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06月14日-02号

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  1. 豊橋市議会 2022-06-14
    06月14日-02号


    取得元: 豊橋市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    令和 4年  6月 定例会議事日程(第2号)                     令和4年6月14日 午前10時開議第1 一般質問 〔伊藤篤哉議員〕…………………………………………………………55ページ  1 本市が目指すこれからのまちづくりについて 〔寺本泰之議員〕…………………………………………………………61ページ  1 豊橋市営住宅指定管理者について  2 総合評価落札方式における失格判断基準について 〔古池もも議員〕…………………………………………………………67ページ  1 豊橋まつりクイーンの在り方について  2 市民に「わからない」と思わせない市職員の接遇の在り方について  3 本市の子ども食堂のこれからについて 〔石河貫治議員〕…………………………………………………………74ページ  1 本市における遊休農地に対する課題と利活用について 〔小原昌子議員〕…………………………………………………………78ページ  1 設楽ダム建設事業の計画変更について  2 地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みについて  3 本市における地球温暖化対策について 〔鈴木みさ子議員〕………………………………………………………85ページ  1 設楽ダム建設計画の延伸に関わる諸課題について  2 豊橋市の高齢者福祉施策について 〔斎藤 啓議員〕…………………………………………………………94ページ  1 ジェンダー平等と性と生の権利の取り組みについて本日の会議に付した事件議事日程のとおり出席議員 35人     本多洋之             伊藤哲朗     石河貫治             宍戸秀樹     梅田早苗             及部克博     古池もも             山本賢太郎     二村真一             近藤修司     川原元則             中西光江     鈴木みさ子            長坂尚登     尾崎雅輝             近藤喜典     松崎正尚             市原享吾     小原昌子             山田静雄     向坂秀之             尾林伸治     星野隆輝             斎藤 啓     堀田伸一             伊藤篤哉     豊田一雄             坂柳泰光     古関充宏             田中敏一     近田明久             沢田都史子     鈴木 博             芳賀裕崇     寺本泰之欠席議員 なし説明のため出席した者     市長        浅井由崇   副市長       杉浦康夫     副市長       森田康夫   総務部長      加藤智久     財務部長      朽名栄治   企画部長      広地 学     市民協創部長    中野浩二   福祉部長      川島加恵     こども未来部長   角野洋子   健康部長      撫井賀代     環境部長      山本誠二   産業部長      河合博文     建設部長      前田幸弘   市民病院事務局長  渡辺英仁     教育長       山西正泰職務のため出席した者     事務局長      鈴木教仁   議事課長      前澤完一     庶務課長      鈴木一弘   議事課長補佐    権田 功     議事課主査     石川さおり  議事課主査     高岸修司     書記        鈴木達也   書記        杉浦文香     書記        飛田珠妃     行政課長      小林康之     午前10時開議 ○堀田伸一議長 ただいまから本日の会議を開きます。----------------------------------- 直ちに日程に入ります。 日程第1.一般質問を行います。通告順に質問を許します。初めに、伊藤篤哉議員。     〔伊藤篤哉議員登壇〕 ◆伊藤篤哉議員 皆さん、おはようございます。早速、一般質問を始めたいと思います。 大きな1、本市が目指すこれからのまちづくりについてであります。 通告に従い、一問一答方式にて大きく1問、森田副市長を迎えた豊橋市が目指すこれからのまちづくりについて伺ってまいります。 振り返って、本市における副市長ですが、副市長に当たる助役が2人体制となって以降、1人は内部からの登用、もう1人は国土交通省やその前身の建設省、運輸省などの出身者が就任してきました。しかし、2021年6月30日、有野副市長が任期満了で退任するものの、後任が補充されず1人体制となり、有野副市長の業務は杉浦副市長らが引き継ぐ形となり、本市副市長に空席が出る初めての状況を迎えました。 この件に関して、6月定例会において浅井市長は、国土交通省の人材を招き、知識と経験を生かしてリーダーシップを発揮してほしいと国に要望したと答弁されております。1人が空席となっている豊橋市副市長人事問題について、自由民主党豊橋市議団としても大きく捉え、2021年12月、国に対し、副市長後任を派遣していただけるよう要望する中、念願の新しい副市長として、森田康夫氏が3月定例会選任案同意を経て4月1日就任。本市は9か月ぶりの副市長2人体制に戻りました。 就任当時の抱負には、新聞取材を受ける中で、道路整備を進めてほしいという期待があるので調整に奔走したい。23号バイパスや浜松湖西豊橋道路について、これだけのネットワークを整備するのはこの時代珍しいが、地域にとって大きなインパクトになる。渋滞解消や物流に必要なインフラなので急がないといけない。強いネットワークで他の地域と競争できる環境をつくるのが仕事であると述べられておりました。 また、森田副市長御自身から、熊本地震発災後の最前線での対応をパワーポイントで画像を交えて伺う機会を得ましたが、実戦派であるとお見受けしました。 また、趣味はインフラとのことで、4年間でくまなく豊橋を巡り、豊橋が第二の故郷と思えるくらい根差したいという個性にも注目するところであります。 翻って、我が国では、本格的な人口減少時代を迎える中、巨大地震や気候変動による災害などに備え、国土強靱化の推進や社会資本の老朽化への対応が求められています。 こうした中、森田副市長出身の国土交通省では、平成28年に中部圏開発整備計画を策定し、中部圏の将来像を実現するための基本方針を示しております。リニア中央新幹線の全線開業により、中部圏がスーパー・メガリージョン形成のセンターを担い、世界最速・最先端のものづくりを基軸に、世界規模でグローバルにヒト、モノ、カネ、情報が対流する拠点となり、世界をリードしていくことが期待されている中、本市としても、強みである工業製造品等出荷額1兆3,900億円のものづくりや、豊橋市と田原市を合わせると日本一の農業産出額1,212億円を誇る先端的農業など優れた産業、さらに国際的な自動車港湾である三河港をはじめとした物流ネットワークの構築を急ぎ、存在感を示したいところであります。 そこで、(1)として、森田副市長は、これまでの経験を活かして、どのようにまちづくりを進めていくのかについて伺います。 以上、1回目の質問とさせていただきます。 ◎森田康夫副市長 これまでの経験を活かし、どのようにまちづくりを進めていくかについてでございますが、国土交通省の使命は、人々の生き生きとした暮らしと、これを支える活力ある経済社会、日々の安全、美しく良好な環境、多様性ある地域を実現するためのハード・ソフトの基盤を形成することと定めております。私は、その使命を果たすべく、主に道路や防災の分野、特に平成28年の熊本地震の際には、熊本河川国道事務所長として現場で陣頭指揮を執らせていただく機会を得ました。 そういった中、副市長就任に当たり私が掲げた目標は、競争に勝てる強いインフラを造るということでございます。本市におきましては、特に道路、港湾などのインフラ整備や防災の対応が重要であると考えておりまして、まちづくりや交流の基盤となる道路整備、物流の要である港湾機能の強化とともに、今後起こり得る新たな危機にも対応し得る強靱でしなやかなまちを目指した取組を進め、豊橋市の強みである産業の発展に貢献するとともに、市民の生命を守っていきたいと、このように考えてございます。 加えて、国土交通省で培ってきた経験を生かし、国や県など関係機関とのパイプをより強固なものとし、地域の課題と国・県の政策をより効果的に結び合わせていけるように尽力してまいりたいと、このように考えてございます。 また、今までの経験を本市のより多くの職員の方々に還元させていただき、地域間競争の中で東三河地域での連携を大切に生かしながら、豊橋がさらに発展していけるよう、基礎をつくり上げてまいりたいと考えてございます。 以上です。 ◆伊藤篤哉議員 森田副市長から御答弁をいただきました。 森田副市長は、これまでの経験を活かして、どのようにまちづくりを進めていくのかについてお尋ねしたところ、冒頭、国土交通省の使命から御答弁にお入りいただきました。人々の生き生きとした暮らしと、これを支える活力ある経済社会、日々の安全、美しく良好な環境など、全て欠くべからざるミッションだと理解するところです。 また、森田副市長が掲げた目標は、競争に勝てる強いインフラを造るとのことでありました。具体としてまちづくりや交流の基盤となる道路整備、これを挙げられましたが、人口30万人を超える中核市で、高速道路のインターチェンジを持たないのは豊橋だけであります。そのような中、事業化決定した豊橋新城スマートインターチェンジ事業は、豊橋にとって産業、医療、防災の面だけでなく、地域活性化や観光振興等の様々な効果、これが期待されております。特に道路、港湾などのインフラの整備や防災の対応、これが重要とのことでありましたが、この豊橋の周辺でありますと小坂井バイパスの無料開放や国道151号と国道1号が交わる宮下交差点の立体化工事、これは愛知県における道路整備プログラムでは2027年に完成する見通しであるものの、三河港から東名高速豊川インターチェンジまで約20キロメートルでありますが、移動にまだ30分ほどかかる、しかも定時性が確保できてない状況にもあります。 改めて、国土交通省高速道路路線図の中部圏を見ますと、一部事業中ではあるものの、東海環状自動車道伊勢湾岸自動車道で囲われる名古屋圏と圏外では格段の差があるとつくづく感じるところがあります。 そのような中、昨年、対応方針が決定し、現在、都市計画・環境アセスメントを進めるために調査中の浜松湖西豊橋道路は、東名・新東名高速道路、三遠南信自動車道、名豊道路、これが一体となる広域圏幹線ネットワークを形成する非常に重要な路線であると感じるところです。整備による効果は、物流機能の向上と地域産業の活性化、国際競争力の強化とともに、南海トラフ地震による甚大な被害に対応する防災、救急体制を支える交通網として大きな期待を集めている、そのように感じるところです。 そのような中、防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム、この中部ブロック版を見ますと、蒲郡バイパスの見通しも2024年と示されております。 また、本年5月末に観光庁は、アフターコロナを見据えた観光地・観光産業の再生に向けた最終取りまとめ、これを公表しております。中部圏の開発整備計画では、インバウンド観光の展開の強化やクルーズの振興など、高速道路ネットワークを活用した国内外との観光・交流を促進することで、中部9県で昇龍道プロジェクトを推進しておりますが、本市はじめ、東三河からは大きく外れているルートです。しかし、同時に首都圏空港と近畿圏空港をつなぐ新たな広域観光ルートも求めており、各公共交通等々を組み合わせた広域的な観光周遊ルートの整備に関しては、本市はまさにそのルート上にあることから、地域の魅力や強みを生かした提案、これが喫緊の課題と考えるところです。 森田副市長は、国土交通省での経験を生かし、国や県とのパイプをより強固なものとし、地域の課題と国・県の政策をより効果的に結び合わせたいとのことでありましたが、オミクロンとウクライナ情勢で景気動向、見通しが大幅に下振れする中での国庫の状況逼迫はよく聞くところですし、高齢化、人口減少と地方財政を見ると、本市の持つ魅力や強みに磨きをかけることは、選択と集中の必須条件と考えられます。 そこで、2回目としまして、着任から2か月が経過しましたが、改めて森田副市長の考える豊橋の魅力、強みについて、どのようにお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎森田康夫副市長 豊橋市は、日本の中央に位置し、首都圏、関西圏など大都市圏へのアクセスが容易で、東海道新幹線をはじめとする鉄道4路線が乗り入れている豊橋駅など鉄道インフラは充実しているという、このような印象を受けてございます。こうした点は、新たな交流が生まれることによる地域の活性化に大きな強みであると、このように考えてございます。 また、国内外の誘客につながるサイクルツーリズムといったことにも着目してございまして、令和3年5月に太平洋岸自転車道ナショナルサイクルルートに指定されたことを受け、サイクルルートと周辺地域の様々なコンテンツを活用し地域のにぎわいを創出する、こういったことにつなげていくべきであると、このように考えてございます。 このように、本市には交通の利便性や、山、海、川などの自然、地域に根差した食文化、伝統文化など豊かな地域資源が数多く存在しております。私も着任して2か月少しになります。この間、できるだけ週末を使って自転車、と言ってもママチャリなんですけれども、自転車で週末、市内をともかく巡りました。52小学校区、22中学校区ですか、その学校を巡ることで地域の特性とか、自然条件であるとか、あるいは地名であるとか、そういったことをまずもって勉強したいということで、現場を見させていただいたところでございます。 そのたびに、例えば、豊川用水であったりとか、神野新田であったりとか、様々な先人たちがこの地域に働きかけを行ってインフラを整備し、また、その整備したインフラが現在もこの私たちの生活を支えてくださっていると、このようなことを実感したところでございます。この先人たちの歴史的なたまものを現世代の私たちがそれをさらに生かしていくと、こういったことがこの豊橋市の発展にもつながっていくと、このように考えているところでございます。 我々世代も郷土に対して働きかけを続けまして、将来世代に対してよりよい都市基盤を引き継げるようインフラ整備を進め、市民の利便性向上や地域振興につながる施策もセットで推し進めることで、ポテンシャルをさらに高め、他の地域との競争できる環境づくりが可能であると、このように考えてございます。 以上です。 ◆伊藤篤哉議員 御答弁をいただきました。 本市の立地について、冒頭、特に鉄道インフラの充実、地域活性化に大きな強みと御答弁にありました。この大きな強みを生かすべく、豊橋市は豊橋駅を中心とした豊橋市中心市街地の活性化を進めてきました。本市の強みをもっともっと生かさねばならないところです。人口減少社会における適応策、緩和策を推進する重層的かつ強靱なコンパクト・プラス・ネットワークの形成、これを国土交通省は求めております。 災害危険性を考慮した将来の望ましい都市構造を見据えた平時のまちづくり、被災後の迅速な復興等を目指すまちづくりについて、森田副市長の知見に期待するところであります。 観光事業についても触れられました。スーパー・メガリージョン構想が実現すれば、中部東海地方にかけては大きな恩恵が得られると考えられているものの、具体策がない中で、本市にとどまらず、地域一帯のにぎわいの創出につなげていくような考え方が必要となってくると思われるところです。 東三河の振興ビジョンにより、コロナ前の東三河の観光入込客数を見ますと、2,300万人とおおむねずっと横ばいでありました。特徴としては、他地域と比べ、歴史、文化、スポーツ、レクリエーション、そして、道の駅などの割合が高いこと。特に御担当であるこの道の駅、県内の道の駅の約6割が立地するのは東三河であります。道の駅及びそのネットワークを生かした周遊性、滞在性を高めていく、これが国土交通省の課題ともされておりました。コロナ前の増加傾向であった外国人旅行者数については、長期滞在につなげたい、こういった課題も残っております。 太平洋岸自転車道ナショナルサイクルルートに指定されたサイクルツーリズムに触れられましたが、国内外の誘客につながると考えられます。そして、これはまさに首都圏と近畿圏を、公共交通と自転車を組み合わせた形の観光として考えることができますし、さらに、この自転車を使ったサイクルツーリズムは、今まで課題であった長期滞在につながるところと思います。 また、その長期滞在ですが、豊橋、東三河においての観光コンテンツは、アウトドアアクティビティ、外遊び、アウトドアスポーツといったものが有力視されており、愛知県で唯一のジャパンエコトラック公式エリアに東三河は認定されてもおります。本市においては、先ほどお話のあった自転車のサイクリングで、トレッキング、パドリングがモデルコースとして紹介されているわけです。 今後積極的に取り組まなくてはならないのは、旅行場所や日程などが分散化、標準化されるピークシーズンに頼らない本質的な地域旅行の体験の提供と言われておりますので、このあたりもぜひ知見を生かしていただきたいと思う部分があります。 また、食についても御発言がありましたが、地域に根差した食文化には、東三河フードバレー構想、こういったものもあります。中部圏の骨格をなす南北軸には三遠南信自動車道があり、また、鉄路としては秘境駅で注目を集める飯田線もあることから、南北軸もこれから期待されるところです。豊かな地域資源について、森田副市長の趣味を絡めて、先ほどインフラのお話もありましたが、鉄道ですとかダム、用水、そして、この新田事業など、歴史的インフラも観光資源として、この産業観光につなげていってみたいと感じるところです。 これらは、改めて私たちにとって過去から現在を経て未来へ受け継いでいく宝物であると私も感じるところでありますし、知恵を凝らして多面的な活用として広げていくことが求められていると思います。 現代に生きる私たちが郷土に対して働きを続け、将来世代に対してよりよい社会基盤を引き継げるようなインフラ整備を進めるという言葉には、強く共感しました。市民の利便性の向上や地域振興につながる施策もセットで推し進めることで、ポテンシャルをさらに高め、そのことが他の地域と競争できる環境づくりが可能になっていくと考えるところです。 そして、川を治め、水資源を開発する治水、利水を絶え間なく郷土に働きかけるという御発言もありました。改めて愛知県東三河地域は八つの市町村で構成されておりますが、古くから豊川の水によって深く結びつき、上下流が一体となって発展してきた地域であり、設楽ダムの建設事業の促進は、愛知県及び下流域自治体の総意でもあります。完成時期の8年延伸はやむを得ないものと受け止めてはいるものの、水源地域の住民の皆様への生活再建対策ですとか、豊川流域全体の持続的な発展のためになくてはならないものでもあります。また、下流域においては安全の問題もあります。 そして、うれしいことに、近年、若者を中心に農村の魅力の再発見が進み、田園回帰の流れが生まれつつあります。豊橋は大いなる田舎とも呼ばれているところもあります。そして、大都市の元気な高齢者たちの移住や地方に住む元気な高齢者の住み替えを促進する日本版CCRC構想を踏まえた東三河版CCRC、これもかつてこの議会で発言したことがありますが、考えるときが来たと思います。 さらに、熊本地震の際の熊本河川国道事務所長としての森田副市長の経験は、安きに居りて危うきを思う、居安思危の故事に倣い、本市にどのように生かすのかも注目しているところです。 切迫する南海トラフ地震、気候変動に伴うスーパー伊勢湾台風襲来のおそれが言われており、頻発・激甚化する風水害や土砂災害、高潮、さらに火山災害のおそれなど、自然災害に備えたハード、ソフトが一体となった防災・減災対策、これが求められております。 本市の強みをお尋ねしましたが、本市には弱み、課題もあります。しかし、弱みを克服することよりも弱みを克服するな、強みを見出し生かすという、ドラッカーが教える人と組織の成長戦略を私はよしとするところです。 そこで、3回目の質問としまして、道路、港湾、防災、三つの重要な項目を先ほど挙げられました。それでは、それぞれについてどのように考えているのか、具体的にお考えを伺います。 ◎森田康夫副市長 ありがとうございます。 まず、道路事業についてでございます。伊藤議員が先ほどおっしゃいました浜松湖西豊橋道路や国道23号名豊道路などの広域幹線道路につきましては、東名・新東名高速道路、三遠南信自動車道路と一体となり、広域的なネットワークを形成する重要な路線と認識してございます。 物流の効率化や防災力の向上、観光振興にもつながる地域間交流の活性化など、様々な面において大いに効果が期待できるものと考えており、早期実現に向けて関係機関との協議や要望活動を引き続き強力に実施してまいります。 また、輸入自動車では金額、台数ともに29年連続全国1位の三河港も、地域のみならず日本のものづくり産業の競争力や生産性を支える重要なインフラ、港湾でございます。港湾物流機能及び防災・減災機能の強化のため、臨港道路や防波堤の早期整備について引き続き関係機関へ働きかけを行ってまいります。 さらに、防災につきましては、市民の生命、身体、財産を保護し、社会・経済活動を維持することが基礎自治体である本市の最大の責務であります。そのためにも国や県、近隣の市町村との強い連携は不可欠であり、私はこれまでの経験を生かし、本市の災害への備えに力を尽くすととともに、災害発生時には迅速な対応を実施してまいります。 以上です。 ◆伊藤篤哉議員 道路、港湾、防災、三つの視点について、森田副市長から御答弁いただきました。 先ほども森田副市長、自転車で回られたというお話もありましたが、本質問の前に、森田副市長はどんな人なのかと庁内の人にいろいろ聞いてまいりました。そのときに一つあったのが、海辺を自転車で回られて、本当にこの渥美半島というのは大きな津波が来たときに大丈夫なのかなと見て回ったという話ですとか、その話を聞くたびに、非常に行動的なところがあって頼もしいなと感じた部分があります。 そして、発言の中に、大きなことは国に任せ、基礎自治体は住民に寄り添うことが必要であるという考えがあると本人の口からは言えない部分も聞きましたが、私は、部課長など職員からの信頼は厚いと大変心強く感じた次第であります。 先ほどの御答弁では、国、県、関係機関への働きかけ、連携の重要性が答弁末尾に添えてありました。 そして、ここからは浅井市長に対しての質問となってまいりますが、様々な形でのこの国、県との連携が本当に必要だと感じるところです。重々以下は御存じのこととは思いますが、あえて述べさせていただきますと、三遠地域は製造品、農産物の製造・生産拠点が集積しており、日本経済の一翼を担っているわけです。しかし、三河港から最寄りの高速インターチェンジまでが遠く、著しく時間を要すために速達性が低い、渋滞等により所要時間にばらつきがあり、定時性が低いという物流の課題、これはいまだにあります。速達性、定時性の向上による物流支援、これは不可欠であります。 また、災害時に地震や津波等により道路が通行できなくなり、救援等の活動や支援物資輸送が困難になる防災上の課題があります。災害時の信頼性向上により、円滑な救援活動と支援物資輸送、これも不可欠です。 主要観光地でありますが、これは、離れているという課題があります。特に、豊橋・三河湾地域は、新城・設楽地域、西・北遠地域などの他の観光エリアから60分圏外となっており、一般的に言われている60分を外れてしまうという形で、観光地間の連絡性、速達性が低いといった観光上の課題もずっと残ったままです。広域道路ネットワークの構築による地域間の交流、この促進が不可欠です。 豊橋市市街地の路線においては、大型車と一般車の混在、これはまだまだ見受けられ、安全性の低下の課題があります。生活交通の安全な走行環境が不可欠とされております。 関係機関である国土交通省の今後10年程度を見通した都市の共通戦略というものは、都市再生の好循環の加速、重層的かつ強靱なコンパクト・プラス・ネットワークの形成、災害に強い都市の構築であります。 浅井市長は森田副市長を得たことで、本市のインフラの強みを見出し生かす視点に基づく整備、これを加速度的に進めていただきたいところです。その視点においては、東日本大震災において、太平洋岸のネットワークに甚大な被害が発生したことにより、直接的に被害のなかった日本海側の道路、鉄道、港湾等が救助・救援やその後の復旧活動に当たり全面的に活用されたことから、例えば、この南北軸の強化もあろうと思います。日本海側と太平洋側の連絡の強化、ネットワークの多重性・代替性の確保からなる重層性は喫緊の課題と言えます。だからこそ広域的なネットワークを形成する東名・新東名高速道路、三遠南信自動車道が一体となる浜松湖西豊橋道路や国道23号名豊道路などの広域幹線道路、これを急いでほしいところです。 2010年に国が公表した国土強靱化基本計画や翌年の国土形成計画は、人口減少下における復興の課題は、市街地の整備に限らず、人口や産業の流出や地域コミュニティの崩壊など、都市活力や都市の持続性に関する課題を視点として挙げております。事前の防災・減災対策を含めた総合的なまちづくりの政策・重要性が問われているところです。であるからこそ災害危険性を考慮した将来の望ましい都市構造を見据え、その実現に向けた平時のまちづくり、被災後の迅速な復興等に貢献することを目指していかねばならないと考えます。 そして、加えての視点でありますけれども、この将来の実現に向けた世界最強・最先端のものづくりの進化、スーパー・メガリージョンのセンター、豊橋、東三河、三遠地域のネットワークと地方創生、安全・安心で環境と共生した東三河、次代を担う人材の育成と共助社会の形成、個性ある圏域の創生、競争力のある産業の育成、対流・交流人口の創出、都市計画など、国土交通省と様々な密接な課題を共有しております。 さらに愛知県に目を向ければ、地域づくりの推進に当たって、横断的な視点ですが、本年11月のジブリパーク開業、本年工事着手する愛知県新体育館、2026年のアジア競技大会開催、2027年の中部国際空港第二滑走路とする中で、私が思い出すのは、かつて、愛・地球博と中部国際空港セントレアを整備したときに、豊橋・東三河が取り残された、そんな状況であります。 今議会では、都市に不可欠な都市公園や防災拠点である豊橋公園のアリーナの質問も出ておりますが、いろいろなことを含めて取り組んでいく必要があると私は感じます。 そこで、浅井市長に対する質問として、浅井市長は、森田副市長を招いて、どういったまちづくりを進めていきたいと考えているのか、この考え方を確認させていただきます。 ◎浅井由崇市長 まちづくりにおきまして、人づくり、そして産業振興、都市基盤整備、広域連携の推進は、本市が選ばれるまちとなり、持続的に発展していくために重点的に推進すべき非常に重要な要素と考えております。 中でも産業振興、ここの産業には、当然伊藤篤哉議員が御指摘いただいた観光も当然入るわけでありますけれども、産業振興と都市基盤整備は切っても切り離せないものでありまして、先ほども伊藤篤哉議員御指摘のように、高速道路への速達性などの課題がありましたが、都市基盤であるインフラ整備の充実なくして産業の発展はあり得ないということから、特にこの分野で森田副市長には力を発揮していただきたいと考えております。 森田副市長は、先ほど来お話が出ておりますように、熊本河川国道事務所長として熊本地震を経験され、道路や橋梁をはじめとするインフラの復旧・復興に力を尽くしてこられました。今まで本市の職員が実際には経験をしたことのない貴重な経験を基に、大規模災害のリスクに備えたまちづくり、これにはもちろん、このインフラの充実ということが必要となるわけでありますが、そういったまちづくりにこういった経験をしっかりと生かしていただきたいなと考えております。 また、道路部門や企画部門での様々な制度設計、このことをはじめとして、広域的なまちづくりや都市基盤整備に長年携わってきた専門的な知識と経験、そして、これまで培ってきた幅広い人脈、それから国とのパイプを生かした迅速な情報収集にも大いに期待をしているところであります。 強固なインフラによって本市のポテンシャルを最大限生かしたまちづくりを強力に推進をするために、ぜひ先頭に立って本市のまちづくりを進めていただきたいなと期待をしているところであります。 以上です。 ◆伊藤篤哉議員 浅井市長から御答弁をいただきました。 これからの選ばれるまちとは何か。産業振興と都市基盤整備は切っても切り離せない。インフラの整備の充実なくしては産業の発展はなし得ないと明解な回答をいただきました。 本当に、御答弁にありました森田副市長の熊本での復旧・復興での経験が、いつ起きてもおかしくない東海地震への備えが求められている本市にとって貴重であり、その知見を市政に反映させること、これは、私は市長の使命だと感じるところです。 そして、私は、その一例として、直近の取組で注目しているところが、豊橋新城スマートインターチェンジ、これがあります。本市の課題としては、大きな災害が来たときに高速道路と直接結びつく道路が今まではなかったわけです。このスマートインターチェンジが整備されることによって、そこのところから受援のための物資が運び込まれる、こういったことが可能となるわけですけれども、そこのインターチェンジも課題がないわけではなく、アクセス路に関してこれから改良を加えていかないと、そのアクセス路なくして、例えば、ラストワンマイル問題がよく言われているように、インターチェンジはあるけれども、そこから先がつながらないというような課題もある。この辺りは、本当にこの森田副市長の出番ではないのかなと期待するところであります。 いずれにしろ、いろいろな課題、観光ですとか、そして基盤整備、産業振興のお話もいただきましたけれども、名古屋圏に後れずに、この中部圏、そして、広域的に捉えると東三河、三遠南信。三遠南信は、特にリニア以降、もっともっと注目されるエリアだと思います。この辺りのところをしっかりとつないでいかなくてはいけない。 しかし、その中では、広域的なまちづくりや都市基盤の整備に、また好循環の加速、この加速という言葉が使われています。私たち自由民主党豊橋市議団は、国、県、市の力を結集し、今までも財務省、国土交通省、農林水産省などなどへ要望活動を続けているわけです。改めて森田副市長をお迎えし、市の執行機関たる市長と私たちは相互に均衡と抑制の関係を保ちながら、共に協力して市民福祉の向上及び市政の発展への加速に努めたいと思います。 以上で私の全ての質問を終わります。----------------------------------- ○堀田伸一議長 次に、寺本泰之議員。     〔寺本泰之議員登壇〕 ◆寺本泰之議員 通告に従いまして、紘基会、寺本、一般質問いたします。 大きく2問です。 大きく1、豊橋市営住宅指定管理者について (1)指定管理者の事業計画書及び事業報告書の情報公開請求に関する非公開箇所について 以下2点です。 アといたしまして、豊橋市情報公開条例第6条第1項第2号の認識について 豊橋市営住宅指定管理者の事業計画書及び事業報告書の情報公開請求に関する非公開箇所について、豊橋市情報公開条例第6条第1項第2号による根拠をどのように認識しているか伺います。 イとして、指定管理者の事業計画書、事業報告書の非公開について 豊橋市営住宅指定管理者の事業計画書及び事業報告書の情報公開請求に対して、非公開とした部分の理由を伺います。 次に、大きく2として、総合評価落札方式における失格判断基準について (1)地方自治法施行令第167条の10第1項に基づく失格判断基準の導入義務について、伺います。 (2)として、失格判断基準の設定プロセスについて、伺います。 国、県等からの工事基準価格表から市の決められた掛け率を掛ければ、誰でも計算機1台でできると聞いておりますが、確認いたします。 次に(3)としまして、令和元年度から令和3年度に執行された総合評価競争入札のうち、失格がある案件における失格となった業者の評価値の順位について、伺います。 総合評価入札で失格となった業者の評価値の順位は、全て1番です。確認します。 (4)大村小学校体育館大規模改造工事(長寿命化)ほかにおいて評価値の高い業者を失格と判断した妥当性について、伺います。 税金無駄遣い欠陥制度によって、明らかに安価、高品質の入札が失格となっている7件の入札で、約5,000万円の無駄があります。市の認識を確認します。 以上を1回目の質問といたします。 ◎前田幸弘建設部長 大きな1(1)のア、豊橋市営住宅指定管理者の事業計画書及び事業報告書の情報公開請求に関する非公開箇所について、豊橋市情報公開条例第6条第1項第2号の認識についてでございます。 第2号は、法人等の適正な事業活動の自由を保障する必要があることから、事業活動に係る情報のうち、公にすることにより、その権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものが記録されている公文書は、非公開とすることを定めたものであると認識しております。 続きまして、大きな1(1)イ、指定管理者の事業計画書、事業報告書の非公開についてでございます。 これは、豊橋市情報公開条例第6条第1項第1号及び第2号を理由に、一部公開としたものでございます。 具体的には、第1号は個人情報に関する取扱いですが、公開することで特定の人物を識別することができる情報として、主に人物が写っている写真を非公開としました。 また、第2号は法人等事業活動情報に関する取扱いですが、公開することで当該業者の権利及び競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報と判断して非公開としたものでございます。 以上です。 ◎朽名栄治財務部長 大きい2、総合評価落札方式における失格判断基準について、(1)地方自治法施行令第167条の10第1項に基づく失格判断基準の導入義務についてでございます。 失格判断基準は、地方自治法施行令第167条の10条第1項の規定に基づき導入している低入札価格調査制度において設定される数値的判断基準でございます。法令上、導入が義務づけられたものではございませんが、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき閣議決定されております公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針において、一定の価格を下回る入札を失格とする価格による失格基準を積極的に導入・活用することが求められております。 続いて、(2)失格判断基準の設定プロセスについてでございます。 まず、工事担当課において最新の設計単価を使用し、愛知県発行の積算基準及び歩掛表を用いて、積算された設計金額を参考に予定価格を設定いたします。 そして、失格判断基準は、この予定価格の算出の基礎となる直接工事費、共通仮設費、現場管理費、一般管理費等に豊橋市建設工事に係る低入札価格調査実施要領で定める率を乗じて算出をしております。 (3)令和元年度から令和3年度に執行された総合評価競争入札のうち、失格がある案件における失格となった業者の評価値の順位についてでございます。 豊橋市建設工事に係る低入札価格調査実施要領におきまして、入札価格が調査基準価格を下回り、かつ、失格判断基準以上の価格で入札した者のうち総合評価による評価値が最も高い者を落札者となるべき者と規定をしております。失格判断基準を下回った者は失格となるため、入札価格は無効となります。そのような無効となった入札価格を用いて評価値を算出することはできません。したがいまして、失格となった業者の評価値に順位をつけることはできません。 (4)大村小学校体育館大規模改造工事(長寿命化)ほかにおいて評価値の高い業者を失格と判断した妥当性についてでございますが、まず申し上げておきたいことは、(3)の質問でお答えしたとおり、失格判断基準を下回った業者の評価値は算出できませんので、この評価値の高い業者を失格と判断したという御質問は、誤解を招き、適切ではないと思います。 ですから、失格判断基準を下回った価格で入札した業者を失格と判断したことの妥当性ということでお答えしますが、失格判断基準は、契約の内容に適合した履行がされないおそれがある、またはその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって、著しく不適当であると判断する基準であります。 このことから、この基準を下回った価格で入札した当該業者を失格と判断することは妥当であると認識をしております。 以上です。 ◆寺本泰之議員 1回目の御答弁をいただきました。 2回目の質問を一問一答で始めますので、よろしくお願いします。 まず、市営住宅の事業計画書と事業報告書、これがほとんど両方とも黒塗りのノリ弁状態が情報公開で出ておるわけです。それで、この黒塗りは、1回目の答弁でいうところの情報公開条例第6条第1項第2号に該当するならば、それで認めます。ところが全然該当いたしません。 まず、1回目のア、イまとめて質問させてもらいますが、この指定管理料は年間約3億円の6割、1.8億円は実費精算の修繕費です。その修繕費の金額の内訳が分かる報告箇所全て黒塗り、非公開。その理由を聞きたい。この実費精算の1.8億円の修繕費、これがあれですか、企業のノウハウとか、その企業の利益を害するおそれがあるのですか。お答え願います。 ◎前田幸弘建設部長 修繕費の内訳についてでございますけれども、その部分に関しましては、企業のノウハウ、独創性が検討されている部分でございますので、非公開というように判断しているところでございます。 以上でございます。 ◆寺本泰之議員 そういうでたらめな判断してもらったら困るんですよね。岡崎市の市営住宅の指定管理者、どこでしょうか。御存じでしたらお答えください。 ◎前田幸弘建設部長 中部ガス不動産の共同体だというように認識しております。 ◆寺本泰之議員 岡崎市、これは情報提供でもらったのですが、修繕費は全部公開しています。内訳も詳細も全部公開しますと、確認取っているのですよ。大体その実費精算の修繕費がなぜ企業の利益を害するのか、こんな非常識なことをいつまで言っているのか、やっているのか、おかしいじゃないですか、本当にこれは。 書いてきましたので読ませてもらいます。市営住宅の修繕費公開のどこが指定管理者(中部ガス不動産)の円滑な事業運営を妨げるのか、また、正当な利益を害するおそれがあるのか。検証できない黒塗り請求で納税者に金を払えということになります。 非公開箇所を今後、他市同様、公開していく考えはないか、聞いていきます。
    ◎前田幸弘建設部長 現在、非公開箇所につきましては、豊橋市情報公開・個人情報保護審査会において審査中でございます。今後、審査会から答申等ございましたら、当該答申に基づきまして十分に尊重して、適切に対応させていただくということを考えております。 以上でございます。 ◆寺本泰之議員 これは、本市の修繕費の情報公開をした資料です。全部これは真っ黒ですもんね。このようなものが出てくるわけです。 大体年間管理費3億円の60%、1.8億円が実費精算の修繕費。大体毎年管理料は3億円くらい市が支払っていますので、毎年1.8億円ほどの修繕があるのかということになりますが、この修繕がもし少なければ、年間の管理料が3億円から2億5,000万円とか安くなる可能性もあるわけです。だから、この年間管理費の約60%の1.8億円の内訳は納税者にきちんと説明責任を果たさないかんですよ、これは。当然のことだよね。金払うのは税金で、市民なんだからね。金払う人にそんな黒塗りの請求書だけ出して、金払えと言っとるようなもんです、これは。ぜひ情報公開を今後はしていくようにお願いをいたします。 次に、入札のほう。失格判断基準の導入は法的義務があるのかということで質問しました。御答弁では、導入が義務づけられているわけではないと。つまり、この税金無駄遣い欠陥制度の導入は、法的な導入義務はないというように確認しました。 それで、(2)として失格判断基準の設定プロセス。これは、私は担当職員さんに聞きましたところ、どなたでも、国や県の工事基準価格表から市の失格基準とかその掛け率、これを計算機1台で誰でもできますと、こういうように確認しています。その価格と、長年その業界のプロが見積もった価格の金額、これはどちらが実勢価格なのかと。これは常識ですよ、本当に。やっぱり業界のプロが積算した見積りの方が実勢価格だろうと思います。 それで、(3)の令和元年度から令和3年度に執行された総合評価入札のうち、失格がある案件となった失格業者の評価値の順位を聞いたわけですけれども、御答弁ですと、失格になったのだから評価値の計算はする必要がないと、そういうことなんですね。私は、評価値は計算したら幾らになるかということを聞いて、御答弁してもらいたかったのですけれども。これは、失格になった業者は全て、評価値は1番です。たまたま税金無駄遣い制度が導入されていて、職員さんが計算した価格を1円切っても失格にすると。この制度があるから失格になるわけで、一度評価値を計算してもらいたいです。簡単な計算方法でできるはずですから。失格者は全員、評価値は1番。 次は、(4)です。大村小学校大規模改造工事の評価値の高い業者を失格とした妥当性はどうですかということで伺ったわけですけれども、これも同じように、基準価格を下回っているから失格は妥当だという答弁でございました。もう少し詳しく通告をしていましたけれども、この大村小学校の入札の資料を手元に出してもらって御答弁願いたいと思います。 3月定例会一般質問の御答弁からは、基準価格を切っている。地方自治法施行令第167条の10は、ダンピングということなのですね、簡単に言うと。その目的を達成するための必要かつ最少の限度を超えて、これを支出してはならないという地方財政法第4条から考えると、法的には導入しなくていい制度で、地方財政法の第4条に反したようなことをやっているのではないかとそう思うわけですけれども。 3月定例会の答弁では、ダンピング受注を排除するために、この制度は必要なのだと。だから、ダンピングということで排除しているわけですね。これを少し確認したいのですが。総合評価入札で7件失格とした業者は、全てダンピングということなのですか。 ◎朽名栄治財務部長 ダンピング受注とは、その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結ということで、今回失格となったのは、そういったおそれがあるということでございます。 以上です。 ◆寺本泰之議員 分かりました。 では、7件失格にしたところは全部ダンピングだと。要するに、ダンピング汚名をかぶせられて失格になっているということだね。 もう少し詳しく聞きます。それで、失格判断基準というのは、直接工事、これと市の書いてあるものにはその他と書いてありますけれども、その他の内訳は、共通仮設費、現場管理費、一般管理費、この三つを合計したものがその他と。共通費ともいうのが業界で言われている言い方なのです。もしくは、諸経費と言われています。 工事価格の中の直接工事費は、メインの工事費で約8割が直接工事費です。資材とか人件費、または直接経費と。主な工事費の内訳の金額の8割は直接工事で、その他の諸経費は約2割なのです。 それでお尋ねしますが、大村小学校体育館大規模改造工事のダンピングで失格にされているG建設さん。豊橋の優良建設会社のG建設さん。ここは直接工事費は下回っていますか。ちょっとそこのところをお答え願えれば。 ◎朽名栄治財務部長 直接工事費については上回っております。 ◆寺本泰之議員 市の基準価格、これは5,425万円なのです。このG建設会社のほうは、建設工事費のメインの8割、7,684万8,722円。つまり、市が計算機でぱんぱんと計算した直接工事の金額より2,259万円も高いのですね、G建設のほうは。それでなぜ失格になったのかと。その他諸経費が僅かに低いわけです。諸経費。先ほど申し上げた共通費とか現場費とか一般管理費、この三つの合計ですね、諸経費。これが、市の基準は1,703万5,000円で、G建設さんはというと1,635万1,278円。これは68万円ほど低いわけです。それで、失格判断基準というのは、直接工事とその他のこの二つを足したものが失格判断の金額として一つあるわけです。だから、金額は当然、このG建設さんは切っていないわけです。いないどころか、それよりは2,200万円高いわけです。 20%くらいの諸経費の金額は68万円切っていて、これはダンピングという判断で失格にしているわけだけれども、どうですか、これは。まともですか、この失格は。少し見解をお聞きしたいのだけれども。 ◎朽名栄治財務部長 失格判断基準を適正に運用した結果であります。 以上です。 ◆寺本泰之議員 適正といっても、法的に導入義務はないし、勝手に決めたあれでしょう、基準価格なので。 それで、国土交通省のほうからも総合評価落札方式を導入する場合は、学識経験者2名以上の意見を聞かなくてはならないと、こうなっておりますが、学識経験者の2名以上の意見は聞かれましたか。 ◎朽名栄治財務部長 地方自治法施行令の規定に基づき学識経験者の意見を聞かなければならないのは、総合評価落札方式における価格その他の条件が本市にとって最も有利となるものを決定するための基準、落札者決定基準を定めるときであり、失格判断基準については、それに該当せず、意見聴取の必要はございません。 以上でございます。 ◆寺本泰之議員 だから、総合評価入札に失格判断基準を導入しているわけだから、その段階において、国土交通省のほうに電話して以前聞きましたが、総合評価入札に価格で失格となるような最低制限価格とか失格判断基準価格を導入するのはおかしいと言ってましたよ、これ。 つまり、総合評価入札というのは、評価をして、それと金額と、両方の加算点から評価値を出すわけです。だから、評価値が高いということは、きちんと仕事ができるということです。それで少しでも価格が安ければ、そこが契約者としてなると。当然のことなのですけれども。 それでは、この大村小学校の優良企業のG建設は、工事価格の約2割のその他諸経費、ここが僅か少ないと。少ないからダンピングとして失格したと、こういう理解でいいですか。一応確かめておきます。 ◎朽名栄治財務部長 先ほども申し上げましたとおり、失格判断基準を適切に運用した結果でございます。 以上です。 ◆寺本泰之議員 そうしましたら、一応通告をしてきましたので、もう一つの失格となった入札結果のほうから質問をいたしますので、少し資料を手元に出して、お願いします。 西口住宅解体工事。 ○堀田伸一議長 寺本議員、通告はしてありますか。 ◆寺本泰之議員 通告してあるよ。 ○堀田伸一議長 どの。 ◆寺本泰之議員 これは、大村小学校ほかと書いてある。だから、7件の入札結果をきちんと持ってくるようにということを2回も3回も通告してある。 ○堀田伸一議長 分かりました。 ◆寺本泰之議員 出してもらったかね。西口住宅解体工事。 ここね、企業名の、頭文字だけで言ってもらいたいのですけれども、落札者はT砕石。それで、一番価格が安くて失格になっているのが株式会社Kです。これは、どちらが落札者か、お答えください。 ◎朽名栄治財務部長 西口住宅解体工事(第2期その2)だと思いますが、落札業者は照山砕石株式会社でございます。 ◆寺本泰之議員 頭文字で言ってもらいたかったけれどもね。では、私もフルネームで言わせてもらいます。 照山砕石株式会社さんが5,220万円で落札。もう一つの、株式会社カイテックさん。ここはいいです。どうせ照山砕石株式会社を言ったのだからね。4,128万3,000円と。これで約1,000万円くらい高い契約になっているわけです。 そこで、やはり頭文字で、フルネームは忘れてもらって、このT砕石株式会社さんの入札価格の内訳、そこを少し聞かせもらいたいのですけれども、直接工事とその他、この二つだけ、幾らでT砕石株式会社さんは入札しているか、お願いします。 ◎朽名栄治財務部長 申し訳ございません。手元に資料がございませんので、お答えできません。 ◆寺本泰之議員 課長に2回も3回も入札結果表を手元に置いてやってくださいということを言っているのですけれどもね。 では、私が言います。このT砕石株式会社さんの直接工事費は4,750万円、それで、市の直接工事費、この基準価格は3,242万3,000円。だから、T砕石株式会社さんは、直接工事は上回っているのです。T砕石株式会社さんは4,750万円の直接工事だから、1,500万円くらい上回っていると。問題は、諸経費のその他のほうです。市の基準価格は687万3,000円。それで、ではT砕石株式会社さんは幾らかと。470万円。少しメモしてもらえますか、そこを。メモをして、それを差し引きしてどうなるかということを、そこだけお答え願いたいのですよ、そこだけは。その他諸経費ね。 もう一遍言いましょうか。市のその他の基準価格は687万3,000円。それで、T砕石株式会社さんが470万円。その差額は幾らでしょうか。 ◎朽名栄治財務部長 210万円ほどでございます。 ◆寺本泰之議員 217万3,000円。つまり、その他の市の基準価格より、落札者のT砕石株式会社さんは、その他の基準価格が217万3,000円低いわけだよね。いいですか。低いわけです。ということはどういうことになるのですか。 3月定例会の答弁でも、この直接工事とその他と合計した金額が一つの失格判断基準としてあると。また、同時に直接価格の金額、その他の金額、このどちらか一方を1円切っても駄目だよと、こういう答弁でした。ということは、西口住宅のこの落札者のT砕石株式会社さんは失格になるのではないですか、部長。 ◎朽名栄治財務部長 申し訳ございません。手元に資料がございませんので、先ほどの470万円も確認できませんので、お答えしかねます。 ◆寺本泰之議員 何か手元に資料がないというのは意図的なものを感じますね。7件の入札結果をきちんと持ってきてちょうだいよと2回も3回もお願いしているのね。だから、いいですわ。僕の言ったことは全部残っていますので、契約検査課へ行って、しっかり後は検証してもらえばいいわけですけれども。 つまり、この西口住宅の解体の入札においては、本来、市の基準から言えば、T砕石株式会社さんも株式会社Kさんも両方とも失格で、これは、もう一遍入札をやり直さないといかん案件になるはずです。もしくは、税金無駄遣い制度がなかったら、株式会社Kさんが落札をして、実際の契約者よりは1,000万円安価な価格で契約ができているのです。 それで、資料がないにしても、この7件の失格者の中で、先ほど僕は申し上げましたけれども、評価値は全部、順位が1位と。 もう一つ、この工事価格費の主な直接工事、ここを切った失格者はどこもありません。切っているのは諸経費。ここを僅か切ったりしているところがダンピングということで失格になっているわけです。 一番分かりやすいのは、大村小学校体育館大規模改造工事のG建設さんですね。ここは、直接工事とその他の合計よりは2,200万円も高い入札の金額が入っているわけですから、その他のほうを68万円切っていてダンピングになっているわけですけれども、直接工事が2,200万円高いわけですから、その100万円がもしその他の諸経費のほうに回っていれば、ここが落札になると。 いろいろしゃべっていますけれども、いかに豊橋市のやっている価格だけでダンピング認定をして、まともな業者の契約を阻害していると。ここが言いたいわけです。こういう契約は、やはり企業のやる気をなくすし、これはイノベーションの進歩も阻害するというように僕は理解していますけれども、改める考えはないですか。この価格だけで、それも三つも制限価格を設定しているわけだよ、これは、実際は。三つ。直接工事とその他、それと直接工事とその他と合計した金額。7件の失格者は全員、直接工事とその他、合計した金額、どこもこれを切っていません。大事な工事費の8割の金額もどこも切ってないです、これは。その他のほうが若干安いところが失格になっていると。この7件の失格の中で、だから、合計すると約5,000万円の余分な歳出が行われていると、そういうことになっているわけです。法的な導入義務もないわけで、地方財政法第4条からいえば、本当は地方財政法第4条のほうを守ってもらいたいですね。その目的を達成するために、必要かつ最少限度の額を超えて、これを支出してはならない。ここはもう完全に遵守しなくてはいけない、これは法令です。地方自治法施行令第167条の10は、導入できるということですね、最終的にこの条文は。なおかつ、ダンピングと認めるときは、とこうなっているわけです。調査もせずに、勝手にダンピングと断定して、こんな内容を、こんな内容ということは、基準価格を三つも設定して、諸経費が1円でも低いと即失格にすると。調査もしない。それが本当に、市民、国民の血税を使う立場の人たちのやっていることかと、つくづく怒りを感じます。 最後に聞いていきますけれども、1年でもいいから、一度これをやめて一般競争入札、低入札価格調査、国と同じように低入札価格調査をやって、問題がなければ、そこと契約すると、こういうような改正をされるお考えはないでしょか。 ◎朽名栄治財務部長 失格判断基準は、繰り返しになりますが、地方自治法施行令に規定されている低入札価格制度における判断基準の一つとしての数値的判断基準であり、公共工事の品質確保のため、適切な施工が通常見込めないような著しい低価格での受注、先ほども言いました、いわゆるダンピング受注の排除を図るものということでございます。 国からも公共工事の円滑な施工確保についてという通知がございまして、その中で、低入札価格制度については適切な活用を徹底することとし、その実施に当たっては、一定の価格を下回る入札を失格とする価格による失格基準を積極的に導入・活用することが求められております。 本市としましては、これからも地方自治法やこうした国からの要請も踏まえて、数値的に判断基準を設定し、基準を下回る入札を失格とするという適切な運用をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆寺本泰之議員 ダンピングを排除するのは賛成です。また、労務費の安いのも私はよくないとつくづく思っております。でも、この市の契約は、今は全部公契約でやってますでしょう。違いますか。公契約でやっていますよね。違いますか。 ○堀田伸一議長 質問ですか、寺本議員。 ◆寺本泰之議員 質問です。 ◎朽名栄治財務部長 金額が1億5,000万円以上のものは公契約条例の適用ということでございます。 ◆寺本泰之議員 では、1億5,000万円以下は公契約ではないのですか。 ◎朽名栄治財務部長 公との契約ということでは公契約でございますが、今は条例上の規定を申し上げました。 以上です。 ◆寺本泰之議員 入札の内容を少し調べてもらいたいですよね。決してダンピングではありません。そういうきちんとした見積りをして入札をしている健全な業者を、少し表現はよくないかもしれませんけれども、素人がはじいた線引きの価格、それをプロの業者が見積もった金額が1円でも低いとダンピングだと。調査もしない。推定ダンピング。推定有罪。法の原則に反しますよね。法の原則は推定無罪ですから。やはり低入札価格調査をまずやってください。それでダンピングならそれは仕方がないよね。でも、私も建材業をやっていましたけれども、一番嫌なのは、損することも一番嫌ですけれども、クレームですよ、クレーム。手抜きとか不良品とか。これは1回やると、もう1万回の信用が駄目になりますからね。そんなことをやる業者はまず日本にはいないと思います。だから、きちんとした見積りをして入札をしているわけですから、せめてその価格が地方自治法施行令第167条の10で言うところの、著しく害するとか、契約に適合した仕事ができないとか、断定するというのは、全くこれはおかしいのではないですか。本当にこの不条理は、ぜひ考えてもらいたいです。 今回は以上で終わります。----------------------------------- ○堀田伸一議長 次に、古池もも議員。     〔古池もも議員登壇〕 ◆古池もも議員 とよはし みんなの議会、古池です。通告に従い、一問一答にて大きく3点質問させていただきます。 まず、大きな1、豊橋まつりクイーンの在り方についてであります。 本市では、豊橋まつりが開催される際に、市内の各校区から1名ずつ、総勢51名の女性が豊橋まつりクイーンとして選出され、まつりのPRや総おどり、パレカなどのイベントに参加されています。令和4年の10月15日の土曜日、16日の日曜日にまつりの開催が予定されており、第61代目のクイーンの衣装のデザインや参加の呼びかけが始まったところだと伺っております。 豊橋まつりのクイーンは自治連合会による事業でありますが、本市は市民協創部が事務局を担っておられますので、今回の質問では、クイーンについて、自治連合会の動きや本市の考え方を伺っていきたいと思っております。 (1)として、豊橋まつりにクイーンが参加する目的についてをまず伺います。 大きな2、市民に「わからない」と思わせない市職員の接遇の在り方についてです。 本市では、市民ニーズに応えるため、コンシェルジュの設置やおくやみコーナーをはじめとする様々な取組をしていただいているところでありますが、それでもまだ窓口の対応に問題があると市民から御意見を頂くことがあります。 たとえお怒りであっても、具体的に要望を言ってくださる場合は改善に結びつけられるからよいものの、何もおっしゃらずに帰る方の中にも御不満を感じておられる方がいらっしゃいます。市民から相談を受ける中で、窓口での説明がよく分からなかったけれども、聞きにくかったし、もういいですと言って帰ってきてしまったという方がいらっしゃいます。窓口にそのことを話すと、御本人がもういいですとおっしゃっていたので大丈夫だと思います、と受け取っておられるようでした。 このような窓口での行き違いが市民にネガティブに受け取られますし、それによって、本来つなぐべき支援につなげていない事態が起きているかもしれないと考え、今回、質問させていただきます。 まずは(1)ア、イとして、窓口での「わからない」について、特に課題が強いのではないかと感じる御高齢の方、障害をお持ちの方の対応をする窓口、また、独り親の対応をする子育て世帯の対応窓口について、市民の声や現状の認識・対応などについてをそれぞれ伺いたいと思います。 最後に、大きな3、本市の子ども食堂のこれからについてです。 私は、子ども食堂は、誰でも利用できる居場所であってほしいと思っておりますが、子ども食堂を利用したい子どもやその親が、第三者からの目を気にして行きにくい、または気軽に利用したことで心ない言葉をかけられたといったお話を耳にしております。 本市ではこのような状況をどのように捉えておられるのか、(1)子ども食堂に対する市民のイメージについてとしてお聞きいたします。 また、3月定例会の一般質問で、子どもの見守りの拠点として連携していただきたいとお話しさせていただいた件で、少し動きがあったと伺っておりますので、(2)市と子ども食堂との連携についてとして詳しくお伺いできればと思います。 以上、1回目の質問とさせていただきます。 ◎中野浩二市民協創部長 大きな1の(1)豊橋まつりにクイーンが参加する目的についてでございます。 豊橋まつりクイーンは、豊橋まつりの事業として豊橋市自治連合会が昭和35年から実施をしており、全校区から代表として選出し、各校区の紹介やダンスプログラムに参加することで、市民の協調・親睦に寄与することを目的としております。 以上でございます。 ◎川島加恵福祉部長 大きな2(1)ア、高齢者や障害のある方を対象とする窓口における市民の声や現状の対応についてでございます。 こちらの窓口に来られる方の中には、複雑な制度に困惑し、何を聞いたらよいのか分からないという方もいらっしゃいます。また、やることが多くて理解できない、一度聞いただけでは内容が頭に入らないといった声も寄せられています。そのため、対応に当たる職員は、来庁者が行政手続に不慣れであることを前提として、分かりやすい言葉やパンフレットなどを使い、大切な箇所には線を引き、反応を確認しながら繰り返しお伝えするとともに、本当に求めていることは何なのかを察することを心がけています。 こうしたことに取り組みながら、個々に合った十分な説明ができているか、職員によって対応に差がないか、点検・改善を行い、接遇の質を高めているところでございます。 ◎角野洋子こども未来部長 大きな2の(1)のイ、子育て世帯を対応する窓口での市民の声や現状の対応についてでございます。 子育てに関する窓口対応は、各種手当や医療費助成などの手続のほか、子どもの年齢や家庭状況に応じた相談など多岐にわたります。そのため、一人一人に必要な手続を確実に行っていただけるよう、窓口で丁寧に聞き取りを行いながら、各種制度について分かりやすく説明し、申請の受付や御案内をしております。 しかしながら、一度に多くの制度の説明を行うこともあるため、一度では頭に入らず、必要な手続が必要なタイミングで実施されなかったり、市からの郵送書類の内容が難しく、多くの問合せをいただくこともあるため、これらの負担を少しでも軽減できるような改善が必要であると認識しております。 続きまして、大きな3の(1)子ども食堂に対する市民のイメージについてでございます。 現在、豊橋市内には民間の団体や法人が運営する子ども食堂が15か所あります。毎年新たな子ども食堂が開設されており、取組は市内の多くの地域に広がっております。 一方で、運営者からは、子ども食堂は貧困家庭のみを対象としたものであるとのイメージが広がり、子どもを行かせることを止めてしまう保護者もいるといった声も聞かれます。子ども食堂の多くは誰もが参加できる状態で運営されていることから、こうしたイメージを払拭し、より多くの子どもが参加しやすい環境を整えることが重要であると認識しております。 大きな3の(2)市と子ども食堂との連携についてでございます。 本市といたしましては、子ども食堂は、子どもの居場所としての機能のほか、支援が必要な子どもに気づき、必要に応じてココエールなどの関係機関へつないでいただく子どもの見守りの拠点としての機能も併せ持った、誰もが参加できる場となることを目指しております。そのため、子ども食堂の運営者による子どもの居場所づくりネットワーク会議を開催し、市からの情報提供や運営者同士の情報共有を図っており、本年5月には、ココエールから、子どもを見守る際のポイントやヤングケアラーについての研修を行うなど、市と子ども食堂の連携が深まるよう取り組んでいるところでございます。 以上です。 ◆古池もも議員 それぞれお答えいただきました。 ここからは一問一答にて伺いたいと思います。 まず、大きな1、クイーンの在り方についてです。 先ほどクイーンがまつりに参加する目的を伺いました。豊橋まつりの事業として、全校区から代表として選出し、各校区の紹介やダンスプログラムに参加することで、市民の協調・親睦に寄与することであるとお答えいただきました。 では、2回目として、今年度の参加者募集の条件について伺いたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 自治連合会において、今年度一部見直しを行っており、これまであった年齢の上限を廃止し、高校生を除く18歳以上の女性で、健康で明るく、豊橋まつりを盛り上げてくださる方の選出を基準としております。 以上でございます。 ◆古池もも議員 お答えいただきました。 今年度一部見直しがあったということでありましたけれども、1回目の御答弁にて、市民の協調・親睦のためであるとおっしゃっておられます。その目的であれば、2回目の答弁にあった女性のみという基準は必須ではないのではないかと思われます。 先ほど見直しを行ったとのお話もありました。ここ2年間、新型コロナウイルス感染症でまつりが中止されておりまして、その間にどのような見直しがなされたのか、検討の内容等を伺いたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 自治連合会としましても、豊橋まつりクイーンの選出については問題意識を持っており、令和元年度には未婚女性に限定していた基準を廃止しております。 昨年度も自治連合会の中の業務検討委員会で検討が行われ、ジェンダー平等といった社会の流れや、各校区への推薦依頼の参加目的にありました光彩を添えるの文言のほか、男性も含めることによる衣装やダンスのスタイルの変更などが意見として出されております。 こうした様々な意見が出される中、クイーンの名称や性別につきましては、引き続き、自治連合会として豊橋まつりにどのような形で参加していくことがよいのかという大きなテーマと併せ、検討することとなりました。 以上でございます。 ◆古池もも議員 検討委員会では、ジェンダー平等についてや男性の参加についても話し合われたということでありました。また、これまで各校区の推薦依頼文に目的として書かれていた光彩を添えるという文言も削除されたということでありました。少しずつ自治連合会さんがクイーンの在り方を変えようとされている状況は理解いたしました。 クイーンの参加を心待ちにしておられる方がいる一方で、地域によっては、参加者を見つけるのに毎年苦労しているという話も聞いております。私も何人かの若い女性から、実は出たくないという話も聞いたことがあります。先日お話しした方は、10代から20代の間、毎年お願いされていたけれども、ずっと断っていたとおっしゃっておられました。その理由を聞いたところ、最初は練習とか大変だしというお話だったのですけれども、少し濁しながら、本当は、あの写真がずらっと並ぶやつがあるでしょう。あれが品定めされている感じが嫌ですとおっしゃいました。この感覚、すごく私分かるのです。毎年、あの顔写真が並んだ紙面を見て、あの子がかわいい、この子がかわいいと誰かが参加者を比較している姿を目にしております。その結果、傷ついている女性もいることを知っております。勝手な物差しで人の容姿を判断することは失礼極まりないと思いますけれども、なぜか本市では毎年こうしたことが大っぴらに行われているわけです。豊橋にずっといると当たり前のような光景になっておりますが、こういった状況を外から来られた方が見て、びっくりしましたと言われこともあります。 これは、ずっと昔、クイーンをアイキャッチとして使っていた時代がきっとあって、また、先ほど未婚の方が対象だとありましたけれども、募集の際に、お見合いに有利だよと言われた方もおりまして、そういったイメージを今この時代においてもなかなか覆せないでいることが要因かなというように思います。 このような理由で校区の親睦を図るための人材が見つかりにくくなってしまうこと、これは自治連合会さんも望まない状態だと思うわけです。 今後、参加される方の性別やクイーンの名称なども含め、引き続き検討を続けていかれるということでありましたけれども、多分この2年間の話合いで、今のままでも出たい方がいるし、歴史もあるし、あえて変えなくてもいいのではないかという声がきっとあったと思うのです。反対に今、私がお伝えしたようなことは、なかなか表に出てきにくくて、検討内容には上がってこなかったのではないかと思います。 しかし、事実として、各地域から、まつりに参加すると知らない方から容姿のジャッジを受ける状態になっておりまして、私も一部の女性もこれを望んでいないと考えます。こういった状況を踏まえ、できるだけ早く、目的に沿った在り方に変わっていただくことが、本市にとっても、自治連合会にとっても好ましいことかと思います。 市民協創部は、自治連合会事務局を所管するとともに、男女共同参画も所管しておられます。このような状況に対してどのように動くべきとお考えでしょうか。今後の働きかけについて伺います。 ◎中野浩二市民協創部長 豊橋まつりクイーンにつきましては、自治連合会の事業であることから、自治連合会の考えが優先されるべきだと考えてはおります。しかしながら、先ほども述べましたとおり、自治連合会としても問題意識を持っており、今後、豊橋まつりへの参加方法が検討される際には、性別によらず、誰もが生き生きと個性や能力を発揮できる男女共同参画の視点を含め検討していただけるよう、引き続き自治連合会へ働きかけを行ってまいります。 以上でございます。 ◆古池もも議員 お答えいただきました。 自治連合会の考え方が優先されるべきですけれども、自治連合会さんも問題意識を持っていらっしゃるし、本市としても働きかけていくということでありますので、ぜひ、今、私がお伝えしたような理由で受けなかったけれども、違う形ならば出てくださった方がいたかもしれないこと、こういったことをお伝えいただきたいと思います。 もう一点伺いたいのですけれども、先日、私も自治連合会さんに連絡取らせていただきまして、少し今の状況を伺わせていただきました。中から変えていきたいといったこともおっしゃっていらっしゃったのですけれども、そのお話の中で、新聞報道などでよく使用されている、まつりの華といった文言についてお聞きいたしました。 今、様々なメディアで、豊橋まつりクイーンという紹介がありますと、大体まつりの華といった言葉がついておりまして、それを自治連合会さんとしては、そういった目的ではないし、私たちもそういった言葉は広報物などに出していない、なぜそういったことが起きているのか分からないといったことをおっしゃっておられました。今回、光彩を添えるという言葉を削除したということもありますけれども、それは内部での資料であって、それもまつりの華という言葉を連想させるからなくそうという話があったというように伺っております。長い間外に出す要素として、そのようなことは求めていらっしゃらないということでありました。 私も過去の資料を確認できるところまで調べさせていただきましたが、本市の報道発表資料にも、自治連合会さんが外に出されている資料にも、まつりの華という言葉は入っておりませんでした。これは多分ですけれども、昔、クイーンが華とみなされていた時代があった名残で、慣例的に報道で使われている可能性があるのではないかというように感じました。 新聞などのメディアは、市の報道発表や自治連合会さんの出しているお知らせよりも、ずっと市民に身近な存在でありまして、こういったメディアが慣例的に華という言葉を使用することで、今、ちょうど変化しようとしているのに意図しないイメージが固定化してしまうのではないかなと。 今年は、もう既にクイーンのまつりへの参加を決定しているわけですけれども、こういった各メディアの報道に対する本市の認識と今年度のメディアへの働きかけについて伺いたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 古池議員の言われるとおり、自治連合会からのこれまでの発表において、豊橋まつりクイーンをまつりの華という表現では紹介しておりません。男女共同参画推進条例では、何人も、広報、報道、広告等において、性別による固定的な役割分担意識を助長させる表現を行わないように留意するよう努めるものとするとしており、本市では、職員向けガイドラインの中で、女性をアイキャッチャーとして使用していないか確認するようにしております。 クイーンに対する各メディアの表現につきましても、本市の条例の趣旨やクイーンの参加目的を御理解いただいた上で、各メディアのガイドラインなどに照らし合わせ、適切に判断していただきたいと考えております。 以上でございます。 ◆古池もも議員 お答えいただきました。 まつりの華という言葉は、女性をアイキャッチャーとして捉えているものであると。本市はそのような表現は使わないし、クイーンもその扱いではない。各メディアにおいては、目的を理解いただいた上で表現してほしいというような内容の御答弁だったかと思います。 直接報道機関にその言葉を使わないでということが言えないというのは理解できるわけです。ただ、今の御答弁だと特別アクションはないよということなのですけれども、もし各メディアが慣例的にこういった言葉を用いているだけだとしたら、何かしら市から表明がない限り、あえて変えないというように思うのです。市とか自治連合会さんからですね。まだクイーン発表やまつりの開催まで時間がありますので、こういった今の変化ですとか参加目的をメディアに理解していただく方法をもう少しお考えいただけたらというように思います。 本当に大事なのは市民が積極的に参加していただくことですので、本市におかれましては、現状の課題を整理して、各地域の参加の対象が広がり、活躍の場が増えて、交流の場が増えるような状態を目指して働きかけを行っていただくことに期待をいたします。 この件に関しては終わります。 次に、大きな2についてです。 各窓口での状況をお伺いいたしました。御答弁では、御高齢であったり障害のある御本人である場合、何を聞いたらいいのか分からない、やることが多くて理解できない、また、一度では頭に入らないといった声がある。また、子育て世帯を対応する窓口では、一度に多くの手続きと制度の説明を行うことがあるため、必要な手続を必要なタイミングで実施できなかったり、郵送の書類の内容が難しいなどとの問合せが多くあるといった御答弁をいただきました。 対応としては、各課でそれぞれ求めることを察して工夫したり改善を試みていただいているといった状況もお答えいただきました。 もう本当に、お答えを伺うだけで、窓口で精いっぱい対応いただいている職員の皆様の姿が思い浮かんで頭が上がらないわけですけれども、そのような御対応をいただいているにもかかわらず、実際は、今、お答えいただいた窓口で、昨年度や今年度、少し分からなくてというような御相談をいただいています。 私自身は、窓口対応の時間をこれ以上延ばしてほしいとか、そういったことを求めているわけではなくて、ただ、今はもう目いっぱいやっていただいているけれども、まだ分からないという方がいらっしゃるし、特に今は課題感が強いと考えられている窓口なので、多分ほかの課に比べて、より接遇に気をつけていただいていると思うのですけれども、そこでもそういった問題がまだ起きているということは全庁的に多分課題としてはあるのではないかというように思うわけです。 この分からないという方が何でこういうようになってしまうかというと、ちょっとお話聞いたりする中で感じるのは、分からないということが聞けないのです。どうしてかというと、恥ずかしいからです。当然分かるでしょうというようにしゃべっているように担当者の顔が見えるわけです。ちょっと難しい言葉が出てくると、分かったふりをしてしまうと、そういう状況があると思われます。実際、本市でいろいろ支援されている方にも聞きましたけれども、やはりそういったことが起こっているというような話は確認しております。自分自身もやはり知ったような顔をして後で調べるみたいなことはあるので、すごくそういう気持ちは分かるわけです。これは、私だったら後で調べるわけですけれども、精神的に追い詰められているときや余裕がないとき、もしくは誰かに自分は普通じゃないと、ちょっとおかしいぞみたいなことを思われたくないみたいなことを思うとき、人はそういった困難を隠してしまうものだと思うわけです。でも、余裕がないから調べられないし、もういいとなってしまう、そういったことが起きていると思われます。本人は窓口で必死に隠しているわけですから、この状況をその場で職員が察することは非常に難しいと思うわけであります。 では、これをどういうように解決していくかということでありますけれども、例えばですが、私は多文化共生・国際課で行われている接遇を全庁的に行うことで改善が図られるのではないかというように考えました。多文化共生・国際課の窓口では、相談に来られた方に、もう当然分かりますよねという顔はしてないはずです。困ってますよね、何でも言ってください、聞きますよみたいな対応を行っているはずです。 では、ほかの窓口で日本人に向けてそういった対応ができているかというと、決してそうではないのではないかと思うわけです。やはり、日本人だから分かりますよねみたいな対応になってしまっていると思います。 先ほども各課の対応をお伺いしたところでありますけれども、少し前から多文化共生・国際課さんによるやさしい日本語の講習をほかの課に向けても行っていただいているというお話も少しお聞きいたしました。その内容と合わせて、2回目として、現在、全庁的に行っている接遇研修の状況について伺いたいと思います。 ◎加藤智久総務部長 先ほどそれぞれの部長がお答えしましたとおり、各所属の状況に合わせた日々のOJT研修を重ね、実務に当たっているところでございますが、加えて、接遇研修や各所属の多文化共生推進員を対象としたやさしい日本語研修を実施しております。 この研修では、外国人だけではなく、子どもや高齢者、障害のある方など、来庁する全ての市民にとって分かりやすい説明をするために必要な知識を習得することを目的としており、全ての方にとって市役所での手続や申請が分かりやすいものになるように努めております。 また、研修の資料は、パソコン上で職員が誰でも閲覧できるようにしておりまして、市民に向けた資料を作成する際などには参考とするように周知をしております。 以上でございます。 ◆古池もも議員 お答えいただきました。 現在は、各課の窓口におられる推進員の方に研修を行っていただいていて、それをまた各個人の、窓口の方もウェブサイト上というかパソコンで確認しながら対応することができるということでありました。 このお答えいただきましたやさしい日本語の講座の内容、私も少し拝見させていただいたのですけれども、やさしい日本語の使い方が主ではあるものの、相手の状況を想像し、聞き出す手法みたいなことも含まれていて、すばらしい内容の講習だというように思っております。 今回、私が少し聞きたかったのは、多分今、窓口で対応されているときに、ほとんどの方は困ってないと思うのです。私が今言っている方は物すごい少ない少数派の方だと思うのですね。ただ、9割の方が問題を感じていないからそれでいいではなくて、困っている1割の方に焦点を当てて、そこをその方が困らないようにした場合に、9割の方も当然もっと使いやすくなるというか、便利になるよということだと思うので、そこに少し焦点当ててほしいなという話なのです。 このやさしい日本語の講座、先ほどおっしゃっていましたね。外国人だけではなくて、子どもや高齢者、障害のある方、全ての方に分かりやすく理解しやすい伝え方だよと。これはすごく浸透してほしい考え方なのです。やはり外国籍だから日本人だからと大きく分けるとか、困っている人と困っていない人だから大きく分けるとか、そういった対応をすると、どこかではまってしまう方が、対応から漏れてしまう方が出てしまうと。ですので、一番困っている方に対しての、その方が困らない接遇というか、直接の応対だけでなくて、窓口の周辺の貼り紙ですとか案内の在り方とか、そういったことの視点を、一般の人は困らないだろうではなくて、困っている人はどうなのだろうということをメインに据えることできっと変わると思うのです。そうしたことをやっていただきたい、やっていただけないかという、今回そのために質問をしているのですけれども。 先ほど、それぞれパソコンでそれを調べてこういった書類が作れるよということでありましたけれども、その書類が作れるということを、その書類をいつ使うかとか、基本的に市役所の職員が、考えるときに誰をメインに置くかみたいなことを、そういった考え方を少し変えていただきたい、そういう意識を職員お一人お一人に持っていただけないかというように自分としては感じているのですけれども、本市として、この接遇、分からないと思っている方がいらっしゃって、少数ではあるけれども、そういった人たちの困り事を解決するためにどのようなことができるとお考えか、そういったことの本市の認識などを伺えたらというように思っております。 ◎加藤智久総務部長 市民に最も身近な行政機関である市役所で働く職員は、市民にとって来庁しやすく親しみのある存在でなければなりません。そのためには、職員一人一人がおもてなしの心を強く持ち、市民に寄り添った親切な態度、分かりやすい説明を心がけていくことが大切であると考えております。 今後もこれまで行ってきた取組を継続的に行い、職員が市民それぞれの立場や状況を理解し、最善の行政サービスを提供できるよう、職員の接遇能力向上や意識啓発に努めてまいります。 以上でございます。 ◆古池もも議員 お答えいただきました。 私が今日言ったことで、それをやれば全て大丈夫みたいなことも全く思っておりませんし、本当にこの社会変化とともに課題が複雑、多様化している中で、もう皆様、本当にやっていただいていると思っているのです。ただ、今後全庁的に、例えば書類がデジタル化していくですとか業務の改善を行っていく中で、どのような目線で、どのような方を対象に据えて変えていくかということで内容は変わってくるかと思いますので、ぜひ困難な状況である市民がためらいなくサービスが使え、分からないと感じない、そのような接遇、そういった書類の作り方みたいなことを目指していただけないかなというように思います。 この件に関しては終わります。 大きな3について続けていきます。御答弁の(1)、(2)をまとめてお伺いしたいというように思います。 子ども食堂の本市のイメージについてでありますけれども、子ども食堂の取組が市内の多くの地域に広がっている一方で、貧困家庭のみが対象というイメージが広がっている、また、親が子どもに行っちゃいかんと言っているという状況があるというようなことを御認識されているということでありました。また、本市としては、こういったイメージを払拭したいというお考えであるとも伺いました。また、子ども食堂が居場所としての機能のほか、見守りの拠点としてもなっていただきたい、そういったことを目指していただいているということでありましたので、そのことについて、最後、1回だけ聞きたいと思っております。 私も、子どもが友達と一緒に子ども食堂に行って、すごく楽しくて、そこへまた通いたいなと言っていたのに、親にそのことを帰って言ったら、そんなところ、絶対もう行っちゃ駄目と言われたという話を直接聞きました。ほかにも、本当に心ない言葉をかけられたといった話も伺っております。 いろいろ複雑だと思うのです。御本人が貧困と見られたくないというパターンもありますし、何となく貧困の場所だから行っちゃいけないとか、すごい偏見を持っている方もいらっしゃる。困っているかいないかのジャッジというのは第三者にはできませんし、経済的な困難だけでなくて、例えば、子どもが一時的に少しどこかへ寄って帰りたいですとか、学校と家庭以外の大人と話をしたい、相談したいみたいなときもありますし、子どもが本当に気軽に立ち寄れる、安全な場所みたいな場所として、そこの地域の子ども食堂が受け入れているならですけれども、どのような子どもたちも親もいつでも利用できる、そのような場所になったときに、初めて困った家庭が抵抗なく利用できるようになると、そのように思っております。 ですから、本市は、この市民の中に子ども食堂への偏見がある状況に対して、どのような取組が必要と考えているのか伺いたいと思うのですけれども、あわせて、市内に子ども食堂という機能だけでなくて、多世代が集まる場所として、いい形の相乗効果を生んでいる場所があるということも承知しています。この間、本市ではココエールと子ども食堂をつないでいただいたわけですけれども、例えば、長寿介護課さんと子ども食堂のつなぎを今よりもう少し強めていただいて、多世代の場所としての在り方を広げていく、こうしたことが、また子どもの困っている、貧困の特別な子どもだけの居場所みたいなイメージを変える一つの手になり得るかなというように考えます。 以上を受けて、子ども食堂に対する本市の今後の取組についても伺いたいと思います。 ◎角野洋子こども未来部長 子ども食堂が全ての子どもの居場所であることを広く周知・啓発するため、市が作成しております市内の子ども食堂を紹介する子ども食堂マップの名称を変更し、誰でも参加できる場所であることを記載するとともに、運営者が作成するチラシなどにおいても同様の意図が伝わるよう助言などをしてまいります。 また、子ども食堂が、子どものみならず、多世代の方が集まるみんなの居場所となることで、子どもと高齢者の触れ合いや地域のにぎわいづくりなど、多くの相乗効果が生まれることも期待しておりますことから、地域の支え合い活動などと連携した取組についても、今後勉強してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆古池もも議員 お答えいただきました。 まずはマップの名前を変えていただくと。誰でも参加できる場所であるということを記載いただくということでありました。 また、子ども食堂が、子どもだけでなく、多世代が集まる居場所となることも前向きにお考えいただいているということを理解いたしました。 本市の取組によって、子ども食堂に対するイメージが変わって、子ども食堂を利用される方も、協力される方も増えていくこと、また、多世代の居場所が各地域に広がっていくことに期待して、私の全ての質問を終わります。----------------------------------- ○堀田伸一議長 この際、休憩いたします。     午前11時58分休憩-----------------------------------     午後1時再開     〔副議長、議長と交代し、議長席に着く〕 ○近藤喜典副議長 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。----------------------------------- 次に、石河貫治議員。     〔石河貫治議員登壇〕 ◆石河貫治議員 自由民主党豊橋市議団、石河貫治、通告に従いまして、ただいまより一般質問いたします。 今回、私からは大きく1問、本市における遊休農地に対する課題と利活用について、一問一答方式で伺ってまいります。 農業者と話す機会が幾度もありまして、その会話の中で最近よく聞くのが、豊橋の人口が減っているというのはよく聞くし、実際そうなのだろうけれども、農業の担い手はもっと速いスピードで減っているよとか、あと、昔は手広くやっていた人も、今は高齢になって作付面積を減らしているよ、こんな仕事、息子たちに継いでもらおうと思わん、というような声を度々聞くようになっております。その声を頂き、実際にその方たちに近隣の農地を見せていただきまして、手入れはしてあるけれども耕作していないような農地を見せていただきました。 質問に入る前に、少しだけ説明しておきますと、過去の一般質問や質疑において、耕作放棄地という言葉が何人もの議員から出ていると思います。耕作放棄地というと、以前は耕作していた土地だけれども、過去1年以上にわたって作付しないで、耕作を放棄してしまったことによって荒廃してしまい、客観的に見て、通常の農作業では農作物の栽培が不可能と判断される農地のことを指すそうです。そして、過去の会議録を見て、耕作放棄地は増えていることを確認しております。 一方、今回の遊休農地とは、農地法で定義されているのは、1、現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されていないと見込まれる農地、2、その農業上の利用の程度がその周辺の地域における農地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる農地(1の農地を除く)と記されております。農地の有効利用に向けて措置を講ずれば再生可能な農地のことを指しております。 今回、私は、この遊休農地に対する課題と今後の利活用についてという形で質問してまいります。 本市は、全国的な傾向と同じように、少子高齢化が続いております。これについては様々な分野に影響が出ていることがうかがえます。農業に携わる人口についても、冒頭で述べたように、会話の中でも出てくるように、農業人口は減っております。農業から離れて一般企業に就職する若者も増えているかと思います。 以前から農家の方や農業従事者以外の方からも、豊橋市内における農地で手つかずの土地が増えていないか、豊橋市としてはそういう点をどう考えているんだと聞かれることがあります。さきに述べた耕作放棄地については、ほかの議員が委員会や一般質問で質問した際に、増加傾向であり対策を講じる必要があるとの答弁内容もあったと記憶しております。 では、遊休農地は現在どのような状況になっているのか。それについて大きな1の(1)のアとして、本市における遊休農地の面積について伺います。 次に、イとして、先ほども少し触れましたが、遊休農地になる原因について伺います。そして、ウとして、本市は遊休農地所有者の考えを把握しているかについて伺います。 次に、農林水産省が今年発表した農山漁村発イノベーションの推進についてという資料がございます。これについては、皆さん、お手元のパソコンを使ってインターネットで調べていただければ、農林水産省のホームページから検索できますので、あえてこの場で資料は提示しませんが、その資料によりますと、国土の割合として、日本の総面積を100%とした場合、宅地の5%に対して農地が12%とあります。もちろんその中に遊休農地も含まれている形になっております。 その資料にいろいろ書かれている中に、農山漁村発イノベーションによる雇用・所得の創出とうたわれています。農林水産省としては、今まで取り組んできた農林漁業の6次産業化を本年度からさらに発展させる形として、地域の文化・歴史や森林・景観など、農林水産物以外の様々な地域資源の活用、農林漁業者だけでなく、地元の企業なども含めた多様な事業主体との連携によって、新事業や付加価値を創出していく取組を支援して、農業所得と雇用の確保、地域の活性化を目指す方針になりました。 農山漁村発イノベーション等整備事業は幾つもの分野に分かれていますが、その中に産業支援型という事業があります。そして、6次産業化の一つの展開として農家レストランと記載されています。私が調べた限り、この農家レストランは既に全国各地に存在しておりますが、本市においては今のところ1軒も確認できておりません。 そこで、大きい1の(2)として、遊休農地の利活用について、本市はどのようにお考えなのか伺います。 以上を1回目の質問といたします。 ◎河合博文産業部長 大きな1(1)ア、イ、ウ、本市における遊休農地に対する課題についてでございますが、関連いたしますので、まとめてお答えいたします。 アの本市の遊休農地面積でございますが、令和2年の農地利用状況調査では174ヘクタールで、本市の農地面積7,490ヘクタールの約2.32%となっております。 次に、イの遊休農地となる原因としましては、農業者の高齢化や後継者不足、農業者以外が相続者となったことにより農地管理ができないこと、また、農地が狭小地あるいは不整形地、また、水が通っていない、かんがい設備がないといった土地条件が悪いことなどが原因と考えております。 最後に、ウの遊休農地の所有者の考えといたしましては、ほかの農業者から農地利用希望があれば、貸借手続をして利用者に管理してもらいたい、農地を手放したいという声が多いと認識しております。 次に、大きな1(2)遊休農地の利活用に対する本市の考えでございますが、農地の有効活用が図られるよう、地域における農業者の今後の農地利用についての意向を的確に把握し、市、農業委員会、関係団体等が密接に連携した上で、貸借などにより意欲ある農家に農地を集積する取組を引き続き進めていくことが重要であると考えております。 一方で、新たな流れといたしまして、石河議員の説明にもありましたが、6次産業化を推進し、農家所得の向上を図る観点から、一定の要件を満たす農家レストランにつきましては、近年、農振農用地区域内に農業用施設として設置が認められるようになりましたので、こういった手法も遊休農地の活用法の一つと考えております。 以上でございます。 ◆石河貫治議員 それぞれ御答弁いただきました。 ここからは一問一答で質問を続けていきます。 まず、1の(1)について、ア、イ、ウをまとめた形で御答弁いただきました。 事前に伺った情報によりますと、耕作放棄地に比べ、遊休農地は減少してきているということでした。これについては、考えると分かることかと思いますが、耕作をやめると、当初は手入れが行き届いたままの状態なので遊休農地として扱われると思います。しかし、これが時間の経過とともに、そのまま放っておけば荒廃してしまい、耕作放棄地として扱われるというイメージで合っているかと思います。 それを考えると、農業者の高齢化や後継者不足、農業者以外が相続者になったことが原因で、当初は遊休農地になっていた土地も、そのままにしておくことが耕作放棄地になる原因の一つであるということも想像できるかと思います。 ウについての御答弁の中で、農業者の中には、自分の手元に置いておきたくないという声も多いとのお話もありました。 では、(1)の2回目の質問としまして、遊休農地の所有者が他の農業者から農地利用希望があった場合、貸借の手続をして管理してもらいたい、農地を手放したいという考えに対し、本市としては現状ではどのように対応していらっしゃるのか伺います。 ◎河合博文産業部長 毎年、市と農業委員会が共同して行う現地確認におきまして、遊休農地を確認した場合、耕作されていない農地の所有者に対し、農地利用の意向調査を実施しております。その中で、所有者から、農地の管理を誰かに任せたいという意向が示されれば、農地中間管理機構制度を活用し、市も意欲ある農家に貸借できる農地の紹介をしております。 しかし、一定期間耕作していなかった農地の貸借はハードルが高いため、草刈りや耕起などにより貸借や売買しやすい農地へ戻すよう働きかけておりまして、市では、草刈り用農業機械のリースや農地復元に要する費用の一部を補助しております。 以上でございます。 ◆石河貫治議員 御答弁いただきました。 本市の所有者に対する現在の対応状況は理解できました。遊休農地所有者に対して意向調査を実施。その中で、所有者から、遊休農地を誰かに移管したいという意向があれば紹介するなどの対応をしていただけると。それから、農地の環境次第では草刈り用の機材のリースや費用の一部負担もしていただけるということで、所有者の声には一定耳を傾けて動いていただいているという点については安心いたしました。 (1)については、ここまでにとどめます。 次に、先ほどの(2)について。 1回目の御答弁では、遊休農地の利活用についての考え方として、6次産業化、さらにその一環としての農家レストランについて伺いました。そして、今、(1)の2回目の答弁でも、現在の対応も説明していただきました。 では、大きい1の(2)の1回目の御答弁の中にもありましたけれども、6次産業化を推進し、農家所得の向上を図るという観点から、一定の要件を満たす農家レストランについては、農振農用地区域内に設置が認められるようになっており、これが遊休農地の活用法の一つとなっているとあり、また、私が調べたところによりますと、農家レストランは全国各地でもあると先ほど述べましたが、既に1,000軒以上もございまして、それらは、一部地域では農業収益の増加だけでなく、それ以外の様々な効果も上げて注目されてきているようです。 愛知県内ですと、知多地方や奥三河地方に農家レストランがあり、隣の静岡県でも農家レストランが増えてきているようです。しかし、先ほども述べましたけれども、豊橋市内には1軒も確認できません。この農家レストランを開設する場合の課題を本市としてはどのように捉えられているのか、2回目の質問として伺います。 ◎河合博文産業部長 農家レストランを開設するには多くの課題をクリアする必要があると考えますが、最も大きな課題は、異業種である農業と飲食業の両立だと思います。具体的には、飲食業を運営するノウハウの取得であり、調理技術はもとより、接客、財務管理、マーケティングのノウハウ、こういった農業とは異なる知識が必要であり、また、当然ながら、農業の傍ら飲食業を営むこととなりますので、そのための時間も必要となります。 さらに、飲食店として食品衛生法に基づく許可や、市街化調整区域に係る開発行為に関しましては都市計画法上の開発許可が必要となるなど、農業関連以外の法的な制約へも対応していただく必要がございます。 以上でございます。 ◆石河貫治議員 御答弁いただきました。 今の内容ですと、農業と飲食業の両立が課題ということでしたけれども、農業者に限らず、何らかの仕事をしている方が、それと別に飲食店を経営しようと思えば、そういう壁はあるのは当たり前のことでありまして、そこに壁を感じるような人であれば、最初からチャレンジもしないとは思います。 事前に得た情報によりますと、農家レストランは、農業者単独で経営する必要はないと伺っております。調理できる人や接客する人も雇っていいというように伺っております。財務管理に関しても、そもそも農業経営でもやっている方が多いかと思いますし、飲食店で別途必要であれば、その関係の専門家に仕事として依頼してもいいわけです。 確かに法的な制約などクリアしなければいけない部分はあるかとは思いますが、国、農林水産省が推奨している事業の範囲内のことなので、やりたいという人がいるのであれば、そこを手助けしてあげるというのも行政の仕事ではないでしょうか。今の御答弁を聞きますと、何となくやってみようという気持ちもそがれてしまうような、そのような答弁の内容と感じるところもございます。本市の活性化を考えている行政としては、農業の新しい取組によって農業所得の増加だけでなく、飲食業としての収益、後継ぎ問題の解消、市外からの観光客の増加、雇用の増加にもつながる可能性がある農家レストランについては、希望する方がいて、法の範囲内であれば前向きで適切な手助けをしていただきたいと思います。 先日、豊橋市内の農業者主体で、愛知県、岐阜県、静岡県、長野県、滋賀県、この5県の20軒以上の農家が集ってオープンファームという農場開放イベントが開催されました。市役所の方がそちらのほうを訪れたかどうかは、私は行きましたけれども、ちょうど出会わなかったので分かりませんが、私も時間の限りがあったので、市内の農場を数軒見学させていただいただけなのですが、その数軒だけでも非常に多くの人が来場していました。訪問していたのは、車を見ますと、豊橋ナンバーだけでなく、市外、県外ナンバーの自動車が何台も来場しており、親子連れや家族連れで多くの方が見えており、中には用意した駐車場が一時満車になっている農場もございました。興味を引くイベント内容で、効果的な告知ができれば人は集まりやすくなっている状況ではないかというようにも感じております。 では、先ほどの答弁にあったように、希望する農家が課題を認識しており、それでも新たな取組の一環として農家レストランを含めた6次産業化に取り組む場合の支援体制について、(2)の3回目の質問として、市としてはどのように対応するのか、お伺いします。 ◎河合博文産業部長 6次産業化の支援といたしましては、生産者等を対象とした6次産業化支援セミナーを定期的に開催しており、商品開発や販路開拓、道の駅とよはしを活用しました試験販売の機会提供など、取組意欲のある農家の支援を行っております。さらに、6次産業化を進める際に、国の農山漁村振興交付金の獲得に向け、申請書類の作成協力のほか、県の6次化サポートセンターへの仲介も実施しております。 一方、農家レストランにつきましては、現在取り組まれる農家はおりませんが、当地域の新鮮で質の高い農産物を提供する場としてプロモーション的にも有効な取組であることから、しっかりと対応してまいります。 以上でございます。 ◆石河貫治議員 御答弁いただきました。 6次産業化については、実際に取り組んでいる個人や任意団体をよく見かけます。道の駅とよはしでもマルシェなどを行ってにぎわっている光景を非常によく見かけます。豊橋ですと、女性で結成された農業女子チーム、おしゃれ農女の皆さんをはじめとする女性たちの活躍の場を広げております。支援セミナーや試験販売の機会提供なども行っていらっしゃるというお話でした。農業者の中には、農家レストランの存在をまだ知らないという方も多くいらっしゃると思います。しかし、情報を得たら挑戦したい、個人ではできなくても、仲間と一緒に共同で挑戦したいと思う方も多くいらっしゃいます。私もそのような相談やお話を受けたことが何度かあります。欲を言えば、道の駅とよはしが完成するときに、その敷地内、もしくは隣接した土地に試験的にそういったようなチャレンジできる飲食店設備を整えた設備があったら、市としての支援体制はもっと積極的なものになったのではないかなと、今さらながらに思うところではございますけれども。 全国各地で既に開設されている農家レストランを調べてみますと、ただ単に農業所得の向上というだけでなく、古民家や空き家や廃校になった施設を活用することによる空き家対策、異業種の企業との連携による異業種交流、観光客、旅行客が来ることによる観光収益の増加、農業体験や調理体験による子どもへの食育など様々なメリットがあるようです。 今まで農業では、後を継ぎたくないと思う次世代も、考え方が変わることで後継ぎ問題の解消につながる可能性も十分考えられるかと思います。遊休農地を効果的に利活用することによって、豊橋市の魅力、豊橋産の農林水産物の認知度を高め、さらには農業者も活躍の場を広げることができるのではないかと感じる部分がございます。 新しい取組に挑戦するためには、様々な障壁はある程度付き物だと思います。しかし、農家レストランについては、当地域の新鮮で質の高い農産物を提供する場として、プロモーション的にも有効な取組であることから、しっかりと対応してまいりますと力強いお言葉をいただきました。 豊橋南部には、先ほども話に出しましたが、既に道の駅とよはしがあります。そして、今後、豊橋北部には豊橋新城スマートインターチェンジが新規事業化決定しておりますし、国土交通省中部地方整備局が発表した浜松湖西豊橋道路の求められる機能の資料では、農作物の物流強化と観光エリア拡大を期待するという文章も記載されております。これらを好機として捉えて、道路インフラを進めながら、観光客や来訪者を受け入れる施設の整備、それらを推進していくことも大切だと感じております。遊休農地の利活用を推し進めることにより、農業面からでも、本市が人が呼び込める活気あるまちになることを期待しまして、私からの一般質問は終了します。----------------------------------- ○近藤喜典副議長 次に、小原昌子議員。     〔小原昌子議員登壇〕 ◆小原昌子議員 議長のお許しをいただき、通告に従い一問一答方式にて一般質問をさせていただきます。 大きな1として、設楽ダム建設事業の計画変更について 設楽ダムは、豊川で幾度となく繰り返されている洪水氾濫と頻発する渇水の被害から人々の暮らしを守るために、そして、活力に満ちた東三河地域の発展に貢献するために、1973年に計画が公表されました。その後、2009年に、当時の民主党政権の方針で再検証の対象となった経緯はありましたが、2014年に国が計画の継続を決定して以来、東三河地域として早期の完成を待ち望んでおりました。 しかし、国土交通省中部地方整備局は、5月17日に、建設中の設楽ダムの完成時期が現行計画から8年遅れ、2034年度となる見通しと、総事業費についても約800億円増の約3,200億円となる見通しを公表されました。大変な衝撃でありましたが、今回の事業の計画変更に伴い、豊川下流域の治水対策も含め、本市にどのような影響があるのか大変気になるところであります。 そこで、設楽ダム建設事業の計画変更について、以下2点お伺いいたします。 (1)本市への影響について (2)豊川の治水対策の取り組み状況について、お伺いします。 大きな2として、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みについて 日本は、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行しています。本市の高齢化率の推移を見ましても、2010年、19.7%、2015年、23.7%、2020年、25.4%、そして、今年の4月の時点での高齢者人口は9万7,000人を超えており、高齢化率も26.1%と、4人に1人が高齢者となっております。 このような状況の中で、団塊の世代が75歳となる2025年以降は、医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれており、国は、2025年度をめどに高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的とし、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しているところであります。 本市においては、第8期豊橋市高齢者福祉計画を地域包括ケアシステムの推進計画として位置づけ、地域包括ケアシステムの推進を図っていることは理解しておりますが、本市における地域包括ケアシステムの構築に向けた取組について、以下2点お伺いいたします。 (1)地域包括ケアシステムの推進に向けた本市のこれまでの取り組みについて (2)地域包括ケアシステムの現状の評価と課題について、お伺いします。 大きな3として、本市における地球温暖化対策について 近年、国内外で様々な気象災害が発生しており、今後、豪雨や猛暑のリスクがさらに高まることが予想されています。日本においても、農林水産業、自然・生態系、自然災害、健康・産業への影響が出ると指摘されているところであります。 国は2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、法に位置づけるために、2021年、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正、地球温暖化対策計画についても5年ぶりに改訂されました。 そうした中で、本市は昨年11月、ゼロカーボンシティとよはし宣言を表明され、2021年からスタートしている第2次豊橋市地球温暖化対策地域推進計画2021-2030において、昨年4月、国の目標値引上げに伴い、今年3月、温室効果ガス排出料を2030年度に2015年度比で26%削減から46%削減へ目標値を引き上げる改訂を行い、その取組をスタートされております。 そこで、地球温暖化対策について、以下2点、お伺いします。 (1)本市における地球温暖化対策に対する基本的な考え方について 3月に改定された第2次豊橋市地球温暖化対策地域推進計画では、温室効果ガス排出削減目標の目標値と部門別CO2排出削減目標の目標値を、短期目標、中期目標ともに大幅に変更しています。計画期間の最終年度である2030年度まで約9年、達成可能な数値であるのか危惧しております。 そこで、本市における地球温暖化対策に対する基本的な考え方についてお伺いします。 (2)第2次豊橋市地球温暖化対策地域推進計画における取り組みの現況と課題について、お伺いいたします。 以上を1回目の質問といたします。 ◎広地学企画部長 それでは、大きな1の(1)設楽ダム建設事業計画変更に伴う本市への影響についてでございます。 本市を含む東三河地域は、古くから豊川の水によって深く結びつき、上下流が一体となって発展してきた一方で、長年、渇水や水害に悩まされてまいりました。こうしたことから、恒久的・安定的な水の確保、及び繰り返される洪水・氾濫から人々の暮らしを守るための利水、治水、流水の正常な機能維持の三つの役割を持つ設楽ダムの完成は、豊川下流域の住民や自治体にとって長年の悲願であります。 今回、工期と事業費の見直しの必要性が示されたところですが、工期が延期されることは、設楽ダムが持つ利水や治水等の効果の発現が遅れ、渇水や洪水などによって住民生活や農業などの経済活動への影響が懸念されるところでございます。 一方、設楽ダム建設事業費につきましては、国及び愛知県が負担をしており、今回の事業費増に伴う本市への直接的な影響はございません。 以上でございます。 ◎前田幸弘建設部長 大きな1(2)豊川の治水対策の取り組み状況についてでございます。 豊川の治水対策につきましては、令和2年度末に策定されました豊川水系流域治水プロジェクトに基づき、流域の関係者が一体となって河道掘削、樹木伐採、緊急しゅんせつ推進事業など取組を進め、洪水時の被害軽減につなげているところでございます。 その中でも、賀茂、下条、牛川の3地区あります霞堤地区においては、豊川霞堤地区浸水被害軽減対策計画に基づき、ソフト対策として霞堤地区の浸水情報を正確に把握するためのCCTVカメラや簡易水位計の設置などが進められてきました。 また、ハード対策としまして、国の事業として小堤設置が計画されており、現在、築堤、樋門設置に向けた用地買収及び設計業務が進められているところでございます。 以上です。 ◎川島加恵福祉部長 大きな2(1)地域包括ケアシステムの推進に向けた本市のこれまでの取り組みについてでございます。 本市ではこれまで、地域包括ケアシステムの推進に関する様々な取組を行ってまいりました。具体的には、高齢者の総合相談窓口となる市内18か所の地域包括支援センターにおいて、生活全般に関する相談対応や介護保険サービスへの橋渡しなどを行うほか、困り事を抱えた高齢者を地域で支えるため地域ケア会議を開催し、地域の方とともに支援策の検討を行っています。さらに、医療関係者と連携し、認知症や在宅医療、飲み残し薬の削減に関する取組なども進めているところです。また、介護保険者である東三河広域連合と連携し、介護人材の育成・確保や地域密着型サービスの整備のほか、介護保険基盤の安定運営に努めています。加えて、増加する独居高齢者への対応として、緊急通報装置の設置や居場所づくりを推進するほか、民生委員や老人クラブなどの地縁団体とも連携し、個別訪問などの見守りを実施しています。 続きまして、大きな2(2)地域包括ケアシステムの現状の評価と課題についてです。 これまでの評価といたしましては、様々な取組の結果により、運動自主グループの増加や認知症行方不明者の早期発見体制の構築、また地域における居場所づくりなど一定の成果が上がっているものと考えています。 しかしながら、2025年には団塊の世代の全ての方が75歳以上となり、後期高齢者人口が大きく増加するほか、さらにその先も2040年頃まで高齢者人口が増加し続ける見込みとなっています。高齢者の暮らしには栄養や服薬管理などの医療的な分野から独居や収入への不安などの生活分野まで多岐にわたる支援が必要であることから、課題としましては、増加し続ける高齢者をめぐる様々な問題に対応していくための体制の強化が必要であると考えています。 以上です。 ◎山本誠二環境部長 私からは、大きな3の(1)本市における地球温暖化対策に対する基本的な考え方についてでございます。 地球温暖化の原因となる温室効果ガスは、私たちの日常生活や日々の事業活動全般にわたって排出されますことから、その防止に向けましては、産業、家庭、運輸などの部門ごとに、その特徴を捉え、幅広く対策を行うことが必要となります。そこで今後は、施策として節電・省エネ、再生可能エネルギー、交通・次世代自動車、リサイクルの推進、そして、環境教育の5本柱で取組を進めていくことを本市の基本的な考え方としております。 2030年46%削減という目標を達成するためには、身近な家庭部門を例に挙げますと、市内約15万世帯が全て戸建て住宅とした場合に、全ての世帯に太陽光パネルが設置されているだけの電力を生み出す状態が必要となります。現在の家庭用太陽光パネルの設置が約1万3,000世帯にとどまっていることを考えても、この目標数値は非常に高く、家庭部門以外の創エネも含めて、強力に推し進めないといけないことが分かります。 また、排出量全体の半数以上を占める産業部門、運輸部門における削減目標量は、国に準じて高い設定となっておりますが、国が昨年、2兆円規模の基金を創設し、さらに20兆円規模の国債発行が議論されていることからも分かるように、脱炭素化の今後の技術革新に本市も大きく依存しなければ、目標達成は厳しい状況となってしまいます。 こうした状況ではありますが、我々は、積極的な創エネと徹底した省エネ行動をまずは市が率先して示した上で、設備導入費に対する助成制度の拡充と幅広い世帯への普及啓発活動を積極的に行い続けることで、高い目標に向かって一歩ずつ着実に進めていくことが必要であると考えております。 続きまして、大きな3の(2)第2次豊橋市地球温暖化対策地域推進計画における取り組みの現況と課題についてでございます。 本計画の策定に当たり実施したアンケート結果によりますと、市民の約90%が地球温暖化に関心を持っていると回答しており、約75%が自分にできる身近なことから行動すると答えております。また、事業者においても、約50%が環境への配慮は社会的責任であり必要不可欠であると答えております。これまでの普及啓発や環境学習活動等の地道な取組により、この問題に対する理解の深まり、意識の向上が着実に進んでいるものと考えます。 しかしながら、アンケート結果からは、まだまだふだんの生活の中でできる節電や省エネ行動で実施率の低いものも見られましたことから、今後いかに効果的な啓発により具体的な行動につなげていくかが省エネ活動の課題だと認識をしております。 再エネ設備の導入などの、いわゆる創エネ活動につきましては、主力となる太陽光パネルがFIT、国の固定価格買取制度や本市の助成制度により、市内においても昨年1年間に180世帯余りで設置がされておりますが、まだまだ高い目標値にはほど遠い実績値となっております。 こうしたことから、省エネ活動については、今後もさらなる普及促進を図る必要があるところですが、一方では、パネルの反射光や土砂流出など、周辺環境への影響から地域住民とトラブルになるケースも各地で増加しつつあり、今後は促進と規制のバランスを適切に保っていくことも課題だと認識しております。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 それぞれにお答えをいただきましたので、これよりは一問一答方式にて質問させていただきます。 大きな1(1)本市への影響についてでありますが、ダムが持つ効果の発現が遅れ、住民生活や農業、工業などの経済活動への影響が懸念されること、一方、建設事業費については、本市への直接的な影響はないことを確認いたしました。 今回の計画変更は、法改正に伴う働き方改革や物価上昇、実質調査結果によるダム本体及び付替道路の工法変更等によるもので、やむを得ない状況であることは理解しなければなりませんが、渇水や洪水などの影響を思うと、8年の延伸は残念でなりません。 (2)豊川の治水対策の取り組み状況についても確認いたしました。 豊川水系流域治水プロジェクトは、令和元年、東日本台風において各地で戦後最大を超える洪水により甚大な被害が発生したことを踏まえ、ダムの建設事業を含めて、流域全体の浸水被害の軽減を図ることが可能となる豊川水系における事前防災対策であります。 そして、豊川霞堤地区浸水被害軽減対策計画は、豊川における霞堤地区内の浸水被害の軽減を図るための計画であり、豊川の治水対策として重要な取組でありますので、計画に沿って、遅れることなく進めていただくことを望んでおります。 そこで、(1)(2)を合わせた形でお伺いしますが、事業計画が8年延伸することに伴い、ダム全体のスケジュールはどのようになるのか、お伺いいたします。 ◎広地学企画部長 国に確認をしましたところ、現地の地質調査や現場条件等の把握により、従前設計で想定できなかった条件等を考慮した詳細設計の結果を踏まえ、まず、左岸頂部の掘削及び本体掘削の完了時期につきましては、当初の令和3年度から令和8年度頃まで延伸されると伺っております。続くダム本体のコンクリート打設は当初より20か月延伸し、令和13年度頃までに完了する予定であると伺っております。いずれもダム本体の掘削量及びコンクリート打設量の見直し、働き方改革関連法に基づく労働条件を考慮した工期の確保等を行う一方、工期を短縮する取組も加味されたスケジュールとなっております。その後、転流工の閉塞、そして、2年弱の試験湛水を経て、令和16年度完成予定となっております。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 お答えいただきました。 令和16年度完成予定となっているが、工期を短縮する取組も加味したスケジュールであることを確認いたしました。 平成23年、台風15号の影響により豊川流域において大雨となった際の家屋浸水は70棟に上り、戦後最大の洪水として記録された昭和44年8月洪水に次ぐ第2位の洪水規模となり、霞堤地区においては、面積の大きい下条地区、賀茂地区で大きな被害を受けるなど、これまで幾度となく洪水被害に見舞われてきました。また、平成6年には豊川で深刻な水不足となり、愛知県と静岡県の知事の協議を踏まえて、計画上の上限を越える天竜川からの導水を受けて渇水被害を抑えるなど、頻繁に渇水被害に見舞われてきました。こうした豊川流域の課題解決のために、設楽ダムの完成を待ち望んできたと認識しておりますが、今回の計画変更を受けて、下流域の治水対策も含めて、本市としては今後はどのような対応をされるのか、お伺いいたします。 ◎浅井由崇市長 お答えを申し上げます。 設楽ダムは、小原議員も御指摘をされたとおり、本市や東三河が持続的に発展をしていくために、まさになくてはならないものであり、今回、その完成時期が8年延伸され、令和16年度になるということが発表されたことにつきましては、大変重く受け止めているところであります。本市といたしましては、関係自治体や経済界などと連携をし、引き続き、国及び県に対しまして、令和16年度が示されたわけでありますが、可能な限り早く完成をしていただくように、引き続き申入れをしてまいります。 そうした中、先月5月31日には国土交通省中部地方整備局へ、そして翌6月1日には国土交通省本省及び財務省本省に対しまして、上下流地域が一緒になって、設楽ダムの早期完成、そして設楽町水源地域の生活再建対策等の着実な実施ということと、影響が懸念をされます、先ほど来、小原議員からも御指摘があった洪水等の問題でありますが、その豊川の治水対策につきまして、流域治水プロジェクトに掲げられた事業の促進、とりわけ霞堤地区につきましては、今の目標よりも少しでも早く、少しでも安全になるように、早期の事業推進につきまして、財源の確保も含めて要望を行ってまいりました。 設楽ダム建設事業、そして豊川の治水対策につきましては、住民の命を守り、地域の産業を支える東三河地域の持続的な発展のために極めて重要な事業でありますので、引き続き市議会の皆様や愛知県などとしっかりと連携を図りながら、関係者が一体となって様々な取組を全力で進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 今後の対応について、市長からお答えをいただきました。 設楽ダムは本市や東三河の持続的な発展のためになくてはならないとの認識の下、令和16年度と言わず、できるだけ早く完成するよう要望を行ったことを確認いたしました。 今月3日、我が自由民主党豊橋市議団設楽ダム建設事業の促進と豊川治水対策の推進について、国に要望してまいりました。今後も設楽ダムの早期実現と豊川の治水対策について、関係機関と連携し、国にしっかりと働きかけを行っていただきたいと思います。 この件は終わります。 大きな2(1)地域包括ケアシステムの推進に向けた本市のこれまでの取り組みについてでありますが、推進に関する様々な取組を関係者と連携して行ってきたこと、具体的に地域包括支援センターの取組や、医療関係者、介護分野では東三河広域連合との連携、支援団体との協力について確認をいたしました。 (2)地域包括ケアシステムの現状の評価と課題についてでありますが、こちらも様々な取組の結果により一定の成果が上がってきているものの、増加し続ける高齢者をめぐる様々な問題に対応できる体制の強化が必要とのことでありました。 これよりは(1)(2)を合わせた形で質問をさせていただきます。 地域包括ケアシステムの推進は、生活全般に関わる非常に多岐にわたる関係者との連携や支援により成り立っており、本市で暮らす高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域の自主性や主体性に応じた地域包括ケアシステムの構築が求められています。その実現に向けた中核的な機関として、本市が設置している地域包括支援センターの目的は、高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防に関する援助などを行い、高齢者の保健・医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することとされています。 これまで地域包括支援センターが地域の情報収集や相談、その解決に向けた地域ケア会議開催のお願いなど、地域での会合や行事などに積極的に参加する姿を拝見してきました。地域ケア会議の内容についても、地域ごとに個人に対する支援であったり、社会基盤の整備に関するものであったりと、大変多岐にわたっているものであるとお聞きしております。 そこで、地域ケア会議における本市の役割と地域包括支援センターの役割について、また、その成果と課題についてお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 地域ケア会議は、市が地域包括支援センターに委託して実施をしています。会議を主催するセンターでは、会議開催に向けて、議題の洗い出しや状況の整理・分析、出席者の選定や資料作成などの事務局機能になります。それに対して、市では毎年、地域ケア会議の趣旨や目的をセンターへ示した上で、全ての地域ケア会議に担当者が出席し行政として意見を述べるほか、必要に応じて関係資料や情報の提供を行うなど、事務局のバックアップ機能を担っています。 次に、地域ケア会議の成果と課題ですが、成果といたしましては、困難事例において関係者間で本人の課題や対応策などを共有し、地域と行政で本人を支えていく体制が整うこと、また、お互いが顔の見える関係を築き、問題発生時に迅速な対応が可能になることなどがございます。課題といたしましては、地域ケア会議を通して話し合った内容をどのように地域づくりにつなげ、地域共通の課題の解決を図っていくかといった点が挙げられます。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 お答えをいただきました。 本市と地域包括支援センターの役割について確認いたしました。本市が毎年の地域ケア会議の運営の方針を示す上で、全ての地域ケア会議に本市の担当者が出席することで、地域包括ケアシステムが効果的な運用となるよう進捗状況の把握や目標に対する評価ができ、PDCAサイクルによる継続的な改善を図ることが可能となります。本市と地域包括支援センターの連携強化が重要であることが確認できました。 成果と課題についても確認いたしました。私も地域ケア会議に参加する機会が何度かあり、地域包括支援センターが様々な案件に対して熱心に寄り添い、ケア会議を開催されていると感じていますが、お答え同様の感想を持っています。 例えば、対応型である困難事例における地域ケア会議では、関係者が集まることで情報の共有を図ることが可能となります。どのように支えていくことができるのか参加者全員が共有し、問題が発生した場合の対応が迅速に行われるようになります。しかし、地域ケア会議の中で初めて情報は共有化されるということは、それまでは情報が一元化されていないこと、支援の主体がどこなのか明確になっていないことが大きな課題であると感じました。 先ほどのお答えで主体が本市であることは理解できましたが、高齢者情報の一元管理についてはどのように認識されているのかお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 現在本市では、高齢者に関する情報は実際に支援を行う部署がそれぞれに管理をしており、一元管理は行っておりません。しかしながら、支援が必要な方は生活全般の広い範囲において支援が必要となることが多く、複数の関係機関が携わっている場合がございます。そうした際には、個人情報保護法のルールの範囲内において、関係機関で必要な情報を共有し連携して支援に当たっています。今後も、個人情報の取扱いには十分な注意を払いながら情報共有を図り、連携して支援を行ってまいります。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 お答えいただきました。 一元管理は行っていないとのことでありましたが、個人情報の取扱いが障壁となっている感はありますが、しっかりと支援できるよう、できる限りの情報共有を図っていただきたいと思います。 先ほどの対応型の地域ケア会議の一方で、予防型の地域ケア会議においても、どこに困り事を抱えた高齢者がお見えになるのか、地域包括支援センターが支援を必要とする方にどのように関わっていくことができるのかなど地域と課題の共有を図りつつ、生活支援や介護予防の一環となる地域交流や社会参加の機会の提供など、地域包括ケアシステムに求められる構成要素にどのようにつなげていくのか、課題は山積していると思われます。 総合相談をはじめ、高齢者が抱える生活上の困難に対して支援の充実を図るためには、まずは現状をしっかりと把握する必要があると思います。八王子市では令和2年に市内の後期高齢者のうち、介護認定を受けていない方全員を対象に、新型コロナウイルス感染症対応地域創生臨時交付金等を活用して、高リスク者の早期発見、介護需要の正確な把握、介護予防事業全般の検証可能性を確保することを目的に、悉皆調査を実施されました。郵送によるアンケートの回収率は80%、介護認定につながる高リスクと思われる方に対しては地域包括支援センターが訪問を実施し、適切な介護予防サービスを案内されているようです。 コロナ禍の影響で高齢者を取り巻く環境も変化していることが想定されます。本市に暮らす高齢者がどのような課題を抱えているのか調査する必要があると思いますが、認識をお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 介護保険者である東三河広域連合が、介護保険事業計画の策定に合わせて高齢者の介護予防、生活支援、介護等に関する実体と今後の意向を把握することを目的に高齢者等実体把握調査を実施しています。今年はその調査を実施する年に当たり、本市をはじめとした構成市町村から無作為に抽出した対象者に、8月頃をめどに調査票を発送する予定です。 本調査は、65歳以上の要介護認定を受けていない方及び認定を受けている方それぞれに対して、生活全般に詳細な質問票に御回答いただくもので、対象者は本市だけでも1万人以上となる見込みです。また、本調査で得られた結果は、東三河広域連合の介護保険事業計画だけでなく、本市の高齢者福祉計画における施策の検討にも活用してまいります。 以上です。 ◆小原昌子議員 お答えをいただき、8月頃をめどに調査を実施、対象者は本市だけでも1万人以上となる見込みであることも確認いたしました。 本市の調査対象は65歳以上であり、9万7,000人のうちの1万人以上でありますが、有用な調査となるように期待しております。 次に、2025年に向けて、地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築を目指す本市の今後の方向性についてお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 地域包括ケアシステムを推進するには、行政の力だけで行うことはできず、専門の知識を持った職能団体や地域の事情に詳しい自治会や民生委員などの地縁団体といった外部の方との連携が必要不可欠であると考えています。今後約20年にわたり、本市においても高齢者人口が増加し続ける見込みであり、また、時代の変化とともに高齢者を取り巻く環境や高齢者をめぐる課題も変化していくものと考えられます。そのため、これらの課題に対応できるよう支援体制を強化し、外部の関係者とのさらなる連携を図りながら取組を進めてまいりたいと考えています。 以上です。 ◆小原昌子議員 お答えをいただき、今後の方向性について確認いたしました。 高齢者人口は増加し続ける見込みであるとのことですが、同時に認知症高齢者も増加し続ける見込みであります。権利擁護の観点から、成年後見についてもさらなる連携強化を図っていただきたいと思います。 今後は、高齢者の総合相談窓口でもあり、多岐にわたる業務を担う地域包括支援センターの体制強化を図ることが重要であると思います。しっかりと体制を整え、行政と一体となって本市の地域包括ケアシステムの推進に期待をしております。 この件は終わります。 大きな3(1)本市における地球温暖対策に対する基本的な考え方についてでありますが、温室効果ガス排出の防止に向けた取組は、幅広く対策を行う必要があり、今後は5本柱で取組を進めるお考えを確認いたしました。 削減目標を達成するための個別の対策は、多岐にわたっていることは理解できます。その中でも、計画の中で、産業部門を国に準じて高い設定とされたことが本市の対策にどのように反映されたのか疑問でありましたが、目標達成のためには各産業における脱炭素化の技術革新に依存するところが大きく、本市としては、国が進める今後の産業界の脱炭素化の促進に依存している状況は理解いたしましたので、今後の動向を注視しております。 (2)第2次豊橋市地球温暖化対策地域推進計画における取り組みの現況と課題についてでありますが、創エネ事業については市内において整備が進みつつあるが、周辺環境への影響からトラブルになるケースも各地で増加しており、促進と規制のバランスを適切に保つことが今後の課題認識であること、また、市民、事業者における省エネ活動については、アンケートの結果から一定の意識醸成が進んでいるものの、ふだんの生活の中でできる節電や省エネ行動に余地があることから、効果的な啓発による省エネ事業が今後の課題とのことでありました。 気候変動が原因と言われる温室効果ガスは、経済活動や日常生活に伴い排出されていると言われています。一人一人の衣食住や移動といったライフスタイルに起因する温室効果ガスが我が国全体の排出量の約6割を占めるという分析もあるようで、国や自治体、事業者だけの問題ではなく、ゼロカーボンの実現に向けて、市民も含めたあらゆる主体が取り組む必要があるということがこれまでのお答えで確認できました。 そこで、(1)(2)をまとめた形で質問をさせていただきますが、本年度から、環境政策課と再生可能エネルギーのまち推進課が統合され、ゼロカーボンシティの実現に向けて取り組むこととなりましたが、新たな目標達成に向けた今後の取組と、その中で統合によるメリットをどのように生かしていかれるのかお伺いいたします。 ◎山本誠二環境部長 温室効果ガス排出量削減、そしてゼロカーボンシティ実現のためには、これまで環境政策課が進めてきた省資源、省エネルギーの視点が欠かせません。特に昨年まで環境政策課が協議会の事務局を担っておりました、本市が発祥の530運動は、その運動目標として、ごみの発生抑制、環境美化、省資源・省エネルギー、環境学習の四つを掲げ、昭和50年から約半世紀にわたり取組をつないでまいりました。今日では年間参加者10万人にまで広がったこの530運動が、昨年まで再生可能エネルギーのまち推進課が担ってきた温暖化対策事業と連携し、日常でのごみ減量や省エネ活動がゼロカーボンシティの実現に貢献する効果について分かりやすく示すことで、これまで以上に多くの市民や事業者に脱炭素社会の実現を身近なものとして捉えていただくことができると考えております。そして、積極的な啓発活動を進めると同時に、今後も市民、事業者が求める支援ニーズを的確に捉えながら、助成制度の拡充や見直しを図り、市民、事業者、行政の三者による町ぐるみでの温暖化対策を進めてまいります。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 省資源、省エネの視点の下、積極的な啓発活動を進めると同時に、支援ニーズを的確に捉え、助成制度の拡充や見直しを図り、温暖化対策を進めるとのことでありました。 530運動環境協議会の活動についてもお答えをいただきましたが、先月行われた汐川干潟クリーンアップ大作戦は、今年は、汐川干潟自然観察会と同日開催されました。これまでそれぞれが単体で実施されておりましたが、温暖化対策事業という視点で、自然生態系での対応策である干潟保全活動を同時に実施することで相乗効果が見込まれるすばらしい取組であったと思っておりますので、より効果的な活動となるよう期待しております。 一方で、市民、事業者、行政の三者による町ぐるみで地球温暖化対策を行うためには、目標に向けたロードマップや取組の進捗管理を的確に行うことが重要であると思いますが、どのように考えられているのかお伺いいたします。 ◎山本誠二環境部長 2030年46%削減のためには、太陽光パネルなどの再エネ設備や次世代自動車のさらなる普及が不可欠となりますが、そのためには、大量の電力を長距離間で融通する送配電網の増強や発電ステーション等のインフラの普及が不可欠です。しかしながら、そうした新たな環境整備には膨大なコストがかかりますことから、なかなか整備が進まないのが現状です。 このように、今後どの分野が普及し脱炭素に貢献するかは、これからの技術革新に依存するところが大きく、国としても2030年時点の削減量は示しておりますが、そこまでのステップについては不確定要素が大きく、年単位のロードマップは示せていない状況です。 また、本市における温室効果ガス排出量の算定は、国や県が2、3年遅れで公表する数値を基に算定するため、実際には4年遅れでしか実績を把握することができません。こうした状況ではありますが、本市においては、2030年時点で温室効果ガス削減目標は国に準じた数値を示しており、実際の年度ごとの進捗管理は計画の中で示す市内における太陽光パネルの設置量や次世代自動車の登録台数など、翌年には把握することのできる各個別の取組目標値を指標として達成度を評価してまいります。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 国としても年単位のロードマップは示していないこと、本市における温室効果ガス排出量の算定は、実際には4年遅れでしか実績を把握することができないため、本市の年度ごとの進捗管理は、計画の目標値を指標として評価していくとのことでありました。 一方で、国は脱炭素に向けた地方自治体の取組について、イノベーションを待たず、適用可能な最新技術をフル活用し、足元からできることを実行することを求めています。例えば、屋根貸しなど、未利用、再エネの活用や住宅、公共施設の省エネ性の向上、防災、荒廃農地の解消と地域農業の継続を目指す営農型太陽光発電など、あらゆる分野での取組を促しています。旗振り役となる環境部においても今後はさらに様々な部局との連携が必要になることが想定されますが、早急に取り組む必要のあるゼロカーボンシティ実現に向けた部局横断的なプロジェクトの必要性の認識についてお伺いいたします。 ◎山本誠二環境部長 ゼロカーボンシティ実現のためには、例えば製造業界においては省エネルギー機器の導入、商業分野においては事業所ビルのゼブと呼ばれるネット・ゼロ・エネルギー・ビル化、農業部門におきましては農機具や空調設備の脱炭素化など、あらゆる業界がそれぞれに積極的な取組を進めていくことが不可欠です。そして、それら各業界の取組を支援していく立場の行政サイドも多部局にわたっていることから、今後は部局横断的に連携を強化し、効果的な施策を企画・立案していくことが重要であると認識しております。 現在、国や県におきましては、各業界における脱炭素化に向けた取組が促進されるよう、例えば、建築や電気設備に係る規制を緩和したり、あるいは未利用地の活用が進むような制度改革や運用ガイドラインの策定を進めつつあります。 本市においても、こうした動向を注視しつつ、適切なタイミングで全庁的なプロジェクトチームの設置も連携強化につながる一つの選択肢として捉え、今後の第2次豊橋市地球温暖化対策地域推進計画の進捗状況に応じた効果的な推進体制で取組を進めてまいります。 以上でございます。 ◆小原昌子議員 お答えをいただきました。 適切なタイミングで全庁的なプロジェクトチームの設置も連携強化につながる一つの選択肢と捉え、計画の進捗状況に応じた効果的な推進体制で取組を進めるとのことでありました。 国、県の動向を注視することは重要でありますが、その間に本市として様々な視点でゼロカーボンシティ実現に向け、あらゆる分野で可能性を探ることは必要なことであると思いますので、しっかりと検討をしていだたきたいと思います。 今後の取組に大いに期待し、私の一般質問を終わります。----------------------------------- ○近藤喜典副議長 次に、鈴木みさ子議員。     〔鈴木みさ子議員登壇〕 ◆鈴木みさ子議員 日本共産党豊橋市議団の鈴木みさ子です。通告に従い、一問一答で一般質問を行います。 大きい1として、設楽ダム建設計画の延伸に関わる諸課題についてです。 2026年度、令和8年度の完成を目指していた設楽ダムの建設計画について、2034年度完成予定へと8年延伸、建設費用も800億円増額が必要とされ、総額3,200億円になることが5月17日に開催された設楽ダム建設事業部会において示され、発表がされました。2回目となる基本計画の見直しにより、当初の計画からだと工期が14年間延びることになります。また、建設費用も当初予算の2,070億円から3,200億円へと1.54倍もの増額に至っております。そこでまず、この延伸の理由と、それに対する豊橋市の認識についてお伺いいたします。 (1)工期の延伸の理由と豊橋市の認識について 次に、国から設楽ダム建設事業に係る工期の延伸及び事業費の見込みが示されたことを受け、設楽ダムと同時期の供用開始を目指す山村都市交流拠点施設の整備事業の見直しが必要になったため、今年度において2,600万円の予算計上がされていた同施設の基本計画策定等業務を急遽中止するという報告が東三河広域連合総務課長名でありました。豊橋市も広域連合に対し、4割を超える分担金を負担する事業であることから、この事業の中止の経緯と、現在、公募型プロポーザルにより募集していた基本計画策定支援等の業務への影響についてお聞きしたいと思います。 (2)山村都市交流拠点施設について ア、基本計画策定業務等の中止を決めた経緯とその影響について 次に、大きい2、豊橋市の高齢者福祉施策について (1)AIを活用した自立支援促進事業について 豊橋市は、今年度からAIを活用した自立支援促進事業の予算化をやめました。この事業は、平成29年度に豊橋市と株式会社シーディーアイが協定を結び、AIを活用したケアマネジメントを通じて、高齢者の自立支援、ケアマネ業務の効率化及び介護給付費の適正化を目指すとしたもので、実証研究を経て、平成30年度より本格運用が開始されました。 豊橋市の高齢者の平成21年度から28年度の8年分、約10万6,000件の介護認定申請に関するデータと578万余りの給付実績に関するデータをAIに学習させ、そのAIが提案するケアプランに高齢者の家族の意見、生活環境などを反映させたものをケアマネジャーが高齢者に提案し、その後のケアマネジャー業務の変化や要介護認定者の身体状況の変化などを検証するという実証研究としてスタートしました。この実証研究を開始するに当たって、豊橋市は事業のポイントを二つ掲げ、一つは、超高齢化社会における国の政策方針に沿った自立支援の促進として、国の未来投資戦略2017にうたわれたAIを活用し自立支援に軸足を置いた介護を確立するために、他市町村に先駆け、市、市民、介護サービス事業所が一体となって自立支援への意識改革の実戦、二つ目に自立支援型ケアプランの作成をサポートし、効率的・効果的なケアマネジメントの実施によるケアマネジャーの業務負担の軽減を挙げていました。 当時の佐原前市長は、AIを実際に介護の現場で使用する全国初の試みであり、パラダイムシフトを目指す本事業は全国的にも非常に関心が示されている。既に本市のほか数市がこの取組に参加しており、リーディングシティである本市から全国に発信し、高齢者介護の分野では世界の最先端を走る日本のデファクトスタンダードになり、その結果、世界のデファクトスタンダードとなる事業に育て上げなければならない。加えて、この事業を軸として、近未来技術等を活用し、誰もが安心して快適に生活できる社会を目指すAIケアシティ形成事業の推進にも力を注いでいくと述べていました。 パラダイムシフトとは、物の見方や考え方、価値観が劇的に変化すること、デファクトスタンダードは、既成概念にとらわれず、新たな価値を見出し、世の中のスタンダードなものをつくり出すという意味で、ともかくも相当な意気込みで開始された事業であったわけです。 そこで、この大きな目標を掲げて取り組んで来た事業について、それぞれ目標に対する到達や効果、これはどうであったのか、浮き彫りになった課題は何であるのか、全国初として行った事業であるがゆえに、その推移に関心も寄せられているし、取り組んだケアマネジャーさんとも、その得られた成果、当初の目的に対する到達などを共有することが豊橋市の介護を今後充実させていくためにも必要であると考えます。 そこで、以下についてお聞きいたします。 (1)AIを活用した自立支援促進事業について ア、事業開始から現在までの豊橋市における取り組み状況について 次に、(2)地域包括支援センターについてです。 高齢化社会が進行する中で、本市においても約4人に1人が65歳以上の高齢者となっており、地域や家庭において高齢者の方が困ったときにまず相談する身近な相談窓口として地域包括支援センターの役割はますます重要になっていると考えます。 そこで、豊橋市として今日の地域における高齢者をめぐる問題をどう捉え、その中で地域包括支援センターの役割をどのように認識しているのかお聞きします。そして、地域包括支援センターには様々な問題が寄せられていると思いますが、相談に対応する十分な体制が取られているのか、地域包括支援センターの人員体制についてもお聞きしたいと思います。 そこで、(2)地域包括支援センターについて ア、地域における高齢者をめぐる課題について イ、地域包括支援センターの体制について (3)、介護サービスを受けるためには、御本人や御家族などが介護の申請をした後、訪問調査を行い、介護度などの判定を行うという一連の手続が必要です。介護サービスを希望している方や地域包括支援センターの方のお話を聞きますと、原則30日以内となっている認定が現在大幅に遅れているため、サービスを選択する際の判断に困っているという話を聞きます。 そこで、要介護認定に要する日数の現状についてお聞きいたします。 (3)要介護認定業務について ア、要介護認定調査に要する日数の現状について 以上、1回目といたします。 ◎広地学企画部長 それでは、大きな1の(1)設楽ダム建設計画の工期の延伸の理由と豊橋市の認識についてでございます。 8年延伸された理由についてでございますが、国の発表によりますと、ダム本体や付替道路、貯水池周辺における実質調査や現場条件等の把握により、従前設計で想定できなかった条件等を考慮した詳細設計を実施し、工期や事業費を精査しました。その結果、ダム本体の工事用道路における地滑り対策やダム本体の掘削量・コンクリート打設量の増加、並びに働き方改革関連法に基づく労働条件を考慮した訂正な工期の確保等により、工期を短縮する取組をしてもなお工期を見直す必要が生じたとのことでございます。 本市といたしましては、延伸された主な変更要因が働き方改革をはじめとする社会的要因の変化や現地の調査結果に対応するものであり、やむを得ないものと認識をしております。しかしながら、設楽ダムの早期完成及び水源地域の住民の皆様への着実な生活再建対策は、豊川流域全体の持続的な発展のためになくてはならないものだというように考えておりまして、国及び県に対して、少しでも早く完成するよう、引き続き申入れをしてまいります。 続きまして、(2)のア、山村都市交流拠点施設の基本計画策定業務等の中止を決めた経緯とその影響についてでございます。 山村都市交流拠点施設の整備につきましては、令和4年度から整備主体となった東三河広域連合において基本計画策定の準備を進めてまいりました。今般の設楽ダム事業の延伸を受け、設楽ダム本体の完成と同時期の開業を目指していた山村都市交流拠点施設においても、関連工事の工程と整合を図る必要性があることから、整備スケジュールを再設定する必要が生じたところでございます。それに伴いまして、令和4年4月5日に公告し、業者選定手続を公募型プロポーザルにより進めておりました山村都市交流拠点施設基本計画策定支援・民間活力導入可能性調査業務につきましては、構成市町村と協議の上、令和4年5月18日に中止をしております。 東三河広域連合からは、契約候補者を特定する前であったことから、提案業者への中止の旨を連絡し、契約等に係る影響はなかった。また、今後、国や県と十分に連携しながら、状況を見極めて事業を進めていくというように伺っているところでございます。 以上でございます。 ◎川島加恵福祉部長 大きな2(1)AIを活用した自立支援促進事業について ア、事業開始から現在までの豊橋市における取り組み状況についてでございます。 この事業では、高齢者の健康寿命の延伸やケアマネジャーの業務効率化による介護人材の確保、サービスの最適化による介護給付費の適正化などを目指し取組を行ってまいりました。平成29年度にはAIを利用したケアマネジャーの業務の変化や要介護認定者等の身体状況の変化などを検証する実証研究を行ったほか、平成30年度以降は、希望するケアマネジャーに対してAIの利用権を付与し、引き続きAIケアプラン作成支援システムを利用していただきました。 また、その間、AI利活用セミナーの開催やタブレット端末の無償貸与のほか、AIの開発元に働きかけ、市販介護ソフトとのシステム連携による入力作業の簡素化を図るなど、ケアマネジャーのAIの利用促進に取り組んでまいりました。 なお、本事業につきましては、先ほど鈴木みさ子議員もおっしゃっていたとおり、令和3年度をもって終了しております。 続きまして、大きな2(2)地域包括支援センターについて ア、地域における高齢者をめぐる課題についてです。 一般的に、高齢者は年齢を重ねるにつれて運動機能や認知機能の低下が見られ、それに伴い介護や認知症対応などの健康面の課題から孤立化や虐待対応といった社会的な課題まで、生活上の幅広い分野で様々な課題が生じてきます。また、最近では8050問題やダブルケアなど、社会の変化とともに高齢者をめぐる課題は複雑多様化してきていると認識しています。 続きまして、大きな2(2)イ、地域包括支援センターの体制についてです。 令和4年4月1日現在、市内18か所の地域包括支援センターに介護保険法施行規則の基準を超える合計94人の職員を配置し、これらの職員が高齢者の生活上の多岐にわたる相談等の対応に日々当たっています。 続きまして、大きな2(3)ア、要介護認定調査に要する日数の現状についてでございます。 今年の5月上旬時点で厚生労働省の総合データベースから抽出した本市の令和3年度における申請から認定までの平均日数は42.9日間を要しています。介護認定業務に時間がかかっている大きな原因は、要介護等の申請件数の増加及び調査員の不足により、介護認定の手続上必要となる介護調査を実施するまでに時間を要していることにあります。 現在、介護調査は、市の調査員及び委託先である豊橋市社会福祉協議会の調査員により調査しているところですが、毎月1,000件程度の申請があり、その件数に対応するには30名程度の調査員が必要になります。しかしながら、今年4月1日現在でアルバイトの方を含めて24名しか確保できておらず、欠員状態となっています。そのため、毎月介護調査が先送りになる方が発生し、その結果、現時点で申請から介護調査実施まで最長で2か月程度を要している状況です。 以上でございます。 ◆鈴木みさ子議員 1回目、それぞれお答えいただきましたので、一問一答で順次聞いていきたいと思います。 まず、大きい1(1)設楽ダム延伸に関わる課題と豊橋市の認識について、お答えをいただきました。 主な延伸の理由については、ダム本体の工事用道路の地滑り対策、ダム本体の掘削量・コンクリート打設量の増加、働き方改革関連法に伴う労働条件を考慮した適正な工期の確保というものでした。このうち特に重要な点は、地質調査の結果を踏まえたダム本体や付替道路、貯水池周辺において従前設計で想定できなかったとされる地滑り対策やダム本体の掘削量とコンクリート打設量の増加の必要性が生じたことによる延期だというように考えます。 国は、従前設計で想定できなかった条件が今回精査したことで判明したと報告しておりますが、既に早い段階から市民団体や専門家らが活断層の疑いが濃い断層がダムサイトを貫いていること、特に直上流の左岸の斜面は深層崩壊、いわゆる岩盤崩れのことですけれども、これを起こしつつあることから、ダム建設には巨大なリスクがあると繰り返し警鐘を鳴らし、中止を求め続けてきております。左岸の断層の存在によりダムサイトの岩盤が切り裂かれていることは、国の報告書でも2017年までの調査により明らかにしているところです。国がようやくこの地滑りについての危険性とその対応を認めて、その結果として、対策のための計画の見直しに今回至ったわけですが、地滑り対策などについては、ダムそのものの安全性に関わる問題として下流自治体全体に大きく影響するものであり、安全性の確保、安全性の担保が重要だと思います。 そこで、豊橋市として、どのように安全性に関する情報把握をしていくのか、お聞きしたいと思います。 ◎広地学企画部長 事業推進につきましては、安全の確保が最も重要でありまして、国においては、地滑り対策など、これまでもしっかりと安全性に配慮するよう進めてきていただいていると。そして、これからも進めていくというように認識をしておりますが、本市としましても、必要に応じて国に対し情報を共有していただけるよう求めてまいります。 以上でございます。 ◆鈴木みさ子議員 東三河広域連合の2月定例会でも、ダム建設予定地に隣接する山村都市交流拠点施設の地盤調査についての考えについて質問をしたところ、設楽ダム工事事務所がボーリング調査を実施しているが、安全性の確保については極めて重要な事項となるので、関係機関との情報を密にしていきたいとの答弁を得ております。東三河広域連合や構成自治体とも連携を密にしながら、国の情報や対策を積極的に把握していっていただきたいというように思います。 次に、計画変更により完成が今から12年も先となると、人口動態や自然災害への対応の緊急性から見て、ダムの必要性も大きく変わっているのではないかというように考えます。計画されたときから見ると約50年後となります。設楽ダムの容量9,800万トンのうち、60%が流水の正常な機能の維持という不特定容量であり、治水容量は約19%、新規利水容量は約13%にすぎない計画となっております。この数値から見て、設楽ダムは治水でも利水でもなく、不特定容量という不確かなものを主目的として建設を進めようとしているというように言えます。この不特定容量というのをどのように使おうとしているのかといいますと、事業者の説明によりますと、宇連川の大野頭首工、これは豊川用水の取水堰です、この下流で川の水がなくなる断流が生じているので、いわゆる瀬切れというのですけれども、毎秒1.3立方メートルの維持流量を確保する。また、豊川の中流部にある牟呂松原頭首工下流の河川流量が少なくて、現状の毎秒2立方メートルから5立方メートルに維持流量を増やすことが必要である。主として、この2か所について、流水の正常な流量を維持するためにダムで水をためる必要があるということです。 こうした川に水を流すために上流に巨大なダムを造って川をせき止め、水をためるというものです。もともと目的が不特定容量にある上に、12年後の完成ということになると、治水面、利水面においても、ダムによる対応はさらに現実に合わないものになり、ダム建設自体の効果が非常に少なくなる、失われるというように考えますが、それでも災害リスクを抱えながら建設を進める必要性があるのか、市の認識についてお伺いいたします。 ◎広地学企画部長 工期が延伸されることに伴う影響でございますけれども、まず、先ほど鈴木みさ子議員がおっしゃいました流水の機能の正常の維持につきましては、やはり豊川の環境を整えて守っていくということで、重要な事柄であるというようにまず認識をしております。 そして、人口動態の面では、農業用水につきましては、畑作営農の進展による冬季の水利用の増加、そして、営農の高度化により、雨水が活用できない施設栽培への移行が進んでいることから増加が見込まれております。 水道用水につきましても、人口減少による水需要の減少要因はある一方、単身世帯の増加など、世帯数自体は増加をしておりますので、水需要の増加が見込まれております。 また、自然災害の面ですけれども、気候変動に伴うゲリラ豪雨の増加など災害の形が変化する中、現時点で洪水調整容量のない豊川水系にとって設楽ダムの必要性はさらに高まっているところでございます。 このように恒久的・安定的な水の確保及び繰り返される洪水・氾濫から人々の暮らしを守る設楽ダムは、この東三河にとって必要なものと認識しておりまして、設楽ダムの完成による効果の早期発現について、国や県に対し、引き続き要望してまいるところでございます。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 必要性に関する認識について、何点か御答弁をいただきました。 水道水の増加要因が見込まれているということでしたけれども、確かに核家族化の進行により給水戸数は増加するものの、総配水量は人口減少に伴い年々減少していくと豊橋市の上下水道ビジョンでは示されています。 また、農業用水についても、大島ダムや宇連ダムと豊川総合用水によって賄われており、10年単位での渇水の際にも佐久間ダムから導水できるという協定があることも周知の事実です。 治水対策についても、線状降水帯やゲリラ豪雨など、温暖化に伴って近年頻発する局地的な豪雨災害に対しては、そもそも上流部の集水域の面積の少ない設楽町に造るダムの効果は薄いと言えるのではないでしょうか。小原議員の質問の中でもありましたけれども、ダムによる治水ではなくて、洪水・浸水対策など、河川整備や流域治水を急ぐということで治水対策を進める必要があるのではないかというように思います。 次に、計画変更に伴う本市への影響として、水源地域整備事業負担金についてお伺いをいたします。 水源地域対策特別措置法に基づく水源地域整備事業負担金は、設楽町の負担を除いて、県と下流5市で負担をしてきており、前回の計画変更に伴い、560億円から約695億円に増額され、そのうち豊橋市の負担は4億441万円から4億8,747万円へと21%が増額された経緯があります。 そこで、今回さらに延伸となったことによって、水源地域整備事業に関する豊橋市の負担金についての今後の見込みはどうなるのか、その影響についてお伺いいたします。 ◎広地学企画部長 設楽ダム水源地域整備事業は、ダムによって周辺地域が受ける生活基盤及び産業基盤などの影響への緩和を図るために各種対策を講じるものでありまして、水源地域対策特別措置法に基づく設楽ダム水源地域整備計画に沿って、愛知県及び設楽町が実施主体となり事業を実施しております。そのうち設楽町が実施する道路・水道整備など、これは町道の整備だとか簡易水道、公共下水道、林道の整備でございますけれども、そうした整備に係る経費の一部を愛知県及び豊川下流域の5市で負担をしております。愛知県からは、設楽ダム計画の延伸が水源地域整備関連事業に影響を来さぬよう調整を図っていくことから、直ちに水源整備計画を変更する予定はないというように伺っております。 以上です。
    ◆鈴木みさ子議員 愛知県として水源地域整備関連事業に影響を来さぬよう調整を図っていくことから、計画を変更する予定は現在のところなく、この事業に関する豊橋市の負担の増額はないということで確認をさせていただきました。 (1)については終わります。 次に、(2)として、山村都市交流拠点施設について、基本計画策定等が中止となった経緯や理由について確認をさせていただきました。 今年度から東三河広域連合での事業が始まったところで、出ばなをくじかれた格好となりましたが、やはり多くの人たちが集まることを目的としており、東三河はひとつ、成長する東三河広域連合の象徴と、施設整備の基本イメージの中でうたわれた事業であり、設楽ダム計画と一体となるものだということです。 とすれば、東三河全体の自治体がダム計画についても主体的に捉えていかなければならない問題であり、見直しを含め、再検討をする必要もあるのではないかというように考えます。 設楽町の住民の方は長年ダム計画に翻弄され続け、既に移転も終えたというように聞いておりますが、年月の経過がありまして、そして、現在は社会経済状況も治水、利水対策をめぐる考え方や状況も大きく変わってきており、そしてまた、公共事業や公共施設に対する費用対効果も厳しく問われる、そういう状況です。 そういう中で設楽ダム計画は漫然として進めるべきではないということを指摘させていただき、大きい1については終わります。 次に、大きい2について、AIを活用した自立支援促進事業、(1)のアについてです。 1回目として、事業開始から現在までの取り組み状況についてお聞きしました。 次に、2回目として、事業の開始から昨年度までの年度ごとの実績についてお伺いをいたします。 ◎川島加恵福祉部長 AIを活用したケアマネジャーの数ですが、平成30年度が41人、令和元年度が35人、令和2年度が29人、令和3年度が30人となっています。 また、AIを活用して作成したケアプラン数につきましては、平成30年度が172件、令和元年度が119件、令和2年度が79件、令和3年度が75件となっています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 令和元年5月に行われた株式会社シーディーアイの実績研究の検証報告会では、自立の促進については一定の効果が確認できたが、アンケートでは、9割近いケアマネジャーがAIを活用できていないと回答し、主な理由として、二重入力の問題があり、AIへの入力にケアマネジャーが負担を感じている点、これは常時使用しているソフトとAIと、二重に入力しなければならない、そういう問題だということです。それから、2点目として、AI情報の読み取り力に個人差がある点が挙げられていました。ブラックボックス型AIの性質上、提案サービスが導き出された過程が示されず、提案理由が分からないといった声や、利用者本人が納得してもらうことができず、導入に結びつけられなかったなど、ケアマネジャーの経験値に左右されるという結果となりました。その後、操作説明会やセミナーなどを重ねたり、AIの改良なども行われたわけですが、やはり実績から見るとケアプラン作成件数を年600件程度、利用ケアマネジャーも150人が活用することを目指していたという当初の目標に対し、その実績は年度ごとに下降をたどり、なかなか本格的運用とは言えない状況であったと思います。そして、昨年度をもって事業を終了するということになったわけです。豊橋市として、このAIを活用した自立支援促進事業、これの評価をどのように考えるのかについてお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 実際にAIを利用したケアマネジャーからは様々な反応がございましたが、その中でも、サービスの組合せ等の提案の幅が広がった、また、サービスの提案に新たな気づきが得られたといったケアマネジャー自身の成長につながるような肯定的な意見が出されました。 また、実証研究結果では、AI使用群と本市の過去データ群を比較すると、AI使用群のほうがケアプラン実行6か月後において一定の介護度の軽減が確認されました。 また、本市の協力により開発が進められたAIケアプラン作成支援システムは、その後改良を重ね、現在では一般向けにも供用が開始されています。 さらに、昨年度の介護報酬改定において、ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所は、AIを含むICT等を活用した場合に、ケアマネジャーが担当する利用者が一定数を超えても介護報酬が減算とならない逓減性が導入されるなど、介護人材確保策の一つとして、本市の実証研究結果やその後の利用状況が少なからず寄与したものと考えています。こうしたことから、本事業には一定の成果があったと評価しています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 お答えでは、ケアプランの実行後、一定の介護度の軽減が確認されたという効果があったということもあって、一定の成果があったというように評価をしているということでした。 ただ、分析対象のデータが、AI使用群は64名に対して、AIを使用しない過去データ分は7,125名と、比較するには人数が全く違っており、AI使用群では、過去データに比べ比較的軽度の人が多いなど、傾向が異なるデータを用いており、実証期間も6か月間の間の状態変化を見るという短期間のものであったということも報告書で示されておりましたので、実証研究というには期間が短いしデータも少なかったということで、これを評価してよいものかという疑問もあります。 一方、このAIは、MAIA、マイアと命名され、協定を結んだ当初からライセンスが株式会社シーディーアイに帰属し、同社は豊橋市で実証プロジェクトを開始して以降、全国各地で15法人が試験導入するなど、200人を超えるケアマネジャーの協力を得て成長を重ね、改良を加えながら、現在はSOIN、ソワンというように名称を変えて、一般向けにも使用が開始されているということをホームページで確認しました。その意味においては、本市の実証研究やその後の利用状況が株式シーディーアイの事業展開に果たした貢献度は多大なものがあるのではないでしょうか。 また、逓減性の導入により、ケアマネジャーさんの担当人数が40人を超えた場合は報酬が半減されていたものが、AIを活用した場合には45人までは担当できるようになったということで、その分、報酬が確保できるということなのですけれども、そこに本市が寄与できたということにもなるかと思うのですが、AIの利用を促進する目的のために、かえって業務が増えることになりはしないのかという懸念も一方ではあります。この事業の評価は、本市にとって結局のところどうであったのか、しっかり検証、総括をすることが必要だと思いますが、当初の目的から見て、豊橋市における目標は達成できたと考えるのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◎川島加恵福祉部長 実証研究成果やAIを利用いただいたケアマネジャーからの御意見からも、本市の当初の目標は一定程度達成できたものと考えています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 当初の目標については一定程度達成できたものと考えているということでした。 この評価については、私は不十分なものではないかというように考えます。その理由は、この事業が、お世話する介護から自立する介護へと、自立支援に軸足を置いた介護システムの確立という、それまでの介護の概念を変えることを打ち出した非常に重要な意味を持っていた事業であったことからです。単にAIを使用することで業務の効率化を図るだけではなく、自立を促す介護という方向性がケアマネジャーをはじめとする介護従事者や当事者である利用者さんと共有できていたのか、そもそもその方向性についての理解と納得がなければ,パラダイムシフトは起こらないのではないかというように思います。このAIを利用したケアマネジャーさんは、それぞれAIについて学習をしたり、利用者さんへの説明に苦労をされたりする中で研さんを重ね貢献をされてきたことは確かです。 ですが、AIが作成したケアプランそのものの思考過程が見えない、ブラックボックスで、AIが導き出した答えの理由を人間が知ることができないという根本的な問題があり、ケアマネジャーが科学的根拠に基づいて説明ができないため、説明責任が果たせないという状況の中で、確信が持てないケアマネジャーさんもおられたと思います。全国初であるという意気込みとは裏腹に、目指すべき介護の姿が明確にできず、市としてのフォローも不十分であったことが中途半端な結果を招いたと言えるのではないでしょうか。そういう意味では、本格運用までの期間が短かったことにも起因して、取り組んだこの数年間が実証研究のままであったと言えるのではというように感じます。 行政のデジタル化が進められる中で、介護分野においてAIやIoTが導入されつつありますが、そもそも生身の人間相手のケアプラン作成にそれが有用なものであるかも問われていると思います。ここは丁寧に検討していっていただきたいと思います。 もう一点は、ビッグデータの利用において、市のデータが事業化される場合に、その事業者との協定の仕方や事業における関わりについてです。委託を受けた事業者主導で進められてきた経緯があり、豊橋市の高齢者とケアマネジャーにとって、どのような利益、成果があったのか、その検証は後景に追いやられたのではという気がします。豊橋の10万人のデータを提供したのにもかかわらずです。 この事業は市としては終了しますが、このまま手を引くのではなくて、三つの目的から見たそれぞれの到達や効果はどうであったのか、浮き彫りになった課題や教訓は何であったのか、改めて検証し、明らかにしていく必要があるというように、この質問を通じてますます感じました。 くしくも川島部長が長寿介護課の課長であったときに、本当に一生懸命取り組まれた事業であるということは承知して、私も何回も質問をしてきました。しっかりと総括をして、豊橋市の介護の充実につなげていかれることに期待をしています。 1については終わります。 次に、(2)地域包括支援センターについてです。 地域における高齢者をめぐる課題についてお答えいただきました。 健康面の課題から社会的な課題まで、幅広い分野での課題、また、8050問題やダブルケアなどの今日的な課題など複雑多様化しているその中で、先ほど小原議員の質問でありましたけれども、地域包括支援センターが高齢者支援の中核を担う存在として、その重要性がますます高まっているのではないかということが分かりました。 先ほどは地域ケア会議についてやり取りがありましたけれども、私は、高齢者の課題の解決のためには、市と地域包括支援センターが直接協議することで課題をつかみ、政策化し、検証していくことも重要だというように考えます。 そこで、地域課題に対しての市と地域包括支援センターとの協議はどのようになっているのか、その協議の仕方についてお伺いをいたします。 ◎川島加恵福祉部長 市では、地域包括支援センターと情報共有を図るため、市と全てのセンターが一堂に会して定期的に業務打合せ会を開催するほか、それぞれのセンターの業務の進捗や課題を確認するため、個別ヒアリングを年2回実施しています。さらに、市内3圏域ごとに月1回程度開催される職種別会議にも市が参加しています。これらの場を通して、市とセンターが意思疎通を図り、必要に応じて課題解決を図るための協議を実施しています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 協議についてお伺いいたしました。 次に、先ほどお答えいただきましたように、今日、高齢者をめぐる状況が多様化・複雑化する中で、地域包括支援センターに持ち込まれる問題には、センターだけでは解決できない重層的な問題が多々あるというように聞いております。 そこで、そのような重層的な問題に対する対応と課題についてお伺いをいたします。 ◎川島加恵福祉部長 社会の変化に伴い、8050問題やダブルケアなどの高齢者だけでなく、家族全体への支援が必要なケースが多数見られるようになっています。 地域包括支援センターでは、こうしたケースに対応する際には、市の関係課や適切な相談先の情報提供などを行う福祉相談サポートセンターなどの関係機関と連携して対応に当たっています。 課題としましては、複数の関係機関の支援が必要な家庭は比較的地域において孤立しやすく、問題が表面化しない傾向にあることから、支援が必要な家庭の早期把握が課題と考えています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 地域包括支援センターだけではなくて、分野横断的に伴走的な支援により支援関係機関へつなげるとともに、地域住民の相談に対し適切な情報提供を行うとして福祉相談サポートセンターが開設されています。地域包括支援センターの方からは、この体制ができたことは大変心強いとの声も聞いております。 福祉相談サポートセンターでは、地域で潜在化している課題を抱えた世帯の掘り起こしも行うというようにしているということですので、そうしたことを通じて地域包括支援センターにつなぐなど、双方向で関係を強化していくことにも期待をするところです。 その次の質問として、地域包括支援センター、この名前ですね。この地域包括支援センターというのが堅い名称であったり、中には民間の施設の名称を使っているところもあることから、何をするところかよく分からないとか、そもそも高齢者の方が日常生活の中で困ったことが起きたとき、相談を受け付ける窓口が地域にあるということ自体知らないということをよく耳にします。 そこで、地域包括支援センターの知名度向上の取組についてお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 本市ではこれまでにも、地域包括支援センターの知名度向上を図るため啓発用パンフレットを作成し、市の施設や病院等の高齢者が訪れる機会の多い機関に配布をしてきました。今年度は、高齢者だけでなく、身近に高齢者がいる幅広い世代にもセンターの周知を図るため、若い方でも手に取ってもらえるようなパンフレットを作成する予定です。 また、自治会や民生委員の方が集まる場にセンターの職員が出向き、直接お話をすることにより顔の見える関係づくりにも取り組んできたところです。 こうした地道な取組によって地域の方との一定の人間関係が構築できていることから、今後も継続して関係づくりに力を入れてまいります。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 お答えいただきました。 特に高齢者が身近にいる御家族の方にも浸透を図っていく試みというのは、よいことだというように思います。 この名称についてですが、これも理解しづらいと思うので、もう少し分かりやすく親しみやすい名称にするということも一つの方法ではないかというように思います。ちなみに、豊川市では高齢者相談センター、田原市では高齢者支援センター、名古屋市ではいきいき支援センターというように地域包括支援センターのことを一般向けに言っています。高齢者という名称に抵抗感を感じる方もいらっしゃるという話もあるので、また今後、地域包括支援センターや地域の方の声も聞きながら、また名称などについても検討していっていただけたらなというように期待をいたします。 (2)のアについては終わります。 次に、(2)のイ、地球包括支援センターの体制についてです。 センターの体制についてお答えをいただきました。 では、(2)のイの2回目として、近隣の状況、中核市などにおける職員配置の状況についてお伺いいたします。 ◎川島加恵福祉部長 高齢者人口や受託業務が異なるため単純な比較はできませんが、参考までに申し上げますと、令和3年度の職員配置は、本市が87人、岡崎市105人、豊田市150人、一宮市が62人となっています。保健師または看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種の職員数では、本市が62人に対して、岡崎市92人、豊田市126人、一宮市49人となっています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 単純に比較はできないものの、特に必須とされている3職種の配置が、岡崎市においては豊橋市の1.5倍、豊田市は2倍の人員が確保されているということでした。 そこで、地域包括支援センターは総合相談窓口としてますますニーズが高まっているというように先ほど来言われておりますけれども、体制を充実させていく考えについてお聞きいたします。 ◎川島加恵福祉部長 今後も2040年頃までは高齢者人口の増加が見込まれることから、地域包括支援センターの役割はますます重要になると考えています。また、介護業界全体で人材不足が続いており、職員の確保・定着が難しい状況も続いています。そのため、センター職員の増員や待遇改善等を含めた体制の充実を図っていく必要があると考えています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 体制の充実を図っていく必要性について、お答えをいただきました。 地域に点在して必要に応じたサービスを提供する介護事業所に対し、地域包括支援センターというのは、地域をメインに置いてカバーする、そういう総合相談所、何でも相談所として地域で最も身近な福祉への窓口であるというように思っています。ぜひ体制の充実に期待をいたします。 (2)のイについては終わります。 次に、(3)アについて、要介護認定調査に要する日数の現状についてお答えをいただきました。 申請から介護調査の実施まで、今、最長で2か月を要している状況があり、調査を実施してからさらに東三河広域連合による各市町村での認定審査会による判定、それから、その結果を申請者に通知する事務作業を加えると、2か月半ほどかかってしまうという状況になっているということも分かりました。原則として、法律では30日以内に出すというように決められております。延長の場合には、もちろん相手方にもお知らせすると思うのですが、その間、介護サービスなどの必要に迫られている、そういう申請者にとっては気が気ではないと。判定結果を気にしながら、落ち着かない日々を過ごさなければならず、ケアプランを作成するケアマネジャーからも改善を求める声というものを聞いております。 そこで、現在かなりの時間を要している認定調査の遅れの解消に向けた対応についてお伺いしたいと思います。 ◎川島加恵福祉部長 認定調査業務の遅れを解消するため5月に調査員の採用試験を実施し、新たに2名を採用することができました。しかしながら、依然として欠員状態が続いているため、今後も継続して調査員の募集を行ってまいります。また、近隣市にも応援を依頼し、本市分の調査を実施していただいているところです。加えて、一時的に調査員の対応する調査件数を増やすほか、ふだんは介護調査に携わっていない職員も調査業務を実施し、対応を進めているところです。 なお、介護認定の有効期間の開始は申請日に遡ることから、認定結果をお待ちいただいている間、状況に応じて介護サービスを暫定的に御利用いただいています。 以上です。 ◆鈴木みさ子議員 介護や高齢者施策の状況について、今回いろいろお伺いする中で、どの分野、どの部署においても人員不足の現状が課題としてあるということが本当に具体的によく分かりました。 AIやICTを活用して一定の業務を補うことは可能だと思いますが、介護は人なりと言われているように、最後はいかに人の力で支えていくかという分野であるというように改めて感じます。また、相手が御高齢の方ゆえに、どの問題も先延ばしができません。東三河広域連合に対しても財政的対応を求めながら、スピード感を持って進めていただくことに期待をして、私の全ての質問を終わります。----------------------------------- ○近藤喜典副議長 この際、休憩いたします。     午後3時休憩-----------------------------------     午後3時15分再開     〔議長、副議長と交代し、議長席に着く〕 ○堀田伸一議長 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。----------------------------------- 次に、斎藤 啓議員。     〔斎藤 啓議員登壇〕 ◆斎藤啓議員 日本共産党豊橋市議団の斎藤 啓です。通告に従って、一問一答にて一般質問を行います。 今回取り上げるテーマは大きく一つ。ジェンダー平等と性と生の権利の取り組みについて ジェンダー平等は、SDGsにおいては全体の目標として位置づけられ、また17の全てのゴールを実現するための手段でもあるとされ、さらに目標の5、ジェンダー平等を実現しようというゴールともなっています。 今日、コロナ禍の下で女性へのDV、虐待や性的搾取、生活困窮、そして自殺も増えています。とりわけ虐待やDV、性的搾取の背景には、加害者による女性への力による支配の思想があります。いわゆるジェンダーの不平等、女だから、男だからという決めつけや押しつけがあることや、インターネット上でのアダルトビデオをはじめ、性についての誤った情報、SOGI、いわゆる性的指向や性自認に対する理解不足など、加害者の持つゆがんだ認識が深刻な性被害という事態を生んでいます。 問題は、そうした被害が表に出ているのはあくまで氷山の一角でしかないという状況があることです。このような事柄に対して、新たな加害を生まないような取組、そして、起こってしまった被害については、被害者の支援という取組が行政に求められているのではないかと考えています。まずは市民一人一人が性と性にまつわる権利についてしっかりと学び認識を深めるという広い視点での性教育が求められると考えています。 今日、世界では包括的性教育と呼ばれる性教育の在り方がスタンダードになっています。その中心的なポイントは、ユネスコが2009年に編さんしたセクシュアリティ教育ガイダンスというものにあり、2018年にはこの改訂版が出されました。 改訂版のガイダンスは冒頭で、若者の幸福にリスクをもたらすHIV及びAIDS、性感染症、意図しない妊娠、ジェンダーに基づく暴力、ジェンダーの不平等がはびこる現代において、包括的セクシュアリティ教育は今でも、安全で有意義な充実した人生を送るために重要な役割を担っている。しかしながら、質の高いカリキュラムに基づいた包括的セクシュアリティ教育がもたらすよい影響についての明白で説得力のある科学的根拠があるにもかかわらず、責任を持って自由に自らのセクシュアリティや関係性についてコントロールし、知識に基づいた意思決定をすることを励ます、彼らの人生のための準備(教育)を受けられている子ども・若者はごく僅か。こういう指摘をしながら展開をされているわけです。 日本の性教育は、今、どのような状況にあるか。例えば、宗教や伝統文化の下で、女性にだけ純潔強制を押しつけるような教育、性行動の結果の悲惨な状況を殊さらに強調して性の恐怖を教えるような教育、あるいは性教育は無垢な寝た子を起こすという曲解と性行動の管理を柱にした抑制的な性教育などがあるということが専門家の間では指摘をされています。 こうした性教育は、性の話題をタブー化することにつながり、性にまつわる科学的な見方が身につかず、何より、性と生について、性別の性と生きる、命そのものについて、人権という捉え方ができず、結果に自分の体と心を大切にするという視点、さらに、他者のそれを尊重するという視点が育たず、今日のネット上の誤った情報に流されてしまうというリスクを抱えることになるのではないかと考えるわけです。 包括的性教育というものの中身を整理していくと、年齢や成長に即して、つまり、子どもの発達の変化に柔軟に対応しており、科学に基づいてジェンダー平等を基盤とし、多様性を重視し、性と生を権利として位置づけ、自分と相手の権利を尊重し、また、誰かの権利が侵されているときには、それに対して立ち上がる力を育成するという人権的アプローチに基づく教育と考えることができます。それは成長に伴って生じる人と人との関係性、とりわけ友情や恋愛感情といった人間に特有の複雑な感情に伴う、そこに伴って生まれる人間関係において、適正に双方の共生関係を育む力を身につけ、いじめや性暴力、あるいはDVといったことの発生を抑えることにもつながるものであると考えます。 こうした効果を考慮していくと、市民誰もが、とりわけ若い人たち、幼い子どもの時期から青年期の市民の皆さんが適切な年代に適切な内容による性教育を受けられることが期待されるものと考えます。 そこで、まず(1)として、2018年のユネスコの改訂版セクシュアリティ教育ガイダンスに規定されているような包括的性教育についての市の認識をお伺いしたいと思います。 続いて、(2)です。 いわゆる生理の貧困と呼ばれるような事柄が一時期よく言われるようにもなっており、既に全国各地の自治体で生理用品の配布事業が取り組まれるようになっています。コロナ禍の女性の困難に寄り添うための経済的支援という側面と合わせて、そもそも生理にまつわっては女性にばかり大きな負担がかかっているという側面もあることから、公的な支援も必要なこととして位置づけられつつあると私は考えています。 豊橋も昨年から市内の幾つかの窓口や図書館など、市内設備の配布を実施されています。今回、この配布の仕方について取り上げたいと思っておりまして、市が取り組んでいる現在のこの生理用品の配布の仕方の考え方をお伺いいたします。 続いて、(3)です。性暴力の被害に遭った人たちへの相談と支援についてであります。 今、メディアを見ていると、性暴力にまつわる話題が掲載されない日はないというような状況があると思います。先日、国連の安全保障理事会では、ウクライナで、6月3日時点で124件の性暴力被害があり、被害者は100人近くが女性や少女であるという報告がなされました。また、ウクライナにおいて、性的搾取を目的とした人身売買の機運が高まっていること、そして、それらは氷山の一角にすぎないという指摘もされています。これらは国際法に違反することとして、ロシア側に厳しい批判の声が上がっています。 「試験当日の朝は痴漢がはかどるってマジ?」というツイッターが流れたことがニュースになりました。受験に向かう学生は、痴漢に遭っても声を上げることをしないという趣旨のツイートが1月の共通テストの試験の前に流れているという状況でした。声を出せない受験生をターゲットにする、あまりにも卑劣なことだと考えます。 実際に痴漢を誘発する可能性はもちろん、愉快犯だとしても、多くの受験生を不安に陥れるものとして、決して許されるものではありません。私ども日本共産党も公共交通機関などにも申入れを行い、対策の強化を呼びかけてまいりました。 映画界でも、監督や俳優による性暴力が現場から告発をされました。出演の機会を得ることを願う思いに付け込んだ、典型的な力関係を利用した性暴力だと指摘されており、業界全体で問題意識を持って対応することが求められています。 自治体の関わる問題もあります。5月の末には長崎市の幹部職員が女性記者に性暴力を働き、その幹部職員の同僚がそのことにまつわって虚偽の流布を行ったということに対して、民事訴訟で長崎市が有罪判決、有罪といいますか、賠償責任があるという判決を受け、先日、長崎市が謝罪し、この裁判は一審で確定をするという事件がありました。判決では、市の業務に関わるところ、つまり市の仕事に取材に来た記者に対してということでしたので、業務に関わる中で起こったことだということが認定をされまして、他の同僚が週刊誌に、2人は男女の関係だったという虚偽を語ったということも、市がそれを防止する責任があったと、このように認定をされたわけです。 さらに、長崎市は、この裁判の中で、その女性にも落ち度があったという主張をして賠償金の減額を主張したのだそうです。被害に遭った女性は、その市の被害者に落ち度があったという主張そのものがセカンドレイプにつながっていると。このことも厳しく指摘をしています。 これからの性暴力の加害者の心理的な背景には、性欲を満たすためではなく、支配欲を満たすことがあると心理学などの専門家から指摘をされています。上司から部下、先生から生徒、男性から女性、それも見知らぬ誰かではなく、被害者と加害者の関係者の中で起こる性犯罪が多いこともそのことを証明していると思います。 先ほど包括的性教育で触れたような、本来、どう性と生の問題を考えるかということとも直結をしている問題です。こうした性暴力を根絶することは、社会全体に課せられている大事な課題であろうと考えています。 私ども日本共産党豊橋市議団のもとに寄せられる市民からの相談の中にも、こうした性被害に関わるものが寄せられます。私が市内在住の知人から聞いた様々な被害例で言いますと、渥美線の車内か駅で髪の毛を切られて後で気がついた、すれ違いざまに胸を触られた、電車の中で隣に座ってきて肌を触ってくるという被害に遭ったなど、紹介するのがはばかられるようなものもたくさんありました。しかし、多くの被害者は、相談する先もなければ解決の糸口もなく、ただただ自分で抱えるだけという残念な実態が今なお多くあるということです。 最初にも申し上げましたように、これらの被害が生まれているのは氷山の一角であり、皆さんの身近なところにも間違いなく性暴力の被害者がいると考えてよいと思っています。魂の殺人とまで言われる性暴力被害者の苦しみに寄り添った取組が求められていると思うわけです。 性暴力の被害者への支援が求められるタイミングは大きく二つあると考えています。 一つは、性暴力を受けた直後です。そうした性暴力被害者を救済する仕組みは、県が設置する性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを主としたワンストップの支援体制がつくられています。 もう一つのタイミングは、過去に受けた性暴力の苦しみをずっと抱えて生きている人たちへの支援です。とりわけ子どもの頃に性暴力の被害に遭った人は、性暴力に遭ったということそのものを、時には、その行為から何十年もたってから気がつき認識をするということもあります。性被害の当事者でもあり支援をしている方から御意見を伺ったところ、継続的あるいは断続的に昔の記憶が出てくるということ、フラッシュバックに襲われ、苦しみが長引くことがあるのだと。ところが、そうしたことに対しての公的な支援の窓口というのは全くないのだということなのです。そうした背景を鑑みて、性暴力被害者の皆さんに相談の窓口とケアの仕組みが求められているものと考えるものです。 そこで、(3)として、性暴力被害者への相談と支援について、お伺いをいたします。 以上、1回目の質問とさせていただきます。 ◎撫井賀代健康部長 大きな1(1)包括的性教育の考え方についてでございます。 保健分野では、ユネスコが提唱する包括的性教育について、知識の普及だけでなく、性教育を広く捉えており重要な考え方であると認識しております。性教育は、単に妊娠や性感染症のみを扱うものではなく、生きる力を育むものと捉えております。例えば、命の大切さを学ぶことや自分や他者を大切にすること、性の多様性を知ることは性と生殖の健康や権利を含めたライフプランの構築につながるものと考えております。 以上でございます。 ◎中野浩二市民協創部長 大きな1の(2)生理用品の配布の仕方の考え方についてでございます。 生理用品の無料配布につきましては、コロナ禍における生理の貧困問題への取組として、生理用品の配布をきっかけに、困難や不安を抱えている女性を必要な相談につなげ、さらには支援につなげる目的としております。 配布につきましては、市役所生活福祉課をはじめ、市内14か所の窓口で行っており、令和4年5月末時点で997袋を配布しております。 続きまして、大きな1の(3)性暴力被害者への相談と支援についてでございます。 本市が実施しておりますDV相談では、配偶者やパートナーから受ける身体的・精神的・経済的暴力に加え、性暴力についても相談を受けており、被害に遭われた相談者の心に寄り添ったケアに努めるとともに、被害内容によっては警察や病院など適切な機関につなげるようにしております。 また、こうした性犯罪・性暴力被害者に対し、国は令和2年10月に全国どこからでも最寄りのワンストップ支援センターにつながる全国共通の短縮番号#8891、はやくワンストップ、こちらを開設しており、11月12日から25日の女性に対する暴力をなくす運動の期間に合わせ、本市としましても相談窓口の連絡先を記載したポスターの掲示及びチラシの配布により周知・啓発を行っているところです。 以上でございます。 ◆斎藤啓議員 それでは、答弁を受けて2回目以降の質問をしていきたいと思います。 包括的性教育について、お答えをいただきました。 ユネスコの提唱する包括的性教育について、知識の普及だけではなく生きる力を育む重要な考え方ということ、また、自分や他者を大切にすること、性の多様性を知ることが性と生殖の健康や権利を含めたライフプランの構築につながると考えているとの答弁でありまして、このあるべきものとしての認識は共有できるものかなというように思うわけです。 では続いて、現在の豊橋市の取り組む性教育について、どういう取組があるのか、お伺いしたいと思います。 ◎撫井賀代健康部長 保健分野の取組としましては、小中学校出前講座や学校保健委員会、高校生等への訪問授業及び大学や企業等の健康講座として専門職による健康教育を実施しております。 小学校の赤ちゃんふれあい体験では、命の大切さを考える体験学習を通じて、自分がこれまで大切に育てられた存在であることを知り、それは他者も同様であると認知できるよう働きかけています。また、体や心の成長、性の多様性や自分も他者も大切にすることの重要性を伝えております。 中学校以降では、さらに妊娠・出産に関する知識とともに、性感染症や予期せぬ妊娠の予防、相手の意向を尊重する性的同意に関する正しい理解を促すための健康教育を実施しております。 以上です。 ◆斎藤啓議員 性教育の保健分野の取組として、小中学校への出前講座や高校への訪問授業、大学や企業への健康講座など、専門職による取組があるということでありました。 私も小中学校や高校でのこうした企画を拝見させていただく機会がありましたけれども、保健師や医師が扱っているテーマの中身も、児童生徒の皆さんにしっかり興味を持っていただきながら、私が言うのも変ですけれども、結構踏み込んだ中身をしっかり伝えるようなものも多くて、私たちが若い頃にはなかったことを学べるようになっているのだなと非常に感心をしたという経験もあります。 一方、子どもたちの性行動の低年齢化が進んでいるというような実態や、冒頭でも触れたように、スマホも誰もが手にするようになったことによって誤った性情報などを手にする機会も一方では多いという状況があるわけです。出前授業や学校保健委員会なども非常によい取組をやっているのですが、全ての学校で実施をするというようにはなっていないところもあるわけでございまして、そうしたことを踏まえると、また、性教育についてはもっと若い年代、赤ちゃんとかのそういう年代から教えるようなこともあるというようなことも専門家などで言われているかと思います。 そうしたことを踏まえると、今後さらに一定踏み込んだ取組なども必要ではないかと思うわけです。 そこで、性教育の今後の方向性をどのように考えていらっしゃるか、確認したいと思います。 ◎撫井賀代健康部長 様々な情報があふれる現在において、性と生殖の正しい知識とともに、妊娠・出産を自分で選択することや性の多様性を認める啓発を行うことにより、自己実現に向けたライフプランの構築につなげる支援が重要です。性教育は、点としてではなく系統的に実施することが重要であり、小中学生、高校生、大学生等、それぞれのライフステージに応じて実施する必要があると考えております。 また、誰もが性教育を受けられる機会が重要ですが、保健分野だけでは実施することが困難なため、学校教育や企業、その他の関係機関との連携をさらに強化してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆斎藤啓議員 今後の方向性について、性と生殖の正しい知識、妊娠・出産の自己選択権、性の多様性などを身につけて自己実現に向けたライフプランの構築につながる支援が重要であるということ、そして、性教育を点ではなくてライフステージに応じて実施をしていく必要があるということでございました。また、それを実現するために学校教育や企業や関連機関との連携も強化したいということで、この分野については大いに期待をしていきたいと思うわけです。 続いて、保健分野と連携を取りながら取り組まれているということになりますが、学校分野においての性教育について伺っていきたいと思います。 6歳から15歳という年齢層の子どもたちというのは、この分野がしっかり学べることが大事だろうと本当に思うわけです。性教育をめぐっては、学習指導要領の中で、つまり授業の中では妊娠の経過を取り扱わないと言われる、いわゆる性教育の歯止め規定と言われるものがあります。しかし、性の問題に関わってはいろいろな分野に幅が広がってもおりますし、先ほどもあったような低年齢化という状況の下で、しっかり学んでいかなければいけないこともあるかなというように思うわけです。 そこで、まずは小中学校における性教育の現在の取組についてお伺いしたいと思います。 ◎山西正泰教育長 小中学校における性に関する指導は、今、斎藤議員がおっしゃられたように、学習指導要領に基づいて、子どもが性に関して正しく理解をし、適切に行動を取れるようにすることを目的として、各教科や道徳、特別活動をはじめ、学校教育全体を通して計画的に指導をしております。身体の発育や性感染症等の科学的な知識に関しては、保健体育科の授業で扱い、性に関する倫理的な面や人間関係については道徳や特別活動で扱い、それらを発達段階に応じて総合的に指導をしております。 以上であります。 ◆斎藤啓議員 お答えの中で、道徳や、あるいは保健体育などの、まさに学習指導要領で位置づけられている教科としての中での扱いと、さらに深めて特別活動などでもいろいろ取り組んでいくという形の中で総合的な指導をしているということでございました。 先ほども申し上げたように、しかしそういう中でも、学校現場に求めるのもなかなか重い分野だとは思うのですけれども、この小中学校における性教育の今後について、考え方をお伺いしたいと思います。 ◎山西正泰教育長 ジェンダーや多様性など性の課題については、学習指導要領に明記されていないために、学校としてはとても扱いにくい現状がありますが、大切な内容であると認識をしております。今後も、こども保健課などほかの課との連携や教職員研修の充実を図り、教職員の意識を高めていくとともに、性教育にとどまることなく、人権教育を含めた学びとして、子どもがよりよく判断し行動する力を身につける指導に努めてまいります。 以上であります。 ◆斎藤啓議員 ジェンダーや多様性、また、性の課題について、指導要領との関係で扱いにくいところもあるけれども、大事なものであるという御認識と、他課との連携や教職員の研修の充実によって子どもたちの指導にしっかり取り組むということでございました。 この辺り、問題の認識と取組の方向性については、私も問題意識で通じるものがありまして、ぜひ期待をしていきたいというように思います。 次に、高校生から社会に出ていくといった年代に入っていきますと、性に関わる学びの重要性は、その年代ならではのものが必要になってくると思うのですが、逆にその機会が減っているようなところもあると感じています。そういう年代、高校生からティーンの上のほうも含めてになると思うのですけれども、その年代に性の問題を考えてもらう場として、この間、全国の自治体や医療機関が、保健室と名づけてまちなかでそうした相談や学びの場をつくるという取組をやっているところが少しずつ生まれています。医師や保健師、看護師など、医療、保健分野のスタッフが来訪した市民の相談に乗ったり、講演を行ったり、啓発活動に取り組んだりなど、様々な取組を展開しているというところで、これは、先ほどの私が提起をさせていただいている包括的性教育の一環とも言える事業につながるのかなと思っているわけです。豊橋市においては今年の2月から、まちなか図書館において、まちかど保健室という取組が始まっています。このまちかど保健室、豊橋市の取り組んでいる取組の狙いとその取組について、お伺いをしたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 まちかど保健室は、内閣府の地域女性活躍推進交付金(つながりサポート型)を活用した委託業務、女性のつながりサポート事業の一つで、女性が性や生理について気軽に話ができるようLINEによる相談を実施しております。 まちなか図書館での開催日には、相談員に加え、医師からもアドバイスを受けることができるよう相談体制の充実を図るとともに、関連図書の展示、生理用品の配布などを通して、望まない孤独・孤立で困難や不安を抱える女性が社会との絆・つながりを回復できるような支援を行っております。 以上でございます。 ◆斎藤啓議員 今回の事業は、内閣府の地域女性活躍推進交付金ということで、女性に対象も限って取り組まれているということではございますけれども、相談員や医師からのアドバイスを受けられることや、まちなか図書館という立地がなかなか考えられているなと思うのですが、関連図書の展示があったり、生理用品の配布など通じて、女性が社会との絆・つながりを回復できるような支援を行うという取組として捉えてもらっているということでございました。 私もまちなか図書館に出かけて様子をお伺いをさせていただき、また、スタッフの方のお話も伺ってきたのですけれども、決して高校生がわあっと集まってわいわいとなっているという状況ではないにしても、柔らかい雰囲気のブースに関連の図書やグッズなども置いて性の問題などを学べること、また、医師が相談に乗っていただける時間帯もあって、豊橋でいうと、ほかにはないそういう空間として大きな役割を発揮できているのではないかなと、貴重な空間になっているというように感じていたわけです。 特に私が注目しているのは、そこの相談の中での取組でありまして、次に、まちかど保健室の中でどのような相談があったか、お伺いしたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 まちかど保健室は、LINEのほか、電話、面談による相談も実施をしております。昨年度2月に市内小学校4年生から中学3年生までの女子児童生徒全員に案内カードを配布したこともあり、学校での出来事や友人・恋愛関係のほか、生理や性に関する相談が多く寄せられております。また、女性が1人で訪れることのできる場所の情報や事業の紹介を掲載するつながる文庫を市内4万世帯にポスティングしたことにより、職場でのことや子ども、家族、隣人との関係、介護に関する相談なども寄せられております。 以上でございます。 ◆斎藤啓議員 小学4年生から中学3年生までの女子児童生徒全員にカードを配布し、そこにLINEのQRコードが載っているわけですね。LINEですので匿名で相談を寄せることができるという仕組みなのだそうで、それによって月ベースで100でしたかね、本当にたくさんの、匿名で、しかも気軽に、好きな人ができたんだけどどうしたらいいでしょうみたいな相談なども含めてあったというようにお伺いしているわけですけれども、そうした問題を本当に気軽に、そして、受け取る側でいうと、本当に専門性の高い人がきちんと答えることができるという体制の下で取り組まれて、10代のその年代の子らからも、いろいろなフィードバックがあるというのは、豊橋の取組の中でも非常にまれなといったら怒られるかもしれませんけれども、非常にいい取組になっているのではないかというように感じるところがあるわけです。 また、今回の私の質問からは若干テーマ的にははみ出ますけれども、このつながる文庫のポスティングによって寄せられる相談も、やはりこうした事柄についての相談先というのを待っている人がいるのだなということを実感できる、非常にかみ合っている取組の一つではないかなというように思うわけです。 こうした取組全体の中で、やはり子どもたち、特に、子どもも含めた若い世代の皆さんが、人生の様々な場面において、しっかりと自分の体と心を守りながら豊かにさせることができる、人間をつくっていくことができると、そういう場になることを大いに期待をするところであります。 現在の豊橋市の性教育の取組についてるる伺ってきましたが、包括的性教育が目指す、子どもの発達段階に応じた内容を適切に学び取れる内容と仕組みが求められるということを考えていきますと、様々な取組が重層的に取り組まれているというようにも感じながらも、一方では取組の、いわゆる推進計画のようなものが必要になるのではないかと考えるところがあるわけです。 内容から言うと、性と生の問題を一人一人の権利として取り組む、ジェンダー平等の考えを貫きながら多様性を重視して取り組んでいくという事柄になろうと思いますので、今の豊橋市の持っている様々な計画の中で言いますと、男女共同参画行動計画の、いわゆるとよはしハーモニープランの中で位置づけていけるような内容になるのかなということも考えるところですが、こうした包括的性教育の推進計画のような、この分野の取組をどう系統的に取り組み、また、振り返りながら発展させていくかと、そういうような考え方があるかと思うのですが、こうした計画についての考え方をお伺いしたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 性教育につきましては、豊橋市男女共同参画行動計画とよはしハーモニープランの基本目標、人権を尊重した男女共同参画意識の向上の基本的な施策、学校における男女共同参画教育の推進の授業として取り組んでおります。 また、生涯を通じた健康の保持と安心できる生活環境の整備という基本目標の中の基本的な施策、性の理解と性差を踏まえた健康づくりの推進、女性の自己決定権の啓発に基づき、知識の普及・啓発、相談などにも取り組んでいるところでございます。 こうした取組がなされる中、包括的性教育について、改めて個別の計画を作成することは現時点では考えておりませんが、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重と人権尊重を基盤とした性教育について、現在改定作業を進めております次期ハーモニープランの中に取り入れ、関係機関とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆斎藤啓議員 ジェンダー平等や性の多様性も含む人権尊重を基盤とした性教育について、ハーモニープランの中にも取り入れ、関係機関とも連携しながら取り組みたいということでございましたので、ここは大いに期待をしていきたいと思います。 同時に、いろいろな部署が取り組んでいるこうした性教育につながる取組についてもまた確認をしながら、発展した取組になっていくことを期待したいと思います。 今回、私がこの問題をいろいろ自分でも勉強している中で、すてきな大人になるためにという一文があって、あっと思ったのです。大人になるということは、もちろん自分の体と心もありますけれども、ほかの人の関係性においても、魅力的な人生を歩むという上で本当に身につけておかなければいけない事柄として、僕は、性教育というのは位置づけられるものだというように思うわけです。ぜひ、こうした視点から、市の取組をまた見ていただいて、豊橋に住む全ての市民の皆さんが豊かな人間関係をつくっていけるような、そういう取組になることを期待して、(1)については終わりたいと思います。 次に、(2)生理用品の配布の仕方の考え方についてであります。 今回、無料配布の取組は、配布をきっかけに、困難や不安を抱えている女性を必要な相談につなげるということを目的としているということでございました。これは、学校でも今、生理用品をお渡ししているのですが、これは保健室で渡すという形を取っているというように聞いています。 一方で、全国の自治体の中で、生理用品を公共施設や学校トイレの個室に配置をするという自治体も生まれてきています。個室の配置を進める自治体の考え方や議論などを伺うと、一つは、緊急に必要になったときに対応しやすいこと、二つ目に、衛生面については専門のボックスなどで対応可能な状況ができつつあるということ、3点目に、貧困への対応ということだけでなくて、広く誰もが負担を感じることなく利用できるようにするという観点から、トイレットペーパーと同様に、個室ですぐに手に取れる環境に置くという考え方、それから、学校においては、どうしてもその年代の女子学生、女子生徒・児童が人にお願いをするという、この事柄で人にお願いするということについてのハードルが高いということもあって、保健室に取りに行くことそのものをちゅうちょしてしまうというような事柄も多いのだということ、これは私も直接お伺いをしました。 このことについては、文部科学省の事務連絡2021年4月14日付がありまして、提供場所を保健室のほかに設けたりするなど、必要とする児童生徒が安心して入手できるよう、提供方法や設置場所の工夫など御検討いただきたいというように文部科学省からもこういう連絡があったということです。 これらの理由から、個室に置くということも推奨されているというように聞くわけです。たしかに相談対応というのは大事な、そこを糸口にということもあり得るというように思って、メリット、デメリットはどうしてもあるというようにも思うのですけれども、相談対応ということで言うと、糸口というのはほかにも考えられるということもあるものですから、ぜひ個室への設置ということについて検討を図ってはどうかと思うのですけれども、市としての考えをお伺いしたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 公共施設のトイレの個室への配置につきましては、私のほうからお答えさせていただきます。 生理用品を公共施設のトイレの個室に配置することについては、緊急に必要になったときなど、誰もが安心して利用できるといったメリットがある一方、衛生面への不安や、また、男性を含めた社会全体の理解など様々な課題があるというように考えております。 生理の貧困が社会問題となり、生理に伴う負担の軽減やジェンダー平等の観点から様々な取組が行われている中、本市としましては、生理用品の配布をきっかけに、必要な相談窓口につなぐことを目的として、引き続き困難や不安を抱える女性への支援を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎山西正泰教育長 小中学校のトイレの個室への配置につきましては、私からお答えをさせていただきます。 小中学校では、現在、生理用品が必要な子どもへ保健室で必要な分を渡しております。申し出ることにためらいのある子どもの対応としましては、女子トイレへの掲示や保健だより、宿泊行事前の月経指導などの機会を利用して、生理用品に困った子どもが気兼ねなく安心して保健室で受け取れるように伝えております。 トイレの個室に生理用品を設置することは、すぐに手に取れるという利点はあります。一方で、保健室で渡すことの利点としましては、学校で初経を迎えた子どもへの個人指導を行ったり、生理用品の購入に困っている子どもを把握し、相談機関につなげたりすることができます。そのため、学校としましては、生理用品をトイレに設置するという支援ではなく、保健室での配布を通して、その子の生活の背景を含め、子ども個人に応じた適切な支援に生かしていくことが大切であると考えております。 以上であります。 ◆斎藤啓議員 公共施設のトイレの個室、あるいは学校におけるトイレの個室の考え方について、それぞれお答えをいただきました。 考え方としては理解をするところもあるわけなのですけれども、この問題について、検討の段階からも、それらのメリット、デメリットいろいろ検討はしてきたというようにお伺いしているところでございまして、また、様々な社会的な情勢などもにらみながら、今後の対応もぜひ検討いただければというように思うところです。 続いて、(3)についてお伺いしたいと思います。 豊橋市としての性暴力被害者への相談と支援についてお伺いをしてきました。 DV相談においては、配偶者やパートナーなどからの暴力の中で、性暴力についても相談を受け止めて、被害に遭われた相談者のケアや警察や病院などにもつなげているということ、そして、私も紹介させていただいた性暴力被害の支援センター、こちらのほうにつないでいくということ、国の設置している#8891、はやくワンストップは、あまり知られていないようにやはり思うのです。こうした電話の相談口があり、そこに電話をすると適切な支援を受けられる機関がどこにあるかということにつながるということでございますので、こうしたことを知らせていく啓発などもやっていますということでございました。 問題は、この愛知県のワンストップセンターというのが名古屋市で、八事日赤と一宮市、こちらは病院が運営をされているというところなのですが、そこの2か所にありまして、仮に豊橋で被害に遭ったとしても、車で1時間以上もかけて出かけるということは現実的にはないだろうと思うわけです。 警察庁のホームページでは、このワンストップ支援センターについて、被害直後から医師による心身の治療、それから相談カウンセリング等の心理的な支援、捜査関連の支援、そして法的な支援、これらの総合的な支援を可能な限り1か所で提供できるという仕組みになっているわけなのです。当該支援を行っている関係機関、団体につなぐことも含むということで、それはワンストップでできないところについては、いろいろな連携機関で対応することになりますよということ含めてあるわけなのですが、それらの取組で被害者の心身の負担を軽減し、健康の回復を図るとともに、被害の潜在化を防止すること等を目的として設置されたものだと。まさに氷山の一角にせずに、きちんと救済されるのだと、こういうことを期待して設置をされている。こうした総合的な支援をすぐに受けられるワンストップの支援体制は、やはり身近なところであってほしいと思うわけです。設置責任が愛知県にありますので、愛知県にはぜひ、この東三河、豊橋にも設置をと。これは私ども日本共産党としても要望としては取り組んでいるわけなのです。 では、豊橋で性暴力被害を受けた方はどうしたらよいのかと。警察に行くこと、医療機関の受診とこういうことになろうかと思うのですけれども、なかなかハードルが高いです。#8891、はやくワンストップ、この電話番号に連絡を取った場合に、やはりこういった所に紹介されて、安心してそこに向かって、自分がきちんとしかるべきケアがされるのかということも仕組みというのは本当に大事になっているなと思うわけです。 豊橋においては、医療機関の中で豊橋の市民病院が、こうした性暴力被害者に対する一定の対応ができるという状況があると聞きましたものですから、豊橋における性暴力被害者に対しての市民病院の対応の状況についてお伺いをしたいと思います。 ◎渡辺英仁市民病院事務局長 豊橋市民病院には、愛知県が構築を進めております性犯罪・性暴力被害者支援体制の中で、県内二つのワンストップ支援センターと連携協力を行う救命救急センター設置医療機関でございます。院内には2名の職員が性暴力被害者支援看護師、これはSANEという名称でございますけれども、この研修を修了しており、性暴力の被害を受けた方に対する県医療費等公費負担制度に対応できるようになっております。 また、院内に設置しております虐待対策委員会におきまして、虐待防止対応院内マニュアルを策定しており、受診時の患者さんの全身症状や問診などの内容から、性的虐待についての情報や疑いがあれば相談支援につなげるよう取組を行っているところでございます。 以上でございます。 ◆斎藤啓議員 豊橋の市民病院でも愛知県の性犯罪・性暴力被害者支援体制の中でワンストップ支援センターと連携協力を行う救命救急センター設置医療機関として、私もこれを今回いろいろ調べるまで存じ上げなかったのですが、性暴力被害者支援看護師、Sexual Assault Nurse Examiner、SANEと呼ばれる専門的な支援を身につけた看護師さんが配置をされておりまして、対応ができるということ。 それから、性暴力の被害者に対する公費の負担制度ですね。緊急避妊、アフターピルの処方であるだとか、性感染症の検査の費用、あるいはそうした中で、望まない妊娠に至った場合の人工妊娠中絶費用などについても公費負担でできるという仕組みがあるわけなのですが、そうしたことの対応もしているということでございました。 緊急の場合、一定そういう場もあるよということは、ぜひ広く知らせて、安心して、なかなか安心してって変な言い方ですけれども、もう既にぼろぼろになっている中でも、きちんと信頼をして、そうした支援を受けられるところがあるんだよということは、ぜひ今回メッセージとしても伝えたいと思ってこの問題を取り上げているわけですが、そういう体制もあるよということを大事にしていきたいというようにも思うわけですが、同時に、やはりワンストップ支援センターはどうしても東三河の地域に設置が必要ではないかと思うわけです。 もう一つは、私が今回、性暴力の被害に遭った方やその支援をしている方からの聞き取りを行うと、その直後に駆け込める場所と併せて、時が変わってから出てきた様々な性被害の対する苦しみの相談をする場がないということもあったわけです。その点の対応は、市としても、そうした性暴力被害に遭った方々の実情なども調べていき、相談窓口なども設けて、専門的なスキル、いろいろ聞くと、看護師さん、保健師さん、臨床心理士さん、いろいろな分野あると思うのですが、それだけ長らく過去の苦しみに苦しめられている人でいうと、臨床心理士のような方が非常に適切ではないかというようなこともお伺いするわけなのですけれども、そうした相談員を配置し、長期にわたってのケアにも取り組めるような、そのようなことをぜひ検討していただきたいというように思うのです。 今日の氷山の一角で水面下に埋もれていた性暴力被害者の実態をつかみ、支援を図ることについて、豊橋市として今後どのような考え方でいらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。 ◎中野浩二市民協創部長 性暴力被害者に対する支援は、各都道府県に設置されておりますワンストップ支援センターを中心に、夜間や休日を含めた相談や被害者の心的・身体的ニーズに沿った支援が行われております。 性暴力は、「傷つけた方が悪い。性暴力に言い訳は通らない。」を広く周知することが必要であり、被害者に対しては、「あなたは悪くない」というメッセージも伝えていくことが大切だと考えております。 しかしながら、こうした相談窓口を知らない方、東三河地域には現在ワンストップ支援センターがないため、地理的にアクセスが困難な方、また、斎藤議員が言われましたとおり、相談をできず、または相談をちゅうちょし、一人で苦しんでいる被害者の方も一定数存在しているというように考えます。 本市としましては、被害者の心身の負担を軽減するため、国や県の相談窓口の周知・啓発を引き続きしっかりと行うとともに、本市が実施しておりますDV相談や女性のための悩みごと相談で性暴力被害者からの相談があった場合には、相談者の心に寄り添ったケアに努めるとともに、相談内容によっては適切な機関につなげてまいります。 今後は、国や県の動向や、またその取組を注視しながら、県への働きかけについても検討してまいりたいというように考えております。 以上でございます。 ◆斎藤啓議員 御答弁をいただきまして、性暴力を受けた被害者の皆さんの抱えた苦しみに寄り添っていく、その市の姿勢が見えた答弁だと思いまして、非常に歓迎をしたいと思います。 今、毎月11日には全国でハッシュタグでMeTooやWithYouというハッシュタグを掲げて、性暴力の被害者に寄り添う集会を開くフラワーデモというものが全国各地で行われ、豊橋でも小規模ながら毎月取り組まれていて、私もたまに参加をさせていただくことがあるのですけれども、今日、やはりそうした人たちの苦しみをもう生まないこと、そして、その被害者の皆さんの気持ちに寄り添う取組ということは本当に大事になってきているというように思うわけです。 それは今日あぶり出てきた、昔から多分ずっと苦しんでいる方がたくさんいらっしゃって、そのことから一歩社会がそのことに関心を持って取り組み始めているという段階なのだろうというように思うところでもありますけれども、豊橋として、こうした人たちの思いに寄り添って、実態に則して、様々な制度も含めて取り組んでいただくこと。また、国、県との連携もぜひとも取り組んでいただきながら、全ての性被害者の皆さんが、安心して豊橋に住めると、そのような環境になることも期待をし、私の全ての質問を終わります。----------------------------------- ○堀田伸一議長 以上で本日の日程は終了いたしました。----------------------------------- 本日はこれをもちまして散会いたします。     午後4時8分散会...