◆鈴木博議員 市役所以外の各機関も含め、より詳細な情報を記載したハンドブックを作成中で、専属の職員による専用窓口おくやみコーナーの設置を検討中、国も検討しているワンストップサービスの実施を目指し、勉強していくとのお答えがありました。現段階では、ほぼ完璧な答弁をいただきました。別府市の職員のように、市民の負担軽減への熱意と知恵を持って取り組んでいただき、スムーズに手続が終わり助かったと、市民の皆さんに喜んでいただける取り組みになるよう期待をいたします。 では、3回目の質問であります。全国的に所有者不明の土地や建物がふえ続け、いわゆる空き家問題や樹木、雑草問題など、近隣住民が迷惑していることでの市民相談もふえてきております。 そこで、不動産所有者の葬儀後の市役所における手続の際に相続登記を促す、そういう取り組みについて伺いたいと思います。
◎古川尋久市民協創部長 市民課窓口で御遺族へお渡ししている現在の簡易な案内チラシにおいても、土地・建物の所有者が死亡した場合として、法務局や資産税課の連絡先を記載しているほか、窓口には法務省が作成したポスターの掲示やチラシの配布を行っています。 所有者不明土地が社会問題化している現在、相続登記を初め、不動産の所有者情報を適切にする仕組みづくりにつきましては、不動産登記の義務化の法改正等を含めて、ことし2月に法務大臣から法制審議会に諮問がされ、現在、民法・不動産登記法部会で議論がされているところではあります。 それらの状況を踏まえて、法務局とも連携しながら、市民の皆様へはわかりやすいハンドブックを作成し、丁寧な説明を行っていきたいと考えております。 以上でございます。
◆鈴木博議員 法務局と連携しながら、市民にわかりやすいハンドブックを作成し、丁寧な説明を行っていきたいとのお答えでございました。 葬儀後の市役所における手続の際に相続登記の重要性を説明をしていただいて、相続登記がきちんと実行されるよう取り組んでいただくことを期待して、大きい3番については、終わります。 次に、大きい4番、小中学校におけるトラブルについての(1)小中学校での教育活動における保護者とのトラブルの現状と課題についてであります。 近年、担任を初め学校に対する要望や要求等が年々増加をしている、教員の指導や支援に対し理不尽と思われるクレームを受け、その対応に疲弊した教員が療養休暇や休職を余儀なくされる事例も発生してきていると。課題として、これらのトラブルの解決が教員だけでは難しくなってきているとのことでございます。そのために、第三者的な立場で広い見識と専門的な知識を持って助言できる人材の必要性を強く感じているという答えでございました。 このことについては、昨年6月の一般質問の中で教育長から、学校現場でのトラブル対応のためのスクールロイヤー配置による効果の認識について、次のような答弁がございました。 スクールロイヤーの配置により、3点の効果があると考える。 1点目は、子どもたちの人権意識を高めるために弁護士を活用した教育活動が可能になる。 2点目、トラブルに対しては、法的根拠に基づいた対応が可能となり、効率的な解決につなげることができる。 3点目、学校が法令を遵守した教育活動ができるようになるであります。さらにスクールロイヤーの必要性について、今後勉強してまいりたいと考えていると、こういう答弁もございました。 そこで、2回目の質問ですが、学校現場のトラブル対応のため、スクールロイヤーの配置は効果があると考えておられ、必要性について勉強していきたいとの答弁でございましたので、1年以上経過した現在、学校現場にスクールロイヤーを導入するため、どのような取り組みや活動をされてきたのか、伺っておきたいと思います。
◎山西正泰教育長 豊橋市教育委員会としましては、愛知県市町村教育委員会連合会において、文教施設と予算措置に関する要望の一つとしまして、スクールロイヤーの配置及び補助制度の創設についてを重点項目にするよう提案をしてまいりました。 連合会に属する他市からも賛同を得て、将来的には東三河教育事務所に1人は、専属のスクールロイヤーを配置することを愛知県教育委員会に向けて強く要望をしております。 以上であります。
◆鈴木博議員 将来的に東三河教育事務所に1人、専属のスクールロイヤーを配置するよう愛知県教育委員会に強く要望する等の取り組みを進めているとのことで理解をいたしました。 学校における問題の解決へ法的なアドバイスを行う弁護士、スクールロイヤーについて、国は平成29年度から調査研究事業を実施しております。 当初、スクールロイヤーは裁判での判決例などを示しながら、いじめは重大な人権侵害である、刑事罰の対象になる可能性があるなどを教える、いじめ予防教育を担うことが期待されておりました。 実際に取り組んだ実施校においては、子どもたちのいじめに対する理解が深まったとの声も寄せられております。 平成30年度からは、実施自治体を5府県にふやし、いじめ予防教育に加え、学校からの法的相談も受けることとして成果を上げているということでございます。 小中学校でのいじめや保護者への対応などには、法的なアドバイスを行う弁護士、スクールロイヤーの活用により、結果的に教員の安心、子どもたちに向き合う時間の確保にもつながるものだと思います。できるだけ早期に実現をしていただくことを期待しまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
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○豊田一雄議長 次に、山田静雄議員。 〔山田静雄議員登壇〕
◆山田静雄議員 議長の許しを得まして、一問一答方式にて、一般質問をさせていただきます。 大きな1といたしまして、高齢者がいつまでも健やかで、安心して暮らせるまちづくりについてをお聞きいたします。 お互いさまのまちづくり2018年次事業報告書を見てみますと、平成30年度は新たに10か所の支え合い活動が誕生し、お互いさまのまちづくり協議会が把握している、まちの居場所活動、助け合い活動などの支え合い活動の拠点が123か所になったと記載されています。 また、ほかの資料で豊橋市の老人クラブの数を調べてみますと、平成31年4月1日現在、197クラブで、会員数は1万4,644人となっています。ちなみに65歳以上の人口は9万4,796人であります。 そこで(1)として、支え合い活動と老人クラブの在り方について、お伺いいたします。 次に、平成30年3月に発行の第7期豊橋市高齢者福祉計画2018-2020によると、本市の65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率は、総人口の減少と相まって平成30年に25%を超え、その後も上昇し続ける見込みとのことです。その内容を見ますと、本市の65歳から74歳の前期高齢者人口は、団塊の世代が65歳となる平成24年から26年に大きく増加し、その後は平成28年をピークに減少に転じるとのことであります。 一方、75歳以上の後期高齢者人口は一貫して増加し、団塊の世代が75歳に達する令和4年には、前期高齢者を上回り、令和6年までの3年間は毎年2,000人前後の後期高齢者人口が増加するとしています。また、要介護・要支援認定者数は、高齢者人口の増加に伴って年々ふえ続け、平成31年、ですから令和元年には1万5,000人に達し、その後もふえ続ける見込みで、第1号被保険者65歳以上の要介護・要支援認定率も年々増加し、令和7年には17.5%となる見込みとしております。また、認知症高齢者の推計を見ますと、令和7年の介護が必要とされる中度以上の認知症高齢者数は、平成27年より3割増加し、約4,500人と記載されています。 このように、総人口の減少と相まって、高齢化率は25%を超え、要介護・要支援認定率も年々増加し、介護が必要とされる認知症高齢者数も増加しております。 そこで(2)として、高齢化率の上昇等高齢化の進行に対する本市の対応についてお伺いいたします。 次に、大きな2としまして、歯科口腔保健対策と必要な社会環境の整備について、お聞きいたします。 第41回
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」中間評価報告書(案)では、3歳児で虫歯のない児の割合は増加していて、平成27年度実績値は83%、12歳児で虫歯のない生徒の割合は増加していて、平成28年度実績値は64.5%、80歳で20本以上自分の歯を有する者の割合も、平成17年度の25%から平成28年度は51.2%に増加しているとのことでありました。 また、
厚生労働省医政局歯科保健課、歯科口腔保健推進室によりますと、平成31年3月19日の
行政歯科保健担当者研修会資料、歯科口腔保健に関する最近の動向を見てみますと、小児の虫歯は減少し、また、80歳で20本以上歯を残す8020の達成者は増加している。しかしながら、成人の7割が歯周病に罹患し、進行した歯周病のある者の割合は改善していない。また、成人において過去1年間に歯科診療を受けた者の割合は増加し、高齢化の進展に伴い、歯科診療所を受診する高齢者も増加していると報告されています。 そこで、大きな2の1回目といたしまして、(1)3歳児における虫歯のない幼児の割合とある幼児への対応及び保育園・幼稚園等におけるフッ素洗口の状況について (2)12歳児における虫歯のない生徒の割合とある生徒への対応及び小学校におけるフッ素洗口の状況について (3)本市の歯周病の状況と課題認識について、お聞きいたします。 以上、1回目としてお伺いいたします。
◎西尾康嗣福祉部長 1の(1)支え合い活動と老人クラブの在り方についてでございます。支え合い活動は、高齢者が気軽に集うことができる、まちの居場所活動や日常生活の困り事を同じ地域の人が支援する助け合い活動など、地域住民が主体となった活動でございます。 近年、支え合い活動の普及拡大により高齢者を中心とした地域住民の交流の機会がふえ、地域のつながりが深まっていると認識をしております。 一方、老人クラブはグラウンドゴルフ、ペタンクを初めとするシニアスポーツや囲碁、将棋、演芸といった趣味活動、そして、昔の遊び等を通じて地域の子どもや、その親世代と触れ合う三世代交流等、幅広い活動をしております。 さらに、老人クラブ連合会として組織化され、市内の全ての老人クラブを対象としたイベントも定期的に開催されており、支え合い活動とは異なる特徴を持っております。 支え合い活動と老人クラブ活動、ともに地域住民やクラブ会員の自主性、主体性を尊重することが重要であり、また、それぞれの特徴を生かすとともに、介護予防の自主グループやさまざまなボランティア活動なども含めて、高齢者が地域とつながることができる機会が重層的に提供されることが大切と考え、今後も多種多様な地域の活動を支援してまいりたいと考えております。 続きまして、(2)高齢化率の上昇等高齢化の進行に対する本市の対応についてでございます。本市では、高齢化の進行に対応するため、議員からも御指摘のありました、豊橋市高齢者福祉計画を策定し、いつまでも健やかで、安心して暮らせるまちを基本理念に掲げるとともに、三つの目標に向けて各施策に取り組んでおります。 一つ目の目標、いきいきと暮らせる長寿社会の実現については、介護予防教室の開催や、教室終了後も引き続き介護予防に取り組む地域の自主グループの支援、そして、介護予防ボランティアほの国体操リーダーの養成など、健康づくりと介護予防の推進に取り組んでおります。 また、老人クラブ活動の活性化やシルバー人材センターを通じた就労支援、支え合い活動の支援など、高齢者の活躍促進を図っています。 次に、二つ目の目標、住み慣れた地域での暮らしを支援については、認知症サポーター養成講座や家族介護者交流会を開催するほか、あ
いちオレンジタウン構想モデル事業を実施するなど、認知症高齢者と家族介護者への支援に取り組んでいます。 また、高齢者世帯への生活支援や在宅医療サポートセンターの設置運営に通じた在宅医療・介護連携にも取り組んでいます。 最後に、三つ目の目標、充実した介護サービスの提供については、地域包括支援センターの適切な運営により高齢者のさまざまな相談に総合的に対応するとともに、介護事業者向け研修会や交流会を開催し、介護事業者の資質向上を図っています。 また、東三河広域連合と密に連携し、介護保険豊橋窓口としての機能を充実させ、市民サービスの向上に努めているところでございます。今後も社会情勢や市民ニーズを的確に把握し、高齢化の進行に適切に対応していきたいと考えております。 以上でございます。
◎犬塚君雄健康部長 2の(1)3歳児における虫歯のない幼児の割合とある幼児への対応及び保育園・幼稚園等におけるフッ素洗口の状況についてでございます。 本市の3歳児の虫歯のない幼児の割合についてでございますが、平成30年度の3歳児歯科健康診査の結果では、84.7%でございます。虫歯がある幼児への対応としましては、保護者に対し仕上げ磨きの必要性、ジュースや間食のとり方等について指導するとともに、かかりつけ歯科医を持ち、治療やフッ素塗布を受けることを勧めております。 次に、保育園、幼稚園等におけるフッ素洗口の状況ですが、年長児を対象に6歳臼歯の虫歯を予防するために、週1回うがいをする方法で実施をしております。また、園からの申し出に基づき、薬剤の配布を行う際に、必要に応じて歯科衛生士による指導も行っております。 平成30年度のフッ素洗口の実績は、保育園では42園中40園、幼稚園では22園中10園、こども園では18園中17園で実施されており、幼稚園で未実施の割合が多い状況でございます。 続きまして、2の(3)本市の歯周病の現況と課題認識についてでございますが、平成29年度に実施した歯周病健診で、40歳で歯周病と診断された者が47.9%と約半数近くあり、40歳以下の若い世代からの対策が課題と認識をいたしたところでございます。 そこで平成30年度から20歳、30歳を検診の新たな対象に加えた結果、歯周病と診断されたものは、20歳で32.7%、30歳で48.1%でした。40歳では48.0%であり、70歳では6割以上が見られており、加齢とともに口腔内の状態が悪化をしております。30歳以降の検診受診者の半数以上が歯周病であり、40歳、50歳の受診率が5%前後と低い状況から、勤労者を中心とした比較的若い世代からの啓発と検診受診率の向上を図ることが、課題と認識をしているところでございます。 以上でございます。
◎山西正泰教育長 大きな2番の(2)12歳児における虫歯のない生徒の割合とある生徒への対応及び小学校におけるフッ素洗口の状況についてでございます。 平成30年度の定期健康診断の結果によれば、12歳児である中学校1年生の虫歯のない生徒の割合は78.1%で、昨年度の74.7%より増加をしております。また、虫歯のある生徒に対しましては、速やかに保護者に結果を知らせ、歯科医への受診を勧めております。 続いて、小学校におけるフッ素洗口の状況につきましては、全小学校で実施をしておりますが、対象学年や方法は各学校の実情に合わせて設定をしております。 以上であります。
◆山田静雄議員 1回目の答弁をいただきましたので、一問一答で2回目に入らせていただきます。 (1)の支え合い活動と老人クラブの在り方についての答弁でありますが、支え合い活動は日常生活の困り事を同じ地域の人が支援する助け合い活動など、地域住民が主体となった活動をしているとのことでありました。 また、老人クラブはシニアスポーツや市民活動等の幅広い活動をし、連合会として組織化もされ、イベントも定期的に開催されている。また、どちらとも地域住民やクラブ会員の自主性、主体性を尊重し、高齢者が地域とつながることができる機会が重層的に提供されているのではないかということでありました。 先ほども申しましたとおり、支え合い活動の拠点は、123か所とふえておりますが、老人クラブは、ここ5年間を見ましてもクラブ数で26クラブ、会員数で2,166人の減少となっております。 そこで2回目といたしまして、老人クラブ会員が減少する傾向にありますが、その要因と対応策について、どのように考えているのかをお伺いいたします。
◎西尾康嗣福祉部長 老人クラブ会員の減少につきましては、個人的な人間関係の中で、趣味活動等を行う方が多くなっていること、また、就労やボランティア活動に生きがいを感じている方もいることなど、高齢者の価値観の多様化が要因であると考えております。ほかに、老人クラブの運営に関する会計処理等の事務手続が煩雑だという課題もあると認識をしております。 このため、年3回発行する
アクティブシニア向け情報紙、アクティなどを通じて老人クラブの活動を紹介し、その魅力を発信したり、スポーツ大会や趣味の作品展に、会員だけではなく多くの高齢者が参加できるよう工夫をしてきたところでございます。 さらに今年度は、老人クラブへの補助金に関する書類につきまして簡素化し、役員の事務負担の軽減を行っております。今後も豊橋老人クラブ連合会としっかり協議し、老人クラブが高齢者の地域交流の核として活躍し続けられるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆山田静雄議員 老人クラブ会員の減少は、高齢者の価値観の多様化が要因ではないかということであります。対応について、本市もクラブ会員の減少を少しでも減らすための補助金交付申請書等の簡素化、事務の軽減化等を図っているとのことでありました。 老人クラブが産声を上げたのが昭和38年であります。そして、ピークを迎えながら、ここ最近は減っているわけなのですが、五、六年前と比べるだけでも、高齢者にとって大きな流れがあったことは事実であります。その中から、支え合い活動ということが現代の流れの中で必然的に生まれてきたものだというようにも考えることができると思います。 これから、この二つの活動は、老人クラブのできること、また、やっていくこと、支え合い活動の中でできることを、お互いの内容等を見比べながら、お互いに寄り添ってやっていけるような感じができればなというように思います。 この二つの活動が、ひとりきりの高齢者をつくらない、健康で幸せな人生を送るという本市の思いに沿ってあり続けていただくことに期待いたしまして、(1)は終わりといたします。 続いて、(2)の高齢化率の上昇等高齢化の進行に対する市の対応についてでありますが、答弁ではいきいきと暮らせる長寿社会の実現、住み慣れた地域での暮らしを支援、充実した介護サービスの提供を軸に社会情勢や市民ニーズを的確に把握し、高齢化の進行に適切に対応していくとのことでありました。 このような対応をしていくことが大事だと思いますが、今、一番大切なことは高齢者が介護状態に陥らないよう予防していくことが重要であると考えます。 市は、これに対し、どのように取り組んでいくのかを2回目としてお伺いいたします。
◎西尾康嗣福祉部長 介護予防を着実に進めるためには、介護予防に関する正しい知識や技術を普及啓発していくこと。また、そのための人材を育成すること。さらには実際に介護予防に取り組む機会を提供し、継続的に実施できる環境を整えることが重要であると考えています。 そこで、本市では食とお口の健康講座など、専門職による介護予防教室を開催するとともに、地域包括支援センターが地域の要望に応じ、年間を通じて認知症予防を初めとした数多くの介護予防出前講座を開催しています。 人材育成では、地域において介護予防体操の指導に当たる、ほの国体操リーダーの養成を進めています。また、介護予防実践の場として、運動スタート応援講座を開催し、講座終了後も引き続き運動に取り組めるよう受講者による自主グループの立ち上げを支援するなど、持続的な活動となるよう後押ししています。 今年11月には介護予防に取り組むグループの発表の場、そして、これから取り組もうとしている人への啓発の場となる介護予防大会を初めて開催する予定です。 さらには、地域で役割を持って、いきいきと生活することも介護予防につながる取り組みであると考え、ボランティアの養成や老人クラブ活動、支え合い活動の支援にも力を入れているところでございます。 こうした一連の取り組みを通じて、市民の介護予防を着実に進めていきたいと考えております。 以上でございます。
◆山田静雄議員 介護予防に関する正しい知識や技術を普及させていく、認知症予防を初めとした数多くの介護予防出前講座を開催していく、さらには地域で役割を持っていきいきと生活することも介護予防につながる取り組みと考え、支え合い活動の支援にも力を入れていくという答弁でありました。 人生100年時代を迎えて、数多くのやらなければならない事業の中心で活躍するのが地域包括支援センターであろうかと思います。 そこで、3回目といたしまして、地域包括支援センターの支え合い活動へのかかわりについて、お伺いいたします。
◎西尾康嗣福祉部長 地域包括支援センターの支え合い活動へのかかわり方は、地域の状況によりさまざまですが、活動の担い手の発掘、立ち上げの支援、活動の安定化のそれぞれの場面で積極的に活動をしております。 最初に担い手の発掘につきましては、ふだんから校区自治会や民生委員の会合、老人クラブのイベントなどに参加し、顔の見える関係づくりや地域の状況把握に努めるとともに、地域の課題を検討する地域ケア会議を通じて、支え合い活動の必要性を共有する中で、支え合い活動に関心が高い人に対し、働きかけをいたします。 次に、立ち上げの支援につきましては、地域の機運の高まりを見きわめながら、地域の関係者に協力を求める場を設けるとともに、支え合い活動を実践している生活支援コーディネーターと連携し、運営のノウハウについてのアドバイスや先行事例の紹介を行っております。 最後に、活動の安定化につきましては、定期的に活動の現場を訪問し、必要に応じて活動の相談に対応しております。 このように、地域包括支援センターは介護、福祉に関する総合相談窓口としての役割を担う中で、地域住民の主体性を尊重しながら、活動の段階に応じたかかわり方をしているところでございます。 以上でございます。
◆山田静雄議員 高齢化率の上昇と高齢化の進行により、フレイル予防、フレイル対策の重要性が注目され、まさに国家戦略の一つともなっている今、地域包括支援センターの業務がますます増加し、今後、センターのマンパワーが不足してくることが心配されます。 市では2回、市内の全センターを対象に業務への取り組み状況のヒアリングを実施していると聞いておりますが、今後も地域包括支援センターの業務状況を的確に把握し、センター職員が高齢者の相談に丁寧に対応しつつ、地域づくりにもしっかりとかかわることができるよう、センターの業務体制をさらに充実していくことが必要と考えます。 そして、本市が予防のまちと認識されるよう、行政、地域がしっかり連携をとり、高齢者がいつまでも健やかで安心して暮らせるまちづくりを着実に進めていただくことを期待いたしまして、大きな1の質問は終わらせていただきます。 大きな2、歯科口腔保健対策と必要な社会環境の整備について1回目の答弁をいただきました。 (1)の答弁では、幼稚園での未実施が多い状況とのことですが、では実施割合をふやすための対応について、お伺いいたします。
◎犬塚君雄健康部長 保育園、幼稚園に対しては、従来から「よい子の歯みがき運動」として健康教育を実施する中で、フッ素洗口の必要性を啓発してまいりました。 今年度は、未実施の幼稚園に保健所の歯科衛生士等が市内の実施状況等を説明し、新たに3園が実施に至っております。 今後も引き続き幼稚園歯科医の協力を得て、フッ素洗口の実施園を拡大できるよう努めてまいります。 以上でございます。
◆山田静雄議員 歯の健康教育は、まずは家庭での磨き方の指導が大事なのは十分承知しておりますが、集団全体のリスクを提言させる予防対策も必要と考えます。 幼児期から継続的に実施されるフッ素洗口の効果として、う蝕有病者数の改善が認められると聞いておりますので、ぜひ、実施園の拡大に努めていただくよう期待し、(1)は終わらせていただきます。 (2)ですが、1回目の答弁によりますと、小学校52校全校でフッ素洗口をしているとのことでありましたが、中身を見させていただきますと、全学年が実施しているのは22校と聞いております。 そこで2回目として、学校における虫歯予防の取り組みと今後の歯科保健運動についてお伺いしたいと思います。
◎山西正泰教育長 まず、虫歯予防の取り組みですが、保健体育の授業や学級指導、学校保健委員会などを活用し、全ての学校で取り組んでおります。 また、定期健康診断の結果から、児童生徒の実態を踏まえた指導や発育・発達段階に合わせた指導を心がけ、個人個人の指導を実施している学校もございます。 次に、歯科保健活動ですが、歯科保健活動は虫歯の予防だけでなく、子ども自身が健康な生活に気づき、考えて行動できることを期待するものであります。したがいまして、今後は基本的生活習慣の確立を支援するとともに、食育との関連も視野に入れ、関係機関との連携のもと、子どもたちの将来を見据えた活動を進めてまいりたいと考えております。 以上であります。
◆山田静雄議員 虫歯予防の取り組みは、保健体育の授業や学級指導、学校保健委員会などを活用し展開している。また、虫歯の予防のみでなく、子ども自身が健康な生活に気づき、考えて行動することを期待してるとの答弁でありました。 しかし、愛知県の平成29年度
地域歯科保健業務状況報告集計結果概要の中学1年生、12歳で永久歯のう蝕有病者率を見てみますと、豊橋市は25.3%で、愛知県下54市町村の43番目に位置いたします。 愛知県は全国に比べますと、歯科保健がとても進んでおりますので、全国の平均よりは上へいっているわけですが、でも愛知県の中では下のほうとなっております。 若いうちからの予防は大切と感じます。歯科保健以外にもしなければならないことが、学校教育の中にはあろうかとは思いますが、家庭、学校で連携をとりながら、歯の健康を保つよう、さらなる歯科保健活動に期待して、(2)は終わります。 (3)の本市の歯周病の現況と課題認識についてであります。 勤労者を中心とした比較的若い世代からの啓発と検診受診率の向上を図ることが課題と認識しているとのことでありました。 では、2回目といたしまして、勤労者を中心とした世代の歯周病対策について、お伺いをいたします。
◎犬塚君雄健康部長 歯周病検診の受診率は、全体で7.6%と低迷しており、その中でも40歳、50歳代の受診率は低く、特に男性の受診率はさらに低い状況でございます。 このことから、働く世代の検診受診率の向上を図るためには、歯周病に関するさらなる意識啓発が必要と考えます。 今年度、市内の事業所に対し、歯科保健に関する調査を行ったところ、歯科保健に関する知識や市の歯周病検診の情報提供の希望がございました。今後は、こうした事業所を通じて、情報の提供や出前講座を実施し、働く世代の一人一人の受診行動につながるよう取り組んでまいります。 以上でございます。
◆山田静雄議員 働く世代の一人一人の受診行動につながるよう取り組んでいくとのことでありました。 歯周病は早いうちから予防するのが大切です。さらなる意識啓発に取り組んでいただくことを期待いたします。 また、今、人生100年時代を迎えて60歳代、70歳代でも働ける環境が整いつつある状況です。 今、盛んに言われるオーラルフレイルは、歯の数、そしゃく能力、舌圧、滑舌、かたいものが食べにくい、お茶等でむせるの、この6項目のうち3項目でも基準を超えるものをオーラルフレイル状態とするとしております。 この3項目以上に該当する高齢者は、普通の高齢者と比べ、フレイル、全身の新規発症リスクが2.4倍、
サルコペニア新規発症リスクが2.1倍、サルコペニアとは、筋肉量の減少により筋肉の低下や身体機能が低下した状態のことであります。これが2.1倍。要介護認定リスクが2.4倍、総死亡リスクが2.1倍と言われております。 そこで、今、注目されているオーラルフレイルの取り組みについて、お伺いいたします。
◎犬塚君雄健康部長 フレイルとは、加齢や疾病に伴い、生活していく上で必要な能力が衰えていく、いわゆる虚弱な状態を言います。オーラルフレイルは全身のフレイルの中で、口腔機能の低下に着目した比較的新しい概念でございます。 オーラルフレイルの状態になると、かむ力、飲み込む力が衰えていくことで、食事の摂取量が減少し低栄養となり、結果として全身のフレイルへとつながります。 オーラルフレイル対策に関しましては、対象者の選定、フレイル状態のチェック方法や指導方法、従事する専門職の研修など、対策の実施に向けて、歯科医師会、歯科衛生士会と連携をとりながら、一つずつ取り組んでまいります。 以上でございます。
◆山田静雄議員 研修などの対策の実施に向けて、連携をとりながら一つずつ取り組んでいくとのことでした。 先ほども言ったように、人生100年時代を迎えて、個々の健康寿命を延伸し、快活なまちづくりを目指す中で、高齢期になっても、いつまでも弱らず、自立した生活を維持し、むしろ担い手側になってもらう必要があろうかと思います。 それは、個々の高齢者の課題でもあると同時に、全ての住民を抱えたコミュニティそのものが抱えている大きな課題でもあります。 予防とケアの両面が、バランスのとれた住みなれたまちを目指すことが望まれます。 幸いにも、平成30年度に医療保険病名として、口腔機能低下症が採用されました。フレイル状態から要介護状態にならないよう医師会、歯科医師会、歯科衛生士会と協力しながら本市が取り組んでいただくことに期待し、私の全ての質問を終わります。
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○豊田一雄議長 次に、古池もも議員。 〔古池もも議員登壇〕
◆古池もも議員 こんにちは。 とよはしみんなの議会、古池ももです。 通告に従い、大きく3問質問いたします。 大きな問いの1問目は、男女共同参画の意識向上のための取り組みについて、質問をいたします。 前回の一般質問でも取り上げましたが、男女共同参画社会を実現するには、性別役割分担意識に切り込んでいくことが重要ではないかと考えています。 今後、社会のあらゆる場で、多様性が求められていく中、男は仕事、女は家庭という意識はさまざまな場面で足かせになると考えているからです。 豊橋市では、現在、とよはしハーモニープラン2018-2022として、男女共同参画社会の実現を目指し、取り組みが進められておりますが、大きな1の(1)として、意識向上のための取り組みと効果について、お伺いいたします。 次に、大きな問いの2、学校教育活動におけるボランティアの活用について、伺います。 小中学校に通う子どもたちに対して、きめ細やかな教育をしたい、そのために何とか環境を整えたいと教員の方々、市教育委員会の方々、さまざまな方々が日々活動されておりますが、教員不足の問題がずっと続いております。 人材は不足しているのですが、教員に対して求められることはふえる一方です。教員になりたいと思う若者も減っており、今後も人材不足の状況がすぐに変わるのは難しい状況です。 まず、子どもたち一人一人にたくさんの目が行き届くよう、地域の人々の力をかりながら、教育環境を整えることができないかと思っています。 (1)学校教育活動におけるボランティアの活用の認識について、伺いたいです。 大きな問いの3では、SDGsを推進することについて、お伺いします。SDGsの原点には、我々の世界を変革するという表題がついています。 不安定、不確実な国際社会において、持続可能な未来をつくるためには、これまでと同じことをしていてはいけない。変革が必要だという考えからです。世界を変革するとなると、SDGsは地方行政が業務の中だけで取り組んで、どうにかできるものではありません。いかに民間を巻き込むかということが重要な視点であると思います。 前回の答弁で、市の施策そのものがSDGsに資するものであるとお答えいただき、総合計画にも国や政府、自治体、企業だけが意識するものではなく、住民一人一人がそれぞれの役割と責任を自覚し、限られた地域資源を生かしながら、ともに歩みを進めることが大切であると書いてあることから、ここは市も共通認識であると思っています。 では、実際に企業やNPO、住民一人一人が同じ意識のもと、歩みを進めるためには、市と民間とのお互いの働きかけが必要だと考えますが、(1)として、民間を巻き込んでSDGsを推進することの認識について、お聞かせいただけますか。 以上で、1問目を終わります。
◎古川尋久市民協創部長 大きな1の(1)男女共同参画意識向上のための取り組みと効果についてでございます。 男女共同参画意識向上のための取り組みとしまして、本市は平成11年に策定した、とよはし男女共同参画2000年プラン以前から女性問題の解消や男女共同参画社会の実現を目指した取り組みを行ってきました。 平成6年度に女性会館を開館し、平成11年度には男女共同参画課を設置しました。さらに平成16年には、男女共同参画推進条例を制定し、男女共同参画の機運を醸成しました。 また、平成11年に策定の2000年プランから、平成30年策定の現在のハーモニープランに至るまで、計画を改定しながら、男女共同参画意識の向上に向け、さまざまな事業に取り組んでおります。 現在の啓発事業としましては、男女共同参画に関する情報紙を全戸配布したり、小中学校に向けて啓発パンフレットを配布しているほか、男女共同参画週間等に合わせた作品募集や街頭啓発、男女共同参画の視点に立ったセミナーを、年間を通じて開催するなど、啓発に努めております。 また、女性団体等を中心に毎年開催しております、男女共生フェスティバルでも分科会や講演会を通して、男女共同参画を発信しているところでございます。 効果としましては、少しずつではございますが、男女共同参画意識は向上していると認識しております。 例えば、定期的に実施しております男女共同参画に関する市民意識調査において、男は仕事、女は家庭という、固定的性別役割分担意識を肯定する意見は平成13年度の調査では40.2%とあったものが、平成28年度は25.5%に低下し、過去最も低い値になっております。 以上でございます。
◎山西正泰教育長 大きな2番の(1)学校教育活動におけるボランティアの活用の認識についてでございます。 保護者や地域の方とともに地域ぐるみで教育活動を展開することは、新学習指導要領の基本理念でもある、社会に開かれた教育課程の根幹をなすものであります。 学校が地域社会に開かれ、多様な人々とつながりを持ちながら学んでいくことで、子どもの豊かな学び、健やかな成長がより一層確かなものになると考えております。 以上であります。
◎木和田治伸企画部長 3の(1)民間を巻き込んでSDGsを推進することの認識についてでございます。 SDGsは、人類共通の課題に対して官民挙げて全力で取り組まなければ、これ以上豊かな発展は望めないという危機感から生まれたものと認識しています。 複雑多様化した市政の課題の解決のためには、市単独で課題を解決できるものは限られ、市民や企業、NPOなど、市と関係するステークホルダーとの連携が非常に重要であると考えています。 本市では、SDGsの理念に沿った取り組みに当たり、市民や企業の皆様の御理解や御協力のもと、さまざまな分野のまちづくりを進めてまいりました。 例えば、CO2削減や再生可能エネルギー利活用に資するバイオマス利活用センターの運営においては、市民の皆様の生ごみ分別への御協力があってこそ成り立つものですし、子育て分野においては、育児に悩んでいる家庭に対し、NPOの力をかりながら、市民に寄り添った支援を行っています。 さらには、AIを活用したケアプランの作成支援は、民間からの提案によりスタートしたもので、民間の高い専門技術があってこその先進的な取り組みであると認識しています。 今後においても、こうした民間との連携をさらに拡大し、SDGsへの貢献に役立ててまいりたいと考えています。 以上でございます。
◆古池もも議員 大きな3問の1問目をそれぞれお答えいただきました。 ここからは、一問一答で質問させていただきます。 大きな問い1の(1)男女共同参画の意識向上について、これまでに行われている取り組みと効果について御説明いただきました。 固定的性別役割分担意識の調査結果から、男は仕事、女は家庭という考えを肯定する方は、15年間で15%ほど減少し、現在は25.5%とのことでした。 このアンケートは、賛成する、どちらかと言えば賛成する、反対する、どちらかと言えば反対する、どちらとも言えないの五つの選択肢からどれか一つを選ぶ調査です。 豊橋市で行われた、この男は仕事、女は家庭という考えの調査の中で、気になる点があります。 実は、平成28年度の調査で五つの選択肢のうち、最も多い割合を占めていたのは、肯定でも否定でもなく、どちらとも言えないという項目です。 このどちらとも言えないという意見は、平成13年から平成23年には26%から28%程度でしたが、平成26年に39.2%へ、平成28年には42.1%と、ここ数年で大きく上昇しています。 40%を超える方々が、どちらとも言えないを選択しているということについて、市の御認識を伺いたいです。 2回目の質問として、どちらとも言えないが増加したことの認識についてお答えください。
◎古川尋久市民協創部長 どちらとも言えないと回答した理由を質問しておらず、回答の背景は推測するしかございませんが、回答者の属性で分析をしていきますと、30代女性の性別役割分担意識は反対及びどちらかと言えば反対の合計が多く、70歳以上の特に男性は賛成及びどちらかと言えば賛成が多い状況から、これまでの男女共同参画意識向上の取り組みにより、若い世代には一定の意識向上が図られてきたものと認識しています。 また、30代女性が、男女共同参画に意識が高い理由については、働きながら子育てをする世代であり、女性の負担が大きいことが考えられます。 同じ世代の30代男性が、どちらとも言えないと回答した方が66.1%あり、他の年代と異なる特徴があったことから、意識は変わりつつも現実的な生活の中で、まだ若い世代が固定的な性別役割分担をしていることが考えられているところでございます。 以上でございます。
◆古池もも議員 どちらとも言えないが増加したことの認識についてお答えいただきました。 意識自体は変わってきているものの、現実的な生活の中では、固定的な性別役割分担をしているとのことが考えられるということでした。 この性別役割分担意識調査は、全国でも調査しており、どちらとも言えないのかわりに、わからないという項目が設定されています。全国での調査で、わからないを選択した方はわずか5.1%、肯定意見は40.5%、否定が54.3%でした。 ですから、仮に豊橋市で、どちらとも言えないではなく、わからないという選択肢で調査した場合、現在のように肯定意見が少ないとは断言できないのではないでしょうか。 私は、本市の肯定意見も実際は国の平均と同程度であるのではないかと考えています。本市の肯定意見のうち6割は男性は仕事に、女性は家事、育児に向いていると思うからと答えています。この考え自体には生物学的な根拠はありません。 しかし、この言葉を投げかけられたときに、人はステレオタイプの脅威に置かれる可能性が高いです。ステレオタイプの脅威とは、自分の属する集団に与えられたイメージが無意識のうちに、心の重荷になって、本来の力が発揮できなくなってしまう現象のことです。男性は家事が苦手だもんねと言われたときや、やっぱり女性は感情的だから、こういう仕事はねなどと言われたときなどに、実際にパフォーマンスが落ちて、その言葉のとおりになってしまうのです。 性別役割分担意識が社会に根強いと、実際には能力に差はないのに、女性より男性が仕事で成功し、女性は男性に比べて家事や育児が得意、男性は女性よりも家事や育児が下手、そのような状態が起こり得るのです。 すると、結局、やっぱりそうなんだと性別役割分担意識を肯定する状態になり、そのサイクルから抜け出すことができません。この現象で損なわれたパフォーマンスは、不安を取り除くことで回復することがわかっていますので、行政にはぜひこの不安を、その都度、取り除くための取り組みを行っていただきたいのです。 私たちは、テレビでも雑誌でも会話の中でも、日常の中で男はこう、女はこうというステレオタイプに出くわします。 しかし現在、本市の男女共同参画の取り組みを日常的に目にするという状態にはありません。 講座などの取り組みの多くは、ライフポートにあるパルモで開催されていますが、あの場所も市民が、ふだんから行き交う場所ではありません。 ささやかなものでも構いません。職場や学校で、また買い物をするときなど、ふだんの暮らしの中で目に触れる場所で、意識向上の取り組みを行っていただきたいのです。 ポスターを張ったり、わかりやすく漫画を使ったり、子どもの夏休みの課題にしてもらったり、これまでの取り組みを大きく変えなくても、取り組みの場所や内容を変えるだけでも違うはずです。 より多くの市民に伝える方法は、まだまだたくさんあると思います。 市民みずからが自発的に行動しなくても、ふだんの生活の中で、自然と情報が目に入ってくるような発信の方法を考えていただきたいです。 3回目の質問として、どちらとも言えないを選択した方を含め、今後の意識向上の取り組みの考え方を伺いたいです。
◎古川尋久市民協創部長 男女共同参画意識の向上のために、市民意識調査の結果を踏まえ策定した現プランに基づいて、引き続き啓発をしてまいります。 先ほど、お答えをしましたように、30代男性はどちらとも言えないを選択した方が多いことから、今後は30代等子育て世代を対象として強化し、さまざまな手法を検討しながら、こども未来部、健康部及び産業部等の関係課とも連携して啓発に努めてまいりたいと考えています。 その際、男女共同参画推進条例の基本理念にのっとり男女共同参画を推進し、多様性を尊重する考えのもと、市民が個性と能力を十分に発揮できるよう、一人一人の生き方、考え方を尊重した啓発をしてまいります。 以上でございます。
◆古池もも議員 お答えいただきました。 子育て世代を中心とした世代、特に30代男性への啓発についての必要性を重んじ、産業部も含めた多くの関係課との連携を考えていただき、大変ありがたいです。 男女共同参画という言葉は、非常にわかりにくい言葉です。大人であっても本当の意味や目標を知らない方は大勢いらっしゃいます。言葉を正しく理解できていなければ、自分に関係のあることだと認識ができません。 男女共同参画社会の実現は、社会全体の大きなメリットであり、市の諸課題に対しても横断的に影響を及ぼすものです。この意識向上の取り組みの重要性をしっかりと御認識いただき、関係課へより強く働きかけを行っていただきたいです。 男女共同参画意識向上に向けての取り組みについての質問は以上で終わります。 次に、大きな問いの2、学校教育活動におけるボランティアの活用についての質問に移ります。 答弁でボランティア活用の認識について、社会に開かれた教育課程の根幹であるとお答えいただきました。 学校と社会が教育の担い手となって、よりよい学校教育の実現、よりよい社会をつくり上げるという理念に基づき、地域の方と連携することが子どもの豊かな学び、健やかな成長につながるとの御認識でした。 今回、御答弁の中にはありませんでしたが、私は地域の方が教育現場における課題や子どもの抱える問題などに気がつくきっかけの場としても重要であると考えています。子どもにも地域の方にもよい効果をもたらすと考えられる学校でのボランティアが、現在、どのような形で活用されているのか、豊橋市の状況を伺います。 2回目の質問として、学校教育活動におけるボランティアの活用状況についてお答えください。
◎山西正泰教育長 各学校では、年度当初に保護者や地域の方からボランティアを募り、さまざまな形で教育活動にかかわっていただいているところでございます。 具体的には、生活科や家庭科での観察・実習の補助は、子どもたちへのきめ細かな支援の一助となり、基礎的な学習技能の定着に資するものとなっております。 また、本の読み聞かせや花壇の整備などは、子どもたちの豊かな心の育成に寄与しております。 さらに、校外学習時の引率補助や、見守り隊による登下校の交通指導は、子どもの安全確保に欠かすことができないものとなっております。 以上であります。
◆古池もも議員 お答えいただきました。 現在は、学習の補助や心の育成、安全確保などに御協力いただいているとのことでした。 地域の大人たちは、子どもたちにとって親や先生とは違った学びを与えることも多いと思っています。また、単純に大人の目をふやすという意味でも、かなり効果があると思っています。 私の子どもは、今、小学3年生ですが、毎日のように見て見てと話しかけてきます。 子どもは大人に見てもらうことを非常に求めています。大人の余裕のなさを察して、遠慮から声をかけてこないこともありますが、小学生も中学生も大人に見てもらうことを欲しているのはかわりないと思っています。 ですから、ただ授業を見るだけ、廊下にいるだけという形のサポートも効果があるなと思っています。 小学1年生の例で言えば、体育のときにトイレに行きたいという生徒がいても、今だと教師が1人しかいないわけですから、30人近くを運動場に残して、教師がトイレに付き添うといった場面も出てきます。そのとき、もう1人大人の目があれば、どれだけ子どもの不安を解消できるかと思います。 また、さまざまな大人との触れ合いが、子どもにとってカウンセリング的要素になるとも考えられます。これは、実際に神奈川県湘南市の中学校で行われた取り組みですが、喫煙や器物破損などの行動を起こしていた生徒に対して、地域の方に校内の巡回や廊下での声掛けの協力をしてもらったそうです。すると、その生徒と地域の方がじっくりと関係をつくり、問題行動の減少につながったという実績が報告されています。 また、今、子どもたちの心のケアは、学校の大きな課題の一つとなっています。学校の門はくぐれても、教室に入る勇気がないという子どももいます。親や担任に相談できないという気持ちにも、地域の方に寄り添っていただくことはできないでしょうか。 保健室への補助として、地域の方に御協力をいただいている例もあるようです。 そのような形での地域の方々によるかかわりも非常に効果的であると考えています。 各学校での成功事例も共有し合い、有効な取り組みを前向きに取り入れていただきたいと考えます。 3回目として、学校教育活動におけるさらなる活用に向けての課題について、お伺いできますか。
○豊田一雄議長 古池議員、ボランティアのさらなる活用ということでよろしいですね。
◆古池もも議員 そうですね、はい。
◎山西正泰教育長 目の前の子どもたちにどのような力を育んでいきたいのかという各学校の教育理念を明確にし、それを保護者や地域の方と共有することが最も大きな課題であると捉えております。 その上で、学校評議員会を中心に自治会や校区内の各種団体と連携を図りながら地域人材の発掘を進めることや、ボランティアを必要とする時期や人数、内容を調整し、計画的に活用できる仕組みをつくっていくことが必要であると考えております。 以上であります。
◆古池もも議員 お答えいただきました。 ボランティアのさらなる活用に向けて、地域の方との教育理念の共有が大きな課題であるとのことでした。 私は、先ほど申し上げましたように、子どもが今、小学生で、先生とお会いする機会も非常に多いですが、先生方の笑顔しか見たことがありません。 きっと実際は、昨今ニュースで取り上げられているような難しい立場や環境に立たされているのであると思っています。 しかし、その状況を先生方は表に出すことはありません。地域の方もまさか地元の学校の先生が、そんな大変な状況になっているとは思っていない方も多いと思います。 もちろん教育理念の共有も大切です。しかし、まずは早急に教職員の精神的なゆとりの重要性、子どもとじっくり向かい合う時間の大切さを地域に知っていただき、御協力をいただく形から、学校教育にかかわる方々をふやしていただくことも重要かなと思っています。 大人の目が足りないのは確かなので、その部分の改善が必ず子どもにとって大きなメリットとなります。先生たちが無理をして子どもに接することで、子どもが得られるものってなんでしょう。 大人がゆとりを持って接することが、どれだけ子どもに重要なことかと、一人の親としても強く思います。 まずは、学校の人手不足や先生の精神的プレッシャーを解消すること、そのために学校ができることをどんどん取り入れていただきたいです。それが、必ずこれからの子どもの教育に影響すると思っています。 教職員が健康でいきいきと働くための業務の軽減を目的とした活用も視野に入れていただきたいです。地域の方に働きかけ、学校教育活動への協力の輪をより広げていただけるような取り組みをお願いします。 これで、大きな問いの2問目を終わります。 最後に、大きな問いの3、SDGsを推進することについての認識について質問いたします。 1回目のお答えでは、現在も企業やNPO、市民と連携しながら、ともにSDGsの理念に沿ったまちづくりをされているとの内容でした。 それぞれの取り組みは、SDGsの考え方と関係している、すばらしい取り組みであると認識しています。特に、お答えの中にありました、バイオマス利活用センターやAIの利用は経済の活性化にも貢献している内容です。これを今回、取り上げていただいたことは、非常にありがたいと思っています。 一般的にSDGsについて、取り組みを考えるとき、奉仕活動であるというイメージが付随してきます。 できれば、この活動に対してお金をもらいたいけれど、SDGsの活動には経費ぐらいしかもらえないというイメージです。しかし、無償の活動を永遠に行うことはできません。SDGsが持続可能性を掲げている限り、その活動で経済的に豊かになることも同時に求めていい。そのように明示してあるわけです。 この部分のPRが民間に対して不足しているように感じます。お金が全てではありませんが、自分が経済的に満たされない状況で、周りの環境をよくしようと考え行動するのは難しいことです。 日本全体で貧困線が下がっている状況の中、経済的不安定な人たちが、未来の環境を守るために動こうと言われても、実際それどころではないと思います。 もし、本当に官民挙げて市がSDGsを推進したいと考えているのであれば、民間に対しては環境問題への取り組みよりも先に、地域経済の安定にSDGsは貢献する。経済活動にSDGsを利用するべきという考え方を提示することも必要だと思います。 2回目の質問として、SDGsを用いた経済活動の活性化についての認識をお伺いいたします。
◎木和田治伸企画部長 SDGsに掲げられた持続可能な開発を達成するために、経済、社会、環境の三つの側面が調和し、相互に好影響をもたらす取り組みが推奨されています。 したがいまして、地域経済の寄与もSDGsの大きな狙いの一つとなっています。 経済寄与という点におきましては、例えば課題解決に向けた新たな事業が構築されれば、そこに雇用が期待できます。水道等のライフラインの耐震化は、安定的な企業経営を支えることにもつながります。 SDGsは、企業経営の視点からは事業開発拡大や人材確保、コミュニケーションツールとしての魅力がありまして、最近ではESG、環境・社会・ガバナンスとしての関係も深く、上場企業に加えて、非上場企業にもSDGsの取り組みが広がっています。 本市において、現在、取り組んでいる商工業や農業等の産業振興を目指すさまざまな取り組みは、SDGsが掲げる「産業と技術革新の基盤をつくろう」、「働きがいも経済成長も」などの目標に資するものと考えています。 その他の分野においても、積極的に民間の力を取り入れ、あるいは協力・連携する中、事業の成果を高めるとともに、ひいては地域経済の活性化につながっていきたいというように考えています。 以上でございます。
◆古池もも議員 お答えいただきました。 目標の9番や8番にも影響することで、取り組みを通じて地域経済の活性化を目指すとのお考えとのことでした。 神奈川県のサイトに、中小企業によるSDGs活用事例集というページがあり、SDGsの視点があったからこそ生まれたビジネスが幾つか紹介されています。 豊橋市内の企業もほとんどが中小企業なのですが、このようなアイデアを共有することで、民間を巻き込んでいくことも効果的ではないでしょうか。 ぜひ、まずは経済活動につながる形でのSDGs拡大を目指していただきたいです。 市内の企業で働く方、その家族がSDGsに経済的メリットを感じるような周知活動を行っていただくことで、SDGsに取り組む方の裾野を広げていけると思っています。 また、冒頭でも申し上げましたが、SDGsは我々の世界を変革するという考えのもとに設定されています。ゴールの達成も大切ですが、まずは意識の醸成が必要だと思っています。 SDGsのマークは、世界の変革のために必要な知識を視覚的に理解でき、自分が社会とつながっていること、自分の行動で社会を変えられることを気づかせる意識啓発のような側面も持っていると考えています。 SDGsという言葉は、今だけのものですし、実際には2030年を迎える前に、名称や目標が修正される可能性もありますが、言葉は変わっても、根本にある環境を守りながら経済活動を発展させるという思考なしに、これからの社会が持続しないのは事実です。 このSDGsを流行で終わらせず、根本にある理念をきちんと民間に伝える、そのプロセスがとても重要です。 その点も踏まえ、3回目の質問として、民間の自発的なSDGs活動を促進させることや、民間の意識の醸成についての認識をお聞かせください。
◎木和田治伸企画部長 SDGsへの貢献の成果を高めるためには、行政のみならずより多くの民間主体を巻き込み、市全体でSDGsに取り組むことが望まれます。 環境問題や社会貢献などSDGsに関心を持つ企業や個人をふやし、SDGsに資する取り組みを進めていただくことで、SDGsの主流化やさまざまな主体間の連携がさらに進み、市全体の取り組みが加速することが期待できます。 しかしながら、市民や企業の方々においては、SDGsの認知度は上がってはいるものの、さらなる浸透が必要な状況であると考えています。 そこで、一人一人がSDGsに、こんなように貢献したいという意欲につながる意識の醸成や活動を促すための仕掛けづくり、きっかけづくりが必要だと考えており、さまざまな機会を捉えて広く周知に取り組んでまいりたいと考えています。 以上でございます。
◆古池もも議員 お答えいただきました。 民間での取り組みが連携し合い、大きな広がりになるように促進していただきたいと思っています。 私は、SDGsがかつて豊橋市で530運動が誕生したように、全市的な一大市民運動になる可能性を持っていると思っています。このSDGsという横文字を使うことが最良の方法かどうかは、ちょっと今わからないんですけれども、大切なことは、これまでと同じ状態を続けていてはいけないということに気がつく、気がつかせるということにあると思っています。 SDGsのカラフルなマークが、感覚的に世界の問題をわからせる、そういう点はほかにかえがたい利点であると思っていますし、SDGsのよいところを生かして、重要な視点をしっかりと市民や企業、NPOに広めていただければと思います。 これで、私の質問を全て終わります。
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○豊田一雄議長 この際、休憩いたします。 午前11時54分
休憩----------------------------------- 午後1時再開 〔副議長、議長と交代し、議長席に着く〕
○堀田伸一副議長 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
----------------------------------- 次に、伊藤篤哉議員。 〔伊藤篤哉議員登壇〕
◆伊藤篤哉議員 それでは、通告に従い、一般質問をさせていただきます。 総合的な行政の運営の基本を示す、第6次豊橋市総合計画、これは令和3年度よりスタートし、また、第2次豊橋市民病院改革プランが令和2年度にて計画終了します。 新しいプランが令和3年度からスタートするであろうことを念頭に、大きく1問、豊橋市民病院事業の総括と、今後の展望と対応について、一問一答方式で伺います。 現在、豊橋市が経営する豊橋市民病院は、地域の3次救急を担う東三河南部医療圏の基幹病院であり、東三河の
地域がん診療連携拠点病院であります。 1日当たり約2,000人の患者が訪れますが、利用者の約7割が豊橋市民であることから、市民病院と親しまれております。 昭和7年に開院、豊橋市が松葉町の社団法人豊橋医院を買収することで、市立豊橋病院は始まることとなりました。 戦後間もない昭和24年の南病棟、結核病棟、手術室、給食場を増改築し、昭和25年、愛知県より総合病院としての認可を受け、その翌年には豊橋市民病院と名称を変更し現在に至ります。 内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻咽喉科の合計5科にて診療を開始し、また昭和32年には鉄筋コンクリート2階建て50床、そして隔離病舎を併設することでスタート。看護婦養成所を設立しました。 私は、この昭和32年に豊橋市民病院と同じ松葉町で生まれ、我が家の玄関が市民病院玄関のはす向かいであったことから、物心つくころからずっと病院を眺めておりました。 松葉町にあった豊橋市民病院ですが、平成8年に桜ヶ丘分院を統合して、青竹町に新築移転、豊橋市立看護専門学校も同敷地内に移転いたしました。 移転に際してのさまざまな問題がありましたが、特に記憶に残るのは新築移転に際しての320億円の負債と返済、市民病院跡地には問題がありましたが、現在はこども未来館ここにこが建てられております。 平成15年に厚生労働省から地域がん診療拠点病院に指定されております。近年の放射線治療棟など、がん診療の充実については、よく知るところであります。 そこで、改めて(1)として、豊橋市民病院設置の目的と変遷について伺います。 次に、(2)市民病院改革プランの進捗に対する認識と過去10年の総括についてであります。国は、平成19年12月に
公立病院改革ガイドラインを策定いたしました。ガイドラインの主な三つの視点は、経営の効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しでした。 本市も、このガイドラインに沿った市民病院改革プラン(平成20年度~平成25年度)を策定、経営の効率化の数値目標達成に向けた具体的な取り組み例としては、医師、看護師の確保、患者サービスの向上、未収金の管理強化等の21項目であります。 7対1看護体制の確立や、改革プランの効果もあり、経営は大幅に改善、平成22年度からの単年度黒字化はよく知るところであります。 豊橋市民病院改革プラン、計画期間の終了に伴い、平成26年2月に第2次豊橋市民病院改革プラン(平成26年度~平成30年度)を策定いたしました。 本市における新改革プランの主な内容は、これまでのプランの取り組みを継承しつつ、病院、病床機能の役割分担、連携の強化などの医療制度改革の動向や、地域医療の現状を踏まえ、新たな目標を設定するとともに、第5次豊橋市総合計画の分野別計画に掲げる、健やかに暮らせるまちづくりに記載のある医療の充実と整合を図り、中期的な視点から、豊橋市民病院の目指すべき方向性や具体的な取り組みを明らかにしております。 また、平成27年3月に総務省から新たな
公立病院改革ガイドラインが示されたことから、これまでのガイドラインで示されている三つの視点の継続とともに、平成28年に愛知県が策定した愛知県地域医療構想を踏まえた四つの視点で見直され、新ガイドラインの対象期間である令和2年度に合わせて延長されております。 さて、2025年問題を見据えた適切な医療提供体制の再構築に取り組んでいくことが急務で、地域医療構想では、東三河南部構想区域の課題に療養病床が多く回復期病床が不足している。在宅医療への移行を進める必要があるとされております。 民間の医療機関では、担うことが困難な不採算医療を安定的かつ継続的に提供することは、公立病院の果たす役割でもあります。地域全体の医療や医療従事者の技術水準の向上も果たさねばなりません。これらを総合的に行う必要があります。 そこで、市民病院改革プランの進捗に対する認識と過去10年間の総括について質問するに際しては、新ガイドラインにおける第2次豊橋市民病院改革プランを中心に掲げられた医療スタッフの確保を初めとする五つの施策目標に、各年度の第2次
豊橋市民病院改革プラン取組状況報告書、愛知県地域医療構想、患者満足度調査結果報告書、豊橋市病院事業会計決算書、
公営企業会計決算審査意見書などからポイントを抽出して以下について伺います。 ア、病院経営をめぐる時代背景の認識と対応について イ、医師、看護師確保をはじめとする全国的な課題と東三河地域における課題の認識と対応について ウ、高度専門医療の充実に係る主な事業の取り組みの認識と対応について エ、他医療機関との連携など地域連携の推進の認識と対応について オ、災害対応の強化の認識と対応について カ、効率的・効果的な病院運営など病院経営の認識と対応について よりよい診療と診療環境の在り方について検討することを目的に豊橋市民病院で診療を受けられている患者さんを対象として、診療や診察環境について調査する、キ、患者満足度の認識と対応について伺います。 (3)令和2年度で計画が終了する第2次豊橋市民病院改革プランの次のプラン策定における新たな課題の認識についてであります。 第2次
豊橋市民病院改革プラン改訂版の基本方針は、東三河の地域医療を支える中核病院、患者にやさしく質の高い医療を目指してとあります。しかし、日本の医療制度は、戦後、高度経済成長期につくられて発展してきましたが、経済が安定成長期に入るとともに医療費抑制政策に転じ、結果としては医療崩壊が引き起こされたとも言われております。 そのような中、次のプランでは、第2次豊橋市民病院改革プランの取り組みである医療スタッフの確保、高度専門医療の充実、地域連携の推進、災害対応の強化、効率的・効果的な病院運営の推進といった施策目標と取り組みを踏まえ、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて見えてきた課題の克服、これが求められることと思います。 さらに医師の働き方改革を初めAI、ロボティクス、少子化、人生100年時代、超高齢化とふえる慢性疾患の増大、健康寿命、都市化、多様性、国際化などキーワードは数多くあります。また、SDGsのターゲット、全ての人に健康と福祉を、人や国の不平等をなくそう、住み続けられるまちづくりの視点は盛り込まれることを、これを満たせば、令和2年度からの基本方針は東三河の地域医療を支え続けられる中核病院、全ての患者に優しく質の高い医療を目指してが求められることと思います。 そこで(3)として、令和2年度で計画が終了する第2次豊橋市民病院改革プランの次のプラン策定における新たな課題の認識について伺います。 以上、1回目の質問とさせていただきます。
◎
山本和敏市民病院事務局長 初めに1の(1)市民病院設置の目的と変遷についてでございます。 豊橋市民病院は、前身であります私立豊橋慈善病院の「医療を大衆の手に」の趣旨を引き継いで、昭和7年、松葉町において、その設置目的を「市民の健康保持に必要な医療を提供するとともに医学の研究を行うため」と定め、病院事業を開始しております。 変遷でございますが、昭和26年に医療法による総合病院に指定された以後、病棟の増築や救命救急センターの開設といった施設的な医療機能の拡充とともに、日本初となるがん放射線治療の設備であるベータートロンやCTなどの高度な医療機能を充足させてまいりました。 また、平成8年には、地域の医療情勢に鑑み、昭和23年に前畑町で開院した桜ヶ丘分院を統合して現在の青竹町に新築移転し、東三河地域の医療を支える基幹病院として、災害拠点病院や地域医療支援病院など数多くの役割を次々と担うとともに、高度急性期、急性期医療に重点を置き、この東三河地域で大学病院並みの医療が提供できるまでの医療機関となっております。 次に、(2)のア、病院経営をめぐる時代背景の認識と対応についてでございます。 当院を初め多くの公立病院は、地域の基幹的な病院として地域医療確保のため重要な役割を担っておりますが、平成10年代後半、経常収支の黒字病院が全体の3割しかないなど、多くの病院で経営状況の悪化とともに、医師不足に伴い診療体制の縮小を余儀なくされるなど、医療提供体制の維持が極めて厳しい状況に陥りました。当院においても例外ではなく、平成8年の現在地への病院移転以降、赤字経営が続いたことに加え、医師不足の影響から精神科病棟を閉鎖するなど、一部の診療科で診療を縮小せざるを得ない状況に追い込まれました。 こうした状況の中、平成19年12月、総務省から
公立病院改革ガイドラインが示されて、公立病院は平成20年度中に経営指標に関する数値目標の設定や経営形態の見直しの考え方などを盛り込んだ改革プランを策定し、病院経営の改革に取り組むこととなりました。当院におきましても計画期間を平成20年度から25年度までとし、目標を最終年度に単年度黒字とする豊橋市民病院改革プランを策定し、一層の経営健全化に向けた取り組みを開始しました。 また、計画期間終了時には直ちに第2次改革プランを策定し、その後新たに示された新
公立病院改革ガイドラインに基づき令和2年度まで計画期間を延長する中、経営改革の推進に積極的に取り組んでいるところでございます。 次に、(2)のイ、医師、看護師確保を初めとする全国的な課題と東三河地域における課題の認識と対応についてでございます。 医師、看護師の確保につきましては、全国、東三河地域共通の大きな課題の一つであり、依然として医師不足や7対1看護基準取得のための看護師獲得競争は続いている状況であります。 加えて、都市部への偏在の影響も少なからずありますことから、東三河地域における医師や看護師の確保は、より一層厳しい状況であり、今後も当分の間続く課題であると認識しております。 また、宿日直など長時間労働が多い医師の働き方改革については、2024年までに解決しなければならない全国共通の課題であり、特に、救命救急センターを有する当院にとりましては、ハードルの高い課題であると認識しております。 こうした認識の中、対応としましては、小児科、産婦人科など過酷な勤務状況にある医師や若手医師の身分と給与面における処遇改善、医学生、看護学生へのきめ細かなアプローチによる採用者増加に向けた取り組み、他職種へのタスクシフティング等による負担軽減、仕事と家庭の両立支援、研修体制の充実などを進めることにより、人材確保及び離職の防止に努めているところでございます。 次に、(2)のウ、高度専門医療の充実に係る主な事業の取り組みの認識と対応についてでございます。 当院は、緊急度や重症度の高い高度急性期及び急性期医療に重点を置き、救急、周産期、がんの医療を中心に人員体制の充実と施設の整備に積極的に取り組んでまいりました。 救急医療につきましては、東三河で唯一の救命救急センターとしての役割を果たすため、救急科医の増員のほか、診察室やCTを増設する中、市民にはかかりつけ医を持つことの有益性を周知するとともに、重篤な患者の積極的な受け入れに努めております。 周産期医療につきましても、東三河の妊産婦が安心して子どもを産み育てられることができる環境を整備するため、医師・看護師の充実を図るとともに、平成26年には新たに母体・胎児集中治療室を整備し、既存の新生児特定集中治療室とあわせ、より高度な医療の提供を可能とした総合周産期母子医療センターの指定を県から受けました。 また、助産師が中心となって分娩介助するバースセンターを整備し、正常分娩や里帰り分娩についても積極的に対応しているところでございます。 また、がん医療につきましては、
地域がん診療連携拠点病院として、がん治療の三本柱である手術療法、化学療法、放射線療法を総合的に強化するため、この地域で初となる
手術支援ロボットダヴィンチの導入や手術センター棟の整備に加え、日帰りで抗がん剤治療を行う外来治療センターの増室とともに、最新鋭の放射線治療器を備えた高度放射線棟を整備するなど、がん治療体制の強化に努めているところでございます。 次に、(2)のエ、他医療機関との連携など地域連携の推進の認識と対応についてでございます。 初めに、地域連携の推進の認識でございますが、当院では以前より地域の医療機関との円滑な関係による患者さんの紹介・逆紹介が重要と認識する中、医師会と連携し病診連携室を設置し対応するとともに、平成22年度には病診連携機能とともに、医療相談機能もあわせ持つ患者総合支援センターを開設いたしました。 また、平成25年度には、地域連携登録医制度を開始し、地域の医療機関との連携を一層推進する中、平成26年9月に愛知県から地域医療支援病院の承認を受けました。 近年では、平成28年度に愛知県地域医療構想が策定されるなど、2025年に向けて一層、病床機能の分化・連携が推進されることとなりました。こうした中、平成29年度より当院に入院された患者さんの診療情報が紹介元・紹介先の医療機関で遠隔で閲覧できる
地域医療連携ネットワークシステム(Aotake-net)を構築したほか、地域医療構想を推進するため
東三河南部地域医療連携協議会の立ち上げに参加するとともに、代表幹事として県と地域の医療機関とのパイプ役も担っているところでございます。 続きまして、(2)のオ、災害対応の強化の認識と対応についてでございます。 当院は、平成8年より災害拠点病院の指定を受けておりますことから、東三河地域における災害時医療の中核を担う使命を果たすとともに、医療を継続していく上では、被災時における水と電力の確保が最も重要と認識しております。 こうした認識の中、ハード面では、受水槽・高架水槽の耐震補強や井戸水浄化設備の整備による水の確保を図ったほか、72時間稼働可能な非常用発電設備や大地震でも倒壊しにくい鉄塔から直接電力の供給を受ける特別高圧受変電設備の整備による電力の確保を図りました。特に、特別高圧受変電設備では、市内の多くが停電した昨年の台風24号の際にも、通常診療を行うことができ、その効果が発揮されたところでございます。 また、ソフト面では、災害対応マニュアルの整備や地震災害対策業務継続計画(BCP)を策定するとともに、災害対策訓練を毎年実施することで、院内の体制を確立・強化したほか、災害派遣医療チーム(DMAT)による実践的な活動を通じて、災害時の対応力の強化を図っております。 なお、今年度、BCPの改訂を予定しており、近年の大規模災害を通じて判明したさまざまな課題とともに、最新の被害予測に基づいた見直しを行っていくことにしております。 次に、(2)のカ、効率的・効果的な病院運営など病院経営の認識と対応についてでございます。 当院は、東三河地域の基幹病院として効率的・効果的な運営を推進し、今後も持続可能な病院経営を行っていかなければなりません。そのためには、収入増加と支出削減とのバランスのとれた取り組みとともに、診療データの分析・活用や他医療機関との比較検討など、多角的視点によるさまざまな取り組みが必要であり、充実した病院機能の礎となる黒字経営を維持することが肝要であると認識しております。 具体的な対応としましては、診療報酬や施設基準の確実な取得を初め、ベンチマークシステムや医療の質推進事業の活用による支出削減策の強化や、より効果的な経営手法の検討・実施のほか、一部公舎の廃止などファシリティマネジメントを推進してまいりました。 あわせて医療の質を高め、入院患者の負担軽減に資するとともに、効率的な病院運営となる平均在院日数の短縮や支払方法の拡大による未収金の発生抑制、債権管理課との連携による収納向上にも努めているところでございます。 さらには、今年度より院長直轄の経営企画室を設置し、一元的な経営方針の策定や迅速な経営改善の判断と実施が行われる体制を整備したことで、より効率的・効果的な病院運営が図られるものと考えております。 次に、(2)のキ、患者満足度の認識と対応についてでございます。 患者満足度につきましては、当院としましても適切な医療を提供する上にも重要であると考えており、平成18年度から毎年、入院、外来患者を対象に患者満足度調査を実施するとともに、院内各所に提案箱を設置し、随時患者さんの御意見を伺うことで意向を把握し、できることから速やかに対応しているところでございます。 一方で、ふだんの医療職と患者さんとのコミュニケーションが大変重要でありますことから、今年度、事務局内に研修担当を配置し、そうした対応力を養うことも含めた医療職等への研修の充実を図ることといたしました。 なお、患者満足度の調査結果として、総合的な満足度は入院患者、外来患者ともに例年約9割程度が満足・ほぼ満足との回答を得ているところでございます。しかし、入院患者からは食事に関する項目、外来患者からは待ち時間に関する項目など、一部評価の低い項目もあり、入院患者への対応については月見献立、七夕献立など、月1回の行事食や食事メニューの選択制の導入、外来患者への対応については、携帯電話への
診察呼び出し通知サービス等を実施し、少しでも満足いただけるよう改善に努めているところでございます。 最後に、(3)次のプラン策定における新たな課題の認識についてでございます。 これまでの取り組みを踏まえ、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて見えてきた課題としましては、何より医師の確保でございます。とりわけ身体的負担の大きい産婦人科医及び救急科医の確保は、依然として厳しい状況となっている上、医師の働き方改革が求められる中、AI、ロボティクス技術を活用した医療業務の効率化やタスクシフティングの浸透など、医師の負担軽減に対する一層の取り組みについて検討する必要がございます。 また、少子高齢化による疾病構造の変化が進む中、地域医療構想を踏まえ、地域の必要病床数や患者数の動向を見据えた病床機能の整備を検討する必要があるほか、在院日数が短縮する中、新たな紹介患者の獲得に努めるとともに、病状の落ちついた患者さんには、紹介元のかかりつけ医にお戻りいただくなど、医療機能に合わせた役割分担をしっかりと行っていく必要があります。 さらには、多職種連携による入退院支援センターの一層の充実や退院後の介護サービス等を見越した入退院時の連携強化は、少子高齢化の進展により、今後ますます求められる重点的に取り組むべき課題であると認識しております。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 それぞれ御答弁いただきました。 ここからは、一問一答にて進めてまいります。 (1)豊橋市民病院設置の目的でありますが、市民の健康保持に必要な医療を提供するとともに、医学の研究を行うためであると御答弁をいただきました。 東三河地域の医療を支える基幹病院、災害拠点病院であり、地域医療支援病院であり、高度急性期、急性期医療に重点を置く病院であるという役割について、また、昭和7年の松葉町に開院から平成8年の青竹町への新築移転、医療機能の拡充や整備、変遷の御答弁をいただきました。 愛知県は、他県と比べ医大、大学病院が多い県でありますが、それらの全ては、ほぼ名古屋圏に集中しております。そのような東三河地域にある市民病院ですが、大学病院並みの医療が提供できるまでの医療機関であると御答弁をいただきました。 改めて東三河の高度医療を支える豊橋市民病院であるということを確認いたしました。この件については、これで終わりといたします。 続いて、(2)ア、病院経営をめぐる時代背景の認識と対応について。 国の医療費抑制政策と多くの公立病院での医療崩壊、市民病院の青竹町への新築移転後の赤字経営と診療の縮小、豊橋市民病院改革プランとそれに続く第2次豊橋市民病院改革プラン及び経営改革の積極的な推進、これを御答弁いただきました。 この件についても終わりといたします。 (2)のイ、医師、看護師確保を初めとする全国的な課題と東三河地域における課題の認識と対応についてであります。 豊橋市の学生で名古屋に行ったことのない人、これはまれですが、名古屋の学生で豊橋市に行ったことのある人、これは決して多くないという話は聞くところであります。 これは、医師・看護師を目指す学生も同様であるというようなことです。全国的な都市部への偏在の影響もあり、さまざまな対応をとっているが、今後も厳しい状況が続くと見込まれているというようなことが御答弁でありました。 救命救急センターを有する中で、医師の働き方改革は2024年までに解決しなければならない全国共通の課題であり、ハードルの高い課題であるが、取り組んでいるとも御答弁いただいております。 医師・看護師の確保ですが、そもそも医師・看護師なくして医療は提供できず、働き方改革は国策であります。改めて、医師・看護師確保の負担軽減は、最重要課題であることを確認させていただきました。 そこで、本件2回目として、具体的な取り組みについて確認させていただきます。
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山本和敏市民病院事務局長 確保の取り組みとしまして、処遇面では、若手医師の確保の観点から、専攻医を常勤化するとともに、助産師・看護師確保のため、分娩取扱手当の創設や夜間看護等手当を増額いたしました。 学生へのアプローチでは、修学資金制度の拡充による経済的支援や就職説明会のきめ細かな実施のほか、学生実習等の積極的な受け入れを継続して行っております。 また、業務負担軽減の面では、医師事務作業補助者や病棟看護補助者の増員によるタスクシフティングや、多職種協働によるチーム医療を積極的に取り入れ、働き方改革を推進しております。 さらに、仕事と家庭の両立支援では、院内保育所における病児保育の実施や二交替制勤務など多様な働き方の検討を行い一部導入するなど、長く働き続けられる職場環境づくりに努めているところでございます。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 御答弁いただきました。 処遇面ですとか、学生へのアプローチ、業務負担軽減、仕事と家庭の両立支援などの職場環境づくり等、取り組みについては一定確認させていただいたわけであります。 そこで、本件3回目として、このようなきめ細かいともいえるようなさまざまな取り組み、それをされておりますが、これがどのような効果につながったのか、効果を確認させていただきます。
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山本和敏市民病院事務局長 医師につきましては、常勤の医師数が10年前の平成21年度と比較して20名以上増加いたしました。特に、研修医が研修終了後にそのまま当院へ専攻医として就職するケースも多いことから、豊橋市民病院に愛着を持った若手医師の育成と確保に効果があったものと考えております。 また、看護師につきましても、平成29年度以降、定数を確保できるようになってまいりました。特に、県内の他の病院と比較しましても離職率が低く、職員の平均年齢が高いことから、若手からベテランまで長く働き続けられる環境づくりが進んできているものと認識しております。 なお、ダヴィンチを初めとする高度な医療機器や最新の医療機器に触れることができる病院であることも若手から中堅の医師確保において、一定の効果があったものと考えております。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 効果について、そして実績についてもお答えいただきました。 市民病院の医師・看護師の確保、これは最も重要なポイントであることから、この件に関しましては、私の知る医療関係者から意見を聴取してまいりました。医師の確保は、一番まず重要であると、御答弁にもありましたが、医局とのパイプ並びに研修医、専攻医からの就職、これは市民病院の強みであると皆さん認めていらっしゃっています。しかし、そのときに適正な医師数を考える必要があるとも聞きました。 一般的には、消化器、循環器、呼吸器といった内科、これは医師数が多く必要だとされております。また、外科、整形外科、泌尿器科、麻酔科も必要です。さらに、救急医療の提供から脳外科などの確保が難しい診療科、これも重要だと言われております。実際には、心臓血管外科もハートセンターが、その役割を果たしているとも聞いております。さらに、地域で最も重要な産婦人科、小児科でありますが、市民病院として医師を確保する必要、これが非常にあるということであります。 こうした診療科は、十分な医師確保、これは必要だけれども、ただ適正な医師数は外来数、入院は診療科の1日の入院患者数、検査・手術数から考えたらどうかとも聞きました。必要以上に配置する必要はないという考えです。 眼科や耳鼻科といった診療科は、市内の医療機関とのバランス、これを適正配置を考える上では重要であるともされております。こうして医師の適正化が図られれば、人件費も含めて医師の適正配置、こういった問題が解決できますし、そして、民間であったら医師に対してもインセンティブ、こういったものも支給してモチベーションも高めると聞いてもおります。 そして、働き方改革で問題となってくる長時間勤務でありますが、周産期、小児のNICU等の専門ユニット、当直に必要な医師、産婦人科、小児科、脳外科、循環器科の医師については考える必要があるとも聞いております。救急については、研修医等が中心に行っているのであれば、常勤医師も加えるような体制、これが先ほどもありましたが働き方改革の中で求められることと思います。 看護師についても上記に掲げた診療科を担当する病棟、ユニット、救急に手厚くする必要があると聞いております。 そして、またそれ以外は、夜勤72時間以内におさまる人員配置、これができれば十分ではないのかですとか、許可病床数と実際の入院患者数、これらを考え視野に入れて、これらの病床利用率から必要なベッド数を考え、病棟の再編等も視野に入れてくるところは必要になってくるのか、その中で看護師の見直しができるのではないかというようなところも聞いてまいりました。 また、別件では、将来の認知症の患者数の予想数字、これが大きく上方修正されている調査結果、これを確認しております。高度経済成長期を生き抜いてきた団塊の世代、これは、口うるさい高齢者になる可能性が極めて高いとも言われており、このような患者と数多く接する上で医師や看護師に大切になるのは、対人間関係能力、ヒューマンスキルであるとも言われており、その経験が問われている部分も聞いております。医学的知識を伝えても生活習慣をコントロールできない人もいるし、そういう人たちを治療できるのは、一緒に頑張っていこうと寄り添える医師とも言われております。 また、その際に期待されるのが、出生数が多いために競争にさらされ要求の多い親世代に鍛えられてきた団塊ジュニアであるともレポートには書き添えられておりました。患者に寄り添える医師・看護師の確保を初め、若い医師・看護師の成長を支える人間力のあるベテラン医師・看護師、新しい技術を広め駆使することのできる時代を先駆ける医師・看護師など待ったなしの2025年問題に向けての医師・看護師確保の継続に大いに期待し、この件については終わりとさせていただきます。 続きまして、ウ、高度専門医療の充実について、主な事業の取り組み等、認識と対応についてお伺いいたしました。 高度専門医療の充実ですが、高度急性期及び急性期医療に重点を置いている、救急医療、周産期医療、がん医療を中心に体制を整えているとの御答弁でありました。 本市における救急医療は、コンビニ受診の自粛啓発などよく知るところであります。2025年の救急医療は、増加する見込みであり、システム運用の絶えざる改善は必要と思われます。
手術支援ロボットダヴィンチの導入、これは医師が直接施す手術と比べ、患者の傷跡が小さく出血量は少なくて済み、患者の体力的な負担軽減、これらにつながる患者に優しい負担の少ない治療であることは熟知するところです。平成30年の4月から保険適用手術の対象拡大により、手術件数が大幅に伸びているところも確認しました。 このダヴィンチ操作技能の習得を希望する若い医師を獲得するためにもダヴィンチは有効であるというところはわかりますが、最近聞いたところでありますと、ランニングコストが高いですとか診療点数の引き下げ、ここにも注視する必要があると感じます。 周産期医療の充実ですが、総合周産期母子医療センターとしてハイリスク妊婦、新生児を積極的に受け入れ、東三河の産科医療を支えている。また、里帰り分娩への積極的な対応は、東三河出身の妊産婦には、大変心強い取り組みでありうれしく思うところです。 他市においては、産科の搬送拒否、これが事件として取り扱われたことは幾度となくあったことを記憶しておりますが、豊橋市民病院では手術室の満室や複数のハイリスク妊産婦の対応で医師が手いっぱいでない限り、こうした搬送体制を断ることがないことは、事前に確認させていただいております。 最後に、がん治療でありますが、順調に放射線治療棟、これは数を伸ばしていると、地域の医療機関との関係強化が一層求められることから、民間と分担して機能の分化を図る視点も重要であるのではないかというところを指摘し、民間がやれることは民間さんに任せることも考えるべきではないかというところを申し添えさせていただきまして、この件については終わりとさせていただきます。 (2)エであります。他医療機関との連携など地域連携の推進の認識と対応についてでありますが、地域の医療機関と患者さんを相互に紹介・逆紹介し合える円滑な関係構築が重要であるとして、病診連携室の設置、患者総合支援センターの開設、診療情報の遠隔閲覧の構築など、積極的に進めてきたとのことでありました。 今後は、2025年問題を念頭に、地域の二次救急を初めとする医療機関や福祉介護機関との一層の連携強化、これを図る必要があり、地域包括ケアについては、中心的役割を努めていかなければならないと考えます。 そこで、本件2回目として、地域の連携機関との連携強化のため、診療情報が紹介元、紹介先の医療機関の双方で遠隔で閲覧できるAotake-netを構築したということもありましたが、進捗状況について確認させていただきます。
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山本和敏市民病院事務局長 Aotake-netでは、当院で実施されたレントゲン写真や投薬などの診療データについて、インターネットを介して紹介元のかかりつけ医で閲覧することができ、当院で行われた検査や治療などの詳細な情報を各医療機関で把握することができます。 利用状況は、平成31年3月末時点において利用登録医師数は36名、登録患者数は224名となっており、地域連携の推進に一定の効果が見られました。 しかし、さらなる利用者数の増加が課題と考えておりまして、継続して近隣の医師会、歯科医師会などを通じた説明会等の実施や、ホームページなどによりPRを行っているところでございます。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 Aotake-netについて、御答弁いただきました。 豊橋市民病院の診療データ、これをインターネットを介して閲覧できるAotake-netは、進んでいる様子がうかがえるわけですが、この件は国が地域連携強化を図る上で、医療ICTを連携した活用データ、これを進めていくようにというような形の課題があったかと思います。 そこで、本件3回目として、さらに地域連携強化を図る上で医療ICT連携を活用したデータの対応について確認させていただきます。
◎
山本和敏市民病院事務局長 厚生労働省は、有識者による検討会を設置し、医療等分野における識別子、仮称医療等IDという固有番号を導入し、複数の医療機関、薬局等で患者の診療情報や服薬情報等を共有する広域による医療ICT連携、全国保険医療ネットワーク・保険医療記録共有サービスの運用を目指しております。 こうした中、当院は平成29年度に更新した電子カルテシステムを初めとする病院総合情報システムの診療データや連携基盤につきましては、厚生労働省の標準規格を積極的に採用しており、広域化を前提とする医療ICT連携に対応しているところでございます。 しかしながら、共有の連携先となる電子カルテシステムを導入しております地域の多くの医療機関では、独自の規格で導入されており、標準規格に対応していないことから医療ICT連携は簡単には進まないといった状況となっております。 当院としましては、今後とも国や各医療機関の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 御答弁では、市民病院は厚生労働省の標準規格に対応する形で地域連携強化を図るため医療ICT連携の対応を進めているが、地域の医療機関は対応が進んでおらず、2020年をターゲットとした医療等IDの導入は困難な状況にあると見受けられるとのことでありました。 市民病院は、注視していくとのことですが、本件は議会としても注視してまいりたいと思う次第です。 さて、2025年を迎えて最も医療に直接的に与える問題は、疾病構造の変化と言われてもおります。他医療機関との連携など、地域連携の推進の認識と対応ですが、複数の慢性疾患を持つ高齢者、高齢の患者が中心となり、総合診療のニーズが高まると予想されてもおります。 市民病院では、高度急性期、急性期医療を担う中で総合内科において複数の慢性疾患を持つ患者への診療を行っており、総合診療についての研修は初期研修医や専攻医を一定期間近隣の病院に派遣し、若手医師の育成にも努めているとも聞いております。 あらかじめお伺いしたところ、総合診療は第2次改革プランでの位置づけはないとありますが、2025年問題の大きな問題であるとみなされておりますことから、こういった次期プランの策定の位置づけに注目していき、情報のやりとり、ここのところも注視する形でこの件については終わりとしたいと思います。 続きまして、(2)オ、災害対応の強化の認識と対応についてであります。 災害に強い施設の構築、災害用備蓄品の整備、定期的な災害対応訓練の実施を事例とともに御答弁をいただきました。 特に、鉄塔から直接電力の供給を受ける特別高圧受変電設備の設置についてでありますが、かつてからここに鉄塔はあったわけで、この病院敷地の隣地にあったんですけれども、つながっていなかったところを確認し、この豊橋市議会の委員会でいろいろな形で説明した経過があります。 当時は、こういった近くに鉄塔はあるけれども、遠くの変電所のほうに送電していって戻ってきたものが解決された。そして、昨年猛威を振るった台風24号の際にも対応ができたということで、これは非常にうれしく思うところでもあります。 そして、本年度のBCPの改訂を予定しているとも御答弁がありました。市民病院は、今さら言うまでもありませんが、地震や豪雨のリスク、これは顕在化しております。先週も佐賀県大町での順天堂病院が、この増水した河川の水を受けて孤立している衝撃的なニュースがあったかと思いますが、決して他人事ではないなと。この病院は多いときには1日50台もの救急車が来るわけです。道路が冠水する危険性が指摘されている中で、救急車はほとんど水がつかったら入れない、最大15センチかなとも言われている課題もあります。 また、最新の被害予測に基づいた見直しを行うとのことでありました。大災害が発生したとき、被災地域の医療施設には、その施設が被災したとしてもできる限り病院機能を維持して患者を診療する役割、これが求められております。したがって、病院のBCPは早期での機能の立ち上げや回復、被災患者の継続的な診療が可能でなければなりません。しかし、そのときには医師や看護師が出勤できないような事態やライフラインや設備の破損なども想定する必要があります。 例えば、病院は市民病院が残っても通勤に使ってる駐車場が冠水するですとか、例えば下水の問題、排水の問題、リスクがあるわけです。これらに加えて、今までの震災の事例では、指揮系統の乱れや通信手段断絶による情報不足、応援の医療チームの派遣中止なども報告されております。 そのため、病院はふだんよりも人員や資源が不足しているにもかかわらず、大量の被災患者を診療しなければならないという苦しい状態に陥ってしまうことが予想されております。実際、東日本大震災等でもこのような形で一時休止、廃止に追い込まれた状況は確認しております。 そこで、その反省を踏まえて全日本病院協会は、混乱期の自立的活動から秩序のある組織活動へフェーズを踏まえた計画が必要とし、医療需要が激増するのに反し、医療資源が激減する中、総力戦で対応すべきで、想定外に対応できる意思決定部署が必要という教訓を掲げてもおります。 今後、本年度BCPの改訂を行う予定とのことでありますので、災害拠点病院のBCPは近隣医療機関と連携して役割分担する、非常時の組織体制の計画を立てておく、災害時の業務に優先順位をつけるという点に注目して、この計画が提出されることを待ちたいと思います。 また、こうした災害に対する市民病院の基本的な立地の見直し、これは政治的な判断とともにあると思いますので、注視してまいりたいということで、この件については終わりといたします。 (2)のカ、効率的・効果的な病院運営など病院経営の認識と対応について御答弁をいただきました。 充実した病院機能の礎となる黒字経営を維持する効果的・効率的な病院運営など病院経営の理念とともに、さまざまなデータを活用しての効率的・効果的な病院運営、これらについてお聞きしました。 御答弁にもありましたように、経常収益としては黒字が続いていることから順調かとは思いますが、臨時的に費用が必要となるハードの設備には、経営に少なからず影響を与えると考えます。 そこで、本件、カの2回目としてハード面での現在の課題について伺います。
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山本和敏市民病院事務局長 ハード面での課題としまして、平成8年に現在の青竹町に移転してから23年が経過し、施設として折り返しの時期を迎えていることがございます。 議員御指摘のとおり、経営基盤を支える施設整備に係る経費は大きく、経営を考える上で重要な要素となります。 今後も良質な医療が提供できる安全な施設を維持していくためには、施設の老朽化、長寿命化対策を計画的に行っていかなければなりません。 また、多くの患者やすぐれた医療スタッフから選ばれる魅力ある病院とするためには、より高度な医療が提供できる施設・設備の整備に積極的に取り組んでいく必要があると考えております。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 御答弁いただきました。 御答弁にもありましたように、積極的な取り組み、これは大変期待するところであります。施設の老朽化、長寿命化対策、これは計画的に行っていきたいということですが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 また、多くの患者、すぐれた医療スタッフから選ばれる高度医療を提供できる病院、これは目標としてふさわしいと思います。いずれも共感するところではありますが、経営については他の病院関係者からですと市民病院の人件費は市からの報告を見ると決して高くはないようだなですとか、地方交付税もあると考えると経営をもっと工夫していくことも必要で、相当の黒字も考えられるね、ですとか、看護学校の運営も検討する時期も来たねというような意見も聞いております。 御答弁にありましたように、青竹町に移転して折り返しともいえる23年が経過いたしました。一層の効率的・効果的な病院運営など、病院経営のバランスに期待しますとともに、当初、御答弁にありました今年度より院長直轄の経営企画室がスタートしたとのことであります。経営企画室の活動に期待して、本件は終わりといたします。 そして(2)キ、患者満足度についてであります。 総合的な患者満足度調査からは、約9割程度が満足・ほぼ満足との回答を得ているとのことでありました。努力は重ねてはいるが入院患者からは食事に関して、外来患者からは待ち時間の評価、これが低いという結果もあるとのことでもあります。 ところで、豊橋市民病院には、外国人の患者もよく見かけるところです。患者満足度につきましては、結果報告書からは日本人のみを対象にしているように見受けられますが、そこで、外国人患者への対応についてお伺いしたいと思います。
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山本和敏市民病院事務局長 外国人患者は、当院で診療を受けられている外来患者の約2%、1日40人程度でございます。日本語のわからない外国人患者の対応としましては、平日の診療時間は英語、ポルトガル語の通訳ができる職員を配置し、検査や手術などの説明や診察の際に同席するなど外国人の方でも安心して診療を受けられる体制を整備しております。 また、通訳できる職員が不在となる夜間休日の救急外来におきましては、これまで看護師等が聞き取りに時間を要しておりました診察前の問診票の記入について、平成30年1月より6か国語に対応した多言語問診システムを導入し、来院された外国人患者が直接自国語で問診入力できるよう対応したところでございます。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 外国人対応についてお伺いいたしました。 私もこの外国人の方々への対応、これは国の政策からも多くの方を迎え入れるという今までの市での多文化共生の考え方を見ても必要になってくると思います。私は市民病院が、例えばメディカルツーリズムをやるべきでは決してないと思うわけですが、日本に、豊橋市に働きに来たり生活をしに来た方には対応が必要であり、時には食事の問題もありましたが、ハラールなど、いろいろな課題もこれから出てくるかと思います。全ての人が一定理解し、そして満足できる市民病院、それらの人を見捨てないことを期待して、この件については終わりといたします。 (3)であります。 令和2年度で計画が終了する第2次豊橋市民病院改革プランの次のプラン、これが恐らく令和3年度よりスタートするかと思います。それがちょうど第6次総合計画とも重なる。次のプラン策定における新たな課題の認識について御答弁をいただきました。 さまざまな新しい見方をされていたことに対して非常にうれしく思います。継続する課題は、医師の確保であると思います。新たな課題は医師の働き方改革への対応、医療業務の効率化、業務移管などとともに少子高齢化による疾病構造の変化が進展する中、地域医療構想を踏まえ、退院後の生活を入院時から見据えた手厚い入退院支援強化が挙げられるとのことであります。 一方、経営面へ目を向けますと、収支状況は現在良好な状況にあるものの、設備面では老朽化の課題、これがあります。建物本体についても平成8年の病院移転より御答弁にもありましたが23年が経過して折り返し地点を過ぎようとしています。 そして、佐原市長は豊橋市民病院経営について、並々ならぬ努力をされてたことはよく知るところでありますが、移転か建てかえか、そのときの政治的な判断でありますので、ここでは問いませんが、しかし、建てかえに際して、もしくは大規模改修に際しての備え、これは必要不可欠であるかと思います。 そこで、本件2回目として将来を見据えた財源の確保が極めて大切であると考えますが、お考えを伺います。
◎
山本和敏市民病院事務局長 議員御指摘のとおり、建てかえ等に向けた財源確保は将来的に大きな課題となっています。 現在の病院建設では、約320億円の借り入れにより支払い利息は総額で約200億円に上りました。その返済が令和7年度まで続くことから、多額の借金がこれまでの経営を圧迫してきたことは明らかでございます。 こうした経緯を教訓として、今後も医師を初めとする医療スタッフの確保を図るとともに、専門家の意見も取り入れつつ、最新の設備や医療機器を最大限に活用するなど、生産性や効率性を高めていきたいと考えております。 また、こうした取り組みによる経営基盤の強化とともに、地域医療構想を踏まえた地域に求められる病床の機能分化に伴う整備や入院患者から要望の多い病室の個室化など必要な整備を行っていく中で、将来の建てかえ等に向けた自己財源もしっかりと確保していく必要があると認識しております。 以上でございます。
◆伊藤篤哉議員 将来を見据えた財源の確保について、明解な御答弁をいただきました。 私も、よくよく思い出すんですけれども、病院を移転した後で320億円の借り入れがあって、毎年毎年この返済に大変だと、そして、そのところに上乗せするような形でいろいろな医療崩壊のような状況があった時代を、きのうのことのように覚えております。 今回は、大きく1問、豊橋市民病院事業の総括と、今後の展望と対応について伺ったわけであります。令和3年度より総合的な行政の運営を示す第6次総合計画がスタートし、また、第2次豊橋市民病院改革プランが令和2年度で計画が終了することから、新しいプランが時を同じくする令和3年度からスタートすることになろうかと思います。ことしから来年にかけては、これらの計画のまさに策定時期であります。 豊橋市民病院改革の目的は、令和3年からのガイドラインに備えるとともに、第6次総合計画の分野別計画との整合を図り、本市において必要な医療提供体制の確保を図り、本市の担うべき医療を適切に実施していけるように医師・看護師・医療技術員等の確保に加え、必要な医療機器を整備するとともに、さらなる経営の改革を進めながら魅力づくりとともに、豊橋のみならず東三河の持続可能な医療提供体制の構築を目指すことにあると考えます。 2025年問題に直面するに当たり、豊橋市民病院は東三河の地域医療を支え続けられることの可能な中核病院であってほしい。全ての患者に優しく持続可能な質の高い医療を期待して、私の全ての一般質問を終えることといたします。
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○堀田伸一副議長 次に、本多洋之議員。 〔本多洋之議員登壇〕
◆本多洋之議員 こんにちは。9月2日、本日誕生日を迎えまして、45歳になりました。
自由民主党豊橋市議団本多洋之です。ありがとうございます。 通告に従いまして、一問一答方式で質問させていただきます。 今回は、教育の問題として大きく1点、小学校における英語教育の充実と諸課題への認識と対応についてお聞きしたいと思います。 教育という崇高な営みは、常に目の前の子どもをどう育てたいかという明確な見通し、ビジョンを持って臨むべきものであり、そこには確かな教育哲学、教育理念、フィロソフィーがなくてはならない。山西教育長のお言葉を引用させていただきました。 私も全く同感であります。私は、塾の講師として20年間のキャリアを積んでまいりました。英語・社会を中心に指導をしてまいりました。ここ数年では、小学校の英語の授業のカリキュラムの作成にも携わってまいりました。 教育とはもちろん、知識を教える、教科の内容を指導するということが必要でありますけれども、根底には一人一人の子どもを大事にした教育活動により、子どもがみずから考え、生きる力を深め、成長していくことが必要であると思います。 さて、2020年に学校における教育が大きく変わると言われております。新たな学習指導要領が2020年度からの小学校に続き、中学、高校と順次適用されていきます。そこには、何を学ぶか、何ができるようになるかとともに、どのように学ぶかという指針が明示されております。それは、アクティブラーニング、主体的・対話的で深い学びと表現されております。これは、学ぶことに興味・関心を持ち、対話を通じて理解を深め、問題を見出して解決策を考えていくことです。 こうした新しい学び方を本格的に採用しようという考えの根底にあるのは、授業が知識伝達型にとどまっていることに対する危機感です。卒業後の大学での勉強や社会に出てからの生活に役立つものになっていないのではないかと、そういうことです。 今までは、教育を行うことは、主体が教師でありティーチング、教えることこそが本質でした。しかし、それが今変わろうとしています。主体は生徒となり、ラーニング、学ぶことが教育の本質になってきています。 そうした観点を踏まえた2020年の教育改革の柱は大きく3点。 1、大学入試改革。2、小・中・高の新学習指導要領。そして、それらと関連して進められる3、英語教育改革です。 中でも英語教育改革は、入試や学校の授業に与える影響の大きさもさることながら、現代のグローバル社会において英語の重要性がますます高まり続けていることからも、とりわけ大きな注目を浴びています。 2020年の小学校の指導要領の全面改訂においては、英語について、現在小学校5、6年生で行われている外国語活動を3、4年生に前倒しし、5年生からは教科としての英語が導入となっております。文部科学省によると、急速なグローバル化の中で英語力の充実は重要な課題であり、英語さえ習得すればよいということではなく、我が国の歴史・文化等の教養とともに、思考力・判断力・表現力等を備えることにより、情報や考えなどを積極的に発信し、相手とのコミュニケーションができなければならないと示されています。 そもそも英語教育改革と言われるこの改訂の背景には、日本人は中・高・大と10年間英語を勉強してきているのに、ほとんどの人が実際には英語でコミュニケーションがとれないという何十年も前から言われている課題がありました。英語は言葉ですので、最終目標はコミュニケーションがとれる、意思が伝達できるということが目標となります。ところが、日本の学校教育においては、この目標が長年達成されているとは言いがたい状況でした。それは、学校教育の最大の目標が大学受験であり、大学受験がペーパー試験のみで英語のコミュニケーションを求める試験になっていなかったからです。これが英語の話せない日本人の主たる要因だと考えられます。 この点においても、今回の改訂では、大学入試の改訂もあわせて行われます。2020年に今まで行われてきたセンター試験から大学入試共通テストに変更されます。この中で英語は読む、聞くだけでなく、話す、書くを加えた4技能の力を問われる外部の資格・検定試験の導入が予定されています。つまり、大学入試において話す、すなわち英語で意思を伝達することが求められることになったのです。 このことにより、小・中・高と一貫して英語のコミュニケーション能力を養うための制度が求められるようになりました。小学校の英語教育においては、前段階として平成23年、2011年より小学校5、6年生に外国語活動が導入され、音声を中心に英語になれ親しみ、コミュニケーションの素地を養うことを目標に行われてきました。 それが、今回の改訂により、さらに英語教育を充実させる目的で小学校5年生から教科としての英語が導入されます。この点について、文部科学省によると、単に中学校で学ぶ内容を小学校高学年に前倒しするのではなく、積極的に英語を読もうとしたり、書こうとしたりする態度の育成を含めた初歩的な運用能力を養うこととなっております。まさに2020年が小学校英語教育の改革の元年と言えます。 さらに、こうした英語教育改革の中、豊橋においては小学校の英語教育の発展的な取り組みとして、八町小学校でのイマージョン教育コースの設置が来年度に予定されています。イマージョンという言葉は、英語で浸すという意味で、各教科の授業全てを英語で行うという新しい取り組みです。今年度は小学校3年生でモデル事業として実施をされております。 英語で授業を行うことで、生徒が英語に触れて英語で考えていく、これは、英語を身につけるという観点では理想的な環境であると思います。このイマージョン教育コースが来年度から本格実施となっておりますが、これは、先ほどからの小学校英語の初歩的な運用能力を養うことという方針からは一歩も二歩も先に進んでいるものです。それは、英語を習得するという点と各教科の内容を習得するという二つの目標を同時に含んでいるからです。 事実、英語教育において理想環境だとされるイマージョンコースを設定している小学校は、全国的に見ても珍しく、ましてや主要教科を英語で行っているという学校はほとんど見当たりません。それだけ、イマージョンコースには難易度の高い要求があると思います。 こうした、英語という専門教育の改革・発展が行われようとしている中で、授業の在り方、教師、指導者の育成等、さまざまな問題も同時に提起されております。 それらの観点を踏まえ、1回目の質問として、(1)小学校3、4年生への外国語活動の導入と小学校5、6年生の英語の教科化による小学校教育で目指すものについて (2)
イマージョン教育コース開設に向けた取り組みについて (3)小学校における英語教育の諸課題について 以上、3点を1回目の質問としてお伺いいたします。
◎山西正泰教育長 大きな1番の(1)小学校3、4年生への外国語活動の導入と小学校5、6年生の英語の教科化による小学校教育で目指すものについてでございますが、新しい学習指導要領では、小学校3、4年生におきましては、聞くこと・話すことの言語活動を通してコミュニケーションを図る素地となる資質、能力を育成することを目指しております。 さらに小学校5、6年生では、それらに読むこと・書くことを加えてコミュニケーションの資質、能力を育成することを大きな目標としております。 具体的には、小学校4年間の学習によって、一つ目は、実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身につけること。二つ目は、自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる力を養うこと。三つ目は、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養うことの3点を学習の目標としております。 続きまして、1の(2)
イマージョン教育コース開設に向けた取り組みについてでございます。 現在、八町小学校の3年生でイマージョン教育を希望した20名を対象に、算数の授業に取り組んでおります。そのための準備につきましては、授業者と
イマージョン教育コーディネーターとが協力をして行い、授業計画を初め、補助プリントや掲示物など、授業で使用する教材の開発も行っております。 また、この夏休みには、年長児から小学校5年生までを対象に、イマージョン教育コースの体験活動として、
ライフポートdeイマージョンを実施し、合計800人を超える子どもたちが参加をしました。知的好奇心を持って生き生きとした表情で学習に取り組む子どもたちの姿が見られ、参加した子どもからは「難しかったけど英語がたくさん使えてとても楽しかった」という感想が聞かれました。保護者からも「イマージョン教育コースに対して期待を寄せている」という声をたくさんいただいております。 続きまして、1の(3)小学校における英語教育の諸課題についてでございます。 5、6年生の英語におきまして、一つには通知表等への数値による評価を行う必要があるということ。もう一つは、従来、話す・聞くを重視して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成することを中心に取り組んできましたが、今後は読むこと・書くことが加わり、この対応が求められるということでございます。 これらを解決するためには、研修の充実は不可欠であると考えますが、それに加えましてネイティブスピーカーやスクールアシスタントのような英語が堪能な地域人材など、学級担任を英語面でサポートする体制をどのように充実させていくかについても勉強してまいりたいと考えております。 以上であります。
◆本多洋之議員 それぞれについてお答えをいただきました。 ここからは、一問一答形式で質問をさせていただきます。 まず、(1)小学校3、4年生への外国語活動の導入と5、6年生の英語の教科化による小学校教育で目指すものについてですけれども、小学校3、4年生で聞くこと・話すことを中心にコミュニケーションを図る素地を、そして教科となる5、6年生では、さらにそこに読むこと・書くことを加えていくと。そして、また小学校4年間の学習によってコミュニケーションの基礎的な技能を身につけ、自分の考えを伝える力を養う、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養うという3点が目標とのことでありました。 来年度から、指導要領の改訂によりそれぞれの学年・授業においてカリキュラムの変更等があると思います。豊橋においては、以前より小学校の英語教育には先進的な取り組みをしているともお聞きしております。また、今年度は、移行期間として既にある程度の授業が導入されているとも聞いております。 そこで2回目の質問として、小学校の英語教育における豊橋の取り組みの現状と今後の方向性についてお伺いいたします。
◎山西正泰教育長 本市の小学校におきましては、平成17年度に内閣府より「国際共生都市・豊橋」英語教育推進特区として認定をされ、全国に先駆けて小学校3年生から中学校卒業までの7年間を見据えた英語教育に取り組んでまいりました。 これまで本市では、教員が独自に作成をしたカリキュラムと副読本「sharing Toyohashi」を用いて授業を行い、小学校から中学校への接続にも配慮した英語教育に取り組んでまいりました。 新学習指導要領における新たな取り組みとして挙げられております小学校における英語の教科化につきましては、これまでの英会話の授業の経験を生かし、学級担任が自信を持って授業を行うことができるものと考えております。 今後の方向性としましては、英会話のできる豊橋っ子育成プランによって子どもたちの英語によるコミュニケーション能力を育ててまいりましたが、新しい小学校学習指導要領に加わりました読むこと・書くことの指導にもしっかりと取り組みながら、英語の好きな子どもたちを育ててまいりたいと考えております。 以上であります。
◆本多洋之議員 お答えをいただきました。 英語教育推進特区として全国に先駆けて7年間を見据えた英語教育に取り組んできたこと、また、独自のカリキュラムにより小中の接続に配慮した教育を行ってきたこと、そして、それらの成果から英語教科化に向けても学級担任が自信を持って授業を行うことができている。また、今後の方向性として新指導要領に加わった読むこと・書くことの指導にもしっかりと取り組んでいきたいというお答えでございました。 小学校の場合、学級担任が各教科の授業を行うことになっております。豊橋の場合、先ほど申しましたように、推進特区として以前から授業を行っている経験があるとのことでございますけれども、来年度の教科化に当たっては、より専門的に知識や授業が求められます。 また、全ての担任が英語に堪能ではないという問題もあります。これらの点を踏まえまして、3回目の質問として、英語の教科化に向けて教員の指導力向上に向けた研修についてどのようにお考えかをお伺いいたします。
◎山西正泰教育長 教員の研修につきましては、各学校の英語教育を推進するリーダーを集めた研修会を実施し、各学校へと広げていくことが大切であると考えております。 また、現在豊橋市では、6名の英語専科教員が16の小学校に行き授業を行っております。このことは、多くの学級担任が専門性にすぐれた授業に触れる機会となり、読むことや書くことが入ったときも、学級担任が授業力を高めていくための研修の一つになると考えております。 あわせまして、大学から有識者を招聘し、指導方法や評価についての考え方について研修を深める機会も設定してまいりたいと考えております。 以上であります。
◆本多洋之議員 お答えをいただきました。 研修を実施していること、それから英語専科教員が配置され授業を行っていること、それにより学級担任にもすぐれた授業に触れる機会となっていること。そしてさらに、また今後、有識者による研修を実施するというお答えでした。 英語の指導力については、これまでの外国になれ親しむゲーム等の活動を中心とした外国語活動から5、6年生では外国語科、英語科になります。これからは、間違った表現を文法的にも語彙的にも正しい英語に直して発話できるだけの英語運用能力が小学校英語の指導者には求められます。今後、教師の指導力、授業力の向上がより一層求められることになると思いますので、ぜひ講師力のアップに期待をしたいと思います。 (1)については、以上で質問を終わります。 続いて、(2)イマージョン教育についてお聞きします。 先ほどの1回目の答弁で、現在八町小学校3年生で20名を対象に算数の授業に取り組んでおり、
イマージョン教育コーディネーターと協力して授業計画、プリント等の教材の作成を行っているとのことでした。 また、夏休みの体験会に800名を超える子どもたちが参加しており、子ども・保護者からも多くの期待をする声が寄せられているとのことでした。 イマージョン教育については、地元や知り合いからも興味があるという声をよく聞きますし、議員の中でも体験会に参加した方もいるようですし、私も一時は通わせようかなというように考えておりました。実際に、民間の英語教育関係者からも豊橋はすごい取り組みをしているねという話もいただいたりもします。 そこで、(2)の2回目の質問として、イマージョン教育コースは、今年度の八町小学校でのモデル事業を踏まえて、来年度から全学年で本格実施となっておりますが、イマージョン教育の今後の展望についてお伺いしたいと思います。
◎山西正泰教育長 国語と道徳以外の各教科の学習を英語で行うイマージョン教育は、これまでにない新しい取り組みでありますので、あと半年の準備期間で万全な体制を整え、教育活動をつくり上げていく必要がございます。 この取り組みの今後の展望につきましては、文部科学省が英語教育に力を入れている現状を鑑みますと、八町小学校でのイマージョン教育コースは、時代の流れに乗って継続していくことができるものと考えております。 以上であります。
◆本多洋之議員 お答えをいただきました。 新たな取り組みであるので、あと半年の準備で万全な体制を整えていき、そしてイマージョン教育コースは継続して行っていけるものと考えているとお答えをいただきました。 しかし、国語と道徳以外の各教科の学習を英語で行うという点においては、さまざまな問題もあると感じます。イマージョン教育コースは、先ほどからもお話ししているように、英語教育の観点からは先進的で期待の高い取り組みであると私自身も思います。実際、全国の小学校でも珍しい取り組みで、特に公立小学校で実施されている学校は数えるほどしかありません。 なぜなら、本来こうした特別クラスを設置する場合、費用・能力等を考えて選抜クラスとして運用されるケースが圧倒的に多いからです。その場合、私立等の小学校で試験があり、追加授業料を払って通うというケースが多いと思います。事実、現在イマージョン教育コースを設置している多くの小学校は私立小学校となっております。 そこで、3回目の質問として、イマージョン教育コースをあえて公立の小学校で導入した意義についてお聞かせください。
◎山西正泰教育長 新しい学習指導要領の前文では、教育課程を編成する際に、各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、教育活動のさらなる充実を図っていくことが重要であるという旨が新しくつけ加えられました。 本市では、平成17年度の英語教育推進特区認定以降、子どもたちには英語に対して物おじしない態度やコミュニケーション能力が身についてきております。それに加え、八町小学校では、平成29年度から英語で学ぶモデル事業を行っており、体育や図画工作などを中心に英語を用いて授業を進める中で、子どもたちは自然な形で英語に親しんでおります。 こうした流れのもと八町小学校のイマージョン教育コースは、新学習指導要領に明記されている教育課程に学校の特色を生かすという点において意義がある取り組みであると考えております。 また、八町小学校を特認校制度の対象とすることで、市内在住の子どもたちは特色ある教育の機会を平等に得ることができるようになり、本市における公教育の充実につながるものとしても意義があると考えております。 以上であります。
◆本多洋之議員 お答えをいただきました。 八町小学校では、以前から英語で学ぶモデル事業が行われており、体育等で英語を用いて授業が進められていたこと、また、教育課程の学校の特色を生かすという点において有意義であること、その上で、特色ある教育の機会を市内在住の子どもたちが平等に得ることができるという答弁をいただきました。 八町小学校のイマージョン教育においては、国語と道徳以外を英語で教えるとなっておりますが、イマージョン教育を実施しているほかの公立小学校で副教科以外を英語で教えているところはほとんどありません。それは、学校である以上、教科の内容が重視され、かつその内容は各学年で完結の内容になっていない。そのため、一度つまずいてしまうとなかなか取り戻すことができないということになってしまう、そういう現状があります。 これは、イマージョン教育に限ったことではなく、普通の小学校の生徒にも当てはまる話です。そのような中で、八町小学校では理科や社会等、主要教科も英語で教えることになっておりますけれども、各教科の学力の定着についてはどのように捉えているかをお聞きしたいと思います。
◎山西正泰教育長 イマージョン教育コースの授業は、英語で進めていきますが、子どもたちの学習状況を把握し、必要な個別支援に取り組んでいくことについては、普通の学級で行う授業と変わるものではございません。 また、7月までに行った3年生の算数の授業では、イマージョン教育コース以外の学級と比較して、同程度の学力が身についているという報告も受けておりますので、他の教科におきましても子どもたちにしっかりとした学力が定着していくよう努めてまいります。 以上です。
◆本多洋之議員 子どもたちの学習状況を把握し、通常の学級の授業と変わらずに必要な個別支援に取り組んでいくとの回答をいただきました。 また、現在の3年生の算数では、通常学級と同程度の学力がついているという結果が出ているとのことでした。 しかしながら、イマージョン教育コースは、来年度から小学校1年生から6年生までの全学年、国語と道徳以外を英語で教えるということになります。 また、教育機会の平等という観点を逆に考えると、英語力がもともとある子どもから英語を初歩から、一から勉強する子どもまで幅広い学力層の生徒が集まると予想されます。そうした状況の中での授業は、通常授業以上の支援が必要になってくると考えられます。 本来、英語という語学を学ぶことと各教科の内容を勉強するということは次元が異なるものです。イマージョン教育では、英語という言語を勉強を学ぶ道具として使うことで教科を勉強しながら英語を身につけるという、こういう教育方法です。いわば、教室内で留学している状態をつくるということです。英語の勉強において一番学力がつく方法は、留学というように言われております。では、なぜ英語を勉強する上で留学が一番よいとされているのか、それは現地にいる間、24時間英語を使うということです。語学の習得というのは運動と同じで、圧倒的な反復と時間が必要です。当然そこには多くの困難も同時に伴っています。実際、留学した中でも一部の生徒は挫折して途中で帰ってくる、帰国してしまうという現実もあります。 イマージョン教育は、楽しく英語に触れるという外国語活動とは全く異なり、生徒に多くの労力と困難を伴います。そして、それを限られた予算の中で実施していかなければなりません。 八町小学校のイマージョン教育は、現時点での期待値は非常に高いと思います。多くのメディアに取り上げられて評判となっております。英語の教育の重要度が増しているこの時代の中で、その期待に応え、しっかりと成果を上げて、豊橋の英語教育の評判をさらに上げられるように頑張っていただくことを期待して(2)の質問を終わりたいと思います。 最後に、(3)についてですが、今までの(1)(2)の答弁も踏まえてお話をさせていただきます。 英語教育における諸問題についてですが、答弁の中では通知表への数値による評価が必要であること、教科化に伴い読むこと・書くことへの対応が求められること、そして、それらの諸問題を解決するために研修と人材を充実させていくとのお答えをいただきました。 結局のところ、英語というものは専門教育ですので、教師、教える側の知識、教育哲学、フィロソフィー、そして授業力、こういったものを育てていくことが、今後の小学校英語の教育のかなめであると私は思います。 そのためにも研修は絶対必要でありますが、知識の伝達だけではない、本当の意味での研修の実施を望みます。ぜひ、研修にもアクティブラーニングの考えを取り入れていただいて、生徒一人一人にとって最善の授業が行われるような研さんを期待します。 また、人材の面では、さきの答弁で専門知識を有した英語専科教員を配置するとのことでしたが、学級担任の負担軽減の意味でも、ぜひ全ての学校に配置していただくことを希望します。 さらに、内部の講師を育てるだけでなく、答弁にありましたように、ネイティブスピーカーやスクールアシスタントのような英語が堪能な地域人材を採用していく必要もあります。今後は、有能な人材を生かすためにも民間の力を取り入れることも重要だと考えます。 英語が堪能で指導ができる人材においては、例えば、民間の小学校指導者認定協議会、通称J-SHINEと呼ばれるものですが、そういった英語指導者の認定の資格などもあります。実際、八町小学校で教育コーディネーターをされている方もJ-SHINEのホームページを見ると載っていたりもします。 また、文部科学省は、今後、ICT等も活用しながら10分、15分程度の短い時間を単位として繰り返し教科指導を行う短時間学習、モジュール学習というものを推奨しております。実際に、大阪府や田原市では、民間の映像教材を活用したモジュール授業を取り入れていると聞いております。そうした民間の活力を生かし、さらに生徒のためになる英語教育の充実・発展を切に望みます。 今後、ますます重要になってくる英語教育において、豊橋は以前から積極的に取り組んでいただいております。英語教育の転換期を迎えたこれからも、積極的に新しい考えや人材、技術等を取り入れていただいて、英語教育といえば豊橋といった評判を呼べるような教育政策の実現を期待いたしまして、私の全ての質問を終わります。
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○堀田伸一副議長 次に、梅田早苗議員。 〔梅田早苗議員登壇〕
◆梅田早苗議員 皆様、こんにちは。公明党豊橋市団の梅田早苗です。 通告に従いまして、一問一答方式で大きく2点について質問させていただきます。 初めに大きい1、本市における健康寿命延伸の取り組みについて (1)本市における健康寿命の延伸に向けたフレイル対策について伺います。 長生きが普通にできる社会になり、平均寿命が延伸する中で、平均寿命と健康寿命との乖離という新たな社会的課題が浮上してきました。それは、私たちが医療や介護などに依存しないで普通に日常生活ができる期間、すなわち健康寿命の延伸をどう実現するかという問題です。 現在、男性の平均寿命は80.98歳、健康寿命は72.14歳で、約8年間は誰かのお世話にならないといけないことになります。女性の平均寿命は87.14歳、健康寿命は74.79歳で、約13年間は何らかの支援を受けないといけない状況です。そのお世話になる年数を縮めていくことがフレイル予防です。 健康増進法第7条の国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針、健康日本21(第二次)にも健康寿命の延伸の実現と示されています。市民が老いの時期を健康に生きることを心がけ、100歳まで健康に生き抜くためにフレイル予防が必要になると考えられてきております。 フレイルとは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念です。多くの高齢者は健常な状態から筋力が衰えるサルコペニアという状態を経て、生活機能全般が衰えるフレイルとなり、やがて要支援・要介護状態となります。 そこで、本市における健康寿命の延伸に向けたフレイル対策について伺います。 続きまして、大きな2の自然史博物館の調査研究活動の充実について (1)調査研究活動の内容と課題について伺います。 豊橋市自然史博物館は、生物がたどってきた生命の歴史を学び、自然に親しみ、そして自然を大切にする心を養うことを目的に、昭和63年5月に開館し、昨年、開館30周年の節目を迎えました。 また、本年4月には、累計来館者が1,500万人を超え、子どもから高齢者の方まで幅広い世代に愛され、市内からだけではなく市外・県外からも多くの方が足を運ぶ本市の人気スポットの一つとなっております。 開館30周年の昨年は、自然史博物館の主要事業の一つである大型映像の上映を3D作品も鑑賞できるようにシステムをリニューアルされ、博物館のバックヤードの様子を展示する企画展の博物館の裏側を開催するなど、新たな取り組みにも挑戦されました。 そして、博物館の主要行事であります特別企画展ですが、昆虫・岩石鉱物・化石・恐竜と毎年テーマを変え開催されていますが、ことしは深海の生物や資源、そしてそれらの探査について標本や模型、映像などを用いて紹介する深海の玉手箱が7月12日から9月1日にかけて開催されました。私も観覧しましたが、いまだ謎の多い神秘に包まれた世界の不思議さを改めて感じる一方で、深海には獲得して食用にする深海生物もいるなど、深海に対して身近さを感じたところです。学芸員にお伺いしたところ、深海1,000メートルの海底にカップ麺の容器を沈めるとどうなるのかといった深海圧力実験や目玉標本の一つであったマッコウクジラの頭骨標本の愛称募集を行うなど、いろいろな工夫をして多くの来館者が楽しみながら海・深海の豊かさを知り、深海に親しみ、深海を守ることの大切さを感じてもらえるようにすることも本企画展の大きな狙いの一つであると説明を受けました。 まさに、SDGs目標14、海の豊かさを守ろうの取り組みであり、こうした活動は継続して実施してもらいたいと強く願うところです。 自然史博物館では、特別企画展のほかにもワークショップや収蔵庫見学会、自由研究相談など、さまざまな教育普及活動を行っており、科学教育の振興を目的とした公立社会教育施設であり、このことは現行の第5次総合計画の分野別計画3の6科学教育の振興を見ても明らかです。 そして、博物館を支えているのが学芸員であり、現在、自然史博物館では8名の学芸員が在籍しています。学芸員は、博物館の主たる事業である資料収集活動、調査研究活動、教育普及活動を担っていますが、調査研究活動については、具体的にどのように行われているのか、また、調査研究活動の意義や目的などは、私たち市民にはわかりにくいのが現状であると考えます。そこで、博物館の事業の一つである調査研究活動について質問をいたします。 1回目として、調査研究活動の内容と課題について伺います。
◎犬塚君雄健康部長 健康寿命の延伸に向けたフレイル対策についてでございます。 フレイルとは、加齢により心身が衰えた虚弱な状態のことであり、早期に介入して対策を行えば元の健康な状態に戻る可能性があることから、フレイル対策は現在の超高齢社会においては健康寿命の延伸を考えるときに大変重要な概念であると考えております。 フレイル対策には、栄養・運動・社会参加という三つの柱がございます。 栄養面では、食事量や食欲の低下に伴う慢性的な栄養不足状態に陥ることを防ぎ、筋肉をつけるために良質なたんぱく質をとることが重要です。 運動面では、心肺機能の向上を目的としたウオーキングなどの有酸素運動と転倒防止やスムーズな歩行を目的とした筋トレが有効です。 社会参加の面では、社会とつながりを持つことで生きがいややりがいを見出し、生き生きと生活することが心と体の健康につながります。 今後は、フレイルという概念を市民の皆さんに御理解いただくとともに、栄養・運動・社会参加という三つの柱を意識した事業展開が必要であると考えております。 以上でございます。
◎
瀧川直史総合動植物公園長 大きな2(1)調査研究活動と課題についてでございます。 まず、活動の内容でございますが、一般的に学芸員が行う調査研究活動は、現地調査・資料採集・標本作製・詳細観察・データ記録などの基本作業を行い、その後、必要に応じて論文等の執筆を行います。 本博物館では、これらの調査研究を地域の自然科学を中心に展開しており、これら調査研究の成果の常設展示のほか、特別企画展や解説会、収蔵庫見学会などさまざまな教育普及活動につなげているところでございます。 次に、課題でございますが、本博物館は地域の公立博物館として、その役割が調査研究だけではなく、資料収集活動や教育普及活動も大きな柱となっております。このことから、調査研究に特化した大学や研究機関等と同等の調査研究の質・量を確保することは難しい状況にございます。 しかし、科学教育の振興のためには、今後も調査研究をさらに推進する必要があることから、国からの研究費のさらなる獲得や事業に対する調査研究の比重の見直しなどが課題であると認識をしてるところでございます。 以上でございます。
◆梅田早苗議員 お答えをいただきました。 ここからは、一問一答で始めさせていただきます。 大きな1(1)本市における健康寿命の延伸に向けたフレイル対策についてですが、お答えをいただいた中にフレイル対策を早期に介入して対策を行えば、元の健康な状態に戻る可能性があるとのことでした。私も大変重要なことであると思います。 その対策として三つの柱があるとのことです。そこで、三つの柱の中で、まず、運動面を取り上げさせていただきます。ランセット日本特集号2011年9月号で、2007年の我が国における危険因子に関連する非感染性疾病と外因による死亡数のデータから、運動不足が原因で毎年5万人が死亡というデータがあります。本市では、スマートフォンのアプリを使ったとよはし健康マイレージ事業を実施しており、非常に有効な手段だと思います。 参加者も年々ふえていると事前に聞いているところですが、第5次総合計画では、とよはし健康マイレージ事業への参加者数の目標は来年までに1万人ですが、現在まだ届いていないとお聞きしております。 そこで、2回目の質問として、目標達成に向けた今後の展開について伺います。
◎犬塚君雄健康部長 健康づくりは長く継続して取り組むことが、何よりも重要であります。しかしながら、健康づくりに関心が薄い方が多いのもまた事実であります。 そうしたことから、とよはし健康マイレージ事業は、誰もが気軽に参加できることをコンセプトの一つとしています。スマートフォンにアプリを入れておくだけで歩数が記録でき、歩数に応じて優待カードがもらえたり記念品の抽せんに応募できるなど、運動を始めるきっかけや運動を継続するモチベーションになる効果を期待しております。 スマートフォン向けのアプリは、昨年度開発・配信を開始しましたが、現在約5,500名の方にダウンロードしていただいております。参加者はアプリ導入前と比べますと約2倍にふえており、アプリ導入で多くの方に参加いただける環境が整ったものと考えております。 この9月からアプリを活用してウオーキングの歩数を競う企業対抗チャレンジマッチを実施し、アプリの参加者をふやしております。今後、さらなるイベントの実施や周知啓発活動に努め、市民の参加を促してまいりたいと考えております。 以上です。
◆梅田早苗議員 健康マイレージ事業のお答えをいただきました。 私もアプリを導入させていただきました。 ポイントをためる期間ですが、本年は3月1日から来年2月29日まで、私もこのたびアプリを取り入れました。100ポイント以上の応募者全員に県内約1,200店舗でお得なサービスが受けられる優待カードを、応募者全員に記念品としてクオカードや体重計などがあります。歩数のポイントと検診の受診やイベント教室の参加は、ボーナスポイントです。既に受診や参加したものもさかのぼってポイントになります。 本市では、フレイル、いわゆる虚弱予防に対して運動の大切さを感じ、平成28年度より本事業を取り入れてきました。一人ではなかなかできなくてもマイレージ事業のようなものがあれば、運動も楽しくできます。 そして、さらに、心身ともに大事な点は、社会参加です。 次に、3回目の質問として、フレイル対策において社会参加をどのように促していくかについて伺います。
◎犬塚君雄健康部長 社会とのつながりが失われますと生活の広がりを失っていき、人とのつながりが減少するだけでなく、栄養や運動に対しても気力が失われていきます。それにより筋肉量が減少するサルコペニアの発現や、メンタル面での鬱傾向になるなど、体や心が衰え、フレイルが進行していきます。 そこで、皆さんが参加したくなるようなイベントの開催など、外へ出る機会を創出しております。例えば、ウオーキングイベントや食生活の改善のための講座、健康に関する出前講座など、直接健康に関係するものもありますし、豊橋まつりや歩行者天国といったイベントも外へ出かけるきっかけとなるものと考えております。 また、自治会や自主グループ等が実施する健康づくり活動やボランティア活動などへの参加もフレイル対策として非常に有効なものでありますので、行政だけでなくさまざまな団体と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆梅田早苗議員 フレイル対策の社会参加についてお答えをいただきました。 私がケアマネジャーをしていたときにかかわらせていただいた多くの方が「こんな体になって皆に迷惑をかけるようになってしまった、いっそ死んでしまいたい」と口にされていました。健康であれば、そのようなことを言葉にすることもないかと思います。いつまでも元気でいることができれば、子どもも孫も本当にうれしいことだと思います。 健康部で取り組まれていることへの積極的な参加はもちろん、誰かと食事を食べるだけでも社会参加です。グラウンドゴルフやカラオケなども積極的に参加されるとよいかと思います。 介護保険制度には、要介護認定申請で自立と判断された方でも基本チェックリストによりお体の弱まりが見られると判断されれば、必要に応じて心身の状態に見合ったデイサービスやヘルパーサービスなどを受ける制度もございます。 今後、健康寿命を延伸できたということを数値化して明らかになればフレイル対策の取り組みにも力が入ると思います。 厚生労働省科学研究の健康寿命のページに、健康寿命の算定方法がありますので、活用もできるでしょうか。健康寿命が限りなく平均寿命に近づいていけること、そのために市民を巻き込んで市民運動としてフレイル予防に取り組まれることを期待して、大きい1、本市における健康寿命延伸の取り組みについての質問を終わります。 次に、大きな2の自然史博物館の調査研究活動の充実についてでございます。 先ほどお答えをいただき、調査研究活動の内容と課題を確認させていただきました。調査研究活動の内容は、さまざまな教育普及活動につながっていること、また、課題としては、科学教育の振興のためには事業に対する調査研究の比重の見直しなどについてお答えがありました。 豊橋市教育振興基本計画の基本政策6、科学教育の振興には、子どもが主体的に自然科学を学ぶことができるように教育普及活動を実施していく必要があると明記されておりますし、御答弁にもありましたように、学芸員が行う調査研究活動の成果がさまざまな教育普及活動につながっているものでしたら、調査研究活動は科学教育の振興に不可欠なものであり、これからも自然史博物館にとって調査研究活動を充実することが必要なことではないか、このように考えが発展していきます。 そこで、2回目として、調査研究活動を充実することの必要性について、その認識を伺います。
◎
瀧川直史総合動植物公園長 調査研究活動につきましては、博物館の基盤と言えるものでございます。 先ほど言いましたように、その成果が他の博物館事業である資料収集活動や教育普及活動に直結をするものでございます。 そして、博物館は、人々が学び楽しむことで知的刺激を求め、知的好奇心を満たすための、そういう訪れる場所でもございます。 このことから、調査研究の充実は質の高い展示や企画展、解説会などの教育普及に反映されるとともに、人々の知的好奇心、来館者ニーズを満足させる重要な手段であると認識をしております。 また、その調査研究のフィールドを国内だけではなく、海外へ広げることも必要であると考えております。 例えば、
ボルネオ保全プロジェクトなどでは、自然科学の専門家として現地の生態系について調査研究を行うことで、生物多様性や環境保護教育への対応も可能であることから、博物館の役割の一つである地域の固有種や希少種の保全を国際レベルで果たすことができるものと考えております。 以上でございます。
◆梅田早苗議員 お答えをいただきました。 調査研究活動の充実は、来館者のニーズに応えるため、そして環境問題への対応を初め国際レベルでの博物館の役割を果たすためにも必要であるということを理解しました。 地道な調査研究に裏づけされた博物館活動をぜひ今後も進めていただきたいと思います。 それでは、現在よりも調査研究活動を充実すると、豊橋市自然史博物館にどのような変化が起きるのでしょうか。 そこで、3回目として調査研究活動を充実することによる期待する成果について伺います。
◎
瀧川直史総合動植物公園長 調査研究の充実により、自然史博物館の学術レベルを向上させ、調査研究の成果を地域の教育普及など社会に還元することで、自然史博物館の科学的な知名度と信頼度が増すことが期待されます。 学術研究の発表方法は、論文など文章や写真によるものが一般的でございますが、自然史分野の研究では、それが科学的な研究である証拠として標本などの資料が必ず存在します。新種の発見ともなれば、その標本はタイプ標本と呼ばれる世界にただ一つの貴重な標本です。ほかでは見ることのできない標本、論文に使われるような意義ある標本を多数所蔵していくことにより、一般の方だけではなく、国内外の研修者などが自然史博物館に訪れる機会がふえることにつながると考えております。 このように、調査研究を充実することにより、自然史博物館がこれまで以上に科学教育の拠点施設としての性格が強まり、のんほいパークの価値を学術面から支えることができると期待してるところでございます。 以上でございます。
◆梅田早苗議員 3回目のお答えをいただきました。 本年6月、博物館法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正等を含む第9次地方分権一括法が公布されたことにより、博物館や図書館、公民館等の公立社会教育施設は地方公共団体の判断により教育委員会から市長部局へ移管することが可能となりました。この趣旨は、博物館等を移管した地方公共団体においては、観光や地域振興、まちづくりを担う市長部局で一体的に所管できるようになり、社会教育のさらなる振興はもとより、文化振興、観光振興、そして地域コミュニティなどの持続的な発展などに資するというものです。 こうした時代の流れを先取りして、豊橋市自然史博物館は平成24年度から補助執行という形をとり総合動植物公園に属し、博物館独自の企画展やイベントなどを実施するほか、ナイトZOOを初め動物園や植物園と連携したイベントを実施するなど、100万人プロジェクトの推進に尽力をしています。当時の予算特別委員会の会議録を見ますと、補助執行を選択した理由について、総合動植物公園の一体的な整備・運営と、プロモーション活動の重点的な展開を効果的に推進するとともに、教育施設としての性格を保持する必要性からとあります。第9次地方分権一括法の公布を初め時代の流れに沿った対応は理解できるところでありますが、初めに述べましたとおり、豊橋市自然史博物館は科学教育の振興を目的とした公立社会教育施設であり、また、3回目の御答弁にもありましたとおり、科学教育の拠点施設です。 この夏の特別企画展、深海の玉手箱を観覧したとき、展示された標本を食い入るように見ていた男の子の目の輝きを忘れることはできません。男の子が見ていた標本は、恐らく博物館の学芸員が採集し、展示できるように標本作製し、データなどの記録をとる等、一連の調査研究を経た上で展示されたものと推察いたします。このように、子どもたちの感性を刺激する博物館の調査研究活動は、未来の科学者の育成にも生かされていくものではないかと思われます。 2005年から始まった自然史博物館の自由研究展は、昨年度始めて市内公立小中学校全校から出展があったとのことです。そして、その中には研究作品を全国レベルのコンクールに出展し、見事に受賞された中学生がいたり、また、優秀な作品、これは小学生の作品だそうですが、自然史博物館の研究報告に論文として掲載されたりと、子どもたちが自然科学のフィールドにおいて新たな挑戦を始めるようになったことは、喜び、驚きを感じるとともに、将来豊橋市出身のノーベル賞受賞者が誕生するのではと期待が膨らみます。 また、お聞きするところによると、今年度自然史博物館の学芸員が、初めて
独立行政法人日本学術振興会の科学研究費補助金を獲得し、調査研究を行っているとのことです。市の予算だけでなく、外部資金を使って調査研究を行えるということは、対外的にもその内容が認められたということですので、質の高い調査研究の成果を大いに期待したいと思います。 科学教育の振興のため、自然史博物館の調査研究活動が充実されますことを期待いたしまして、私の全ての一般質問を終わらせていただきます。
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○堀田伸一副議長 この際、休憩いたします。 午後2時59分
休憩----------------------------------- 午後3時15分再開 〔議長、副議長と交代し、議長席に着く〕
○豊田一雄議長 休憩前に引き続き会議を再開いたします。
----------------------------------- 次に、伊藤哲朗議員。 〔伊藤哲朗議員登壇〕
◆伊藤哲朗議員 自由民主党豊橋市議団、伊藤哲朗、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 今回は大きく1問、本市における特別な支援を要する児童生徒を取り巻く現状と諸課題について伺います。 平成19年4月、文部科学省より特別支援教育の推進についてという通知が示されました。これによりますと、特別支援教育は、障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、幼児・児童・生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的なおくれのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。さらに、特別支援教育は、障害のある幼児・児童・生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつさまざまな人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っているとうたわれています。 この際、同時に特別支援教育が学校教育法に位置づけられ、全ての学校において障害のある幼児・児童・生徒の支援をさらに充実していくこととなりました。このような経緯により、現在では、市内の小中学校のほとんどに特別支援学級が設置されています。数年前とは特別支援教育を取り巻く環境は大きく変わりました。 特別支援学校や特別支援学級だけでなく、通常学級にも特別な支援が必要な子どもがいます。そして、その数は、今後、特別な支援を必要とする子どもへの理解が深まるにつれふえていくと予測されています。 また、特別な支援を必要とする子どもに対しては、家庭や医療・福祉等の関係諸機関と連携しつつ、乳幼児期から高等学校等卒業後にわたる教育活動全般を通して、長期的な視点で適切な支援をしていく必要があります。 そして、子どもたちが心身ともに安定し、持てる力を発揮することができるようにするために、学校全体で情報の共有、共通理解を図り、一貫した対応が組織的・計画的に行われるようにすることが大切であり、そのために小中学校等においても必要に応じて個別の教育支援計画を策定するなど、関係機関と連携を図った効果的な支援を進めることとされました。 ここで、個別の教育支援計画について、豊橋市教育委員会教育政策課が作成したリーフレットにわかりやすい説明がありますので、引用させていただきます。 それによると、個別の教育支援計画とは、お子さんのニーズを正確に把握し、保育・教育の視点から適切に対応していくという考えのもと、長期的な視点で乳幼児期から学校卒業までを通して、その子の状況に応じた支援を行うための計画です。本人や保護者の方の願いを大切にし、教育のみならず、福祉・医療・労働等の関係機関と連携して教育的支援を行うことができますとあります。 ちなみに個別の教育支援計画は、特別な支援や指導が必要なお子さんに対して、保護者とともに作成していくものです。豊橋市においては、平成24年から「個別の教育支援計画で伸び伸びと」というリーフレットを作成して、個別の教育支援計画の活用を進めてきたとのことです。 そこで、以下3点お伺いいたします。 (1)特別支援学級の現状と課題認識について (2)個別の教育支援計画の運用状況について (3)幼児教育・保育施設における就学に向けた取り組みの現状について 以上、1回目の質問とさせていただきます。
◎山西正泰教育長 大きな1番の(1)特別支援学級の現状と課題認識についてでございますが、障害がある児童生徒が1名在籍すれば、障害種別の学級が開設されるとなったことで、自分の住む地域で就学したいという保護者の希望が実現されるようになりました。 その一方で、在籍する子どもの障害は以前よりも多様性を増しており、各学校における支援体制の一層の充実が求められております。特別支援学級の担任は、一人一人の子どもの実態を把握し、それぞれのニーズに応じた適切な支援を講じていくための専門性を高めていくことが特に必要であります。 4年前に50名程度であった特別支援学校教諭免許状を有する教員が、現在80名を超えていることからも学校現場の意識の高まりがうかがえますが、急増する学級数や高まるニーズに応えられるだけの専門性を備えた教員の確保・育成は、依然として大きな課題であるとの認識であります。 加えまして、四肢、手足ですが、四肢に障害のある子どものためにエレベーターなどハード面の整備が必要であることも課題として認識しております。 続きまして、1番の(2)個別の教育支援計画の運用状況についてでございますが、小中学校においては、自分の学校に在籍する支援を必要とする子どもを対象として、関係機関や保護者とともに個別の教育支援計画を作成し、日常の指導へと生かす営みが浸透してまいりました。 計画に盛り込んだ学習や生活の目標、あるいは指導内容や具体的な支援の方法などを共有するためのものとして、学校と家庭という横のつながりとともに、学年が変わる際の担任同士や小学校、中学校という縦のつながりにおいても、より強く確かなものとする役割を果たしております。 また、保護者の了解を得て、さらに高等学校へ引き継ぐことで、安定した支援を得られるケースも出てきていると聞いております。 以上であります。
◎鈴木教仁こども未来部長 次に、(3)幼児教育・保育施設におけます就学に向けた取り組みの現状についてでございます。 保育園・認定こども園・幼稚園のいずれの施設におきましても、卒園する児童の情報につきましては、保育所保育指針、幼稚園教育要領などに基づく要録という児童一人一人の育ちの様子や、発達の理解に基づいた評価等を記載した書類を作成し、児童が進学する小学校へこの要録を送付しております。 特別な支援を要する児童につきましては、この要録に個別の配慮事項等の記載をし、送付しておりますので、就学後における指導や支援の継続性が保たれるものと考えております。 以上でございます。
◆伊藤哲朗議員 それぞれ1回目の御答弁をいただきました。 ここからは、一問一答にてよろしくお願いいたします。 まず、大きな1の(1)特別支援学級の現状と課題認識についてですけれども、児童生徒が1名在籍すれば、障害種別の学級が開設されるようになり、保護者の希望である地元の学校に就学できるようになった反面、在籍する子どもの障害は多様性を増しており、各校における支援体制の一層の充実が求められているとのことでした。 また、4年前には50名程度であった特別支援学校教諭免許状を有する教員が、現在は80名を超え、学校現場の意識の高まりがうかがえるが、急増する学級数や高まるニーズに応えられるだけの専門性を備えた教員の確保・育成が依然として大きな課題であり、加えて四肢に障害を持つ子どものためのエレベーターなどハード面の整備が必要であるとの認識を確認させていただきました。 さて、教員のレベルが向上しているものの、専門性を備えた教員の確保・育成が依然として大きな課題とのことですが、そこで(1)2回目の質問です。 特別支援教育に携わる教員の資質向上に向けた取り組みの現状と今後についてお伺いいたします。
◎山西正泰教育長 特別支援学級における指導方法などを学ぶための研修を年に6回行っております。 また、初めて担任をする教員には、さらに2回の研修の機会を設け、技量の向上を図っております。 一人一人に合った支援の具体について示唆を求める学校には、にじの子相談室やくすのき
特別支援学校相談センターの相談員が学校へ出向き、直接、指導や助言を行っております。 このほかにも、関係機関や保護者との橋渡しをする
特別支援コーディネーターの研修会や実際の授業を参観し、より適切な指導方法を協議する授業研究会を年に2回開いております。いずれも特別支援教育にかかわる教員の専門性の底上げを図るものでございます。 今後も、個に応じたより確かな支援が各学校において行われるよう、特別支援学校との連絡や、巡回訪問の工夫を進めてまいります。 その一方で、特別支援学級だけでなく、通常学級の担任に対しましても広く免許状の取得を促すなど、校内支援体制の充実につながる研修等の機会を提供してまいりたいと考えております。 以上であります。
◆伊藤哲朗議員 お答えをいただきました。 年6回の研修に加え、初めて担任する教員にはさらに2回の研修の機会を設け、また、個別のケースについては、にじの子相談室やくすのき
特別支援学校相談センターの相談員が直接学校へ出向き、指導や助言を行い、そのほかにも
特別支援コーディネーターの研修会や授業研究会などで特別支援教育にかかわる教員の専門性の底上げを図っているとのお答えでした。 巡回訪問の工夫を進めていくともありましたので、ぜひ巡回訪問をされる方が巡回しやすくなるような仕組みを構築していただきたいと期待します。 また、将来的には豊田市の
特別支援教育アドバイザーやブロックサポート体制などの先進事例を参考にいたしまして、本市においても取り組んでいただけることを望みます。 また、近年、特別支援教育にかかわる教員のレベルは着実に向上してきているものの、その一方で発達障害と二次障害の違い、つまりこだわりが強く人づき合いが苦手で空気を読んで周囲に合わせることが難しいという特性から生じる生活上の問題である発達障害と、発達障害であるがゆえにそのストレスから引き起こされる二次障害の症状である不登校・ひきこもり・鬱といった問題との違いを区別できていないなど、知識や経験の浅い教員がいるのも事実であり、結局は個々の教員の資質によって対応にかなりの差があり、不安を感じるという保護者の声も聞いております。 先日、特別支援教育に長く携わられ経験豊富な先生とお話しする機会がありました。その方は、先生が親御さんの思いを知ることが重要であるとおっしゃられておりました。 ぜひ、研修等を通じて、指導ではなく寄り添う姿勢が大事であるといったことにも理解を深めていただき、保護者が安心して子どもを学校へ通わせられるよう、これからもより一層取り組んでいただきたいと願います。 以上で、(1)については終わります。 続きまして、(2)個別の教育支援計画の運用状況についてです。 小中学校においては、支援を必要とする子どもを対象として関係機関や保護者とともに個別の教育支援計画を作成し、日常の指導へと生かす営みが浸透してきております。また、学校と家庭の横のつながりとともに、小学校・中学校、さらには高等学校という縦のつながりについても役割を果たしてきているとのことでした。 今後は、この個別の教育支援計画が今以上に活用され、支援を必要とする子どもたちが安心して楽しい学校生活が送れるようになることを期待します。 (2)については、(3)とも関連してきますので、ここではこの程度にとどめさせていただきます。 次に、(3)幼児教育・保育施設における就学に向けた取り組みの現状についてに移ります。 保育園・認定こども園・幼稚園のいずれの施設についても、保育所保育指針、幼稚園教育要領などに基づく要録という書類を作成し、進学する小学校へ送付しており、また、特別な支援を要する児童については、配慮事項等の記載を行っているということを認識いたしました。 ここで、視点を変えまして、保育園・認定こども園・幼稚園と小中学校の縦の連携ではなく、横の連携として(3)2回目の質問です。 こども発達センターと保育園・認定こども園・幼稚園・小中学校との連携の現状と今後の取り組みについてお伺いします。
◎犬塚君雄健康部長 特別な支援を要する園児・児童生徒に対する保育士、教員の支援力向上のために、こども発達センターでは、保育園・認定こども園・幼稚園・小中学校と連携して障害児等療育支援事業を実施しております。 こども発達センターの臨床心理士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が保育園・学校等を訪問して子どもの観察、ケース検討会等を通して子どもの見方やかかわり方を助言するほか、保育士、教員向けに研修会・講演会を開催しております。 今後は、くすのき特別支援学校との連携強化に向けて取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。
◆伊藤哲朗議員 お答えいただきました。 現在、障害児等療育支援事業を実施しており、こども発達センターの臨床心理士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が各園、学校等を訪問して助言するほか、保育士、教員向けに研修会・講演会を開催しているとのことでした。 また、今後は、くすのき特別支援学校との連携強化に向けて取り組んでいきたいとのお答えをいただきました。 なお、障害児等療育支援事業では、委託している岩崎学園、豊橋あゆみ学園と連携して巡回相談も行っているということで、これらのお話を伺う限り、こども発達センターと保育園・認定こども園・幼稚園・小中学校との横の連携は一定程度できており、今後、放課後等デイサービスなどの関係機関ともさらなる連携強化に向けて取り組んでいただけることを願います。 ここまで、いろいろとお話を伺ってまいりました。保育園・認定こども園・幼稚園・小中学校と各関係機関の横の連携はできているが、保育園・認定こども園・幼稚園と小中学校との縦の連携は、つながりを持たせた一貫性のあるものとはなっていないのが現状であるということがわかりました。 つまり、保育園・認定こども園・幼稚園で作成する要録と小中学校で作成する個別の教育支援計画は、直接一貫性がある有効なものとはなっていないということです。 そもそも特別な支援を要する児童生徒といっても、その障害や程度は個人個人によってさまざまです。明らかに障害があり、特別支援学校と特別支援学級、どちらに通うかで悩まれるケースもあれば、特別支援学級か通級による指導か通常学級かで悩まれるケースもあります。 ほかにも、保護者が子どもの困り事に気づいていなかったり、あるいは気づいていても認めたくないといったケースもあります。 通常学級にも特別な支援が必要な子どもがいます。その割合は、少し古いデータですが、平成24年の文部科学省の調査で6.5%に上るとわかっております。40人学級で1クラスにつき二、三人の割合になります。 しかし、そのうち4割弱の児童生徒は特別な支援を受けておらず、専門家は支援策を話し合う校内委員会などが十分に機能していないと指摘しています。 本来、子どもが生活の中で困り感を持っていると感じた場合は、園や学校に相談するべきです。そんなことを言うのは恥ずかしいとか、変な子に見られると心配するだけでは、子どもの困り感の解決にはならないからです。 豊橋市においては、1歳6か月児健診、3歳児健診にて子どもの成長や発達を確認できる機会があります。この時点で何らかの問題を指摘され、医療機関の受診を促された際に、保護者が素直に受けとめ、受診に至り、早期に必要な支援を受けられるケースもあれば、一方で、保護者が素直に受けとめられず、医療機関にもかからず見過ごされてしまう子どもたちもいます。 そのような子どもの場合、必要な支援が受けられず、後に問題が大きくなってしまい、本人も保護者もその周囲も困ってしまうということがあります。そうならないためにも早期発見とそれに続く早期支援が重要です。 そこで、保護者が素直に受けとめられず見過ごされてしまっている子どもをどうやって早期発見と早期支援につなげるかというと、私はそこは、幼稚園・保育園・こども園の先生方の役割が重要になってくるのではないかと考えています。 なぜなら、毎日、子どもたちの様子をつぶさに見ているわけですし、また、小中学校と違い、子どもの送り迎え時に保護者と顔を合わす機会も多いので、子どもの困り事を保護者に伝えやすい立場にもあるからです。ただし、園の先生方が問題を早期発見して保護者に伝えて早期支援につながるケースもあれば、ここでも保護者の理解や受けとめができずに支援につながらないことがあります。やはり、保護者への理解・啓発が重要です。 先ほども紹介させていただきました平成24年から使われてきた「個別の教育支援計画で伸び伸びと」というリーフレットですが、実は、ことしの4月にリニューアルをされたそうです。A3両面刷りだったものがA4両面刷りにとコンパクトになりました。従前は、特別支援教育と個別の教育支援計画の啓発のために、保護者の皆様へのメッセージだけでなく、園長、校長、担任と教員への啓発メッセージも掲載されていたそうです。しかし現在は、教員への啓発は進んできたということもあり、掲載は省き、保護者への啓発メッセージを大きく掲載しているそうです。やはり、これからも今まで以上に保護者への理解・啓発の促進が引き続き重要ということがうかがえます。 このように、本市においては平成24年から小中学校で個別の教育支援計画の活用が推し進められてきました。当初、現場の教員の方たちは、新たに手間のかかる書類がふえたことに抵抗感を感じる方も少なくなかったそうです。ところが、いざ活用していくと、これは本当に子どもたちのためになるものだという認識が芽生え、現在では、かなり活用され浸透してきているようです。学校と家庭という横のつながりとともに、保護者の了解のもとに高等学校へと引き継ぎ、安定した支援を得られるケースも出てきているとのお答えもございました。 しかしながら、本市において、現状では、保育園・認定こども園・幼稚園と小中学校との縦の連携はつながりを持たせた一貫性のあるものとはなっておりません。保育園・認定こども園・幼稚園からは、要録が小中学校に送付されてはおりますが、要録は個別の教育支援計画と違って、保護者がかかわって記入されることはありません。 また、要録を受け取った小学校の教員が個別の教育支援計画へ要録の内容をしっかりと写しかえなければ、その情報は引き継がれることはないでしょう。できることならば、つながりを持たせた一貫性のあるもので引き継がれることが望ましいということは誰しもそうお感じになることでしょう。 例えば、小中学校で浸透してきた個別の教育支援計画を保育園・認定こども園・幼稚園から小中学校へとそのまま活用できればよいのになと私は思います。 しかし、実際には問題が多く、できていないそうです。なぜなら、一つには、個別の教育支援計画は保護者とともに作成するものであるため、保護者の承諾を得るのが難しい。二つには、教員の事務作業量が個別の教育支援計画の分多くなり負担が増すこと。三つには、本市は保育園・認定こども園・幼稚園とさまざまな形態の園があり、しかも公営は5園のみで、それ以外は私立となっており、それぞれの園が独自の書式を使用しており、足並みをそろえにくい等の原因があるようです。 ところで、お隣の新城市では、個別の教育支援計画をこども園にも導入していて、小中学校へもつながりを持たせた一貫性のあるもので引き継いでいく仕組みが既にできていると聞きました。新城市は、偶然にも全てのこども園、小中学校等が公立で足並みがそろえやすかったり、人口も4万6,000人ほどとコンパクトであるために実施しやすかったという面もあるでしょう。 また、個別の教育支援計画の様式もつながりを持たせた一貫性のあるもので、引き継がせやすいようにシンプルで記入しやすく内容も必要最小限にした新城版につくりかえているそうです。さらには、こども園の職員に計画的な研修を受けさせ、特別支援教育の知識と技量の向上を図っているそうです。 このような取り組みを平成25年から始めて現在ではその取り組みがうまく機能し、特別な支援や指導が必要な子どもの早期発見と早期支援につながってきており、さらには、この取り組みにより子どもの困り感に気づいていなかったり認めたくないと思っていた保護者にも徐々に理解を得られ、保護者への理解・啓発の促進にもつながるといった好循環が生まれてきているようです。 このように、保護者への理解・啓発が進むということは、大変よいことだと思います。なぜなら、園や学校では困り感を持っている子どももそうでない子どもも一緒に生活し学んでいるわけですから、実際に困り感を持っている子どもの保護者だけでなく、自分の子どもは困り感を持っていないという保護者にも理解・啓発が進んでくると、困り感を持っている子どもに対して周囲が理解し、おもんぱかってあげられるので、おのずと周囲からその子どもに対して支援の手が差し伸べられてきます。 そうなれば、困り感のある子ども本人も保護者も同級生も安心して楽しい園や学校生活が送れるようになります。 今、御紹介しました例のように、保育園・認定こども園・幼稚園から小中学校へとつながりを持たせた一貫性のあるもの、これが必ずしも個別の教育支援計画でなくても構いません。様式にこだわらずシンプルで記入しやすく、できるだけ先生方の負担にもならない、そういった仕組みの構築に、ぜひ本市も取り組んでいただきたいと切に願います。 本市においては、保育園・認定こども園・幼稚園がさまざまな形態であるために、すぐに取り組むのは難しいという事情は重々理解しております。ですが、少なくとも公営の5園だけでも、まず試験的にでも取り組んでみてはどうでしょうか。民間でできないことを公でやる、そのために公営の5園がある、私はそのように認識いたしております。 そして、そこで蓄積されたノウハウや経験を次のステップに生かして、本市全体へとつながりを持たせた一貫性のある仕組みの構築に取り組んでいただけることを期待いたしまして、私の一般質問を終わります。
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○豊田一雄議長 次に、小原昌子議員。 〔小原昌子議員登壇〕
◆小原昌子議員 議長のお許しをいただき通告に従い、一問一答方式にて一般質問をさせていただきます。 大きな1として、本市における競輪事業について 豊橋競輪場は昭和24年の開設以来70年余が経過しました。その間には、幾度も存続の危機に直面しながらも一層の安全性強化、健全娯楽性の推進、経営努力を重ね黒字経営に努められ、現在に至っています。 全国43競輪場の車券売上高の推移を見ましても、平成3年度の1兆9,553億円をピークに平成25年度、6,063億円まで減少しました。しかし、その後少しずつ回復し、平成30年度は6,541億円、前年度比102.2%となり5年連続増加しています。 また、開催日数を見ましても、前年度より77日増加、業界全体で売り上げ収益の向上や活性化に向けた取り組みをされていることは理解しております。 本市においてもこうした状況におくれることなく積極的に施設整備をするなど事業展開され、来年2月には初となるGⅠ、全日本選抜競輪の開催も決定し、さらなる取り組みが期待される状況であると言えます。 そこで、以下3点についてお伺いします。 (1)収益増加に向けての現況と課題について 公営競技の目的である地域経済の活性化と財政の健全化を図るためには、収益増につながる取り組みを継続的に行うことが重要であると考えますが、収益増加に向けての現況と課題についてお伺いします。 (2)
豊橋競輪場施設等整備計画の進捗状況及び今後の予定について 平成28年度に策定されました施設等整備計画によりますと、計画期間を平成28年度から平成34年度までの7年間とし、二つの期間に分けて進められています。今年度は、昨年度までの第1期を終えられ、第2期の初年度の取り組みであると理解しております。第1期3年間を振り返ってみましても昨年6月の大阪北部地震での事故を受けて、本市は安全点検を実施され、豊橋競輪場においてもブロック塀の危険性を確認されてきました。現在は、西側の万代塀一部ではありますが撤去工事が進められています。 このように、当初の計画段階では見落とされてきた新たな課題も見えてきているのではないかと思いますが、改めて
豊橋競輪場施設等整備計画の進捗状況及び今後の予定についてお伺いします。 (3)豊橋市受動喫煙防止条例への対応について 豊橋市受動喫煙防止条例が3月27日に公布され、豊橋競輪場は第二種施設に分類されました。原則屋内禁煙、喫煙専用室内でのみ喫煙可の施設となりましたが、受動喫煙を望まない方は少なからずおみえになると思います。また、イベント時は多くの子どもも来場されており、屋外禁煙に対して規制のかからない施設とはいえ、施行日である来年4月1日に向けて一定の対応は必要であろうかと思いますが、豊橋市受動喫煙防止条例への対応についてお伺いします。 大きな2として、普通交付税が不交付になったことによる影響について 去る7月23日、総務省は各地方公共団体に対する普通交付税の交付額等を決定し、同日、令和元年度普通交付税大綱について閣議報告されました。その結果、本市は財源不足団体であるが、調整率を乗じた結果、不交付団体となりました。 財政課にお聞きしたところ、普通交付税の交付額は予算額2億円に対して2億円の減少、また、臨時財政対策債の発行可能額は予算額7億円に対して決定額は2億5,189万円となり、4億4,811万円の減少になったとのことでありました。 ここ数年の普通交付税は減少傾向ではありましたが、それでも平成22年度から平成30年度までは交付団体でありました。今回、不交付になったことによる本市の財政に与える影響はどのようなものなのか非常に気になるところであります。 そこで、(1)今年度予算に与える影響についてお伺いします。 大きな3として、豊橋総合動植物公園の取り組みについて ことしも8月3日から夏の風物詩であるナイトZOOの開催がスタートしました。子どもから大人まで幅広い年齢層に親しまれるよう、昼間とは違う夜ののんほいパークを満喫していただける内容の充実を図られ、初日から大変なにぎわいであり、昨年を上回る入場者数、収益向上に向け事業展開をされているところであります。 また、動物園として果たす役割、種の保存、教育、環境教育、調査研究、レクリエーションについてもその価値をさらに高めるために、昨年8月に
ボルネオ保全プロジェクトを発足し、活動を開始されました。 また、ことし3月には、環境省より希少種保全動物園等制度に認定されました。希少種の保護増殖という点で一定の基準を満たす動植物園等を環境大臣が認定する制度で、現在国内5施設が認定を受けており、積極的に役割を果たすべく取り組みがされていることは理解もしております。 そうした状況の中で、100万人プロジェクトを策定され推進しているわけでありますが、目指すべきまちの姿を掲げた第5次豊橋市総合計画も来年度が最終年度となります。後期基本計画の分野別計画で定めた入園者数90万人の目標値に向けて、のんほいパークの魅力向上の総仕上げの時期に入っているものと思われます。 そこで、以下2点についてお伺いします。 (1)種の保存に対する取り組みについて ア、認定希少種保全動物園の認定を受けるメリットについて ことし3月に認定された希少種保全動物園等制度が動植物公園にもたらすメリットについて改めてお伺いします。 イ、
ボルネオ保全プロジェクトの進捗状況について 昨年9月定例会の一般質問において、
ボルネオ保全プロジェクトについて伺い、その内容や活動に対する考え方については理解しています。壮大なプロジェクトに参加されてから1年が経過いたしましたが、その進捗状況についてお伺いします。 (2)100万人プロジェクトについて ア、第5次総合計画における目標値に対する認識についてお伺いします。 以上を1回目の質問とさせていただきます。
◎稲田浩三産業部長 大きな1(1)豊橋競輪場の収益増加に向けての現況と課題についてでございます。 本市の競輪事業は、平成15年度以降、毎年度収益を出しており、特に直近4年間の収益は毎年度3億円を超える等、おおむね順調に推移をしております。 これまで、場外発売による手数料収入の増加やネット販売への対応等の努力を重ねてきたことに加え、昨年度からはナイター競輪及びミッドナイト競輪の本場開催を開始し、普通競輪の収益を大幅に高めることで全国的にも減収傾向にある記念競輪を補い、さらに上積みすることができております。 他方、古くからのファンは着実に高齢化が進んでいるといったこともあり、来場者は今後も減少が続くと見込まれ、また、ナイター競輪及びミッドナイト競輪につきましても、他の開催場との競合が激しくなることが予測されるなど、今後の収益は楽観できないと認識しております。 このため、お客様にとってよりよい日程の確保に努めるほか、引き続きハード、ソフトの両面からファンサービスの充実を図るとともに、ガールズケイリンや集客イベント等、豊橋競輪の魅力を一層高める取り組み等により、新たなファンの獲得を図ることが課題だと認識しております。 次に、(2)
豊橋競輪場施設等整備計画の進捗状況及び今後の予定についてでございます。 平成28年度から平成30年度までの3年間を第1期整備計画として、これまで公正なレースを実施するための競走路の全面改修や競技管理棟の改築、ナイター競輪及びミッドナイト競輪開催を見据えたナイター照明の設置など、主に選手管理や競技運営に係る施設整備を行いました。 今後の予定ですが、今年度、令和元年度から4年度までを第2期計画とし、新設発売所の建設、駐車場の整備、南側エリアの整備等を計画上、予定しております。 今年度は、新設発売所の基本設計と実施設計を行い、来年度から2か年をかけて工事を進め、令和4年度に運用開始をしたいと考えております。 これと並行し、令和3年度には北側の駐車場の整備を、令和4年度には南側エリアの整備を行う予定となっております。 なお、競輪場西側のコンクリート製万代塀は、第2期計画において令和3年度撤去及びそれにかわるフェンス設置という予定でございましたが、昨年6月の大阪北部地震によるブロック塀倒壊事故を受け、今年度前倒しする形で、その多くの部分の整備を完了しました。残りの部分につきましても塀に隣接する電気配線に支障を来さないよう現況調査を行った上、できるだけ早く整備し、安全性を確保したいと考えております。 続いて、(3)受動喫煙防止条例への対応についてでございます。 豊橋競輪場では、昨年10月よりメーンスタンド内の喫煙専用室1室と、屋外の専用喫煙スペース3か所を喫煙場所としており、お客様の御理解と御協力により、それ以外の場所は禁煙となっております。 しかし、この先を考えますと、新たな競輪ファンやイベントに訪れる家族連れなど、たばこを吸わないお客様の来場の増加が見込まれます。そのため、健康増進法第二種施設の本場としましても、来年4月の同法及び受動喫煙防止条例の適用を控え、売店の空きスペースを煙が漏れない喫煙場所に改修するなど、対応を強化してまいりますが、これだけにとどまることなく、今後も条例の趣旨を踏まえた一層の取り組みに努めてまいります。
◎黒釜直樹財務部長 2の(1)普通交付税が不交付になったことによる今年度予算に与える影響についてでございます。 今年度の当初予算では、普通交付税は2億円、その振替措置である臨時財政対策債を7億円見込んでいました。交付税算定の結果、財源不足、いわゆる交付の状況ではあったものの普通交付税の総額が国全体の予算をオーバーしていたため、国における配分調整があり、その結果、普通交付税は不交付になりました。 また、臨時財政対策債の発行可能額が2億5,189万円と算定されたため、両方合わせますと予算に対して6億4,811万円の不足となりました。この不足額については、前年度からの繰越金により対応を図ることになりますので、今年度の補正予算や市税などほかの一般財源の収入状況によっては、財政調整基金のさらなる取り崩しも考えられます。しかしながら、今年度の収入見通しにもよりますが、算定結果により減収補てん債の発行もできることから、財政運営において直ちに予算の執行停止などの大きな影響が出ることはないものと考えています。 今後も入札差金等の予算残額の留保や執行の見直しによる歳出抑制等により収支に与える影響が少しでも小さくなるように努めてまいります。 以上でございます。
◎
瀧川直史総合動植物公園長 3の(1)ア、認定希少種保全動物園の認定を受けるメリットについてでございます。 認定を受けたことにより繁殖などのため個体移動を行う際の事前手続が不要となり、移動をタイムリーに行うことが可能となりました。これにより、認定園同士の個体移動が適切な時期に迅速に対応でき、移動できる動物の負担も軽減できるようになりました。 本園で、ことし5月に円山動物園より来園しましたマレーグマのハッピィは、この制度により通常2か月程度かかる事前手続なしで移動を実現しております。 また、当該認定を受けたことは、動物園の使命でもある種の保存への取り組みに対する本園の目指すべき方向性を示すことでもあり、希少種の生息域外保全活動への貢献や、環境省との連携など、動物園の公的な位置づけが明確化されるとともに、博物館相当施設として社会的な認知度の向上が図られたものと認識をしております。 続きまして、(1)イ、
ボルネオ保全プロジェクトの進捗状況についてでございます。 昨年発足以来、環境保全の啓発チラシ配布やシンポジウムの開催、ボルネオの生物多様性保全を題材としたミュージカルの公演を実施するなど、さまざまな啓発活動を展開してまいりました。 また、園内でのPR活動を図るため、ボルネオ保全トラスト・ジャパンが作成しましたカレンダー等のグッズ販売を進めるとともに、売り上げの一部が保全活動資金として寄附される自販機を園内に2台設置するなど、誰もが気軽にこの活動に貢献できる仕組みを構築いたしました。 現在は、地元企業や団体等への働きかけや新たな資金調達手段の寄附型電子マネーカードの発行準備を本園が中心となって進めているところでございます。 また、現地ボルネオでの活動支援といたしましては、象のレスキューセンターにおける水の確保対策が急務なことから、本園が技術支援の先頭に立ち、現地において井戸の採掘指導を行っていく予定となっております。 今後も皆様に活動を知ってもらい、協力をいただきながらさまざまな支援を実施してまいりたいと考えております。 続きまして、(2)ア、第5次総合計画における目標値に対する認識についてでございます。 第5次総合計画の中では、入園者数の目標値を最終年度の令和2年度において90万人と掲げております。 現在、平成30年度における入園者数は85万8,000人となり、平成26年度の67万8,000人から4年連続で入園者数の増加が実現できている状況です。このことは、継続的なリニューアル事業や誘客効果が高いイベント等プロモーションの実施とともに、環境エンリッチメントの推進や来園者へのさまざまな配慮など、動物にも来園者にも優しい施設づくりに努めた結果、本園が多くの人々に認知され、多くの人々にさらに愛される存在となり、多様なリピーターや広域的な集客につながったものと認識をしております。 これらのことから、来園者数は天候に大きく左右される数字でもあり、これはあくまでも可能性ではありますが、令和2年度における入園者数90万人到達は十分可能な数字であると認識をしております。 以上でございます。
◆小原昌子議員 それぞれにお答えをいただきましたので、これよりは一問一答方式にて質問をさせていただきます。 大きな1、(1)収益増加に向けての現況と課題についてでありますが、特に直近4年間の収益は毎年度3億円を超えるなど、おおむね堅調に推移していること、課題としては、新たなファンの獲得を図ることでありました。 ナイター、ミッドナイト競輪開催については、業界全体としても多様な開催形態の拡充策として大変力を入れており、ミッドナイト競輪の開催日数は前年度と比較して117日増加させました。そういった意味では、いち早く整備されたことにより、確実に収益増加につながったことは評価させていただきますが、他の競輪場も収益につながるナイター照明の整備を進めている状況の中で、現在の経営状況をどのように維持していくのか、先を見据えた構想をしっかりと立てていくことが重要でないかと考えています。 先日行われたガールズケイリンは、地元選手の出場ということもあり、バンクの周りは大勢の方が集まり応援し、盛り上げていた様子を拝見し、地元の選手を育成していくことが、ひいては豊橋競輪を盛り上げていくことにつながることを実感いたしました。 また、ファンサービスとしてのイベントで、各種キッチンカーによる飲食の提供や車券を買ってもらうきっかけづくりとなる、購入した車券で参加することができる野菜の詰め放題やJR東海のさわやかウオーキングとのコラボなど、新たに取り入れ、子どもも大人も楽しめるイベントの開催に工夫を凝らしている様子も拝見してきました。 イベントでバンクを実際に歩く体験や選手の走る姿を見れば、競輪がプロスポーツであることを実感し、関心を高めてもらうことができます。競輪場が特別な場所ではなく、誰もが気軽に訪れることができるスポーツ施設となり、結果として新規のファンの獲得、収益の増加につながることになります。 堅調に推移している状況からも着実に取り組みをされていることは評価していますが、日ごろから御家族連れで気軽に来場できるような仕掛けが必要ではないかと思います。 全国の競輪場を見ましても特色ある取り組みをされていることがわかります。例えば、武雄競輪場は大人も子どもも家族で楽しめる武雄競輪場公園、久留米競輪場は子ども広場や自転車をテーマとしたサイクルファミリーパーク、広島競輪場はキックバイクなどを常設したサイクルパークを設けています。いわき平競輪は日本で唯一バンク内ビアガーデン、ほかにもナイターイルミネーションや温泉など多種多彩な取り組みを展開されています。豊橋競輪としても競輪に縁がなかった方々に広く知ってもらい来てもらう、そして豊橋競輪を応援してもらえるような先を見据えた構想を考える必要があるのではないかと思います。 そこで、課題認識を踏まえ、どのような対応をされるのかお伺いしたいと思います。
◎稲田浩三産業部長 新たなファン獲得が最大の課題でございます。 豊橋競輪場の存在は知っていても入ったことがないという方がまだまだたくさんみえます。そうした方々に対し、競輪の持つさまざまな価値をわかりやすく発信していく必要があると考えています。 今、議員のほうから御紹介いただきましたけれども、ガールズケイリンの地元デビュー戦、それからさわやかウオーキングですね。あれらも私どもの創意工夫の一つでございまして、ここで御紹介していただいたことを大変うれしく思います。 そこで、例えばプロスポーツ競技を見る楽しさ、自転車をテーマにした健康づくり、広い空間を生かした市民交流など、いろいろな角度から市民と競輪を結ぶ機会を積極的につくってまいります。 この部分につきましても、今、他市の競輪場の取り組みを御紹介いただきました。私どももそれを勉強しておりますので、それを参考にしながら、そうした機会を積極的につくり、そのような取り組みが新たなファンを生み、その後の収益向上につなげていきたいと考えるものでございます。 とりわけ、来年2月に開催する本市初のGⅠ、全日本選抜競輪は、豊橋を初め地域の皆様方にも関心を持っていただく絶好の機会でございます。この開催をきっかけに、これまで以上に市民に親しまれ、魅力ある競輪場となるよう努めてまいります。
◆小原昌子議員 お答えをいただき、いろいろな角度から市民と競輪を結ぶ機会をつくり、収益向上に努めると、新しいテーマも示していただけたのかなというように思います。 競輪場の敷地は、二連木土地区画整理事業が公園として換地処分、その後、都市計画決定された東田公園内に建設した施設であり、位置づけは公園であります。誰もが気軽に訪れることができ、にぎわいと活気を生み出す取り組みとなるよう期待したいと思います。 もう少しお伺いしますが、来年2月に開催する本市初のGⅠ、全日本選抜競輪を契機に魅力ある競輪場となるよう努めるとのことでありましたが、4日間の開催で全国から来場者数1万7,000人、売り上げ88億円を見込まれ、その準備が着々と進められていることと思います。 そこで、悲願であったGⅠ、全日本選抜競輪開催に当たり、豊橋競輪としてどのような取り組みを考えられているのかお伺いします。
◎稲田浩三産業部長 全日本選抜競輪開催のため、全国からお越しくださる多くのお客様が、快適に安全に本場で過ごしていただけるよう、トイレの改修や駐車場の修繕、また豊橋駅からの無料バスの増便や警備員の増員など、受け入れ体制の充実を図りたいと考えております。 また、来てくださった方に豊橋はいいところだと言っていただけるよう、豊橋らしいおもてなしに工夫を凝らしたいと考えております。例えば、豊橋のおいしい食べ物や市内高校生のマーチングバンドの演奏、地元選手の企画による楽しい催しなど、開催の4日間毎日訪れたくなるような魅力ある企画を用意し、お客様の記憶に残る大会となるよう精いっぱい努めてまいります。 GⅠ開催は、各種メディア等による情報発信力が非常に高いものです。民放による全国への生中継が予定されているなど、豊橋をPRする絶好の機会ですので、プロモーションの観点を持ちながらしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
◆小原昌子議員 お答えをいただき、受け入れ体制、魅力ある企画、プロモーションを考えられていることを確認いたしました。 全国から競輪ファンが来場されるとのことですので、玄関口である豊橋駅に横断幕を掲げられるなど、お迎えムードを高め、競輪場内だけでなく豊橋全体で盛り上げるプロモーションについても考えていただきたいと思います。 本市の市民の皆さんの理解を深め、応援する機運を高める絶好の機会であります。今後の取り組みに期待し、この件は終わります。 (2)
豊橋競輪場施設等整備計画の進捗状況及び今後の予定についてでありますが、第1期では、主に選手管理や競技運営に係る整備を行ったこと、今年度からの第2期計画については理解いたしました。 南側万代塀と同様に西側についても計画的に進めていることも確認いたしましたので、残りの部分についてもしっかりと対応していただきたいと思います。 万代塀により競輪場内の様子が見えにくく、ある意味閉鎖的な施設でありましたが、ネットフェンスにすることにより開放的で明るいイメージに生まれ変わります。夜間のイルミネーションは、事故防止や防犯上の観点からも大変評判がよかったこともお聞きしておりますので、継続的な取り組みとなるよう考えていただきたいと思います。 このように、計画当初から見えてきた課題への対応もある中で、今年度から第2期計画がスタートしました。改めて事業費用とその財源見通しについて確認をさせていただきたいと思います。
◎稲田浩三産業部長
豊橋競輪場施設等整備計画の事業費は、競輪事業施設等整備基金を財源としております。 第1期計画では、当初予定になかったナイター照明の設置などにより、事業費が膨らみましたが、収益をしっかり上げ基金への積立金を3年間で5億円増額したことで財源を確保することができました。 第2期計画の事業費につきましては、平成28年度の計画策定時に8億8,000万円と見込み、これまで収益を基金へ計画的に積み立ててまいりました。現時点ではおおむね順調に進捗していますが、今後新たな課題が生じても一定の対応ができるようさらなる経営努力により十分な財源を確保してまいりたいと考えております。
◆小原昌子議員 お答えをいただき、事業費用、財源見通しについては理解いたしました。 老朽化に伴う施設への課題は第2期の期間中においても発生することがないとは限りません。速やかに対応できるよう引き続き基金の積み立てに努め、計画の推進を図っていただくことを期待し、この件は終わります。 (3)豊橋市受動喫煙防止条例への対応についてでありますが、昨年10月よりお客様の御理解・御協力により分煙がされていること、今後は条例の趣旨を踏まえ積極的な対応を図ることを確認いたしました。 競輪場への来場者は、車券購入のできる20歳以上の方がほとんどとはいえ、屋外においてもしっかりと分煙できるよう、専用室の設置は、誰でも訪れることができる競輪場を目指す以上必要なことであると思いますので、積極的な対応に期待し、この件は終わります。 大きな2、(1)今年度予算に与える影響についてでありますが、不足額については前年度からの繰越金により対応を図ることになるが、財政運営において直ちに予算の執行停止などの大きな影響が出ることはない。予算残額の留保や執行の見直しによる歳出抑制等により収支に与える影響が少しでも小さくなるよう努めるとのことでありました。 直ちに予算の執行停止はないとしても、財政調整基金や減収補てん債の発行はせず、今年度の補正予算の財源で6億4,811万円の補てんをするのか、それとも財政調整基金や減収補てん債により当初計画のまま事業を推進していくのか、予算残額の留保や執行の見直しを行えば、新年度への事業の積み残しなどの影響につながることもあり、今年度予算に与える影響は必ずしも大きいとはいえないかもしれませんが、これまで以上に慎重な対応に努めるようになることが想定されます。 不交付団体は交付団体と比較して、保育所等整備交付金は3分の2から2分の1に引き下げ、学校施設環境改善交付金は3分の1から7分の2になるなど、国庫支出金等の割り落としによる影響は避けられなくなってきます。 また、臨時財政対策債についても地方公共団体の一般財源の不足を補うために地方財政法の規定に基づき特別に発行を認められた地方債で、発行に伴い地方公共団体が将来にわたって支払うべき元利償還金は交付団体は今年度の地方交付金としてその全額が措置されることになっています。しかし、不交付団体になると過去に発行した臨時財政対策債の元利償還金について、その全てを地方公共団体の税収入で負担することとなります。国の税制改正などの要因により変化するとはいえ、現にいつ不交付団体になってもおかしくない状況であれば、発行抑制を考えている自治体もあるようです。 こうした状況を踏まえ、新年度の予算編成及び今後の財政運営の考え方についてお伺いします。
◎黒釜直樹財務部長 今年度は結果として不交付になりましたが、新年度予算編成におきましては、今後、国から示されます令和2年度の地方財政計画を踏まえて、普通交付税の試算を適切に行ってまいります。 議員が御指摘されました財政力指数が1を超えた場合に補助率が低くなる国庫支出金等でございますが、財政力指数は3か年平均を使う場合が多いこと、また、今年度も算定上は1を超えていないことなど、新年度すぐに影響を受けることはないものと考えています。 しかしながら、今後不交付が続きますと、補助率の割り落とし分や普通交付税の振替措置であります臨時財政対策債の償還を税等で賄わなければならないため、今後の財政運営としては、さらなる行政コストの縮減や新たな財源確保に努めるなど、行財政改革をより一層推進していく必要があるものと考えています。 以上でございます。
◆小原昌子議員 お答えをいただき、新年度すぐに影響を受けることはないことを確認いたしました。 総務省が各地方自治体に対する地方交付税の交付額を決定するのは、毎年7月であります。予算編成のタイミングと決定時期が異なることや、複雑な仕組みによる交付額の算定により差異が生じることは理解できます。しかし、不交付による補助率の割り落とし分が影響する保育所等整備交付金は主に幼保連携型認定こども園の整備等に係る交付金、または学校施設環境改善交付金は小中学校における大規模改造事業に係る交付金であります。ともに本市が幼児教育・保育環境整備や学校環境整備の推進を進めている状況からも、少なからず影響を及ぼすことになることが想定されますし、臨時財政対策債についても償還が免除されるわけではありません。 不交付団体は自立した自治体との評価の一方で、こうした影響を考えますと不交付が果たして望ましいことなのかとさえ考えてしまいます。本市にとって望ましい財政運営となるよう今後の取り組みに期待し、この件は終わります。 大きな3、(1)ア、認定希少種保全動物園の認定を受けるメリットについてでありますが、動物園の公的な位置づけが明確にされるとともに、社会的な認知度の向上が図られるとのことでありました。 既にマレーグマのハッピィで実現をされ、早々に認定メリットがあらわれていることを確認いたしました。 イ、
ボルネオ保全プロジェクトの進捗状況についてでありますが、啓発活動や園内でのPR、現地での活動支援を行っているとのことでありました。 2回目の質問として、ア、イを合わせた形でお伺いします。 種の保存法における自治体の責務は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策を策定し、実施するよう努めることであります。本市が管理主体である動植物公園は、その役割を全うするために希少種保全動物園等制度の導入後、直ちに取得されたことは、野生生物の生息域を保全する
ボルネオ保全プロジェクトに参加されてきた経緯からも高く評価しております。 そうした豊橋動植物公園が種の保存の観点からさまざまな事業を推進され、本当に社会から必要とされる施設を目指している姿勢のあらわれであると思いますので、あらゆる可能性に向けて取り組みをされることを期待しております。 一方で、本園の動物の飼育環境についても認定制度によりマレーグマの負担の軽減をされてきたように、目指す方向性に合致していなければなりません。多様な生態系に配慮した動物本来の飼育環境にしていくことは、動物園の役割である教育、環境教育のさらなる推進や、調査研究の向上となり市民の皆さんの理解につながっていくことになります。対外的な種の保存の取り組みと同様に、本園の動物の飼育環境について、しっかりと対応されることが重要であると考えます。 そこで、本園における動物飼育の環境改善について、どのように考えられているのかお伺いします。
◎
瀧川直史総合動植物公園長 動物飼育の環境改善の考え方についてでございます。 動物園の動物たちは、その限られた飼育環境により常同行動や本来発現すべき習性が失われたりする事例が多く見られます。このため、多くの動物園で野生下に近づけた環境改善が試みられており、本園におきましても、例えばツキノワグマやマレーグマでは、丈の高い樹木を設置することで、よじ登って遊ぶ行動を日常的に確認することができ、また、葉っぱや枝でみずからの寝床をつくる、いわゆるネスティングと呼ばれる習性が特徴のオランウータンでは、お古の消防ホースの設置により、そのホースを編んで寝床とする行動が見られるなど、より自然に近い姿を観察することができています。 さらに、拡張した象の放飼場では、川を泳いで渡り、草原やジャングルを探索して1日を過ごすといった変化のあるアジアゾウ本来の1日を、4,400平米という狭いエリアではありますが、ある程度実現ができており、全国にも誇れるエリアになっていると認識をしております。 今後も獣舎、放飼場の簡易な改修等さまざまな創意工夫を重ねていく中で、動物の習性に十分配慮した動物飼育を進めていきたいと考えております。 以上でございます。
◆小原昌子議員 お答えをいただきました。 動物飼育の環境改善についてもツキノワグマ、マレーグマ、オランウータン、象を例に挙げて取り組みを紹介していただき、対応されていることを確認いたしました。 動物本来の習性を取り入れた環境改善の推進は、近年求められている動物福祉や生物多様性の啓発の充実を図ることになります。今後も創意工夫を重ねていく中で、動物飼育を進めていくとのことでありましたが、
ボルネオ保全プロジェクトにおける域外保全についても、象、マレーグマ、オランウータン、テングザルなどの動物は複数種ありますが、必要であれば対応されると昨年の一般質問で確認もさせていただきました。 今後もあらゆる想定をもとに動物飼育の環境改善に努めていただき、豊橋動植物公園の目指す方向性に向けて一歩一歩進んでいける取り組みとなるよう期待し、この件は終わります。 (2)第5次総合計画における目標値に対する認識についてでありますが、4年連続で入園者数の増加を実現し、90万人到達は天候に大きく左右されるが可能性としては十分可能な数字であるとのことでありました。 これまでの入園者数の推移を見ますと、昭和45年、現在の大岩町開園当時は36万8,000人、その後、豊橋総合動植物公園としてリニューアルオープンした平成4年が最高の99万4,000人、植物園をオープンした平成8年が94万1,000人、市制100周年記念事業のマンモスを公開した平成18年が92万6,000人でありました。 後期基本計画の分野別計画におけるのんほいパークの魅力向上による90万人の目標値に対して、平成26年実績値は67万8,000人、昨年度の入園者数85万8,000人と比較すると4年間で約18万人増加したことになります。90万人目標まであと4万2,000人、リニューアル事業の推進が成果を上げているということは言うまでもないでしょうが、リニューアルするだけでなく、その施設を最大限活用して、さらに付加価値を高める工夫を継続的に行っていかなければ、これまでの入園数の経緯からも、増加は一過性のものになってしまうことも考えられます。 豊橋総合動植物公園は、他の施設にはない植物園や自然史博物館を有しているという特色を生かしていくことも必要であると思いますので、来年度の90万人達成に向けて、さまざまな角度から検証し、取り組みをすることが重要であると考えています。 一方で、100万人プロジェクトが位置づけられているええじゃないか豊橋推進計画Ⅱは、来年度が最終年度となりますが、100万人プロジェクトはこれからも続いていく最終目標であり、第5次総合計画の90万人の目標値はあくまでも通過点であります。この100万人目標について、令和2年度のリニューアル事業の終了も踏まえ、その実現性をどのように認識されているのかお伺いします。
◎
瀧川直史総合動植物公園長 先ほど、令和2年度の90万人達成は可能であると御説明させていただきましたが、このことで100万人の実現可能な基礎体力を現在、本園が獲得しつつある状況であると認識をしています。 しかし、あと10万人を確実に上乗せするには、さらに本園のコンテンツを磨くことが必要です。リニューアル事業は、ゾウ舎を除き令和2年度までに一定の水準は達成できる見込みですが、事業の目玉である象の群れ飼育については、100万人達成には不可欠であると考えておりますので、象の導入に向けて引き続き努力するとともに、リニューアル事業期間にこだわらず、その可能なタイミングを捉え、ゾウ舎整備の努力を継続してまいりたいと思っております。 また、リニューアル期間終了後も、例えば植物園については、さまざまな事例研究により、その魅力や新規性を高め、老朽化への対応が必要な遊園地については、付加価値の高いサービスを含め、運営手法の勉強を進めるなど、常に立ちどまらない姿勢が重要だと考えております。 今後も、これらさまざまな取り組みを継続することで、新たな魅力を創生し、近い将来の100万人達成につながるものと認識をしております。 以上でございます。
◆小原昌子議員 お答えをいただきました。 群れ飼育の実現には、象の確保が必要なこと、そのためのゾウ舎と広い放飼場が必要なことが挙げられていました。 象はそもそも入手が難しく、アジアゾウは絶滅危惧種としてワシントン条約で研究目的を除き輸出入が原則禁止されています。輸出が認められた場合でも相手国は野生に近い複数頭での飼育が求められることが多い状況であることもお聞きしています。 近年の野生生物の生息環境の悪化により、飼育や繁殖技術のある担い手となる動物園に対する期待が高まる中で、積極的に環境エンリッチメントの推進や他に先駆けて新たな種の保存に対する取り組みも開始されています。そうした中で、放飼場の拡張整備が先行して行われてきたわけでありますが、90万人の目標見込みも可能な数字としてあらわれており、いよいよ100万人プロジェクトによる100万人達成の道筋を描いていくことも必要ではないかというように感じています。 ゾウ舎整備については、象の導入方法の考え方についてしっかり説明できるよう、さまざまな選択肢があろうかと思いますので、その可能性に向けて取り組んでいくことが重要であると考えます。 植物園や遊園地についてもお答えをいただきましたが、のんほいパークの昨年度入園者数は、公立70園のうち9位、大変な成果を上げられたこともお聞きしました。新たな可能性を見出し100万人達成に向け取り組みをされることを期待し、私の一般質問を終わります。
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○豊田一雄議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。
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