令和 6年 6月 定例会 議事日程(第2号) 6月7日(金曜日)午前9時30分 開議 1 一般質問について出席議員(38名) 1番 野村悠介 2番 木村健太 3番 大津乃里予 4番 尾関さとる 5番 佐々のりな 6番 京極ふみか 7番 市川智明 8番 臼井弓賀 9番 渡辺さとし 10番 宇山祥子 11番 本山廣次 12番 東渕正人 13番 井田吉彦 14番 中村かずひと 15番 渡部晃久 16番 鵜飼和司 17番 森 ひとみ 18番 河村弘保 19番 後藤みゆき 20番 高橋 一 21番 島津秀典 22番 井上文男 23番 竹山 聡 24番 岡本将嗣 25番 則竹安郎 26番 高木宏昌 27番 水谷千恵子 28番 柴田雄二 29番 平松邦江 30番 彦坂和子 31番 八木丈之 32番 花谷昌章 33番 横井忠史 34番 渡辺之良 35番 浅井俊彦 36番 松井哲朗 37番 服部修寛 38番
伊藤裕通欠席議員(なし)地方自治法第121条の規定により出席した者 市長 中野正康 副市長 福井 斉 副市長 山田芳久 総合政策部長 村上 明 危機管理監 長谷川賢治 総務部長 伊藤正樹 財務部長 滝野弘巳 市民健康部長 田中朋一 保健所長 子安春樹 福祉部長 坂野貴子 子ども家庭部長 松岡健二 環境部長 星野泰久 活力創造部長 岡本哲也
まちづくり部長 横井兼行
まちづくり部参事 谷 聖 建築部長 武市力也 建設部長 田中雅光 教育長 高橋信哉 教育部長 森 敬一
水道事業等管理者 多和田雅也 上下水道部長 安田英樹 病院事業部長 平松幹啓 消防長
帖佐義文事務局職員出席者 議会事務局長 中村高規 議会事務局次長(兼庶務課長) 白木伸幸 議事調査課長 前田典之
議事調査課専任課長 中野栄治
議事調査課課長補佐 鈴木章平
議事調査課主査 清水香織
議事調査課主査 安藤 翔 議事調査課主事
伊藤吉則--------------------------------------- 午前9時30分 開議
○議長(竹山聡) 出席議員が定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程はお手元に配付したとおりでありますので、これをもって御報告に代えます。 これより日程に入ります。 日程第1、一般質問を行います。 通告順により、順次発言を許します。 20番、高橋一議員。 (20番 高橋 一 登壇 拍手)
◆20番(高橋一) おはようございます。久々のトップバッターであります。よろしくお願いいたします。 では、早速質問に入らせていただきます。 まず1つ目、再来年の大河ドラマについて、豊臣家から浅野家のアピールであります。 再来年の大河ドラマは「豊臣兄弟!」であります。これまでも一宮市関連の大河ドラマといえば、浅野ゆかりで豊臣秀吉の正室・ねねを題材にした「おんな太閤記」、木曽川町ゆかりの山内一豊関連の「功名が辻」、織田信長と斎藤道三が謁見した、一宮市冨田の聖徳寺も取り上げられた「麒麟がくる」がありました。 歴史深い尾張の国一宮市には豊臣家関連の史跡や資料があると思いますが、いかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 一宮市と豊臣家との関わりにつきましては、市内大和町地内にあります妙興寺が豊臣家の庇護を受けたことを背景に、豊臣秀吉の肖像が描かれ、現在は愛知県指定文化財となっております。 また、1584年、天正12年に秀吉が織田・徳川連合軍と戦った小牧・長久手の戦いでは、一宮市域も舞台となり、黒田城、苅安賀城、重吉城、一宮城、奥城、吉藤城などが織田・徳川方、下奈良城、大野城、河田城が豊臣方、当時は羽柴秀吉でしたが、織田・徳川方と豊臣方の両軍に分かれて攻防戦が繰り広げられました。秀吉も冨田聖徳寺付近に出陣して、対岸の美濃竹鼻城を水攻めにしております。 このほか、一宮市浅野には、関ケ原の戦いで西軍を指揮した石田三成らと共に、豊臣五奉行の1人で筆頭格であった
浅野長政ゆかりの地である浅野城の跡地に浅野公園が設けられております。
◆20番(高橋一) お教えいただきましたように、一宮市には豊臣家と関連する資料や史跡があります。せっかく大河ドラマで取り上げてもらえるのであれば、何か一宮市としてアピールできるといいと思っております。 一昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、幕府軍の北条氏が真清田神社近くで軍議を開いたという話から、主演の小栗旬さんによるトークショーが一宮市民会館で開催され、大いに盛り上がりました。同様なイベントを行うなど、市としてアピールする予定はありますでしょうか。
◎総合政策部長(村上明) 「鎌倉殿の13人」のトークショーへは、約1,500人の会場定員に対し5万9,297件、人数にして10万7,714人の方からの申込みがあり、当選倍率は約70倍になりまして、一宮市を大いにアピールできたかと思います。 そこで、活力創造部長の答弁にもありましたように、豊臣家とも関わりのある一宮市です。2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」でも当市をアピールできればと考えています。NHKへの働きかけをはじめ、どのようにしていくのか多方面から研究してまいりたいと考えております。
◆20番(高橋一) 「豊臣兄弟!」でも、恐らく浅野長政が登場いたします。これまでの大河ドラマでの浅野長政役といえば、1981年の「おんな太閤記」では尾藤イサオさん、1987年の「独眼竜政宗」では林与一さん、2002年の大河ドラマ「利家とまつ」では加藤雅也さん、そして、昨年2023年の「どうする家康」では濱津隆之さんが演じております。浅野長政は、多くの大河ドラマで著名俳優によってキャスティングされるなど、戦国時代を語るには欠かせない武将であったということであります。 一宮市では、浅野長政については浅野公園でその功績を顕彰しており、1981年には大河ドラマを記念して「ねねの水」も公園内に造られました。地元には
浅野史蹟顕彰会があり、現在も活動をされております。 その
浅野史蹟顕彰会によって開設された浅野公園は、一宮市で最も古い公園と言われますが、その変遷についてお尋ねをいたします。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 先ほど活力創造部長が答弁いたしましたとおり、
浅野長政ゆかりの地である浅野城の跡地に浅野公園が開設されておりますが、昭和25年、西暦で申しますと1950年に
浅野史蹟顕彰会から市に移管された後、1958年に児童公園として都市計画決定され、1993年の都市公園法改正による種別の変更により、現在の街区公園となったものでございます。 つつじ祭りで有名な浅野公園は、面積は9,657平方メートル、築山、池、庭石、生け垣などを配した庭園式の自然豊かな公園で、記念碑なども設置されております。
◆20番(高橋一) 浅野公園には、「ねねの水」のほか「寧々の歌碑」もあります。再来年の大河ドラマを機に、再度の浅野長政の顕彰や浅野公園の活用はどのようにお考えでしょうか。浅野長政の功績をたたえるなど、公園の再整備の計画があるかどうか、お尋ねをいたします。
◎活力創造部長(岡本哲也) 文化財業務を担当しております博物館では、毎年、市内の文化財を訪ねる講座、市民文化財めぐりを企画しております。 この講座は、国や県、市指定文化財や国登録文化財などを中心に見学する講座で、参加者を募集して開催しております。今後は、浅野公園をはじめ、小牧・長久手の戦いの舞台となった市域の城跡など、豊臣家と関連する史跡を訪ねる催しの企画についても取り組んでまいりたいと考えております。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 私からは、公園の再整備計画についてお答えいたします。 浅野公園は、2017年に開園100周年を迎えましたので、2016年から2018年までの3か年にわたり、浅野公園再整備事業として、案内看板の設置やあずまや周辺の階段や手すり、堀の周りの柵などの改修を行ったところで、現在、再整備の計画はございません。
◆20番(高橋一) 総合政策部長からは、豊臣家とも関わりのある一宮市であり、2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」でも当市をアピールできるよう、NHKへの働きかけをはじめ、多方面から研究してまいりたいと。また、活力創造部長からは、浅野公園をはじめ、小牧・長久手の戦いの舞台となった市域の城郭や屋敷跡など、豊臣家と関連する史跡を訪ねる催しの企画についても取り組んでいきたいと、大変前向きな御答弁をいただけました。 大河ドラマは国民的ドラマであります。それだけに、地元の武将が登場すれば、それは御当地をアピールするチャンスにつながります。戦国時代の一宮は歴史的話題が豊富であります。再来年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、小牧・長久手の戦いや浅野長政をテーマに、一宮市を全国に大いにアピールしていただくことをお願いし、この質問を終わります。 続きまして2問目、
アマチュア無線の活用について。 災害時の通信手段としての連携強化であります。 海外では、竜巻、台風、地震、津波、噴火、洪水などの現場で、情報収集や人命救助、復旧作業に
アマチュア無線が当たり前のように活用されております。日本では、
アマチュア無線の利用はほぼ趣味の世界だけに限られておりました。しかし、阪神大震災や東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など度重なる大災害において、その通信手段として
アマチュア無線が注目されております。 総務省も、
アマチュア無線の有用性に鑑み、
アマチュア無線が重要な通信手段として、趣味の世界でなくしっかり活用できるよう、令和3年に
電波法施行規則等を改正しました。携帯電話は、災害による発電施設の損壊による停電、基地局破損による機能停止、
安否確認等利用増大による通信制限など、つながりにくくなります。そんな中、
アマチュア無線機は、インフラに頼ることなく通信を続けることができます。 国内の過去の災害でも、仲間の発信を傍受された方のリレーで、道路損壊状況の把握、安否照会や孤立者の救出など貢献した事例も多く報告をされております。災害時、被災地の通信空白地帯の連絡を補うことのできる
アマチュア無線。まずは、民間の方の力を借りての一宮市の
アマチュア無線活用についてお尋ねをいたします。
◎危機管理監(長谷川賢治) 市内で
アマチュア無線をされている方に一宮市
アマチュア無線非常通信連絡協議会という組織をつくっていただいており、災害時における情報収集を想定して、総合防災訓練にも参加していただいております。
◆20番(高橋一) 一宮市
アマチュア無線非常通信連絡協議会とはどのような組織なのでしょうか。そして、総合防災訓練ではどのようなデモンストレーションを実施されているのでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 一宮市
アマチュア無線非常通信連絡協議会とは、市内の
アマチュア無線クラブが合同で組織されている団体でございます。 名称のとおり、
アマチュア無線の愛好家の方が非常時に連絡を取り合って、一定の範囲の通信手段の確保を目的とされております。総合防災訓練では、被災し、通信が途絶した区域からの情報収集を行う訓練をお願いしております。
◆20番(高橋一)
アマチュア無線連絡協議会には何人ぐらいの方が加盟されているのでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 現在、32名の方が登録されているとお聞きしております。
◆20番(高橋一) 災害時において、一宮市と
アマチュア無線連絡協議会とはどのような協力体制になるのでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 先ほど申し上げた総合防災訓練の内容と同様、通信が途絶した区域からの情報収集を行っていただく形での御協力を想定しております。
◆20番(高橋一)
アマチュア無線連絡協議会の方が収集した情報は、市にどうやって伝達されるのでしょうか
◎危機管理監(長谷川賢治) 本庁舎に
アマチュア無線の機器が保管されており、非常時には
アマチュア無線連絡協議会の方が運用を開始できるようになっております。
◆20番(高橋一) 本庁舎と
アマチュア無線連絡協議会の間で、日頃の通信訓練は行われているのでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 総合防災訓練以外には、通信訓練は行っておりません。
◆20番(高橋一) 災害時は、免許を持った職員が運用されるのですか、
アマチュア無線連絡協議会の方が登庁して運用されるのでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治)
アマチュア無線の免許を持った職員もおりますが、災害時には職員としての業務がございますので、その場合には
アマチュア無線連絡協議会の方に運用していただくことを想定しております。
◆20番(高橋一) 本庁舎の
アマチュア無線機は、定期的にメンテナンスされているのでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 現在、定期的なメンテナンスは行っておりません。
◆20番(高橋一) 私の調べでは、本庁舎の機器は1988年製の機種で、既にメーカーの修理不能機器であります。また、総務省の
無線通信規格改正で、令和4年11月末をもって使用できなくなっております。この期限はコロナ禍で延長されておりますが、使えない無線機、これをどう運用されていくのでしょうか。2018年の点検時から機器の更新が具申されているといいますが、それから6年、機器を更新する予定はありますでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 現在の無線機器は1990年に購入したもので、2018年に点検をした際には、故障した場合にはメーカー修理ができないといった旨の御報告をいただいております。 議員御発言のとおり、この機器は総務省の無線通信規格の改正で、令和4年、西暦で申しますと2022年の11月末をもって使用できなくなる予定でございましたが、その前年の2021年の8月に改正があり、その使用期限が当分の間に延長をされております。こうしたこともあり、今のところいつ更新するかという具体的な計画はございません。
◆20番(高橋一) 最後に、総務省御出身の中野市長に、災害時における
アマチュア無線通信の有用性についてお尋ねをいたします。
◎市長(中野正康) この地域もいつ想定外の被害に見舞われるか分からないという状況でありますので、そうしたときに
コミュニケーション手段が1つでも増えるということは大変望ましいことであると考えております。 ただ、
アマチュア無線愛好家の皆様、御家族も含めて被災者となるわけでありまして、そうしたときにそうした方たちにどこまでの役割を求めることが適切なのか、そして、今、高橋議員と危機管理監との間のやり取りでも出てきましたけれども、我々市サイドの受入れ体制の整備といった課題はあると今受け止めております。 ただ、せっかくありがたい、心強いお申出でありますので、どうした形で効果的、効率的な情報収集策、情報発信策、こういった枠組みができるか、意見交換、情報交換を続けさせていただきたいと考えております。
◆20番(高橋一)
アマチュア無線連絡協議会の皆さんのお力が借りられれば、非常時に主な通信手段がダウンした場合、大変頼りになると思います。一宮市内には志高い愛好家の方々がたくさんおられます。本庁舎の無線機が相互の交信の中心になければ用をなしません。 更新が当分の間延長されたといっても、本来なら昨年11月で使うことのできなくなった無線機であります。ぜひ本庁舎の無線機を早期に更新していただき、
アマチュア無線愛好家の方たちとも連携を密にしていただいて、一宮市の災害対策をより手厚いものにしていっていただきますようよろしくお願いします。 それでは、3問目の質問にまいります。
まちなかウォーカブルの今後について。 社会実験を終えての今後の展開。
まちなかウォーカブル事業では、一宮駅周辺約1キロメートル圏内において居心地がよく歩きたくなる町なかを創出するため、一宮駅から銀座通り、本町通りへの人の回遊性向上に、連続的な歩行動線の確保や歩行空間の在り方について検討されております。 官民連携による社会実験については、基本構想に基づき2021年から3か年にわたり実施してまいりましたが、その成果について教えてください。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 社会実験を3か年取り組んだ成果として、銀座通りで通行止めを伴う社会実験を行った結果、日中の銀座通りや本町通りの通行者数が通常時の約3倍に増加しました。 また、ベンチなどストリートファーニチャーを設置したことにより、イベント時のみならず滞在性が向上し、ポテンシャルの高いエリアであることが検証されました。 さらに、この取組を通じてまちづくりに参加する方が増え、人と人のネットワークが広がっていることも成果であると考えます。
◆20番(高橋一) 社会実験の成果からは、特に道路空間の利活用について、歩道にオープンなカフェやベンチを置いてゆっくり滞在できる空間にしたいなど、新しいニーズが高まっているようでもあります。 そして、社会実験期間の明けた今年度の
まちなかウォーカブル推進事業の予算の中には、
歩行者利便増進道路、いわゆるほこみち制度の実装的な取組がされると伺っております。 ほこみち制度については、道路空間の構築を行いやすいよう、2020年5月20日に成立した改正道路法において新たに創設された制度で、日常の町なか活性化と人が主役の町なか空間を目指す中で、魅力的な制度と思っております。 今年度はまだまだ本格運用ではないと思いますが、本格運用する場合のほこみち制度の具体的な手続を教えてください。
◎
まちづくり部長(横井兼行) ほこみち制度は、官民連携して取り組んでいくことが前提となります。 具体的な手続として、まず、沿道の方や道路を活用したい方々の意向を踏まえ、警察と協議を行い、道路管理者が「ほこみち」を指定します。次に、指定した道路内に
利便増進誘導区域を指定することにより、オープンカフェやベンチなどの占用物件を許可することができます。 なお、人が主役のまちなか空間の形成には、子育て世代や高齢者の方にとっても安全かつ円滑な通行を確保するため、歩道の段差や勾配など道路を
バリアフリー基準に合致させていくことも必要と考えます。
◆20番(高橋一) ほこみち制度の活用のメリットについて教えてください。
◎
まちづくり部長(横井兼行) ほこみち制度の活用のメリットは、構造基準と空間活用に関することが考えられます。 まず、構造基準に関することとしては、道路管理者が歩道内に歩行者の利便性を図る空間を定めることができるため、空間活用に関する関係者との調整が円滑に進むことが期待されます。 次に、空間活用に関することとして、特例区域を定めることで、道路空間を活用する際に必要となる道路占用許可が柔軟に認められます。また、道路管理者が占用者を公募により選定することが可能になり、その場合、通常は5年のところ、最長20年の占用が可能となります。 占用者にも、一定の条件に合致すれば、道路占用料は10分の1に減額されるメリットがあります。
◆20番(高橋一) 道路占用許可の期間が長くなることで、テラスつきの飲食店など初期投資の高い施設も参入しやすくなり、道路占用料が減額されれば一層の道路空間の有効活用が図られると思います。 次に、今年度、民間事業者にオープンカフェ、露店などを出店してもらうことにより、地域のにぎわいを創出させたいというニーズに応える「ほこみち」の実装に向け、取組を行う主体者や時期など、分かる範囲で教えてください。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 実装に向けた取組につきましては、
エリアプラットフォームである
一宮まちなか未来会議が主体となって実施するもので、取組期間としては、今年の10月から11月の2か月間をめどに、日常的なにぎわいの創出を目的とし、まずは本町商店街において継続的に実施する予定です。
◆20番(高橋一) 地域を活性化するには早期の本格運用をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) ほこみち制度を本格運用するためには、道路空間を日常的に利活用する道路沿道の方や、町なかで活動される方の参画が非常に重要となります。 また、先ほど申し上げましたとおり、道路構造を
バリアフリー基準に合致させる必要があると考えており、本町通りにおいては道路を改築する工事が必要となりますので、時間を要するものと考えております。 今後、沿道利用者、地域住民及び警察などの関係者と調整、協議し、官民連携して進めてまいります。
◆20番(高橋一) 官民連携して取り組まれているものとして、これまでに2回「まちなかを考えるシンポジウム」が開催されております。 町なかについては、
一宮まちなか未来会議と一宮駅
周辺地区デザイン懇談会が両輪となり取り組まれておりますが、一宮駅
周辺地区デザイン懇談会については、構成員である学識経験者が中心となって、町なかエリアの価値向上に向け、今後の町なか空間のデザインについて検討していると伺っております。 シンポジウムについては、今年度あと3回開催される予定ですが、市として今後どのような町なかのデザインを描いていくのか、教えてください。
◎
まちづくり部長(横井兼行) シンポジウムにおいては、
デザイン懇談会のメンバーが中心となり、町なかエリアの交通影響など様々なデータを基に検討した空間デザインの方針を示し、一宮駅から町なかへの人の流れをつくり、道路沿道と公共空間の一体感、町なかを人々の居場所や活動の場、そしてエリア固有の風景をつくることを議論しました。 市としては、シンポジウムなどの機会を通じて、参加される方や地元の方々の御意見をしっかりと受け止め、空間を活用される地元の思いも反映した町なかのデザインを描いていきたいと考えております。
◆20番(高橋一) シンポジウムには私も参加させていただいております。印象に残っていることは、駅を降りて自宅に向かうまでに「もうひとライフ」という言葉でした。帰宅する前に、一日の最後を締めくくれるような楽しい空間があるということと理解をいたしました。 ただ、地元の方々からは、もっと地元の声を聞いてほしいとの熱望もあります。私の下にも様々な意見も寄せられております。しっかり地元の思いも反映された町なかとなることを期待するとともに、駅から銀座通り、そして本町への回遊だけでなく、一宮市のルーツとも言える真清田神社への回遊も考えていただきますことをお願いし、この質問を終わります。 それでは、最後の質問に移らせていただきます。 尾西繊維会館について。 一宮市としてその価値をどう考えるか。 先日の中日新聞に「一級建築士と歩く一宮・旧
尾西繊維協会ビル~織物の街の時を詰め込む箱~」と題した記事が掲載されました。昭和8年(1933年)に建てられ、築91年となる旧
尾西繊維協会ビル。地下1階、地上3階建てのモダンな外観で、往時は
尾西織物同業組合の事務所でありました。毛織物王国、一宮の象徴的ビルであります。昭和20年の一宮空襲でも焼け残り、経済産業省の近代産業遺産にもなっております。 2015年には、組合事務所が近接の一宮商工会議所に移転すると同時に取壊しが計画されたものの、保存を熱望する団体が手を挙げ、尾州生地を販売するショールームやロケーションを生かしたギャラリーを運営しながら現在に至っております。 しかし、何といっても築91年。いくら当時の建築技術の粋を結集した頑強な鉄筋コンクリートの建物といっても、耐震という問題に背を向けることもできず、取壊し論も沸々としていることは現実であります。 そこでお伺いをいたします。 まず、一宮市はこの建物についてどんな認識を持っておられるのか、お尋ねいたします。
◎活力創造部長(岡本哲也)
尾西繊維協会ビル、旧
尾西織物同業組合事務所は、1933年(昭和8年)に竣工した鉄筋コンクリート造3階建ての建物です。
尾西繊維協会ビルが建てられた時期は、毛織物生産の全盛期でありました。その後、昭和20年(1945年)7月28日の一宮空襲で市街地の多くが焼失しましたが、鉄筋コンクリートだったこの建物は焼失を逃れました。戦後、まちの景観が大きく変化する中、昭和初期の一宮市中心部の様子を最も色濃く残している貴重な建物と言えます。
◆20番(高橋一) 一宮市内には、現在、幾つ国の登録文化財がありますでしょうか。誰がどう推薦するかなど、国の登録文化財の定義を含めてお聞かせください。
◎活力創造部長(岡本哲也) 文化庁のウェブページによれば、2024年5月1日現在、全国で1万4,035件が登録されております。 一宮市では、現在、国登録有形文化財として建造物が23件、国登録記念物として名勝地関係1件が登録されております。 文化財登録制度は、1996年(平成8年)施行の改正文化財保護法によって導入された比較的新しい制度となっております。 制度の趣旨といたしましては、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受ける間もなく消滅の危機にさらされている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくためのものと説明されています。そのため、届出制と指導・助言等を基本とする緩やかな保護措置を講じるもので、従来の指定制度を補完するものと定義されております。 国登録文化財として登録されるには、まず、図面や写真などその価値を示す資料とともに、都道府県、政令市または市町村の意見の文書が必要となります。その後、文化庁の調査官による調査や国の文化審議会による審議など、段階を経る必要がございます。
◆20番(高橋一)
尾西繊維協会ビルは十分に該当すると思いますが、いかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 国登録有形文化財(建造物)につきましては、国が定めている基準は、原則として建設後50年を経過し、かつ国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないもののいずれかに合致するものとされています。
尾西繊維協会ビルは、築年数においては条件を満たしており、また登録の3つの基準を考慮いたしましても、登録を検討するに値すると言えるかと思います。 ただし、申請に際しては、所有者の同意が必要とされています。たとえ国の定める条件に合致していると考えられる建造物であっても、所有者の同意がないものは申請できません。
◆20番(高橋一)
尾西繊維協会ビルは、国の登録有形文化財に値するということであります。ただ、それには所有者の同意が必要ということでもあります。 築91年のビルは、耐震という問題に直面していることは確かであります。耐震補強に莫大な費用が予想される中、所有者の同意は大きな壁であります。やむにやまれぬ取壊し論も、現実にささやかれているところでもあります。しかし、毛織物王国、一宮の象徴、毛織物産業の殿堂とも言えるこの建物、しっかり後世に残していきたいと願います。 遡れば、約30年前には、一宮駅北にあった日冷のれんが造りの工場が惜しまれながら壊されました。そして、空襲の爪痕も残していた昭和初期の一宮市役所北館が11年前に壊されました。壊してしまった歴史は二度と元に戻すことはできません。
尾西繊維協会ビルは、かつて日本一を誇った産業の歴史そのものであります。尾州を世界に売り込みながら足元の殿堂が姿を消してしまう、そんなことがないよう、この存続に当たって、一宮市に高度な政治判断が求められることがあるのかも分かりません。その際には、どうか存続に向けてかじを切っていただきますことを切にお願いするものであります。 以上で、今議会の私の一般質問を全て終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(竹山聡) 暫時、休憩します。 午前10時1分 休憩 午前10時10分 再開
○議長(竹山聡) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 14番、中村かずひと議員。 (14番 中村かずひと 登壇 拍手)
◆14番(中村かずひと) 議長のお許しをいただきましたので、一般質問に入らせていただきます。まずもって、おはようございます。 それでは、質問に入らせていただきます。 1、災害に備えての質問をします。 さきの3月議会において、能登半島地震被災地において、被災地支援の経験を基に質問させていただきました。時間の都合上、質問できなかったことがあるため、3月議会に続き、今議会でも災害、危機管理に関する質問をします。 能登半島地震の被災地支援活動をした経験から、被災者が避難している中で情報を収集することが重要であると痛感しました。近年、SNS等で偽情報の拡散が問題視される中、自治体には災害が発生する前、発生した後ともに、避難生活に必要な情報など災害時に市民が必要とするより細かな正確な情報を、市民に迅速に届ける責任があると私は考えます。 初めに、一宮市における市民への災害情報発信の方法を教えてください。
◎危機管理監(長谷川賢治) 一宮市の市民への災害情報の発信の方法といたしましては、防災情報の公式Xによるポスト、「あんしん・防災ネット」による登録された方々へのメール配信、道路冠水情報マップ(HAZARDON)への掲載、その他市の公式ウェブサイト等で情報提供を行っております。 また、一宮市独自のものではございませんが、非常時には携帯電話の各キャリアからの緊急速報メールが一斉に配信されます。各ライフラインにつきましては、それぞれの事業者のウェブサイトに緊急情報が掲載されます。
◆14番(中村かずひと) ウェブサイトや携帯電話から一宮市民が情報収集できるよう、整備されていることが確認できました。 ところで、事件・事故・災害情報の入手経路について、ビデオリサーチは12から69歳を対象に、2023年4月から6月に調査した結果を発表しているので紹介します。 スライドをお願いします。 事件・事故・災害情報の情報入手経路は、地上波民放放送を70.3%が選択し、続いて地上波NHKを41.1%が選択したと報告されていました。情報入手経路として、まだまだブログやSNSの書き込みは13.5%であり、圧倒的に民放テレビ放送からの情報入手が多い現状でありました。推測ですが、高齢者ではテレビからの情報入手がもっと多いことが予想されます。 近年、この民放テレビ放送が行うデータ放送を活用して、テレビのチャンネルリモコンにあるdボタンを押すと画面が切り替わり、自分の住む地域のニュースや天気、そして交通情報などの情報を見ることができます。 産経新聞グループの産経リサーチ&データが2023年1月に発表しました、18歳以上を対象にしたテレビのdボタン(データ放送)のふだんの利用状況調査についての結果では、「利用している」と回答した人は全体で59.0%でありました。世代別で最も利用率が高かったのは50代で62.9%、最も利用率が低いのは70代で53.8%という結果でありました。 スライドありがとうございました。 実は、このデータ放送を市民への情報発信ツールとして活用している自治体が増えてきております。北海道では25を超える自治体、福岡県では30を超える自治体、この東海地方では岐阜県が既にデータ放送を活用して情報を発信しています。また、三重県においては「県政だより みえ」と称してデータ放送で配信するなど、より多くの情報がタイムリーに届けられています。 県内中核市及び同規模自治体における、民放データ放送による情報発信の導入状況を教えてください。
◎危機管理監(長谷川賢治) 一宮市では、非常時にケーブルテレビのICC、FMいちのみやから災害情報の放送を行う協定を結んでおりますが、民放テレビの放送局への依頼は現在行っておりません。 しかしながら、通称Lアラートと呼ばれます、各自治体の災害情報等を民放テレビも含めた報道機関へ一斉に配信するシステムが全国的に運用されております。一宮市もこれを情報発信の媒体として利用しております。 県内の同規模市である豊橋市、岡崎市、豊田市、春日井市も同様にLアラートを使用しており、dボタンを使ったデータ放送の利用につきましては、確認したところでございますが、現在利用しているところはございませんでした。
◆14番(中村かずひと) このデータ放送を活用している北海道の札幌市と苫小牧市では、高齢者に大変優しい、そして緊急時、災害等についても強いと評価されているそうです。 この両自治体は、一宮市と同様、紙で全戸配布する広報紙に加え、ホームページ、LINE、ツイッターやフェイスブックといったSNSなどを使って市民に情報発信をしています。 各情報発信については、強みもあれば弱みもあり、例えば、広報紙では印刷の締切りがあるためにどうしても情報がリアルタイムでない。一方、急なイベントの告知や防災などの即時性のある情報はSNSで発信し、リアルタイムに伝えることができます。しかし、パソコンやスマホに不慣れな高齢者にはなかなか伝わりにくいという課題があります。 一方、データ放送では、テレビさえあればdボタン一つで簡単にアクセスができるため、導入後は高齢者にも即時性のある情報を伝えることができ、大変効果的であると私は考えます。ちなみに、愛知県内で導入を検討している自治体があると聞いております。 民放のデータ放送を活用した市民への災害情報発信の方法を一宮市も導入されてはいかがでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) お示しいただきました調査結果を拝見いたしまして、個人の情報収集のツールとして民放テレビの影響もまだまだ大きいということを確認いたしました。 先ほど申し上げたとおり、一宮市ではLアラートやインターネット、SNSを使った災害情報の発信を行っておりますが、より多くの市民の方に広くお伝えするためには、伝達手段は多いほうがよいということは言えると考えております。 また、dボタンを使ったデータ放送では、一宮市の情報だけを任意のタイミングで閲覧できるというメリットはあると考えられますので、平時での利用や費用対効果等を含めて一度検討してまいりたいと考えております。
◆14番(中村かずひと) 私が能登半島地震被災地支援で避難所を訪問して印象深かったことの1つに、避難所の大小にかかわらず、テレビが必ず設置されていました。高齢者にとっても情報収集できる優しい手段がテレビであるためと思われます。 また、民放のデータ放送を活用した情報発信は日常の市民への情報提供にも活用できます。市民にとって身近なテレビにより、災害情報をはじめ市民が得たい情報を短時間で収集できる民放のデータ放送を活用した情報発信について、一宮市も導入していただきますようお願いします。 続きまして、災害被災地では体調不良やけがの症状で困るケースが多いです。 スライドをお願いします。 国立国際医療研究センター病院の2020年に発表しましたプレスリリースでも、災害ボランティアに参加した中の42%が体調不良やけがの症状で困ったことがあるとの報告がありました。ちなみに、症状としては下痢が64%、発熱が40%、鼻水が36%、続いてせき、腰痛、嘔吐、けが、結膜炎が続いていました。被災者においても、災害ボランティアと同様の傾向があると思われます。 スライドありがとうございました。 私は、被災地支援を通して、近年の医薬品供給不安定な状況下、一宮市において災害が発生した後、しばらくの間、市民に必要な医薬品が届けられるか危惧しています。 一宮市内で災害が発生したときを想定した医薬品、特に災害が発生した当初に急激な需要の高まりが予想される外傷や感染症による下痢、発熱、鼻水、ストレスによる便秘、胃不良、不安感、不眠などに対応できる応急医薬品の備蓄状況を教えてください。
◎危機管理監(長谷川賢治) 応急医薬品の備蓄でございますが、災害時に負傷者等の受入れを行う市民病院、木曽川市民病院で一定の医薬品の備蓄を行っております。 また、市民病院とは別に、災害時には医療救護所を開設する計画でございますが、そこで使用する医薬品につきましては、愛知県と協定を結んでいる医薬品業者から一宮市が調達する計画となっております。
◆14番(中村かずひと) 災害が発生した当初は、応急医薬品の急激な需要の高まりだけでなく、供給遅延も想定されます。現状の一宮市が準備している災害医療体制では十分に対応できないと私は考えます。 愛知県内の中核市や同規模自治体における、災害が発生したときを想定した医薬品の備蓄方法を教えてください。
◎危機管理監(長谷川賢治) 豊橋市、岡崎市、豊田市、春日井市に確認したところ、市で購入し、直接備蓄を行うというところもございましたが、薬剤師会と協定を交わし、市内の薬局に備蓄を依頼しているというところもございました。
◆14番(中村かずひと) 災害が発生したときを想定した医薬品備蓄法として、一宮市も予算計上が必要となりますが、一宮市薬剤師会を通して、ローリングストック法による市内各薬局への応急医薬品の備蓄体制を整備されてはいかがでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 水や食料は、生産者の数も多く種類も多いため、運搬経路が確保されれば入手が可能になります。しかし、医薬品につきましては生産者・生産量に限りがあるため、災害が発生した直後に大量の需要が発生しますと、購入したくても一時的に物がないという状況が想定されます。そういった医薬品の特殊性を考慮しますと、一定量の備蓄は必要というふうに考えます。 御提案いただいた、薬剤師会を通じて市内の薬局の方に備蓄をしていただく方法も含めて、災害時の医療体制について検討してまいりたいと考えます。
◆14番(中村かずひと) 災害が発生したときの地域医療に求められることは、早期に通常医療体制に復旧させることです。このためには、災害が発生した当初の地域医療への被災による負荷を軽減させることに留意した、応急医薬品の備蓄体制の整備をはじめとする災害への備えについて見直すことが必要と考えますので、ぜひ御検討をお願いします。 1、災害に備えての質問を閉じさせていただきます。 続きまして、2、カスタマーハラスメント対策の推進についての質問をします。 近年、顧客による事業者や従業員への著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメント--以下、カスハラと称します--が問題としてあります。 スライドをお願いします。 令和5年度厚生労働省委託事業、職場のハラスメントによる実態調査によると、過去3年間に勤務先でハラスメントを1度以上経験したものの割合は、パワハラが19.3%、カスハラが10.8%、セクハラが6.3%となっていました。カスハラがセクハラより高いという結果になっていました。 カスハラの内容については、「継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動(頻繁なクレーム、同じ質問を繰り返す等)」が57.3%で最も多く、次いで「威圧的な言動(大声で責める、反社会的な者とのつながりをほのめかす等)」が50.2%で多かったと報告されています。 一方、UAゼンセンが2020年、小売・サービス業に従事する233組合の組合員を対象に実施した調査では、過去2年で顧客から悪質なクレームなどの行為を受けた人は56.7%に上り、全日本自治団体労働組合(自治労)によると、2020年、自治体の職員約1万4,000人を対象に実施した調査では、「過去3年間で迷惑行為や悪質クレームを受けた」との回答が46%あり、官民を問わずあらゆる職場で深刻な被害が報告されている現状です。 スライドありがとうございました。 カスハラは、人格や尊厳を侵害する顧客の言動により、働く者に身体的・精神的に苦痛を与え、業務のパフォーマンス低下、健康不良、休職や退職に至るなど重大な悪影響を及ぼします。企業にとっても、対応するための時間的なロスや従業員の配置転換、休職、退職等による人員確保、金銭的な損失、ブランドイメージの低下などの悪影響が懸念されます。 また、近年の人口減に歯止めをかける処方せんとして、若者の可処分所得と可処分時間を増やさなければいけないと私は考えています。カスハラ対策を推進することにより、労働生産性の向上、健康増進が期待でき、若者の可処分所得と可処分時間の増加につながると思います。つまり、カスハラを防止することは喫緊の社会的課題である人口減少への対応とも考え、早急な対策が必要であります。 そこで、確認となりますが、一宮市職員を守るためのカスハラ対策の取組状況を教えてください。
◎総務部長(伊藤正樹) 本庁舎では、まずハード面の対策といたしまして、主な目的は行政サービスの質の向上としておりますが、職員に対する不当な圧力を防ぐ効果も期待しまして、業務記録システムとして、2018年11月から記録カメラと電話の通話録音装置を導入しております。 記録カメラは、窓口での職員と市民との対応の様子や音声を記録する機能がございまして、現在1階から7階までにおきまして合計20台が稼働しております。さらに、今年度、現在設置されていない部署に34台増設いたしまして、合計で54台となる予定でございます。 また、通話録音装置は、外部との通話について、日時、会話の内容、通話時間、電話番号を記録しております。 一方、ソフト面での対応といたしましては、長時間にわたる応対方法についてまとめたマニュアルを職員に周知しております。 また、警察OBの行政対象暴力対策相談員を配置いたしまして、職員に対する暴力的な言動、その他、違法、不当な行為に対して、適正かつ毅然とした対応をしております。
◆14番(中村かずひと) 市役所本庁舎で働く一宮市職員を守るため、カスハラ対策に取り組まれていることが確認できました。 確かに、一宮市のウェブサイトには電話の録音、市役所本庁舎の一部窓口において記録カメラを導入していることが掲載されていますが、カスハラへの抑止力向上のため、こういった取組を実施していることを今まで以上に広く周知することをお願いします。 また、市役所本庁舎以外、すなわち保育園や出張所などにおいては、記録カメラは未設置のようです。一宮市全職員をカスハラから守れるよう、記録カメラ設置の拡充をお願いします。 それでは、国や県、他自治体における企業向けのカスハラ対策推進、カスタマー向けのカスハラ防止の啓発のため、条例の制定、支援強化の動向を教えてください。
◎活力創造部長(岡本哲也) 初めに、国の動向ですが、2019年6月に労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。 これを踏まえ、2020年1月には、事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針が策定され、その指針の中で、カスタマーハラスメントに関して、事業主は相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められました。 そして、2022年3月にはカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを作成し、事業主に対して対策の強化を促しているところでございます。 次に、愛知県の動向でございますが、企業向けにカスタマーハラスメント対応の講座を開催するなど対策を講じておりますが、現在のところ条例の制定には至っておりません。東京都におきましては、本年5月22日にカスタマーハラスメントの対策として、条例案の作成に向けた基本方針を示されたということでございます。政令市の札幌市では、カスタマーハラスメント対策マニュアルを2023年12月にウェブサイトにて公開しております。 また、愛知県内他市の動向でございますが、小牧市が2024年1月に介護事業者に対するカスタマーハラスメント対策を「無くそう!介護現場のカスタマーハラスメント」と題して、ウェブサイトに公開をしております。また、瀬戸市は、2024年3月に不当要求等を含むカスタマーハラスメント防止対策の一環として、庁舎内の窓口等における運用方針をウェブサイト上に公開しております。
◆14番(中村かずひと) 国や愛知県、東京都、札幌市、小牧市、瀬戸市においてカスハラ対策が始まっていることが確認できました。 一宮市における企業向けカスハラ対策の推進、カスタマー向けのカスハラ防止の啓発など、カスハラ対策の取組を教えてください。
◎活力創造部長(岡本哲也) 現在、カスタマーハラスメント対策の情報を集め、具体策を研究している段階でございます。
◆14番(中村かずひと) 一宮市としては、現状、具体的な企業向け、カスタマー向けのカスハラ対策は行われていないことを確認させていただきました。 一宮市は、紡績・繊維産業の一大中心地であったので、女工のまちと呼ばれていました。この歴史を踏まえ、女性が働きやすいまちを目指していくべきであり、この対応としてもカスハラ対策の推進は有効と私は考えます。例えば、カスハラ防止条例が制定されると、カスハラ抑制に効果が高いと考えます。 一宮市において、カスハラを防ぐための条例を制定されてはいかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 条例制定につきましては慎重な対応が求められますので、多方面からの情報収集と官民、有識者等の協議を経るなど、段階を踏みながら判断してまいりたいと考えております。
◆14番(中村かずひと) 先ほどの答弁にありました、先進的にカスハラ対策を検討してきた東京都では、令和6年度の予算において、カスハラ専用ウェブサイトの開設、企業・カスタマー向け普及啓発、経営支援などが計上されていました。 一宮市においても、カスハラ対策としてウェブサイト・ポスター・ステッカーなど啓発や、録音・録画装置の導入補助、企業・カスタマー向け研修支援などを実施されてはいかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 企業向けの録音・録画装置の導入の補助制度創設や研修支援はカスタマーハラスメント対策として有効であると考えますので、今後も国・県の動向を注視しつつ、先進市の事例を参考にしながら具体策を検討してまいりたいと考えております。
◆14番(中村かずひと) 企業向け、カスタマー向けのカスハラ対策の推進をお願いします。 また、カスハラはもとより、パワハラ、セクハラをはじめハラスメントから市民、市職員を守る取組の推進もお願いします。 2、カスタマーハラスメント対策の推進についての質問を閉じさせていただきます。 続きまして、3、浅野公園開園110年に向けての質問をします。 浅野公園は、戦国武将である浅野長政の邸宅跡であり、地元の方々の協力の下、開園されたことから、歴史的・文化的価値を見いだすことができる公園です。一宮市の都市公園の中で最も古い公園であります。開園110年になる年が数年後であったと思います。浅野公園開園110年はいつであるか教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 令和9年、西暦で申しますと2027年4月に開園110年を迎えます。
◆14番(中村かずひと) 浅野公園開園110年は3年後の令和9年、つまり西暦2027年であることが確認できました。 浅野公園開園100年の際、一宮市はどのような事業を実施したのか、確認のため教えてください。
◎活力創造部長(岡本哲也) 浅野公園の開園100年を記念いたしまして、2017年6月25日に、
浅野史蹟顕彰会と一宮市観光協会の主催において記念事業が執り行われました。 屋外では、浅野公園内にヒトツバタゴ2本、エドヒガンザクラ3本の記念植樹が行われ、屋内では、一宮市民会館で式典と神楽舞等の公演が実施されました。 また、100周年を祝う寄附も多数ございまして、一宮ロータリークラブから史跡案内板9基の寄附があり、浅野公園で開催されますつつじ祭りで除幕式を行っております。 そのほか、明るく心豊かな故郷をつくる会からの寄附でヤエザクラ1本と、個人の方からはシダレザクラ2本と、説明を記した石の柱1本の寄附がございました。
◆14番(中村かずひと) 浅野公園開園100年の際は、色々と御尽力いただき、また、御協力いただきありがとうございました。 2026年(令和8年)のNHK大河ドラマとして、戦国武将である豊臣秀長が主人公の「豊臣兄弟!」に決定されたと発表されました。豊臣秀長は豊臣秀吉の弟に当たります。この豊臣秀吉の義理の弟は、戦国武将である浅野長政です。このことから、大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放映時は、浅野長政が登場することは予想されます。 重ねて申し上げますが、この浅野長政の邸宅跡として浅野公園があります。浅野公園開園110年と大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放映を機に、令和4年に「鎌倉殿の13人」が放映されたときのように、トークショー開催や一宮駅でのパネル展示などにて浅野長政、浅野公園を活用して一宮市をPRされてはいかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 大河ドラマに関連することは全国的にPRでき、集客が期待できるチャンスとなりますので、豊臣政権の五奉行と言われた地元ゆかりの浅野長政、その屋敷跡である浅野公園については、JR、名鉄など官民連携によるPR活動を検討してまいりたいと考えております。
◆14番(中村かずひと) 官民連携とのことであれば、NHKや他報道機関などとの連携もお願いします。 スライドをお願いします。 今年の4月28日に開催されましたつつじ祭り当日、先ほど答弁にありました、JR東海が開催していますさわやかウォーキングの戦国武将コースの目的地になっていたため、ここ10年の中で最も多くの方が来園されたと思われるにぎわいがありました。このことから、浅野公園は市外の在住者にとって魅力的な場所であることを再認識したところです。 JR東海に限らず、名古屋鉄道においても同様のウオーキング企画があります。今後も、浅野公園開園110年に向けて、浅野長政、浅野公園を活用して一宮市をPRするため、JR東海や名古屋鉄道との連携強化をされてはいかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 本年4月27日と28日の浅野公園で開催されましたつつじ祭りでは、開催期間に合わせ、28日日曜日にJR東海のさわやかウォーキングが実施されました。戦国武将コースと題して、真清田神社、浅野公園を含む約8キロメートルのコースには、2,000人を超える方々が参加されたと聞いております。 JR東海や名鉄では、市内の駅を発着地点とするコースが企画されており、一宮市は名古屋近郊で参加していただきやすい立地のため、今後も機会を捉えて連携してまいります。
◆14番(中村かずひと) さわやかウォーキングにより非常にたくさんの方が来園されたことが改めて分かり、浅野公園周辺に住む住民としても驚きました。 浅野長政や浅野公園を活用した一宮市PRのため、さわやかウォーキングの企画の継続実施をはじめ、JR東海や名鉄との連携強化をお願いします。 今年のつつじ祭りのとき、浅野公園に来場者も多かったためベンチや休憩スペースが十分でなく、日陰の石の上や階段に座っている光景をたくさん見ました。地元住民として、申し訳ない気持ちになりました。 ところで、令和6年から森林環境税として個人1人年額1,000円が徴収されることから、国から譲与される森林環境譲与税を有効活用していければと考えています。 浅野公園は木や花などの植物に囲まれた公園であることから、浅野公園を再整備していく上で、森林環境譲与税を活用できることもあると考えます。 先ほど高橋議員への答弁で、浅野公園の再整備の計画はないとのことでしたが、現在の浅野公園の状況を踏まえ、開園110周年に向けて、竹柵と言われる竹で作られた柵の改修や修繕、国産木材を活用したあずまやなどの休憩スペースの新設、堀の水抜きの実施をはじめ、公園再整備をされてはいかがでしょうか。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 竹柵、竹の柵の改修については、現時点では計画はございませんが、修繕については必要に応じて適切に対応いたします。 また、あずまやなどの休憩スペースの新設、堀の水抜きの実施などの公園再整備については、2016年からの3か年にわたり浅野公園再整備事業を実施しておりますので、公園利用者のニーズや森林環境譲与税の活用、市内のほかの公園の改修、整備の必要性などを踏まえ、適切に判断したいと考えております。
◆14番(中村かずひと) 竹柵においては、浅野公園の堀を歩いていますと一部なぜかないところがあって、子供たちが堀に落ちて危ないんじゃないかという声もあったりします。浅野公園利用者のニーズ等を確認して、ぜひ浅野公園の再整備をお願いします。 さて、浅野公園を訪れるとき、浅野公園前という名称のバス停が近くにあり、来園者がバスを利用することもあります。 今年の春休みに行われた小中学生i-バス無料乗車企画は好評であったと聞いています。しかしながら、i-バス路線から離れているが名鉄バスの沿線にお住まいの小・中学生保護者からは、名鉄バスも同様の扱いにしてほしいとの要望がありました。名鉄バスでも期間限定で小・中学生の利用を無料にすれば、この浅野公園をはじめ市内の歴史的・文化的価値のある施設を訪問しやすく、シビックプライドの醸成につながると私は考えます。 これらを踏まえ、小中学生i-バス無料乗車企画を名鉄バス路線に拡大されてはいかがでしょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 小・中学生を対象としたi-バスの無料乗車企画につきましては、小・中学生がi-バスを利用するきっかけをつくり、日常の移動手段の1つとして活用できることを知ってもらうことで、i-バスの利用促進や将来需要の拡大を図ることを目的といたしました。 将来を担う子供たちに、i-バスに限らず名鉄バスを含めた公共交通の利便性を実感していただくことは重要なことだと考えておりますが、この無料企画を名鉄バスの
営業路線まで拡大することは、現時点では考えておりません。
◆14番(中村かずひと) 現時点では考えていないようですが、ぜひ名鉄バス
営業路線でも、期間限定でよいので小・中学生の利用無料化をしていただくよう要望します。 一方、浅野公園近くには小・中学校があります。浅野小学校と南部中学校があります。また、浅野公園は国道22号、国道155号にも近いため、その周辺道路は昼夜ともに抜け道として利用されやすく、危険性が高い状況です。 スライドをお願いします。 特に浅野公園南にある一宮駅と岩倉駅を結ぶ名鉄バス路線は、第3次一宮市公共交通計画において公共交通の幹線と位置づけられているように、もともと自動車の通行が多く、通行する人と自動車の距離があまりないため接触事故が危惧されます。 この写真は、人が道路のふちを歩いているんですけれども、それを避けるため車が中央線を超えているよという写真なんですけれども、朝晩の通勤時間帯とかは子供たちも通ることもあるので非常に危険かなと思っております。 そんな中、浅野公園来園者の安全を守るためにも、浅野公園周辺にある道路について、今まで以上に安全対策に取り組まれてはいかがでしょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 浅野公園南にある名鉄バス通りは、道路北側に歩道と車道を分離するブロックが設置されておりますが、用地の制約があり、南側には設置されておりません。路面標示や区画線の設置などについて、公安委員会と協議してまいります。 また、そのほかの浅野公園周辺の道路につきましては、必要に応じて安全対策に取り組んでまいります。
◆14番(中村かずひと) 3年後の浅野公園開園110年、及び2年後のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」放映の機会を絶好のチャンスと捉え、一宮市の魅力をPRしていただきたい。そのためには事前準備が必要です。しっかりこのチャンスを生かすため準備して、一宮市のシティプロモーションをしていただくよう要望します。 最後に、今回、災害に備えて、また、カスタマーハラスメント対策推進について、また、浅野公園110周年に向けてということで質問させていただきました。この3つについて1つ共通することとしましては、質問の中でも触れましたけれども、やはり事前に準備しておく、対策しておく、そういったことが大事である。もう改めて言うまでもないですが、職員の皆様、幹部の皆様におかれましては、この点にしっかりと御留意いただいて対応していっていただきたい、準備していっていただきたい、取り組んでいただきたい、そのようにお願い申し上げ、令和6年6月の一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(竹山聡) 暫時、休憩します。 午前10時45分 休憩 午前10時55分 再開
○議長(竹山聡) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 37番、服部修寛議員。 (37番 服部修寛 登壇 拍手)
◆37番(服部修寛) 初めに、議長にお願いがあります。通告の項目の順番を3、2、1の順でお願いしたいと思います。
○議長(竹山聡) 許可いたします。
◆37番(服部修寛) 議長より発言のお許しをいただきました。3点につき、お尋ねします。 初めに、望まない受動喫煙の防止対策推進のため、完全分煙施設の整備促進についてお尋ねします。 令和6年4月1日、総務省自治税務局長名で、都道府県知事・指定都市市長宛に地方たばこ税の安定的な確保と受動喫煙対策の推進のための分煙施設の整備促進についての要請がありました。 財務部長にお聞きします。 令和3年度、令和4年度、令和5年度の一宮市におけるたばこ税額と、法人市民税額を報告願いたいと思います。
◎財務部長(滝野弘巳) およその額で申し上げますと、令和3年度の法人市民税の決算額は31億3,000万円、市たばこ税の決算額は21億8,500万円、2022年度(令和4年度)は法人市民税21億8,900万円、市たばこ税22億7,400万円、令和5年度は見込みではありますが法人市民税22億6,000万円、市たばこ税22億8,000万円でございます。
◆37番(服部修寛) 近年は、一宮市においてはたばこ税額が法人市民税額を上回っております。 愛知県内中核市の令和4年度の法人市民税額は、豊田市は306億円強、岡崎市は35億2,000万円強、豊橋市は32億7,000万円強で、たばこ税は、豊田市は29億9,000万円強、岡崎市は23億7,000万円強、豊橋市は25億4,000万円強でありました。愛知県内の中核市では、一宮市を除く全ての市で、法人市民税額がたばこ税額を大幅に上回っております。 財政的に極めて厳しい一宮市にありまして、たばこ税は滞納もない、収納未済、不納欠損処分もない、極めて優良で貴重な財源と考えますが、いかがでございましょうか。
◎副市長(福井斉) 令和4年の9月定例会の一般質問におきましても、法人市民税とたばこ税を対比しての御質問をいただいたと記憶しております。 その時の答弁では「令和3年度の決算では、それまで法人市民税のほうが上回っておりましたが、たばこ税が税率を引き上げられ、法人市民税が税率を引き下げられたという構造的な問題もありまして、とうとう逆転をしてしまい、大変ショックに思っている」と、こんなようにお答えをさせていただきました。 令和3年度から令和5年度につきましても、加熱式たばこの課税方法の見直しによる増額もありまして、法人市民税よりたばこ税が上回っており、議員御指摘のとおり、財政的に厳しい一宮市にあっては大変貴重な税であるということの認識は今でも変わっておりません。
◆37番(服部修寛) 令和6年度税制改正大綱において、「望まない受動喫煙対策の推進や今後の地方たばこ税の継続的かつ安定的な確保の観点から、駅前・商店街・公園などの場所における屋外分煙施設等の整備について、地方公共団体がその重要性を認識し、地方たばこ税の活用を含め、民間事業者への助成制度の創設その他の必要な予算措置を講ずるなど積極的に取り組むよう、各地方公共団体の整備方針や実施状況等の把握を行いつつ、より一層促すこととする」と記載されています。 健康増進法第25条において、国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙の防止に必要な環境の整備、その他の受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならないこととされており、その一環として、各地方団体は積極的に分煙施設の整備に取り組むことが有効であるとしています。 分煙施設の整備促進は、貴重な一般財源である地方たばこ税の継続的かつ安定した確保にも資することから、令和5年10月27日付自治税務局長通知で示した、市街地での整備事例や観光地での整備事例、分煙施設に防災機能を備えた事例、分煙施設を整備する民間事業者等への助成事例など、地域の実情に応じて実施された取組事例を参考にしながら積極的に取り組んでいただきたいとしております。 一宮市内において、厚生労働省が定める屋外分煙施設の技術的留意事項に沿って整備された喫煙施設はどこに設置されておりますでしょうか。
◎環境部長(星野泰久) 路上等での喫煙及び吸い殻の散乱防止のため、一宮駅の東側と西側に1か所ずつ指定喫煙所を設置しておりますが、駅西側に設置しているものにつきましては屋外分煙施設の技術的留意事項に沿った構造となっております。
◆37番(服部修寛) 地方公共団体が行う屋外分煙施設の整備につきましては、特別交付税措置が講じられている。積極的な取組をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 今年度の予算におきまして、一宮市民会館2階アプローチデッキと総合体育館いちい信金アリーナB北側の計2か所に、厚生労働省が定める屋外分煙施設の技術的留意事項に沿った屋外分煙施設を設置する予定としております。 一宮市民会館は1,588席のホールや複数の会議室を有する施設で、年間12万8,000人余の利用者がございます。また、総合体育館はいちい信金アリーナなど3つのアリーナを有する施設で、年間25万1,000人余の利用者がございます。 これらは市内最大のホール施設と体育館施設ではありますが、現在の喫煙所は簡易的な分煙施設でもあることから、分煙環境を整えるものでございます。
◆37番(服部修寛) いずれの施設でもですが、子供たちが使用することもあるわけでありますので、やはり完全分煙の施設を造っていただけることは本当にありがたいというふうに思っております。 一宮市役所内で働く職員、及び来庁者が喫煙する場所はどこに設置されておりますでしょうか。
◎財務部長(滝野弘巳) 自走式立体駐車場屋上に設けております。 また、先ほど最初の御質問で、私、令和3年度法人市民税の決算額を31億3,000万円と申し上げましたけれども、申し訳ありません、21億3,000万円の誤りでございました。ですので、その後で議員から御指摘のありましたように、法人市民税よりもたばこ税が近年上回っているという御指摘のとおりでございます。重ねて訂正させていただきます。
◆37番(服部修寛) 喫煙行為は嗜好行為と言え、就業中において規制することはできないと考えます。 例えば、職員が就業中に喫煙をする場合、庁舎を1階まで降りて、駐車場の屋上まで上がり、喫煙をして就業場所に戻ることになります。この間、何分かかると推定されますでしょうか。
◎財務部長(滝野弘巳) 職員の執務場所にもよりますけれども、数分程度、それ以上かと思われます。
◆37番(服部修寛) 数分ではちょっと無理ですよね、はっきり言いましてね。10分以上かかるんじゃないかというふうに思いますが。 また、その場所ですけれども、屋上に確かにありますが、植栽が少し並べてあって、全くオープンでありますよね。例えば雨の日なんてどうされているだろうな、そんな心配がありますので、やはり完全分煙の施設設置をお願いしたいというふうに思っております。 コロナ禍までは、一宮市役所の庁舎3階の出窓部分に喫煙所が設置されていました。なぜ廃止されたのでありましょうか。
◎財務部長(滝野弘巳) 本庁舎の喫煙場所は、職員も使用いたしますけれども来庁者にお使いいただく場所でございます。 本庁舎3階のテラススペースに設けた喫煙所は、車椅子を使われる方が段差をまたぎテラスに出ることができないなど、バリアフリーの観点から問題がございました。加えて、喫煙者のテラスへの出入りの際に庁舎内へ煙が流入し、受動喫煙のおそれがあったことなどからも、現在の自走式立体駐車場屋上に移設したものでございます。
◆37番(服部修寛) これまでは地方公共団体が行う屋外分煙施設の整備に要する経費についてのみ特別交付金の措置の対象でありましたが、このたび、民間事業者等が行う屋外分煙施設の整備への助成に要する経費につきましても特別交付金措置の対象に追加されました。 厚生労働省が定める屋外分煙施設の設置推進に民間活力を活用する意味から、1施設当たり事業費500万円以内で事業費の2分の1の助成、250万円を上限とする助成措置を講じて、民間事業者等にも屋外分煙施設の整備を促す措置であります。これを一宮市に取り入れるお考えはありませんでしょうか。
◎保健所長(子安春樹) 民間事業者のニーズの把握に努めつつ、近隣同規模市の動向を注視してまいりたいと考えております。
◆37番(服部修寛) 2点目として、2026年開催予定の第20回アジア競技大会・パラ競技大会に向けてに移ります。 2026年、第20回アジア競技大会・パラ競技大会が愛知県・名古屋市共催で開催されます。一宮市総合体育館は、人気が高いバドミントン競技の会場として選ばれています。大会関係者との協議により、施設の改善などが行われるとのことであります。どのような改善や対策が行われるのでありましょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 本年11月からトレーニング室を除く部分を休館いたしまして、メインアリーナでありますいちい信金アリーナ内の照明器具をLED照明へ取り替え、併せまして、総合体育館内のトイレの和便器を全て洋便器へ取り替えるための改修工事を予定しており、大会開催にふさわしい会場整備を行うこととしております。
◆37番(服部修寛) 先ほどは屋外分煙施設の整備につきましてもお話がございました。 一宮市総合体育館では、全国大会規模の試合やイベント等も数多くこれまでも開催されております。市民から指摘がありますのは、アクセスの悪さと、大きな大会やイベントの開催において十分な駐車台数が確保できていないということであります。 一般的に、大規模なイベント等へ参加する場合、渋滞緩和やSDGsの観点からは、開催会場へのアクセスは自家用車の利用を極力差し控えて、公共交通機関を利用することが望ましいと考えますが、いかがでございましょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 大規模イベントなどを開催するときは、駐車台数の確保や交通集中による渋滞がいつも課題となっておりますので、来場者の公共交通機関利用は、課題解決につながる方策の1つと考えております。
◆37番(服部修寛) 現在はですが、公共交通機関を利用して総合体育館まで行く方法は、名鉄バスの光明寺線を利用するルートしかありません。一宮駅からこの名鉄バス光明寺線を利用して総合体育館まで行くとすると、どれほどの時間と料金がかかりますでしょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 乗車時間は約30分、運賃は大人が450円、子供が230円です。
◆37番(服部修寛) 名鉄バス光明寺線は、利用客が少なくて赤字が続きまして、一宮市からはバス路線維持対策補助事業として、今年度も2,295万8,000円の予算が計上されております。 このバス路線を利用して、総合体育館での乗降客は1日当たり何人ほどでしょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 総合体育館での1日当たりの乗降客数は把握しておりませんが、光明寺線全体は約340人となっております。
◆37番(服部修寛) 通常の施設利用者と、様々なイベントへの参加者の交通手段が異なることも予測されます。 施設を利用される皆さんがどのような交通手段を使って目的の施設に来られているのか、アンケートなどを活用して確認することは施設管理者として重要なことであると思いますが、いかがでございましょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 総合体育館の指定管理者において、平時の施設利用者から施設に関するアンケート調査を毎年実施しております。そのアンケート項目の「主な交通手段」では、約80%の方が車を利用され、残りは自転車やバイク、徒歩、そしてバスの順となっております。 なお、観客席がいっぱいになるような大規模な大会などのイベントにおいて、公共交通機関だけでの対応では輸送が困難となる場合には、主催者側で個別にシャトルバスを用意していただいております。
◆37番(服部修寛) 交通手段としては、今お話がありましたように圧倒的に乗用車が多くて、あとは自転車、バイク、徒歩、そして最後にバスということで、正直ですが、バスの乗降を私自身見たことがありません。総合体育館も度々行きますし、名鉄バスも来ておるんですけれども、あまり利用者がないのではないかな、そんなふうに思っております。 昨年の6月定例会では、JR木曽川駅と総合体育館を結ぶルートの開設を提案いたしました。JR木曽川駅と総合体育館を結ぶバス路線が開設されたとすると、一宮駅からJRで木曽川駅まで行き、このバス路線を利用して総合体育館まで移動するにはどれほどの時間がかかると予測されますでしょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) JR東海道本線で尾張一宮駅から木曽川駅まで移動しますと、乗車時間は約4分です。木曽川駅での待ち時間を含めた乗換え時間を約10分、木曽川駅から総合体育館までバスで移動する時間を約15分と仮定しますと、合計で約30分と予測しております。
◆37番(服部修寛) 令和6年3月に示されました第3次一宮市公共交通計画では、名鉄バス光明寺線の見直しとして、総合体育館の最寄りの駅であるJR木曽川駅への接続について協議を行うと記載されています。 ただ、先ほど利用者が全く分からない、名鉄バスもですが、当然営業ですから、どれほどの乗車見込みがあるかということを提示しないとなかなか協議には乗ってこられないんじゃないかな、果たして路線を開通して、それで採算性があるのかどうか、そういうこと自身をやはり示さないと難しいんではないかと思いますので、その辺はお願いをしたいと思いますし、あくまでも利用者の利便性の確保に重点を置いて協議をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
◎
まちづくり部長(横井兼行) 光明寺線のJR木曽川駅への接続につきましては、利用者の利便性や木曽川駅周辺の道路状況などを踏まえて、名鉄バスと協議を進めてまいります。
◆37番(服部修寛) アジア競技大会・パラ競技大会の開催、2026年まであと2年であります。これまでに一宮市が経験した大会やイベントとは次元が異なる対策が必要となると思います。 各国の要人、バドミントンというのは大変アジア各国においても国技と言われるぐらい盛んなところもございますので、要人も当然ですが訪れるというふうに思っております。万全なセキュリティー確保とともに、また対策が必要となると思います。大会運営の円滑化と参加各国の選手の安全にも最善の配慮をお願いしまして、次の項目に移らせていただきます。 最後に、小・中学校の屋内運動場の建て替えと空調設備の設置についてお尋ねいたします。 昭和33年、義務教育諸学校施設費国庫負担法が制定された際に、政令で公立小・中学校の屋内運動場の国庫補助基準面積が制定されました。制定当初は児童・生徒1人当たりの基準面積でありましたが、その後、学級数に応じた基準に改定され、学習指導要項に沿った改定が行われてきました。直近では平成8年度に改定が行われています。 小学校、中学校の屋内運動場の国庫補助基準面積を述べていただきたいと思います。
◎教育部長(森敬一) 義務教育諸学校の施設費の国庫負担等に関する法律に基づく基準面積について御説明させていただきます。 学級数に応じて基準面積が決められております。小学校につきましては10学級以下が894平方メートル、11学級から15学級までが919平方メートル、16学級以上が1,215平方メートルです。また、中学校については17学級以下が1,138平方メートル、18学級以上が1,476平方メートルでございます。
◆37番(服部修寛) スライドをお願いいたします。 屋内運動場の建て替えが終了をしました中学校でございます。 まずですが、この5校がございます。平成9年には南部中学校が建て替えをされました。平成10年に中部中学校、平成13年に北部中学校、平成21年、葉栗中学校、平成22年に奥中学校でございます。 建て替えの年数、旧の屋内運動場から建て替えた年数であります。南部中学校が36年、中部中学校が38年、北部中学校が39年、葉栗中学校が46年、奥中学校が47年で、大変少ないと思いますね、正直な話。浅井中学校が60年になるんですけれども、さきの答弁ではまだ新しいという感覚をお持ちでございますが、過去はこの数字なんです。これまで違います。ですから、その辺は御理解いただきたいと思います。 また、保有面積につきましてもですが、先ほど基準面積の御説明がございましたが、大幅にアップされております。 ここでお聞きいたしますが、基準面積とあります。国庫補助基準面積、文部科学省におきまして決められましたこの数値はどのようなものというふうにお考えでございましょうか。
◎教育部長(森敬一) 文部科学省において定められました学校教育法に基づく小学校の設置基準及び中学校の設置基準では、屋内運動場を設置することになっています。 そこでは校舎及び運動場の必要面積の基準は決められておりますが、屋内運動場の面積の基準は設けられておりません。しかしながら、先ほど申し上げました義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律では、国の交付金を利用して屋内運動場を設置する場合の基準面積が設けられております。
◆37番(服部修寛) 屋内運動場を建て替えるときには、この基準面積を満たしていなければ国の交付金の措置はありません。頂けないわけですね。施設整備を行う際、国の基準に基づいたものにしていくことが基本であります。 一宮市において、この交付金を頂かずにやるということは不可能でありますので、これはもう冒頭の話でありますが大変財政的に厳しいですから、当然ですが国の交付金をお願いしながらいろんな施設を建て替えるということが当たり前の話ですね。基準面積の確保は極めて重要な施策であり、必要な項目であります。 現在基準面積を満たしている中学校の数は、19校中9校のみであります。屋内運動場の保有面積が最も広い中学校は、これはもう既にお話を申し上げておりますが、昭和60年3月に建設されました木曽川中学校の屋内運動場で、2,335平方メートルであります。昭和63年9月建設の尾西第一中学校は1,498平方メートル、昭和56年3月建設の第二中学校は1,366平方メートル、平成2年3月建設の第三中学校は1,519平方メートルであります。旧尾西市・木曽川町の4つの中学校は、合併以前から基準面積が満たされております。 屋内運動場の建設は、旧一宮市においては、先ほどからお話し申し上げていますが、昭和35年度、昭和36年度、昭和37年度各1校ずつ、昭和38年度に2校、昭和39年に2校、昭和40年には1校と、この昭和30年度当時、毎年ですが1校から2校の割合で建設が行われてまいりました。 平成8年度に基準面積が変更になりまして以来、冒頭に述べたように、屋内運動場建設は平成9年に南部中学校の建て替えを行った後、13年間で小学校5校、中学校5校の計10校でした。おおむねですが、1年間に1校ずつぐらいと言ってよろしいと思いますが、ところがですが、平成23年度以降、14年間ゼロであります。空白の14年間。 令和元年度から令和5年度までの一宮市の一般会計の予算額において、10款教育関係予算額のうち1項教育総務費、2項小学校費、3項中学校費の合計額が占める比率につきまして報告願いたいと思います。
◎財務部長(滝野弘巳) 教育総務費、小学校費、中学校費の予算の合計が一般会計歳出予算額全体に占める比率につきましては、令和元年度から順に6.3%、6.1%、7.0%、6.0%、5.9%でございます。
◆37番(服部修寛) 昭和39年(1964年)、日本で初めてさきの東京オリンピックが開催された年、これは浅井中学校の屋内運動場ができた年にもなりますが、一宮市の一般会計予算のうち教育費の割合は24.3%でした。 この昭和39年には新幹線が東京・大阪間で開業し、日本で初めての高速道路である名神高速道路が西宮からこの一宮まで開通をしました。これらの工事費は、世界銀行から日本が借り入れて、貸出しを受けて捻出しました。日本が借金をしてから造った。高度成長時代の幕開けと言っても、まだまだ貧しい時代だったんです。この時代に教育に力を入れてきたからこそ、その後の日本の復興と飛躍的な躍進があり、本格的に高度成長時代を迎えることができ、社会の発展につながりました。 スライドをお願いいたします。 浅井中学校と浅井連区の3つの小学校の屋内運動場の状況を表します。通常は、中学校のほうが小学校よりも当然でありますが広いのが当たり前なんですけれども、この浅井中学校を見てください。保有面積799平方メートル。浅井南小学校、浅井北小学校、浅井中小学校よりも少ないんです。狭いんです。また、中学校の屋内運動場の中では最も保有面積、今799平方メートルと言いましたが、中学校の中で最も少ない。文部科学省が定める基準面積も満たしておりません。中学校の中で最も狭い保有面積で、狭くて困っているからこそ、23年前、後でお話を申し上げますが、生徒が建て替えをしてほしいと、子供たちが言っているんです。御理解いただきたいが、いかがでございましょうか。
◎教育部長(森敬一) 築60年を経過しております屋内運動場は、浅井中学校を含めて3校ございます。現時点では建て替える計画はございませんが、老朽化が進んでおりますため、将来的には建て替えが必要になるというふうに考えております。
◆37番(服部修寛) ですから、冒頭お話ししましたように、南部中学校は昭和36年にできているんですよ。中部中学校は昭和38年、北部中学校は昭和39年にできているんですよ。よく言えると思う、本当にね。申し訳ないけれども。これはやはり空白の14年なんだ。 屋内運動場の建て替えの要望が出されたのは、今から23年前の大変古いお話であります。 平成13年8月21日、一宮市政80周年と一宮青年会議所創立50年の記念事業として、子ども議会が一宮市役所の、もう建て替えましてありませんが旧本館の市議会本会議場で開催されました。合併以前でしたので市内15校の中学生を対象に、一宮市青年会議所が主体となって議員を募集して、希望しました92名の中学生が12グループに分かれて、3か月間グループ討論を重ねて子ども議会に臨みました。 当時のマスコミ報道を見ますと、「議員も顔負け 勉強成果 鋭く質問」との表題で示されたように、実際に子ども議会を我々も傍聴することができましたが、中学生の皆さんの真剣な取組に感激をしまして、中学生の議員の皆さんに負けないようにしなければならない、今もそう思っていますが、このときも素直に思いました。 この中で、私の地元の浅井中学校の生徒から「部活動の活動場所について」の質問項目で「浅井中学校の屋内運動場の広さが、市の大会で出かけた中部中学校の屋内運動場に比べて極めて狭く、驚きました。バスケットボールコートが2面取れる屋内運動場が欲しいです」との要望が出されました。 浅井中学校の屋内運動場の面積は、先ほど申しましたように799平方メートルです。中部中学校は1,761平方メートルでありました。浅井中学校のステージの面積は190平方メートル、倉庫が10平方メートルでありますので、実際に運動として使う場所は、アリーナ部分は600平方メートルを割ると思います。驚きは当然ですね。 当時、浅井中学校は21クラスで、南部中学校、中部中学校、北部中学校、今伊勢中学校と同等のマンモス校でありました。文部科学省の基準面積は1,476平方メートルであります。 当時の子ども議会、平成13年ですが、市議会の会議録もありました。作られました。先ほどの新聞の記事もですが、こちらのほうに書かれております。ちゃんと取ってあります。先ほども、今年は25年表彰をいただきまして、やはり25年議員をやっていますので、こういう資料もちゃんと持っておりますが、生徒の質問に対しまして、ここにも書いてありますが、そのとおりお話を申し上げますが、当時は教育委員会事務局長がお答えになられました。 「浅井中学校の建て替えにつきましては、まだ先になります」。実は昭和38年に建設された葉栗中学校と奥中学校がございますので、その後になりますという話でしたね。「改築時にはそのときの必要面積基準を考慮しながら対応していきますので、現在より十分広い床面積の施設になるものと理解しています」との期待を持たせる答弁でありました。 浅井中学校の屋内運動場の建設は昭和39年。1年前の昭和38年に建設されました葉栗中学校は平成21年に、奥中学校は平成22年に基準面積をはるかに超える広さで建て替えられました。いよいよ浅井中学校の建て替えが始まりますか、そんなふうに期待をしましたが、現在までそのままであります。14年間待っています。子ども議会での発言からは23年間、現状のまま放置であります。当時15歳の生徒が発言をしましたので、足し算をしてください。今38歳。まだできていないんです。もう親になっていますね。 屋内運動場は、学校教育活動におきましては、体育の授業だけでなく部活動、入学式や卒業式、文化祭、合唱祭や演劇、ブラスバンドなどの発表会にも使われます。休日、夜間は日常的に公民館活動で地域に広く開放され、防災訓練等にも活用されています。災害時には、言うまでもありません、緊急避難場所として指定されている、地域に開かれました重要な複合施設であります。 コロナ禍前までは地域の敬老会の行事にも使われておりました。重要な施設が狭いということで、地域にも大きな影響が出ます。当然ですが、利用がいっぱいでありますから制限をされるわけです。公民館活動にも制限が出ます。また、敬老会につきましてもですが、様々なタレントを呼んでお話をします。応募が大変多いんですけれども、やはり制限があります。 教育部のみに屋内運動場についての施策を押しつけるのではなくて、この屋内運動場というのは地域と市役所内の多くの部署が関わる施設であります。市全体の施策として取り組み、進めていただきたいと考えます。 屋内運動場につきましては、シン学校プロジェクトとは切り離してお考えいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
◎教育部長(森敬一) シン学校プロジェクトは、新しい時代にふさわしい学校づくり、学校の在り方について、市民・地域の皆様から御意見をいただきまして一緒に考えていこうというものでございます。 今、御案内いただいています浅井中学校の屋内運動場につきましては、建設当時、あえて小さな屋内運動場を建設したというわけではないというふうに思っております。地域が抱える問題点として挙げていただき、屋内運動場だけでなく学校全体の問題として、学校・地域と共に問題を解決していただくための御提案をいただくのも1つの考え方というふうに考えております。
◆37番(服部修寛) この昭和30年代に造られた、南部中学校をはじめ浅井中学校もでありますが、できなかったと思うんです、当時の技術では。確かに、オリンピックがありました。これはもう国内有数のメーカーが例えばいろんな競技場を造りましたけれども、やはりそれぞれを大変苦労して造られたと思うんですが、普通の一般の方々では、地元ではこれはできなかったんじゃないかな、そんな思いがします。耐震性につきましても、問題があるところもございました。 浅井連区の3つの小学校のうち、浅井中小学校の新1年生は2クラスでありましたが、浅井南小学校、浅井北小学校は今年度初めて1年生が1クラスになりました。 シン学校プロジェクトのウェブ資料から、現在の小学校1年生が6年生になる5年後の浅井連区の3つの小学校の学年ごとの学級数を示します。 スライドをお願いいたします。 あくまでも予想でありますが、5年後の各学校の学級数であります。令和9年度と11年度は、浅井連区の3つの小学校全てで1年生が1クラスになります。今の1学年、3学年を見てですね、そこになります。 少子化の傾向が続けば、小学校の統合も見据えなければならない厳しい状況です。シン学校プロジェクトへの応募において、浅井連区では浅井中学校と浅井中小学校が市道C167号線を挟んで隣接しておりますので、将来の小中連携もにらんで、現在の浅井中小学校の屋内運動場の場所に基準面積を満たした2階建ての屋内運動場を建設する案を提案いたしました。 浅井中小の少し上にありますが、四角、ちょっと大きめになりますが、これが浅井中小の屋内運動場です。浅井中学校は5西とありますが、そちらのほうの細長い、四角いものが浅井中学校の屋内運動場であります。浅井中小学校の下のほうには、実は武道館がございます。これは真四角の、正方形のものですね。その下の大きいほうのプールは浅井中学校のプールです。その下の緑の部分は、浅井中学校が使うテニス場であります。大変、浅井中学校の敷地面積が狭いものですから、浅井中小学校のほうを利用していただいているというふうな状況でございます。 そして、ここの1階部分ですね。今話しましたように2階建てを造りまして、1階部分は浅井中小学校、2階部分は浅井中学校用としまして、浅井中学校の敷地の1階部分、ここに中学校の部活の部室を配置して、浅井中学校の校舎から市道をまたぎまして屋内運動場へ移動するための連絡通路を連結して、この連絡通路を現在浅井中小学校の敷地内に建設されております武道場に延伸するという計画を立てました。 小学校と中学校が隣接して建っておりますのは、御承知のとおりでありますが浅井と北方のみであります。小中連携をにらんでの2階建て屋内運動場構想、浅井中学校の敷地が狭いため屋内運動場の基準面積が確保できない、今のままではできないという話がございましたので、その問題も克服すると考えますが、いかがございましょうか。
◎教育部長(森敬一) シン学校プロジェクトの第1期プロジェクトの応募は、本日6月7日が提出期限となっております。 御応募いただきました皆様の全ての御提案につきましては、大学教授等で構成されます候補校の選定委員会で評価いたしまして候補校を選定した後、市長と教育委員会で構成する総合教育会議で対象校を決定したいというふうに考えております。
◆37番(服部修寛) 昨年の夏は、最高温度が40度を超える日々が大変多く続きました。屋内運動場への空調設備の設置措置は、命を守る意味から当然というより必然と考えます。 愛知県は、令和6年度から令和9年度までの4年間で、総額180億円をかけて、県立高等学校145校全ての高校の屋内運動場149棟と武道場143棟に空調設備の整備を進めるとして、今年度は44億7,000万円余の予算を計上しました。 県立特別支援学校26校の体育館27棟につきましては、令和5年度から令和7年度までの3年間で、リース方式によりまして空調整備を進めていきます。 名古屋市は、昨年エアコン設置に向けた基本設計を開始しまして、令和6年度の工事着工に向けて計画を進めています。豊田市は小・中学校の体育館及び武道館への空調設備の整備に当たり、民間事業者の技術やノウハウを最大限活用しまして、短期間に一斉導入することで学校間の公平を保ちながら、整備の早期実現のために市内の小学校74校、中学校28校のうちまず小学校39校、中学校16校を選んで、公募型プロポーザル方式によりまして6月上旬に事業者を選定して、9月下旬までに契約を結び、残りの学校につきましても順次取り組んでいくとしています。 岡崎市、豊橋市は空調設備導入基礎調査事前業務を行う業者を選定し、空調設備の早期整備に向けて着手しています。春日井市は昨年度、全ての小・中学校52校の体育館への空調機設置を決めて、令和6年度に空調方式などの検討、令和7年度から実施設計、工事着手の計画を立てています。 刈谷市、みよし市では令和3年度から空調整備計画が進められて、近隣では清須市が既に令和5年度に設置を完了しております。岩倉市は清須市を参考にしまして、小・中学校の屋内運動場と中学校2校の武道場にエアコンを設置するということをしております。また、稲沢市は全ての中学校の屋内運動場につきまして空調設備の設置を決めて、令和6年度には4校、令和7年度には5校の整備を行うとして、今年度につきましては4月末に既に一般入札を終えております。 古い施設は断熱効果も悪くて、風通しがよくありません。改築の際には文部科学省が定める基準面積を確保しまして、空調効果を上げるためにも断熱効率の高い建設資材を用いて、太陽光発電、雨水の貯留等、SDGsにも配慮した地域に根差した施設とすべきでありますが、屋内運動場への空調設備の設置につきましてどのように考えますでしょうか。
○議長(竹山聡) 服部議員に申し上げます。発言の残り時間が少なくなってまいりましたので、議事進行に御協力お願いします。
◎教育部長(森敬一) 小・中学校の生徒を熱中症から守るために、屋内運動場に空調設備は必要だというふうに考えておりますが、現在に至るまで設置はできておりません。 現時点では屋内運動場に空調設備を設置する計画はございませんが、既に屋内運動場に空調設備を設置している他の自治体の状況の調査を進めております。今後は、どのように空調設備を設置するとよいかなど、条件を含めまして研究していきたいというふうに考えております。
◆37番(服部修寛) 屋内運動場に空調設備は必要だと考えますが、設置する計画はないという話であります。 令和4年6月に文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部から出されました中学校施設整備指針によりましては「より効果的・効率的な施設整備の手法として、PFIや包括的民間委託などの官民連携による整備手法等を検討することも有効である」と記載されております。 小・中学校の教室へのエアコン設置につきましては、中野市長の英断によりまして、PFI方式を活用して実現したと理解をしております。どうか屋内運動場への空調設置につきましても、市長の英断をもってお願いをしたいと思います。 10年先も大事でありますが、今年の夏どうやって子供たちの命を守るか、私は心配でなりません。よろしくお願い申し上げまして、心からお願いしながら、本日の一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(竹山聡) 暫時、休憩します。 午前11時36分 休憩 午後1時 再開
○議長(竹山聡) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 12番、東渕正人議員。 (12番 東渕正人 登壇 拍手)
◆12番(東渕正人) 議長のお許しをいただきましたので、通告どおり質問させていただきます。 令和6年1月1日午後4時10分に発生した能登半島地震では、上下水道に多大な被害を与え、被災地では長期間の断水が発生し、今も断水している地区があると聞いております。被災された皆さんは、水の確保に大変御苦労されました。 このような状況下の中、上下水道部は地震発生の翌日、1月2日には職員2名と給水車を派遣、2月29日まで被災地での応急給水を継続されたとのことで、大変御苦労さまであり、ありがとうございました。今回の能登半島地震の被災状況を目の当たりにし、市民の命を守るライフラインである水道の重要性を再確認したところでございます。 そこで、一宮市における水道施設の耐震化等についてお聞きします。 4月22日放送のNHKのクローズアップ現代「"水道クライシス"全国危機MAP あなたの町は大丈夫?」という番組を視聴し、水道管の老朽化が全国的な問題となっていたところです。一宮市の水道の老朽化について、現在どのような状況でしょうか、教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) 老朽化の状況につきましては、本市では1934年から水道事業に着手し、2023年3月末の時点で2,444キロメートルの水道管を管理しております。 水道管の法定耐用年数は40年で、40年を超過した管を老朽管と呼んでおり、その延長は820キロメートル、総延長に対する割合、いわゆる老朽化率は33.6%でございます。
◆12番(東渕正人) 法定耐用年数40年を超過した、いわゆる老朽管が総延長の33.6%もあるということですが、老朽化が進んでいると感じます。他の自治体と比べるとどのような状況となっているのですか。
◎上下水道部長(安田英樹) 2023年3月末の時点でございますが、全国平均は23.8%、愛知県内平均につきましては26.2%でございます。
◆12番(東渕正人) 一宮市は他の自治体と比較して老朽化が進んでいるということですね。そうなりますと、820キロメートルもある老朽管を効率的に更新していく必要があると思います。 NHKの番組の中でAIによる管路の劣化診断が紹介されていましたが、一宮市においてもAIを導入していたと記憶しております。具体的な活用方法などがあれば教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) 令和3年度、令和4年度に、布設後30年を経過いたしました水道管1,142キロメートルに対し、口径や埋設年度などの詳細情報や漏水・修繕などの履歴情報を基に、AI予測システムが保有している地形、気候、人口など1,000を超える環境情報から劣化診断を行い、破損や漏水の可能性が高い水道管についてリスクの見える化を行いました。その診断結果に基づき、令和5年度から専属の職員で漏水調査を始めており、1年間で道路に埋設されております水道管214キロメートルの調査を実施し、23か所の漏水を発見することができました。 発見いたしました漏水箇所につきましては、随時修繕工事などの対応を行っており、また、漏水リスクの高い水道管は布設替えを計画的に行っております。今後も老朽化が進む水道管について、効率的に維持管理をしてまいります。
◆12番(東渕正人) 一宮市もAIを活用し、危険度が高い場所を特定して効果的な老朽化対策をしていることが分かりました。今後も、新しい技術を積極的に取り入れながら老朽化対策を進めていただきたいと思います。 次に、水道施設の耐震化の状況についてお尋ねします。 老朽化対策とともに、水道施設の耐震化も非常に重要です。最重要ライフラインであり、災害時の被害を少しでも軽減するため、強靭であるべきと考えます。 一宮市においても、発生が危惧されている南海トラフ地震に対する備えが重要です。 大規模地震が発生した際に、水道水の供給の根幹である浄水場や配水場、そして水道管が損壊した場合、復旧に相当な時間を要すると思いますが、一宮市の地震対策及び耐震化率はどのような状況になっていますか。また、全国平均、愛知県平均と併せて教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) まず、本市の地震対策についてお答えさせていただきます。 浄水場や配水場につきましては、水道水を配水する前に一時蓄える施設を配水池といいますが、佐千原浄水場、千秋配水場、尾西配水場、木曽川配水場の主要4施設の配水池の耐震化が済んでおります。 浄水場などの施設内の配管につきましては、佐千原浄水場は耐震化が完了しております。木曽川配水場は、2027年3月末までの耐震化完了に向けて、現在、場内で工事を進めております。千秋配水場、尾西配水場の施設内配管につきましても、順次耐震化を進めてまいります。 また、水源からくみ上げた原水を浄水施設に送る導水管と、水道水を配水支管へ輸送する配水本管を基幹管路と申しますが、その基幹管路を、大規模災害時でも安定的に水道水を供給することができるよう耐震化を進めております。 次に、耐震化率につきましては、2023年3月末の時点の数値でお答えさせていただきます。 浄水場や配水場施設全体の耐震化状況につきましては、本市は52.1%、全国平均は43.4%、愛知県内平均が66.4%でございます。 また、基幹管路の耐震化率につきましては、本市は31.3%、全国平均は42.3%、愛知県内平均は60.6%でございます。
◆12番(東渕正人) 水道水の供給に重要な基幹管路の耐震化率が全国平均42.3%、県内平均60.6%よりも低い31.3%であるということですが、NHKが作成した危機MAPでは、一宮市の耐震化率が能登半島地震で被害を受けられた市町と同程度の状況となっていました。 このままでは、大規模地震が発生した場合に水道が使えるのか大変心配です。今後の対策はどのような計画になっているのですか、教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) 南海トラフ地震を想定し、液状化の発生する可能性が極めて高い地区に埋設された基幹管路について、布設年度や劣化の状況などにより耐震化工事の優先順位を決定し、2033年3月末までに耐震化率40.7%を目標に事業を進めております。 また、災害時の重要給水施設である災害拠点病院への配水ルートなどについても、優先順位を決めて耐震化を実施してまいります。
◆12番(東渕正人) 重要給水施設を優先しながら対策を進めていくとのことですが、その対策は時間を要すると思います。しかしながら、災害はいつ来るか分かりません。 そうしますと、大規模地震が発生した場合への対応が重要となっております。当市における水の備蓄状況はどのようになっているのですか、教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) 耐震化された配水池におきまして、一宮市地域防災計画の応急給水量の目標値から換算いたしますと、市民約10日分に当たる5万7,950立方メートルの水道水を確保しております。 また、このほかに避難所用の飲料水といたしまして、災害備蓄用飲料水でありますおりひめ500ミリリットル、2万4,000本を備蓄しております。 しかし、地震発生時には不測の事態により水を届けられないことがございますので、市民の皆様には日頃から備蓄の重要性を理解いただき、1人1日3リットル、最低でも3日分、できれば1週間分の飲料水確保についてお願いをしておるところでございます。
◆12番(東渕正人) 発災時の初動体制、また、他市町との協力体制などをどのように整理されているのですか。
◎上下水道部長(安田英樹) 災害時には、被害状況の把握と支援要請、重要医療施設への応急給水及び2次災害防止のため、応急復旧を最優先業務とする初動体制を整えております。 施設、断水等の被害状況を把握した上で、応急給水栓による給水や備蓄しております災害用飲料水の避難所への輸送、浄水場や配水場を拠点とした避難所への給水車による給水活動を実施することとなります。 災害時において職員一人一人が迅速かつ的確に役割を果たせるよう、上下水道の事業継続計画、いわゆるBCP訓練、応急給水訓練など各種訓練を毎年行い、上下水道部職員全体の対応力の底上げを図っております。 また、日本水道協会中部地方支部災害時相互応援に関する協定や、一宮市の指定水道工事店協同組合、土木協同組合などの各種関係団体と協定を取り交わし、災害に備えております。 さらに、災害時の水道水の水質検査につきましては、専門知識を有した職員が検査を行い、水道水の安全性を確認し、応急給水等を行ってまいります。
◆12番(東渕正人) 毎年、大規模地震を想定した訓練や関係団体との協力体制など、不測の事態に備えていることも分かりました。やはり耐震化対策、老朽化対策は早急に進めていただきたいと思います。しかし、独立採算で事業運営を行う必要がある水道事業です。経営状況についても心配になってまいります。 NHKの番組でも全国の水道事業の値上げについて報じられており、一宮市が15%、20年ぶりの値上げと報道されました。この20年ぶりというのは、一宮、尾西、木曽川の合併による料金統合による改定を除き、経営状況による実質的な値上げが20年ぶりと認識しております。 一宮市の水道料金は県内でも4番目に安い水準でしたが、安かったゆえに耐震化や老朽化対策が進んでこなかった面もあると思います。今回の15%の値上げによる増収でどのようなことが行えるのか、教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) 15%の改定によりまして、1年間で約7億円の収入増を見込んでおります。この増収分を一宮市上下水道事業経営戦略における計画で表しますと、2033年の3月末までに重要給水施設である救急病院の木曽川市民病院や千秋病院への水道管の耐震化を行うことができ、災害時においても病院への給水が可能となります。 また、指定避難所への応急給水栓の設置につきましても、給水ルートの耐震化を行うことができるため、2033年の3月末までに経営戦略で計画しております大和中学校など10校に設置を行い、災害時に約6万人分の給水確保を行うことができます。
◆12番(東渕正人) 災害への備え、耐震化対策、老朽化対策を着実に進め、市民の安全を守るためには莫大な費用が伴いますが、市民の皆さんに御負担をお願いする以上、水道事業者としての経営努力は必須であると思います。これまでにどのような経営努力をされてきたのですか、教えてください。
◎上下水道部長(安田英樹) 水道料金等の計算や請求業務、それに付随する窓口業務や施設の運転管理業務など、民間のノウハウを活用すべく業務委託を行ってまいりました。また、水道事業と下水道事業の水質部門を統合するなど、組織の合理化も図ってまいりました。これに伴いまして、上下水道に携わる職員の数を2010年度に比べ40人以上削減してまいりました。 今後につきましても、事業の広域化や共同化を図り、より一層費用の削減に努めるとともに、国や県からの交付金や補助金を拡充するよう積極的な要望活動を行うなど、財源確保に努めてまいります。
◆12番(東渕正人) 今後も積極的な財源確保に努力をしていただき、事業の進捗を図っていただきたいと思います。 全国の水道事業が置かれている現状は、人口減少に伴う使用水量の減少による収入の悪化、電力料などの値上げや、老朽化していく施設を維持するための資材価格や大規模災害へ備えるための工事費の高騰など、経営環境は非常に厳しいのが現状と認識しております。このことが、全国的に値上げを行う自治体が増加している理由だと思います。 今回15%の値上げを行うわけですが、市民の皆さんに御負担をお願いする以上、市民の皆様の命を守る最重要ライフラインであることを肝に銘じ、事業の健全経営に努めていただき、一宮市上下水道事業経営戦略の基本理念「命の水を未来へ引き継ぐ一宮の水道」、これを将来にわたって実現していただきたいと思います。 最後になりますが、今配布されております上下水道部の広報誌「水de報」106号、今日我が家のポストにもありました。仲間の議員に聞きましたら、いやいや、うちのところは二、三日前にも入りましたよという形で、こんな立派なものが市民の皆様に届くことは大変うれしく思いますし、何とか皆様の目に届くように配布をしていただきたいと思います。 経営状況についての新講座ですね。ここにも書いてありますけれども「生活に欠かせない水道・下水道~命を守るライフライン~」を開設したと記載されております。料金改定や水道事業の重要性、現状について市民の方々に知っていただくためにも、SNSの活用など様々な手法で広報活動を積極的にしていただきますことをお願いし、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(竹山聡) 暫時、休憩いたします。 午後1時21分 休憩 午後1時29分 再開
○副議長(島津秀典) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 8番、臼井弓賀議員。 (8番 臼井弓賀 登壇 拍手)
◆8番(臼井弓賀) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして私の一般質問をさせていただきます。 1、市民の健康のための栄養分野の取組について質問させていただきます。 厚生労働省は、栄養・食生活は生命を維持し、子供たちが健やかに成長し、また、人々が健康で幸福な生活を送るために欠くことのできない営みであるとしています。また、食事は栄養状態を適正に保つために必要な栄養素等を摂取し、身体的な健康を保つ一方で、食生活は文化的な営みで、生活の質、いわゆるQOLに深く関わるものであるとしています。 食生活、食べるということを改めて考えてみますと、一般的には1日3食を毎日の生活の中で、恐らく時間的に、サイクル的に取っている方が多いのではないでしょうか。言わば毎日の生命活動とも言えます。 意識していないようで、漫然と食生活を続ける中に、例えばダイエットにはこの食材、アンチエイジングにはこの食材、フレイル予防にはこの食材が有効などといったテレビ番組やニュースなどで健康改善の情報が流れますと、翌日には食料品売場からその食材がたちまち欠品、そして入荷未定となるほど人々の関心がとても高く、そして、食事で改善できるということは日々の生活の中で採用できる手軽な健康法であるため、選択しやすいということであると思います。 そうでありながら、食生活はその日々の生活の中に埋もれてしまい、何か健康上や体型的などの悩みや問題がなければ、漫然と空腹を満たすためのその日その日の食事をするというような方々も多いと推察します。 「やがていのちに変わるもの」という某企業のキャッチコピーが私は以前から好きで、まさにそのとおりだと思うからです。食事は健康的にも、身体的にも、精神的にも、やがて命につながるとても大事なことだと思います。 食生活を取り巻く社会環境の変化や行動変容に伴い、偏った食事または食事習慣や嗜好、加工品や特定食品への依存、1人で食事を取る個食での団らんや会話の喪失など、身体的、精神的に影響を及ぼすことも懸念されています。健康で良好な食生活の実現のためには、それを支援する環境づくりが必要だと思います。 健康という側面では、生活習慣病の予防が大きな役割だと思います。生活習慣病とは、かつて成人病と呼ばれていました。範囲や定義ははっきりとありませんが、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、発症の要因となる疾患の総称です。健康日本21では、がんや心臓病、脳卒中、糖尿病を挙げています。これらの病気は成人でも生活習慣の改善により予防が可能で、成人でなくても発症の可能性があることが分かってきたため、生活習慣の改善に重きを置き、健康増進や発病予防を推進するために導入された概念です。日々の食生活で発病予防ができるということです。 未病という言葉がよく聞かれるようになりました。自覚症状のあるなしに関わる、まだ発病はしてはいないが健康な状態から遠のきつつある状態です。病気になっていく過程の状態を指します。 食事での未病予防は、言わばセルフメディケーションにも関わると考えます。セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当てすることです。すなわち、ふだんの食生活で自分自身の健康に責任を持つということであると考えます。食物栄養学を学び、栄養士であり、前職では医薬品登録販売者として日々医薬、健康に従事しておりました私はそう考えております。もっと密接に市民の栄養指導を行うことで、生活習慣病予防、健康増進は可能であり、より推進していただきたいとの望みから質問をさせていただきます。 現在、一宮市保健所に管理栄養士は何人いますか。また、その業務内容を教えてください。
◎保健所長(子安春樹) 保健所健康支援課には3人の管理栄養士がおります。うち2人は保健センター、1人は保健所におり、3人が協力しながら事業を行っております。 業務内容としては、保健センターで実施している母子保健事業、成人保健事業を通して、市民に対して栄養指導を行っております。また、保健所におきましては特定給食施設、ざっくり申し上げますと食事を提供する施設のうち規模の大きなものを指しておりますが、これらの指導や食品表示の相談、食育推進事業などを行っております。
◆8番(臼井弓賀) 市民の方への栄養指導や栄養相談などはどのような方法で実施していますか。
◎保健所長(子安春樹) 母子保健事業として、乳幼児健康診査や育児相談では個別相談を、マタニティクラス、離乳食教室、幼児食教室では講義形式で栄養指導を行っております。同様に、成人保健事業として、健康相談や、また特定保健指導では個別相談を、栄養教室などでは講義形式で栄養指導を行っております。
◆8番(臼井弓賀) では、その内容を教えてください。
◎保健所長(子安春樹) 先ほど議員がおっしゃいました生活習慣病予防についてですと、成人保健事業の栄養教室では、バランスの取れた食事を基本に、肥満予防、高血圧予防、糖尿病予防など病態別のテーマを設けて講義を行っております。 また、特定保健指導では、特定健康診査を受診し、医療を要するまでではないが一定の基準を超えた方に対し、保健師の保健指導と併せて栄養の面からの個別指導を行います。 生活習慣病は大人になってから発症するものですが、子供の頃からの食習慣の影響も大きいため、母子保健事業の中でも、妊娠期・乳幼児期からのバランスのよい食事や望ましい食習慣についてお伝えしております。
◆8番(臼井弓賀) 食生活改善のボランティアがいらっしゃると伺いましたが、実際にはどのような取組を行っていますか。
◎保健所長(子安春樹) 正式な名称は食生活改善ボランティアで、市が実施する食生活改善ボランティア養成講座を修了された方が食生活改善ボランティア協議会に所属し、活動をされております。 保健センターで実施いたします離乳食教室など市の保健事業のお手伝いもしていただいておりますが、それだけでなく、自主事業として地域の皆さんの要請でバランス食のお話をしたり、料理教室を行ったりしています。また、子供を対象に、健康によい食事の取り方などを分かりやすく伝えるため、エプロンを使った寸劇、いわゆるエプロンシアターというのを行っております。
◆8番(臼井弓賀) 昨年10月の一宮市健康づくり食生活改善ボランティアフェスタに参加させていただきました。 分かりやすいお話や、自宅でふだん飲んでいるおみそ汁を少量持参し塩分濃度測定ができたり、あと、野菜の1日摂取量の計測など体験コーナーも大変工夫されておりまして、御参加の皆さんもためになると大変喜んでいらっしゃいました。今後も引き続き、食生活改善ボランティアの育成や周知をお願いいたします。 令和6年度予算イチ推し20の事業にあります地域DX推進事業、健康支援アプリが導入されますが、こちらに栄養指導や食生活アドバイスのような栄養というカテゴリーのサービスメニューや機能はありますか。
◎保健所長(子安春樹) 健康づくりや生活習慣病予防の取組では、運動とともに栄養は欠かせない項目でございます。 議員お尋ねの機能につきましては、今後導入する健康支援アプリに盛り込む予定としております。 具体的には、健診結果を基に、個人の健康状態や生活習慣に合わせ、食事や栄養も含む様々な観点からのアドバイスや関連記事をプッシュ通知でお知らせすることを考えております。 本事業では、デジタルになじみやすい若い世代を中心にアプリの利用を勧め、若い頃からよりよい食生活及び生活習慣を効果的に身に着けられるよう、アプリを活用していきたいと考えております。
◆8番(臼井弓賀) 健康、子育ての両分野とも、栄養指導、食生活アドバイスは欠かせない分野だと私も思います。導入されますアプリをより親しみやすく、よく活用していただきたく思います。 例えばですが、一般的な食生活の情報として、年代別の摂取カロリーを踏まえた栄養バランスの献立メニューや、地場の特産物や失われつつある季節の食物を使った旬のメニュー、あと、受け継いでいきたい尾張地方ならではの郷土料理、家庭料理などの献立、季節ごとに起こりやすい体の不調、未病予防に有効な食材の使い方など知恵的な情報も発信していただけたら、総合的に健康を守れるアプリとして充実するのではないかと思います。 受け継いでいく郷土料理や家庭料理などは子供の記憶に残り、ソウルフードとなり、どなたも御経験があるかと思いますが、疲れたときや落ち込んだときに食べたら元気になれるおばあちゃんの味などのように記憶に刻まれ、英気を養う糧となります。 食事というものは、身近にあり過ぎてややもすれば見過ごしがちですが、栄養素以外に心身を助ける大変なパワーがあるものです。 また、健康増進アプリの準備もされているということですが、ポイントを集めて景品等を獲得するとともに、何より楽しく継続することが課題かと思います。 これも例えばですが、歩数を使って、アプリ内で一宮市内をバーチャルにお散歩ができたらどうでしょう。一宮市内の名所や旧跡、公園、施設などを巡り、知ってもらいながら、途中で名産品、名物品などにも触れ、より一宮愛を育ててもらう。ためたポイントは市の名産、各地区の名物品などとも交換できてもよいかと思います。 現実にはその距離を歩けない高齢者などの方々も、日々の生活での歩数で一宮市を散歩できるような内容などは、目標設定、魅力の再発見、さらには観光の促進につながれば互恵関係となり得るかと思います。 子育てアプリに関しましても同様に準備されているということですが、離乳食から成長段階に応じた栄養指導を発信していただくなど、ぜひとも幅広い内容の導入を御検討いただき、より総合的な健康増進に寄与できますよう要望いたします。 学生にキャラクターを作成してもらうなどして、IT世代の若年層にこそ身近に親しめるアプリになるような工夫も必要なのではないかとも思います。 また、献立、栄養指導などの情報はプッシュ型なので、よいと思っても実際にそれを基に調理する方がどれくらいいらっしゃるのかと想定いたしますと、実際に行動として調理する方は僅かかと思いますので、年代別の適正カロリー、栄養バランスを考えた一宮市管理栄養士監修のお弁当メニューとして民間のスーパーなどに提供して調理・販売してもらい、広く一宮市民に栄養指導をしていくという手法も、健康増進、生活習慣病予防という本来の目的に近づきますので、御一考いただけたらと思います。 家族に管理栄養士がおりますが、中学校を卒業して給食を離れた途端、栄養バランスが守られていた食事からも離れてしまう。基礎知識としての栄養学を学校でもう少し深く学べたら、自分で食べ合わせやバランスが簡単に分かり、管理できるのにと申しておりました。 基礎知識を得た上で、自分である程度日常的に食材やメニューが選択できれば、長期的に食事で自然に健康増進できることにつながると思います。学校の食育の一環として、そこまでできたら理想だと思います。 食べること、適正な食生活の知識が当たり前になれば、おのずと一日一日の食事が難しくなく、健康増進、生活習慣病予防になると思います。一宮市民の健康を守る大きな要因となると考えます。 以上でこの質問を終わらせていただきます。 続きまして、2項め、学校給食費無償化について 無償化をどう具現化するかを質問させていただきます。 先日、保育園、小学生、中学生のお子さんを持つ子育て世代の保護者の方々とお話しする機会がありました。 このところの物価高騰で、生活費、教育費、全てに不安である。本当はもう1人、2人子供を持ちたいと思うが、どうしても経済的、子育て環境に対する不安のほうが先に立つため踏み切れない。物価高騰に追いつく賃金の上昇がないため、補助金はとてもありがたいが、ほぼ赤字マイナス分を補填するに終わり、正直、カンフル剤にもならないと皆さんがおっしゃっていました。皆さんそれぞれが真剣に子育てについて考えておられ、闊達な御意見をお聞きしました。 近い将来の家計の試算に希望が持てれば、子育ての不安も減り、前向きになれるなどと口々におっしゃっていました。まさに代表的な少子化の図式とも言えるリアルな声でした。 出産してから入園、入学、進学と長い期間の子育てを考えたとき、希望より不安が先立つ環境は望ましくありません。継続的な支援で安心が得られることは大きいはずです。一時的な補助ではない支援として、やはり給食費無償化の問題は出てまいります。 日本国憲法では「義務教育ではこれを無償とする」とあり、学校給食法では、第11条2項に「経費以外の学校給食に要する経費は、学校給食を受ける児童又は生徒の保護者の負担とする。」とし、食材費は保護者負担となっています。義務教育は無償、学校給食費は保護者負担という現状であります。 この問題に関しましては、いろいろな議論があります。学校給食は子供たちの栄養改善のために始まり、学校給食法が制定された昭和29年から時代は大きく変わっています。昨今の物価高騰による生活費への圧迫、子育て、将来への不安の増大は、少子化の大きな要因でもあります。給食は毎日のものですから、無償化は恒久的でなければならず、容易ではないことも十分理解した上で質問させていただきます。 現在、一宮市の1日当たりの学校給食喫食数はどれくらいですか、お尋ねいたします。
◎教育部長(森敬一) 2024年5月現在、小学生が1万9,000人強、中学生1万人強が学校給食を喫食しております。
◆8番(臼井弓賀) 現在、給食費は1食お幾らですか、お尋ねします。
◎教育部長(森敬一) 2023年4月から給食費を1食当たり小学校は35円、中学校は40円値上げしておりまして、現在の給食費は小学校が1食285円、中学校が325円となっております。 なお、2023年度は、給食費の値上げに伴う緩和措置といたしまして、保護者の負担を軽減するため、1学期、2学期は値上げ分の全額を、3学期は値上げ分のほぼ半額の小学校は15円、中学校は20円を市が補助しております。また、2024年度につきましては、1学期の間、2023年度の3学期と同様に、小学校は1食当たり15円、中学校は20円、補助をいたしております。
◆8番(臼井弓賀) 現在、1学期間の補助を継続していただいており、ありがとうございます。 では、補助ではなく無償化にするとしたら年間幾らかかりますか、お尋ねいたします。
◎教育部長(森敬一) 2024年度は給食回数が191回ございますので、児童・生徒合わせて約3万人弱が給食を喫食しますので、年間で約17億円となります。
◆8番(臼井弓賀) 17億円を恒久的にとなりますと困難なことと推察いたしますが、物価高騰による生活費圧迫の現状を踏まえ、給食費無償化に対する御見解をお尋ねいたします。
◎教育部長(森敬一) 一宮市では、以前から給食食材の購入費用につきましては、保護者の皆様に御負担をいただきますようお願いしております。
◆8番(臼井弓賀) 学校給食法において食材費は保護者負担となっておりますが、政府の異次元の少子化対策では、児童手当など無償化は所得制限なしの方向です。 子供の生まれながらの権利、公平性という観点から逸脱しますが、例えばですけれども、世帯所得で徴収する金額を設定するという策もあるのではないかと思います。ゼロか100、可能か不可能の両極ではなく、その自治体の財政、体力に応じて間があってもいいのではないかと思うからです。恒久的でなくてはならないからです。私も本来なら所得制限なしの無償化が理想と考えますが、私論で述べております。 世帯所得で給食費を設定するということについては、どのようにお考えでしょうか。
◎教育部長(森敬一) 経済的な理由によりまして給食費の支払いが困難な御家庭に対しましては、市が給食費を全額負担する就学援助制度を御案内しております。利用者はおよそ全体の9.3%となります。
◆8番(臼井弓賀) なぜこのような世帯所得という考えで質問をいたしましたかと申しますと、要保護の生活保護家庭、生活保護に至る前の準要保護の家庭においては就学援助制度が利用できますが、それらに該当しない、準要保護家庭のその手前の家庭においても、この物価高騰の影響が生活を困窮させ、教育にも直接打撃を与えている現状があるからです。 生活困窮家庭は、大人1人、子供1人で所得175万円、大人2人、子供1人で所得215万円、大人2人、子供2人で所得248万円が目安と言われています。ここにこのところの物価高騰を加味しますと、これら目安以上に逼迫し、該当する家庭が増えているだろうと推測できます。 該当する家庭においては、既に教育はもう平等ではありません。現実、習い事や学用品、そして1日3食食べることも十分でない子もいます。 こども家庭庁のこども未来戦略方針でも、持続的で構造的な賃上げ、人への投資、民間投資での経済成長の実現と経済的支援の充実による少子化対策により若者、子育て世代の所得を伸ばすとありますが、現時点での親世代の賃上げ、生活の底上げは、多種多様であることもあり、すぐには進捗しにくいと思います。 この秋から子育て支援が拡大されますが、学校教育における給食費の負担を少しでも恒久的に減らすことは、今ある不安を少なからず解消し、希望が持てる一因になるのではないかと考えます。 ほかの自治体では全額無償化ではなく、半額、主食のみ無償、また第2子から半額、第3子から無償などなど、補助を始めている自治体も増えています。このような全額無償でない補助についてどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。
◎教育部長(森敬一) 補助事業は、市の施策の中で様々な世代に対する施策の平等性や国からの補助等を含めた収支バランスなど、様々な角度から慎重に考えていくことが必要であるというふうに考えております。
◆8番(臼井弓賀) 願わくば、国の一律支援で自治体間格差がなくなることが望ましいと思います。 日本財団が、他人事ではなく国民一人一人に影響し得る自分事であると多くの方々が認識することを目的として、子供の貧困の放置による経済的影響に関する日本初の推計を行いました。その子供の貧困につながる社会的損失推計を見ると、子供の貧困は生涯所得に大きな差を生むことがデータで出ております。 この調査は、子供時代の経済格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながるという想定の下、まず現状を放置した場合と、そして子供の教育格差を改善する対策を行った場合の2つを比較したものです。我が国では最終学歴や正規・非正規といった就業形態による所得の格差が存在するため、教育格差が生涯所得に大きく影響します。 改善を想定した場合では、現状を放置した場合に比べ、学歴、大卒者の増加や就業形態の改善により生涯所得が増加、そして所得が増え、個人による税・社会保障費用の支払いが増えることとなり、国の財政負担の軽減につながります。この差分を社会的損失として算出すると、子供時代の経済格差、子供の貧困を放置した場合、僅か1学年当たりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が発表されております。 こども未来戦略の冒頭にもありますが、2022年に生まれた子供の数は77万759人、統計を開始した1899年以来最低の数字で、ピークであった1949年に生まれた子供の数は約270万人だったことから約3分の1まで減少し、そして、つい2日前の6月5日に厚生労働省から2023年の合計特殊出生率が発表されまして、2022年の1.26より低い1.20と、8年連続で前年を下回る結果となっております。そのスピードも加速しており、2060年近くには50万人を割り込む予想もされております。 2023年の一宮市の人口動態におきましても、令和5年度の合計特殊出生率は1.15、出生数は2,182人、令和4年度は2,348人でしたので、1年で166人減少しております。 若い世代の誰もが、結婚、子育てに明るい希望が持てる社会づくりが前提で、一宮市においても、今よりも希望が持て、不安のない社会づくり、環境づくりが急務かと思います。 給食費の軽減で、もしくは無償化で経済格差を埋める一助になるなら可能性を持てることになり、ひいては今より子育てしやすい一宮市になると思います。子育てしやすいまち、明るい将来が描けるまちをさらに目指し、子育て世代に選ばれるまちになっていくことが望まれます。また、恒久的な補助などの支援のためには、税収の増収、稼げる一宮になることも依然として必須の課題です。 企業誘致も重要と考えますが、この一宮で会社を起こす起業誘導も必須だと思います。稼ぐ一宮、稼げる一宮市を持続可能にするために、産業振興、時代に即した地場産業の発展、観光誘客で、固定給のように毎月見込める税収が必要だと考えます。 以上で私の今回の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(島津秀典) 暫時、休憩いたします。 午後2時1分 休憩 午後2時10分 再開
○副議長(島津秀典) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 28番、柴田雄二議員。 (28番 柴田雄二 登壇 拍手)
◆28番(柴田雄二) 議長に発言のお許しをいただきましたので、私の一般質問を始めさせていただきます。 今回は、2項目にわたりまして質問させていただきます。 まず最初は、能登半島地震の教訓から生かす防災・減災対策についてでございます。 能登半島地震は元日に起こりましたけれども、今回は様々な教訓を私たちにいただいたと思っております。特に住宅耐震化、家具の転倒防止、これが非常に大事かなと思っています。 最近、当時の動画を見せていただきまして、ちょっと細かくここへメモってきているんですけれども、16時10分8.3秒のときに少し揺れまして、そのときはマグニチュードがつかない揺れでございましたけれども、その次に緊急地震速報が流れました。その後、16時10分9.5秒、マグニチュード5.9、16時10分16秒、マグニチュード5.5、その後、16時10分22.5秒、マグニチュード7.6、そして16時10分43.1秒でマグニチュード6.6、そして16時11分7.1秒でマグニチュード7.4という形で、どん、どんと地震が立て続けに起こって、そのときずっと緊急地震速報が流れておりました。 流れているその最中に、実は珠洲市では住宅が倒壊をしていました。ということは、その住宅の倒壊が行われたのは、当然、住宅の耐震化がなされていなかった家。珠洲市でいきますと耐震化率50%、高齢化率も50%を超えていらっしゃったので、高齢者の方がやっぱり耐震化をしなかっただけではなくて、若い方がいらっしゃらなくて、耐震化する工事を請け負う会社もなかった。様々なことが重なりまして、今回このようになりました。ということで、この教訓を生かして、一宮市の市政にも生かしていきたいと思いましたので質問させていただきます。 上下水道につきましては、先ほどありましたので今回省かせていただきます。 それでは、住宅の耐震化について質問させていただきます。 市で把握されています市内住宅の耐震化率は約86%と思っておりますけれども、3月予算で示されました予算には、能登半島地震の教訓は生かされていなかったというふうに私は思っております。 今回の能登半島地震で住宅耐震化をしなくて、そのために犠牲になられた方が約40%、全体の40%を超えていらっしゃるという状況でございます。 そこで、能登半島地震を受けまして、耐震診断の件数の状況を教えていただきたいと思います。
◎建築部長(武市力也) 木造住宅無料耐震診断の状況になります。 令和6年1月から5月末までに188件の申請がございました。令和5年の同時期は111件でしたので、約1.7倍に増加しております。
◆28番(柴田雄二) 約2倍まで申請件数が伸びているということで、能登半島地震というのは市民の方におかれましてもやっぱり我が事として捉えられて、何とかしないといけないなという意識が芽生えたというんだと思います。 鉄は熱いうちに打てというのがございますので、そこで、市は木造住宅耐震診断を無料で行っておりますけれども、耐震工事となりますと最大で80%の最大で100万円、そして簡易耐震改修では最大30万円の補助をしていただいておりますけれども、一人も絶対に犠牲を出さないということで、耐震されていない住宅にお住まいの方に今まで以上に耐震化を進める施策をしていただきたいと思いますけれども、今まで耐震化が進まなかったその要因を分析されまして、どのようなことが言えますでしょうか。
◎建築部長(武市力也) 議員のおっしゃるとおり、現に工事費の5分の4以内で上限100万円の耐震改修工事費補助等を行っておりますが、補助を受けても自己負担が大きいことが原因と考えております。 耐震化が必要となる住宅のほとんどは昭和56年、西暦で申しますと1981年の5月31日以前の旧耐震基準で建てられたものであります。建築年数が40年以上経過することから、その間に核家族化が進み、年金生活の世帯も多く、資金不足などから耐震化が進まないのではないかと考えております。
◆28番(柴田雄二) そのような状況があったと思いますけれども、今回の能登半島地震で、老朽化している家、耐震診断をしていないところが軒並み崩れまして、犠牲になられているということがありますので、市民の方にも訴求するにも絶好のタイミングだと思います。 行政から言うのが難しければ、町内会とかいろんなところから、背中を押してあげるというんですかね。そういったのが必要だと思いますので、そういったところへもしっかり働きかけをお願いしたいと思います。 今、核家族世帯が増えるということで、建て替えまたは除却を検討する住宅所有者も増えていると思います。木造住宅解体費補助も行っていると思いますので、その補助内容と、そして今の状況を併せて教えていただきたいと思います。
◎建築部長(武市力也) 木造住宅解体費補助の内容になりますが、旧耐震基準で建てられた木造住宅であること、延べ面積30平方メートル以上であること、耐震性がないことが要件となっており、解体工事費を最大20万円補助するものでございます。 なお、昨年度までは市が実施する木造住宅無料耐震診断の結果が必要でしたが、今年の4月からは、申請者自らの診断調査票の作成と家屋の納税書等の添付で申請ができるようになりました。 状況といたしましては、令和6年5月末の申請件数は97件で、令和5年の同時期は61件でしたので約1.6倍に増加しており、無料耐震診断を受けた方の約7割が利用している状況でございます。
◆28番(柴田雄二) 解体補助金につきましても、非常に伸びている、1.6倍に増えているという状況でございました。 耐震診断、解体するにしても耐震補強するにしてもちょっとずつ伸びているという状況かと思います。 それでは、耐震化を促進するために、市民への周知、促進策というのはどのようにされていらっしゃいますでしょうか。
◎建築部長(武市力也) 市では木造住宅の耐震化促進のため、過去の耐震診断実施者で耐震性がないと診断された方に対して耐震改修補助などの各種啓発チラシを送付したり、広報一宮、公式ウェブサイト、i-バスなどに広告を掲載したりいたしまして幅広く市民に周知しております。 今後も引き続きとなりますが、住宅の耐震化の取組及び必要性について、様々な手段や機会を通じて周知徹底に努めてまいります。
◆28番(柴田雄二) 様々な告知、周知の事業をされていらっしゃることが分かりました。 でも、ちょっと少ないかなというふうに思います。ちょうど今こういった状況、能登半島地震もありましたので、もっとプッシュすることを考えないといけないかなというふうに思っております。 そこで、私が考えますのに、今、耐震診断をしたとしてもやっぱり改修するときにお金がかかるよね、今、多分分かっていらっしゃいますのは最大100万円の補助があるよね、でも、それでもやっぱり足が出るよね、もっと出さないといけませんよねということを考えると、診断さえも少し控えると。 だから、私が考えますのに、耐震診断をしやすくするためには、耐震補強するものが、安価な耐震補強をする、そういったものが現れてきますと、また、そういったものを教えていただけると耐震診断がしやすいかなというふうに思います。 安い工法をしっかりとお知らせするということにつきまして、どのようにお考えでございますでしょうか。
◎建築部長(武市力也) 耐震診断を実施された方には、耐震診断報告書と併せて、愛知県、名古屋市、建築関係団体等による評価を受けた低コスト耐震補強工法のリーフレットを同封しております。 引き続き、安価な耐震工法の情報収集や市民への周知などに努めてまいります。
◆28番(柴田雄二) 分かりました。ありがとうございます。 今のお話ですと、しっかり安くできる工法もたくさんございまして、その内容を耐震診断していただける団体等にお話をして、耐震診断した方にお伝えをしていただくという内容でございます。ありがとうございます。 ただ、1つ注文させていただきますと、この安い工法を知るのは耐震診断した人しか分からないという形になります。後ほどちょっと質問しますけれども、耐震シェルターと耐震ベッド、あれにつきましては、耐震シェルターはウェブページ上で16工法というか、16の会社でやっている事例がありまして、耐震ベッドは4つ載っていました。だから、一般の方でもウェブページ上で耐震シェルターの16のやり方と耐震ベッド4つのやり方が分かる。 だから、ちょっとお願いしたいのは、安い工法もできればウェブページで上げていただいて、このようにありますよ、そこから耐震診断につなげるような、そんな戦略も併せて考えていただきたいなと思います。 では、続きまして、ちょっと今言いましたけれども、耐震シェルターと耐震ベッドでございます。 もう地震が来るというのは分かっています。耐震化がない住宅は潰れるということも分かっています。だからこそ、できないんであれば耐震シェルター、耐震ベッド、これさえあれば命を守ることができるということをもっと強く推し進めていただきまして、毎年、少ない事例でございますけれども、もっともっと予算をつけていただきまして、耐震シェルター、耐震ベッド、こちらも進むようにお願いしたいんですけれども、今の状況を教えてください。
◎建築部長(武市力也) 耐震シェルター等設置補助につきましては、愛知県は65歳以上の高齢者または障害者が居住する住宅となっておりますが、一宮市ではこれらの制限は設けず、多くの市民の方に御利用いただける補助制度となっております。 ここ数年はあまり利用がございませんでしたが、今年度は既に予定件数に達しており、その後も相談を受けている状況でございます。
◆28番(柴田雄二) 分かりました。 それでは、耐震シェルターの補助金は今頂いておりますけれども、少しやってしまいますとちょっと足が出たりします。そうするとお金が必要かなというふうに思ったりします。シェルターもそうです。耐震確保もそうです。 そういったことに対して、たしか下水道とかを引くときに、多分ちょっと利子の有利なものがあったような気がしますけれども、それと同じように、耐震補強するとき、耐震シェルターを備えるときに、金融機関からの利子分を補助していただくとか、融資が受けられるように、特に高齢者ですとなかなか融資が通らないというのがありますんで、高齢者向けに融資が通りやすいような、そういう環境を整えていただくことは無理でしょうか。
◎建築部長(武市力也) 現在のところ、貸付けによる融資は考えておりません。融資よりも利用しやすい補助金制度を活用させていただくことによって、耐震化の促進が図れるように努めてまいります。
◆28番(柴田雄二) 分かりました。 なかなか厳しい状況でございますけれども、これから国庫補助が上がってくれば多分できると思いますので、国に本当に大いに議論していただきまして、住宅耐震化について補助金額を上げていただくように願います。 それでは、ちょっと話題を変えさせていただきまして、液状化対策につきまして質問させていただきます。 一宮市は、液状化危険マップが真っ赤になっておりまして、液状化対策をどうすればいいのかなとずっと悩んでいるんですけれども、なかなかヒントがなくてここまで来てしまいました。 ここでちょっと御紹介をさせていただくんですけれども、スライドをお願いいたします。うちの公明党の会派で、東日本大震災がありましたときに、茨城県の潮来市に行ってきました。 ここは液状化がひどくて、面積は大体200ヘクタール、住民が2,500世帯ぐらい住んでいらっしゃいます。道路もこれでいきますと約40キロメートル、下水道が約24キロメートル。これ、全体が液状化しまして、もう本当に悲惨なものでした。こちらはちょっと私が写真を撮ってきた内容ですけれども、道路も住宅も電信柱も傾いています。 こういう状況になりますと、住宅だけではなくて道路もマンホールが隆起したりとかして、道路自体も波打ってしまいます。一宮市ではもっと広い範囲で液状化する危険度が高いとなります。 いろんな方に聞くんですけれども、能登半島地震は道路が寸断してしまった、なかなか孤立してしまったところに行けないというのは聞かれていますけれども、一宮市は大丈夫だというふうに言われているんですけれども、液状化してしまって、あの辺一帯の道路が波打ってしまったり全体がそうなってしまいますと、その道路って救急車、消防車、そして緊急輸送は通れるの、万が一通れなかったらヘリコプター、ドローンかなというところも感じまして、これは人ごとではなくて真剣に考えないといけないなと思いまして、調べてまいりました。 その1つがこちらでございます。この地下水低下工法というのがございまして、これは東日本大震災のときに、潮来市もそうなんです。そして、埼玉県の久喜市もそうですね。10か所ぐらい、もっとたくさんあるんですけれども、たくさんいろんな工法がある中で、これは住民の方の負担が非常に小さい。それで、工事をするのは道路のところだけ掘り下げて、その部分だけ工事をすればできる安価で簡単な工事がありまして、これを進めたと。潮来市もこの工事を進めました。 排水管方式と井戸方式、2つあるそうです。潮来市は排水管方式を取り入れました。住宅と住宅の間に道路がありまして、その道路のところにしっかりとコンクリートみたいなものを下の岩盤まで確実に打って、岩盤と一緒に動くような道路を支えると。 住宅の下のところは少し厚い層でございますけれども、崩れない層を造りまして、あとは排水溝ですか、それで水を流す。そうすると水位が下がる。水位が下がると、液状化したときに水位が上がりませんので土壌が守られる工法みたいです。私も専門家じゃないのでよく分かりませんけれども。これを潮来市は採用いたしました。金額は高かったと思うんですけれども、どうも住民の1世帯当たりの負担金は500万円から1,200万円ぐらいと言っていました。これ以外の工法ですと2,000万円から4,000万円と言われていますから、約4分の1の住民負担でできるという工法でございました。 これができる地盤の要件というのは3つありました。液状化層、これは地下水位が比較的浅いところにある。これ、一宮市は多分そうだと思います。2番目が問題ですね。下層部に軟弱な粘土性土層が厚く堆積していない。どろどろのものが堆積していなくて、しっかりと岩盤があればできるという話ですね。3番目、液状化対象層の透水係数が高い。これ、ちょっと難しい言葉なんですけれども、3つ条件が備わればこの地下水低下工法というのは非常に有利だよというふうに書いてありました。 こういったことも一宮市で一回調査をしていただいて、またほかにいろんな科学的な根拠であるとか調査があるんであれば、全部真っ赤なところでも、ここだったらこの工法をすれば事前に対策が取れるんじゃないかというようなこともこれから調べていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 一宮市では、市域の南西部が液状化の危険度が高いというふうにされておりますので、今後も液状化対策につきましては情報収集に努めてまいりたいと考えております。
◆28番(柴田雄二) 分かりました。情報収集にお努めいただきたいと思います。 では、この項目は質問を終わらせていただきまして、続きまして、2点目でございます。熱中症をみんなで考えましょうというコーナーでございます。 多くの方と一緒に熱中症を考えていただきたいんですけれども、今回は学校生活における熱中症をお聞きしたいと思っております。 全国的に気温が高く、今年も5月ちょっと暑かったというのがございますけれども、猛暑が非常に予想されるわけでございます。例年以上の猛暑になるかなというのを懸念しておりますけれども、そんな中で、熱中症対策につきまして、行政の取組を一つ一つ、小学校、中学校の熱中症対策のことにつきまして今回お聞きしていきたいと思っております。 まず最初に、小学校、中学校におけますこれまでの主な熱中症対策の御説明をお願いいたします。
◎教育長(高橋信哉) 小・中学校の熱中症対策でございますが、どの学校もまず時間を決めて、熱中症指標計を使って気温、湿度、暑さを示す指数、WBGT指数といいますが、その指数を測定し、その指数に応じて運動や活動の中止、一斉給水、一斉休憩、そうしたものを呼びかけたり、帽子の着用や活動内容の変更、活動場所の制限をしたりするなどして、熱中症に気をつけるようにいたしております。 普通教室にはエアコンが入っておりますし、扇風機もございます。体育館や特別教室には大型送風機やスポットクーラー、そうしたものも用意をいたしまして暑さ対策に努力しているところでございます。 また、運動場に日陰のない学校につきましては、運動場に常時日よけテントを張り、休憩場所をつくるようにもいたしております。さらに、活動場所に経口補水液や保冷剤などを入れた熱中症対策グッズを用意いたしまして、もしものときに備えるようにいたしております。 加えまして、各学校では、毎年暑くなる前に熱中症予防の研修と熱中症発症時の対応シミュレーションの研修を行い、とりわけ経験の少ない教職員を対象といたしまして熱中症防止研修会、そうしたものも毎年5月に開催するなどしまして熱中症予防に努めているところでございます。
◆28番(柴田雄二) それでは、子供たちの体調の管理において、何か取り組まれていることがございますでしょうか。
◎教育長(高橋信哉) 登校時でございますが、帽子や日傘を使用して予防に努めるように指導いたしております。また、通学距離が長い児童が登下校途中に休憩できる場所を地域の方に御協力いただいている通学班もございます。 校内では、活動場所にいつも水筒を持っていくようにして、小まめに水分補給をさせております。また、教員は朝の会や体育、部活動の始めと終わりに健康観察を行い、児童・生徒の体調の変化に気をつけるようにいたしております。 そのほか、水筒を毎日持参することや、必要に応じて保冷剤や首を冷やすネッククーラー、そうしたものを使うことも保健だよりなどで家庭へ呼びかけたりいたしております。 熱中症予防にもつながることとして、早寝・早起き・朝御飯の大切さの指導、家庭への協力依頼を重ねているところでございます。
◆28番(柴田雄二) 私たちの小学校、中学校時代とは違って優しい、様々な取組をされていらっしゃることが分かりました。 それでは、熱中症予防のための水分補給につきまして、この補給のタイミング、飲んじゃいけないとか昔はあったような感じがしますけれども、そういったことについて、今どのように小学校、中学校で御指導されていらっしゃるか教えてください。
◎教育長(高橋信哉) 子供たちには毎日水、お茶、またはスポーツドリンクを持たせております。水分補給のタイミングにつきましては、体育の授業のみならず、どの授業においても小まめに水分補給をするように指導を重ねております。 さらに、運動会や体育祭など多くの子供たちが一斉に活動するような行事では、活動の途中に水分補給の時間を設け、一斉に水分補給をさせるようにもいたしております。 また、中学校の部活動でございますが、熱中症指数を測定し、その数値に応じて一斉休憩、給水タイムを設けるようにするとともに、大会や練習試合では試合を止めて給水タイム、休憩を取るクーリングタイムを設けたりして、熱中症予防に努めているところでございます。
◆28番(柴田雄二) それでは、もう少し細かくお聞かせいただきます。 何割ぐらいの児童・生徒が水筒を持ってきているのか、また、その水筒の中身がなくなった場合、補充はどうされているのか、また、水筒を持参しないお子様にはどのような対応をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎教育長(高橋信哉) 先ほどもお答えいたしましたように、どの児童・生徒も水、お茶、スポーツドリンクをちゃんと持ってくるように指導をしているところでございます。 とりわけ暑い時期や中学校の部活動に参加するときには、大きい水筒を用意させたり、幾つか水筒を持参するなどして、十分な量の水分を用意するように呼びかけております。それでもどうしても足りないような場合のために、保健室に常時、飲料水のほかスポーツドリンクや経口補水液なども準備するようにしております。 いずれにいたしましても、熱中症にならないことが大切でございますので、十分に水分補給ができるよう、引き続き家庭に協力をお願いしてまいります。
◆28番(柴田雄二) ここまでいろいろ聞いてきましたけれども、本当に学校では様々な熱中症対策が講じられていて、一人一人小まめに、本当に意を尽くされていらっしゃるということが分かりました。 その上で、私のほうで調べてみますと、最近、小学校ではなくて中学校なんですけれども、自動販売機を設置している例がちらほら全国的にありました。 自動販売機は当然お金が必要ですので、いろんなことを考えないといけないんですけれども、設置されたところでは、例えば屋内運動場が避難拠点になります。そのときに、災害時協定を結んでいると、そこにあるものを無料で取り出して飲めるというのがあったり、最近では自動販売機にスマホの充電機能がついていたりするのも出ているそうです。当然、電源の1つとして自動販売機を設置するというのも、災害拠点というか避難所がある小学校の中ではいいのかなと思っておりますけれども、一宮市の自動販売機を小学校、中学校で設置するということについての御見解をお聞きしたいと思います。
◎教育部長(森敬一) 全国各地で自動販売機を設置しているということは把握しております。また、その効果についても、議員の御発言により、よく理解できました。 お金の紛失やごみの問題など、校内に自動販売機を設置するに当たっての課題も幾つか考えていく必要があると思いますので、現時点では学校に自動販売機を設置することは考えておりません。今後、子供たちが通いたくなる安全・安心な学校づくりに努めていきたいというふうに考えております。
◆28番(柴田雄二) 分かりました。 いろんな問題がありますから、大切です。 またスライドをお願いしたいと思います。 4つばかり事例の御紹介をしていきたいと思います。 まず1つが大阪府の藤井寺市、もう1つが岡山県の玉野市、兵庫県の神戸市、名古屋市中川区というところで自動販売機を設置いたしました。共通して言えているのは、生徒会とか子供たちが自分たちで考えて、自動販売機を設置してほしいというのを伺い立てて、教育委員会が認めて設置したというものばかりでございます。 でも、藤井寺市としますと、保護者から子供たちに水筒を持たせるのが負担だという声が上がって、それで教育委員会の中でもそういった声により負担だと思ったので、飲料メーカーと包括連携協定を結んだそうなんです。 協定の中身は、自動販売機を置く代わりに、そこの飲料メーカーに所属しているスポーツ選手、プロもアマも含めてなんですけれども、その方に学校に来ていただいて、様々な講師として講演していただく、そういった条件で協定を結ばれています。学校側では、自動販売機を入れる設定、ごみの分別、全て生徒会でしっかりと話を決定させて、そしてこの自動販売機の運営は生徒会が運営しているということです。 岡山県の玉野市、これも同じように、生徒から自動販売機の設置の要望が校長に出されて、先生方、そして生徒全体で意見を出し合って、それで設置いたしました。みそになっていますのが、生徒会の会則の中にこれ、ペットボトルの取扱いルールというのをちゃんと入れて検討したらしいです。3か条あります。自動販売機の売上げの一部は生徒会の活動費に入る。このお金を使って活動しています。熱中症対策になるし、災害時の避難場所になった場合の飲物が提供できる。あと、小銭を持参するために、生徒全員の持ち物管理能力を伸ばす。これは学校が子供たちの金銭管理をしっかり養おうという、そんな意図もあったみたいでございます。 兵庫県神戸市、これも神戸市の教育委員会は、2023年ですから昨年度からですね。希望する中学校19校でスポーツドリンクを購入できる自動販売機の設置を進めています。こちらの決めた内容というのが、やはり生徒会のほうで動いておりまして、1日2.5リットルの水分補給が必要なことや、汗をかいたときにミネラル補給も欠かせないことを子供たちが学ぶ。生徒会が中心となって、自動販売機を利用する際、生徒同士でお金の貸し借りをしないこと、使い終わったペットボトルは自宅に持ち帰るなど、独自のルールをまとめて運用しています。 名古屋市中川区、こちらでも、今年4月16日に設置したばかりです。起点となったのが、中学生の生徒の行動でした。2年前に自動販売機を求める生徒3人が設置に向けて実行委員会を発足して、熱中症対策のほか、災害時に飲料の無償提供が受けられる協定を設置業者と結べる利点などを訴えまして、全生徒が保護者の7割に当たる400筆以上の署名を集め、そして学校の方に提案をして認められて、これを設置したということで、こういう事例で、学校や大人の方が決めて設置するんではなくて、子供たちが、熱中症対策としていろんな施策があるけれども自動販売機も1つの施策だよということで議論をして、そしてルールをつくって、守れるかどうかもしっかり議論をして、守れるということであればやってみよう、先生方も守れるんだったら設置しようと、そういった話があったんだと思うんです。 そういった形で、子供たちとしっかりその辺の議論をして、子供たちの意見を尊重した上で自動販売機の設置ということも考えていただきたいなと思いまして、要望させていただきますけれども、いかがでしょうか。
◎教育長(高橋信哉) 議員御発言のように、子供たちが自ら考え、行動できるようになること、また、行動できること、このことはとても大切なことと思っております。 学校では、児童会、生徒会、委員会などの活動を通して様々な自治的活動を行うよう努めており、この春でございますが、中学校3年生までのブレザーが全部そろったわけでございますが、その制服プロジェクトの取組を振り返りますと、そのプロジェクトにおいて制服を決める過程、また、その後の各学校における通学用の靴や靴下、使用するバッグや防寒具のコートの見直し、そうしたものが進んでいきました。生徒会を中心に、よく話し合ってくれたと思っております。 この取組は大変に意義ある取組になったと私自身感じておりますので、そうした活動が他のことにも広がっていくということを願っているところでございます。
◆28番(柴田雄二) では、まとめに入らせていただきます。 1989年、第44回国連総会におきまして、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)というのが採択されまして、1990年に発効いたしました。日本はちょっと後れまして、1994年にこの子どもの権利条約を批准したわけでございますけれども、この子どもの権利条約の第12条には「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。」とあります。 今回の熱中症、子供たちの熱中症は、子供たちに当然影響を及ぼすことであり、そのことについて自己の意見を表明する権利機会を確保するというようなことでございます。 また、こども基本法が制定されまして、その中の第3条基本理念の中に「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること。」、さらに「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。」とされております。 今回のこの自動販売機も、大人の目線、子供の環境を考えたら、ないほうがいいんじゃないかと、後でいろんな問題が出てくるからやめたほうがいいんじゃないかというふうに私も思いがちでございますけれども、そういったことも、子供たちに危険性であったり問題性をしっかり理解していただいて、設置するかしないか子供たちが意見を言って考えていただく、そんなことも必要かなというふうに思っております。 再度スライドをお願いいたします。 これもまた、今飲料メーカーのところをちょっといろいろ調べさせていただきまして、最近は付加価値のついた寄附型自動販売機というのが出ています。1点目は「トビタテ!留学JAPAN」という留学生を後押しする自動販売機で、基金のほうに、この売上げのお金がそこに入るそうです。買えば留学生を支援するという、こういう自動販売機でございます。 2点目、こどもの未来応援基金の寄附型自動販売機。これは子供の貧困対策に取り組むNPOなどを支援する、その1本の売上げがそちらの基金に入るというものでございます。 3点目が、立ち直り応援基金。これも社会問題になっておりますけれども、非行や、または犯罪を防止する、そういった方が立ち直りするための支援ですけれども、1本買えばその分のお金がそちらのほうの支援に回るというふうな自動販売機もあるそうでございます。 子供たちに、先ほど生徒会の資金として入る自動販売機もあれば、会社に所属しているプロの選手の方に来ていただいて様々な教えをいただくという利点もあります。そういった中で、様々なことがございますので、生徒自身が熱中症対策、災害対策を念頭に、自動販売機の設置のルールを決めて、運営まで検討し、さらには、入札すると思いますけれども、入札するときには生徒の代表に選考委員になっていただいて、席に座っていただいて、業者の選定にも関与していただく、こんな仕組みができましたら物すごくリアルな民主主義を子供たちに学ばせることができるんではないかなと私は思いまして、再度、最後でございますけれども、たかが自動販売機でございますけれども、こういう機会をつくっていただければ、よろしくお願いします。 以上をもちまして終了します。(拍手)
○副議長(島津秀典) 暫時、休憩いたします。 午後2時51分 休憩 午後3時 再開
○副議長(島津秀典) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 1番、野村悠介議員。 (1番 野村悠介 登壇 拍手)
◆1番(野村悠介) 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を始めさせていただきます。 まずは1番項、市の花「キキョウ」についてでございます。 私は33年間一宮市で育っておりますが、市の花であるキキョウにあまりなじみがありませんでした。しかし、市の花について何も認識がないのはいけないと思い、キキョウの花壇を造っていただいている方からお話を聞いたり、私自身も自宅で育ててみたことでキキョウの魅力を知ることができました。 そこで、本日の質問でございますが、一人でも多くの市民の皆様、当局の皆様にキキョウについて知っていただきたいということで始めさせていただきます。 こちらにございますのがキキョウでございます。キキョウ科の多年生草本植物、山や野の日当たりのよいところに育ちます。秋の七草の1つでありますが、実際の開花時期は6月中旬の梅雨の頃から始まり、夏を通じて初秋の9月頃までで、つぼみが徐々に緑から青紫に変わり、裂けて星型の花を咲かせます。それでは、質問に移らせていただきます。 まず初めに、現在の市の花はキキョウですが、市の花に選定された歴史、経緯を教えてください。
◎総合政策部長(村上明) 現在の一宮市は、2005年に2市1町が合併して誕生しました。合併前の旧一宮市はキキョウ、旧尾西市はサツキ、旧木曽川町はスイセンがそれぞれ市の花、町の花とされていました。 合併の翌年、2006年に新しい一宮市のシンボルとなる市の花と市の木を新たに制定することとなり、一宮市緑化推進市民協議会においてキキョウ、コスモス、サツキ、スイセン、ヒマワリ、ルピナスの6種類を候補に選定し、市民の皆様から市のシンボルとしてふさわしい花を投票していただいた結果、キキョウが市の花と決定されました。
◆1番(野村悠介) 旧一宮市でもキキョウが市の花に選定されていたとのことですが、その理由、経緯を教えてください。
◎総合政策部長(村上明) 旧一宮市では1971年に市の木を制定し、翌1972年には一宮市緑化推進市民協議会が発足しました。こうした緑化運動をさらに前進させるため、その2年後、1974年に市の花が制定されました。 制定に当たっては、合併後の市の花の選定と同様、緑化推進市民協議会が4種類の候補、キキョウ、菊、ダリア、桃を選定し、その中から市民の投票によりキキョウが選ばれました。
◆1番(野村悠介) 1974年もの古くから、市の花はキキョウと選定されていたことが分かりました。 では、私たちは現状、キキョウを見るにはどこで見ることができるでしょうか。
◎
まちづくり部参事(谷聖) キキョウは奥町公園、彦田公園、柳下公園などの都市公園のほか、尾張一宮駅やJR木曽川駅の駅前ロータリーの花壇において見ることができます。これらは、ボランティア団体であります「私たちの庭の会」の皆様に植えていただき、管理もしていただいております。 また、市内の幼稚園、保育園、小学校、中学校、出張所などの一部施設でも見ることができます。これらは、緑化推進事業の一環として、花いっぱい運動で花づくり地域団体、地域緑化団体など地域の皆さんに植えていただいているもので、市が地域の皆様に花苗を配布し、植えつけ、管理していただいているものでございます。
◆1番(野村悠介) ボランティア団体「私たちの庭の会」の皆様はじめ、地域の皆様に心から感謝申し上げます。 私も昨年、尾張一宮駅前の花壇を拝見させていただき、キキョウを見ることができ、とても華やかな気持ちになったことを覚えております。 それでは、花いっぱい運動について、目的やこの運動に参加している団体数、花苗の配布数、予算額などを詳しく教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 初めに、花いっぱい運動の目的についてお答えいたします。 花いっぱい運動は、市が参加していただく団体に対し春と秋に花苗を配布し、地域の皆様に身近な公共・公益施設に花苗を植えつけ、管理していただくことで、明るく美しいまちづくり、そして心豊かで緑あふれる環境づくりを推進することを目的としております。 次に、参加団体数及び花苗の配布数でございますが、今年の春の参加団体数は259団体、花苗の配布数はキキョウ5,330株、ベゴニア7,908株、サルビア7,908株、マリーゴールド7,916株を配布しております。 また、予算額についてですが、本年度の予算額は416万7,000円でございます。うち300万円については、県のあいち森と緑づくり都市緑化推進事業交付金を活用する予定でございます。
◆1番(野村悠介) 約5,000株のキキョウをこの一宮市で見られることが分かりました。 続きまして、市の花であるキキョウを、印刷物に写真や図柄を載せたりPRグッズなどにあしらったりしてアピールしてきた事例があれば教えてください。
◎総合政策部長(村上明) 印刷物としましては、市民課で作成しているオリジナル婚姻届や出生届などにキキョウをあしらっています。また、一宮市観光協会発行の一宮市観光ガイドマップの表紙にもキキョウを載せております。 そのほか、看板などでは、例えば道路の愛称標識はキキョウのデザインを用いたものとなっております。また、木曽川に架かっている濃尾大橋を羽島市側から一宮市へ向かってきますと、濃尾大橋東の交差点付近に、一宮市へお越しいただいた歓迎の意を込め「ようこそ一宮へ」という看板を設置しておりますが、その看板には両サイドにキキョウのデザインを添えてあります。
◆1番(野村悠介) 今後のPR方法として、例えば一宮市マスコットキャラクターいちみんの活用の中で、キキョウをアピールすることはいかがでしょうか。
◎活力創造部長(岡本哲也) 一宮市制施行90周年の際に一宮市観光協会で販売していた名刺台紙において、いちみんの周りにキキョウをあしらったデザイン名刺を作成したことがございます。 現在作成しているいちみんグッズやイラストデザインにおいては、いちみんとキキョウがコラボレーションしたものはございませんが、今後、新たに印刷物を作成する際にはキキョウをあしらったデザインを掲載することは可能でございますので、検討してまいります。
◆1番(野村悠介) そのほか、デザイン面でキキョウが使用されているものはありますでしょうか。
◎上下水道部長(安田英樹) 市内に整備されております下水道のマンホール蓋にキキョウのデザインを使用しております。これは、一宮市制施行70周年を迎えるに当たり、下水道のイメージアップとまちの美観にマッチするデザインとなるよう、マンホール蓋に使用をいたしました。このキキョウデザインは現在も使用しております。 また、全国的に人気を博しておりますマンホールカードにもキキョウデザインのマンホールを使用し、下水道のPRに活用をしております。
◆1番(野村悠介) 私もキキョウのデザインのマンホールを幼い頃から見ており、記憶に残るすばらしいデザインのマンホールであると思っております。 それでは、最後に、今後、市民へのキキョウのイメージの普及について教えてください。
◎総合政策部長(村上明) 市の花であるキキョウに限らず、一宮市のシンボルとしましては、マスコットキャラクターのいちみんや、市の木であるハナミズキもございます。これらを市民をはじめあらゆる方々により広く知っていただくため、各部署において、その時々に応じてそれぞれのシンボルを適切に使用し、周知に努めています。
◆1番(野村悠介) それでは、まとめのほうに移らせていただきます。 新一宮市の誕生とともに、新たな市の花、市の木が制定されました。ある意味、旧2市1町の市民の合併の象徴として制定されたものであります。 今回の質問は、新市が誕生し19年たち、新しくなった一宮市の市民融和の活動の1つの象徴としての市の花がどれだけ活用されているかの検証でもありました。当局より御説明をいただきましたが、精力的な広報活動はまだまだなされていないと思わざるを得ません。 近隣の稲沢市では菊、津島市、江南市では藤など、広く市の花が知られていると思います。また、愛知県内で見ると、名古屋市ではユリ、豊田市ではヒマワリ、岡崎市では藤、豊橋市ではツツジと選定をされています。各市で花畑やお祭りなどをされており、シティプロモーションが成功されていると伺っております。 一宮市におきましても、春の桜まつり、また、この時期には花しょうぶ祭、あじさいまつり、またローズフェスタなど、非常に華やかな花のお祭りが開催されております。ぜひ、市の花であるキキョウも仲間に加えていただき、先人からの市の花キキョウを広く伝えていただきますようお願い申し上げます。 最後になりますが、本庁のエレベーターに乗ると観光交流課のいちみんグッズ販売のポスターがございます。こちらに添えられている花は、梅であると見てとれます。なぜこれがキキョウではないのか。市の花がキキョウという認識があれば、キキョウを添えられていたのではないかと考えます。この花がキキョウでないためおかしいということではなく、看板や名刺、マンホールなどへの取組をされているなら認識を1つにしていただきたいと考えます。 このキキョウの花言葉は「誠実」でございます。一宮市民の皆様の誠実さを表す花として、このすばらしい花、50年以上続く我がまちのシンボルを誇りに思い、未来の一宮市のため方針にしていただけるとうれしく思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 2番項、緑化についてでございます。 私は、一宮市議会議員にならせていただきまだ1年という日が浅い議員でございます。本庁の見学として、14階の展望スペースをのぞかせていただきました。その際感じたことは、本庁周辺の緑が非常に少ないと感じました。一宮市を遠望すると、北は九品寺公園かいわい、真清田神社、東は大江川緑道、南は彦田公園、妙興寺境内、西は稲荷公園などが目に入りますが、緑はあまり見えませんでした。 2014年の国土数値情報年度調査によりますと、一宮駅や市役所が位置する地区の緑化率は4.8%であり、尾西地区南部の56.5%にははるかに及ばないのであります。 初めに、市の緑化施策についてお尋ねします。 まずは、その根本となる緑の基本計画について教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 緑の基本計画については、2009年に策定し、その後、人口減少、都市緑地法の改正など本市を取り巻く環境や社会情勢が大きく変化したことから、2020年6月に改定を行っております。 この緑の基本計画は、「水と緑で人がつながる 心ふれあうまち 一宮」を基本理念とし、その実現に向け「“いのちを紡ぐ”緑のまちづくり」「“暮らしを織りなす”緑のまちづくり」「“ともに育てる”緑のまちづくり」を基本方針として、緑の保全及び質の向上、新たな緑の創出を目指すものでございます。
◆1番(野村悠介) 次に、市の緑化施策として、2023年4月に一宮市緑地の保全及び緑化の推進に関する条例を施行していますが、この緑化条例を制定することとした経緯について教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 緑化条例を制定するに当たった経緯については、近年、地区計画制度の活用などにより、市街化調整区域の大規模開発行為に伴い緑や農地が減ってきているのが現状で、そのため、市街化区域と併せて緑の保全、緑化の推進を図ることは、サステーナブルでグリーン施策を推進する本市にとって重要なことと考えております。 そこで、緑豊かな都市環境の形成を図り、市民の健康で文化的な都市生活を確保するため、緑化の義務や緑地の保全、緑化の推進を規定した条例を制定することといたしました。
◆1番(野村悠介) 理解することができました。 それでは、この緑化条例の概要、特徴などについて教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) まず、この条例の概要については、一定規模以上の建築行為において、法令や県の基準より緑化の義務を厳しくいたしました。特に、市街化調整区域内の倉庫建築には高い水準の義務を課しております。また、民有地において保全すべき緑地や保存すべき樹木を指定することができることとし、併せて、これらに対して支援をすることができることを規定しております。そのほか、緑地の保全及び緑化の推進を目的として活動する市民団体の育成や、その活動への助成についても規定しております。 次に、この条例の特徴についてでございます。 緑化の義務については、緑化と同じように市民の健全な生活環境の保全と良好な都市景観の維持に資する芸術を、法令等に規定されている緑化率を超える分の面積の10分の3までは緑化とみなすことができることとしていることでございます。 これにより、緑化に併せて芸術、アートの導入促進による地域活性化を図り、もって市民の文化的な都市生活の確保を目指すものでございます。
◆1番(野村悠介) この条例の施行により緑豊かな都市環境が形成され、市民の皆さんが居心地よく、健康で文化的な都市生活が送れること期待しております。 それでは、次に、街路樹や公園樹木の管理などについてお尋ねさせていただきます。 愛知県において、聞くところによりますと、県道で2023年までに3割の街路樹を伐採したと聞いております。市道の街路樹はどのようにされていく方針でしょうか、お尋ねします。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 街路樹は、道路環境の保全、車と歩行者の分離による交通安全、景観形成や防災などの機能があり、適切に管理を行い、保全に努める方針であります。
◆1番(野村悠介) 適切に管理を行い、保全に努めているとのことでありますが、市道の街路樹はどのように管理をされていますでしょうか。また、公園や緑地などの管理についても教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 市道の街路樹については、造園業者に年間管理業務委託をしております。 また、公園・緑地等の管理については、造園業者に年間管理業務委託をしているものもございますが、地元の町内会をはじめ子ども会や愛護団体などに管理していただいているものや、シルバー人材センターに管理委託しているものもございます。
◆1番(野村悠介) 造園業者の方や地域の方など、管理されている皆様に心から感謝申し上げます。 続きまして、昨年4月に神奈川県の相模原市のキャンプ場において倒木があり、キャンプ利用者が死亡するという痛ましい事故がありました。管理する上で、老木化した樹木などの対策はどのようにされていますでしょうか、お尋ねします。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 街路樹及び公園の樹木の点検については、年間管理業務委託の中で日常的に樹勢のよしあしや樹形の状況などの点検を行っております。 特に、街路樹の点検については、毎月1回、計12回、造園業者が行っており、倒木のおそれがある樹木については適宜、伐採を行っております。 また、巨木化により車の通行に支障を来している路線や、歩道で根上がりが起こり、歩行者の安全な通行に支障を来している路線、植栽ますが狭く生育がよくない路線については、県の交付金を活用した美しい並木道再生事業として樹種の更新を行っております。 公園については、相模原市の事故を受け、昨年、造園業者に老木化などによる倒木の危険性に対する点検を依頼するとともに、必要に応じて樹木医に調査依頼し、倒木のおそれがある樹木は伐採を行っております。
◆1番(野村悠介) 市民の皆様の安心・安全のため、今後とも御配慮のほどいただきますようお願いいたします。 最後になりますが、今後の一宮市の樹木をどのようにされていく方針かを教えてください。
◎
まちづくり部参事(谷聖) 街路樹及び公園の樹木につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり適切に管理・保全してまいります。 しかしながら、行政だけでは樹木の保存や樹木を増やすことには限りがございます。緑化条例に規定する保存樹木のPRを行い、保存樹木の指定を増やすとともに、県の交付金を活用した緑の街並み推進事業などにより市民の皆様に支援を行い、民有地緑化を推進し、都市の貴重な樹木を保全、そして増やしてまいります。
◆1番(野村悠介) ぜひ緑化を推進し、貴重な樹木の保全、そして、それの増加を期待しております。 それでは、まとめのほうに移らせていただきます。 市道において歩道・車道を分離して、景観にも配慮した街路樹が、ある日無残にも並木が伐採されていることを目にしたことがあります。巨木化した街路樹の根が歩道部分に盛り上がり、通行の妨げになる。台風などの強風による倒木の危険がある。しかし、このような状態になるまで放置せず、徹底的な管理が必要なのではないでしょうか。 近所の市道の街路樹が夏になると生い茂り、交通の妨げになるため、地域の方が木を小さくするために切っているところを目にします。クレームや危険を感じてから対処をするのではなく、定期的にパトロールをして早めの対処を心がけるべきだと考えます。樹木は、一度切ってしまえば新たに育つまで何十年もの歳月が必要になります。伐採したら終わりではなく、適切な管理で育てていくくらいの気概を持って取り組んでいただき、市民の皆様が安心に、かつ緑多く、居心地のよい生活ができるように緑化市政を進めていただきたいとお願い申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。本日はありがとうございました。(拍手)
○副議長(島津秀典) 暫時、休憩いたします。 午後3時25分 休憩 午後3時33分 再開
○副議長(島津秀典) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 27番、水谷千恵子議員。 (27番 水谷千恵子 登壇 拍手)
◆27番(水谷千恵子) それでは、議長のお許しをいただきましたので、今回の一般質問を始めさせていただきます。 今回は、災害への備えについてということで質問をさせていただきます。 1点目、災害時におけるトイレの確保ということでお話をさせていただきます。 本年元日に発災した能登半島地震以降も各地で地震が頻発しており、つい先日も能登地方で震度5強の地震があり、皆様も早朝に緊急地震速報のけたたましい警報音でびっくりされたことと思います。また、異常気象による自然災害も多発している傾向です。 防災・減災に関して関心が高まっている今だからこそ、危機意識を高め、市民の命を守る備えを整えていきたいとの思いで質問させていただきます。 災害はいつどこで起きるか分かりません。災害時に課題として上がってくるのがトイレの問題です。今回の能登半島地震においても、人間の尊厳や命に関わるトイレの問題が顕在化いたしました。 能登半島地震では、国によるプッシュ型支援により、工事現場にあるような仮設トイレが各地の避難所に届き始めたのは発災から4日目以降と伺っています。つまり、発災3日間は自治体で携帯トイレ等を確保しなければならないということになります。 トイレが不足することにより、特に高齢者は飲食を控え、体力が消耗し、エコノミー症候群になる方が増加するなど、二次災害が懸念されます。災害時のトイレ環境の改善は、災害関連死を防ぐために不可欠な取組であり、被災者の命を守る取組として重要です。 災害時に使用するトイレは、衛生処理袋を取りつけて使用する簡易トイレ、機械により自動で汚物を個包装できるラップ式トイレ、排水設備上に設置してトイレとして活用できるマンホールトイレ、また、便座がなくても便器に設置して使う、または持ち歩きができ、そのまま使う携帯トイレなど様々な種類があります。一宮市の現状、備蓄しているトイレの種類と数について教えてください。
◎危機管理監(長谷川賢治) 当市の指定避難所であります一宮市立の小・中学校に、それぞれ段ボールトイレが10個、テント型の簡易トイレが4基、プラスチックの箱型トイレが3基、車椅子対応型のトイレが1基、備蓄されております。また、携帯トイレは200回分備蓄しており、今後さらに増やしていく予定をしております。 マンホールトイレにつきましては、市内7か所の上下水道部の施設に計34基設置が可能となっております。また、138タワーパークには一般的な形式のものが9基、車椅子対応型が2基、男性小便器が12基、設置可能でございます。ラップ式トイレは、令和2年度に2台購入し、備蓄をしております。
◆27番(水谷千恵子) 一宮市の状況がよく分かりました。 今回の能登半島地震が発生した被災地である石川県では約2.5万回分、基礎自治体でも約8.3万回分の携帯トイレが備蓄されていましたが、全く足りず、発災当初は大変な問題となりました。急遽、政府により約100万回分を超える携帯トイレが追加で供給されたと聞いています。実際、消防庁「地方防災行政の現況」でも、自治体における携帯・簡易トイレの備蓄は必要量に達していない状況にあります。 今回の能登半島地震では、仮設トイレの目標、この目標は50人に1基となっておりますが、その達成まで10日ほどかかったとしており、初期対応に携帯トイレ、簡易トイレ等を一定量備蓄・配備しておくことが必要です。 特に重要なのが、携帯トイレの備蓄であります。初期にしっかりと通常のトイレにおいてこの携帯トイレを使用することで、通常のトイレが使用可能な状況となります。逆に、ここで携帯トイレの備蓄がないと、発災直後には水が使えない場合が多く、便があふれて、すぐに通常のトイレが使用不能となるといったことが今回の能登半島地震でも多く見られました。 そうなると、携帯トイレを使う場所を新たに設置しなければならなくなりますが、初期に通常のトイレにおいてしっかりと携帯トイレを使用することで、安心な環境で携帯トイレを使用し続けることができます。また、携帯トイレはコンパクトで、備蓄に場所を取りません。 先ほど、一宮市においては現在200回分の備蓄があるとのこと、今後増やしていくとの御答弁がありましたが、能登半島地震での教訓を踏まえ、今後の災害に備えて、想定される最大避難者数などを基に、携帯トイレの備蓄計画の見直しと同時に必要数を調達すべきと考えます。 あわせて、通常のトイレ施設が使用不能とならないように、発災直後の適切な携帯トイレの使用方法等を各避難所の運営マニュアル等に反映する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 議員がおっしゃるように、災害時のトイレの問題は非常に重要であるというふうに認識をしております。それまで使用されていたトイレが、流すことができずにあふれてしまっているといった報道が度々なされておりました。 携帯トイレにつきましても、一宮市でも一定数の備蓄はしておりますが、先ほど申し上げたとおり、今後さらに増やしていくという考えでございます。 また、多く配布しております避難所運営マニュアルには、避難者の受入れ方法など基本的な事項に絞って記載しておりますので、携帯トイレの使用方法については触れておりませんが、地域の防災訓練やHUGという避難所運営研修の中では、携帯トイレの使用方法や通常トイレの閉鎖などについても取り組むことを行っております。
◆27番(水谷千恵子) よろしくお願いいたします。 さて、次、マンホールトイレについてでございます。 マンホールトイレについては、市内7か所の上下水道部の施設に計34基設置可能、また、138タワーパークには一般的な形式のものが9基、車椅子対応型が2基、男性小便器が12基、設置可能と教えていただきました。 マンホールトイレのメリット・デメリットについて教えてください。
◎危機管理監(長谷川賢治) 通常の簡易トイレにつきましては、容量が小さく、頻繁にごみ袋の交換をしなければなりません。その点、マンホールトイレは、主に下水道管等に接続された貯留槽に一時的にためる形式のため、その心配をすることなく使用ができます。 一方で、工事等が必要になりますので、費用は簡易トイレに比べて高価になります。その点が設置に対するマンホールトイレのデメリットと言えると考えております。
◆27番(水谷千恵子) そうですね。使用時に汚物袋や凝固剤も不要であり、通常のトイレに近い感覚で使用でき、し尿を下水管に流下させることができるため、衛生的に使用できることもメリットだと思います。 能登半島地震の被災地では下水道管も被害を受けており、一宮市からも上下水道部の職員の方が調査に行かれたとお聞きしています。大変な中、お疲れさまでした。ありがとうございます。 では、実際行かれた被災地の状況はどうであったのでしょうか。また、一宮市周辺で同程度の地震が起きた場合、下水道管の想定される被害はどうなのでしょうか。
◎上下水道部長(安田英樹) 被災地での下水道の状況でございますが、地震による振動及び衝撃によるマンホールと管の接続部のずれ、破損、液状化による浮き上がりがあり、管内に汚水が滞っており、使用できない状態でございました。 また、同程度の地震が発生した場合の本市の被害につきましては、耐震化が図れていない管渠や液状化の可能性が高い地域の管渠につきましては、同様に汚水が流せない状況になることが想定されます。
◆27番(水谷千恵子) 下水道管が被害を受けると本当に大変な状況になりますね。 そこで、合併浄化槽が災害に強いというお話も聞いたことがございます。 合併処理浄化槽について、内閣府が示す避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインにおいて、下水道施設である管路や処理場が被災すると水洗トイレやマンホールトイレが使用できなくなることがあるため、合併処理浄化槽を設置することが対策の1つとして考えられるとされています。国交省から、下水道処理区域内でも浄化槽設置可能と課長通知が出ているそうです。 マンホールトイレの整備と同様に、合併処理浄化槽の設置につきましてもその整備費用は相当なものになると想定されますので、なかなか難しいことと思います。災害時のトイレ環境整備の1つとして調査研究を進めていただきたいと思います。これは提案にとどめておきたいと思います。 能登半島地震で被災した石川県の奥能登には、全国の自治体が持っているトイレトレーラーが駆けつけ、20台ほどが稼働し、とても感謝されました。 災害時だけでなく、イベント時の臨時トイレとしても活用できる移動設置型のトイレトレーラーなど、トイレカーの導入を検討している自治体が増えております。トイレトレーラーの購入費用は、総務省消防庁の緊急防災・減災事業債を車両導入費用に適用可能ですが、自治体の実質負担3割分をふるさと納税やクラウドファンディングなどで賄う自治体もあります。 私も令和元年の9月の一般質問の中で、災害用トイレトレーラー、トイレカーを保有し、いざというときに助け合えるよう他の自治体との連携をしてはどうかとの提案をさせていただきました。一宮市では今年度導入、しかも障害者、高齢者も使いやすいバリアフリートイレということで、大変によかったと思っています。他の自治体との連携などは進んでいますでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 本年度導入予定の移動型バリアフリートイレにつきましては、購入する中核市の間で連携を進めていこうという計画がございますので、今後調整をしていきたいと考えております。 また、そのほかにもトイレトレーラーを保持している地方自治体同士の連携を呼びかけている団体もございますので、今後さらに情報収集を行っていきたいと考えております。
◆27番(水谷千恵子) 災害用トイレトレーラー、トイレカーなど、通常使っているトイレと変わりなく使えることから使用しやすいと思います。 災害時のトイレ対策は健康と衛生に直結するライフラインとして捉えるべきであり、トイレ環境を整えることが大事となります。 4か月ほど前になりますが、声をかけていただき、江南市でのマンホールトイレの業者によるプレゼンに参加させていただきました。江南市の副市長はじめ、担当部局の幹部及び関係課の多くの職員が参加されていました。実際に見て、とても実用的、効果的なものでありました。 以前、当市のマンホールトイレの設置を拝見させていただいたことがあります。8年ぐらい前だったと記憶しておりますが、上下水道部の職員の方に御協力をいただいて見せていただきました。そのときにはテント式のものだということで記憶しておりますが、そのようなものでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 市がこれまで設置してきたマンホールトイレにつきましては、テント式のものでございます。
◆27番(水谷千恵子) スライドをお願いいたします。 先ほどお話しいたしましたように、一宮市の上下水道部で施設整備していただいているものですけれども、マンホールトイレの形はこのようなテント式のものでございました。各自治体でもこのようなものが多いかと思います。 しかし、テント式のものですと、昼間はまだしも、ちょっと夜ですと照明でシルエットが丸見えになるんじゃないかということで、女性や子供だけじゃなくても、男性もそういうのは嫌ですよね。 江南市のプレゼンで見せていただいたトイレを御覧ください。このようなボックス式のしっかりした形のものでございます。もう組立ても、工具も道具も何も必要なく、ぱちぱちっとはめ込んでいくような形で、簡単に組立てができました。また、本当にいろんなところで工夫がされておりまして、屋根のところも傾斜がありまして、ちゃんと雨が後ろに流れるようになっておりましたり、男性・女性のトイレとはっきり分かるような標示ができる。また、天井ですけれども、自然光が取り入れられて明るいものでございました。 とても安心感があるので、特に女性や子供もトイレに行きやすくなるのではないかなというふうに思います。 これは車椅子対応型ということになります。車椅子でも向きを変えられるのに十分な広さがございました。 これは男性小便器のものでございます。こういうものがあると、小便器につきましては、男性の使用時間を短縮できるということで、トイレの混雑緩和につながるものと思います。138タワーパークにはあるということですので、そういうものがあるといいかなということで思っております。 また、これ、水洗便座ということで、このボックスの中に設置する便器ですけれども、これはとても衛生的に使用できる、良好なトイレ環境が確保できるということでございます。見にくいかもしれませんけれども、少量の水で水洗トイレのように、タンクのところを押すとしゅーっと水洗トイレのように流れるんですね。管理ということでも、掃除も楽ですし、衛生的に使えるということでございます。この日は江南市の防災センターの前でやりましたので、マンホールにはつないでいないので側溝の上でやりました。こんなことで、見せていただきました。 スライドありがとうございます。 138タワーパークには、一般的な形式のもののほか、車椅子対応型や男性小便器もあるとのことですが、市内7か所のマンホールトイレは先ほどのテント型のものであると思います。 7か所の施設に計34基ですので、1か所5基ずつくらいでしょうか。そのうちの1つか2つでもこういった車椅子対応型とか男性小便器などのもの、そういうものに更新をしてはいかがでしょう。
◎危機管理監(長谷川賢治) 議員御紹介の車椅子対応型の設置等に関しましては、可能性につきましては、物理的に設置が可能かどうかも含めまして今後研究してまいります。
◆27番(水谷千恵子) 今回、災害時のトイレについていろいろお尋ねさせていただきました。 トイレ設備が災害時における重要なライフラインとなります。トイレに行きたくなくて我慢するようでは、健康を害してしまいます。また、せっかく備えていただいたものが使えないものであったりしては大変に残念です。 食べる、排せつするといった人間にとって基本的なことが、震災時にはままならないといった状態になります。食べれば必ず排せつがあり、排せつがなければ健康な状態を維持することができません。さらに、健康でいるためには衛生環境の維持も重要になります。便器に排せつ物があふれ、衛生的にも精神的にも深刻な状況になった避難所も少なくないと聞いております。 被災者の中には、こうした中で、ある日病院のトイレを借りましてきれいなところへ行ったときに、その個室の中で泣けてきてしまったというようなお話も聞いたことがございました。トイレに行くことというのが、つかの間の日常を取り戻せたいっときだったのかもしれません、避難所での不自由な集団生活の中で、一人の時間を持てる唯一の場かもしれません。 災害時に市民の命を守るトイレ環境を整えるためにも、ぜひ今まで御紹介したようなものの導入だとか、機能的なトイレの導入だとか、また携帯トイレの備蓄の増をしっかりと前向きに検討していただきますよう、よろしくお願いをいたします。 皆様御存じのように、南海トラフ地震の発生確率が40年以内に80から90%と報道がされてより、随分経過しました。昨年は関東大震災からちょうど100年経過。いつ、どのような災害が起こってもおかしくありません。何も起こらないのが一番いいのですが、災害が起こる前提での意識を持って、個人でも自治体でもいざというときに命を守れるよう、できることをしていかなければならないと思います。 それでは、2点目の気象防災アドバイザーの活用について、お話をさせていただきます。 近年、異常気象による豪雨災害が頻発化しています。ここで異常気象とは、過去に経験した現象から大きく外れた現象であり、今後、地球温暖化等の気候変動により、世界的に異常気象が増加する可能性が指摘されています。 私たちの地域においても、異常気象による災害が発生する確率は年々増していると言えます。この異常気象による災害を事前に予測して、適切に対応することにより地域住民の生命や暮らしを守ることは、自治体の大きな使命であります。 そこで、気象防災アドバイザーについて質問いたします。 気象防災アドバイザーとは、どのようなものでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 気象防災アドバイザーとは、所定の研修を修了した気象予報士や気象庁を退職された方などで、国土交通大臣から委嘱を受けた気象防災の専門家でございます。 限られた時間内で予報の解説から避難の判断までを一貫して扱うことが可能な人材でございまして、地方自治体に採用された場合は、大雨等の災害時の対応として、避難情報発令等の進言をしていただく場合もあると聞いております。
◆27番(水谷千恵子) 気象庁では、多発化・激甚化する風水害等の災害に備えるために、地域の気象防災の専門家が地方公共団体の防災業務を直接支援できる体制を構築することが重要であるとの趣旨の下、気象防災アドバイザー委嘱等に係る実施要項を発表しています。 気象防災アドバイザーを導入している自治体はどれくらいありますでしょうか。県内ではいかがでしょうか。
◎危機管理監(長谷川賢治) 全国では、今年の3月末現在でございますが、40の地方自治体が導入をしております。 県内の同規模市では豊田市、岡崎市、春日井市で導入しており、豊橋市は東三河地域としてでございますが導入しております。
◆27番(水谷千恵子) まだまだ導入している自治体は少ないようですが、愛知県では既に導入済みの自治体も複数あり、意識が高いなと思います。 昨年、令和5年6月の三河地方に大きな被害をもたらした記録的豪雨において、気象防災アドバイザーの助言を参考にいち早く最大の警戒体制を取り、人的被害はゼロであったという豊田市の事例について御紹介したいと思います。 昨年の6月2日、三河地方各地に大きな被害をもたらした記録的豪雨において、豊田市街地では2日午後1時までの1時間に35ミリの雨を観測し、道路の冠水などの大きな被害が発生しました。 このとき、豊田市では前日の1日のうちに市立学校の臨時休校を決め、2日には市内全域に避難指示を発令するなど、豪雨に見舞われる前に最大の警戒体制を取りました。 市がこうした体制を取った背景には、5月31日昼頃、豊田市の気象防災アドバイザーからの、台風の接近に伴い、6月2日から1時間に50ミリの非常に激しい雨が想定される線状降水帯が形成される懸念もあるとの助言でした。 この気象防災アドバイザーの長年の知見と気象台の情報を基にした助言を参考に、市は翌6月1日、対策会議を開催。市民の命を守るため、市立小・中学校など計104校を2日に臨時休校する方針をいち早く決めました。 2日には、アドバイスが的中し、県上空に線状降水帯が発生。激しい大雨により河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、市内で100件を超える建物などに被害が出ました。一級河川の矢作川も氾濫直前まで増水しましたが、学校の休校に加え、市が2日午後に市内全域に避難指示を素早く発令するなど最大の警戒体制を取った結果、人的被害はゼロに抑えられました。 我が地域においても気象防災アドバイザーを採用し、異常気象による豪雨災害等に対して、災害発生前からの適切な対応が取れる整備も重要と考えます。当市のお考えをお尋ねします。
◎危機管理監(長谷川賢治) 風水害の災害に対応する際に、専門家である気象防災アドバイザーによる助言は有益であるというふうに考えます。また、アドバイザーと契約している愛知県内のほかの中核市からも、その助言が非常に参考になっているというふうにお聞きしております。 そのため、昨年12月には気象庁が実施した無料の気象防災アドバイザーの活用促進事業、こちらに当市も応募いたしましたが、残念ながら選外となり、活用することはできませんでした。 一宮市では民間の気象会社と契約を結んでおり、台風のときなどには専門家から個別にアドバイスを受けることが可能な状態ではございますが、気象防災アドバイザーの採用につきましては、引き続き情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
◆27番(水谷千恵子) 一宮市として、気象庁が実施した無料の気象防災アドバイザーの活用促進事業に応募したのに選外となったとのことで、大変残念でした。一応、民間の気象会社とも契約をしているということですので、大いに連携を図っていただいて活用していただきたいと思います。 気象防災アドバイザーは、自然災害の対応に不可欠な、防災と気象の両方に精通した専門人材です。国が育成・確保した上で自治体と契約し、地域の防災対策を支援します。2017年度から本格運用が始まりました。 令和6年4月時点で272名が国土交通大臣から委嘱を受けており、愛知県には活動可能な方が50名おられるそうです。 気象庁では、令和7年4月までに各都道府県に5名程度気象防災アドバイザーを配置することを目標としております。私個人の意見としては、今三河のほうにはいらっしゃるので、しっかりと、県のほうで採用していただいて尾張を見ていただくといいのになとかと思ったりもしております。 先ほど豊田市の事例で紹介した気象防災アドバイザーの早川氏という方なんですけれども、この方は豊田市、刈谷市、岡崎市の西三河3市と契約し、活動しておられるそうです。任用に必要な予算の確保も大変ですので、近隣市町と共同での活用もいい方法かもしれません。 アドバイザーは、大雨時などの災害対応への助言をはじめ、平時には行政の防災訓練の支援や小学校の防災教育の講師など多岐にわたる活動で地域防災力の向上に貢献しているとのことです。何よりもその地域に特化したことで、その地域の特性をしっかりと見極めながら、しっかりとアドバイスをしていただけるということがいいかなということで思っております。 線状降水帯発生予測が県や地域単位で発表されるなど、近年、気象情報の精度もすばらしく向上しています。地域を熟知した専門家がそうした情報をしっかり分析し、アドバイスをしていただくことで、市民の皆さんを災害から守ることにつながると思います。 これから季節は夏に向かいます。梅雨入りしての大雨、夏の猛暑、台風など、様々な場面で災害の発生を心配しなければならない場面もあると思いますが、しっかりと備えをして、被害が出ないようよろしくお願いを申し上げます。 以上をもちまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(島津秀典) お諮りいたします。 議事の都合により本日はこの程度にとどめ、明日及び明後日は休会とし、10日午前9時30分から会議を開きたいと思います。 これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時3分 散会...