小項目(2)自立支援事業について関係課や関係機関との連携強化についての2回目でございます。 自立相談支援機関につながった実績がある庁内関係機関が多い自治体ほど,新規相談件数が多くなっています。関係機関からの連携を強化することにより,多くの自立相談支援機関の相談に結びつくものと考えられます。生活支援課から困窮状態がうかがわれる市民と接点のある課に積極的に情報提供を呼びかけるだけでなく,協力していただいた部署や件数,改善例など,具体的にフィードバックすることにより,お願い情報の一方通行ではなく,情報提供の結果が分かり,協力数が上がるのではないでしょうか。今後の連携強化の在り方について御所見をお伺いいたします。 次に,大項目2,町内会の加入促進については,現状として毎年1%ほど加入率が下がるということは,10年以内に加入率は50%を切ることになります。本市が取り組んでいる加入促進は評価いたします。しかし,課題に対する取組には,マイノリティーな人たち,生活困窮者,独り親世帯,学生,単身赴任者,外国人労働者などは含まれていないのではないかと考えます。町内会未加入の20代子育てママに聞いてみました。どうしたら町内会に加入されますか。町内会関係者に入ってほしいとお願いされたら,目の前の人にノーとは言えません。入ります。マイノリティーな人たちを含め,本市の取組を届ける人が必要だと思います。 地域が抱えている課題,地域活性化や志を同じくする人々が自ら出資して仕事を創造し,地域課題に取り組む,そして同時に自らも事業に従事します。スタートから終わりまで,自らの意思が地域貢献事業として反映されます。協同労働という新たな取組が,市民の皆様の行動変容になるかもしれません。本市の先見性に御期待申し上げ,大項目2,町内会の加入促進についての質問は終わります。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,質問事項1の2回目の御質問にお答えをいたします。 初めに,検証の現状と今後でございますが,支援プランを作成しないケースにおきましては,現在,事業の受託者である市社会福祉協議会が検証し,市へその件数を報告しているところでございます。生活困窮の原因は,就労状況の変化だけではなく,心身の状態や家庭環境等様々であり,また,それらの問題が複合している場合も多く見られるようになっております。より効果的な検証を行っていくために,今後はそれぞれのケースに応じて市職員による指導,助言を行い,相談員のスキルアップにもつなげてまいります。 次に,関係機関等との連携についての御質問でございますが,連携強化につきましては,生活困窮者を取り巻く複雑化,複合化した課題に対して適切な支援を行うためにも,それぞれの専門知識を有する機関と常に情報共有を図り,協議することが極めて大切でございます。他市町村の先進的な取組も参考にしながら,さらなる連携強化に向けた調査研究を行ってまいります。 ○議長(友松孝雄君) 16番 田口佳子君。 ◆16番(田口佳子君) 御答弁いただきました。 今回の生活困窮者自立支援制度の活用と検証について質問するにあたり,他市の事例調査をはじめ,当局の皆様,相談者の方々から何度も聞き取りをさせていただきました。職務を全うする職員の皆様には,改めて敬意を表するものです。さきに行われました市政方針におきまして,各分野の相談支援機関の連携を強化した包括的な支援体制,重層的支援体制の構築を検討するとありました。今回質問で取り上げました当局と委託先である社会福祉協議会の連携強化や,関係課と関係機関との連携強化もその一部であると考えます。生活困窮者自立支援制度が市民のセーフティーネットとして効果を上げることを御期待申し上げ,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 15番 伊藤杏奈君。     〔15番 伊藤杏奈君 登壇〕(拍手) ◆15番(伊藤杏奈君) 議長より発言の許可をいただきましたので,通告に従い,中学校の学校選択制について質問をいたします。 現在の春日井市は,居住地によって教育委員会が学校を指定する学区制となっています。全国的に最も一般的なもので,就学指定される学校は基本的に自宅から近い学校となりますが,行政区分の兼ね合い等で必ずしも近い学校とは限りません。今回質問いたします学校選択制とは,学校を自由に選べる制度で,教育委員会があらかじめ保護者の意見を聴取し,その意見を踏まえて就学する学校を指定するものです。ただし,自由に選べるといっても,自由選択制,ブロック選択制,隣接区域選択制,特認校制,特定地域選択制と,主に5つのタイプがあります。今回は,この中の特認校制について質問をいたします。 まず,この学校選択制ですが,平成9年1月に当時の文部省(現在の文部科学省)が,「通学区域制度の弾力的運用について」を各教育委員会に通知し,就学校指定に係る制度の運用に際しては,地域の実情や保護者の意向に十分配慮し,児童生徒の具体的な事情に応じた対応を行うこととしました。また,通学区域制度の運用に関する事例集を作成し,同年9月に第1集として全国の市町村教育委員会に送付されました。その後,平成12年7月には第2集,平成14年3月には第3集を送付するなど,就学校指定に係る制度の運用に当たって各市町村教育委員会へ創意工夫を求められてきました。 さらに,平成15年3月31日に学校教育法施行規則の一部改正に伴い,市町村教育委員会が就学すべき小学校または中学校を指定するにあたって,あらかじめ保護者の意見を聴取することができることを明確化し,その場合,意見の聴取の手続に関して必要な事項を市町村教育委員会が定め,公表するものとしました。また,市町村教育委員会が指定した就学校に対する保護者の申立てに基づき,市町村教育委員会が就学校指定校を変更する際の要件及び手続に関し,必要な事項を定め,公表するものといたしました。 このような取組の結果,学校選択制については,平成16年11月現在,小学校8.8%,中学校11.1%の自治体で導入されるなど,各市町村教育委員会での創意工夫が見られるようになってきました。しかしながら,近年では学校選択制を廃止するという動きも出てまいりました。調べてみますと,近年は小中9年間の学びの連携を進める小中一貫校の取組が進んでおり,学びの系統性,連続性が保たれないということや学校規模の偏りなどが廃止の理由とのことでした。小中一貫の特色である9年間の学びの連続性が保たれなくなってしまうというのが廃止の理由となるのは,納得の理由ではありますので,学校選択制の見直しや廃止がされるというのも時代の流れであると考えます。 それでは,現在の春日井市には適切なのかというところですが,春日井市は現在のところ小中一貫校は存在しませんし,市内に15校学校があり,それぞれ学校の特色を出しております。地域の特性や各学校でこれまで培われてきた歴史などがあります。勉強として学ぶものは同じでも,学ぶ場所や環境,そのほかにも地域の特性や住んでいる方々の考え方など,各学校それぞれ違う色を持っていると私は感じております。そして,春日井は人口密度も様々で,大規模校もあれば小規模校も存在しております。どこの学校がよい悪いというのではなく,単純に個々様々な学校が存在しているということです。だからこそ,今たまたま住んでいる地域だけに固定されるのではなく,自分に合った学校を選び,通いたいと思える学校に通ってもらうことが,これからの時代には必要ではないかと考えます。 そこで,小項目1の質問として,現在春日井市が認めている校区外通学,区域外就学について,毎年どれぐらいの申請があるのか,また,その他特別な事情があると教育委員会が認めるときとありますが,どういった事例が認められてきたのかをお伺いいたします。 小項目2です。 文部科学省から市町村教育委員会で柔軟に対応するようにと通達を受けて,東京都や大阪,そして愛知でも,様々な理由の学校選択制を認めている自治体があります。例えば松山市では,隣接校選択制及び全市域選択制により,市教育委員会が指定した学校以外の学校を選択できるようにしており,市教育委員会が推進する開かれた特色ある学校づくりにつながることを目的としています。 平成24年に内閣府が行った「小・中学校における学校選択制の実施状況について」によると,導入効果についてのアンケートでは,「子供が自分の個性に合った学校で学ぶことができるようになった」が49.2%,「保護者の学校教育への関心が高まった」が36.2%,「選択や評価を通じて特色ある学校づくりが推進できた」が32.7%の回答でした。また,保護者の反応についてですが,同じく内閣府が行った学校教育に関する保護者アンケートによりますと,50%を超える保護者が学校選択制の導入に「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答しております。さらに,学校選択制を利用したり検討したことのある保護者の半数以上が「非常によかった」「よかった」と回答しており,「よくなかった」という回答は5%程度でした。しかし,学校選択制を導入していない教育委員会が多数であり,先ほどのアンケートの中で,学校選択制を導入しない理由については,「学校と地域の連携が希薄になるおそれがある」が74.3%,「通学距離が長くなり,安全の確保が難しくなる」が61.4%,「入学者が大幅に減少し,適正な学校規模を維持できなくなる学校が生じるおそれがある」が57.3%でした。導入した教育委員会や利用した保護者にはかなり評価が高い学校選択制ですが,実施するには大きな問題が幾つもあるということが分かる結果でした。 そこで,小項目2の1回目の質問として,学校選択制等就学校指定に係る制度の弾力化について,春日井市教育委員会ではどのように検討されてきたのか,また,教育委員会の定例会議等で議論された経緯があるのか,もしあるのであればどういった議論があったのかをお伺いし,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,中学校の学校選択制についての御質問に順次お答えをいたします。 校区外通学の状況につきましては,過去5年間において校区外・区域外通学許可の人数は,平成28年度が校区外204人,区域外109人,平成29年度が校区外175人,区域外122人,平成30年度が校区外187人,区域外116人,令和元年度が校区外182人,区域外95人,令和2年度1月末の校区外100人,区域外84人でございます。また,その他の事情で許可した具体事例としましては,区・町内会・子ども会の属する校区の学校に就学を希望するもの,両親の離婚等により転居したが,精神的に不安定な状態のため,引き続き従前の学校に通学するものなどがあります。 また,小項目2の校区外通学許可基準の見直しについてであります。 この見直しについてでございますけれども,過去10年間許可基準の見直しをしておりませんが,新藤山台小学校への統廃合に向けて準備しておりました平成25年度に,地元から要望があった旧西藤山台小学校の校区の一部地域において通学する学校を選択できる運用を行うなど,状況に応じた検討を市教育委員会で行っておりました。 ○議長(友松孝雄君) 15番 伊藤杏奈君。 ◆15番(伊藤杏奈君) それぞれ御回答いただきありがとうございました。 小項目1についてです。 校区外,区域外を合わせた人数ですと,平成28年が313人,平成29年が297人,平成30年が303人,令和元年が277人,令和2年が184人いらっしゃるということが分かりました。毎年約2,800人が中学校へ進学しておりますが,何らかの事情により指定校以外の学校に就学しているということが分かりました。また,その他の事例ですが,区・町内会・子ども会に属する校区の学校に就学を希望するとありましたが,そういった地域があるということや声があるということが分かりました。ということは,やはり文部科学省が示したとおり,学校選択制等就学指定に係る弾力化については,必要であるということが分かりました。 小項目2です。 過去10年間許可基準の見直しはされていないということでした。文部省が通知をしてから24年ほど経過している中で,過去10年は定例会議等,議論がされていないということに少し驚きました。定例会議ではなかっただけで,教育委員会内では検討する機会があったのかどうか分かりませんが,近年は学校選択制の廃止の動き等もある状況でしたので,見直すチャンスがあったのではないかなと想像します。今回の件に限らずですが,今教育に関しては制度や法律がどんどん変わっており,変わりゆくことへの対応に精いっぱいであり,御苦労されていることということは大変理解するところであります。そんな中で,これまでの検討事項も併せて追い続けていくというのは,非常に労力がかかるということだとは思いますが,節目を立てて引き続き状況を追っていただくことが大切であると思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 初めの通達から24年がたち,この20年間というのは,子どもたちを取り巻く環境や人口,学校の在り方など,目まぐるしく変化しております。以前では考えられなかったことが,今ではやらなければいけないということも多くあります。 その中の一つとして,中学校の部活についてです。以前はほとんどの児童生徒は部活動に所属し,平日は朝練から始まり,土日祝日も部活があり,中学校生活イコール部活動という時代もありましたが,今は部活動そのものの在り方について様々な議論がされており,春日井市でも検討委員会を発足し,今後について検討されていかれるというのはさきの市政方針の中でも示されましたが,今考えなければいけないのは,児童生徒の減少により,各学校,部活動数が減ってしまったことにより,本来取り組みたいと思っていた部活動が指定校にはなく,学ぶことができないという問題です。部活動ではなく,クラブチームで取組をするという選択肢もありますが,家庭の経済的都合により,諦めざるを得ないという御家庭が現実にあります。子どもが学びたいと思っているのに学ぶことができないというのはとても悲しいことですし,教育の平等という観点からもあってはならないことではないでしょうか。 そして,もう一つ私が問題視しているのは,学校によって規模が大きく違う小規模校と大規模校です。春日井市の人口分布を見てお分かりのとおり,子どもが多い地域はマンモス的に多く,来年度は愛知県内で児童数が一番多くなる学校が市内に存在しております。さきの議員からも指摘がありましたが,人口の偏りによる弊害が子どもたちの教育へのしかかっております。本来であれば就学区域の見直しをしなければいけない時期が来ているのかとも考えますが,しかしながら,学区を見直すとなると,地域との合意形成など非常に大変であるということは先ほどお伺いいたしました。であれば,今できることを考えますと,学校選択制ではないかと思います。 人口減少が叫ばれている日本では,過疎化が進み,そのため子どもの数が減ることから,学校の閉鎖や統合,過小規模校について問題視されてきておりますが,反対に開発が進む地域に子どもが集中してしまい,この時代でマンモス校というものが存在しております。この過大規模校では,どうしても先生が子どもにかける時間が減ってしまうこと,そして人間関係が多様になり,集団になじめず不登校になってしまう子どもたちがおります。 また,学力に関して通知表の評価は絶対評価制とはなりましたが,マンモス校は中間成績の子どもが多くなってしまうため,本当の評価が見えにくいという話を聞きます。これをデータで示すのは非常に難しく,議論をしたくてもなかなかできず,感じ方や捉え方の問題とも言われたりしますが,民間の学習塾などでは,マンモス校じゃなければもっとよい成績が取れ,上の学力の高校を選択できるという評価を子どもたちに伝えているところがあると聞きます。 もちろん過大規模校にもメリットはありますが,ここではあえてデメリットに注目し,どう解決すべきかを考えていただきたいと思います。人それぞれ個性がありますので,大人数で学ぶことが苦手な子ども,多くの中では実力がうまく発揮できない子ども,いろんな子どもがいます。義務教育課程の3年間不登校にならず,子どもたちがより通いやすい学校を選び,学びの場を提供することも,子育て支援の一つではないでしょうか。 そこで,小項目2の2回目の質問です。 部活動での選択肢,過大規模校区外の選択など,特認校制を導入する考えがないかをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の御質問にお答えをいたします。 部活動を要因とした校区外通学につきましては,特定の部活動に対して過熱化が懸念されることから,現時点では部活動の要件を加える予定はございません。 また,過大規模校には交友関係の広がり,社会性の養成,集団による多様な活動など多くのメリットがあると考えておりますが,活躍できる機会が少ないデメリットを感じる子どもにとっては,就学校を選択できる特認校制度,学校選択制度でございますが,解決の一つの手段と考えられますので,今後調査研究する必要がございます。 一方で,小中学校に通う児童生徒は,日常生活をしている場,いわゆる地域があってこそ育っていくものと考えております。そうした考えの下,本市が目指す教育は,「教育大綱」では,家庭,地域,学校がそれぞれの役割を担って,「みんなで育み,みんなが輝く」を理念としております。その理念を大事にしつつ,校区外通学の基準の見直しについては,今後も研究するとともに運用について検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 15番 伊藤杏奈君。 ◆15番(伊藤杏奈君) 御回答ありがとうございました。 特認校制の導入については,調査研究をされるとのことでした。 また,過大規模校のメリットもお話しをいただきましたが,私はあえてデメリットについて考えていただきたく,お話をさせていただきました。このデメリットについては,子どもや保護者だけではなく,教員や教室,体育館などの場所にも影響があり,新学習指導要領を実施するにあたっての課題として文部科学省が行った全教育委員会アンケートでは,「学級数が多いため外部人材の確保が困難」や「行事や体験的活動における計画や準備,一人一人の活動の場,時間の確保が困難」と挙げられております。人口減少による過小規模校ばかり話題に上げられますが,私はそれだけではなく,過大規模校を有する地域がある春日井だからこそ,両方に目を向けなければいけないと思います。 今回は部活動と過大規模校についての特認校制について提案いたしましたが,そのほかにも,小規模校への特認校制や隣接する区域内へ就学する隣接区域選択制,市内全ての学校を選べる自由選択制など,様々あります。なぜ学校選択制が必要なのか,御提案申し上げているのはとてもシンプルで,3年間通い続けてもらう必要があること,そして中学校に興味を持ってもらい,自分に合う環境の学校を探し,そこで学びたいという意欲をつくってもらうことです。そしてその思いをできるだけ可能な限り優先してあげるということが,私たち大人,そして行政のやるべきことではないかと思います。 私の学生時代では,選択ができるなんて想像もしない世界でしたが,今は時代が変わっております。大人の言うとおりに動く子どもを育てるのではなく,子どもが自らの権利で主体的に考えることができる人を育てていかなければならない時代です。4月からは本格的に新学習指導要領が実施され,これまでと違う評価や学びとなっていきます。 そこで,最後に教育長にお伺いいたします。 質問いたしました学校選択制をはじめ,子どもたちに自分に合った学びの場を整えてあげること,そして,今後市内の子どもたちに対してどんな学びを用意してあげるべきだと考えられているかお伺いし,私の一般質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 教育長 水田博和君。 ◎教育長(水田博和君) 学校では単に教科等の知識や技能を習得させるだけでなく,児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ,認め合い,協力し合い,切磋琢磨することを通じて思考力や表現力,判断力,問題解決力などを育み,社会性や規範意識を身につけさせることが重要であり,適正な規模の児童生徒集団が確保されることが望ましいと考えています。 また,学校教育は地域の未来の担い手である子どもたちを育む営みであり,まちづくりの在り方と密接不可分であるという性質も持っており,保護者や地域住民の理解と協力が必要となります。過大規模校や過小規模校につきましては課題もありますが,現在,各校はそれぞれが特色ある教育活動を行っており,地域の支援や協力もいただいております。教育委員会といたしましては,学校選択制などにつきまして,さきに答弁しましたとおり,慎重に調査研究を進めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) この際,暫時休憩いたします。                    午後2時47分 休憩-----------------------------------                    午後3時 再開 ○議長(友松孝雄君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。18番 加藤貴章君。     〔18番 加藤貴章君 登壇〕 ◆18番(加藤貴章君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い質問をさせていただきます。 区・町内会・自治会活動について。 春日井市内には549の区・町内会組織があり,日々地域で発生する生活上の問題を解決していこうと地域ごとに組織がつくられ,住民が協力し,活動を通して地域環境を良好にすることにつながっております。どのような活動をしていくか,どのような運営ルールがあるかは各区・町内会によっても異なり,全てが任意団体で,対象地域に居住しているとしても加入義務はなく,加入するも脱退するも居住者の選択次第となります。 区・町内会では,地域ごとに開催される親睦行事やお祭りなどを通して,住民同士がお互いによく知り,交流を深める行事も行われていたり,その活動内容は地域によっても様々です。町内会に入ることで近隣の人々と関わりを持つ機会が増え,豊かな交友関係も築くことができたり,いざというときは助け合うことも町内会参加のメリットとなります。また,火災や地震の発生時を想定した避難訓練や防災のための日頃の備えを情報として共有しておくことや,防犯パトロールによる犯罪抑止など,もしものときの備えと生活をしていく上での安心感にもつながっております。 町内会を通じて,地域を構成する全ての住人の意思を反映するものとして,市役所または関係機関との連絡調整役を担っております。近年,人々の意識や生活スタイルの多様化や高齢化から,町内会活動の継続が難しく,脱退する方や町内会への未加入世帯の増加など,町内会離れが問題となってきています。賃貸居住ではそのエリアに長く住むつもりはない可能性が高く,一人で気楽に暮らしたいという方も多く,活動そのものをデメリットに感じる方も多く,呼びかけに全く反応をしないといった方も見えます。また,若い世代の中には,ふだん平日は仕事で帰りが遅く,土日は家族で出かけており,町内会の必要性を感じてみえないなど,世代間格差も問題視されております。 春日井市内の区・町内会・自治会の総数は,3年前の時点では562団体,加入率62.3%でしたが,13団体の解散,または統合され,現在は549団体となり,加入率58.5%と年々減少傾向にあります。先ほども報告がされましたが,毎年1%ずつ減少している現状となっております。地域によっては解散して町内会がない地域もあれば,低いところでは3割程度の加入率での町内会運営を行っている地域もあります。加入者が減少することは,町内会の役割に対する個人の負担も増加することにもなっています。 これまで市としても様々な形で町内会へ助成を行ってきております。基本的には加入世帯数に600円を掛けた金額を地域ごとに助成しており,そのほか防犯灯や防犯カメラ設置,電気代補助,多世代間の交流事業への補助,防災関係など,地域ごとに財政面の支援も進められております。町内会活動は,住民同士が意見を交わし,膝を突き合わせて当事者として考えることで,より地域に関心が持てたり,地域の連帯感につながっている面もあります。しかしながら,多くの地域で町内会離れが見られます。高齢となり活動ができない方や未就学児を抱える家庭で活動が難しいなどの問題,そして役員のなり手不足などの問題が毎年上がっています。 また,今年度に関しては,新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から,地域で行う祭りや行事の中止,また役員会や総会などの人が集まる機会を減らして実施がされております。今後も地域の行事を減らしていくといった,これまでの地域の町内会活動を根底から考え直す意見も出ている地域もあります。地域の実情とこれまでの活動をよく熟知し,よく話し合い,決めていく内容ではありますが,議論の長期化,せっかく長年築き上げてきた活動が振出しに戻ったりすることもあります。 町内会活動は地域の実情に合わせた地域の皆さんでつくり上げられている団体でありますが,町内会組織でも抱える顕在化する課題に対して,行政として弊害にならない形でサポートしていくことも必要となっていると感じております。これまで行政として区・町内会・自治会しおりを配布して,町内会活動に役立てられておりますが,各地域によって抱える課題に対し,より円滑な運営,町内会維持のためにも,さらなる地域への運営面の支援も必要になってきていると感じております。 質問として,町内会活動に対する地域への支援について伺います。 続いて,(2)負担軽減について。 区・町内会活動は,それぞれ地域によって高齢化が進んでいる地域もあれば,比較的若い世代で構成されている地域,また,世帯数が500を超える町内会もあれば,10世帯ほどで構成されている町内会もあります。そして運営面では,祭りや地域行事が盛んなところもあれば,全く行事がなかったりと,町内会によって活動はそれぞれ違いがあります。役員については60歳以上と決めている地域もあれば,比較的新しく住んでいる方に役員になってもらう地域,また,選定方法はくじ引で役員を全て決める地域もあれば,前任者からの推薦による決定,その他町内規約も数項目決めている地域もあれば,できるだけ規約で縛るものではないという町内会もあり,様々です。町内会ごとに比較してみても天と地ほどの差があり,事情も様々ではあります。 役員の実務としては,事業計画や予算検討,役職の選定や会則を改訂,事業報告や決算報告,また,町内から上げられる道路や公園や樹木などの要望に対し現地確認,要望書の作成,その他補助金の申請を取りまとめる仕事があります。多いところでは月2回班長・役員会が開かれ,会議が長時間化されている町内会も見られます。その他,回覧板や募金の集金,広報の配布,朝の挨拶活動などの町内業務,そして破損したネットの交換や手続の内容の確認に市役所に足を運んでいただいたりもしています。 役員も毎年替わり,各町内会の事情も違えば,悩み,課題も多岐にわたります。町内会活動において御苦労も多く,できる限り効率化も必要と考えますが,町内会役員の負担軽減についてどのようにお考えかお伺いいたします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) それでは,区・町内会・自治会活動についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,地域への支援についてですが,町内会等に対する運営面での支援につきましては,各種補助金による財政的な支援のほか,活動の手引となる冊子やよくある質問や地域の事例をまとめた「Q&A活動事例集」による情報発信や職員による細やかな助言などを行っております。また,役員交代の時期に合わせ,地域課題の整理や活動継続の手法を学ぶ「地域をささえる人づくり講座」を開催しております。 今後も町内会などの安定した運営のため,財政的支援はもとより,参考となる情報を積極的に収集,発信するとともに,地域の実情に寄り添った支援に取り組んでまいります。 次に,小項目2,負担軽減についてですが,町内会役員の負担軽減につきましては,今年度より一部の補助金申請書類の配布時に返信用封筒を添付し,市役所まで持参していただく必要がないようにいたしました。また,さきにお答えした手引には,役員交代時の引継方法の例示や運営上必要となる事業計画や予算,決算などの書式を例示し,実務面での負担軽減を図るとともに,相談があった際には他団体の事例を紹介し,必要に応じて仲介するなど,町内会の運営が円滑に行われるよう支援に努めているところでございます。 今後もこれらの取組を継続するとともに,役員の方の負担軽減につながるよう,区長町内会長連合会の意見を伺いながら,他市の事例なども参考に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 18番 加藤貴章君。 ◆18番(加藤貴章君) 御答弁いただきました。 今後も町内会ごとの課題を抽出し,よりQ&Aや事例集も更新し,引き続き情報発信をしていただきたいと思います。 世の中の流れとして,新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から,ウイルスへの対応として社会全体でテレワークの導入も進められ,国内で2割以上の企業が何らかの形で取り入れており,実施企業のアンケートでは8割以上の方が肯定的に感じておみえです。そして,今国会で審議されているデジタル改革関連法案の中でも,世界に遜色のないデジタル社会の実現という方向性を示し,デジタル機器に不慣れな人が利用方法を学ぶことができる環境整備も進めるとされております。 今後はIT情報通信機器を使い,自宅にいながら効率よく実務をこなしていくことがより身近になっていくことが考えられます。市民の中でもごく当たり前にIT情報通信機器を活用している方も増えている点や,情報伝達手段の発達からも,町内会活動においても書面,押印の代替や,回覧板の伝達方法をメーリングやLINEなどを利用するなども取り入れていくことが必要になってきていると感じております。しかしながら,御高齢の方や通信機器を持ち合わせていない方など,地域によって導入が難しいところもあると思います。 市内の一部の町内会では,LINEや町内会ホームページを作成し,活用しており,よかった点としては,これまで回覧板では御夫婦どちらかにしか伝わっていなかったことも,より多くの方に伝達できていることも報告されております。今後の各区・町内会運営においても,ほかでの取組の周知,効率的なシステム構築を進めていってほしいと感じます。メーリングやLINE,ホームページなど,情報伝達方法や業務の簡素化,その他ITを生かした負担軽減についてのお考えについて御質問いたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) それでは,小項目2の2回目の御質問にお答えします。 町内会におけるITの活用につきましては,既に独自でホームページを立ち上げている団体もあり,また,回覧板の電子化を検討している町内会もあると伺っております。市としましても,ITを活用した運営の効率化など,町内会役員の負担軽減を図る一つの手段になると考えられますので,地域の実情に合わせた形で活用できるよう,今後も様々な事例の収集,発信に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 18番 加藤貴章君。 ◆18番(加藤貴章君) 御答弁いただきました。 町内会活動は,それぞれの地域の住民の皆さんで話し合い,運営していくものでありますが,横並びで住民の皆さん一人一人の意見が尊重されることでまとまらなく,現状維持となることも多々あります。行政としても各町内の意見を尊重しつつ,先導的な役割として町内会活動を支援するプラットフォームを整えていっていただきたく思います。それぞれ実情は違いますが,若い方から高齢の方まで自分の住む地域の過去の歩みと町内会の活動,取組を手軽に知れる場所が必要であると感じております。 地域ごとのホームページによる情報伝達により,これまで培ってきた行事や活動,取組,地域の課題を皆さんがよく知る機会にもなりますし,町内会活動の見える化にもつながり,地域連携にも役立てられるのではないかと感じております。町内会ごとの伝達システムの構築やホームページなど,プラットフォームの整備,そして募金など町内会の役割の整理,そしてより充実した事例集やQ&Aなど,町内会活動に対してさらなる支援をお願いし,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。     〔26番 伊藤建治君 登壇〕(拍手) ◆26番(伊藤建治君) 議長の許しがございましたので,通告に従い,一般質問を行います。 最初の質問事項は,学校へ行けない子どもたちへの支援についてです。 既に委員会の質疑でもやり取りがあり,答弁された内容も含みますが,確認の意味も含め,質問いたしますのでよろしくお願いいたします。 12月議会の一般質問で,昨年4月からスタートした登校支援室は,設置した3校では不登校の発生率が下がっており,成果が出ているとのことでした。今年度1年運営した登校支援室は,それぞれ運営方式や考え方が違うとお聞きしています。それぞれどのような特色を持たせたのか,運営方式や考え方の違いによって成果が異なっていたのか,あるいは同じだったのか,詳細をお尋ねいたします。 前回の答弁どおり,今予算案においてはさらに3校を追加して設置するとのことです。委員会の答弁では,知多,松原,南城の3中学校に設置とのことです。選定理由は不登校者数が多いからとのことですが,学校ごとの不登校者数に大きなばらつきはないのではないかとも思います。不登校者数の偏差について状況をお尋ねいたします。 続いての質問事項,亜炭竪坑跡地質調査報告書についてです。 亜炭坑についての質問はこれまで何度もしておりますが,今回の質問は亜炭坑対策についての質問ではございません。市が管理する亜炭坑に関する資料について,ミステリー事件のような出来事がございましたので,その詳細をつまびらかにし,今後このような問題が起きないようにしっかりとした管理を求めるものです。 私は,2011年3月議会の一般質問で次の内容の質問をしました。春日井市が1975年,昭和50年から10年かけて実施した亜炭坑の調査や空洞の充填工事の内容について,そしてそれに関する報告書や資料は,30年の保存年限を超えて保管管理をすることを求める質問です。答弁は,「亜炭坑の工事や調査に関する重要な資料につきましては,今後も必要と思われるものは整理・調査するとともに,保存期間を延長し,大切に保管してまいりたいと考えております」というものでした。 その際,当局において保存資料の調査が実施され,貴重な調査資料が複数見つかりました。いずれも春日井市の亜炭坑の状況や春日井市が行った対策工事の内容を記載した極めて重要な資料であります。2011年9月議会では,情報公開については,「開示の申出があれば,現在の条例に準じ判断する」との答弁がありました。 その資料の一つに,1976年(昭和51年)度に実施した亜炭竪坑跡地質調査報告書がございます。これは不二ガ丘で行った調査についての報告書です。不二ガ丘地内の3地点において,ボーリング調査や地面に振動を与えてその伝わり方で地下の状態を計測する弾性波探査試験を実施したものです。調査結果を基に,当該地の地盤の概要と亜炭坑の空洞の状況,そしてそれがどのような危険性を有しているかを考察されています。 坑道(横坑)の状態についての記載を抜粋します。「調査地点のうち2か所は地上から7から8メートルの深さ,もう一か所は12から14メートルの深さ,坑道の空洞の高さは0.3メートルから1.8メートルとばらばらで,1から1.2メートルのところが多いが,これはもともと1.8メートルほどあった空洞が圧縮されて小さくなったと考えられる。一部坑道の高さが3.3メートルになっているところがあるが,坑頂部の落盤によるものと考えられる」などの調査結果が記されています。また,住民や元採炭夫(作業員のこと)の方への聞き取りをした内容も記されています。 これらの調査結果に基づく考察の記載を抜粋いたします。「本地点の竪坑は陥没の前歴があることや,弾性派の走時異常,ボーリングで確認された坑内状態,およびPS検層によるS派速度からみて,坑内埋戻し状態はかなり不良であり,危険な状態にあると言える」「142-2番地付近の坑道内に存在する高さ3.3メートルの空洞が問題であり,空洞上部は亀裂が発達していることから,崩壊が漸次上部に波及してゆく恐れが充分考えられる」と,危険性についてもかなり具体的に記載されています。 不二ガ丘では,その後,1984年(昭和59年)に重力調査を実施していますが,昭和51年度のような調査はしておらず,今現在においてもこの報告書が最新のものであり,極めて重要な資料です。この資料について,昨年の年末,市民の方から次のような問い合わせをいただきました。以前,情報公開請求をして,亜炭鉱の調査資料を取り寄せたが,不可解な記載があるというものです。確認しますと,今紹介しました昭和51年度,調査報告書は昭和52年に出されておりますけれども,亜炭竪坑跡地質調査報告書の記載の中に複数の書き加えがなされていました。この資料が出てきた2011年に私はその資料の写しを頂いており,それにはそのような書き加えはなされていません。 報告書は,手書きで書かれたものをブループリント(青刷り)という当時のコピー機で焼いて製本されたものです。これに一部一本線や二重線で文字を消し,その上に別の文章を書くという方法で修正がなされていました。その修正が日本語の修正程度ならよいのですが,内容を大きく変えるものでしたので大変驚きました。先ほど紹介した「危険な状態である」とした部分は二重線で消されており,「良好とは言えない」と書き変えられていました。「崩壊が漸次上部に波及してゆく恐れが充分考えられる」という部分は,先ほど紹介した記載の全てが一本線で消され,「ただちに浅所陥没を引き起こすとは考えられない」と書かれていました。つまり,結論が180度異なるものになっていたのです。これは誰が,いつ,どういう意図で書き加えたものかお尋ねいたします。これが(1)です。 この報告書は,先ほど紹介したように公文書として取り扱われ,情報公開の対象になっています。現在春日井市内でも実施されているJR東海のリニア中央新幹線の工事に当たって実施された環境影響評価における当該地の亜炭鉱に関する調査は,まさにこの資料に基づき結論づけられたものです。環境影響評価の信憑性にまで及ぶ可能性があります。JR東海にはどの状態の資料を提供したのか,加筆修正されたものかそうでないものか,お答え願います。また,この資料について情報公開請求はこれまで何件あったのか,それに対してどのような資料を公開したのか,詳細をお尋ねいたします。ここまでが(2)です。 亜炭竪坑跡地質調査報告書への加筆修正がどのようになされたものであれ,貴重な公文書の取扱いに問題があったとしか言えません。「大切に保管する」と答弁されたことが,全く守られていなかったわけです。貴重なこの資料の管理がどのようにされていたのかお尋ねします。これが(3)です。 続いての質問事項,多頭飼育崩壊の対応についてです。 昨年12月に,議会棟に相談があるといって来訪された方がおり,お聞きいたしますと,賃貸マンションで猫の多頭飼育崩壊になっていて,助けてほしいということでした。1年前に会社の倒産で職がなくなり,経済的に苦しい中で,飼っていた猫が繁殖して何ともならなくなった。猫の数も20頭ぐらいはいると思うが,数えられない。どうしたらよいかという内容です。 私は,2019年の6月議会の一般質問で,多頭飼育崩壊の相談についてお聞きしています。そのときの答弁は,愛知県動物保護管理センターを紹介するとのことでした。ここは現在,愛知県動物愛護センターに名称を変えています。私が一宮市にある動物愛護センター尾張支所の場所と連絡先をお伝えしたところ,その方は,そこにはもう相談したとおっしゃられました。そして,今はスマートフォンで何でも調べられるので,支援してくれる方を自分で見つけて何とかしなさいと言われたとのことでした。とても行政の専門機関の対応とは思えません。ともかく,ほかに相談できる場もなく,私のところに来られたわけです。 私は,春日井市内で活動されている飼い主のいない猫の保護活動を行っている「さくら猫の会」の方に連絡を取り,支援を求めました。今抱えている案件だけで手いっぱいとおっしゃられましたが,無理を言ってお願いし,支援に入っていただきました。その結果,相談者の自宅マンションには全部で33頭の猫がいることが判明。そのうち6頭のみ去勢・避妊手術がなされていました。対応としては,全ての猫の去勢・避妊手術をした後,新たな飼い主を探す手だてを取ることになりました。この事案の解決のために,愛知県内の会の皆さんが,それぞれ抱えている案件の解決のために押さえていた獣医さんの手術の予約をこちらの方のために融通してくださり,対応していただきました。 ここで,手術に係る費用の問題が発生しました。相談者は冒頭申し上げたとおり失業中で,経済的困難からこの事態に至っております。春日井市が実施している飼い主のいない猫の去勢・避妊手術費補助金交付制度は,今回のような飼い猫には使えません。そこで,さくら猫の会の方から,どうぶつ基金の支援が受けられないかという提案がございました。 どうぶつ基金は公益財団法人で,寄附されたお金を運用し,全国の地域猫の保護活動での去勢・避妊手術の費用の支援をしている団体です。どうぶつ基金は多頭飼育崩壊の解決にも取り組んでおられ,最近では島根県出雲市の182頭の犬の多頭飼育崩壊の解決のために費用を負担し,保健所と協力し犬を保護し,新たな飼い主を見つけて問題解決に至っています。 どうぶつ基金のホームページには,多頭飼育崩壊の支援については個人や民間団体からの相談は受け付けておらず,行政を通じた相談のみ受け付けているということでございましたので,私は春日井市の環境保全課にどうぶつ基金へ申し込んでほしいとお願いしましたが,いろいろ調整が必要なことがあり,すぐには申し込めないと断られました。 結局,この相談者については,資金を相談者の御友人が負担してくれ,先月の中旬に全ての猫の手術とワクチン接種が完了。今後,新たな飼い主を探すとのことです。 一連の流れの中で,行政がしたことは何一つございません。愛知県の機関である愛知県動物愛護センターはスマートフォンの使い方を教えてくれただけ,春日井市も具体的には関わってくださいませんでした。今回のケースはたまたま地域の人たちの助け合いとリンクし,問題解決に向けて動き出すことができましたが,一般的には多頭飼育崩壊に至った場合,相談するところもなければ,問題解決のための手だてはないということになります。 ペットについての責任は飼い主が負うべきだというのは大原則であり,多頭飼育崩壊に至った責任は全面的に飼い主にあります。飼い主が悪いのは間違いないのですが,それを責めても起きてしまった問題は解決しません。何ともならなくて困ったときにこそ力を発揮するのが行政の役割ではないかと思います。 そこで,(1)相談の受付について。多頭飼育崩壊の相談を春日井市の窓口で受け付けるようにできないでしょうか。 (2)資金的な支援が必要な場合について。多頭飼育崩壊の問題解決のための資金的支援も必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。それぞれ御所見をお伺いいたします。 続いての質問事項,LGBTなど性的少数者も生きやすい社会です。 昨年の3月議会でも,LGBTについては一般質問いたしました。その際,取り組むと御答弁のあったパンフレットは充実した内容で発行され,手にした市民からの反応も次々と寄せられています。しかしながら,春日井市のLGBTを含めたジェンダー平等の取組はまだまだスタート地点に立った段階で,具体的な取組についてはほとんど手つかずであることは自認する必要があると思います。 行政の仕事は,市民が高い次元での自己実現ができることを目指すのではなく,誰もが基本的な普通の暮らしができる環境を整えることです。様々なハンディキャップで多くの方(多数者)とスタートラインが違う方について,スタートラインが同じところになるような手だてを取ることが行政の役割です。LGBTなど性的少数者について言えば,社会的に理解されていないこと,多くの誤解や偏見があること,そして制度や法律の想定外になっていることで生きづらさがあり,普通の生活への障壁になっています。今回発行したパンフレットは,誤解や偏見を取り除くために力を発揮すると思いますが,春日井市にはもっと踏み込んだ施策展開を望むものです。 新年度,春日井市は男女共同参画プランの改定を実施します。現在のプランは,女性の活躍推進や仕事と生活の調和,男女共同参画の3つが重点項目とされております。いずれも大切な視点でありますが,性的多数者の視点であり,改定にあたっては男女のみならず,性的少数者なども含めたジェンダー平等の視点が必要だということはまずもって申し上げます。 現在のプランでは,LGBTについては僅かに啓発が必要だと2行書かれているのみです。後の小項目でも述べる具体的な施策も含め,改定プランにおいては性的少数者についての考え方や施策展開についての充実した内容が必要だと考えますが,春日井市のお考えをお伺いいたします。ここまでが(1)です。 性的少数者が直面する困難は様々です。同性カップルが一緒に住むことを希望しても,賃貸住宅を借りるにあたって様々な困難に直面する。春日井市の市営住宅も同性カップルの入居は認めていません。同性パートナーが病気になったとき病状を聞くこと,立ち会い,意識がなくなったときの代理の同意書へのサインなどもできません。扶養家族として受けられる様々な控除も対象になりません。学校の制服も男女で指定されています。これらの具体的な困難に対しては,一つ一つ具体的な施策展開が必要です。 市営住宅については同性カップルでの入居も認めること,市民病院においては同性カップルに対しても夫婦と同様の取扱いをすること,学校においては制服の選択を自由にする,あるいは制服そのものを義務でなくする,公共施設においては男女,子ども,障がいのあるなしにかかわらず誰でも利用できるトイレの設置,市職員の配偶者手当を同性カップルでも支給するなどなど,市の施策として展開できることは多数あります。これらに取り組む考えはないかお尋ねいたします。これが(2)の質問です。 先ほど申し上げた個別の取組を進めることと併せて,根本的には国の制度を改める必要があります。異性同士の結婚しか認めないという我が国の婚姻制度が,多数者のためだけのものです。いずれの個性を持って生まれてもひとしく認められ,権利を行使できる社会の構築には法制度の変更が必要ですが,その議論は深まっていません。 こうした中,自治体の施策として取り組むべきが,パートナーシップ制度の創設です。自治体において同性同士のカップルをカップルとして認め,証明書を発行するものです。昨年の質問時点では約30の自治体での取組でしたが,現時点ではその倍以上,70を超える自治体となっており,大きなトピックスとしては,名古屋市が2021年度中にパートナーシップ制度をスタートさせるとのことです。 こうした流れの中で,民間企業でもこれに対応した商品展開やサービスを提供するところも出てきています。携帯電話の家族割も,大半のキャリアがパートナーシップ証明で受けられます。大垣共立銀行は,パートナーシップ制度の証明があれば,住宅ローンの連帯債務者を同性パートナーでも認めるようになりました。 こうした社会の動きに対応するためにも,(2)で取り上げた具体的な施策の推進のためにも,パートナーシップ制度は欠かせないキーパーツであり,早い時期での創設を決断すべきと考えますが,御所見をお伺いします。これが(3)です。 続いて,コロナ禍における受診控えへの対応についてです。 私たちは今,過去に経験のない世界的な感染症の危機にさらされています。その影響は,医療や健診についても受診控えや健診受診率の低下などに影響があると考えますが,その状況をお伺いします。これが(1)です。 厚生労働省は,コロナ禍に対応した上手な医療のかかり方について,ホームページ等で啓発活動を行っています。その中で,コロナ禍でも医療機関で必要な受診をと,健診や持病の治療,子どもの予防接種の必要性を呼びかけています。こうした啓発活動は,より市民に近い地方自治体においても行う必要があると思いますが,御所見をお伺いします。これが(2)です。以上,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,私からは,質問事項1,学校へ行けない子どもたちへの支援についての御質問にお答えをいたします。 3中学校での登校支援室は,子どもたちや学校の状況,今まで独自に取り組んできた不登校対策などを踏まえ,効果的な不登校対策を模索するため,大きく分けて2つの考え方に基づき運営をいたしました。1つは,登校することを最優先に考え,通い方や登校後の過ごし方を自分で決め,学校の中に安心して過ごせる居心地のよい場所をつくることを目的とした運営方法です。もう一つは,登校することと学力保障を考え,規則正しい生活や学習に力を入れ,登校支援室専用の時間割を組んだ運営方法です。前者の考えで運営した学校では,12月末時点での前年比で不登校者数が22人から12人へと約45%減少し,後者の考えで運営した学校では,26人から22人と約15%減少しております。また,令和元年度の市内中学校の不登校者数は各校7人から40人,発生率にして2.8%から11%と幅がございます。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,私からは,大項目2,亜炭竪坑跡地質調査報告書についての御質問に順次お答えさせていただきます。 初めに,小項目1,加筆修正に関わることについてでございます。 当該報告書への加筆については,過去の情報公開請求や当時の農政課の担当者に確認したところ,既に鉛筆による加筆がなされていたとのことでした。このため,当該報告書は2冊あり,そのうちの1冊に,過去の農政課の職員が亜炭坑に対する個人的見解をメモとして書き込んだものと思われます。 次に,小項目2,情報公開請求についてでございます。 JR東海に提供したものについては,加筆がない原本をコピーしたものです。また,当該報告書に係る情報公開請求の件数について,過去10年間の状況を調べたところ,平成29年,30年に各1件ずつありました。ともに原本に鉛筆による加筆がされたものを公開しました。 次に,小項目3,今後の取り扱いについてでございます。 当該2冊の報告書については,農政課内のほかの亜炭坑に関する文書などと一緒に保管しておりました。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 私からは,大項目3,多頭飼育崩壊への対応について,小項目2つの御質問に順次お答えをいたします。 初めに,相談に関する御質問ですが,多頭飼育崩壊については,動物愛護法を所管する愛知県動物愛護センターで対応するものと考えておりますが,飼い主のいない猫の増加につながる懸念があることから,市としても相談を受けた場合は,状況を伺った上でしっかりと同センターへ情報提供を行うなど,連携に努めております。 次に,小項目2,資金的支援に関する御質問ですが,市では,飼い主のいない猫を増やさないため,市民,市及び動物病院の3者協働による取組として,平成18年度から去勢・避妊手術費補助金交付制度を行っており,例年約360頭に補助を実施しているところですが,ペットとして飼う猫については,飼い主の責任で去勢・避妊手術を行っていただくものであることから,飼い猫の手術費用に対する資金的補助を行う考えはございません。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) それでは,私からは,大項目4,LGBTなど性的少数者も生きやすい社会についての御質問に順次お答えをいたします。 初めに,小項目1,男女共同参画プラン改定についてですが,新かすがい男女共同参画プランでは,施策の一つとして性の多様性の理解促進を掲げており,これまでにもLGBTに関する正しい知識と理解を広めるため,職員や教職員への研修,ホームページによる情報発信,啓発パンフレットの作成など,様々な施策に取り組んでまいりました。 男女共同参画プランの改定に当たりましては,昨年10月に性の多様性についての市民意識を把握するため,LGBTに関する言葉の認知度,性的指向や性自認で悩んだ経験,性的少数者の生活のしづらさなど,性的少数者に関する質問項目を新たに追加し,市民意識調査を実施しております。現在,市民意識調査の結果などを基に男女共同参画審議会で御審議いただいているところであり,記載内容につきましても,審議会の意見をお聞きしながら策定してまいりたいと考えております。 次に,小項目2,性的少数者や同性カップルにも配慮した施策についてですが,LGBTなど性的少数者の方につきましては,日常生活において偏見や差別など,様々な要因により生きづらさを抱えていると言われています。当事者団体の方からは,トランスジェンダーの方の制服やトイレの問題をはじめ,同性カップルでは戸籍上の夫婦になることができないことから住宅の入居ができないことなど,課題となっていることもお聞きしております。性的少数者の方の生活する上での課題は,性の多様性に対する理解が深まることで解決できるものもありますが,社会の制度や仕組みの改善が必要なものもあると考えております。 こうした影響を勘案し,誰もが個性を尊重され,生き生きと暮らせる社会の実現に向けて,性的少数者や同性カップルに対する配慮が必要な施策につきましても,男女共同参画審議会の中で議論してまいりたいと考えております。 次に,小項目3,パートナーシップ制度についてですが,本市においては,これまでLGBTなど性的少数者への差別や偏見をなくすためには,まずは市民の性の多様性に対する理解の増進が前提であると考え,LGBTの当事者によるメッセージ動画の配信やLGBTの理解を深めるためのパンフレットの作成など,積極的な啓発に取り組んでまいりました。こうした中,LGBTに関する情報は様々なメディアでも発信され,LGBTという言葉の認知度は格段に高くなってきていると感じております。 パートナーシップ制度につきましては,先ほど答弁いたしました性的少数者の方の課題を解決するための制度の改善などと一体的に検討するべきものと考えております。また,この制度は法的効力を持つものではない分,関連する制度を所管する関係機関の協力が重要であると考えております。 今後は,LGBTなど性的少数者の方が生活しやすい社会の在り方を調査研究する中で,パートナーシップ制度につきましても,先進自治体の事例を参考に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,私からは,質問事項5,コロナ禍における受診控えへの対応についての御質問に順次お答えをいたします。 初めに,市が把握しております医療や健康診査の受診状況についてですが,昨年4月から本年1月までの市民病院の外来患者数は前年度比で約16%,休日・平日夜間急病診療所の患者数は約72%減少しております。各種がん検診の受診者数につきましては前年度比で約13%,総合保健医療センターでの人間ドックの受診者数については約27%の減少となっております。また,国民健康保険事業については,昨年4月から12月までの給付件数が前年度比で約10%減少をしております。 次に,受診控えの対応についてでございますが,過度な受診控えは,持病を悪化させてしまうことやがんなどの疾病の早期発見,早期治療を妨げることになってまいります。このため,本市では令和2年度の啓発受診の対象者となる人間ドックの希望者やがん検診等の対象者について,新型コロナウイルス感染症の影響により受診ができなかった場合には,令和3年度に期間を定めて受診いただけるよう対応をしております。 また,コロナの影響による受診控えにつきましては,今後も長期化が懸念されることから,引き続き注視していく必要がありますので,市ホームページやSNS,チラシなどを活用しながら,適切な時期に受診していただく重要性を市民に周知をしてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) それぞれお答えをいただきました。 一問一答でここからは進めてまいります。 まず,学校へ行けない子どもたちへの支援,登校支援室について,2回目でございます。 今年度運営した登校支援室については,それぞれ異なる運営方式を取り,成果についても異なっていたということでございました。安心して過ごせる居心地のよい場所をつくることを目的としたところがより成果があったということが,大変興味深いと思いました。新年度新たに設置する登校支援室はどの運営方式を取るのか,また,既に運営している3校についてはどうするのか,運営方式を統一するのか,それぞれの特色を維持するのか,お考えをお聞きしたいと思います。 また,学校ごとの不登校者数の偏差については,2.8から11%とそれなりにあるという印象を受けましたが,全ての学校で不登校者があるということです。そして,人数の多い少ないにかかわらず,一人一人への支援は必要です。今回3校を追加したことで,市域にバランスよく配置されているとも受け止めています。これによって,設置校に在籍する児童生徒だけでなく,近隣の学校の不登校の児童生徒の利用も想定されているのか,お考えをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 2回目の御質問にお答えをいたします。 令和3年度に設置する登校支援室6校の運営方法は,不登校者数の減少に最も効果のあった,登校することを最優先に考え,学校の中に安心して過ごせる居心地のよい場所をつくることを目的とした運営方法で取り組みます。この大枠の中で,各校,子どもたちや学校状況を踏まえ,工夫して取り組んでまいります。 また,登校支援室は,原則在籍している生徒を対象と考えております。近隣校の不登校者を受け入れることについては,様々な課題がありますので困難だと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) それでは,3回目です。 今後設置する登校支援室は,安心して過ごせる居心地のよい場所をつくることを目的とした運営方法を取ると,既に設置した学校についても運営方法の統一を図るということでございました。私は,過去何度も不登校対策についての一般質問を行い,フリースクールのような子どもの居場所づくりが必要だと述べてきましたが,春日井市の登校支援室の運営についての考え方もそれに近いものだと受け止めて,期待をしております。 利用できる生徒については,設置校に在籍している子を対象にするとのことでした。となりますと,不登校の生徒がいる学校全てでの設置が必要だと思います。今後全校での設置を目指していくのかどうか,お考えをお聞きいたします。 この質問につきましては3回目ですので,意見も述べておきます。 登校支援室の拡充を図ったとしても,適応指導教室や登校支援室で対応できる不登校の児童生徒さん,不登校者数に対してごく一部であります。学習意欲がある方に対してオンラインでの学習支援など,様々に対応していただくことを重ねてお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 3回目の御質問にお答えをいたします。 登校支援室を全中学校に設置するかどうかにつきましては,令和3年度の6中学校での取組とその効果,学校ごとの状況などを見ながら判断してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 続いての質問事項,亜炭竪坑跡地質調査報告書についてです。 まず,(1)の2回目です。 当時,複数の冊子が存在し,2冊あるとおっしゃられました。加筆されたものは,その一つに誰かがメモ書きしたものだという御答弁でございます。2011年の時点では,加筆されていないものがございました。私の手元にあるのもその写しでございます。そしてそれが保管され,保存されていると認識をしておりましたが,今なぜ加筆されたものが公文書として保管されているのか,加筆していないオリジナルの状態のものは残っていないのか,答弁を求めます。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目(1)の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 先ほど申し上げたとおり,原本は2冊あり,そのうち鉛筆による加筆されたものが公文書として保管されており,加筆されていない原本は,管理が不十分であったことから,現在所在不明であります。このため,加筆されていないものは,JR東海に提供した際の決裁に添付資料としてある写しがあります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (1)の3回目です。 なぜこうなったかということについては,管理不十分であったということでございました。しかも,加筆されていないオリジナルの状態のものがないということは,極めて,極めて残念であります。これで終わりにせず,引き続き探索をするように,これは強く求めたいと思います。 (2)の内容に移ります。2回目です。 情報公開請求は,JR東海を含めますと計3回あったということでございます。JR東海にはオリジナルの状態のものが公開されているということでございますので,この点については安心いたしました。そして,ほかの2名の方については,加筆修正されたものが公開されているとのことです。こちらの方に対しては対応が必要でございますが,どのようにされているのかお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目(2)の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 加筆された原本が公開された2名の方については,事情を説明して,加筆がされていないものの写しを交付しました。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 加筆されたものが公開されたお二方に対しては,既にオリジナルの写しと差し替えたということで理解をいたしました。 (3)に移ります。2回目です。 話を整理いたしますと,今,農政課に残っているのは,「オリジナルのコピー」と「加筆されたもの」の2つです。今後この資料はどのように取り扱うのか,私は,いずれの資料も現状のまま保管すべきだと思いますが,この点についてのお考えをお聞きします。 また,今後情報公開請求があった場合はどちらを公開するのか,あるいは両方公開するのか,お考えをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目(3)の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 今後の取扱いにつきましては,2つとも保管してまいります。 また,情報公開請求がなされた場合は,職員の個人的見解が記載されていない報告書の写しを公開してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (3)の3回目です。 繰り返しになりますけれども,本市にとって極めて重要で貴重な資料を紛失してしまったことが,残念でなりません。関わる職員はどんどん替わっていきます。2011年当時の職員も現在はいません。大事に保管するという約束が,担当者が替わったらほごにされるというのでは困るわけです。担当者が替わっても,春日井市は未来永劫続くわけでございます。公文書や資料の取扱いについてもう一度きちんと整理をして,ルール化すべきことや保存方法の確立などをする必要があるのではないか,これは亜炭坑の資料についてのみの話でなく,春日井市全体の話として申し上げます。それについて,総括的な御見解をしかるべきお方にお伺いしたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 小項目3の3回目の御質問でございますが,公文書の取扱いということでございますので,私からお答えさせていただきます。 市では,文書事務の取扱いの原則を定めた春日井市文書取扱規程に基づき,各所属において適切な管理をしているところであります。今回の事案を踏まえ,今後このようなことがないよう,公文書の整理や保存の適正化に努めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 続いての質問事項に移ります。 多頭飼育崩壊への対応について,(1)の2回目です。 相談を受け付けた場合は,愛知県動物愛護センターと連携を図るという答弁でございましたが,それは,今後は多頭飼育崩壊の相談を春日井市の窓口で受けると理解してよろしかったでしょうか。答弁願います。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目1の2回目の御質問にお答えをいたします。 多頭飼育崩壊に関する相談があった場合は,これまでと同様,市として状況を伺った上で,愛知県動物愛護センターにつないでまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (1)の3回目です。 これまで同様とおっしゃられますと,前回の答弁は「センターを紹介する」でしたので,その対応では困ります。多頭飼育崩壊に対応した実績もございません。ともかく,今回の話の流れから,今後は多頭飼育崩壊の相談も春日井市で受け付けていただけるとの答弁だと理解してもよろしかったかなと思いますけれども,よろしかったですか。今後はしっかり対応していただきますよう,お願いいたします。 そして,多頭飼育崩壊の相談を春日井市の窓口で受けることについては,市のホームページで案内することも必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。また,そうした多頭飼育崩壊を起こさせないための啓発活動も必要です。広報で特集を組むとか,ホームページに啓発コンテンツをつくることもやってはどうかと思いますが,いかがでしょうか。それぞれ御所見をお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。
    ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目1の3回目の御質問にお答えをいたします。 繰り返しとなりますが,飼い主のいない猫の増加につながる懸念があることから,多頭飼育崩壊に関しましては,ホームページにて愛知県動物愛護センターを案内するとともに,市の問い合わせ先についても案内いたします。また,広報などを用いて未然防止のための啓発に努めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の2回目に移ります。 多頭飼育崩壊の問題解決に資金的支援が必要な場合について,資金的補助を行う考えはないということでございます。 そこで,先ほど紹介したどうぶつ基金の活用が期待されるわけです。先ほど述べたとおり,この基金を使いたい場合は,行政を通じてしか申し込めないとされております。今回はいろいろと調整が必要だからと断られましたが,今後,同様な問題が生じた場合にもそう言われたら困るわけでございます。必要な調整はあらかじめ済ませていただき,今後については対応できるようにしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。答弁願います。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 小項目2の2回目の御質問にお答えをいたします。 市では,多頭飼育救済のため,行政機関による申請等を条件として無料で猫の不妊手術事業を行っている公益財団法人があることは承知しており,飼い主が制度の利用を希望される場合,関係機関と調整の上,要件が整ったものについては申請を行う体制としております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 こちらについても,今後は対応される答弁だと理解をいたしました。 今回の質問のやり取りの中で,市の取組としてはかなり前進したと思います。期待をしたいと思います。同時に,こうした問題は市だけでは解決できません。春日井市には献身的な活動を続けられている方々がいて,こちらの力をお借りしなければ問題解決ができないわけです。そうした活動に対し,必要な支援を行う必要性があるということも申し上げ,この質問は終わります。 続いて,LGBTなど性的少数者も生きやすい社会についてです。 (1)の2回目です。 男女共同参画プラン改定については,審議会での意見と併せて参考にしていただきたいのが,LGBT当事者の意見でございます。ぜひ多くの方々の意見を聞き取って反映していただきたいのですが,いかがでしょうか。答弁願います。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) それでは,小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 LGBTなど性的少数者の方の人権に配慮した施策を進めるにあたり,当事者の意見は非常に重要なものであると考えております。本市においては,令和元年度から豊明市をはじめとする複数の自治体と当事者団体などが開催している意見交換会に参加し,様々な困り事などを当事者から直接伺ってまいりました。引き続きより多くの方の御意見をお聞きしながら,新たな男女共同参画プランを策定してまいりたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) LGBTについて,(2)(3)については,総括的に意見を述べます。 具体的な施策展開,そしてパートナーシップ制度,いずれも積極的な答弁がございました。誰もが住みやすいまちを目指すこと,これは多様性についても認め合える社会の形成にも寄与する事業でございます。ぜひ積極的な取組とそれを反映したプランの策定に期待し,この質問は終わります。 続いての質問事項,コロナ禍における受診控えへの対応について,(1)の2回目です。 医療機関や健診について,受診者数の減少があるという御答弁でございました。手洗い,うがいとマスクが定着した中において,いわゆる風邪を引く人が激減しています。インフルエンザの患者数も,過去5年と比較をして0.1%とのことです。こうした理由での受診が減っているだけならばよいわけですが,中には定期的な治療が必要にもかかわらず,受診を控えている方もいるのではないか,これが気がかりです。この点について,どのような状況であるのかお尋ねいたします。 また,健診については,感染対策のために一度に受診できる人数の制限等によって減っているのか,予約のキャパには余裕があるものの,市民の方が控えているのか,この点についても状況をお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,小項目1の2回目の御質問にお答えをいたします。 医療機関での受診者数が減少したことにつきましては,インフルエンザ等の患者数が昨年と比べ大幅に減少していることもあり,受診控えが大きな要因と特定することは困難でございます。 また,がん検診や人間ドックの受診者数の減少は,感染への不安から,予約を延期する方やキャンセルされる方が若干お見えになりましたが,このうち人間ドックにつきましては,昨年4月半ばから5月末までの間に休止したことや,その再開後には密を避けるため,定員を1割減らしたことが主な原因と考えております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (1)の3回目です。 病院の受診者数の減少の原因は分からないということでございますけれども,ぜんそくや糖尿病,高血圧など,治療を中断しますと命に関わる病気もございます。また,健診については,一度受診を控えてしまうと年単位で間が空いてしまい,病気によっては取り返しのつかないことにつながりかねません。定員を1割減らしたことで受診者数が減ったという答弁もございましたが,そうしますと,受けたくても受けられなかった人がいたのではないかというこの点が気がかりですけれども,こちらの方にはどのような対応をしているのか,お伺いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 小項目1,3回目の質問にお答えをいたします。 人間ドックにつきましては,定員を減らしたことにより,受診日が希望日より遅くなることも考えられますが,先ほども申し上げましたとおり,啓発受診対象者が令和2年度に受診できなかった場合には,令和3年度に期間を定めて受診していただけます。また,定員数につきましては,新型コロナウイルス感染症の状況により,適宜見直しを行ってまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の内容に移ります。2回目です。 受診勧奨についてホームページ等で啓発を行うということでございますが,先ほど述べた定期的な治療が必要なのに中断している方への直接的な働きかけも必要ではないかと思います。これはかかりつけ医である医療機関が実施することになりますので,その取組状況について把握していることがあれば教えていただきたいと思います。 そして,治療や健診の受診を促すために必要なのが,コロナ感染への不安を取り除くことです。市民病院や総合保健医療センターでも,また民間の医療機関でも,十分な感染対策が実施されているかと思います。しかし,市民病院のホームページには,外来受診をされる方へのお願いとか体温測定実施に御協力くださいという来院される方に対するお願いは書かれていても,病院の取組を示しているものはありません。来院を検討している方が心配するのは,待合室がどのようになっていて,安全に待ち時間を過ごすことができるのか,混雑する会計窓口の感染対策はどうなっているのかなど,具体的であります。この不安を取り除くために,取組状況について写真などで分かりやすく示し,心理的なハードルを下げることが必要だと思いますが,この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 小項目2の2回目の御質問にお答えをいたします。 継続的な治療が必要な方への医療機関の働きかけにつきましてですが,厚生労働省は,慢性疾患で症状が安定している方に対し,来院せずに電話での再診や薬の処方も行うとする医療機関が市内に26か所あると公表をしております。 次に,市民病院の感染防止対策の取組の周知についてでございますが,市民病院では,全スタッフの就業前の検温,窓口へのパネル設置など,感染防止対策を行っておりますので,より市民の皆様に安心して受診していただけるよう,ホームページなどを活用し,さらに分かりやすく周知をしてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 積極的な御答弁もございました。コロナの感染拡大を防ぐことも日常の医療や健診も,どちらも市民の命に関わる重要なことでございます。日常の医療や健診に影響が出ていることにも積極的な取組がなされるということをお示しいただけたと思いますので,それぞれの取組に御期待申し上げて,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。     〔21番 村上慎二郎君 登壇〕(拍手) ◆21番(村上慎二郎君) 議長のお許しを得ましたので,通告に従い,質問させていただきます。 ホテルプラザ勝川については,令和2年第5回定例会にて,経営状況と今後の方針について伺ったところであります。その後半年が経過いたしましたが,この間新型コロナウイルス感染症が再度蔓延し,再び緊急事態宣言が発出されるなど,依然として厳しい経営環境下に置かれております。第5回定例会の時点で,何の対応もしなければ令和2年度中に資金繰りが行き詰まる可能性があるということ,こうした状況にどう対応していくのかを御指摘させていただきました。また,本定例会の質疑にて,令和3年度の予算では,ホテルプラザ勝川からの賃料減免の原資とするため,勝川開発からの貸付金の返済を猶予するなどの間接的な支援措置が施されていることも確認しております。このような背景から,半年を経過した現時点におけるホテルプラザ勝川の経営状況と今後の見通しを確認するため,順次質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに,小項目1,収支状況についてです。 前回質問いたしました9月の時点では,上期で1億4,588万8,000円の経常損失を予想し,下期も上期と同様の収支も想定しておかなければならないとのことでした。つまり約3億円の経常損失もあり得るということです。第1回目の質問として,令和3年1月末時点の収支状況及び現時点での3月末の収支見込みについて伺います。 次に,小項目2,キャッシュフローの状況についてです。 前回の質問では,7月末時点の現預金残高は,コロナ対策の制度融資1億4,000万円の融資を受けた上で1億6,180万円となっており,約3億円の経常損失で決算を迎えた場合,今年度内に資金がショートする水準であること,また,制度融資の返済計画については,3年後から約1,250万円,4年後から毎年約1,800万円を返済する計画になっているということでした。今年度中に資金がショートすることにはならないようですが,1回目の質問として,1月末時点の現預金残高及び3月末の見込みについて伺います。 次に,小項目3,経営改善計画についてです。 これも前回の質問に対して,売上拡大・経費削減に向け,ホテルプラザと親会社である勝川開発が共に様々な視点で検討を行い,市としてもホテルの利用方法,施設の有効活用,顧客の拡大策等,様々な角度から対策を講じるとのことでした。1回目の質問として,9月からの半年でどのような対策を行ってきたのかをお伺いし,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,大項目1,ホテルプラザ勝川の経営状況についての御質問に順次お答えさせていただきます。 初めに,小項目1,収支状況についてでございます。 令和3年1月末時点の収支状況及び3月末の見込みについては,1月末時点での今年度収入が4億77万3,000円,支出が5億9,305万1,000円,経常損益がマイナス1億9,227万8,000円となっています。3月末時点では,収入が4億9,177万4,000円,支出が7億1,644万2,000円,経常損益がマイナス2億2,466万8,000円の見込みです。 次に,小項目2,キャッシュフローの状況についてでございます。 令和3年1月末時点のキャッシュフローの状況及び3月末の見込みについては,1月末時点の現金預金が8,039万2,000円,3月末の現金預金の見込みが6,500万円となっています。2月及び3月の経常損益の合計がマイナス3,239万円ですが,3月に計上されている自主イベントの売上げ800万円は既に入金されており,現金預金としては算入できないため,約4,000万円減少する一方で,民間金融機関からの追加融資の実行と補助金等の受給で約2,500万円が増加しますので,差引きで1月末から約1,500万円の減少となる見込みです。 次に,小項目3,経営改善計画についてでございます。 9月から実施した対策として,テークアウト商品販売への注力により,「ル・シエル」の1月末における売上額累計が前年比で1,632万7,000円増加となっています。また,家賃支援給付金の申請会場や各種試験会場等,これまであまり利用されなかった用途での貸室等の需要獲得を進めるとともに,利用できる助成金等については積極的に活用しております。現在,ホテルの遊休資産となっているチャペルの活用や空きスペースでの新たな事業展開など,売上げ増加や経費削減の検討を進めているところであります。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) 3点御答弁いただきましたので,ここからは一問一答でお聞きいたします。 初めに,小項目1,収支状況についての2回目です。 1月末時点では1億9,227万8,000円の経常損失であり,3月末では2億2,466万8,000円の経常損失を見込むものとのことです。緊急事態宣言の発出で最悪の想定であった約3億円の経常損失もあり得ると考えておりましたが,この2億2,466万8,000円の損失に何とか収まったという印象でございます。 そこで,2回目の質問です。前回の答弁で,詳細なホテル経営分析の必要性から,部門別収支の算定を検討させるとありました。コロナ禍における経営状況はある意味特殊であることを考慮いたしますと,コロナ禍以前の数値と比較しなければ正しい分析結果が得られないと考えます。経営分析作業にてコロナの影響がなかった2018年度の部門別収支を策定されていると思いますので,2018年度の部門別収支について伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 2018年度の部門別収支については,宿泊部門は収入が2億789万6,000円,支出が1億2,992万6,000円,総務部門の経費を売上げに応じて配分した本社費賦課額が6,739万9,000円,営業損益は1,057万1,000円です。料飲部門は収入が2億2,184万5,000円,支出が2億2,005万2,000円,本社費賦課額が2,621万1,000円,営業損益がマイナス2,441万8,000円です。婚礼部門は収入が4,982万9,000円,支出が5,272万2,000円,本社費賦課額が748万9,000円,営業損益がマイナス1,038万2,000円です。一般宴会部門は収入が4億2,310万4,000円,支出が3億383万4,000円,本社費賦課額が8,612万1,000円,営業損益が3,314万9,000円となっております。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) それでは,小項目1,収支状況についての3回目です。意見のみ申し上げます。 今御答弁いただきました数字を見ますと,宿泊部門と一般宴会部門の黒字,料飲部門と婚礼部門が赤字,トータルで数百万円の黒字を確保しているという実態が理解できました。さらに遡って部門別収支を分析されれば,恐らくこの傾向は固定されているのではないかと思われます。経営改善計画策定の上での最重要課題は明確に示されたと受け止めます。 続いて,小項目2,キャッシュフローの状況についてに移ります。 現預金残高は1月末で8,039万2,000円,3月末見込みで6,500万円とのことです。また,この間新たに2,500万円の追加融資を受けての数値であると理解をいたしました。ということは,この2,500万円の中に含まれている追加融資と6か月分の賃料の減免がなければ,今年度中に資金がショートした可能性があったということです。勝川開発とぎりぎりの調整をしながら,今年度を何とか乗り切る見通しをつけたと受け止めております。 そこで,2回目の質問です。このままでは令和3年度を乗り切れるとは思えない状況に見えますが,令和3年度の資金繰りの見通しについて伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目2の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 今期期末見込みの現金預金6,500万円に加え,来年度当初には,1年分のホテル2階,4階,5階の管理委託料が勝川開発から支払われる予定のため,4月の段階では現金預金が約1億2,000万円となる予定です。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) それでは,小項目2,キャッシュフローの状況についての3回目です。こちらも意見のみ申し上げます。 指定管理料が入る4月に,現預金残高1億2,000万円でスタートするとのことです。ワクチン接種が進み,人の動きが変わって,収支面でホテルプラザのメイン事業となっております一般宴会部門がどこまで回復するかにもよりますが,ホテルを令和3年度中存続させるには,もう一度どこかで資金を投入しなければならない状況であると理解をいたしました。 それでは,続いて,小項目3,経営改善計画についての2回目です。 9月から収支改善策として,新たな用途での貸室等の需要獲得やテークアウト商品販売で売上拡大に努めてこられたとのことです。テークアウト商品販売では,ホテルの従業員が積極的に販売拡大に努めてこられるなど,従業員は自らできることをこれまでにないレベルで努力しているということを重々承知しております。ですが,これまでの答弁から,どれだけ努力しても今の延長線では令和3年度を乗り切れない可能性が高いということも分かりました。加えて,前回指摘させていただいたとおり,3年後には1,250万円,4年後には約1,800万円,先ほどの答弁ではさらに追加融資を受けているということですので,返済期間が詳細には分かりませんが,恐らく毎年2,000万円前後の返済をしなければならないと考えます。しかしながら,この半年間,こうした状況を改善するための動きはあまり進んでいないと判断せざるを得ません。 そこで,2回目の質問です。コロナ禍の影響により,ホテルプラザ勝川だけではなく,全国のホテル業界全般が苦境に立たされているということは十分理解をしております。ですが,令和3年度中に資金調達のめどをつけておかなければ存続が危うい状況下で,今最も必要なことは事業計画の策定であると考えます。民間企業が金融機関から借入れや投資,あるいはその他取引関係者からの支援によって資金を調達するためには,その根拠となり理屈となるものは事業計画であるからです。本議会の質疑にて,ホテルプラザ勝川が経営改善計画を策定しているとのことでしたが,この半年間の動きを見ておりますと,ややもすると最後は市長が助けてくれると考えているのではないかと疑ってしまいます。市民ニーズの高いコンベンション機能を備えたホテルプラザ勝川を今後も存続させていくためには,ありとあらゆる施策を盛り込んだ経営改善計画の策定を強くホテル側に求めていくべきと考えますが,親会社である勝川開発の社長でもございます市長御自身から,意気込みをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 市長 伊藤 太君。 ◎市長(伊藤太君) 今部長がいろいろ答弁しました。そして質問議員にもいろんな御意見をいただきました。そういう状況の中で,今鋭意進めている状況であります。さらにそういうことを含めて,加速していくことを考えているということです。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) それでは,小項目3,経営改善計画について,3回目です。こちらも意見のみ申し上げます。 コロナ禍による影響は,まだしばらく続くことは間違いないと思います。先ほども申し上げましたが,遅かれ早かれもう一度資金投入が必要になるときが来ると思われます。そして,どこがどうやって支援するにせよ,支援を得るためには,支援を行う側の責任として支援するための根拠,理屈が必要となります。この経営改善計画の策定がそれに当たると考えておりますので,強力に進めていただくよう御期待を申し上げ,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。     〔7番 石田裕信君 登壇〕(拍手) ◆7番(石田裕信君) 議長のお許しを得ましたので,通告に従い,順次質問いたします。 まず,大項目1の生活保護の申請時における扶養照会についてです。 さきの生活保護についての質問と重複する部分もありますが,質問をしてまいります。 新型コロナウイルスの感染拡大が始まりほぼ1年,失業者が増えています。労働政策研究・研修機構の統計では,完全失業者数が197万人,休業者数は244万人となっています。コロナ関連の生活困窮に対応する支援策として,社会福祉協議会の特例貸付や住居確保給付金等の要件緩和が行われていますが,いずれも期限つきの制度で,既に貸付けや給付が終了してしまったという方も少なくありません。 国会では,新型コロナの影響を受ける人々に政府の支援が届いていないのではないかという質問に対し,菅首相が「生活保護という仕組みがある」と見解を示したことから,大きな話題となりました。しかし,その生活保護を受けるのに大きなハードルとなる扶養照会があります。扶養照会とは,自治体が生活保護申請者の親や配偶者だけでなく,兄弟,孫などの親族に対し,申請者の生活を援助することができないか問い合わせるものです。 この扶養照会に関し,政府は手続を緩和する方針を示し,2月26日,厚生労働省は,扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等についてとして,生活保護の申請時における扶養照会の一部の要領を改正しました。今までは70歳以上の高齢者や20年間音信不通の場合,照会しなくてもいい例としていたものを,今回の改正で20年間を10年程度に短縮,あわせて,相続で対立している,借金を重ねている,虐待や家庭内暴力があるなど,著しい関係不良に関しても条件に加えることになりました。しかし,明確に照会を禁止しているわけではなく,対象も限定的です。 扶養照会で問題となっているのは,家族関係が壊れていないから知られたくないというケースが多いことです。自分の兄弟に貧困状態を知られたくない,知られたら合わせる顔がないなど,心理的なハードルとなっています。困窮者支援団体つくろい東京ファンドの調査でも,生活が苦しいのに生活保護を利用していない人の約35%が,家族に知られるのが嫌だからと答えています。つい先日,新型コロナの影響で困窮している方とお話しする機会がありました。そこでも生活保護を受けたくない理由として,扶養照会があるから生活保護を受けたくない,自分の子どもに心配させたくないと言っていらっしゃいました。 そこで,小項目(1)の質問として,さきの質問でも触れられていますが,今年度における新規の生活保護申請世帯数,そして保護決定世帯数,扶養照会がなされた申請世帯数,そのうち扶養照会によって実際に何かしらの援助がなされた件数とその割合をお聞きします。 次に,(2)の質問として,扶養照会について,さきの質問では実施していくという御回答がありましたが,市はどのような基準で扶養照会を行っているのか,そして扶養照会の必要性について,市の見解をお伺いします。 次に,大項目の2,市内におけるバス停の改善についてです。 バスは,市民が通勤や通学,買物など,日常生活を営んでいく上で重要な交通手段の一つとなっています。特に免許を返納し,自家用車を持たなくなった高齢者の移動手段として,今後も大きな役割を担っていきます。しかし,バス停の環境は,安全性や快適性という点でまだまだ十分とは言えません。先日,地域の方から,バス事業者にバス停の改善を求める要望に行きたいと相談がありました。その方は署名も作っており,地域の方から賛同を集め,いつでも要望できるよう準備されていました。そのため,早速バス事業者に向かいました。 バス事業者への要望は2つあり,1つは安全性。夜間バス停が真っ暗になるため,照明をつけてほしいという要望でした。場所によってはバス停に表記されている時刻表もまともに見えないぐらい真っ暗で,そんな中でバスを待つことは不安で危なく,学校近くのバス停では,学生が真っ暗な中でバスを待っており,見るたびに犯罪に巻き込まれたりしないか心配していると話されていました。2つ目は快適性。バス停にベンチの設置を要望するものでした。買物帰り,大きな荷物があってもバスを待っている間長時間立っていなければならない,高齢者や障がいを持った人は大変,ベンチを設置してほしいという内容でした。この安全性と快適性,どちらもバス停に必要なものです。 バス事業者の方は快く対応してくださり,身近な地域での不審者情報もあり,防犯効果としての照明の必要性を認識されていました。ベンチの設置についても,設置場所の広さ等条件はあるものの,利用者の環境改善に必要だと言ってくださいました。そして今回の要望を本社に報告するとともに,市とも協議していきたいと答えてくれました。 この要望を行った後に,実際に市内のバス停がどのような状況なのか見てきました。道幅が狭いなど,ベンチを置くようなスペースがないバス停もありますが,歩道スペースが広いところでも,ベンチがあったりなかったりとまちまちな状況です。バス待ち中の方が路肩の縁石に腰をかけている様子も見られ,あれでは車と接触するおそれがあります。照明に関しては,ほとんどのバス停になく,周辺にある街灯や店舗などの明かり任せとなっており,夜間,場所によっては真っ暗になります。市内の公共交通として重要な役割を持つバス,そのバスを待つバス停の環境は,安全性,快適性がまだまだ不十分です。市としても,バス停の改善に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。 1回目の質問として,照明の設置,椅子やベンチの設置など,バス停を改善する必要があると考えます。市の考えをお伺いします。以上で壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,私からは,質問事項1,生活保護の申請時における扶養照会についての御質問にお答えをいたします。 初めに,扶養照会の現状でございますが,今年度1月末までの生活保護新規申請世帯は247件,そのうち開始決定したものは219件となっております。また,扶養照会につきましては,夫婦や親子等の生活保持義務関係者及び扶養の可能性のある3親等内の親族に対しまして104件実施しておりますが,その結果,親族による支援が実施されたケースはございませんでした。 次に,扶養照会の基準とその必要性についてでございますが,扶養照会につきましては,厚生労働省の定める保護の実施要領に基づき実施をするものでございます。 次に,扶養照会の必要性についてでございますが,生活保護法第4条第2項において,扶養義務者による扶養は保護に優先して行われるものと定められており,扶養可能な親族が見える場合には実施することとされております。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) それでは,私からは,大項目2,バス停の改善についての御質問にお答えいたします。 バス待ち環境の改善につきましては,各バス停の利用状況のほか,歩道の幅員や通行状況,周辺の施設や住居の立地状況などを総合的に勘案した上で,バス事業者により実施されるものと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) それぞれお答えいただきました。 ここからは,一問一答で進めさせていただきます。 大項目1の(1)の2回目です。 今年度,扶養照会を行っても実際に援助につながったケースはないとのことでした。日本は民法上,扶養照会の範囲が広いことも,保護を申請する際のハードルとなっています。扶養義務対象が配偶者と未成熟の子にとどまる国があるのに対し,日本ではさらに兄弟姉妹,さらに3親等内の親族が含まれます。3親等というと,おじやおば,おいやめい,曽祖父やひ孫にまで及びます。そんなところにまで連絡が行くとなれば,申請をちゅうちょしてもおかしくありません。 2回目の質問として,扶養照会は104件実施されたとのことですが,そのうち実際に3親等の方に対して照会をかけた件数は何件あるか,お聞きいたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 小項目1の2回目の質問にお答えをいたします。 3親等の方への照会についてでございますが,要保護者からの聞き取り等により,扶養の可能性が期待される者に対して書面による照会を実施しており,今年度は1月末までに2件実施をしております。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) 扶養照会は生活保護申請のハードルを上げるばかりで,困窮者への支援を高める効果は生み出していないことが分かりました。(1)の扶養照会の現状については,以上です。 小項目(2)の2回目です。 市は,扶養照会を厚生省の定める生活保護の実施要領に従い実施していること,必要性については,生活保護法第4条第2項にて定められているからとのことですが,その法律の解釈は違います。日本共産党の小池晃参院議員が国会の中で,生活保護の申請は国民の権利だというのであれば,申請をためらわせるようなことはやめるべきだとして,生活保護法のどこに扶養照会しなければならないと書いてあるのか質問をしました。これに対し,田村厚労相は,扶養照会は法律事項ではないとして,扶養照会は義務でないと明言しました。生活保護を受けるにあたり,大きなハードルとなっている扶養照会,扶養義務は保護を受給する上での要件ではないため,義務ではありません。義務でないのであれば,扶養照会の必要性がなくなります。そうすれば,多くの方が安心して生活保護を受けることができます。 (2)の2回目の質問として,厚労相は,扶養照会は法律事項ではないとしており,扶養照会は義務でないと明言しています。生活保護を受ける際,扶養照会は必要ないはずです。市の見解をお伺いします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) 小項目2の2回目の質問にお答えをいたします。 扶養照会につきましては,厚生労働省の定める保護の実施要領に定められておりますことから,引き続き実施していく必要があると考えております。ただし,扶養につきましては感情的な問題を生じやすいため,調査は慎重に実施すべきと考えており,現在でも申請時等においては,画一的に全ての親族に照会するものではないことも含め,申請者には丁寧な説明を行い,感情に十分な配慮をした対応で進めております。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) 扶養照会は通知で決められたものであって,強制でなく,確認作業なだけです。また,厚労省は,扶養が期待できなければ親族への直接照会はしなくてもいいともしています。 生活保護は最後のセーフティーネットです。国もためらわず申請をと呼びかけています。行っても生活保護申請のハードルを上げるばかりで,困窮者への支援を高める効果を生み出していない扶養照会の扱いを,市として改めて検討していただけますよう申しまして,大項目1の質問を終わります。 次に,大項目の2,市内におけるバス停の改善についての2回目です。 バス停の環境改善は,バス会社により実施されるものと考えているとのことです。しかし,バスは多くの市民が利用するものであり,バス停の環境改善はバス事業者任せでなく,市も積極的に協力する必要があるのではないでしょうか。 国土交通省の関東運輸局は,「バスまち環境の改善に向けて~様々な工夫をしているバス停のご紹介~」というリーフレットを公開しています。そこでは様々な自治体の取組が紹介されるとともに,バス待ち環境に関しては,主な利用者である高齢者などにとって利用しやすい快適なバス利用環境を整備することが重要であると書かれています。そしてバス停の設置には,制度上,財政的制約があるとして,十分なバス待ち環境を用意できていない事業者や自治体が多い状況だとも書かれています。 大阪,吹田市の地域公共交通総合連携計画には,バス停に関して,高齢化などに伴う将来利用者ニーズに十分対応できていない,公共交通利用者からはバス停の利用環境の改善要望が高いが,事業者などによる整備では十分に対応できていない状況となっているとの記載があり,市・地域・事業者でバス停の利用環境改善に向けた仕組みづくりを進め,照明やベンチの設置整備に取り組んでいることが書かれています。 2回目の質問として,バス事業者と協力をしてバス停の改善を進める考えはないか,お聞きいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 2回目の御質問にお答えいたします。 市議会と市が共同で毎年バス事業者に対し,シェルターつきバス停など利用しやすいバス停留所への改善など,バス待ち環境の整備を図るよう要望しており,バス事業者より,上屋やベンチの新設や更新については,利用者が多い停留所や公共施設に近接している停留所などを優先して検討を進めていることから,具体的に停留所への設置が決まった際には市へ協力をお願いしたいと聞いております。市といたしましては,事業者より具体的な協力要請があった場合には,法令等を踏まえ,適切に対応してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) バス事業者から協力を求められれば対応するとのことですが,バス停の整備はバス事業者が実施すべきだと,要望を行うだけでとどめておくのはあまりに受け身過ぎます。今後,高齢化が進む中,公共交通としてのバスの需要はさらに強まっていきます。市としてバス停ごとの環境を把握し,バス事業者と共に環境改善を行っていくべきです。重ねてバス停改善への市の取組を求めまして,私からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) お諮りいたします。本日の会議はこれにて散会したいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(友松孝雄君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて散会いたします。                    午後4時43分 散会 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項...