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12月04日-01号

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  1. 瀬戸市議会 2001-12-04
    12月04日-01号


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    平成13年12月定例会          平成13年瀬戸市議会12月定例会会議録第1号                           平成13年12月4日(火曜日)     議事日程 第18号 平成13年12月4日(火曜日)午前10時開議日程第1 会期の決定日程第2 会議録署名議員の指名日程第3 諸般の報告日程第4 一般質問     本日の会議に付した事件日程第1 会期の決定日程第2 会議録署名議員の指名日程第3 諸般の報告日程第4 一般質問     一般質問の通告者、発言順、件名1. 18番 林  鉦吉君(8~12)            1. 雇用対策について             (1) 瀬戸市の産業動向の実態状況             (2) 民間企業の雇用創出のバックアップ             (3) 瀬戸市の緊急地域雇用対策             (4) 人材資源の活性化2. 8番 吉永みのり君(14~18)            1. 親子の絆を深め、豊かな心を育む子どもの育成のために             (1) ブックスタート事業について             (2) 児童虐待防止連絡協議会のその後の進捗状況について            2. 人権の尊重と男女平等参画社会にむけての意識改革のために              -ドメスティックバイオレンス防止法の施行に関連して-             (1) 本市の現状と対策について             (2) 関係者の研修、市民の理解を深めるための教育、啓発について            3. 行政と市民のよりよい共同体制の観点から             (1) (仮称)資源回収ステーションについて3. 20番 三宅 訓子君(20~23)            1. 将来も安心して受けられる医療制度の改善について             (1) 「医療制度改革」案が国保会計と保険料へ及ぼす影響について             (2) 国保料滞納世帯と短期保険証の増加について             (3) 保険料滞納者へ資格証明書の発行をしないこと             (4) 医療制度における国庫負担の削減や高齢者等の負担増の中止を求める意見書を国へ上げること            2. 健康づくりと介護予防事業の充実について             (1) 訪問歯科診療の充実について             (2) 自立判定となった方を含め高齢者生活支援体制の充実について             (3) 配食サービスの充実について4. 2番 森  英一君(27~30)            1. デジタルリサーチパーク構想について             (1) デジタルタワーデザイン決定について               ① タワーデザインが当地域のイメージを表しているのか、またどこにその工夫があるのか               ② デザイン決定のプロセスで市は地元の要望をどう反映したか               ③ 今後、市当局は事業者との協議に地域の声を反映させる仕組みをどう確保するのか             (2) 当構想の地域整備計画について               ① 市民にとってのメリットは何か               ② 当初の1.6haの開発計画について、事業者、市の計画を問う               ③ 国際博覧会との連繋が将来必要になると思われるが、対応はどうするのか             (3) 地元対策について               ① 電波について不安や心配を持つ地域の人や関心のある人に対する配慮はどう考えているのか               ② 今後、工事に付随する地域に対する迷惑対策はどのようになされるのか5. 30番 原田  学君(32~38)            1. 万博のテーマは「自然の叡智」から「大交流」に変わったのか、瀬戸市にとって万博は何か            2. 市民参加型で産業廃棄物処分場の規制条例づくりを            3. 住民の足を確保するため、ジェイアール東海バスはその責任を果たすこと6. 17番 堀田 眞澄君(51~58)            1. 瀬戸市の行財政経営の方向について             (1) 本市の行財政運営のどこが問題か             (2) 平成14年度実施計画策定に行政評価手法を取り入れたねらいは             (3) 行政経営にニューパブリックマネジメント理論を導入した経緯とねらうところは             (4) 市民・NPOとの参加協働型システム運営にあたって出席議員(29名)  1番 小 島 俊 介 君         2番 森   英 一 君  3番 山 田 邦 彦 君         4番 島 倉   誠 君  5番 長 江 公 夫 君         6番 藤 井 太 平 君  7番 藤 井 篤 保 君         8番 吉 永 みのり 君  9番 中 島 校 生 君        10番 加 藤 徳太郎 君 11番 横 山 賢 三 君        12番 伊 藤 賢 二 君 13番 足 立 利 夫 君        14番 加 藤 憲 治 君 15番 田 口   勇 君        16番 杉 野 順 二 君 17番 堀 田 眞 澄 君        18番 林   鉦 吉 君 19番 水 野 美智子 君        20番 三 宅 訓 子 君 21番 河 村 邦 彦 君        22番 矢 野   誠 君 23番 川 本 雅 之 君        24番 馬 嶋 雅 哉 君 25番 林     聡 君        26番 加 藤 喜久彌 君 27番 塚 原 賢 一 君        28番 中 川 和 成 君 30番 原 田   学 君欠席議員(1名) 29番 加 藤   矯 君説明のため出席した者の職氏名    市長      増 岡 錦 也 君    助役      大 竹 朝 男 君    収入役     中 尾 親 哉 君    教育長     大 澤 義 洋 君    市長公室長   金 森 達 三 君    国際博覧会推進監阪 野 崇 雄 君    総務部長    永 田 正 幸 君    民生部長兼福祉事務所長            浅 埜 邦 彦 君    環境経済部長  田 島 雅 敏 君    環境経済部次長 中 根   謙 君    参事兼産業観光課長            古 橋 隆 利 君    建設部長    磯 村 藤太郎 君    建設部次長   伊 藤 典 男 君    建設部技監   岡 島 勇 夫 君    消防長     水 野 景 洋 君    水道部長    川 本 明 光 君    教育部長    神 谷 照 彦 君    秘書広報課長  加 藤   潤 君    職員課長    鈴 木 節 男 君    企画課長    近 藤   保 君    総務課長    大 橋 正 一 君    財政課長    加 藤 文 弥 君    社会福祉課長  小 出 幹 夫 君    庶務課長    鈴 木   巧 君事務局出席職員氏名    局長      加 藤   基    議事課長    河 本 明 生    議事課課長補佐兼議事係長            伊 藤 則比佐    庶務係長    浅 埜 律 代    主査      瀧 本 文 幸                         午前11時00分 開会 ○議長(足立利夫君) おはようございます。 ただいまの出席議員は29名であります。 これより平成13年瀬戸市議会12月定例会を開会いたします。 直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布してあります印刷物のとおりであります。 なお、議長は市長を初め関係理事者の出席を求めておきましたので、御了承願います。 これより日程に入ります。 日程第1、会期の決定を議題といたします。 お諮りいたします。 今期定例会の会期は、本日から12月21日までの18日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。               (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(足立利夫君) 御異議なしと認めます。よって、会期は18日間と決定いたしました。 日程第2、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第119条の規定により、議長において、1番小島俊介議員及び28番中川和成議員を指名いたします。 日程第3、諸般の報告を行います。 監査委員から提出される例月出納検査及び定期監査の結果報告について、本日までに受理いたしましたこれらの報告書は、いずれも事務局に保管してありますので、御報告いたします。 なお、市長より既に配布してありますとおり、平成13年報告第10号地方自治法第180条第1項の規定による専決処分の報告書の提出がありましたので、あわせて御報告いたします。 日程第4、一般質問を行います。 順次発言を許します。18番林鉦吉議員。               (18番林鉦吉君登壇)(拍手) ◆18番(林鉦吉君) おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、さきの通告に従い雇用対策関連の質問をさせていただきます。 今回質問させていただきます内容は、ともすればハローワークの範囲と思われる向きも多いと思いますが、昨今の雇用情勢は企業と勤労者のみの課題ではなく、国や地方自治体の果たす役割も大きくなってきているところであります。 とりわけ、最近の雇用動向の情勢は、けさの新聞で「東海3県の11月企業倒産件数125件、年間で最悪のペース」の見出しがありましたが、新聞や各種のニュースから経済情報の内容を見ると企業倒産を初め企業の合併統合、経常赤字に転落、大幅減益、受注減響く等々、産業界を取り巻く環境の厳しさを報道しており、経済状況は大変厳しい環境にあることは皆さんも御承知のことと思います。 この経済状況から波及して、そこに働く勤労者にも多くの課題が発生しています。その内容は福祉の切り下げ、賃金凍結、賃金やボーナスカット、配置転換、一時帰休、希望退職、人員削減等々、厳しい環境となっています。 この厳しい状況を裏づけするように、ある新聞が行ったアンケートがあります。その内容は、景気の先行きについて当分よくなるとは思えないとした回答が63%で、今後さらに悪化すると回答した者が31%あり、それを合計した悲観派は9月の調査と比較すると2%増加しており、94%の高い数字を示しています。雇用については、既に不安を感じていると回答した者が50%、今はないが将来は不安だと回答した者が31%あり、前月比4%増加の87%を示し、雇用不安は最悪の高水準となっています。 景気課題はサラリーマンの66%が指摘しており、その理由はリストラの進展などが背景にあり、中高年層の間で改革よりも景気対策を重視しているとしています。 さらに、総務省は10月の完全失業率が9月より0.1ポイント上昇して5.4%となり、完全失業者数が全国で357万人に達し、1953年の調査開始以来の過去最悪を更新したとしています。 それに加え、10月の県下の雇用情勢が11月26日に愛知労働局から発表されていますが、愛知県下の有効求職者数は11万8,122人で、前年同月比では9.8%増加しています。そのトップは事業者都合による離職者や在職者から新規求職者が対前年同月比57.4%増と異例の激増で、通常ではあり得ない高い伸びを示しています。 有効求人倍率も昨年6月の0.74倍以来の1年ぶりの0.75倍で、前月よりも0.02ポイント低下していますし、ハローワーク瀬戸のデータも有効求人倍率は0.58倍で、前月と比較しても有効求人倍率は低下しています。求人と求職のバランスは、事務職では求人募集144人に対し求職者778人で求人倍率0.19倍、技能工と製造職では求人募集718人に対し求職者1,160人で求人倍率0.62倍です。特殊なところでは、保安職の求人倍率が11.6倍となっています。 視点を変えて瀬戸市の工業動向を工業統計調査総括表から見てみますと、昭和57年当時の事業所数と平成10年の事業所数を比較すると総事業所数は1,249から915事業所へと大きく減少しています。 産業分類から事業場の数が増加した業種は出版・印刷・同関連が12から15へ、化学工業製品が8から11へ、一般機械器具が54から70へ、電気機械器具が43から66へ、それぞれ増加しており、減少している産業は食料品が18から15へ、パルプ・紙・紙加工が48から41へ減少、最も顕著な産業は窯業・土石製品で837あった事業場が538事業場へ、64.3%へと大きく減少しています。 従業員数も総数では1万7,023人が1万4,418人へと減少し、事業所数の動向に等しく、窯業・土石製品での従業者数が1万666人が5,827人へと大きく減少しています。 このような数字を背景に、瀬戸市の総合計画を見てみますと、生き生きとした産業都市づくりの中で「地場産業の歴史的蓄積を生かした新たな施策展開をまちづくりの視点を含め、総合的に検討する必要がある。また、産業情報の収集や発信を活用した流通面での新たな展開やデザイン力の向上、異業種との交流、生産基盤の向上といった視点から検討していく」としておりますし、産業振興事業に対する支援策は新商品開発や新技術開発等への取り組み支援をし、企業意欲の高揚と新商品、新技術、研究開発力の強化と高付加価値化を図ることを初め、多くの支援策が具体的に明記されていますが、実現に向け、産業施策の内容がどのようにフォロー、チェックされているのでしょうか。 これらの施策が実効ある役割を果しているならば、今日のような瀬戸の産業・工業状況ではなく、地場産業を初め産業の新展開による雇用力の創出が実現できているものと考えますが、どのように取り組みがされているのか、伺います。 次に、民間企業の雇用創出のバックアップについて伺います。 さきに述べましたような厳しい雇用失業情勢の中で、中高年を初めとして非自発的失業者の雇用機会の創出が急務となっています。このような状況に対処するため、労働省では新たな雇用機会の創出ができる情報通信関連分野や環境関連分野を初めとする新規・成長15分野を中心に、関係省庁が産業界と連携し、非自発的失業者を前倒しして雇用する場合や職場でOJTを中心とした実践能力訓練をした場合に奨励金を支給するなど、非自発的失業者の雇い入れの促進を図るための事業が実施されるのに加え、緊急雇用創出特別基金による中高年の自発的失業者を雇い入れる事業主に対する助成制度についても発動要件が緩和され、活用が図られます。 このような緊急雇用対策の制度の特例など、企業や業者団体に対して広報、PRを初めとした支援やバックアップをどのように考えているのか、伺います。 また、事務職を中心にした中高年ホワイトカラーの求職者は労働市場に関する知識や求職活動のノウハウに乏しいため、的確な求職活動が行えない場合が多く、失業期間が長期化しやすく、失業の長期化に伴い自信の喪失や就職意欲の低下も生じがちであります。中高年ホワイトカラーの求職者が、その適性や能力に応じた職業にみずから納得し、満足して就職できるようにするためには、求職活動を行うための知識やノウハウを十分につけさせ、その上で個々の迅速な求職活動が展開できるように支援することが必要になります。 そこで、瀬戸市内の中高年ホワイトカラーの求職者の状況把握をどのように行っているのか、伺います。 厚生労働省では、雇用拡大の取り組みで1人当たりの労働時間を減らして仕事を分かち合うワークシェアリングの導入について、政府と経済界と労働界による検討会を発足させる準備に入っていますし、隣の岐阜県では人材バンクを開設する岐阜県版ワークシェアリングに取り組む方針が出されています。 労働団体は雇用を守るため、一時帰休を拡大して日本版レイオフを検討する準備を進めているところもあります。 瀬戸市としても地域の勤労者や労働団体・企業や各種団体の声を聞き、中高年ホワイトカラーの求職を初めとする雇用課題に取り組む必要があると思いますが、どのような取り組みを考えているのか、伺います。 次に、瀬戸市の緊急雇用対策の取り組みについて伺います。 地方公共団体による臨時応急の雇用と就業の機会の創出を進めるために、政府は平成11年から緊急地域雇用創出特別交付金を創設し、各地域の実情に応じて地方公共団体の創意工夫で緊急に対応すべき事業を実施し、雇用、就業の機会を提供するようにしています。 その内容は、教育・文化・環境・治安・防災・福祉・保育・地域振興にわたる広範な分野が対象になっており、さらにその内容では小規模雑居ビル等防火対象物・防災対象物に関する調査や指導による地域の防災安全性の向上を図る事業や耐震診断補助員の雇用創出とともに、学校施設の耐震診断をする等、具体的に15項目の内容が提示され、雇用創出効果が高い事業であることや失業者の雇い入れ割合がおおむね4分の3以上であるなど、要件を満たした事業を地方公共団体が実施する場合は100%の補助金が支給されます。 さらに、さきの臨時国会では補正予算3,500億円が認められ、事業期間も平成16年まで延長されています。このような施策に対する瀬戸市の緊急雇用対策は、どのような取り組み状況になっているのか、伺います。 愛知県では、雇用面や金融面における緊急措置にあわせ、既存事業の積極的活用を打ち出していますが、県下の緊急対策として平成13年度は75市町村で222事業が取り組まれており、県事業も含めると雇用就業予定者数が28万人弱と計算されていますが、雇用改善に向け、緊急雇用対象事業も多く提案されており、当市においても幅広く積極的な取り組みが必要であると思いますが、今後の瀬戸市の取り組み計画についてもお聞かせください。 人材資源の活性化について伺います。 雇用問題は、ややもすると途中離職者に視点が向きますが、最近の雇用状況で多くの企業から発表されている何千人もの大幅な人員削減計画は、自然退職、定年退職や希望退職を募る方法が多く提案されています。この人員削減方法は、新規学卒者を採用しない計画であり、結果として若年新規労働者はフリーターとなり、離職・転職を繰り返す若者が増加している実態があります。この新規求職者の動向は、ハローワークの雇用動向調査からは調査対象外とされており、県や国から発表されている失業率には反映されておらず、調査史上過去最悪と言われている5.4%の数字に加算されておりません。この未就職者とパートの契約切れなどを加算すると失業者実態は10%に及ぶのではないかと言われています。 このような状況下で、学卒未就職者の早期就職支援や職業能力開発の支援を行う等の人材活性化を図る施策が打ち出されていますが、人材資源の活性化や新規求職者へどのような形で支援をしていこうとしているのか、伺います。 当地方では、窯業・土石を中心とした産業が多く、産業構造上、多くの企業で厳しい経営がされており、この業種の離職者を受け入れる環境は大きく望めない状況であります。 この業種で長年培ってきた職業技術や技能が直接生かせない雇用環境となっており、新たな職を求め、職種変更をするための技能習得への訓練の場を提供することも重要であることを提起しておきます。 今回の雇用に関する質問は、外的要因があるものの、産業振興策の結果として発生している課題と考えています。計画している産業政策が成果をおさめ、先端技術の導入や新規成長分野の事業が瀬戸地方に導入されることがあれば、産業の振興そして雇用の拡大、住民の増加、したがって市勢の発展という構造が描けるのではないでしょうか。 理事者の産業振興政策のさらに強力な展開を期待して、壇上での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(足立利夫君) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(田島雅敏君) おはようございます。 それでは、ただいまの議員の御質問にお答えをさせていただきます。 議員御指摘のように、現在厳しい状況にございます本市の陶磁器産業は、主にバブル経済崩壊後の消費意欲の低下や円高以降の国際競争力の低下、国際分業の進行などの外部要因と本市の特色であります分業体制を維持する陶磁器産業界が、その劇的な内部環境の変化に柔軟に対応し切れていないこと、もしくは後継者不足、こうした内部要因によるものと考えております。 御質問にございましたように本市の事業所数、従業員数、これにつきましては事業所数で約3割ほど、従業員数で約4割がこの10年間に減少し、あわせて付加価値額においても製造品出荷額においても3割ほどの減少が見られるものでございます。 このような状況のもと、本市の陶磁器産業におきましては、各関連企業や団体が一丸となりまして、新たな販路・需要の開拓、消費者ニーズをとらえた新商品の開発、後継者の育成事業など、先端的な分野における新展開事業を推進することが一層重要であると考えております。 市といたしましても、毎年、各団体が実施いたします地場産業振興に対する積極的な事業に対しまして予算の範囲内ではございますが、補助金の交付をし、支援を行っているところであります。 また、こういう限りある財源を補完するために、国、県の関連施策に関する情報の収集を積極的に行い、国庫補助金、県補助金についても可能な限り活用をしているところでございます。 また、「瀬戸市観光振興計画」や「フィールドミュージアム構想」に基づき、2005年の日本国際博覧会に向けて陶磁器資源を活用した産業観光事業の推進、瀬戸焼のよさや瀬戸市の名前を国内外にアピールすることで、側面的に地場産業の活性につなげていきたと考えております。 地場産業団体で構成をいたしております瀬戸焼振興協会や瀬戸市観光協会等と本市が連携し、瀬戸焼のイメージアップや市としての知名度向上のための新展開事業を積極的に実施してまいりたいと考えております。 さらに、先端的なファインセラミック分野におきましては、現在愛知県陶磁器工業協同組合が中心になりまして、平成12年度からフランス・リモージュ地方との産業交流事業を開始いたしまして、産業界、学界、官の産・学・官のネットワーク強化と陶磁器産業の新展開を図ってまいりたいと考えております。 国において行われております雇用の推進を図る各種の奨励金や助成金制度につきましては、職業安定所で事業主に対して説明会等も行われておりますが、市といたしましても職業安定所と連携いたしまして活用・促進のPRに努めてまいりたいと考えております。 また、瀬戸・尾張旭雇用対策協議会の労働講座においても、雇用関係の助成金制度についての説明を行っているところでございます。 管内の雇用状況及び勤労者や労働団体、企業や各種業者団体の声につきましては、それらを把握しております安定所等と連絡を取り合いながら状況把握に努めているところでございます。 ワークシェアリングにつきましては、現在国、事業主団体、労働者団体で検討が始まっていると聞いておりますので、今後の動向を見守ってまいりたいと考えております。 次に、雇用対策の中の緊急雇用の関係でございますけれども、平成11年度から平成13年度で行われております緊急地域雇用特別基金事業につきましては、窯跡の発掘調査事業、草刈り・清掃等の環境整備事業、小学校におきますティームティーチング事業など8事業で約8,000万円の補助金を受けて、現在まで活用を図っているところでございます。 今回の国の補正予算に総合雇用対策が盛り込まれ、新しい緊急地域雇用創出特別基金事業が平成13年度から16年度まで行われることになりましたので、本市におきましても現在活用中の基金事業同様に積極的に活用を図ってまいりたいと考えております。 対象となる事業につきましては、前基金と同様に雇用創出効果が高い事業である等、一定の条件がございますが、そこの中でどうしても限られたものになるものでございますけれども、新たな事業にも条件のもと、取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、学卒の未就職者に対する労働支援でございますけれども、労働局・愛知県が就職説明会の開催や愛知学生職業センターでの職業相談等を行っておりますけれども、市といたしましても利用のPRに努めてまいりたいと考えております。 また、瀬戸・尾張旭雇用対策協議会においても毎年就職フェアを開催し、新規学卒者も含めた就職支援に努めておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) 次に移ります。8番吉永みのり議員。               (8番吉永みのり君登壇)(拍手) ◆8番(吉永みのり君) 議長のお許しをいただきましたので、さきの通告に従って質問してまいります。 質問に入ります前に、内親王様の御誕生を心よりお祝い申し上げます。 それでは、質問に入ります。 「親子の絆を深め、豊かな心を育む子どもの育成のため」の視点から、本を通して親子が語り合い、親子で本に親しむ大切さや楽しさを伝える「ブックスタート事業」について、再度お伺いいたします。 昨年6月議会では、親が子供に「読み聞かせる」ことの重要性をより多くの、とりわけ乳幼児を持つ親に周知し、推進していく普及・啓発運動の実施を提案いたしました。この折、「ブックスタート」運動がイギリス・バーミンガム地方で、「本で赤ちゃんを育てる」意味で「ブックスタート」と名づけられた運動として始まり、イギリスで全土に広がりを見せていること。この運動が乳幼児健診を受ける赤ちゃんと親に乳幼児向けの絵本や本を開いて赤ちゃんと話をするときのアドバイス集、子育て情報、育児相談機関のリスト等をセットした「ブックスタート・パック」として配布していること、さらにバーミンガム大学研究チームの追跡調査では、赤ちゃんのころから親子で本に接し、喜びを共有する、その習慣化で読み書き能力はもちろん、集中力、落ち着きなど心の発育を促すという報告がされていること、同年が「子ども読書年」であったことから、これを契機にブックスタート運動への取り組みが東京近郊の300家族を対象に、テスト実施される予定であったことを紹介しております。 現在では、イギリス全土の90%以上の自治体で同運動が実施されており、また国内では「子ども読書年」推進会議がパイロット・スタディとして杉並区に協力を依頼し、昨年11月より2か年にわたる運動を展開しています。そのほか恵庭市、松本市、茅野市など、独自で実施する自治体も徐々にふえてきております。 「ブックスタート」運動は画一的なものではなく、自治体や地域の実情や特性に応じ、効果的な手法を検討し、実施されるべき運動と考えます。 本日の全員協議会で配布されました第8次実施計画に「ブックスタート」運動の推進事業として盛り込まれており、一定の評価をいたしますが、どのように実施しようとされているのか、また事業実施には各セクションの連携が必要と考えますが、この点もあわせてお伺いいたします。 次に、同様の視点から児童虐待防止連絡協議会のその後の推進状況についてお聞きいたします。 児童虐待防止法が制定され2年になろうとしていますが、依然として児童虐待に関する深刻な事件が後を絶ちません。本市におかれましては、瀬戸市児童育成計画を策定され、児童虐待防止に関する検討課題や施策の中に「児童虐待防止連絡会等、地域ネットワーク組織の設置を図ります」と明記されており、また本年9月には児童虐待防止関係機関連絡会議委員の報酬として措置された補正予算が可決されるなど、取り組みが進もうとしています。現在、おのおのの個別事例への対応は、その都度、家庭児童相談室を中心に関係機関と連携を取りながら対処されていることは承知いたしておりますが、関係機関がより協力し、迅速に、かつ円滑に問題解決に取り組むためにも早期の設置が望まれますが、現時点における進捗状況はいかがなものか、お伺いいたします。 次に移ります。 近年、配偶者からの暴力、特に夫等からの女性に対する暴力が大きな社会問題となっており、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策の充実が喫緊の課題となっております。このため、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、DV防止法が本年4月6日に成立し、10月13日に施行されました。DVとはドメスティックバイオレンス、「家庭内暴力」を意味し、家庭内で夫や恋人である男性が振るうという事実から、一般的に女性への暴力として理解されています。 このDV防止法の前文では、「配偶者からの暴力は犯罪となる行為であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分行われてこなかった」とし、DVを「犯罪」と明記し、その上でこのような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るために「配偶者からの暴力に係る通報・相談・保護・自立支援の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する」と、その目的や趣旨などを示しています。 DVの形態は、身体的暴力のほか精神的・経済的・性的・社会的暴力がありますが、成立したDV防止法は、「配偶者からの暴力の防止」とあるように、配偶者間の身体的暴力に対象を限定しています。同法は、この問題に対する救済の柱として、被害者の申し立てに基づき地方裁判所が暴力を振るう配偶者に6か月間の接近禁止や2週間の住居からの退去を命じることができる「保護命令」と相談・支援を担う「配偶者暴力相談センター」の設置をもって行うとしています。とりわけ、保護命令は、違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。 平成12年2月に、当時の総理府、現内閣府が公表した「男女間における暴力に関する調査」によると、妻の約20人に1人が命の危険を感じるくらいの暴力を夫から受けています。愛知県の婦人相談所の平成12年度の相談内容を見ると、面接相談では「家庭の問題」が全体の62.6%を占め、その中でも「夫等の暴力・酒乱」が全体の18.1%と大きな割合を示し、件数的には前年度の2.8倍と増加しています。また、尾張地区においても「夫等の暴力・酒乱」での相談件数は平成12年度4月から10月は60件であったのが、平成13年度の同時期を見ると78件と18件も多くなっております。 しかし、暴力を受けた女性のうち、警察や婦人相談所など公的機関に相談した人は少なく、先ほどの総理府の公表の中では全体の1%未満との結果が出ています。相談しなかった理由について、「自分さえ我慢すればやっていける」と答えた人が41.2%あり、暴力の前で女性は無力感に陥り、被害は潜在的に広がっているとうかがわれます。特に、本市ではDV防止法が適用された事例が1件報告されており、大変憂慮いたしております。 こうした被害を受けた女性の支援や相談は、都道府県が設置する婦人相談所や婦人相談員が応じることとしておりますが、被害者にとって一番身近な相談窓口はやはり市町村です。その意味で、安心して相談できる連絡窓口の体制と周知を図るべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。 さらに、我が国でDVへ取り組みがおくれてきた背景には、「夫婦間の問題に他人が介入するべきでない」などといった風潮があったことは否めません。今回、「夫婦げんか」と軽く見られてきたDVに初めて法的な措置がとられました。 また、さきに述べました児童虐待防止法、さらにストーカー規制法など、民事的事象に次々と法的措置がとられるようになってきております。DVに対する認識、また配偶者からの暴力の防止に関する理解を深めることは、被害者の人権の擁護の面からも大切であり、関係者の研修、市民の皆さんへの教育及び啓発を進めていくべきだと考えますが、この点いかがお考えでしょうか。 次に移ります。 行政と市民の皆様がよりよい協力関係をつくり上げていくことは、市政発展になくてはならないことであります。行政だけに任せるのではなく、市民みずからが主体者として行動していったとき、必ずや活力ある本市の将来像を描くことができると考えます。その観点から、ごみの減量化・資源化対策を考えてみたいと思います。 ごみ問題に関しましては、多くの先輩・同僚議員が質問されておりますが、私に寄せられた市民の皆さんの意見を踏まえ、質問いたします。 かけがえのない地球を後世に残すのは、私たち一人一人の責任です。そのためには、「物」の豊かさを追い求めるこれまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会から、資源を大切にし、再使用や再利用の活用で、ごみを極力減らす社会の仕組み、いわゆる循環型社会へと変革していかなければなりません。ごみの排出量を減らす、利用した後に再使用や再利用、燃やして熱としての再利用、そしてごみの適正処理によって「資源を有効かつ大切に使い、ごみをできる限り出さないようにする」との意識が高揚していくのではないかと考えます。 その意識が社会に定着し、ごみの排出量が減ることによって、燃やすと発生したりする二酸化炭素、ダイオキシンなど、地球温暖化を進行させ、人の健康を脅かす有害物質の排出を防ぐことが可能になります。そのためには、市民一人一人の生活にあってもごみの分別を徹底したり、むだな電気を消すといった省エネ生活に取り組むことが必要になってきます。 本市では、不燃ごみ、粗大ごみ、資源ごみは月1回の収集になっておりますが、市民の皆さんの中には1か月分たまった新聞や雑誌・缶などの置き場所に困り、さらに収集日には集積所まで何回も往復しなければならない。また、やむを得ない理由で収集日に出すことができなかった場合は、2か月分たまってしまう等々の理由から、「自分たちで持っていって分別できるところが欲しい」との意見が寄せられました。生ごみ処理機購入補助金などの交付、リサイクルマーケットなどのイベントを通してごみの減量化、排出マナー向上への啓発等に努力されておりますが、先ほど述べた市民の方の意見も含め、もう一歩踏み込んで、気楽にいつでも自分たちが出したごみをみずからの手で分別できる施設、常設の資源回収ステーションのような場所があると、さらに有効ではないかと考えます。 家庭から排出された瓶・缶・ペットボトル・新聞・雑誌などの資源ごみを個人や家族連れで気軽に持ち込んで、ごみを捨てる感覚ではなく、資源として分別することを体験することによって、特に小さい子供のころから日常生活の中で自然に排出マナーを身につけていくことができるとしたら、非常に有意義だと考えます。 瀬戸市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第4条の「市民の協力義務」の中に、「生活環境の保全上支障のない方法で容易に処分することができる一般廃棄物は、自ら処分するように努めるとともに、自ら処分しない一般廃棄物については、可燃物と不燃物を分別して、各別の容器に収納し、粗大ごみを所定の場所に集める等市長の指示する方法に従わなければならない」とあります。この条例を市民一人一人が意識を持ってきちんと守っていったとき、結果的にごみの減量につながってくると考えます。常設の資源回収ステーションは、主体的な市民の活動の手助けという視点から、瀬戸市環境基本計画の中のパートナーシップの形成を推進するための一助となる施設だと考えますが、いかがお考えでしょうか。 以上、行政当局の誠意ある答弁を期待して、壇上よりの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(足立利夫君) 教育部長。 ◎教育部長(神谷照彦君) それでは、御質問のございましたブックスタート事業についてお答えをしてまいりたいと思います。 議員御提案のブックスタート運動につきましては、来年度より図書館の事業として実施を予定いたしております。 乳児健診の場を利用して行うこととなりますので、関係する健康推進課と協力しながら実施していきたいと考えております。 この運動につきましては、運動自体の認知度も低いのが現状でありますが、今後発展していくことが予想されるところでありますので、したがって事業の効果を踏まえた上で本格的実施に向けて考えていきたい思います。 次に、ドメスティック・バイオレンス防止法の施行に関連した御質問にお答えをしてまいりたいと思います。 現在、ドメスティック・バイオレンスのみを対象とした相談窓口は市としては設置いたしておりませんが、家庭内不和、結婚・離婚問題、夫からの暴力など、女性にかかわる相談につきましては、愛知県婦人相談所の相談員がやすらぎ会館におきまして週1回、相談所を開設し相談に当たっております。 配偶者からの暴力など、女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害する社会問題となっており、男女共同参画社会を形成していく上で、克服すべき重要な課題でもあります。 ドメスティック・バイオレンスに限らず、セクシュアル・ハラスメント等、複雑化する女性に関する諸問題を総合的に相談できる体制を整備・強化していく必要性は、十分認識しております。現在の状況も踏まえ、今後関係機関と調整しながら協議してまいりたいと考えております。 また、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」では、国及び地方公共団体が、配偶者からの暴力の防止に関して、関係者や市民の理解を深めるための教育や啓発に努めることが規定されております。 本市では、これまでも男女共同参画社会の実現に向けた各種セミナーの研修会など、機会あるごとに啓発に努めてまいりましたが、今後さらにその充実を図ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(足立利夫君) 民生部長。 ◎民生部長兼福祉事務所長(浅埜邦彦君) 児童虐待防止に関する連絡会議の状況でございますが、現在、要綱の内容や構成メンバーについて検討をし、準備をいたしておりますが、メンバーの一員として考えております民生委員・児童委員の一斉改選が先日行われまして、相当の異動がございました。民生委員・児童委員協議会の体制が整った暁には、早期に設置をしてまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いします。 ○議長(足立利夫君) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(田島雅敏君) 資源回収ステーションについての御質問をいただきました。 本市の資源収集につきましては、現在ペットボトル・廃乾電池は公共施設での拠点回収を、新聞・雑誌・段ボール、瓶・缶は、指定された集積場で月1回の回収を行っております。 各集積場は、瀬戸市内、約651か所設けてございますけれども、集積箇所が少ないという苦情も多くございますので、今後、容器包装リサイクル法でのプラスチック系のごみの分別を啓発していく中でも集積回収ステーション等、いつでも住民の皆様が持ち込み可能な場所の検討をすることは必要であると考えております。 設置に際しましては、各地域の自治会や近隣町内会の皆様方の理解と御協力を得る中で、進めてまいらなければいけないと考えておりますので、議員の皆様にも御協力をお願いいたしたいと思います。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) この場合、暫時休憩いたします。                         午前11時43分 休憩                         午後0時58分 再開 ○議長(足立利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に移ります。20番三宅訓子議員。               (20番三宅訓子君登壇)(拍手) ◆20番(三宅訓子君) それでは、議長のお許しを得ましたので、さきの通告に従い質問をいたします。 将来も安心して受けられる医療制度の改善について、質問を順次させていただきます。 9月25日に発表した厚生労働省の「医療改革試案」は、2,800億円の国庫負担の削減を前提に、医療保険の給付を7割で統一することなどを打ち出しています。健康保険を含めて、すべてを国保並みの給付に切り下げるものです。 国保は7割給付に加えて、給付の内容も療養時の生活を支える制度になっていません。また、平均年間所得が国保加入世帯186万円、政府管掌健保で236万円、組合健保で379万円に対して、保険料の負担率は国保が8.2%、政管健保が6.1%、組合健保が4.2%と、組合健保に比べて2倍近い負担率になっています。所得の低い層に高い保険料負担がかけられています。しかも、保険料の滞納者には、医療を受ける権利を奪う「資格証明書」の発行が義務づけられています。 さらに、「試案」では老人保健の対象を75歳に引き上げることも提案されています。「高齢者の定義」を75歳以上にしてしまうことに大きな問題があります。 厳しい不況を反映して保険料を払えない人が激増しており、命と健康が脅かされる深刻な事態が広がってきています。 まず初めに、当初の「医療制度改革」案で国保財政へ及ぼす影響について当局の見解を伺います。 改めて、政府案の概要について述べますが、一つは高齢者医療については75歳以上に引き上げる。そして、定率1割負担、これの上限額と定額制を廃止する。また、70歳から74歳の医療費が国保へ組み込まれます。老健の拠出金が10分の5になり、公費も10分の3から10分の5の負担増となり、国や県、市の負担割合は流動的です。 11月30日、各紙の報道によれば、政府・与党案は高齢者医療制度は、75歳以上を対象とする新たな制度を創設する方向を示しました。さらに、70歳から74歳の自己負担、当初2割としておりましたが、1割にするなど、国民の批判や反対の声が強まる中で、国民負担を一時先送りしたにすぎないものです。このような当初の政府案が、国保会計と保険料にどのような影響を及ぼすかについてお伺いをいたします。 次に、国保料の滞納世帯が平成11年度は15.5%から平成12年度は16.4%へと増加をしております。厳しい不況を反映して、国保加入世帯の所得水準が低下していることにあります。国保加入世帯の所得階層別に見たとき、総所得150万円以下が全体の57.1%、中でも総所得ゼロ階層が全体の24.5%を占め、年々増加の傾向にあります。こうした背景にリストラや失業による無職者の加入があります。若者の間でもフリーターや定職を持たない人々が増加して、国保の加入者となってきています。滞納者がふえることに対して、取り立てのための制裁措置が強化されてきています。2000年12月の厚生省令では、期限を切ることで保険料の収納率を上げる効果的なやり方として、厚生労働省は促進してきています。 また、加入者の所得に対する国保料の比率は平均8%を超え、他の医療保険より格段に重い負担になっており、国民の生活費に大きく食い込んでいます。このような現状をどのように認識しておられるものか、お伺いをいたします。 三つ目に、保険料滞納者に対する制裁措置として「資格証明書」が発行できるとした規定は、医療を受ける場合、全額窓口で負担しなければならず、受診を抑制する人もふえています。70歳から74歳の高齢者が、老人保健対象者から外されることになれば、資格証明書を発行できることになります。命と健康、暮らしにかかわる権利を奪うことになります。このことについて当局の見解を伺います。 例えば、現状の減免基準では減免対象の前年度所得の限度額に300万円以下を新たに加えたものですが、対象者はふえておりません。もともと所得300万円、200万円、100万円以下の世帯の方たちが廃業しない限り、所得が2分の1になったら生活できません。よって、減免該当者がいないのです。3分の1所得減があっても、今努力して生活している人々に、減免対象を拡大することこそ、自治体本来の住民生活を守る役割ではないでしょうか。 当年度所得が前年度所得の3分の2以下に見込まれる人を減免対象にするべきと考えるものですが、当局の見解を伺うものです。 このようにして「資格証明書」の発行をしないで、負担能力にふさわしい払える保険料にすることではないか、あわせて見解をお伺いいたします。 四つ目に、国は医療制度への国庫負担を削減し、自治体と国民への負担を大幅にふやす案をつくろうとしています。まだ、負担率は流動的でもありますが、国民にとっては自己負担の増加が受診抑制を引き起こし、市民の健康悪化と疾病の重症化で、かえって医療費の増額を招くことになります。市当局は、市民の命と健康を守る立場から、国に対して国庫負担の削減をしない、高齢者等への負担増をしないよう意見書を上げるべきではないでしょうか、見解を求めるものです。 二つ目の大きな質問ですが、健康づくりと介護予防事業の充実について、順次質問をいたします。 瀬戸市老人保健福祉計画では、適切な時期に健康状態を確認できる機会をつくり、望ましい食生活や運動習慣など、健康づくりへの働きかけと介護予防のために身体的・精神的機能の向上や対象となる高齢者を把握することが重要な課題だととらえて、その取り組みについては地域・組織の連携で支える体制をつくること、また要介護とならないための機能訓練への働きかけもしていくとしています。 初めに、訪問歯科診療の充実について伺います。 自分の歯が20本残っていれば自由に何でも食べられ、健康に大きな影響があるため、8020運動が提唱されています。8020運動の原点ともなった兵庫県南光町を視察した際、赤ちゃんからお年寄りまで、生涯を通じた歯科保健対策をとっている町でございました。全住民対象にした予防を重点とした歯科保健体制をとり、厚生省や歯科医師会との協力で訪問診察が行われるようになりました。寝たきりのお年寄りは歯の治療後、物をかんで食べられるようになり、蓐瘡が治り、伝い歩きもできるようになったとのことです。当市においても、老人を対象にしたアンケート調査などを実施し、実態把握をすることと寝たきり老人への訪問歯科診療など、充実させることについて見解をお伺いいたします。 二つ目に、要介護状態への進行を防止するための高齢者支援体制について伺います。 ひとり暮らしの高齢者の場合、日常生活は時間がかかっても独力で行ってしまうため、介護認定では「非該当、自立」となりやすいのです。自立判定となった方を含め、ひとり暮らしや高齢者世帯で支援が必要な方を援助する体制をどのように充実していかれるのか、見解を伺います。 また、調理が困難なひとり暮らしや高齢者世帯に対して、栄養のバランスがとれた食事を提供しながら、手渡しの安否確認に努めていることは評価されるところです。 しかし、当初190食であったものが現在は140食ほどであると聞いております。配食サービスを今も利用してみえる方ややめてしまわれた方に対しても、その声を聞き、反映させることで、安心できる食材とできるだけ利用者負担の少ないサービスの充実をしていかれるよう見解をお聞きし、壇上での質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(足立利夫君) 民生部長。 ◎民生部長兼福祉事務所長(浅埜邦彦君) 順次お答えを申し上げます。 第1点目の医療制度改革案が国保会計と保険料へ及ぼす影響についての御質問でございますが、当初9月に厚生労働省が公表しました内容をもとにしまして、満年度ベースで試算をしてまいりますと、70歳から74歳までの従来老人保健拠出金の中で負担調整が行われていた部分が直接医療費として増加しますが、老人保健拠出金で対象者の減少と公費負担の拡大によりまして、医療費以上の減少を見ますので、他の改革部分と合わせましても国保会計としましては、プラスの財政効果、保険料につきましても減額効果につながるものと見込んでおります。 それから、滞納世帯の増加が所得水準の低下と保険料の高さに原因があるのではないかという御質問の内容でございますが、滞納世帯が増加する要因としましては、御指摘のとおり景気の低迷やリストラによる所得の低下によるものもございますが、保険料の負担水準の多寡にかかわらず、納付意識そのものが非常に希薄な加入者も残念ながら少なからずお見えになります。 ちなみに、短期保険証につきましては、こういう加入者を中心に、そのほか滞納世帯の状況、分納約束の履行状況等を考慮しまして発行しておりますので、発行数の増加が御指摘の点に即、結びつくものではございません。 それから、資格証明書の関係の御質問でございますが、滞納者に対する資格証明書の発行は、法律上、保険者に義務づけられたものでございますので、これに従っていかなければならないというふうに思っております。 発行に至るまでに減免制度の活用や分割納付の推進、あるいは徴収猶予や執行停止等の既存の制度を活用しまして、負担の軽減を図る、あるいは負担能力の喪失者につきましては、納付義務そのものの消滅を図っていくという措置を従来以上に積極的に講じてまいりたいというふうに考えております。 それから、国に対する意見書の関係でございますが、最初に公表されました医療制度改革試案は、現行の制度と比較すれば国保にプラス効果をもたらすことになりますが、国保の抱える本来的な矛盾そのものを解消するものではございません。 そういう観点から、10月には全国市長会、全国町村会、国保中央会の3団体が医療保険制度の一本化を国に要望しておりまして、先月下旬には県や市町村議会関係を含めました国保関係9団体が、一本化が実現するまでの措置として現行老人保健法の堅持、あるいは国保に対する財政基盤強化対策の充実等を国に要望してきたところでございます。既に、オール地方で行動を起こしておりますので、御承知おきくださるようお願い申し上げます。 それから、寝たきり老人の歯の予防対策の関係でございますが、現在在宅の寝たきり老人等につきましては、すべてではございませんが保健婦及び看護婦が定期、随時に家庭を訪問しまして、歯の状態を含めた老人の健康状態・栄養状態等の実態把握と保健指導を行っております。この中で予防措置、あるいは治療が必要な方につきましては、在宅寝たきり老人等歯科診療推進事業として、私どもが瀬戸歯科医師会を通じまして、歯科医師の訪問診療を依頼しております。 それ以外でも家族からの申請があれば、その都度、同様の取り扱いをしておりますが、今後とも御質問の趣旨を踏まえまして、訪問診療のPRや実態把握のための方法論を検討してまいりたいというふうに考えております。 それから、介護保険で自立判定となった方を含め、高齢者支援体制をどのように充実していくかという御質問でございますが、介護保険で自立の判定を受けた方につきましては、現在、軽度生活援助事業、生きがい活動支援通所事業、生活管理指導短期宿泊事業・宅老所の4事業を自立生活を支援するためのサービスとして実施しております。 また、介護保険以外の老人福祉サービスとして多様な事業を展開しておりまして、加えて地域の介護支援センターや介護協力員の身近なケアを含めまして、高齢者の日常生活における支援を推進しているところでございます。 今後の体制につきましては、来年度、老人保健福祉計画の見直しを予定しておりますので、市民参加による委員会の中で検討をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、配食サービスの件でございますが、本年の6月から市内全域に拡大しまして約230名で再スタートをしましたが、50名程度減少をしまして、現在は約180名の方が利用しております。 やめられた理由を私どもで調査しましたところ、30人、60%の方が家族と同居、入院等により宅配そのものの必要がなくなったということを上げられておりまして、残りの40%、20人の方は料理が口に合わない、あるいは手渡し等が面倒というような理由を上げられておりまして、今後もより充実した配食サービスをするため、次回は利用者そのものにアンケート調査を実施しまして、改善できる点は改善してまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(足立利夫君) 20番三宅訓子議員。
    ◆20番(三宅訓子君) 今、お答えをいただきましたことに関しまして、再度御質問します。 一つは、国保会計への影響については老健拠出金の減少などによって影響はそんなにないというようなお話でした。しかし、老人保健医療への公費負担について、ここが増加していくのではないかという心配をしております。 というのは、現状の自治体負担割合が10分の3で、今の内訳は国が10分の2、県、市が10分の0.5ずつですが、これが全体として10分の5に増加するのですから、今の負担割合がどうなるかっていう未確定な状況であっても、当然増加することが考えられます。そのことについて見解を再度お聞きしたいと思います。 もともと、小泉総理は、医療制度改革について3,000億円程度の国庫負担削減を打ち出しています。これまでも1984年、国保の国庫負担が総医療費の45%から38.5%に大幅に削減され、市町村の国保財政を危機に陥れております。保険料の引き上げをせざるを得なくなり、住民に負担が転嫁されたと、こういう経過があります。特に、こういう国保についての国庫負担の増額があるとは考えにくい状況で、逆に削減されるのが流れではないかと思われます。国庫負担削減への明快な意思表示をする必要があるのではないかと思います。この点での見解も求めるものです。 二つ目に、負担能力に応じた保険料にしなければ滞納も後を絶たず、ましてや短期保険証、あるいは資格証明書という対象に多くの人が陥るわけですが、一つ国保は国保法の第1条でも定めているように、「社会保障及び国民保健の向上に寄与する制度」と、こういうふうにうたわれております。国民皆保険としての国保には、ほかの医療保険の対象とならない高齢者や無職者といった低所得者層が多数を占めていることから、もともと十分な国庫負担がなければ運営は成り立たないものだと思います。こういった点で、国や県、市が財政的に安定した運営をするという義務があるのではないかと思います。 同時に、2000年度からは介護保険料が上乗せされており、住民への負担が一層拍車をかけることになってきておりますから、負担能力に応じた保険料にすべきということと思います。そして、市には現状の減免基準を引き上げ、一般会計から等の繰り入れをすべきと考えるものですが、見解はいかがでしょうか。 滞納をしているという理由だけで保険証を、資格証明書は、これ窓口全額負担ですから、こういう保険証を渡すと、こういったことはもう治療から遠ざかる、治療を受ける権利を奪うと、こういうことになるのではないかと思います。多くの滞納者が保険料を払わないと言っているのではなくて、政府が国庫負担切り下げや制度の改悪などで払いたくても払えない高額な保険料を押しつけられているものと考えざるを得ません。保険証の取り上げではなく、行政の責任で払える保険料にすべきではないかと考えるものですが、いかがでしょうか。 もう一つ、70歳から74歳の高齢者医療の対象年齢が外されるということになってくるわけです。今現在、福祉給付金で68歳、69歳を対象としておりますが、ここが年齢を引き上げられることによって、自治体への影響となってくるのではないでしょうか。試算はされていないでしょうか。従来の助成制度を後退させるおそれがあると思いますが、見解はいかがでしょうか。 それから、要望としてですが、自立支援となった、こういう高齢者に対してさまざまな事業が現在も実施されてきております。しかし、この申請、その制度ですから、申請をしなければなかなかつかめないというこういうお年寄りに対して、自立判定のあった方々に対してケア計画を作成して、適切で効率的なサービス提供を実施してほしいと、そのための自立の対象者の支援の会議など、こういったケア計画をつくっていく体制が必要ではないかと要望をさせていただきます。 以上です。 ○議長(足立利夫君) 民生部長。 ◎民生部長兼福祉事務所長(浅埜邦彦君) 何点かございますので、的確にお答えできるかわかりませんけれども、最初の老人保健制度の中での公費負担の拡大は、市だけではなく国も同様に負担が増加するものでありますが、一方では70歳から74歳までの医療費が国保を含めた医療保険サイドへ移りますので、移行する医療費のボリュームとの見合いで、国県支出とも実質負担がふえることになるかどうかは、試算をしておりませんのでわかりません。 はっきり申し上げることができる内容は、国保制度で生ずるプラス効果は御指摘のとおり国庫にとりましても直接支出金の削減につながるものでございます。市にとりましては、医療費の負担はしておりませんので、プラス効果はそれこそ直接加入者の保険料の負担の水準を下げることにつながってまいるものというふうに思っております。 それから、低所得者層の財政支援、負担能力に応じた保険料をということで、いろいろ細かく御質問がされておりますけれども、先ほども国に対して意見をというところで私述べましたとおり、国保制度そのものが現在非常に逼迫した構造改革を要するような時期に来ております。ですから、今回の医療保険制度の改革につきましても、私どもは従来から是としておりません。 非常に語弊がございますが、小手先の改革だけでは国保は今後やっていけないということは明確でございますので、地方を挙げて一本化に向けて努力をしてもらうよう国に要望を上げているところでございます。 繰り入れにつきましては、そういう意味からも一市町村が一般財源を使って国保に入れ込むというのは、非常に制度的に問題があると、一本化の中でやはり解消していくべきだと、そういうふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 それからもう一点、老人医療の関係でございますが、これは他の福祉医療制度を含めまして、本年度、愛知県全体が医療福祉制度をどうするかということを検討しております。今回の改革案を受けまして、またこの内容を当然変更していかなければならないというふうに思っておりますけれども、いずれにしましても現時点でこれをどうするかは、私どもが今言える状態にないということですので、御理解を賜りたいと思います。 以上です。 ○議長(足立利夫君) 次に移ります。2番森英一議員。               (2番森英一君登壇)(拍手) ◆2番(森英一君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、さきの通告に従いまして質問をいたします。 最初に、デジタルタワーデザインについてお伺いいたします。 去る6月議会におきまして、瀬戸市へのタワー誘致に至る答弁の中で、デジタルタワーの位置づけを「21世紀におけるIT社会を象徴するシンボルとしての役割を果たすとともに、未来を担う子供たちに夢を与える効果を持つものである」ことと「タワーの立地が地域における情報化の推進や情報関連産業を中心とした次世代産業の育成にも大きな効果が期待できる」と総合的に判断して、南菱野、幡中町へ立地を打診しているとのことでありました。 そうしてその間、事業者、総務省とともにデジタル放送電波や地域整備などについて地元説明会を十数度にわたり開催し、地元の理解を求め、また地域のニーズの把握に努めてこられました。その熱意と姿勢が実って誘致が実現したことと思います。 そして、9月議会においても当タワーが今後瀬戸市としてのランドマークになることから、瀬戸市をイメージできるデザインのタワーを含む当構想が地元とともに発展させるのに非常に重要なファクターになるとの質問に対して、「地元と一緒になって、このプロジェクトを推進することができるように計画策定をしていく」との答弁がございました。 今、決定しました放送タワーのデザインを見ますと、放送者がデジタル放送電波を送るタワーとしての完成度だけが配慮されて、今後タワーとともにまちづくりを考えていこうと思っている者にはしっくりと来ません。 そこで、我々地元を含めた市民が愛着の持てる、また誇りに思われる工夫がどうなされているのか、お伺いいたします。 また、このデザイン決定までには市はどのような地域の要望を機能の中に取り入れられるよう協議をされたか、その経緯をお伺いいたします。 そしてまた、このプロジェクトは増岡市長が誕生して2年半、最初にみずからが手がけられました事業であります。 増岡市長の基本姿勢は、「きんやの目安箱」に象徴されますように、「市民の声をよく聞いて、ニーズを的確に市政に反映していく」というスタンスであり、今後このデジタルリサーチパーク構想を推進していく上で重要な位置を占めるデジタルタワーの利活用は、放送事業者だけのものでは決してありません。 今のところ、このプロジェクトは、スケジュールに追われている形になっておりますが、市としては今後市の整備構想をしっかりと協議し、その中に市民ニーズをどう取り入れ、地域整備の推進にどう結びつけて結果を出していくかを担保できる仕組みをつくり上げるべきと考えますが、市当局の決意をお伺いいたします。 次に、当構想の地域整備についてお伺いいたします。 当構想は、本市の第4次総合計画に基づき、長期的視野に立ち、フィールドミュージアム構想と相まって、瀬戸市の21世紀のまちづくりの根幹をなすものとの認識と伺っております。 そういう視点に立ちますと、センター地区、約1.6ヘクタールを核とした周辺地区、約30ヘクタールの将来整備は、地権者を含む市民や事業者と行政との合意形成を目指す、「問題解決と将来のまちづくり」の統合を図るべき関係者間の地道な協業作業が不可欠と考えますとき、その成否を決定的に決めるのは地元住民の参加のワーキンググループの立ち上げだと思います。その住民に夢を与えるメリットを今はっきりと打ち出すべきと考えますが、市の考えておられる内容をお伺いいたします。 次に、周辺地区、約30ヘクタールの将来整備地区の当初の1.6ヘクタールについての整備コンセプト及び地区整備の基本的なゾーニングなど、整備手法を含めて、お伺いするものであります。 次に、これも去る9月議会答弁にありましたが、2005年国際博覧会との連携の必要性について、タワーを利用したさまざまな通信サービスが想定されること、またこういう成果を地域におけるIT化の財産として生かしたいとのことでありました。こうした中、それと連動して、地元の人たちの中に万博開催前も含め、当タワーの万博における利活用が当地域の発展につながるとのことから、関係各方面に働きかけておられます。 瀬戸市におかれましても、当然時期を失しないように対応をされていると思いますが、その内容と進捗状況をお伺いいたします。 次に、地元対策についてお伺いいたします。 誘致の段階からテレビ電波とデジタル放送についての地元説明会が何度も開かれてまいりましたが、電波自体が目に見えないことや単位の違う数字が複雑に絡み合って、なかなか一般の我々には理解しにくいことと思っております。 この人間社会においては、何事も100%完全ということはありませんが、不安を持つ人やもっと理解を深めたいという人に対するきめの細かい配慮が必要と考えられるが、具体的に今後どのように対応されていくつもりか、その予定をお伺いいたします。 最後に、整備スケジュールによりますと、年明けにも工事が始まる予定と聞いております。当初の造成工事については、土砂等は30ヘクタールのセンター地区内で処理され、外にほとんど出さない計画と承知しております。しかし、本体工事については、原材料の運搬等に相当数の大型トラックの通行が、市道山口出来町線に集中すると予想されます。 同道路は、現状においても欠陥道路であり、小・中学生の通学においても非常に危険な状況であります。このような現状を考えますと、道路の運行等の運用方法の工夫をするのも大切ですが、抜本的な道路自体の改修も今後視野に入れて対策を立てていくべきと考えますが、市当局の検討を望むものであります。御見解を伺いまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(足立利夫君) 市長公室長。 ◎市長公室長(金森達三君) デジタルリサーチパーク構想について、順次お答えをいたします。 タワーのデザインにつきましては、11月7日に公表されたところであります。世界初の3本足で組み立てられ、下から上部まで緩やかな曲線を描いた優美なやさしいデザインを特徴としており、設計に当たっては建設地における「デジタルリサーチパーク構想」にマッチしたデザインを目指し、地域のシンボルとなるよう景観にも留意されているということであります。 観光用の展望台につきましては、地元負担の費用面、管理面から設置は困難であると認識しておりますが、タワーに設置する予定のカメラからの映像を遠隔操作、鑑賞できるような仕組みを現在検討いたしております。 国際博覧会での利活用につきましては、さまざまな可能性が考えられますが、博覧会協会における検討が今後進んでいくものと思われますので、地域の発展に役立つ方向での利活用を機会をとらえて要望してまいりたいと考えております。 次に、地元の要望の取り入れにつきましては、放送事業者も近々現地詰所を開設するよう準備を進めており、地域の声を聞く体制を改めて強化するとのことですので、市といたしましてもその方向を支援してまいりたいと考えております。 また、より身近な単位での説明会を求める声もございますので、放送事業者とともに、よりきめの細かい対応を図ってまいりたいと考えております。 次に、地域整備計画についてお答えをいたします。 地上デジタル放送につきましては、2003年に東京、名古屋、大阪の三大都市圏で放送が開始されますが、放送局すべてが共同してタワーを建設し、運用を開始するのは瀬戸市幡中町に建設されるタワーだけであります。こうした先行、集積のメリットを生かして、「通信と放送の融合」と言われる分野での研究、開発や映像サービス分野でのパイロット事業などの展開が期待されております。 また、地域イントラネットを通じて地域との双方向サービスが展開できる可能性も大きく、今後放送事業者、関係機関の支援、協力も得ながら、菱野地区におけるデジタルリサーチパークの整備を進めてまいりたいと考えております。 デジタルリサーチパークセンター地区に建設する予定の施設につきましては、子供たちのためのIT科学館として21世紀のネットワーク社会を体験できるシステム、高度な教育教材を編集・制作できるシステム、タワーを生かした遠隔監視カメラや防災用カメラのシステムなどを持つ「情報通信技術教育センター」としての機能を中心に構成を検討しております。 また、将来はそれらの機材を活用して、社会人教育にも役立てていきたいと考えているほか、デジタルリサーチパーク全体における産業立地を進めるためのセンター機能を発揮できるような仕組みも取り入れていきたいと考えております。 政府の「e-Japan重点計画」においては、「2005年日本国際博覧会を本重点計画に盛り込まれた施策の成果の世界に対するデモンストレーションを総合的に行う場として活用することを検討する」と位置づけられております。 また、議員御指摘のとおり、博覧会会場から数キロメートルに位置する地上デジタルタワーについては、その機能を活用したさまざまなサービスが想定されております。市といたしましては、関係機関に情報を提供しながら、タワー利活用の方法が地域の発展にも役立つように働きかけてまいりたいと考えております。 次に、テレビ電波の不安など、地元対策についてお答えをいたします。 お話がありましたように、地域におきましては大小合わせて13回ほど説明会を開催しております。この12月15日には、「センター地区造成工事説明会」を幡山公民館で開催するほか、年明けには再度、電波の安全性に関する講演会を開催できるよう準備を進めております。 造成工事に関する工事車両などによる地域住民への配慮につきましては、地区外への土砂搬出を極力なくす方向で対応を図ってまいります。また、その他の必要最小限の工事関係車両の通行につきましても、地元の小・中学校との協議の結果、登校時間帯を外して通行することで整理をしているところでございます。 以上、答弁にかえさせていただきます。 ○議長(足立利夫君) 2番森英一議員。 ◆2番(森英一君) それでは、2点ばかり再質問をさせていただきます。 今、タワーデザインの構造上、事業サイドの事情はよく答弁でわかりました。 今後、新たに機能の追加や現在の放送事業者以外の利用ができることは確実と考えております。今、そして何か地元では、今後地域の発展を担う子供たちのIT教育の中心としてタワーを含め周辺を実際に体験施設として、また地域コミュニティーの行事などと連動した施設にするためにも、学習用の展望デッキの設置を非常に切望しております。今後は、そういう運動をされると思います。市としても、ぜひ地元の熱意を後押ししていただいて、その実現に努力していただきたいと思います。いま一度お考えをお伺いしたいと思います。 もう一点、市道山口出来町線の改修のことであります。簡単には、今御答弁できるようなこととは思いませんが、今後市独自のデジタルリサーチパーク構想の中核道路としての位置づけになってくると思います。今後は相当重要な役割を担っていくことを考えますと、いま一度将来に向けての決意をお答えいただきたいと思います。 ○議長(足立利夫君) 森英一議員に伺いますが、山口出来町線の通告は済んでおりますか。 答弁できますか。               (市長公室長金森達三君「よろしいです」と呼ぶ) 市長公室長。 ◎市長公室長(金森達三君) 2点ほどお話をいただきましたが、それぞれ関係機関に働きかけをしてまいりたいと、こんなふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(足立利夫君) 次に移ります。30番原田学議員。               (30番原田学君登壇)(拍手) ◆30番(原田学君) 議長の発言のお許しを得ましたので、通告に従って質問をしていきたいと思います。 まず初めに、万博のテーマは「自然の叡智」から「大交流」に変わったのか、瀬戸市にとって万博は何か。 昨日、万博の基本計画が発表されたところですので、私はその前に発表された基本計画の骨子に関連して伺うものです。 10月15日に2005年日本国際博覧会、愛知万博の「基本計画骨子」が発表されました。「基本計画骨子」は、昨年、万博協会がBIEに登録した内容をはるかに飛び越えて、従来のテーマにはない「大交流時代」というキーワードが前面に掲げられたものになりました。かつて、愛知万博については、当初の段階で「技術・文化・交流、新しい地球創造」をテーマとしておりましたが、会場を「海上の森」に位置づけた際には、それこそ21世紀のテーマである環境を押し出す中で「自然の叡智」がテーマとなった経緯があります。その後、検討会議を経て、現在二つの会場計画にはなったものの、いかに集客能力を向上させるかに腐心したあげくの果てに、今回のキーワードに到達したと思わざるを得ません。 「自然の叡智」を縦糸に、「地球大交流」を横糸に、幅広い参加と交流との博覧会のキャッチフレーズのもとに、コモン(共有地)交流をするための場所の設定を創出することの重要性が説明されていますが、現在明らかにされている会場の計画を見る限り、どこに「自然の叡智」が具体化されているのでしょうか。 催事施設の合計面積は20万平方メートルに及び、公園の展示面積はBIE登録時の3割増であり、その影響はオオタカのえさ場であり、貴重なギフチョウの生息地としてスズカカンアオイの群生地を切り開くものであり、さらに公園内西側の「こいの池」を「水と光と風のスペクタクル広場として多彩な芸能やイベントを演出する」とされておりますが、それらがオオタカに与える影響については何ら影響の調査もされずに、なぜ「環境博」と言えるのでしょうか。 集客のため、多彩なイベントを準備し、世界の交流を図る会場を準備するために青少年公園の会場の拡張を行い、それが貴重な自然に大きな影響を与えることは必至ではないでしょうか。 先日、第5回の国博シンポジウムが名古屋で開かれ、出席をいたしました。会場の市民とパネリストとの意見交換もあるのかと考えておりましたが、事前に質問の内容は準備されておりました。総合プロデューサーの泉眞也氏の説明からもメーンの「自然の叡智」は聞き取れず、新たに縦糸を「自然の叡智」に、横糸を「地球大交流」にとの話であり、本来ベースにあるべき「人と自然の共生」、「自然の叡智」が並列的に語られ、その分、「大交流」が前面に押し出されたのではないでしょうか。今回の基本計画の骨子を市当局はどのようにとらえておられるのでしょうか、伺うものです。 一方、「海上の会場」については、会場づくりのための仮設道路についてモリタリング会議が紛糾したと報じられ、二人の委員が辞表を出すなどの事態が生じましたが、この仮設道路の建設を含む同会場の設営については、極力環境負荷を軽減する工法がとられるとされていたにもかかわらず、貴重種であるドジョウなどの生息する沢に仮設の道路をつくる計画そのものが批判をされ、その結果、政府館についても「海上会場」の西側に移転することになりました。これでは「自然の叡智」をテーマとして、「海上の会場」を選定した意味がどこにあるのでしょうか。本来は、2会場に分かれた際に、新アセスメント法にのっとり再アセスを行うべきではなかったのでしょうか。 今回、このような事態の原因が「海上の森」が万博の原点と口では唱えつつ、何ら自然への配慮がされていない一つのあらわれではありませんか。再アセスを実施しなかったことが、ここにあらわれていると考えるものですが、それはとりもなおさず万博の原点を見失ったものではありませんか。 次に、万博会場の財政の問題について。 愛知県財政は90年度以降、年々その歳出規模を拡大し続け、2000年度は約2兆3,000億円の歳出規模となっていますが、県税の収入は90年度1兆1,668億円、実質収入1兆937億円をピークに2000年度は1兆660億円、実質収入8,838億円と大きく減収をさせており、その分、財政調整基金を取り崩し、90年度2,672億円の基金は、平成13年度は4億円になり、いかにこの間、財政が逼迫した運営をしてきたかは明らかです。あわせて、平成10年度には経常収支比率が109.7%となり、これからも県財政の厳しさがうかがわれます。 このように税収が減少し、積立金を取り崩しながら事業を進めてきましたが、それでも財政は厳しい中、県財政の再建策を何ら示すことなく、第3次行政改革のみを仕上げようとしておりますが、それはかつて県の補助金カットで障害者団体が県庁前に座り込んだように、さらに県民の暮らし・福祉に背を向けたものとなっております。 保育室事業の廃止計画や、さらには特別養護老人ホーム建設に際しての補助金のカットなど、暮らし・福祉の制度へのさらなる直撃であり、県民にとってとても容認されるものではありません。 一方、万博には1,000億円以上、空港には3,000億円以上の財政措置を予定するものであり、まさに逆立ちした政策を改めることが、今こそ求められているのではありませんか。 その万博にしても六つのコモンを結ぶループにしても仮設であり、多くの施設がこのように半年間のみの施設であれば、果たして何のための「環境万博」なんでしょうか。 しかも、2会場にまたがれば、最低必要な施設については両方に備えなければなりません。とりわけ離れた「海上会場」への接道の造成、さらには2会場を結ぶゴンドラが計画されておりますが、わずか半年間だけのことであり、本当に費用をかける必要があるのでしょうか。それぞれ2会場であるための財政面からも不合理と考えるものです。市としての見解を求めるものです。 かつて、東京で行われる予定であった世界都市博は、新知事の誕生で開催1年前に中止となったことは御案内のとおりです。この間、万博の予定候補都市でも中止・返上が行われております。「自然の叡智」をうたうなら、再アセスを行って、世界に問いかけることができる内容とすべきではありませんか。 また、これだけ県財政が厳しい折、なぜ二つの会場を予定しなければならないのでしょうか。これ以上、県民の税金を浪費することを容認するわけにはいきません。「海上の森」が原点とされながら、何ら配慮のない仮設道路計画など、市としてこれ以上、万博にどんな意味を見出しておられるのでしょうか。「万博は中止・返上」を県に申し入れるべきではありませんか。率直な答弁をお聞かせ願いたいと思うものです。 2点目、市民参加型で産業廃棄物処理施設の規制条例づくりを。 香川県豊島の産廃問題は、我が国最大規模の不法投棄事件と言われ、長期にわたる住民の粘り強い運動によって、国の公害調停を経て解決の方向に向かいましたが、ごみの撤去に20年の歳月と300億円の巨費の投入が必要とされています。 かつては公然と野焼きが行われており、ダイオキシンなど有害な化学物質が発生し、国際環境保護団体のグリーンピースは、豊島を有害物質による汚染が世界で最も深刻な12の場所の一つに掲げていました。子供のぜんそく発生率は全国平均の10倍となり、他地区にある産廃投棄地域に最も近い魚屋さんにはだれも魚を買いに行かなくなるなど、この例は産廃処分場が一度つくられて環境を破壊した場合には、それを取り戻すのに莫大なお金と月日を要することを如実にあらわしております。 現在、瀬戸市には50を超える処分場があり、しかも新たな処分場の計画が次々となされております。瀬戸市においてもこの間、産廃処分場の建設をめぐり多くの住民運動が起こされています。産廃処分場の建設に際し、瀬戸市の土地利用調整条例に伴う住民への説明会が開催されていますが、東海エコ株式会社が計画した蛇ケ洞浄水場隣地の中間処分場にしても、同条例上は「適合」との判断が下され、それは土地の形態の改変について審査がされるのみであり、土地の活用の内容については、それぞれ個別法の適用とされており、同条例の限界はおのずと明らかなものでした。 そこで、今回産廃処分場建設や操業に対し、その規制をかけるための条例づくりが準備されております。市当局は先月、水野や品野を初め、処分場が多数ある地域の連区の方の意見や住民運動、環境保護団体の方の声などを聴取したと伺っております。 一方、瀬戸市の第4次総合計画は、「芸術性豊かな創造・交流都市~豊かな自然とともに~」とのテーマを掲げ、その実現を環境の側面で具体化するために、環境基本計画を作成し、その趣旨には市民が健康で安全かつ快適に暮らすことができ、環境への負荷の少ないまちづくりを目指すことがうたわれています。 さらに、計画に当たって以下の4点が掲げられました。1、良好な環境を将来の世代へ引き継ぐ。2、環境への負荷の少ない循環型のまちを目指す。3、瀬戸の特性を尊重し、共生する。4、広域的・地球的規模で考えるとされています。 本来、これらの観点を産廃処分場の建設に当たり留意することではありませんか。ところが、現実には国の天然記念物であるオオサンショウウオのすむ蛇ケ洞川の上流は産廃場が密集し、産廃銀座と呼ばれ、水野川の上流、余床の里からはかつてのように蛍が飛び交う姿は消え、処分場の放水路には魚の姿も見えず、自然環境は被害をこうむっています。 また、処分場から出る悪臭に、住民は夏でも暑くて窓もあけられないと語っておられます。このように人々の暮らしや自然に大きな影響を及ぼす処分場が、適法という名のもとに次々と建設されることに、市民は何もできないのでしょうか。 自治体は県の許認可事業として済まされるのでしょうか。住民投票で建設の是非を決める地域もあります。情報の公開と住民の積極的な参加によって、建設の適否が決められないのでしょうか。今回の条例づくりに際し、以下の提案を行うものです。 初めに、同条例をつくるに当たり、住民参加による検討会議を立ち上げることです。被害を受けている市民の声や運動をしている団体の意見が、条例づくりの中に生かされることが重要と考えるものです。 また、現在のままでは、各種団体の意見を聴取しただけで、これらがどう組み入れられていくのかは住民にとっては皆目わかりません。そこで、地元住民の代表や各種環境保護団体や学識者、さらには地域の産業団体からもそれぞれ代表を出していただき、検討会議の中で住民の納得のできるよりよいものをつくり上げるべきではありませんか。そのためには、作成に当たり一定の期間の保証もあわせて求められており、短兵急に年度末に議案上程とするべきではないと考えるものです。 2点目は、処分場建設・設置に当たっての立地規制です。 この間、どんなに住民が反対されても、そのほとんどの建設が許可されております。それは、たとえ浄水場の隣地であろうとも天然記念物が生息していても、何ら関係なく建設が可能となってよいものでしょうか。 そこでまずは、周辺地域住民、利害関係者の同意が求められるべきではないでしょうか。さらに、建設に当たり、一定の地域的な規制も必要と考えるものです。それは、例えば、ア、農振・農用地などの周辺・上流を含む流域での建設は認めないこと。米、その他の農作物への影響が心配されます。 イ、オオサンショウウオなど、国の特別天然記念物や動植物の生態に影響を与える地域での建設は認めないこと。これは環境基本計画の3の地域特性に当たります。 ウ、市の総合計画や環境基本計画に基づく自然保全区域での建設は認めないこと。 エ、既に多くの産廃処分場が稼働している水野、品野、幡山地域などについては、瀬戸市として地域指定をし、新たな建設を認めない。これは環境基本計画の1の視点に当たります。など、一定のゾーン規制が求められます。 次に、操業に当たっては、現在市の要綱に従って操業中の処分場については協定が結ばれていますが、わずか2割程度にすぎません。そこで、条例上、2者及び3者の協定を結び、常に業者と話し合う協議機関を設置することを義務づけることが必要ではないでしょうか。 また、放流水の環境基準の中に新たに硼素が加えられたように、処分場の作業上、各種の中和剤が処理水に加えられ、放流水の中の塩化物のイオン濃度が非常に高いものになります。将来にわたり高い塩化物イオン濃度の水が何年も放流された場合、下流域での生態系や農作物への影響も心配されるものです。 そこで、環境基準の中に塩化物イオン濃度などについても加えて、一定の基準を設けることを国や県に対し申し入れるべきではありませんか。 続いて、中間処分場や積みかえ・保管施設などについてのアセスメントを求めるものです。現在、最終処分場などについてのミニアセスメントが行われておりますが、その対象を中間処分場なども含めて拡大することとあわせて、現行のアセスメントは大気・騒音・振動などの公害調査型のアセスメントであり、それ以上、本来求められるのは地域の生態に及ぼす影響を調べることが重要であり、アセスメントの内容についても動植物やその生態系についての調査を加えるよう国、県に働きかけるよう求めるものです。 続いて3点目、住民の足を確保するため、ジェイアール東海バスはその責任を果たすこと。 道路運送法の改悪によりバスやタクシーなどの規制がさらに緩和され、路線への参入・退出がより自由になりました。これを機会に、各地でバス路線の撤退や無料で進出するタクシー会社など、裁判まで引き起こしているのは御承知のとおりです。ジェイアール東海バスもその例に漏れないことは9月の議会で質問したとおりです。 その後、11月15日には瀬戸市のバス対策協議会が開かれ、その結果については地元紙に一部の路線を除き、ほかは路線の廃止を了承と報道されておりました。 昨年の12月末には、瀬戸市を初めとする豊田、岡崎など5市長の連名でジェイアール東海バスへ「存続」の申し入れを市長みずからが行い、同じく9月議会でも路線の「存続」を求める意見書が提出をされました。実際、市のバス対協ではどんな資料を基礎に、これらの結論に至ったのでしょうか。 そもそも、かつてこの地域で言えば乗降客の多い中心部については名鉄バスが路線を確保し、その周辺部を旧国鉄バスが走っており、それがジェイアール東海バスへと移管をされても、路線が赤字傾向となるのはむしろ当然のことではないでしょうか。 くしくも、バス対協の協議の際にも、「赤字だから廃止と言えばバス路線はすべて廃止ではないのか」との意見も出されたと聞いており、単純に「赤字」だから「廃止」と言えるのでしょうか。 また、さきの議会で指摘したように平成11年度のジェイアールバスの決算を見ても、対10年度比で17倍もの退職手当引当金を積めば、「赤字」が出るのは当然ではありませんか。それらが本当に、バス対協の中で話がされているのでしょうか。「なぜ、赤字なのか」の議論はされたのでしょうか。単に乗降客の多少だけの判断であるならば、それはデータの不足ではありませんか。さらに、「赤字」の原因も不明確なまま、廃止・撤退とされるのでしょうか。 道路運送法の改悪は、地元に大きな影響を与えることにより、衆・参両議院による附帯決議がなされ、その5条は対策協については地元の声を反映させることとされているではありませんか。実際、私バスの場合には予定廃止路線が復活された事例も全国的には起こっております。このように今、バス対協のあり方が問われているのです。附帯決議の5にもかかわらず、県のバス対協からはバス路線の廃止を前提に代替措置をとるか、またはとらなければ廃止かとの方向性しか求められておらず、これではもとのジェイアール東海バスに責任を持たせるという答えは、初めから用意されていないバス対協のあり方自身に問題があると考えるものです。 このような中で、路線の廃止を了承との結論を県バス対協に報告をすれば、それは肝心のジェイアール東海バスの本来の責任を放棄することを手助けするようなものではないでしょうか。かつての旧国鉄は、国民の財産であり、それが一企業に分割、移譲されたわけですから、公共性の上からも財産の分割の面からも、簡単に撤退ができないのは当然ではありませんか。 多くの疑問や意見が出され、それが未解決のままでバス対協の結論として県に提出することは、時期尚早と考えるものです。あわせて市として住民の足を確保するためにもジェイアール東海バスに、その責任を求めることこそ重要ではありませんか。市当局の積極的な対応を求めるものです。 以上、万博を初め3点について質問をいたしました。市当局の前向きな答弁に期待をいたしまして、私の壇上での質問を終わるものです。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(足立利夫君) この場合、暫時休憩いたします。                         午後2時03分 休憩                         午後2時19分 再開 ○議長(足立利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 国際博覧会推進監。 ◎国際博覧会推進監(阪野崇雄君) 4点の御質問をいただきましたので、順次お答えさせていただきます。 1点目でございますが、愛知万博は「自然の叡智」をテーマとし、人類と地球が直面いたします課題の解決の方向性と人類の生き方を発信することを縦軸に、「地球大交流」を事業コンセプトとして、多様な価値観と文化が共存共栄し、世界各国からの参加者や来場者が歓喜と感動を分かち合う場とし、安心平和な地球社会の構築に寄与することをこれを横軸にし、これら二つの軸に基づいた事業展開を行うものと理解しております。 2点目につきましては、海上地区の施設配置の変更につきまして、博覧会協会では基本計画の策定作業を進める結果、海上地区についても自然を保全しつつ、会場の魅力を高める方向で会場のゾーニング・施設配置の変更を行ったものであり、自然環境の保全に最大限の配慮をしたものと受けとめております。 なお、環境アセスメントにつきましては、経済産業省の要領に基づき適切に実施されており、今後も引き続き適切に実施していくものと考えております。 3点目の御質問でございますが、愛知万博の会場については海上地区と青少年公園地区を一体的な会場として構想しております。環境面、開催効果、経済性など、あらゆる面から検討が行われるものであり、適正な資金・財政計画のもとに整備・運営がなされるものであると考えております。 4点目でございますが、愛知万博の開催は、新世紀におきます国際博覧会のモデルとして、日本が主導的役割を果たす新たな国際貢献として重要な意義を持つものであると考えております。 ○議長(足立利夫君) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(田島雅敏君) それでは、産廃について答弁をさせていただきます。 産廃条例の規定をする内容の検討に当たりましては、既に自治会、環境団体、市内の事業者から御意見をいただいておりますので、そうした御意見を参考にしながら条例制定を考えてまいりたいと思っております。したがいまして、現時点では検討委員会の設置は考えておりません。 それから、条例での住民合意や立地制限についての御質問でございましたが、他法令上の制約がございますので、条例上、規定することには一定の限界があると考えております。 それから、住民合意のお話がございましたが、県及び市の指導要綱におきましては、事業者は住民と環境保全協定を締結するように規定をさせていただいております。 その内容につきましては、事業者と地域住民の方との間で決められることから、協定の効力を有する期間でございますとか協議機関の設置等につきましては、その協定書の中で、双方合意の上、盛り込まれることが望ましいと考えております。 排水基準の問題で、塩化物イオンなどの物質の追加への要望はないのかという御質問、それからあわせて焼却施設を除く中間処理施設、積みかえ・保管施設などについてのアセスメント項目への追加のお話がございましたけれども、現時点におきましてはいずれも化学的知見に基づいて策定されているものだと考えておりますので、追加を要望する考えはございません。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) 総務部長。 ◎総務部長(永田正幸君) 私の方にジェイアール東海バスの責任ということで御質問をいただきました。 まず、バス対策協議会の結論を出すのは時期尚早ではないかという御質問でございますが、ジェイアール東海バスにつきましては、平成13年3月30日付で愛知県のバス対策協議会に対しまして、本市に係る11路線について、平成14年4月1日から退出をしたいと、こういう申し出を行ったところでございます。 これを受けまして、愛知県バス対策協議会からは、本市に対しまして生活交通確保の必要があると、こう判断した路線につきまして対策を講ずるよう求められたものでございます。 瀬戸市バス対策協議会におきましては、本年の6月から11月までの6回の会議を開催をいたしまして、児童・生徒の通学の足の確保、これを中心といたしまして、11路線につきまして慎重に協議を重ねまして、去る11月15日に開催をされた第6回目の会議におきまして、一定の結論を得たところでございます。 さらに、愛知県バス対策協議会からは、8月ごろをめどに方向づけを求められておりましたが、最終的には本年12月14日までを、これを期限として、市に対応策を回答するように求められておるものでございまして、市として結論をこれ以上、先送りをするということは困難であるというふうに考えております。 また、「市はジェイアール東海バスの責任を求めること」と、こういう御指摘でございますが、ジェイアール東海バスに対しましては、御質問にありましたように昨年の12月25日に、本市を初め関係5市とともに「バス路線存続に係る要望書」を提出いたしまして、強く存続の要望を行ったところでございます。 加えまして、バス対策協議会におきましても、「最低限の便数でもいいから路線を存続するよう強くジェイアール東海バスに要望すべき」と、こういう意見がありまして、これを受けましてバス事業者の方とも協議を重ねて行ってまいりましたが、最終的には「運行は困難」と、こういう回答が示されたところでございまして、本市といたしましては来年2月から施行となります改正道路運送法の趣旨を十分踏まえながら、地域の生活交通の確保について努力をいたしてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(足立利夫君) 30番原田学議員。 ◆30番(原田学君) それでは、再度質問をしていきたいと思います。 まず一つは、万博の問題でテーマが「自然の叡智」だということですね。これを少し考えてみたいと思うんです。 人間と自然とのかかわりというのは、大昔で言えば木の実を拾ったり魚とったりといって、自然から摂取できる、そうやって命長らえるという、そういう暮らしだったと思うんです。だんだんだんだんいろんな生産手段なんかを人間が手に入れて、自然に働きかけて木を切って家をつくるだとか摂取する素材から、時代が新たになって加工する素材に、人間の生活を豊かにするために変わってきたと思うんです。ところが、資本というものがそこに入りますと、加工するだけでは済まなくて、場合によっては東南アジアなんかでも、日本の資本が行ってラワン材買っちゃったら村が洪水に遭っちゃったというように、開発をし過ぎると、しまいには民族を滅ぼしたり、そこで生活している動植物が絶滅をするような、そういう被害を与えてしまうんだと。 過日行われました、例えば地球サミットとか、そういうところでも持続可能な社会、そういう社会やシステムを21世紀につくり上げていこうというのが、やっぱり結論だったと思うんです。それから言いますと、今回の万博のテーマの「自然の叡智」というのも、そこと非常に結びつくんではないかなということを思ってます。 資本が、国民によって、または世界の世論でコントロールすることができるし、またはしなくては地球がいろんなところで破壊されちゃうということが本来は基本ではないか、私ながらの「自然の叡智」のとらえ方なんですけども。万博をおやりになる場合は、それを土台というか、基本にしながら、その上での交流を結んでいくという、本来はやり方ではないのかなと思うんです。 ところが、今度の骨子を見てみますと、確かに交流がなかったわけではありません。昔から交流というのはあって、小さい文字で書いてありましたが、それが縦と横で思いっきり出てくるものだから、反物でもそうですけども縦糸、横糸があって初めて反物です。ということは、フィフティー・フィフティーの力の入れ方かなっていう気がするんです。それで、その分、逆に言うと本来基礎基本、土台であった「自然の叡智」が非常に軽く扱われてる。それは海上会場の扱い方でも明らかだと思うんですよ。今、最後結果としては、自然の保護に努める会場になったと言われますけども、それは住民の声があって初めてそういう変化をしたというだけのことであって、協会は海上会場の作り方ではやっぱり間違えてたと思うんですね。 ある新聞に、谷岡郁子さん、中京女子大学の学長で、フォローアップの委員長ですか、それから万博の検討会議の委員長でしたよね。彼女がこう言ってます。検討会議は海上の森南地区の土地改変は限りなくゼロに近づける、こういうぐあいに合意をしておりますと。にもかかわらず、事業者、協会の方は強引に会場づくりをやってきたと、それは非常にけしからんと言っとるんですね。 そのコメントの中で、新住の亡霊が生きている。実は、開発行為をやりたい。万博が本当の目的ではなくて、新住がやりたかったのだ。検討会議を通じて、万博をこういうぐあいに変えたといって、BIE本部で報告をしてきた。私はうそを言っちゃったことになると。そういうぐあいに言わざるを得ないと言ってるんです。本当に「自然の叡智」を大切にしようと思うなら、ああいうような海上会場の工夫の仕方と言ってるんですね。もっともっと本来、工法そのものも含めてきちっとした中身が、生態系を守るという、その視点が非常に飛んじゃってるんではないかなということを思うんです。 それともう一つは、逆にこのことから、改めてアセスメントが再度必要だということが明らかになったんではないでしょうかね。 それから、財政の問題でも今大変な状況にあります。先ほど壇上でも平成11年度経常収支比率が109.7って言いましたね。平成12年度は100.2、もう県財政そのものにもう余力が、100を超えちゃってるわけですから、全くありません。にもかかわらず、会場設計で1,350億円が下がってるわけでもありません。先ほど答弁の中で、経済性を検討したり資金、財政計画のきちっとしたもとに整備計画・運営計画をつくるんだと言っておられましたけれども、もともと親がっていうんですか、県がもうこういう状況の中で、おかしいと思われないですか。同じ計画をまたやるという、しかも青少年公園の計画では実際のところは後で取り壊すという、こういうむだを市として本当に、県のお金ということではありませんよ。これ県民の税金ですから、きちっと本来は指摘をすることが必要ではないかなということを改めてお聞きしたいと思います。 それから、産廃の問題は、検討会議を立ち上げないというようなお答えでした。例えば、環境基本計画をつくられたときに、当然市民公募で委員を選ばれて環境基本計画をつくっておられるわけですから、こういう重要な、本当に住民にとって非常に必要な産廃の条例をつくられるに当たっては、当然そういう手法を取り入れるべきだと思うんですよね。そのあたりはどうでしょうか。 それから、立地規制で他の法令があって、それが制約になってできない。具体的にはどのような法令で規制がかけられてできないのか、伺っておきたいと思うんです。 実際、現実24時間、365日、その隣で暮らす住民の方は、非常ににおいがあってたまらないと言っておられるんです。たまたま、車で通る人も車に入ってきて、においでたまらんといって言っておられるんだけども、四六時中、それこそ、そういう被害がある、アトピーが発生したり、そういうものに対して、当然市民の判断が入ったって当たり前じゃないですか、それは市民の生活を守るという意味でもね。 法をクリアして、法に対して市民の運動でいろんなものができなくなっちゃったという例、たくさんありますよ。文京区の青空裁判なんていいまして、文京区ですから非常に建ぺい率、容積率も大きいですよね。周囲がマンションになってしまう。ところが、真ん中に保育園がある。日が当たらない。子供にとって日が当たらないなんてことは大変なことなんです。裁判が起きました。住民の要求が通りました。高さが下げられたのか、つくらなくなったのか、それはわかりません。だけど、住民の要求が通ったんです。そういうように、生活そのものがそこにある以上、そこをちゃんと守るというのは自治体の仕事だと思うんです。 地方自治法の第2条は、自治体の仕事を列挙してます。その中に当然、清掃に関する中身も入ってると思うんですよ。それから、先ほど言った憲法の25条は健康で文化的な生活を営む権利があるんだよっていうことをちゃんとうたってるわけだから、何らかの形で21世紀に向けて、住民の暮らしが守れる、そういうことを住民が言えるということが必要ではないかな。それから、立地規制についても同じだと思うんです。 何も難しいことを言ってるわけではありません。市の環境基本計画にある、その中身を具体的に条例の中できちっと整合性があるように、そういうところにはつくったらいけないよということを市が現場で示してほしいということを言ってるだけなんです。 それから、指導要綱の問題は2割ぐらいしか実際に協定が結ばれてないよということでした。私は条例をつくる際に当たっては要綱を格上げして、きちっと条例上の扱いをしてほしいと思うんです。そして、実際に操業してるときには、住民の苦情がぱっと届くような、そういう機構をつくってほしいと思うんです。 それから、この間、平成12年度からは硼素が環境基準に取り入れられたように、異常に高い塩化物の濃度だとか、それから本来検出されてはならない臭素なんかが産廃場の近くで放流水の中に検出されたりするんです。それが下流に及ぼす影響というのは非常に大きなものがあるんですよね。だから、基準値をきちっともっと厳しくする、またはそうやって入ってないものだって、結局は田んぼに入って米になっていっちゃうわけですから、そういうものを除去していくために規制をかけていく、枠を広げていく、それは重要じゃないかなと思ってます。 アセスメントについても同様です。どうしても生態系が壊されてしまう。壊さないということが常識になるような、そういう条例をつくっていただきたい、そう思うんです。 それから、バスの問題ですけども、バスの問題はもう6回もやったし、市の方は手も打ったと、あと何をやれと言うんだというような答弁ではなかったかなと思うんですけども、結論の出し方、資料の提示、非常に不十分だと思うんです。 それは、私も調べてびっくりしましたけども、平均乗車密度という言葉が出てきます。非常に難しい概念なものだから、例えばそういうようなものが対策協の委員さんに配られてますよね。伺ってみたら、この説明はしてないよって言われたんです。非常に概念、難しいものですから、説明するのは難しい。ただし、5人とかっていろいろ書いてある。そうすると、バスに乗ってる人が5人かなというような錯覚を受けちゃうんじゃないかなと思うんですよ。 試しに調べてみました。瀬戸北線45系統というのがありまして、これは多治見─下半田川、下半田川─多治見でもいいんですけども、そこは平均乗車密度が4.8なんです。今回5以下は切ろうということなもんだから、真っ先にこれは切られちゃうところなんですけども、そういう見方ではなくて、一体どれぐらいの人が実際に需要があるかということを見ることが、バス路線が要る要らないにとっては非常に重要だと思うんです。 11月1日、2日、2日間でバスの利用客を調べてみました。朝の4本です。6時15分、それから7時15分、7時半、7時40分、11月1日と11月2日、この路線の利用者は何と11月1日は、142人、2日は102人、結局短い期間であるにしても多くの人が、この朝の4本だけですよ。非常に利用されてるということのあらわれだと思うんですよね。そういう資料をきちっと示して、本当にここを切っていいの、そのことをきちっと対策委員の方に理解してもらう、そこから出発してこういう結論ならいざ知らず、非常にジェイアールだけの資料であったんではないかなと思いますよね。 そういう意味では、今回結論を出してしまうことは、壇上で述べたとおりですし、あわせて地域の足を守るという観点からははずれてしまう。小学生だけは確かに確保する対策をとられましたけども、じゃあお年寄りや障害を持った方はどうされるんでしょう。地域が壊される問題に直面しているわけだから、やはり市として大いにきちっとした判断の資料をお渡しになって、そして論議してもらう。そうであれば、結論はおのずと違う方向に行ったんではないかなということを思ってます。そのあたりのところをどうお考えでしょうか、伺います。 ○議長(足立利夫君) 国際博覧会推進監。 ◎国際博覧会推進監(阪野崇雄君) いろんな観点があったようで、いろんなことを含めまして回答させていただきます。 万博につきましては、適切な環境アセスを初め、自然環境に十分配慮して保全しながら、「自然の叡智」というテーマのもとに、国や民族・文化・宗教を越えて世界じゅうの人々が参加する豊かな交流の舞台をつくって、世界各地での自然とのさまざまなつき合い方、知恵に学びながら、多様な文化文明の共存する安心平和な地球をつくっていこうと、そういう考えのもとに開催するものと理解しております。 また、厳しい財政状況の中でございます。決められた枠内で採算性等も十分配慮しながら、適切な財政計画のもとに開催をするものと考えております。 以上です。 ○議長(足立利夫君) 環境経済部次長。 ◎環境経済部次長(中根謙君) それでは、私どもの方に5点ほどの御質問がございましたので、順にお答えしてまいりたいと思います。 まず1点目が、なぜ検討委員会が設置できないのかというようなお尋ねであったわけでございますけども、これにつきましては設置の際に、その構成員の選定に当たりまして公平性を保つことが困難であるというのが最大の理由でございます。 それから、2点目の御質問は、住民合意や立地規制につきまして条例に織り込めるんではないかと、そういう御指摘があったわけでございますけども、このことは先ほどの部長答弁にもございましたように、住民合意や立地の規制を条例に規定することにつきましては廃棄物処理法の制約を受けますので、今回の条例に規定することには限界があるというふうに考えておるところでございます。 それから、3点目の御質問は、環境保全協定を締結することを条例の中で義務づけるべきではないかというような、そういう御指摘があったわけでございますけども、このことにつきましては、そのことも視野に入れまして、今検討の段階でございます。 それから、4点目が排水基準にない物質の追加について、なぜ要望する必要がないのかというようなお尋ねがあったわけでございますけども、これにつきましては塩化物イオンなどのような物質によりましては汚水処理時に除去が困難というものもござますので、こういったものにつきましては別な方法、例えば搬入しないとか、埋め立ての方法を変更する、そういったことで指導してまいりたいと考えております。 それから、最後の御質問がなぜ焼却施設を除く中間処理施設だとか積みかえ・保管施設などについて環境アセスメントの対象施設にしなくてもよいのかと、そういう御質問があったわけでございますが、これにつきましては対象となっております焼却施設だとか、最終処分場に比べまして環境に与える影響が少ないと考えているからでございます。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) 総務部長。 ◎総務部長(永田正幸君) 再質問でいただきました瀬戸-多治見を例にとって御質問をいただきましたが、瀬戸-多治見間につきましては、現在協議会の方でも必要性を認めながら、多治見を交えた形で協議を継続しておりますので、その辺を御理解いただきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) 30番原田学議員。 ◆30番(原田学君) それでは、万博の問題ですけども、非常に流暢な答えになっちゃうもんですから、そういう抽象的な話ではなくて具体的に、私が言ってるのは現場でこういうことが起きてますよと。皆さんは「自然の叡智」と言われるんだけども、本当にそれを保証してますかと、そこを繰り返し言ってるんです。例えば、例の「こいの池」ですよね。私も聞いてなるほどなと思ったんですけども、絶滅危惧種の2類の珍しい名前なんですけども、イヌタヌキモ、犬とタヌキと合体したような藻があるんだそうです。こういうように本来、正式なアセスメントをやっていれば、そういうのはきちっと場所を特定するといろんな問題があるので、それは出さないのかもしれませんけども、少なくとも名前には上がってきて、そしてそこの工法については留意するというのは、当たり前の中身になると思うんですけども、後から後からこういうぐあいに会場で新しいものが見つかってくるというのは、非常に問題だと思うんですね。 それから、生態系を保全、21世紀の国際博のモデルにするんだって言っておられますけども、そうであるなら、そうであるからこそ、逆に言えば、きちっと再アセスをやって、どこに出しても恥ずかしくないよというようなことをおやりになるというのが、本来の博覧会のあり方だと思うんです。21世紀の人類の到達点だと思うんですよね。このまま行ってしまえば、私はアセスやってないとは言ってないですよ。修正評価書か何かが出て、後、追加のアセスで部分的に調べていっておしまい。本来、2会場に分かれる場合は、当然再アセスをやるべきだということを繰り返し主張をしたい。 それから、以前の行政改革のときには瀬戸市としても6,000万円の年間の被害を受けました。今、県は第3次行革を準備しておりますけども、その行革はまさに福祉ばっさり、暮らしばっさりの行革です。たとえば、渥美にある特別養護老人ホームを切り売りしちゃうってんだね。ほかの団体にもうやってもらう。それまでして身を削りながら、何で万博に1,000億円なのっていう、ここの丸っと逆立ちしている。こういう財政状況でいいのかと。本当に財政問題一つをとってみても、それから環境問題を突き詰めてみても、このままで行けば住民にとって満足いかない、そういう万博になりかねない。そういう意味で、できなければ必要にアセスメントとか、そういうきちっとした制度を取り入れられなければ当然中止・返上ということを県に求めていただきたいと、そのように思います。 それから、産廃は先ほど検討会議を設けないのは、利害関係があるからだというような話がされたと思うんです。当然、つくりたい人、つくりたくない人、産業界は自分のところの地場産業がそれによって発展しないようでは困りますからつくりたいと言いますよね。住民はつくりたくないと、そのせめぎ合いがあるでしょう。しかし、私たちが一番注目しなければならないのは外から持ち込まれる、それについてなんです。もうありとあらゆる物が瀬戸市内に持ち込まれておりますよ。地元の産業界とは、むしろ認識を一致することができると思うんです。それは出す排出物の種類が、例えば医療廃棄物が入ってるとか、そういうもんじゃ一切ありませんので、粘土・陶器、それらの関係の物に決まっておりますから、ある意味で言うと地元の人も産業をつぶしてまで要らないなんてことはだれも言いませんよ。そういう意味では、当然そういう方にも入っていただいて、大いに論議をしていく、そのことの方がむしろ大切だと思うんです。 21世紀のごみの処理の仕方というのは、一つは製造者の責任、二つ目はリサイクルの社会、そして三つ目は域内処理、この三つが原則になっていくようなそういう社会になっていくんではないかなと思うんです。その際に、自分の地域のごみを自分たちでどう処分するか、それは産業界も地元の人も学者さんにも入ってもらってこそ、立派な検討会や立派な条例ができるんじゃないかなと思ってるんです。 それから、住民合意、これは先ほどからお話ししているように、この間、余床の里の産廃場が拡張するという計画がありまして、この前お話したとおりですね、11軒のうちの約半分近くがもう出ていってしまわれました。こういうように、中国の歌に「国破れて山河あり」というのがありますけども、まさにこの状況は産廃事業栄えて山河なし、もうあらゆるところで住民がふるさとを捨てなければならないというような、こういう産廃事業があっていいんだろうかと非常に疑問に思いますよ。そういう意味で、個人の主張が通る、そういう条例を生活権に基づいてつくっていただきたい。 それから、立地規制の問題は、これ条例と法令との関係だと思いますけども、条例と法令との問題というのは昭和50年9月に行われた最高裁大法廷の判決があるんです。「同一の目的であっても国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じ別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときには、条例が国の法令に違反する問題は生じない」、違う結論が出ちゃう。例えば、同一内容で違う結論が出る。参考の例に出してあったのは、東京杉並区で大店法の後、大規模小売店舗立地法というのができましたよね。あれについて地元からもっと厳しい、国の法律よりも厳しい内容の条例をつくっちゃったと。それが違反するかしないかという、こういう例の場合を参考にしてありますけども、その場合はその地域の実情に応じて、同じ方向であればいいんだよということなんです。 じゃあ、廃棄物処理法が利害関係があるから条例はできない、個人の規制はできないんだと言っておられますが、廃棄物処理法は果たして本当にそういうぐあいになってますか。やっぱり目的が重要だと思うんです。目的は廃棄物の排出抑制、それからあと分別だとか、収集だとか、運搬だとかいろんな業種があって、その後、生活環境を清潔にすること、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること、廃棄物の処理の取り扱いに当たってこういう目的があるんだけども、それを取り扱われる地元の住民にだってこういう権利があって当たり前じゃないですか。生活環境の保全及び公衆衛生の向上、毎日毎日毎日、においがたまらないというのは何とかすることが当たり前じゃないですか。そういう意味から言えば、それから第4条ですね。県の指導上の責任は何だって書いてあります。産廃の現状を把握しなさい。あわせて適正な処理ができるよう必要な措置をとりなさい。こういうぐあいに述べられているわけでありますので、きちっと目的の趣旨を生かして住民の声を取り入れる、それから立地の規制をかける、そのことが必要ではないでしょうか。 それから、硫化物というか、放出されるものの規制やまたは基準をもっと厳しくするべきだということですね。クリーン開発の近くの周辺の泥を採取して調べてみました。何とカドミウムが水に溶けている量の一定の、土に含まれるカドミウムというのは一定の基準があるそうですけども、それの3倍、または放流水を、かつてですけども、流れていた農業用水、そこのTN、トータル窒素、それをはかってみたら農業用水の基準の五、六倍、それから先ほど壇上で述べました塩化物イオン濃度は海水の2分の1から3分の1、こういうものが終始流されるわけですから、当然行政として対応するのは当たり前のことじゃないですかね。 それからあわせて、環境アセスメントも同じですよ。一番地元の人が心配してるのは、稲に対する被害なんです。それは水を清潔に保つ、そこを保証してあげないと、稲の玄米をとって調べられたとか、それから泥も調査をされたってのは伺ってます。ぜひともそれを育てる水、放流水、流水ですね。その影響が生物に、一番生物は敏感ですから、どういうような影響を与えるのか、つくられた場合に、そのことをきちっと国や県に法の中に盛り込むことが重要だということを繰り返し言いますけども、申し述べてほしい。 それから、バスの問題は、私先ほど調べたのが多治見─半田川だものですから、そこだけ述べさせていただきました。この例から推しはかって、もう切られてしまうよという路線が、かようにたくさんの人に利用されてるんだと、これはほとんどの切られてしまう路線が同じ状況だと思うんですよね。まず、そこをきちっと認識をしていただきたい。 それから、皆さん方はこの間、ジェイアールバスにも市長さんの名前で残してほしい、そういう旨の要望をされたと言っておられます。改めてバス対策協議会のあり方、県の指導が問題だと思うんです。廃止されちゃうからどういう処理をするの、どういう対策をとるのをぜひ市のバス対協で考えてほしいといって押しつけちゃうから、結論がおのずと決まってっちゃうんです。そうじゃないと思うんです。附帯決議にも住民の意思を反映させるんだと書いてありました。 それから、3月13日、愛知県の革新懇と国土交通省と交渉をやりました。そのときにも住民の声を反映させてよしと言ってるんです、国土交通省が。それから、平成13年5月29日、衆議院、国土交通委員会、瀬古議員がこの問題を取り上げて質問しました。赤字だから切るというのは問題じゃないのと。ローカル線の維持の問題をどう考えると。松本参考人、これはジェイアール東海の副社長、バス対協の中できちんとした対応をしていく、そういうぐあいに聞いてます。決してバス対協は、決まった結論だけを出すというところじゃないということをこの三つの事例からもおわかりではないでしょうか。改めて、バス対協として本来は、今回のバス対策協議会の中でも、初めは皆さん方はぜひ残してほしいという率直な声があったはずです。そういうように聞いてます。その声を本当にジェイアール東海バスに、バス対協の趣旨からしても届けることが当然ではないかと、そういうぐあいに思うんです。よろしくお願いします。 ○議長(足立利夫君) 国際博覧会推進監。 ◎国際博覧会推進監(阪野崇雄君) 2点いただきましたけれども、先ほども申しましたが愛知万博の開催は21世紀におきます国際博覧会のモデルとして、これから新しい世紀に幾つか行われるでありましょう、国際博覧会のそうしたリーディング、そうした先導的役割を果たす意味からも、日本が主導的役割を果たす新たな国際貢献として重要な意義を持つものと考えております。 それから、環境アセスの点につきましては先ほどお答えいたしましたとおり、国の定める要領に基づき適切な措置が行われるものと考えております。 以上です。 ○議長(足立利夫君) 環境経済部長。 ◎環境経済部長(田島雅敏君) 産廃の関係で再々度御質問をいただきましたけれども、検討委員会の設置にかかわります委員の選任等に関する御意見や、また排出基準への意見、それから中間処理施設等にかかわるアセスメントへの議員の御意見、御指摘については、今後の検討に当たっては参考とさせていただきたいと思いますが、ただ1点、御指摘のありました最高裁の判例というのは、これは恐らく届け出にかかわる事実上の規制の話をしておられるんではないか、大店法上のですね。それとの関係だと思っておりまして、いわゆる届け出規制にかかわる部分と事業免許にかかわる事業規制にかかわるものは、本質的には異なるものだと理解をいたしておりますので、よろしくお願いをいたします。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) 総務部長。 ◎総務部長(永田正幸君) 再々の御質問でございますが、瀬戸市といたしましては基本的には存続というのは大原則でございまして、こういう形での考え方は毛頭変わっておりません。 ただ、先ほどもお答えをいたしましたが、いろんな形で市長みずからも出席して存続の要望も行い、またバス協の意見を受けて強く要望をしてきた結果として、最終的に運行は困難という回答がなされたわけでございますので、これは県の協議会からの通知のありましたような形で市のバス対策協議会としても生活交通の確保対策を検討したという結果でございます。基本的なところは変わっておりませんので、御理解願いたいと思います。 ○議長(足立利夫君) この場合、暫時休憩いたします。                         午後3時03分 休憩                         午後3時19分 再開 ○議長(足立利夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に移ります。17番堀田眞澄議員。               (17番堀田眞澄君登壇)(拍手) ◆17番(堀田眞澄君) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告しましたとおり本市行財政経営の今後の方向についての質問をさせていただきます。 「月間市政」11月号に増岡市長は「行政と経営感覚のハーモニー・美しい音色を目指して」と題して、「我が市を語るコーナー」に寄稿されていらっしゃいます。その中で市長は、今までの自治体運営の問題点を次の3点にあると指摘されています。一つ目は、今までの行政では税金を払ってサービスを買っている市民に対して、いつまでに、どのようなレベルのサービスを供給するのかという具体的目標をほとんど示してこなかった。二つ目に、自治体が財政難に陥ってる現在においては、総花的にサービスをし、あれもこれもとなって結果的には一律何%カットという手法が多くなりがちで、市民のニーズの高い分野、大きな問題を抱える分野での対策を優先し、他のサービスをあきらめても実施するという、あれかこれかの選択がないことが問題で、三つ目に行政が地域課題に取り組むとき、現状ではともすると行政のみが肩に力を入れて自分ですべて行おうとする余り、市民、NPO、民間企業などとの役割分担や市民ニーズ、効率性、コストなどに目が向かない嫌いがあるとされています。 そこで、その解決に当たっては、社会ニーズに対応し切れずに、制度疲労を起こした既存の行政運営システムの多くを大胆に解決するために、行政の中に「経営」の理念と手法を持ち込むことで解決する方法を選択されました。 そこで、「行政運営に対する基本方針」としては、よりよいサービスの提供、より高い効率の追求、より確かな信頼の獲得の3点を改定された総合計画基本計画の中に盛り込み、これを達成するためにニューパブリックマネジメント理念に基づいて業績・成果主義への転換、市場メカニズムの活用、市民・NPOとの参加協働型システム運営の実現をすることとされているようです。 本年6月には、本市行政の「社外取締役」兼「外部監査人」の役割を果たすべく、「行政経営委員会」を設置され、行政経営導入計画作成・提言を委員会に諮問し、専門家と職員が五つの作業部会でともに取り組まれているようであり、さらに第8次実施計画、先ほどの全協でいただいたものですが、ニューパブリックマネジメント理念に基づく手法を取り入れられ、改革の第一歩を踏み出していると書かれております。 この「我が市を語る」は、全国市長会のホームページにも掲載され、広く周知されているところでございますので、この内容をもとに質問を展開していきます。 地方の財政状況は、どこでも今、がけっ縁に立たれていることは確かです。市民一人一人、国、県、市合わせて一人一人への借入金の平均は、五百数十万円に及ぶといいます。「あれもこれも」を求める時代から限られた財源と人材、地域資源を生かしつつ、「あれかこれか」、政策の選択が問われる時代に変わってきていることは、だれしもが認めざるを得ないところであります。 そんな折、行政経営の判断の材料づくりとして、行政評価の手法を取り入れることになるわけで、我が国においても平成14年度予算からは各省庁が行政評価法に基づいて政策評価を導入した予算組みを始めたところです。また、幾つかの自治体においても政策立案や行政の効率化を目指して、行政評価を積極的に取り入れようという動きが見られるようになっております。 しかし、自治体の取り組みの多くは行政改革の一環として評価と成果をできるだけ直結させ、制度として体系化・システム化しようということのようですが、行政評価という言葉自体がきちんと定義づけられていないところが、事業を執行する行政にも評価する市民にもこれからの課題になってくると思われます。 また、政策の達成度と政策を達成するための施策を総合的に評価する政策評価をどうするのか、個別の事務事業について、これまでの運営が妥当であったのか、そして今後どのように運営されるべきかを事業の実績、必要性及び効率性等を踏まえて、総合的に評価する事務事業評価をどうしていくのかも今後の課題になってくると思いますが、どこの行政も遅かれ早かれ変化を迫られるなら、先取りをして、前向きに準備されていく当局の姿勢に一定の評価はするものですが、市民サービスの向上につながる経営システムに切りかえていくためには、幾つか押さえておきたいことがありますので、以下質問をさせていただきます。 まず、行政経営ニューパブリックマネジメント理論導入に当たって、瀬戸市の場合、行政運営、財政運営のどこが問題なのか。現在進行中で、平成6年度にスタートをした第4次総合計画に基づく行財政運営が、実際にどのように行われてきたのか、行政としてきちんと見きわめる必要があることを指摘するものです。 ニューパブリックマネジメント理論の導入で、行政運営の先進的な取り組みを見せている福岡市においても、ここのところはきちんと整理されていたから、かなりの成果が得られるようになっていると聞いております。福岡市の場合は、「経営管理」の視点に基づき、市役所が「よりよいサービスをより効率的に」提供し、かつ市民から「より信頼される」ための方策を検討する中で、「市民が主役」になるためには、市役所の仕事のやり方の改善策が急務という市民委員会からの提言を受けて、行政マンの意識改革から入っていったようです。 やはり、本市においても、これまでの行財政運営の実際をより具体的に分析し、その問題がどこにあるのか、どこが制度疲労を起こしているのかなど、みずから意識して整理する必要があるのではないかと考えます。初めに、本市の行財政運営のどこに問題があると分析されたのかについて伺ってみます。 行財政運営について、私は平成6年当時、第4次総合計画の第1次実施計画策定実行に当たって、本会議場から質問をしております。 80年代に起こったバブル経済が、その崩壊と同時に厳しい経済状況を我が国にもたらす中で、本市ではより厳しい経済状況の中で第3次総合計画から現在の第4次へと引き継がれようとしていました。新たな市の指針ともなる総合計画をスタートさせるに当たっては、厳しい目で、その10年間の行財政運営を総括し、次の10年の運営に当たるべきであること。そのためには、中・長期ビジョンに基づく政策課題解決の発想が不可欠であることを指摘し、どう市政運営に当たっていかれるのかと、その基本姿勢を尋ねたところ、当時の当局は第4次総合計画の実施に当たっては長期事業計画に基づいた政策論議を全庁的に喚起しつつ、体系的な事業進捗、より効率的な事業運営を行っていくこと、財源確保は歳入の確保を最重点課題と考え、不急不要の事業の削減による経費の抑制に努め、補助事業の導入と起債の獲得による財源確保に努力を払うと御答弁されております。 以来、私は幾つかの事業についても根幹の政策に立ち戻って、それをいかに施策展開し、市民のために実現を図っていってもらうかという視点での質問を繰り返してきたつもりです。 今、世紀を超える第4次総合計画の実施計画も8次を迎えました。いよいよ一定の政策評価を受ける時期になりました。ここのところ、予想外の経済状況、超少子化、自然災害、そして国際状況も含めて目まぐるしく変化する中で、次なる10年を見据えた取り組みをし始めなければならないわけですが、この間、果たして長期的展望のもとに庁内での政策論議がきちんとなされ、より効率的な事業運営のもとに政策課題を解決できてきたのでしょうか。この間、「よりよいサービスをより安く」といううたい文句のもとに、行政改革も行われてきました。にもかかわらず、財政危機状態は一層深刻なものになっていますし、住民の行政サービスへの満足度は低く、行政不信の声すら聞こえてきております。なぜそのような状況になってしまったのでしょうか。この10年の瀬戸市の財政状況を当局はどう分析されているのか、まず伺ってみます。 「あれもこれも」を求める時代から限られた財源と人材、地域資源を生かしつつ、「あれかこれか」、政策の選択を問われる時代に転換せざるを得ないとしたら、しかも市民との協働をうたう以上、まず瀬戸市の財政の現実をきちんとわかりやすく住民に知らせないのは問題だと思います。 財政が厳しいということは口にされてはいるのですが、なぜそうなったのか、原因の説明が十分ではありません。税金を払っている市民からすれば、払った税金に見合うサービスの質と量を求めるのは当然であって、市の台所事情が苦しいので、じゃあ我慢しましょうということにはならないのではないでしょうか。どんなやりくりをしてきたのかについては、市当局として当然説明する責任があると思いますが、いかがでしょうか。 以下、お尋ねします。 瀬戸市の財政状況が厳しくなったのは、なぜでしょうか。また、今後の行政運営に市民の参加・協働をうたうとすれば、財政状況の悪化は市民にどう影響するのでしょうかといったことについて、すべての市民に理解を求めなくてはなりません。そうなると、その危機感を行政マンがどこまで意識しておられるのかについても尋ねなければなりません。 さらに、この状況を乗り越えるために、財政再建を図るのか、自主経営能力を高めるのか、自主財源を探索するのか、どこから手をつけるのか、同時進行で行かないと間に合わないかもしれません。行政の役割、市民の役割もいまこそはっきりさせるときではないかといったさまざまな角度からの行政内部での論議が巻き起こってしかるべきだと思いますが、危機を乗り越える方策はどう考えられているのでしょうか。 以上、これまでどのような財政運営をされてきたのかをお尋ねし、さらにどこに問題があったのかについてもお伺いいたします。 次に、どんな行政運営をされてきたのか、これまでの行政運営上の問題点をどう分析されているかについて伺います。 行政の取り組む地域課題は複雑で、長期的・継続的な活動が必要です。限られた資源で納税者・住民のニーズにこたえる、満足感のあるサービスが提供できるという成果を求めるためには、焦点を絞った計画的な事業展開が必要となることは、第4次総のスタートに当たって組織経営、マネジメントの重要性を問い、その視点でその都度、問題を指摘したところですが、実際はどうマネジメントされてきたのでしょうか。総合計画に基づく分野別の基本計画の策定はされてきたのでしょうか、現状の事務事業を積み上げるだけにとどまってはいなかったでしょうか、策定された計画が棚に葬られてしまってはいなかったでしょうか、予算編成ばかりを気にして事務事業やその予算の消化に終わってはいなかったでしょうかといった点を行政当局はどう分析されているのかについて見解をお聞かせください。 総合計画・基本計画・実施計画の体系を基盤にした政策体系に基づく企画、実施、評価の循環過程は、行政運営の基本の動きです。仕事の結果をその目的からチェックし、次の企画や実施に反映させることは、行政マネジメントの基本だと思うのですが、そこのところがうまく機能していないと私は指摘せざるを得ないところにきております。 なぜマネジメントがうまく機能しなかったのか、組織としてどこに問題があるのか、問いたいと思います。 以上の実態を当局がしっかり把握され、その問題を分析され、行政組織全体が十分意識されることが最重要だと思われますが、そこのところの手順はどうされているのかについてお尋ねします。 二つ目の質問、ニューパブリックマネジメント理論を導入して策定された第8次実施計画について伺っていきます。 さて、この実施計画は、この理論に基づく改革の第一歩となるわけですが、平成14年度予算がこの実施計画に基づいて組み立てられ、事業進捗が図られていくことを思うと、本年改定された第4次総の中間見直しとも言える総合計画、基本計画が社会状況をどうとらえ、今後どのように展望し、どの程度民意を反映した改定となっているのかが問題であることも指摘せざるを得ません。また、初めの質問で指摘しましたように、これまでの行政の体質に幾つか重要な問題があることを思うと、第8次実施計画へのこの理論導入の執行が余りにも速攻で、果たして行政組織の実態をどこまで踏まえられていたのか、実施計画策定に当たられる皆さんが、どこまでこの手法を吸収されての取り組みだったのかが気になるところです。 そこで幾つか質問をします。 まず、実施計画のすべての事業について、この手法を取り入れられたのはなぜなのか、伺います。 実は、平成14年度予算を組むに当たって文部科学省では、政策評価と同時に幅広い分野にわたって事業評価を実施しながらも、今後の改善として文部科学省の政策、事務事業を含む政策の効果は発現するまでに長期を要したり、定量的に測定することが困難なものが多いことから、過去に実施した政策の分析を十分に踏まえるとともに達成時期の設定の工夫、アウトプット目標とアウトカム目標の適正な使い分け、あるいは評価手法の開発等に関して、引き続き改善しなくてはならないと課題を提起しております。 本市は、実施計画策定の段階で、こういった点にどれだけ配慮されてきたのか、実施計画に取り入れられたねらいによっては、かえってその成果が上がらないどころか、市民に誤解を招きかねない重要な点だと思うのですが、この段階ですべての事業に取り入れられたねらいはどこにあったのでしょうか、お尋ねします。 次に、住民満足度と成果主義に重点を置く行政評価をとるとするならば、住民と直接向き合い、生活に密着した行政サービスを求められることになります。行政のそれぞれの部署では、納税者としての住民ニーズの把握、取り込みを十分にされたのでしょうか、実際にどのようにされたのでしょうか、伺います。 また、行政評価は住民のニーズやその地域特性に応じたものでなければなりませんが、「あれもこれも」でもなく、「あれかこれか」となると、「あれ」でなく「これ」を選んだ選択基準を示さねばなりません。どこかに我慢を強いる以上、十分説明できる政策が要ります。指標づくりはあくまで事務的なことで、「どちらが今必要な施策か」、「優先事業は何か」といった政策論議が重要になるのですが、実際にはどんなプロセスで取り組まれたのでしょうか。 3点目の質問です。 さて、今後の行政経営の手法として、ニューパブリックマネジメント理論を導入されていくということですが、この理論の導入の経緯について、何をねらって導入されているのか、伺っておきたいと思います。 欧米での成功例から、我が国でもこれに注目されているわけですが、イギリスと日本の違い、アメリカと日本の違いが十分認識できているのでしょうか。イギリスは税金や使用料金の払いがいを高めるのが行政サービスの目的というとらえ方をするなら、そのためには提供しているサービスの量と質を定期的に定量把握をしなければならないとし、そのための制度変更、行政サービスと民間企業サービスと対比させ、競争させるやり方を取り入れました。また、アメリカ社会の場合は、企業社会・ビジネス社会、地域社会・コミュニティー社会、そして自由な個人の活動から成り立っているわけです。この三つに共通するのが自律経営、セルフガバナンス、契約とマネジメントが絶えずついて回る社会がアメリカです。こういう国での経営手法をそのまま持ち込むことはもちろんないのでしょうが、違いをちきんと把握してこそ、実が上がると思います。 我が国は、そして我が瀬戸市の実態はという視点こそ、しっかりと持って臨まれたいものです。さらに、国内先進事例のどの点を学び、瀬戸の実態に即してどう取り込みがなされようとしているのかについても確認しておきたいと思います。 そして、顧客第一主義、住民・市民の望む成果を基準とすることが第一なのですが、市民の望むところをどうとらえ、どんな展望に組み立て、どう実現させていくか、成果主義という基本的な考え方について十分徹底できているかどうかも成否のかぎを握るものです。いかがでしょうか。成果主義の考え方、導入の目的を示していただきたいと思います。 住民に公開し、住民から評価してもらうことについても、その手法・ねらい・基準が住民にとってわかりやすいものでないと評価の実は上がらないのですが、いかがでしょうか。 行政評価が一般化され、住民が払った税金がどれぐらい効果的・効率的に使われているかということについては、行政評価で判断し、あるべき姿と現実のギャップが定量的にわかると、それに向けてPDCAのサイクルを回していくというトータル・クオリティー・マネジメントの流れがスムーズに循環するようになるために、どんなシステムを考えておられるのか、市民にわかりやすく説明するつもりで御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 最後の質問です。 ニューパブリックマネジメント理論に基づく市民、NPOとの参加・協働システムを実現するとお考えのようですが、参加・協働をどのようにとらえられているのでしょうか、確認をしたいと思います。 さきにも例を出した福岡市では、行政が市民をとらえるのに納税者としての市民、お客様、サービス利用者としての市民、まちづくりの行動主体としての市民というとらえ方をした上で、市役所はその三つの市民のために存在すると定義されています。そういった位置づけを共有するところから自律した個人、市民、行政は生まれるものでしょうし、自律した関係でなければニューパブリックマネジメント理論は成り立ちません。これまでの本市の住民参加の仕方、協働の実態では、相当てこ入れが必要になります。 さらに、行政の規制を緩和することやさまざまな既得権をどう整理し、新たに構築していくのかも問われるところですが、そこのところを当局としてはどう考えて取り組んでいかれるのでしょうか。 さらに、行政評価の成否は住民参加を得られるかどうかが重要な要素だと言われていることからすれば、制度の導入段階、今の段階から住民を巻き込んだ取り組みが必要なはずですが、どのように住民参加のシステムをつくっていかれるのでしょうか。 さまざまな問題を投げかけましたが、当局の見解を丁寧にわかりやすくお答えいただくことをお願いいたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(足立利夫君) 市長公室長。 ◎市長公室長(金森達三君) 行財政経営の方向について質問をいただきましたので順次お答えをしてまいります。 本市の財政状況が厳しくなっているという大きな原因は、自主財源の減少、中でもその根幹をなす市税の減少によるところが大きいととらえております。このような状況に置かれていることは、行政改革が必要とされる背景として職員に浸透しております。 この状況を乗り越える方策の一つといたしましては、現在の行政改革を推進し、限られた財源の中で、より効果的な事業展開を行うことであり、それは実施計画で決定しているところでございます。 次に、行政運営について御指摘をいただきました件ですが、御承知のとおり総合計画につきましてはまちの将来像をあらわした基本構想と分野別の計画としてあらわした基本計画から成り立っております。中でも、基本計画は政策、施策、事業を具体的にあらわした行政運営の教科書とも言える役割を持っております。 この基本計画の策定に当たっては、住民意識調査やヒアリングを通じ、住民のニーズを的確に把握した上、住民と行政の協働作業により策定をいたしました。 省みるに、住民の意向は、この基本計画に十分位置づけられていると考えておりますが、それを事業として実行するに当たっての長期財源見通しの把握が困難な状況になったと考えております。 このことから、実施計画のシステムに長期的な財政面での展望をする視野を持つといった改良の余地があったと考えております。 他方では、総合計画という名の示すとおり、一通りすべての分野における政策・施策が横並びになっており、これらの政策・施策間の優先順位設定や達成すべき目標の明示がないことが、ひいては議員指摘の計画と実施の分離につながったとも考えられます。 そのような分析を踏まえまして、市民が選択する瀬戸市の将来像の実現に向けて、市役所の組織がそれぞれの役割を果たして前進し、ついには全体の目標を達成するよう、組織のマネジメントを行う必要があります。これは民間企業ですと企業管理という良質な企業運営への体質づくりに称されますが、行政もまさしくここに来て、その考えを全面的に導入しなければならないと判断し、現在取り組んでおります。行政経営システム構築につながってくるわけでございます。そのシステムは、御指摘のありました企画、実施、評価の循環で成り立っているわけでありますが、確かに循環といった一つの流れは、行政運営には不可欠なものであります。 本市は、この循環を身につけて、日々の業務に当たる意識を職員が身につけるため、行政評価を包含した行政経営といった考えを持ったわけでございます。 現在、行政経営委員会におきまして本市独自の行政経営システムを構築しており、来年度、そのシステムに基づき行政運営を行ってまいりますが、本年度より先行して取り組みました第8次実施計画の結果につきましては、近日中にホームページ等で公表していく予定としております。 これを実施し、主権者であり顧客であります住民の説明責任を全うすることで、住民と職員、双方に市政に対する運営意識が芽生えてくるものと考えております。 次に、平成14年度実施計画策定について、行政評価を取り入れたねらいについてお答えいたします。 行政評価の対象は、政策レベルの評価から行うか、事務事業レベルの評価から行うか、さらに初めからすべての事務事業に行うか、一部の事務事業から評価を始めるかという選択があり、いずれも後者から始める自治体が多いように思います。 瀬戸市もその一つであります。行政評価は、行政が行った仕事が予定された成果をどのような費用で上げたのかをチェックして、総合計画の目標達成のために次の改善につなげていくためのものであることを考えれば、政策・施策・事務事業のすべてのレベルで、すべての事業を対象にして行わなければならないものであります。 本年度の取り組みは、そこに至る途中の姿であると考えており、来年度以降、レベル・対象範囲とともに拡大していく予定です。 住民ニーズの把握については、実施する事務事業を真に有効なものとするために不可欠の作業であります。本年度は各課で把握している過去の利用者数の統計を整理し、分析するなどして対応をしましたが、これも来年度以降、さらに正確に把握するようにしてまいりたいと考えております。 優先順位の設定につきましては、本年度は市長が考えます政策間、事業間の優先順位の把握を階層分析という手法を用いて行いました。それによりますと、政策分野においては総合計画の基本計画第3章の「誰もが安心して住めるまちづくり」が最優先との結果が出ております。優先すべき政策の議論は、今後議会の皆さんや住民の皆様に行っていただきたいと考えております。しかし、やみくもにどの政策・施策・事業を優先するか、議論してくださいと言ってもなかなか困難が伴いますので、議論に必要な材料を行政から提供させていただく必要があると考えております。 その材料となるのが行政評価であり、コストの把握であると考えて、現在精力的に作業を進めているところであります。 次に、ニューパブリックマネジメント理論の導入過程とねらいについてお答えいたします。 冒頭に申し上げましたような経過でニューパブリックマネジメントに基づく行政経営の導入に取り組み始めたわけですが、そのねらいは先ほどお話がありましたように、よりよいサービスの提供、より高い効率の追求、より確かな信頼の獲得の実現であります。これを達成するためには、業績・成果主義への転換、市場メカニズムの活用、住民・NPOとの参加・協働型システム運営が必要であります。このため、行政経営委員会のもとに五つの作業部会を設置して、経営改革を進めているところでございます。 「戦略経営部会」では、総花的な総合計画から脱却し、地域課題の分析に基づき次期総合計画にふさわしい戦略計画をつくり、戦略計画づくりを8人の部長をメンバーにして行うとともに、現場の改革改善提案をトップが受けとめて実現することにより、住民の立場に立ったサービスの実現を可能にするための職員提案を募集しております。 「実施管理部会」では、行政評価に必要なニーズの把握、最少の費用で最大の効果が得られる事業手法の選択や受益と負担の関係を明らかにして、住民との議論を可能にするためのコスト把握などを行っており、また「企業会計部会」では、そのためのツール、いわゆる道具ですね、完全発生主義でのコストの把握を可能にする会計システムの検討を行っております。 さらに、「パブリックインボルブメント部会」では、行政以外の公共サービスの担い手であるNPOとの協働事例をつくっていく作業を行っております。 五つ目の「情報システム化部会」では、これらの各システムを支えるための情報システムについての検討を進めております。 行政評価の導入は、自治体では必須メニューの一つとなりましたが、経営改革に関して、これだけの包括的なアプローチを試みている自治体は数少なく、先駆的な取り組みであると評価をいただいております。 来年2月には、行政経営委員会の答申が出ますので、それを受けて、市民のための市役所を目指し、平成17年度までにニューパブリックマネジメント理論による経営体制を完成させ、平成18年度から始まる第5次総合計画から新システムによる行政運営に全面的に移行したいと考えております。 最後に、市民・NPOとの参加・協働型システム運営についてお答えをいたします。 住民には、大きく分けて三つの側面がございます。一つ目は、主権者としての側面であり、この意味での住民は市政の最高意思決定者として政策の優先順位の議論をお願いしていきたいと考えております。 二つ目の側面は、公共サービスの顧客としての側面であります。行政の提供するサービス、事務事業が住民の皆様のニーズに合ったものになるためには、ニーズの把握と、それにこたえた柔軟な実施体制が重要であります。この意味での住民の皆様には特定のサービスに対し、顧客としての立場で意見を言っていただきたいと思っております。 三つ目の側面は、公共サービスの提供者としての住民・NPOであります。多様化する住民ニーズにこたえるには、公共サービスの担い手として、行政のほかに住民やNPOの登場が急務であり、今後の行政はこれらのパートナーとの対等関係に立った協働について、さらに経験を積まねばならないと考えております。この場合の行政と住民との協働は、公共サービスの担い手同士のパートナーシップという形をとると考えております。 これら住民の三つの側面のいずれとの参加・協働もニューパブリックマネジメントの重要な要素であり、行政経営委員会のもとで具体的な協働のための作業が行われております。 以上、お答えにかえさせていただきます。 ○議長(足立利夫君) 17番堀田眞澄議員。 ◆17番(堀田眞澄君) 再質をさせていただきます。 先ほど壇上でも申し上げたんですが、今回ニューパブリックマネジメント理論に基づいて行政経営を行っていくということを言われてるんですが、実は本来行政というのはパブリックマネジメントに基づいて政策・施策・事業展開という流れというのはあったはずですね。壇上でもさらに申し上げましたが、私は今まで数々の質問をそういうシステムを前提にして質問をしてきました。お答えとしては、前向きな御答弁はいただくんですが、実現してきてることというのは非常に少ないものです。 単発で出しているいろいろな問題というのはもちろんあるのですが、やはり瀬戸市の将来ビジョンに向かってどうやりくりしていくのか、財源についてはもうないものは仕方がないという部分があるのですが、瀬戸だけの問題ではありませんので、ただ少ない台所事情をどうやりくりしていくのかという、そのやりくりの仕方にどんな問題があったのかということがしっかり把握されてないと、ニューパブリック、新しい手法ということになっても結果は同じことになってしまうような懸念をするものですから、そこのところの分析をもう少し厳しく、本当にこれから取り組もうとしている行政経営を成功させるために、厳しくチェックし直していただきたいと思いますが、そこのところはどうなのかということを聞きます。 それから、二つ目ですが、平成14年度の第8次実施計画についてですが、これはけさほどいただいた本冊、詳しく読んでおりませんので内容検討がしてありませんが、これは市民にすべて公表するというようなことをおっしゃいましたが、私どもいただいてページをめくっただけで、非常にわかりづらいものになっております。やっぱりわかりやすいものでないと正当な評価はできていかないと思います。その点をどう表現されていくのかなということについてもお尋ねします。 そしてさらに、これはまだ導入されたばかりで、試行的なものだと思いますので、このニューパブリックマネジメント手法を取り入れた実施計画の策定に当たっても、これが固まったものではなくて、試行錯誤の中で軌道修正されていくものというとらえ方をしてもよいものかどうか、そのことについてもお尋ねしておきたいと思います。 2点お願いします。 ○議長(足立利夫君) 企画課長。 ◎企画課長(近藤保君) 議員から2点の御質問をいただきました。順次お答えをさせていただきます。 まず、行政経営のやりくりの手法について、行政側はどう分析しているかということでございますが、第4次総合計画におきまして、平成17年度を基本計画の目標年度とし、まちづくりの目標を分野別に政策・施策・事業の目標と定めております。 しかしながら、施策・事業の業績目標や成果について、いつまでに達成するかについては具体的に明記しておらず、事業手法の選択、概算資金計画、事業をいつ行うか否かなど、判断材料となる資料・情報が十分でなかったと考えております。 先ほど市長公室長が答弁いたしましたように、本年度から行政経営システムを導入し、平成17年度までにニューパブリックマネジメント理論による経営手法を完成させ、18年度から始まる第5次総合計画からは新しいマネジメントシステムに基づいて行政運営を展開していきたいと考えております。 2点目の御質問でございますが、きょう全員協議会の方で説明をさせていただきました8次実施計画について、市民に公表していくと発言しましたが、まだわかりにくいということで、今後どういう対応をとられていくのかということでございますが、この行政経営、ニューパブリックマネジメントを先取りして、今回実施計画を行っておりますが、こちらについては先ほど議員からもお話がございましたが、今後いろいろないいところを組み入れて軌道修正を行っていきたいと考えておりますので、そうしたことを取り入れて、公表までに改善をしていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) 17番堀田眞澄議員。 ◆17番(堀田眞澄君) やりくりの仕方についてお尋ねした、再質した部分ですけれども、当局は大前提として行政評価をしていくということに基づいて答えておられますが、私はニューパブリックマネジメント理論に基づく手法をとる前の段階で、どういう問題があったかということをお尋ねしたんですが、私の方から一番これ肝心な問題点だと思いますので、指摘しておきたいと思います。 指摘しつつ、質問を一つ最後にさせていただきたいんですが、行政の中の大きな問題としては、それがその問題がむだを生んでいるという、努力の割にはむだな部分が多いという、その問題は、これまでずっと私も指摘し続けてきましたが、行政の中のセクショナリズムの弊害があるんではないかということを思います。 ニューパブリックマネジメント理論に基づく運営に当たっては、一つの政策の施策展開には関係するすべてのセクションの十分なコンセンサスと、事業推進に当たっては関連部署の連携も求められてくるものだと思います。そういった連携の中からむだが省かれていくことになりますので、そのセクショナリズムの部分をどうコーディネイト、連絡調整をされていくのか、その点についてだけ、最後確認しておきたいと思います。 ○議長(足立利夫君) 企画課長。 ◎企画課長(近藤保君) 議員より連絡調整について御質問をいただきました。 これまで政策・施策の各分野の総合調整については、企画課が行っております。ただ、具体的な事業に入りますと総合計画の政策・施策にのっとり担当課で進めており、そうした総合調整について若干調整がおくれているというところもございます。こうした政策調整につきましては、今後機能の見直しも図りながら充実をしていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(足立利夫君) お諮りいたします。 議事に都合により、本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。               (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(足立利夫君) 御異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 なお、次の本会議は明12月5日午前10時から再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。 御苦労さまでございました。                         午後4時03分 延会       地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する       平成  年  月  日       瀬戸市議会議長       瀬戸市議会議員       瀬戸市議会議員...