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09月18日-19号

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  1. 名古屋市議会 2019-09-18
    09月18日-19号


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    令和元年  9月 定例会               議事日程        令和元年9月18日(水曜日)午前10時開議第1 令和元年第16号議案 名古屋市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について第2 同 第17号議案 名古屋市心身障害者扶養共済事業条例の一部改正について第3 同 第18号議案 専用水道に係る水道技術管理者の資格を定める条例の一部改正について第4 同 第19号議案 名古屋市子ども・子育て支援法施行条例及び名古屋市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について第5 同 第20号議案 名古屋市子どもいきいき学校づくり推進審議会条例の制定について第6 同 第21号議案 名古屋市都市公園条例の一部改正について第7 同 第22号議案 道路の占用料等に関する条例の一部改正について第8 同 第23号議案 名古屋市河川法施行条例の一部改正について第9 同 第24号議案 名古屋市水路等の使用に関する条例の一部改正について第10 同 第25号議案 名古屋市印鑑条例の一部改正について第11 同 第26号議案 名古屋市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人を定める条例の一部改正について第12 同 第27号議案 名古屋市水道事業等の設置等に関する条例の一部改正について第13 同 第28号議案 名古屋市水道給水条例の一部改正について第14 同 第29号議案 名古屋都市計画事業大曽根北土地区画整理事業施行条例等の一部改正について第15 同 第30号議案 名古屋市建築基準法施行条例の一部改正について第16 同 第31号議案 名古屋市営住宅条例及び名古屋市定住促進住宅条例の一部改正について第17 同 第32号議案 名古屋市消防団条例の一部改正について第18 同 第33号議案 令和元年度名古屋市一般会計補正予算(第3号)第19 同 第34号議案 令和元年度名古屋市基金特別会計補正予算(第3号)第20 同 第35号議案 令和元年度名古屋市公債特別会計補正予算(第3号)第21 同 第36号議案 契約の締結について第22 同 第37号議案 指定管理者の指定について第23 同 第38号議案 指定管理者の指定について第24 同 第39号議案 市道路線の認定及び廃止について第25 同 第40号議案 公立大学法人名古屋市立大学第三期中期目標の変更について第26 同 第41号議案 名古屋市総合計画2023の策定について第27 同 第42号議案 名古屋市いじめ問題再調査委員会条例の制定について    ---------------------------   出席議員    服部しんのすけ君  吉田 茂君    斉藤たかお君    浅井正仁君    松井よしのり君   小出昭司君    おくむら文悟君   久田邦博君    赤松てつじ君    久野美穂君    日比美咲君     河本ゆうこ君    中川あつし君    豊田 薫君    手塚将之君     佐藤ゆうこ君    さかい大輔君    吉岡正修君    近藤和博君     田辺雄一君    さいとう愛子君   さはしあこ君    塚本つよし君    うえぞの晋介君    浅野 有君     中里高之君    中川貴元君     丹羽ひろし君    成田たかゆき君   岩本たかひろ君    ふじた和秀君    藤沢ただまさ君    中田ちづこ君    岡本善博君    横井利明君     伊神邦彦君    渡辺義郎君     山田昌弘君    橋本ひろき君    斎藤まこと君    小川としゆき君   加藤一登君    うかい春美君    田中里佳君    余語さやか君    大村光子君    鈴木孝之君     田山宏之君    浅井康正君     鹿島としあき君    金庭宜雄君     長谷川由美子君    中村 満君     小林祥子君    木下 優君     田口一登君    沢田ひとみ君    三輪芳裕君    前田えみ子君    森 ともお君    江上博之君     さわだ晃一君    増田成美君     服部将也君    北野よしはる君   西川ひさし君    岡本やすひろ君   欠席議員    岡田ゆき子君    ---------------------------   出席説明員市長          河村たかし君  副市長         堀場和夫君副市長         伊東恵美子君  副市長         廣澤一郎君会計管理者       渡邊正則君   防災危機管理局長    酒井康宏君市長室長        小林史郎君   総務局長        山本正雄君財政局長        飯田 貢君   市民経済局長      中田英雄君観光文化交流局長    松雄俊憲君   環境局長        水野裕之君健康福祉局長      海野稔博君   子ども青少年局長    杉野みどり君住宅都市局長      光安達也君   緑政土木局長      山田 淳君会計室次長       植村信一君   防災危機管理局総務課長 大澤政充君市長室次長       野澤米子君   総務局総務課長     吉木 彰君財政局総務課長     青井信之君   市民経済局総務課長   吹上康代君観光文化交流局総務課長 伊藤 毅君   環境局総務課長     村松直樹君健康福祉局総務課長   木村 剛君   子ども青少年局総務課長 三宅 眞君住宅都市局総務課長   山下直人君   緑政土木局総務課長   杉浦康嗣君    ---------------------------上下水道局長      宮村喜明君   上下水道局総務部総務課長                                蛭川賢之君    ---------------------------交通局長        河野和彦君   交通局営業本部総務部総務課長                                飯田真由美君    ---------------------------病院局長        大原弘隆君   病院局管理部総務課長  杉原忠司君    ---------------------------消防長         木全誠一君   消防局総務部総務課長  加藤哲也君    ---------------------------監査委員        黒川和博君   監査事務局長      勝間 実君    ---------------------------選挙管理委員会委員   高木輝雄君   選挙管理委員会事務局長 青木康邦君    ---------------------------教育長         鈴木誠二君   教育委員会事務局総務部総務課長                                樋口 敦君    ---------------------------人事委員会委員     西部啓一君   人事委員会事務局長   千田博之君    ---------------------------          令和元年9月18日 午前10時開議 ○議長(丹羽ひろし君) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者には塚本つよし君、浅野有君の御両君にお願いいたします。 これより日程に入ります。 日程第1より第27まで、すなわち第16号議案「名古屋市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について」より第42号議案「名古屋市いじめ問題再調査委員会条例の制定について」まで、以上27件を一括議題に供します。 昨日に引き続き、質疑並びに質問を続行いたします。 最初に、斎藤まこと君にお許しいたします。    〔斎藤まこと君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◆(斎藤まこと君) おはようございます。名古屋市会議員の斎藤まことです。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。 私は4年前に脳梗塞をしました。そして、今も失語症の後遺症でもあります。でも、大分よくなってきました。そういう意味で本会議で話すのも大変ですが、話そうと思います。 中高年のひきこもり支援について。 現状認識です。昨年度末に61万3000人という数字が目に飛び込んできました。これは、内閣府が初めて調査を実施した中高年、40歳から64歳までのひきこもり状態にある方の全国推計値です。調査年度は異なりますが、平成27年度の若年層、15歳から39歳までの推計値が54万1000人ということですから、合計で100万人を超える、もはや全世代型の課題だと言えると思います。 この数字を名古屋市の人口に当てはめると、中高年で1万1000人、若年者で1万500人、合計で約2万人の人がひきこもり状態にあると言えます。こうした調査結果に続き、川崎市や東京都練馬での大変痛ましい事件が大きく報道されていました。 私がこの議場でお伝えしたいことは、決してひきこもり状態にある御本人や御家族が危険であるということではなく、安易にこうした事件とひきこもりとを結びつけることは厳に慎むべきであるということです。むしろこの二つの事件の痛ましさに共通点を見出すとすれば、それは社会との孤立、孤立した状態が長く続いていたということであります。 メディアには大きく取り上げてはいませんが、この名古屋市でも5年前、平成26年にまさに長期高齢化した孤立による事件が報道されています。 近年、八〇五〇問題という言葉が広く知られるようになりました。まさしくこうした言葉を予見するような親子の大変悲しい事件です。 76歳の母親と暮らしていた30年近くひきこもり生活を送っていた43歳の娘さんが、母親が意識不明で倒れたことを誰にも連絡できず、保護責任者遺棄致死罪に問われた事件です。孤立する中、しばらく母親の死体とともに生活を送ったというショッキングな事件です。これは数あるひきこもり事例の中でも最も悲しい事例だと言えると思います。 そこで、内閣府の調査結果や八〇五〇問題など、昨今の状況から見て、ひきこもり状態にある方の支援について、どのような課題があると認識されているのか、健康福祉局長にお尋ねします。 次に、民間の活力を生かしたひきこもり支援施策の充実についてお尋ねします。 名古屋市では、平成24年度から名古屋市ひきこもり地域支援センターが開設されています。ここでは専任としては2名の非常勤職員が職務に当たり、家族相談や広報活動などの対応に力を注いでいます。 しかしながら、現在の窓口の対応が十分かと言われれば、不足している機能があると言わざるを得ません。具体的にはアウトリーチケースワーク機能です。ひきこもり支援といえば、家族関係の調整など心理的サポートに目が行きがちですが、家族自体が困窮や介護、相互暴力など、課題を抱えている場合もあります。こうした場合、支援員は窓口で待つのではなく、問題を抱える家族のもとへ足を運ぶことが重要です。 平成29年度の報道によりますと、全国的にひきこもり地域支援センターアウトリーチ機能が弱いことが大きな問題として指摘されています。具体的には、全国で相談を受けた御家族のうち、9%しか訪問支援が実施されていませんでした。その原因としては、支援員のノウハウの欠如や職員不足が挙げられています。 名古屋市の訪問支援実績も報告されていないことから、名古屋にも同じことが言えるのではないでしょうか。 全国的な先進事例、例えば熊本市のひきこもり地域支援センターは、個別相談に加え、訪問相談や地域資源を生かした支援プログラムを提案するなど、アウトリーチケースワークを一体的に実施しています。 また、報道によると、訪問支援の実績が最多だった広島は、県と市が合同で3カ所の拠点を設け、全てが民間団体で運営されています。まさに民間団体の強みを生かした支援体制だと思います。 支援の中身についても検討する余地があると思います。 ひきこもりの長期高齢化によって、支える家族の抱える課題が複合的になっています。具体的には、介護や困窮などがあります。一人一人の状態に応じてきめ細かく対応するためには、福祉、法律、就労など、多角的な視点から専門性の高い支援を実施することが必要です。そのため、精神保健福祉分野の知識だけでは対応し切れない現実もあります。家族やひきこもり本人との良好な関係が途切れないためにも、安心して過ごせる場を提供できる支援員や有用感を感じることができる可能な機会を提供できる支援員が相談に当たることが必要だと思います。 ひきこもり支援の重要なポイントとしては、ひきこもり当事者が安心して過ごすことのできる居場所の確保や、当事者間の交流や日常生活体験を積み重ねる場の確保も重要です。就労に限らず、ボランティア活動など、みずからを感じることができるような活動の機会も大切だと思います。 こうした場や機会の確保も、民間団体の得意分野ではないでしょうか。 名古屋市においても、ひきこもり地域支援センターの後に設置された仕事・暮らし自立サポートセンターや子ども・若者総合相談センターなどでは、民間団体が相談とアウトリーチを一体的に実施し、大きな実績を上げています。 ひきこもり地域支援センターだけが時代に乗りおくれたセンター機能になっていると言わざるを得ないと思います。 また、200万都市の名古屋において支援拠点が一つというのも大きな課題です。不足資源を補うように民間団体が試行錯誤のもとで活躍しているのが実情です。 今後の名古屋市として、より地域に密着できるようなこうした民間団体を活用することも重要な取り組みだと思います。 こういった観点から、民間の活力も取り入れることも含めて、ひきこもり支援施策を拡充する考えはないか、健康福祉局長にお尋ねします。 この2点をお尋ねして、1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(海野稔博君) 健康福祉局には、中高年のひきこもり支援について、2点のお尋ねをいただきました。 まず、ひきこもり支援の現状、課題認識についてでございます。 議員御指摘のとおり、内閣府の調査結果を本市の人口に置きかえますと、中高年者のひきこもり状態にある方は約1万1000人、若年者と合わせれば約2万人を超える方々がひきこもり状態にあると推計されます。 ひきこもりに至る背景はさまざまであり、支援を必要とされる方のニーズも多様でございます。八〇五〇問題など世帯単位で捉えれば、さらに複合的な課題が潜在していることもございます。 一方、ひきこもり地域支援センターの開設以後、平成30年度末までに御相談のありました相談対象者の実人数は約550人であり、他の相談機関などにもつながっておらず、支援の行き届いていない方がいまだに大勢いることが考えられ、大きな課題であると認識しております。 こうした現状への対応として、ひきこもり状態にある御本人、御家族、その他周囲の方々に、より相談しやすい体制を整備するとともに、相談窓口の周知徹底が必要であると考えております。 また、多様な支援ニーズに応じるために、医療、就労、高齢、生活困窮などのさまざまな関係分野とのさらなる連携強化を図り、制度のはざまに陥ることのないような体制の構築が必要であると認識しております。 次に、民間の活力も取り入れることを含めて、ひきこもり支援施策を拡充する考えについてでございます。 多様化するひきこもり支援におきましても共通していることは、孤立を生まないということでございます。孤立を生まず社会とのつながりを支援するためには、安心して過ごせる居場所やみずからの役割を感じられる機会の確保が大切でございます。 また、支援者には、ひきこもり状態にある方やその御家族との信頼関係を丁寧に築き、お一人お一人と寄り添い歩むきめ細やかな支援が求められていると認識しております。アウトリーチ型支援を含め、こうした新しい支援を切れ目なく継続的に柔軟に実施するためにも、議員から御提案のありましたように民間活力の活用も含めて、ひきこもり支援施策の強化に向けて検討してまいります。 以上でございます。 ◆(斎藤まこと君) ありがとうございました。 健康福祉局からは、社会との孤立を生まないためにも、民間活力を含めて、ひきこもり支援の強化を検討していくという、決意とも言える前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございました。 厚生労働大臣もひきこもりの状態にある方やその家族への支援に向けてについて、ひきこもり状態にある方やその家族は、悩みや苦しみを抱え込む前に、生活困窮者支援の相談窓口やひきこもり地域支援センター、また、ひきこもり状態にある方が集う団体や家族会の扉をぜひたたいてくださいと言ってます。 今この瞬間もさまざまな事情や経緯からひきこもり状態にあり支援を必要とされる方や、その御家族は、日々悩みや苦しみを抱え葛藤しています、地域で暮らしていらっしゃると思います。施策の拡充の時期については特に明言はありませんでしたが、きめ細かな支援を必要とされる方々のために、一刻も早く、できれば来年度にでも実現されることを強く要望して、質問を終わります。(拍手) ○副議長(岡本やすひろ君) 次に、沢田ひとみ君にお許しいたします。    〔沢田ひとみ君登壇〕 ◆(沢田ひとみ君) お許しをいただきましたので、通告に従い、質問をいたします。 まず、市立学校・園における熱中症対策についてお伺いいたします。 昨年の夏は災害級とも呼ばれた記録的猛暑でしたが、本年も各地で猛烈な暑さが続き、学校現場においても児童や生徒が熱中症と見られる症状で病院に搬送された事例がありました。 本市においては、本年度9月11日現在、救急搬送件数は8件あり、その内訳は、運動会中の救急搬送が小学校で1件、部活動中が中学校で6件、高校で1件でした。 全国的に、毎年、連日のように最高気温や熱中症による救急搬送などのニュースが大きく取り上げられており、熱中症に対する注意喚起も頻繁に行われております。 地球温暖化等による昨今の気象状況からいっても、猛暑は来年以降も続くと予想されますが、それに伴う熱中症は命にもかかわる問題であり、体温の調節機能が大人ほど発達していない子供には特に配慮が必要です。 熱中症を予防するための指標として、暑さ指数WBGTというものがあり、これは労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されております。 環境省の熱中症予防情報サイトによると、WBGTとは、ウエット・バルブ・グローブ・テンペラチャー--湿球黒球温度の略称のことで、人の体と外気との熱のやりとりに着目し、指数は気温や湿度、日差しや照り返しから算出して、その数値によって熱中症の危険度を把握することができます。 暑さ指数には段階があり、31度以上は危険、28から31度は厳重注意、25から28度は警戒、21から25度は注意、21度未満はほぼ安全と示され、31度以上では運動は原則中止することが日本体育協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」で求められています。 本市においては、熱中症予防について、小中学校に対して適切な処置を講ずるよう文書にて通知を出し、それらに基づいて各学校で発生防止に取り組んでいます。 他都市の事例を見てみますと、横浜市においては、横浜市立学校熱中症ガイドラインを策定し行動指針を示すとともに、児童生徒の安全を最優先に考えた対策が行われております。 具体的には、事前の予防として、暑さ指数が28度以上となることが予測される場合、救護スペースの設置や救急体制の確認、医療機関リスト等の準備、活動場所に暑さ指数計を備えるなどの行動指針が明確に示されております。 本市においては、ガイドラインがないだけでなく、多くの小中学校には、いまだ暑さ指数計が設置すらされていません。しかも現状では、導入判断は各学校に任されています。これで本当に子供たちを熱中症から守り切ることができるでしょうか。 広島市では、本年5月、全234の市立小中高・幼稚園に暑さ指数計を配備し、6月には暑さ指数31度以上になった場合や気温35度以上が予想される時間帯の活動を制限するガイドラインをつくり、各校・園に通知をいたしました。同様に、岡山市においても、本年度、市立全校に暑さ指数計を配備いたしました。 また、大阪府では全府立学校にグラウンド用と体育館用の2種類の暑さ指数計を1台ずつ配備いたしました。これは子供たちが見ても一目で状況を把握できるように示されており、同時に熱中症のガイドラインがあることで、どう対応すべきかを事前に把握しておくことができます。そのような事例が、子供たちへの注意喚起や事前教育にもつながるものと考えます。 この暑さ指数計は、安価なもので2,000円程度からあり、大阪府で導入されたものは1台1万円弱であります。現在、本市においては、暑さ指数計の導入の割合は55%足らずです。新学期に入ってもまだ暑い日が続いており、熱中症は予防が第一ですので、来年に向けての対策を今のうちからしておくべきです。 全校配備を行った都市では、その効果が明らかになりつつあります。広島市では、暑さ指数が31度を超えた際に運動会の練習を中止したり、休憩時間の外遊びをさせないようにした学校がありました。岡山市でも同じく、暑さ指数が31度を超えた際に昼休みに外に出るのを控えるよう校内放送を行ったり、運動会では、30分間隔で暑さ指数を測定し、指数が上昇してきたら注意喚起を行うなど、きめ細かい対応を行った学校もあります。 また、夏休みのプール開放をPTAの判断によって中止した事例もあったと聞き及んでいます。先生方だけでなく保護者にまで周知され、その活用がなされています。 そこで、教育長にお伺いいたします。本市立学校・園では、暑さ指数計がいまだ全校に配備されておりません。学校現場における熱中症ゼロを目指すためには全学校・園に配備すべきと考えますが、どのような見解でしょうか。 さらに、児童生徒の健康安全対策に万全を期すためにガイドラインを策定すべきと考えますが、どのような認識でしょうか。御答弁をお願いいたします。 次に、本市におけるヒートアイランド現象の適応策についてお伺いいたします。 地球の温度は年々上昇しており、気象庁の気候変動監視レポート2018によると、本市では過去100年間の間に年平均気温が2.8度も上昇しております。これは、地球温暖化やヒートアイランド現象による影響があると言われています。 地球温暖化の原因は、産業構造の変化や私たちの生活様式の変化などさまざまなことに起因しますが、ヒートアイランド現象の原因は、人工的な構造物や排熱を主な要因としています。 都市部では、コンクリートでできた建物やアスファルトの道路に地面が覆われているため、それらが熱をため込みます。 また、夏場は自動車からの排気やエアコンの室外機から出される空気がとても熱くなります。そして、ビルなどの建物が密集したところでは風の通りが悪く、熱がこもってしまいます。その結果として、郊外よりも都市部に気温上昇が見られる都市特有の現象であります。 多くの方は、天気予報などの報道により、きょうの気温が何度だったのかを知り得ることとなりますが、この報道で示される数値は気象庁からのデータに基づくものであり、本市でも名古屋地方気象台がその役割を担っております。 名古屋地方気象台は、千種日和町二丁目の丘の上に位置しております。この場所に設置された経緯は、明治23年に東東桜一丁目に愛知県により名古屋一等測候所として設立されました。 その後、大正12年に現在の場所に移転し、昭和13年、国に移管されて現在に至ります。移転理由は、付近の人家が稠密となったためとのことです。 他都市の気象台が、例えば札幌管区気象台は、標高17メートル、東京管区気象台は標高25メートル、大阪管区気象台は標高23メートル、福岡管区気象台は標高3メートルに位置しているのに対し、名古屋地方気象台は標高51メートルの高いところにあります。よって、観測される気温が市民の体感と乖離しているため、山の上より平地で計測すべきではとの市民や河村市長の意見があります。 この先も気温は上昇していくと予測されており、生活への影響が懸念される中、私たちは、この環境にうまく適応していく必要があります。 市民が感じる暑さについて、気象状態の正しい認識を持っていただくために、多くの人が集まる名古屋市中心部などで本市が気温を観測し、その気温を公的に示す必要があるのではないでしょうか。 気象業務法に基づく届け出を行えば、地方公共団体が気象観測施設を設置することができます。環境局によると、現在本市では大気汚染の常時監視を行う測定局の一部において気温の観測も行っているとのことでした。その観測データによると、本年の6月から8月の夏場では、気象台と比較して若宮局でプラス0.3度、富田支所でプラス1度高いとお聞きしましたが、比較的涼しいところにあるため、実際には気象台で観測される気温より3度から5度高い可能性もあるとのことです。 また、この機器では40度までしか観測できません。気象台の示す本市の昨年8月3日14時の最高気温は40.2度でしたが、富田支所の観測結果は40度となっておりました。 そこで、環境局長にお伺いいたします。本市として、人が多く活動している場所に新たに気象観測施設を設置して気温を観測し、そのデータを市民にわかりやすい形でお知らせして、ヒートアイランド現象の適応策を講じるための一つの手段として活用していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。 これで、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎教育長(鈴木誠二君) 教育委員会に対しまして、市立学校・園における熱中症対策に関し、2点のお尋ねをいただきました。 まず、市立学校・園への暑さ指数計の配備についてでございます。 現在、本市におきましては、約55%の学校及び幼稚園に暑さ指数計が置かれております。暑さ指数は、熱中症予防の目安の一つでありますが、子供の活動内容や熱中症対策につきましては、気象予報や気温等の状況、個々の子供の健康状態なども踏まえ、学校長、園長が総合的に判断することが重要であると考えております。 暑さ指数計を置いていない学校・園におきましては、環境省のホームページ、熱中症予防情報サイトなどで名古屋の暑さ指数を確認しているところでございますが、各学校・園に暑さ指数計の購入を促すなど、あらゆる手段を使って熱中症を予防するよう努めてまいります。 次に、ガイドラインの策定についてでございます。 横浜市や広島市では、環境省発行の熱中症環境保健マニュアルなどをもとにガイドラインを策定されたとお聞きしております。 本市におきましては、毎年度環境省のマニュアルを各学校・園に配付し活用を促すとともに、酷暑期において特に留意すべき事項を通知しております。 本年2月には、全学校・園の教頭や養護教諭などを対象として、環境省のマニュアルの編集委員を務められた専門家を講師に招き、熱中症予防のための具体的な対応などについて講習を行ったところでございます。 教育委員会といたしましては、他都市の例も参考にしながら、各学校・園にとってわかりやすく実用的な資料の作成について研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎環境局長(水野裕之君) 環境局には、本市におけるヒートアイランド現象の適応策に関連してお尋ねをいただきました。 環境局におきましては、暑いときの外出は控える、外出時には日傘や帽子を使用する、また、公共施設や商業施設などをクールスポットとして周知し、皆様で涼を分けていただくクールシェアを呼びかけるなど、気温の上昇に対する適応を呼びかけているところでございます。 こうした取り組みに際しまして、本市が測定している気温と気象台が発表している気温との違いを市民の皆様にお知らせすることは、ヒートアイランド現象を知っていただくためのきっかけの一つになると考えておりますので、議員御提案の、人が多く活動している場所への新たな気象観測施設の設置も含めまして、効果的な周知方法を研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(沢田ひとみ君) それぞれ御答弁いただきました。 まず、市立学校・園における熱中症対策についてですが、教育委員会の熱中症に対する取り組みは理解しておりますし、それを否定するものではありません。 しかし、私が主張しているのは、あくまでも暑さ指数計の全校配備とガイドラインの策定です。学校それぞれの判断任せではなく、本市が明確な具体策を講じる必要があるのではないでしょうか。 先ほど紹介した暑さ指数計の導入を試みた他都市も、これまで同様な対策はされてきたかと思います。しかし、毎年猛暑が続く中、それだけでは足りないと感じて現在の対策を講じたのではないでしょうか。特に気温が高い本市においても、積極的な対策が必要な時期に来ていると言えます。 そこで、河村市長にお尋ねします。暑さ指数計の全校配備と、効果的に活用するためのガイドラインを策定することが、子供たちを守るための責任ある対応と考えますが、日本一子供を応援するまち名古屋の市長としての見解をお聞かせください。 次に、本市におけるヒートアイランド現象の適応策についてですが、環境局長の御答弁では、気温の上昇に対する適応についてさまざまな方法を市民に呼びかけていただいているとのことでしたが、それでは不十分だと思い質問いたしました。異常気象への適応策を講じるためにも、ヒートアイランド現象の影響が顕著に出る場所の気温を公式に計測し、より正しく市民にお伝えすべきと考えます。 先日、2007年に最高気温40.9度を観測した多治見地域気象観測所を見てきました。それは、沿道立地型商業施設が建ち並ぶ国道沿いにあり、市民が集まる場所に設置されていました。 また、名古屋地方気象台も確認してきましたが、閑静な高級住宅が建ち並ぶ丘の上に位置しており、多くの市民が活動する生活の場とは言えません。 そこで、河村市長にお尋ねします。市長は、本年5月27日の定例記者会見において、気象台とは別の場所で計測すると気温に差が出ると発言されておりますが、別の場所に気象観測施設を設置するお考えはないか、お聞かせください。 ◎市長(河村たかし君) まず初めは、ガイドラインと、それから指数計ですか。とにかく熱中症は本当に危険ですので、ことしの、ついこの間でも港のある学校でありましたわね。そういうことがありますので、これは警戒し過ぎることはないもんで、今言われましたように、一応教育長は暑さ指数計の購入を、あらゆる手段を使って暑さ指数計の購入を促すと言っていますけど、55%はもう入れておるんですから、効果がないものだったら、そんな55%もいかぬはずですよ、それは。 それと、ほかの都市で、岡山、大阪、ガイドラインは横浜、広島というところも導入しておりますので、促されるのは結構だけど、これはもう早く導入してくれというふうに言うのが当たり前だと思いますよ、私。そういう方向で指導していきたいと思います。 それから、ガイドラインも私は見たんだけど、何か変なことを言っていましたけれども、ガイドラインは何だと言ったかな、ガイドラインは何だかと言っていましたけどね、研究ですか、研究してまいりたいって。何の研究をするのか、ノーベル賞でもとるのか何か知りませんけど。私、原本となる二十何ページあったかな、30ページぐらいあるかな、冊子のほうは--76ページある本を、どういう会議だって、普通はサマリー、要約版をつくってみんなわかりやすくするんですよ、それは。七十何ページの本を。これを配っておって講演で使っておるでいいじゃないかという話は幾ら何でもえりゃあと思いますよ、私。だで、校長さんたちが、教員の皆さんが忙しいと言うんだったら、せめて、ガイドライン、何ページだったか、5ページか6ページか、うまいことできていますわ、見ましたら、確かにわかりやすいように。そういうのも一刻も早くつくって、教員の先生の負担を減らしゃあというふうに、今ごろ研究するとは何事だといって指導したいと思います。 それからもう一個、前から、私、国会議員時代から言っておるんですけど、名古屋はやはり暑いですわ。この間も某官公署の名古屋に来られた局長が、市長、本当に暑いねって言っていまして、それで、本山のあの山の上で51メートルですか、標高、物すごいええところにありますわね。これはこれで歴史的なものがありますので、建物も昔の建物で大変ええ建物だで、そのまま継続していただいて。私、気象台のキャプテンに聞いたんだけど、今までのデータは継続してみえるから、もし名古屋がほかの考えだったら、御自分のところで入れていただいいてと。当然のことながら規格がありますでね、下に緑地をつくるとか何とか、当然のように百葉箱みたいな。当然その規格にのっとって、名古屋へ住む人がやはり正しい温度がわかるように。危ないですから、本当に、これだけ危ないの。だで、これは、ちょうど研究するといって環境局長も言っておりますので、早速研究しまして。むちゃくちゃ暑いところではかるわけじゃないですよ。ほかの20ある政令市の中で一番高いと。高いところにあると低いかというと、多治見はもっと高いですからね。だで、今、ちょっと話があったけど、わしも多治見の最高気温があったときに見に行ったんですよ、場所を。消防署の奥にありまして、消防署の、すぐ横に道路が走っておるんですよ。だから、違うんですよ、全然、その状況が。だで、NHKが、いつも6都市だと名古屋が入っておらぬでけしからんって今怒っておるんですけれども、ぱっとNHKで全国のを見たときのを比較して出てくる温度が、ちゃんとほかの都市並みであるような、やはりそういう仕組みに変えて、やはり名古屋の皆さんの安全を守らないかぬというふうに私は思っております。何……(「埼玉のほうが暑い」と呼ぶ者あり)埼玉は熊谷かね……(「コンクリートの上ではかっている」と呼ぶ者あり)コンクリートの上ではかっておる。それはひでえもんだな。それは違うだろう、それ。 ということでございまして、名古屋市民のやはり安全をちゃんときちっと守らないかぬと、危ないで本当に、これだけ暑いと、と思います。ちゃんと指導してやります。 ◆(沢田ひとみ君) 市長、新規設置をする場合の場所については、具体的にお考えでしょうか。 ◎市長(河村たかし君) 大体、気象台というのは運輸省だったんですよ、昔。だから、今の国土交通省のある役所のあるところにあったもんですわ。東京が、何でか知らぬ、ちょっと高くなりましたけど。だから、名古屋でいうと、そこの三の丸というのかね、官庁街のどこか芝生がちゃんとあって要件が整ったところとかね。わし、前、城西小学校ではかりにいったことあるんですわ、むかついたもんだで、もう表示が低過ぎせぬかと言って。やはりそのときは、ちゃんと百葉箱のあるちゃんとしたところでしたけど、大体1度からもうちょっとやはり表示より高かったですね、これが、キャッスルの向こう側ですけど。その辺のイメージもありますけど、普通だったら本当に今の三の丸の官庁街のところのどこかちょっとお借りして、そこではかれるのが他都市並み、正確な比較が市民の皆さんからするとできるんじゃないかと思っております。 ◆(沢田ひとみ君) 暑さ指数計の全校配備とガイドラインの策定をしていただけるという前向きな御答弁ありがとうございました。子供たちの命を守るために早急な導入をお願いいたします。 そして、官庁街などに気象観測施設の新規設置を検討してくださるとのことで、ありがとうございます。市長が国会議員時代から指摘されておりますし、そのころよりも年々気温が上がってきておりますので、早期実現に向けた対応をお願いし、以上で私からの全ての質問を終わります。(拍手) ○副議長(岡本やすひろ君) 次に、金庭宜雄君にお許しいたします。    〔金庭宜雄君登壇〕 ◆(金庭宜雄君) お許しをいただきましたので、姉妹友好都市から寄贈された屋外モニュメントの展示と今後の交流について質問をさせていただきます。 名古屋市の都心部を貫く久屋大通公園の北エリアとテレビ塔エリアでは、現在、新たな人の交流の場として、開放的で魅力ある都市公園に生まれ変わることを目指し、国内最初の電波塔である名古屋テレビ塔のリニューアルとあわせ、来年春と夏の完成に向け工事が着々と進められています。 歩道との段差がなく一体化した芝生広場や、ライトアップされたテレビ塔のイメージ図など、新しく生まれ変わる公園エリアの完成イメージが7月に新聞紙上でも紹介されたところであります。心躍るその記事を読み進めるうちに、我が目を疑うような衝撃を受ける内容が飛び込んできました。それは、友好都市が名古屋市に寄贈した計10基のモニュメントのうち2基を別の場所に移設し、劣化で移動が難しい8基については撤去するというものでした。 姉妹友好のあかしとして寄贈していただいた大切なモニュメントを本当に撤去処分するのか、私は半分疑いの気持ちを持ちながらも、早速各局に確認したところ、劣化が激しいモニュメントや一体展示としての役目を終えたプレートについては撤去しますとの回答であり、市長はこのことを知っているのかとただしたところ、市長にも報告し了承していただいていますという回答であり、私は驚きを禁じ得ませんでした。 友好都市から寄贈された屋外モニュメントとはどのようなものであったか、ここで改めて確認をしたいと思います。 久屋大通公園テレビ塔以北の北エリアは、姉妹友好都市記念広場としてロサンゼルス広場、メキシコ広場、南京広場、シドニー広場と名づけられ、各都市から贈られた特色あるモニュメントが配置された都心のオアシスとして多くの市民に親しまれてきました。 これまで最も多くのモニュメントを展示していたロサンゼルス広場には、ロサンゼルス市と名古屋市の友情と交流の歴史を末永く記念するために贈られた約1億8000万年前のロサンゼルスの石や、姉妹都市20周年にはロサンゼルスの有名な芸術家による作品「フレンドシップパターンズ」が、そして25周年の年には、トム・ブラッドリー・ロサンゼルス市長を団長とするロサンゼルス親善使節団約70名が本市を親善訪問し、友情のあかしとしてハリウッドの象徴ともいうべきマンズ・チャイニーズ・シアターの映画俳優の手形やサインをかたどったプレートのレプリカと、アメリカの国鳥であるハクトウワシの彫刻を直接寄贈していただきました。 30周年の年にもブラッドリー市長にお越しいただき、オードリー・ヘップバーンやシルベスター・スタローンなど25人の有名人の名前が刻まれた星型の「ウォークオブフェイム(有名人の道)」の除幕式が挙行されました。 さらに50周年には、町の名前に由来して、天使が名古屋市を見守ってくれることを祈っていますとのロサンゼルス市民からのメッセージが込められたタイル画「戯れの天使」が寄贈されています。ちなみに、この除幕式には河村市長も出席されていらっしゃいます。 次に、メキシコ広場にはアステカの暦、月の女神コヨルシャウキの石碑、トゥーラの戦士像といった、メキシコ国立人類学博物館で特別展示されている貴重な国の宝を複製したものが寄贈、展示されていました。 また、南京広場には、6世紀梁朝時代の華表の複製石柱が寄贈され、シドニー広場には、最初に移民がオーストラリアに渡った英国船シリウス号のいかりの複製が、それぞれ寄贈展示されていました。 名古屋市と姉妹都市との友好の歴史を記し、長く親しまれてきた姉妹友好都市記念広場は、新たなステージを迎え、親しまれ愛される公園として生まれ変わる日を迎えます。これまで名古屋と姉妹都市の市民を結ぶ変わらぬ友情のあかしとして名古屋市民に贈られた友好のモニュメントのほとんどが消え去ろうとしている今、名古屋市の姿勢は本当にこれでよいのかという率直な疑問の上で、以下質問をさせていただきます。 この際、所管局を整理しておきます。 公園管理者は緑政土木局ですが、久屋大通公園のリニューアル整備工事はPark-PFI制度を活用した整備事業が採用されており、その時点から住宅都市局が所管局となっておりますので、よろしくお願いいたします。 初めに、姉妹都市交流におけるこれまでの本市の姿勢と今後の取り組みについて、観光文化交流局長にお尋ねいたします。 次に、姉妹友好都市記念広場にあった屋外モニュメントのこれまでの管理状況について、緑政土木局長にお尋ねいたします。 次に、新聞報道では、ロサンゼルスの石と南京市からの華表の複製は移設されるが、そのほかについては撤去するとあり、その意思決定に至った経緯について住宅都市局長にお尋ねし、第1問といたします。(拍手) ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) 姉妹友好都市との交流におけるこれまでの姿勢と今後の取り組みにつきましてお尋ねを頂戴いたしました。 姉妹友好都市の理念は、1950年代にアメリカで提唱されました市民の相互理解を深めることで世界平和の実現を目指すというものでございます。 姉妹友好都市との交流の意義、そして目的は、市民の皆様からの機運の盛り上がりによって結ばれた二つの都市の市民が、積極的に多面的な交流を図りながら、人種や国境を越えて相互理解と親善を深めることと認識をいたしております。平成28年度に国際交流を観光文化交流局で所管して以降、それまでの儀典中心から、より実益ある姉妹友好都市との交流を目指しているところでございます。 こうした認識のもとに、具体的には観光PRや経済セミナーなど、実際の人の往来や投資の促進につながる事業に注力し、そうした交流を通じまして地域の振興、活性化にもつなげてまいります。 さらに、本年からは、市民の皆様に姉妹友好都市をより身近に、そして体感的に知っていただくため、従来からの音楽やダンスのステージに加え、各都市の食や物産、観光を紹介するブースを展開するシスターシティ・コレクションを名古屋まつりにあわせまして、拡充した新たなイベントとして名古屋城で開催する予定でございます。 また、本年は本市にとりまして最初の姉妹都市であるロサンゼルス市との提携60周年に当たり、シスターシティ・コレクションの中でもそのことを大きく取り上げてまいりたいと考えております。60年前、伊勢湾台風の際にロサンゼルス市から受けた支援につきましても紹介をし、市民と市民の心温まる交流の歴史にも焦点を当ててまいりたいと考えております。 今後も、ロサンゼルス市、メキシコ市、南京市、シドニー市、トリノ市、ランス市の六つの姉妹友好都市とのきずなを大切に、より人的・経済的交流を図れるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎緑政土木局長(山田淳君) 緑政土木局に対しましては、久屋大通公園の屋外モニュメントのこれまでの管理状況についてお尋ねをいただきました。 久屋大通公園には、姉妹友好都市であるロサンゼルス市、メキシコ市、南京市及びシドニー市から寄贈されたモニュメントが10基設置されておりました。これらのモニュメントにつきましては、材質に合わせた清掃を年に1回程度行うとともに、一部ではございますが、補修等も行ってまいりました。 メキシコ市から寄贈され、昭和53年に設置されたアステカの暦など、多くのモニュメントは設置から30年以上が経過し、木材の腐食や強化プラスチックの劣化等が目立ってまいりましたが、公園利用上の安全性につきましては、職員の点検により確認してきたところでございます。 以上でございます。 ◎住宅都市局長(光安達也君) 住宅都市局には、久屋大通公園の屋外モニュメントの移設、撤去の経緯につきましてお尋ねをいただきました。 姉妹友好都市モニュメントにつきましては、友好を記念して贈られてきたという経緯を踏まえまして、残置または園内移設を前提として、久屋大通公園(北エリア・テレビ塔エリア)整備運営事業の民間事業者公募を行い、平成30年2月にPark-PFI事業者を決定いたしました。 その後、平成31年1月に工事に着手し、確実な移設方法を検討するため、事業者が専門調査会社に現地の詳細な調査を行わせた結果、10基のうち8基のモニュメントにつきましては、亀裂や剥離、破損、腐食など経年劣化が想定外に進んでいることが判明いたしました。これらにつきましては、移設をする際に破損が拡大し原形を保てないことや、移設後の安全性が十分に確保できない可能性があることなどが明らかとなりましたので、大変残念ではございますが、撤去することが必要と判断しました。 そのため、姉妹友好都市にこの状況を報告し御了解をいただいた上で、令和元年6月に8基のモニュメントを撤去することといたしました。 なお、残る2基の華表とロサンゼルスの石につきましては、姉妹友好都市にゆかりのある場所へ移設して活用してまいります。 以上でございます。 ◆(金庭宜雄君) それぞれ御答弁いただきましたが、姉妹友好都市と名古屋市民とのこれまでの交流の深さから推しはかってみても、寄贈していただいたモニュメントの8割を一方的に撤去処分しなければならないというのが、ただただ残念でなりません。 各都市には今回の件について報告した上で御了解をいただいたと聞きましたが、亀裂や剥離、また、破損や腐食という経年劣化だということですが、保全管理がしっかりしていれば、何らかの保護や未然防止を図ることができたと思います。公園の安全管理上は問題なくても、友好の贈り物の保全管理には大いに問題があったと指摘しておきます。 私は6年前の平成25年9月定例会において、久屋大通公園のロサンゼルス広場の寄贈品が炎天下にさらされていることから、このすばらしい贈り物の存在をいまだ知らない市民の方がいらっしゃるとしたら、足を遠ざけるような扱いとなっている状況では申しわけないと指摘しましたが、結果として撤去処分ということになってしまったことに対して本当に申しわけない気持ちで質問に立っているわけです。 そこで、観光文化交流局長に再質問いたします。 皆様の机上に配付した写真をごらんください。 先ほど紹介した姉妹都市25周年記念のハリウッドの「マンズシアタープレート」です。片面には、映画「風と共に去りぬ」の俳優クラーク・ゲーブル、もう一面は、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」などの主演女優ジュリー・アンドリュースの手形とサインが記されています。このほかにもマリリン・モンロー、チャールトン・ヘストン、グレゴリー・ペックといった名だたる俳優のプレートが合わせて5枚あります。これらは、破損も汚損もしていません。ごらんのように厳然と残っています。安易に撤去せず、再び多くの市民の目と手で触れられるよう、しかるべき場所への再展示を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
    観光文化交流局長(松雄俊憲君) 屋外モニュメントの一部の活用につきまして再度の御質問をいただきました。 姉妹友好都市モニュメントにつきましては、久屋大通公園再整備の計画の早期の段階から、可能な限り、維持、保存、活用が図られるよう調整してまいりましたが、経年劣化が予想以上に進んでおり多くの部分を撤去せざるを得ないことは、国際交流を所管する立場としては大変残念に感じております。 ただいま議員御指摘のプレートにつきましては、これまで撤去を前提に原寸大写真パネルを作成してシスターシティ・コレクション等のイベントの中で展示することを住宅都市局とともに計画していたところでございます。幸いにも、このプレートは工事の過程でモニュメントから取り外すことが可能と判明いたしましたので、せっかく残すことができましたので、原寸大写真パネルとともに、再展示も含めてその活用について住宅都市局とともに早急に検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆(金庭宜雄君) ただいま観光文化交流局長から、「マンズシアタープレート」の再展示と活用方法を検討するとの答弁をいただきました。もうこれは、ここまでの努力をするのは、もう私は当然だというふうに思います。1984年、寄贈品のプレートに対する返礼品として名古屋市からロサンゼルス市役所前に時計塔を寄贈設置しました。これには総額1400万円の費用が充てられたそうです。つまり、大変価値の高い貴重なプレートであるということを名古屋市が認識したのだと推察できます。このプレートは、名古屋市民への愛のしるしですとのブラッドリー市長の言葉が当時の新聞に紹介されていました。この言葉に込められた友情を忘れないためにも、どうか二度と手に入れることのできない「マンズシアタープレート」の展示方法を早急に検討し示していただきますよう、よろしくお願いいたします。 さて、名古屋市は1959年の4月1日に初めての姉妹都市としてロサンゼルス市と提携を結びました。そして、半年後の9月に名古屋市を襲った伊勢湾台風で未曾有の被害を受けたとき、真っ先に救援物資を送ってくださったのがロサンゼルス市でした。当時の日本円で約1100万円もの義援金も頂戴しています。私たちは、この御恩を決して忘れることはありませし、忘れてはならないと思います。 以降、先人の方々の努力の積み重ねと両市民の幾重もの交流を経ながらかたく結ばれた友情のきずなは、本年60周年を迎えることができました。この議会の後、名古屋まつりのお客様としてお迎えします。そして、丹羽議長を団長とする議会の代表がロサンゼルス市姉妹都市提携60周年公式代表団として市長とともに訪問派遣も予定されています。 そこで、市長にお尋ねいたします。姉妹都市からの友情のあかしでもあるモニュメントを撤去することについて理解されたと聞きましたが、今後の名古屋市民と姉妹都市の市民との友好関係の構築について、市長の見解をお聞かせください。 ◎市長(河村たかし君) 撤去について理解されたということになっていますけど、どうも説明があった記憶はあるんですけど、やっぱり大事にできるものはしてちょうよとは言った記憶はあるんだけど、ないかね、これ、たしかそう思いますよ。 ほんだで、今話がありましたように、クラーク・ゲーブルとジュリー・アンドリュースですか、この辺は残せるようだというふうですが、ほかのものも、やっぱり気は心と言いますので、やっぱり一遍もう一回とりあえず全部当たってちょう、一遍。全部一遍ね。領事館さんに言って、ぱっと言えば、やめてくれとは言いませんので、普通は、そういうふうになってくると思うけど、もう一歩踏み込んで、残せるものは残すと。 姉妹都市なんか、僕はどっちかというと外人大好きだもんで、やはりフレンドリーですから、心だわね。だで、こういうモニュメントもそうだけど、大体外国へ行きますと向こうの言葉で1曲歌を歌いまして、覚えるのは結構大変なんですよ、実は、言語で。そういうことで、名古屋というのは非常にフレンドリーな町だなというふうに思われるように、実際に、口先だけで友情だと言っておるのではなしに、そういう対応を心がけております。 ◆(金庭宜雄君) 市長さん、ありがとうございました。市長さんが海外でフレンドリーな態度をされるのを私も目の当たりにしておりますし、一緒に歌を歌わされたこともありますのでよくわかっておりますけれども、こういう記念の品というものは、ほかにも当然、公館の地下1階にも展示室がございます。屋外展示をする展示物というのは、やはり風雨にさらされることもありますので、それは室内展示と同等にしっかりとやっぱり保全管理をしなければならないじゃないのか。これは改めて私が言わなくちゃいけない話なのかな。なぜかというと、この寄贈品というのは、名古屋市にいただいたというよりも名古屋市民にいただいた、これは公共物です。公共物であるということは、当然のようにこれは保全管理に心がけねばならないとここであえて申し上げなければならないということをぜひぜひ受けとめていただけるようお願いしたいと思います。 市長さん、さまざま、このほかにも市内には屋外展示物が展示されています。主に公園とかに寄贈されているものがありますので、これが経年劣化によってまた壊れてしまう、また移設が不可能になってしまう、こういったことがないようにぜひとも大事にしていただきたいという、市長さんも、ぜひそのことを心がけていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 先日、私は今申し上げた、市内にあるほかにある展示物がどういうふうになっているかというのを確認してきました。日曜日の日に、あの炎天下の中、私は東山動植物園に行きまして、植物園のところに展示してあるというふうにホームページを見て書いてありましたので、それを見に行ってまいりました。 紙芝居ではありませんが、見せないとわかりませんのでお見せしますが、これが名古屋姉妹友好都市協会のホームページに載っているプレートです。これは、東山動植物園の70周年を記念して2007年、12年前ですね、2007年にトリノ市からいただいたものであります。 これ、トリノの王宮の大広間に展示されている古代のプレートの複製なんです。これが飾られておりますので、私は、お花畑という急な勾配の坂を一生懸命上がって、登りついたところがお花畑というところだったんですけれども、そちらに行って見てきました。今どうなってるのかというと、今こうなっていました。汚れているとかそういう話じゃありません。草ぼうぼうで、全くこのものが何なのかということすらわかりません。 もう一回見せます。 これはホームページに載っていますので、これを見た方が、これをイメージして見に行っているんですね。そのときにこうだったとすると、どんな気持ちになるでしょうか。わざわざこんなことをこの議場で示さなければならないというのは本当に悲しいです。 私は、ここに草が生えているんじゃなくて、根っこが生えているんですね。太い幹になっているんです、12年たっていますから。こういう状態になっているというのは、やはり公共物としての扱いであるのかどうか、私は、非常にこれは疑問に思いますし、ぜひともこれは反省していただきたい。これは一部かもしれません。ほかのものはどうなっているか、全部もう見ることはありませんが、どえらいおもしろい名古屋のブラックジョークじゃ済まされないこの非礼ぶりを見て、私は両膝から崩れ落ちる思いでした。本当にこれは反省していただきたいと思います。もうこれは、ガバナンスの劣化なのか、それともモチベーションの低下かモラルの低下かわかりませんけれども、とにかく市内各所に点在している、この友好都市からの屋外モニュメントを総点検していただくとともに、責任ある保全管理の徹底を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岡本やすひろ君) 次に、浅井正仁君にお許しいたします。    〔浅井正仁君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◆(浅井正仁君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。 まず最初に、イノベーション戦略について。 1990年代初頭のバブル経済崩壊以降、我が国の経済成長は低迷しており、この低迷した期間は失われた20年と言われています。この失われた20年の間に、さまざまな分野で格差が広がり、進展する少子高齢化と相まって、長期化するデフレの中、企業も設備投資や研究開発費用をセーブしてきました。その結果、技術・経済発展の目覚ましいアジアを初めとする諸外国に技術力の点で追いつかれ、分野によっては追い越されてしまうという事態にもなっています。 また、将来への不安や所得減少から消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷しデフレを加速するという悪循環から抜け出ずにいたところに、風穴をあけるべくアベノミクスの成長戦略が打ち出され、デフレマインドを一掃するための大胆な金融政策という第1の矢、湿った経済を発火させるための機動的な財政政策という第2の矢、そして第3の矢、企業や国民の自信を回復し、期待を行動へ変える新たな成長戦略として、平成25年には日本再興戦略が打ち出されました。 日本再興戦略では、攻めの経済政策を実行し、新たな成長分野を切り開いていく、すなわちイノベーションを起こすことで、よどんでいた人、物、金を一気に動かすとともに、平成29年の成長戦略である未来投資戦略、今年度策定された成長戦略でもイノベーションの必要性がうたわれており、国を挙げてイノベーションの促進が図られてきました。 こうした国の動きを受け、横浜市では、ことし1月に研究者、技術者、起業家、学生などの人材が組織を超えてネットワークを広げ、新たなイノベーションを創出するべくイノベーション都市・横浜を宣言。また、ことし10月の開設に向け、イノベーション推進のハブとなるベンチャー企業成長支援拠点の整備を進めています。 また、大阪市では、平成25年4月に起業家や技術者が集まるイノベーション創出支援拠点を目指し、大阪イノベーションハブを開設。さまざまなセミナーやピッチ、ワークショップなどのイノベーション創出のためのイベントを開催しています。平成30年には、大阪市成長戦略において、新たに重点化を図る4分野のうちの一つとして第4次産業革命に対応したイノベーションの促進と生産性向上を掲げ、より一層のイノベーション創出に力を入れています。 福岡市でも、平成24年9月にスタートアップ都市ふくおかを宣言し、創業を支援することで時代の変化に対応した革新的なサービスやイノベーションを生み出すための支援に他都市に先駆けて取り組んでおり、小学校校舎を活用した官民協働型福岡グロースネクストを開設しました。 国のイノベーションの創出の動きに対し、他都市はアベノミクスの方針を的確につかみ、イノベーションの創出に取り組む中、本市はイノベーションの創出にどのように取り組んできたのでしょう。ナビ白金などビジネスインキュベーターの取り組みを初めとする次世代産業育成には、これまでも個々に取り組みが行われてきたと思いますが、本市においても、今後より強固な取り組みが必要と考えます。 そこで、市民経済局長にイノベーション創出に対する本市の認識についてお尋ねいたします。 続いて、名古屋城について質問させていただきます。財政局については、質問を割愛させていただきます。 これで、名古屋城の質問も連続6回となりました。このままいくと、ギネスに挑戦という大きな課題が来るのではないかと思っております。 ここに、皆さん御存じの職員録があります。この裏にはロサンゼルス60、そしてもう一つ、伊勢湾台風60と記載されております。 しかし、この名古屋市においてもう一つ忘れてはならぬものがあります。それは、皆さんが名古屋のシンボルとしてきた名古屋城であります。同じ観光文化交流局なのに、ロサンゼルスには900万円の予算をつけ、名古屋城は予算ゼロ、セレモニーもイベントも何もしない。60年間、名古屋市、そして名古屋市民のシンボルであった名古屋城に対して、今までは周年で何らかのイベントをしていたのに、なぜことしは何もしないんでしょうか。世間から遠い存在にしたいのか、はたまたあるものをないように印象操作をしたいのかはわかりませんが、人間なら赤いちゃんちゃんこを着てお祝いをしてもらうのに、これでは余りにも寂しい、ひどい仕打ち、名古屋城は泣いています。ならば、60年間ありがとうの気持ちを込めて何らかのお祝いのセレモニーをするべきだと思います。 例えば、最後の周年になるかもしれないので、現天守閣の価値を、市民の皆さんにどれだけ愛されてきたのか、名古屋城が初デートだったりファーストキスの場所が名古屋城であったり、たくさんの思い出が皆さんもあると思います。 そして、市長、市長においても、これは当選したときですかね……(「新進党のときだわ」と呼ぶ者あり)新進党のときだそうです。市長のバックには、今なくなるかもしれない名古屋城が輝いています。そして、市長も思い出がたくさんあると思います。 そして、こういった市民の皆さんが60年間愛してきた、そして親しんできたシンボルだと思った名古屋城に、今、予算も何もついておりませんけれども、何とかイベント、セレモニーを行うことができないのか、まずは観光文化交流局長さんに御答弁をお求めします。 そしてもう一つ、この60周年の記念事業の一環として、現在の名古屋城にいわば勲章みたいなものを贈りたいと思っております。 聞くところによると、現在の天守閣は、国の登録文化財への申請の要件を満たしている価値のある建物だそうです。今後、将来的には木造天守閣に復元されるために壊されることから、今さら国の登録文化財への申請はできないでしょうが、文化庁さんから復元に当たり現在の天守閣の価値を評価しなさいという宿題が出されています。この60周年という機会を捉えて、現在の天守閣がどれほどの価値のあるものか、例えば市の指定文化財にできる程度のものなのかなどを教育委員会が所管する文化財調査委員会に諮問していただきたいと思っております。 文化庁が木造復元に当たり宿題としている現在の天守閣の価値の評価を行うこともできますし、今の天守閣に敬意を払い、市の指定文化財という名誉の称号を授けていただけるかもしれない。 教育長さんは、いずれ壊されるから保存を前提とする市の指定文化財にはそぐわないと言われるかもしれない。しかし、私が言っているのは、それはあなたが判断することではなく、諮問を受けて文化財調査委員会が判断して答申するものだと思っております。 聞くところによると、現在の天守閣の解体申請に当たり、文化庁に対して、判断するのは審議会なので、とにかく審議会で議論をしてほしいとお願いしたと聞いております。市の指定文化財としてふさわしい建築物かどうかは文化財調査委員会が判断することなので、ぜひとも諮問していただきたいと思います。たとえ指定できると判断されても、そのときに教育長さんが、いずれ木造天守閣に復元するために取り壊されることから指定は見送ると判断すればいいんです。私が知りたいのは、今の天守閣の価値の評価、そして、現在の天守閣に最後の名誉を与えたいという思いです。教育長さんの答弁を求めます。 次に、今回、文化庁の文化審議会で継続との判断がされ、5項目にわたる指摘がされたことについて私なりに検証してみましたが、やはり今回の文化庁との判断の食い違いの原因は、名古屋市の教育委員会と文化庁の考える文化財保護の視点が全く違ったことではないかと思います。 教育委員会の文化財保護の担当者は、名古屋城と一緒になって頑張ったから文化庁に申請したと言った。名古屋城が頑張ったから申請したいというのは当然だが、教育委員会は、あくまでも文化財保護の視点が必要です。なぜ石垣部会が文化財の保護に課題があるという意見であったにもかかわらず、名古屋城の提出した資料で文化財の保護は十分担保できるとする副申書を教育長が書いたのか。文化財の保護という同じ視点の石垣部会と教育長の判断が、なぜこのように食い違ったのか、教育長さんはどのようにお考えなのか、御答弁を願いたいと思います。 ところで、今回質問させていただくに当たり、観光文化交流局長さんともいろいろ意見交換をさせていただきました。その中で、議会側から木造復元を反対しているのではないこと、文化財である石垣の保全を最優先とするべきであり、石垣部会の皆さんとも真摯に話し合うことが必要、そして、文化庁との協議も信頼関係の上で行うことなど、意見として再三お伝えしてきました。 ところが、観光文化交流局長さんからは、本当に意外な発言が出てきました。6月議会のときでした。観光文化交流局と石垣部会の意見の相違があれば、石垣部会の委員にはやめていただくと発言されたことです。これは複数の議員の方も聞いています。 そして、今回の議会中に、観光文化交流局長さんからさらに衝撃的な発言がされました。それは、私たちがこのままでは現状を簡単に打開できないのではないかとの指摘に、観光文化交流局長さんは、同席した観光文化交流局の職員を外に出し、そして、私たちに、ある大物国会議員に頼んであるからうまくいくと言われました。名前は市長に聞いてくれと言われた。びっくりしました。 自分たちがなすべきこともしないのに、そんたくを期待するなんてことは、慶長期からの加藤清正が組んだ石垣、日本の宝である史跡を、口ききをすればどうにかなると、文化財をその程度に考えているのか。課題を一つ一つ、石垣部会の先生や文化庁の意見を聞きながら解決して、文化財を未来永劫につなぐために石垣部会の先生たちは一生懸命議論、研究をしているのに、何か勘違いしているのではないかと思います。 そして、石垣部会の方々と意見の相違があればやめさせると言われましたが、現在意見が相違しています。ならば、観光文化交流局長さん、いつ石垣部会の皆さんをやめさせる御予定なんでしょうか。 また、なぜ大物国会議員に頼んだから大丈夫だと思うのか、その理由を端的に教えてください。 次に、もう一点、名古屋城では新たに埋蔵文化財部会というのをつくって名古屋城の調査体制を充実させると言われていますが、これは文化庁にも事前に調整して了解をいただいていると、さきの石垣部会でも報告をされました。そして、石垣部会の了承も得たという認識でお話しをされました。 しかし、私が聞くところによると違うんです。文化庁も石垣部会も賛成はしていないというんです。これはどういうことなんでしょう。どちらがうそをついているんでしょうか。観光文化交流局長さんに御答弁を求めます。 そして、観光文化交流局長さんにお伺いしますが、今回提出している解体の申請について、2022年に間に合わすために解体先行にしたと言っていたのだから、断念した今、解体申請を一旦取り下げて復元の申請とともに提出すべきだと考えますが、取り下げる考えはありますか。仮に取り下げないとするならば、文化庁さんからは、今後5項目の宿題を解決するまで、申請を受け付けたまま数年間ずっと継続あるいは保留などという状態で、解体の申請書を預かっていただく方法を推奨しているという理解でよろしいでしょうか。万一にも推奨いただいていますと答弁後、文化庁さんから申請書は一旦お返ししますなんてことは言われませんよね。観光文化交流局長さん、結論を端的に、明確に御答弁ください。 これをもちまして、1回目の質問を終わります。(拍手) ◎市民経済局長(中田英雄君) 市民経済局には、イノベーション戦略についてお尋ねをいただきました。 当地域の産業を持続的に発展させていくためには、企業のイノベーション活動を促進していくことが重要でありまして、本市では企業のイノベーション創出を目的とした各種の施策を実施しているところでございます。 具体的には、「NAGOYABOOST10000」といたしまして、物づくり技術に新たな価値を付加するICT企業等の交流を促進するイベントや、イノベーターの育成プログラムを実施しておるところでございます。この事業への参加者の中からは、起業する方や新規事業開発に取り組む方が輩出されているところでございます。 さらに、今年度新たに経済界と連携をいたしまして、イノベーション拠点であるナゴヤイノベーターズガレージを栄地区に設置するとともに、名古屋駅には旧那古野小学校を活用したスタートアップ支援施設である、なごのキャンパスが10月下旬に開設される運びとなっているところでございます。 また、本定例会にて御審議いただきます名古屋市総合計画2023におきましては、イノベーション戦略を掲げまして、本市においてイノベーションを積極的に推進する姿勢を示しております。 しかしながら、他都市におきましては、本市に先駆けイノベーションに取り組む姿勢を明確にしておりまして、出おくれている面もあるものと認識しているところでございます。今後、おくれを取り戻すべく、他都市の取り組みも参考にしながら、イノベーション創出の支援施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) 名古屋城に関しまして、5点の御質問を頂戴いたしました。 まず、現天守再建60周年の取り組みに関連いたしまして、60周年事業の実施についてお尋ねを頂戴いたしました。 名古屋城における過去の周年事業を振り返りますと、再建25周年に当たる昭和59年度に名古屋城博を実施いたしました。 また、その後の天守閣再建周年事業につきましては、経常的に実施する天守閣内での特別展示などに周年記念事業の冠をつけて実施してまいりました。 ただいま議員から貴重な御提言をいただきましたので、長年にわたり名古屋城を愛してくださる市民の皆様、来場者の皆様に感謝の気持ちを込めて、10月から11月にかけて開催する名古屋城秋まつりを皮切りに、天守閣再建60周年を記念するような取り組みを検討してまいりたいと考えております。 名古屋城にお越しいただく皆様には、60年前の天守閣竣工に思いをはせていただくとともに、名古屋城における新たな思い出づくりの場を提供してまいりたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。 次に、私の石垣部会構成員の解嘱の発言についてお尋ねをいただきました。 本年4月に局長を拝命して以来、6月の時点までにおきましては、天守閣木造復元事業は2022年12月竣工が至上命題であり、達成すべき事業目標をなし遂げるために一心不乱で取り組んでまいりました。 そうした状況の中で、木造復元事業を一歩でも進めるために、石垣部会の構成員の方々との議論が対立構造のような状況を打開する必要があり、そのための相互理解がもはや不可能な状況が続く場合には、委員をやめてもらう趣旨の発言をしたことは事実でございます。 しかしながら、今、事業を進めていくために、現天守閣の解体に係る必要なクリアすべき調査・検討を迅速に進めることが不可欠であり、市長からも石垣部会との関係を構築し、石垣部会の方針をまとめ、文化庁とも調整を図るよう指示を受けており、私自身、先頭に立って決意を新たに邁進してまいりたいと考えております。 これまでの対応を真摯に反省し、今後も事業を進めていくに当たり、現在の石垣部会の構成員の方々には最大限の御協力をいただきたいと考えており、引き続き専門的な知見から御指導を賜りたいと考えております。 次に、国会議員の方への調整依頼について御質問をいただきました。 本年7月末時点において文化庁を訪れた際には、現天守閣の解体に係る現状変更申請の審議状況が、これまでよりも厳しい状況にあるとの受けとめをいたしました。それ以降、市長を初め、できる限りあらゆる方面への情報収集や調整を行ってまいりました。 そうした中で、ある国会議員の方から市長に対しまして地下遺構の把握など不足している調査・検討を迅速に進める必要があるといった課題や石垣部会との意見をまとめる必要性などについて、丁寧に御指導、御助言をいただいたと市長から承りました。市長は、こうした御助言や、市長自身もクリアすべき調査・検討等を熟慮された上で、2022年12月の竣工の延期期限を延ばす決断に至ったことは事実でございます。木造復元事業を一歩でも進めていくために、石垣部会を初め関係者との協議を踏まえながら誠心誠意力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、埋蔵文化財部会設置に関する文化庁及び石垣部会の見解でございます。 8月5日の石垣部会におきまして、名古屋城内の埋蔵文化財について検討する場として、新たに埋蔵文化財部会を設置することを検討していることを御報告いたしました。石垣部会からは、新たな部会を設けるよりは、城内の埋蔵文化財も審議できるよう、現在の石垣部会を拡充することが望ましいとの御意見を頂戴しております。 私どもといたしましては、文化庁へ事前に説明を行い了解をいただいたつもりではいましたが、その後、理解がされていないということが判明したため、石垣部会の後、その報告のため改めて文化庁に伺った際には、石垣と埋蔵文化財は密接に関連するため、埋蔵文化財部会の設置につきましては十分検討するようにとの御助言を頂戴いたしました。文化庁からの助言や石垣部会の御意見を参考に、埋蔵文化財部会設置の可否も含め、城内の埋蔵文化財を審議する体制につきまして改めて検討してまいりたいと考えております。 最後に、解体の現状変更申請の取り下げについてお尋ねをいただきました。 文化庁に対しましては、現天守閣の耐震性能が低く、危険な状態にあり、このまま放置することはできないこと、また、現天守閣再建時に大規模に改変された穴蔵石垣の現況把握を行い、天守台石垣を適切に保全する必要があることから、現天守閣を解体する現状変更許可を先行して申請をいたしております。現在、文化審議会で審議中でございますことから、解体の現状変更申請を取り下げる考えは持っておりません。 しかしながら、現天守閣解体の現状変更は、現時点で許可を得ることができておりません。文化庁といたしましては、石垣等遺構の現況把握の調査が不足しており、そうした調査の結果に基づき、遺構に影響がない工法、確実な保存を図る計画が講じられるべきと考えているとのことでございました。そのため、不足している内堀や御深井丸の地下遺構に関する発掘調査、大天守台石垣のはらみ出しや石垣背面の空隙の有無に関する検討を迅速に行い、石垣部会の方針を取りまとめてまいりたいと考えております。 また、文化庁も将来的な木造復元の方針があるならば、本来解体と復元は一体として申請されることが望ましいと考えているとのことでございますので、本市といたしましても天守閣復元の見通しがないまま天守閣がない期間が長く続くことは望ましくないと考えております。解体の現状変更申請を取り下げるのではなく、その内容について御理解をいただいた上、引き続いて速やかに木造復元の御審議をいただき、許可が得られるよう、その手続や方法、時期につきまして文化庁と調整を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(鈴木誠二君) 名古屋城に関しまして、教育委員会には2点のお尋ねをいただきました。 まず、現天守閣の市指定文化財としての指定についてでございます。 指定文化財の制度は、歴史上、芸術上、あるいは学術上などの観点から、価値の高いものを適切に保存し活用することを目的とするものでございまして、本市におきましても、市の区域内に所在をする文化財のうち重要なものを、所有者の同意のもと126件指定しているところでございます。 現在の天守閣を市の指定文化財にしてはどうかとの質問でございますが、天守閣につきましては、木造復元をするという市の方針があり、そのために現天守閣は解体するための現状変更許可を申請している、その現状におきまして市の文化財として指定することは、その制度の趣旨に合わないものと考えております。 次に、教育委員会と石垣部会の判断の食い違いについてでございます。 石垣部会は、現天守閣解体の現状変更許可申請に対する意見として、調査が十分行われておらず現状把握ができていない中で結論が導き出されているのは承服しがたいと指摘しております。 一方、教育委員会は、副申の中で、解体工事に伴う仮設物が地下の遺構に与える影響につきましては、事前の発掘調査及びその結果を踏まえた検討を行うことを盛り込んである計画であるという点を認めた上で、その調査・検討の結果、必要があれば施工内容を変更することを許可の条件とするとの意見を述べております。したがいまして、必要な調査を行うタイミングやその内容について両者の考え方に差があることから、判断に相違が生じたものと考えております。 以上でございます。 ◆(浅井正仁君) 答弁ありがとうございました。 イノベーションのほうからやらさせていただきます。 市民経済局長さん、御答弁ありがとうございました。他都市は、以前からイノベーション創出について国内外に強いメッセージを発信しており、その点では本市はおくれていると言わざるを得ません。非常に残念であり、そのおくれを取り戻すよう、新たな施策を含めた取り組みの強化を早急に実施すべきだと思います。 愛知県では、ことし9月に、年度途中にもかかわらず経済産業局内にスタートアップ推進課を新たに設置し、革新的なビジネスモデルや最先端技術を持つスタートアップを起爆剤としたイノベーション創出に取り組む体制を鮮明にしました。車の自動運転化にIT企業が積極的に参入するほか、AIの進化などの技術革新は過去にないスピードで進んでおり、あらゆるものがITを通じて結びつくなど、産業を取り巻く環境は、従来の物づくりという言葉で語られてきた世界とは異次元の世界に突入しています。 私は、このままでは当地域の経済が停滞してしまうのではないかと危惧しています。まさに不退転の覚悟を持って産業振興に取り組んでいくという姿勢を示すべきだと考えていますが、本市が他都市を、さらに世界をリードする産業創出に取り組んでいくことに関し、堀場副市長にその決意をお伺いいたします。 ◎副市長(堀場和夫君) 私にイノベーション戦略について決意の御質問をいただきました。 当地域は、これまで自動車産業を初めとする物づくりの拠点といたしまして大きな発展を遂げてまいりましたが、議員御指摘のとおり、産業を取り巻く環境は急速に変化しており、当地域がこれまでのように世界をリードする産業競争力を維持するためには、イノベーションの創出が不可欠であると考えております。 イノベーションの創出は、経済の活性化や若い世代にとり、魅力的な雇用機会の確保につながる重要な課題であり、また、国内外における都市間競争が激しさを増している現状を踏まえますと、強い経済を基盤とし安定的な雇用や都市のにぎわいを持続的に発展させていくために、本市としても重点的に支援していくべきものと考えております。技術革新や少子高齢化により産業構造が大きく変化することを踏まえ、産業振興に積極的に取り組むというメッセージを国内外に発信し、当地域から日本、世界に誇れる産業の創出に取り組んでまいります。 以上でございます。 ◆(浅井正仁君) ありがとうございました。愛知県のように顔となる組織が見えることは、それだけ自治体が本気でイノベーション、つまり産業振興に取り組んでいくという姿勢のあらわれです。 愛知県は、経済産業局内の一部としてスタートアップ推進課を新設しました。名古屋では、過去の局再編により市民局と経済局が一緒になって市民経済局ができましたが、いっそのこと、再び経済局を独立させ、新産業を育成するイノベーションに取り組む部門として経済局として独立させ、産業振興に対する本気度を内外に発信してはどうかと申し上げ、とりあえずイノベーションの質問は終わらせていただきます。 続いて、名古屋城であります。 教育長さんに質問をさせていただきます。教育長さんは、先ほどの石垣部会の意見と教育委員会の副申書の食い違いについて、必要な調査を行うタイミングや内容について両者の考え方に差があるとの御答弁をいただきました。わかりやすく言いかえると、観光文化交流局が考える調査のタイミングや内容について、教育委員会は合意しているが、石垣部会の意見とは違うということですよね。 しかし、今後は石垣ファーストとしていくと市長さんも表明されていますので、石垣部会が意見で述べている調査のタイミングや内容が原則となるわけです。そうなると、教育委員会の副申書で判断した調査のタイミングや内容とはおのずと違ってきますので、当然副申書を文化庁に出し直す必要が出てきますが、差しかえて済むのか、一旦申請を取り下げて再度副申書とあわせて提出するのか、どちらですか。 市長さんは、文化庁が臨時でも審議会を開いてくれると言われていますので、あしたにでも開かれるかもしれない状況の中で、まさか文化庁と事前協議をしていないなんていうことは思いません。確認のため、教育長にお尋ねいたします。 ◎教育長(鈴木誠二君) 現天守閣の解体のための現状変更許可の申請に当たり、副申書を出した教育委員会として、これを取り下げ、出し直すことについてどう判断するかというお尋ねかと思います。 私ども教育委員会といたしましては、名古屋市としての現状変更許可に対して副申をつけて出させていただいた、そういう立場でございますので、私どもとして、この許可を取り下げて、そういうことは考えておりませんけれども……(「議長、質問と違います」と呼ぶ者あり)この許可申請そのものを出し直すということになれば、改めて副申をつけさせていただくことになろうかと思っております。 ○議長(丹羽ひろし君) 理事者に申し上げます。答弁は的確にお願いいたします。 ◆(浅井正仁君) 今、教育長は、差しかえると言われたんですか。(「全然答えていないじゃん。差しかえるのか取り下げるのかと聞かれておる」と呼ぶ者あり) ◎教育長(鈴木誠二君) 失礼いたしました。議員の御質問の中で差しかえるのか、あるいは、取り下げて再度提出するのかという質問でございます。 現状、私どもは、この申請に対して副申書を添えて進達をしたという立場でございます。現状では、これを差しかえる、あるいは取り下げるということは考えておりません。失礼いたします。 ◆(浅井正仁君) 教育長、質問の意味、わかっていますか。わからないなら、わからない。聞いていないなら、聞いていない、文化庁に。工程が変わるんですよ、石垣ファーストから。前までは石垣セカンドだった、それをファーストに変えるんですよ。工程が変わるんですよ、教育長、聞いていないなら聞いていないって答えてください、文化庁に。どういう対応をしたらいいのか。そんな考えたってだめですよ。 ◎教育長(鈴木誠二君) 私ども、文化庁から現在の現状変更許可の中で、これからの解体に対しての手続、あるいは作業内容について幾つかの指摘をいただいているということは承知をしております。 今回の申請に際しまして、私どもの副申では、この申請の中で前提としております調査あるいは検討を行うことを、それがしっかりと担保されているということを認めた上で調査・検討の中で必要であればその中身を見直すということも含めた上で、そのことを条件に審査をいただきたい、そういう副申をつけておるところでございます。現状で中身が変わるということでございますが、内容が変わることについても、私ども、この副申の中で必要があれば見直すということも条件として出させていただいたものと認識をしております。 以上でございます。 ◆(浅井正仁君) 全くもって答弁になっていないし、文化庁にそんなことも聞いていないなんてびっくりしました。 観光文化交流局長さん、同じ質問をさせていただきます。 ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) 4月19日に現天守閣の解体に係る現状変更の許可申請を文化庁に出しました。 その後、文化庁からの御指摘で、まだまだ調査が不足していると、5項目不足しているといったようなところでございますので、その現状変更許可申請に対しまして不足している部分を補うといったような調査を石垣部会とこれから全力を挙げて取り組んでまいりたいということでございます。 ◆(浅井正仁君) 今の話じゃないんですよ。工程が変わるんですよ。副申書と申請書を出したお二人、ちょっと一回文化庁へ行って勉強してきたほうがいいと思いますよ。 でね、今、名古屋市に、505億円というもので、総事業費505億円と言われるんですけれども、505億円以外で使ったお金はあるのかといったら、ありました。これがおもしろいもので、総事業費505億円に含まれている内容、そして、もう一つが、総事業費505億円に含まれていない内容と、総事業費が二つあるんですよ。総事業費505億円というのは、これは竹中工務店に払うお金だそうです。そして505億円に含まれていない内容というのは、ほかの業者だとかいろんなところへ出すもの。この中で設計監理等支援業務委託というのが大体毎年4000万円払っています。これは505億円以外なんですよ。僕は、総事業費といったら全ての名古屋城が建ったときにかかったお金が総事業費だと思ったら違っていました。あくまでも竹中工務店に払うのが505億円。これが年数がたてばたつほど、この監理業務委託だって毎年毎年加算されていく。それから、木材だって1億円ずつ加算されていく。一体どこに歯どめがついていくのか。 このスケジュール表、今現時点で10カ月のおくれですよ。これをどうやって解消していくのか。名古屋城は、技術提案方式も石垣ファーストというなら、工程も違う、そして、2022年という枠ももう外れてしまった。それから、現状変更許可が出ない以上、スケジュールも出ない。来年度の予算編成どうするんだ。どんどんどんどん課題が大きくなってくるんですよ。もう時間がないのであれなんですけど、市長さんに質問させていただきます。 市長さん、先ほど私が質問した内容、わかりますよね。市長さんは、石垣ファーストでいいんですよね。そういう石垣を一番大事にするという考えに変わられたんですよね。きょうは石垣部会の先生たちもインターネットで見てくれていると思います。しっかりとそこは答弁してください。 ◎市長(河村たかし君) 私は、端的に文化庁とのお話の、責任者と話しておりますので、要するに5項目の、堀の下のところをどうするか、はらみをどうするか、五つは言いませんけど、それはそれで申請もいただいておるからわかりましたと、あとは石垣部会の人と話をまとめて申請していただければ進めますと、そう明確に聞いておりますので、一遍根本的な理解が違うみたいだで、一遍、まだ話していないけど、電話をかけたらちょっと出られぬかったもんで、一緒に文化庁へ行きませんか、ぜひ皆さんと。市民の皆さんにとっても不幸ですよ、認識が違うんだもん。僕には石垣部会さんと話をまとめてくれれば進めてくださいと、はっきり言っておるんですから、文化庁の責任者が。だから、皆さんが言っているのとは違うから、ぜひ一緒に行ってきて、電話して、向こうからまだオーケーをとっていませんから、どう言うかわかりませんけど、ぜひ話を聞いてやってくれと、それで、市民の皆さんに正しい情報を提供しましょうと。行きますから、ぜひ一緒に行きましょう。 ◆(浅井正仁君) 私は、石垣が一番大事かどうかって聞いたんですよ。石垣を先に直すかどうかを聞いたんですよ。それに対して5項目だとか文化庁だとか……(発言する者あり)もういいです、もういいです……(「言わせないかぬがね」と呼ぶ者あり)言わせたらあかんって。市長、今、最大のチャンスなんですよ。文化庁さんは先ほど答弁があったとおりに解体と復元一体が望ましいと言っている。望ましいと言っているんですよ。だけど観光文化交流局は、それを拒否しているんですよ。何で拒否しているのかわからない。 市長にもう一回聞きます。市長、文化庁の方が、そこまでのすばらしい提案をしてくれているのに、あなたは、解体と復元を一体で申請を出し直しませんか。 ◎市長(河村たかし君) とにかく僕は文化庁から、それも総責任者から聞いたことを正しく言いますと、石垣部会の皆さんと話をまとめてくださいと、そうなればそれで進めますと。余り全部言うと、まだ審議会の前だもんだで、その場合は、ぜひ変更で、天守を解体しても、そのままだと困るでしょうと。だで、新しい天守の復元と一緒で申請してくださいと、そこまではっきり言われておりますので、信じておらんみたいだから一緒に行きましょうよ。市民の皆さんに不幸ですよ、こんなことを言っておるの。(「議長、質問に答えていない」と呼ぶ者あり)それから、石垣ファーストというのは、石垣を大事にしようとすることであって、全て石垣だけやると、その次の年はどうするんですか、そうしたら。 ○議長(丹羽ひろし君) 市長に申し上げます。答弁は質問に対してのみ的確にお願いいたします。 ◎市長(河村たかし君) (続)10年石垣をやって、20年石垣をやって、21年後どうなるんですか、そうでしょう。(「誰も聞いておらぬ、そんな話は」と呼ぶ者あり)とにかく文化庁、文化庁へ行きましょうや、一緒に。 ◆(浅井正仁君) 文化庁へ一緒に行ってもいいですけど、石垣の先生たちからはこういうコメントをいただきました。8月5日の石垣部会からの提言に対して具体的な回答もなく、文化庁との話の内容すら石垣部会への公表を拒否する現状の中での観光文化交流局長の発言は、特別史跡名古屋城という文化財の管理を国から委ねられている名古屋市の姿勢としてあるまじきことというお話をいただいております。 僕は1年前から2022年はだめだと言っていた。あなたたちはできるとずうっと言っていた。この間、断念しました。そうしたら、きょうの答弁で、国会議員がそれを提言したら、あなたはすぐ断念した。あなたは、国会議員と議会をやっているんですか、うちら市会議員とやるんじゃないですか……(「答弁」と呼ぶ者あり)いや、もう答弁は要りませんよ……(「むちゃくちゃ言いたい放題言って、何や、それは」と呼ぶ者あり)だって、そうじゃないですか。(「議長、注意」と呼ぶ者あり) ○議長(丹羽ひろし君) 市長に申し上げます。市長の発言の時間ではありません。 ◆(浅井正仁君) (続)しっかりと私たちに本当のことを言って……(「言っていますがな」と呼ぶ者あり)いや、全然言っていませんよ……(「ほんじゃ、一緒に行きましょう、早く」と呼ぶ者あり)じゃ、一緒に行くでいいから、もう時間がないから私はやめますけれども……(「一緒に行ったらいいんです」と呼ぶ者あり)とりあえず、できないことが、進まないことが名古屋市民にとって不幸だということを私は述べさせていただいて、終わらせていただきます。(拍手) ○議長(丹羽ひろし君) 次に、日比美咲君にお許しいたします。    〔日比美咲君登壇〕 ◆(日比美咲君) 議長のお許しを得ましたので、小児・AYA世代のがん患者の妊孕性温存治療に対する支援について質問をいたします。 近年、がん医療の進歩に伴いがん治癒率が飛躍的に向上し、治療を日常生活の一部にしながらがんとともに生きる、がんサバイバーがふえています。そのため、がん治癒のみをゴールとするのではなく、その後の人生のQOL、いわゆる生活の質の向上を考えた治療戦略を個別に検討することや、長期的な健康問題に対応することが求められています。 現在、小児がんにおいては年間約2,000人、思春期と若年成人を指す15歳から39歳のAYA世代でがんと診断される人は全国で約2万人いるとされ、本市においても推計で年間約380人が罹患しており、特に子宮がん、卵巣がんでは、罹患率が全国的に増加傾向にあります。 がんの種類にもよりますが、抗がん剤の影響や放射線照射治療の影響により卵巣や精巣などにダメージを伴う治療、あるいは、手術で子宮、卵巣、精巣などの生殖臓器を失ってしまう場合も多く、特に女性であれば人生の大きなライフイベントである妊娠・出産をすることが難しくなる可能性も高く、妊孕性温存とは、そういったがん治療によって、将来妊娠の可能性が消失しないように生殖機能を事前に温存する考え方です。特に乳がんは30代よりその罹患率が上昇し、近年の晩婚化や晩産化と相まって、乳がんの治療時期が子供を希望する時期に重なることが問題となってきています。 そのような中、アメリカでは、がん患者の生殖医療について、腫瘍学と妊孕性を合わせたがんと生殖医療を専門にする学際分野ができ、2006年、アメリカ臨床がん学会が、がん患者の生殖医療の保護に関する推奨ガイドラインを発表し、研究、臨床、そして教育に学際的に取り組んでいます。 日本においても2012年、日本がん・生殖医療研究会が発足、2017年には「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン」が発表され、近年この分野の発展が期待されているところです。 厚生労働省においても、2018年に策定した第3期がん対策推進基本計画においてAYA世代に対するがん対策が初めて盛り込まれ、生殖機能への影響などについて治療前に医療者が情報提供をし、支援する体制をつくることとなっております。 しかし一方で、こうした治療は自由診療のため費用面のハードルが非常に高く、実際、凍結保存に係る費用は、精子が2万円から7万円、卵子、卵巣組織が15万円から60万円、さらに保管料で年間1万円から6万円が発生するため、がん患者さんの経済的負担は非常に大きいと言います。 厚生労働省の研究班は、2017年、経済的支援があれば卵子凍結保存等を望む女性がん患者は年間約2,600人、その費用は約8億8000万円との推計結果をまとめています。 そういった中、近年11の府県、そして市町村単位で幾つかの自治体において独自に助成制度を設け、東海地方では愛知県を除く岐阜県、三重県、静岡県でこの助成制度が始まっております。私も実際に助成制度を行っている埼玉県へお話を伺いに行ってまいりました。 去年8月から始まったこの制度は、世帯収入730万円未満の家庭等において患者さん1人につき1回の助成を条件に、卵子、卵巣組織、受精卵の採取凍結25万円、精子の採取凍結5万円、そして、手術を伴う精子の採取凍結25万円までの上限金額を助成しています。 がん治療は、余りにも唐突に、そして無情にも始まります。病気の宣告から治療までの間にさまざまな決断を下さなければなりませんし、考えなければならないことばかりです。仕事のこと、学校のこと、家族のこと、金銭面のこと、そして将来のこと。先の見えないがん治療の中で、唯一将来のことを見据えた妊孕性温存治療に対し、私たち行政がもっと背中を押すべきだと考えますし、実際、温存治療を行ったことにより、つらい闘病生活のモチベーション向上にもつながったとおっしゃる患者さんもおります。経済的に不安定な若年層の経済負担の軽減をすることにより、妊孕性温存治療を前向きに捉える患者も多くいらっしゃると思います。何より、がんを克服し結婚を意識する年齢に達した際、誰もが平等に子供を持てる機会を得ることが最も重要なことなのではないでしょうか。 そこで、健康福祉局長にお尋ねをいたします。本市においても、妊孕性温存治療に対し助成制度を検討するべきだと考えますが、いかがでしょうか。 また、この妊孕性という言葉がまだまだ世間に浸透していないように、これまでのがん患者さんの中には、がん治療により妊孕性を失うことを知らないケースが多々あったと聞きます。こうした治療の影響を、医療従事者が患者さんに的確に伝えていないケースや、患者さんが未成年の場合、御両親がそうした情報をブロックしてしまうケースもあり、実際がんに打ちかち、治療が終わった後に妊娠をする力を失ったことを知り、愕然とするケースも少なくはないと聞いています。 もちろん、がん治療において患者さんの命が最優先事項であり、その治療が遅延なく実施できることが大原則ではありますが、医療従事者に、この妊孕性温存治療の重要性を理解してもらい、生殖医療従事者へつなげる取り組みは必要不可欠です。がん治療専門医と生殖医療専門医、両者がともにいることは患者にとっても大きなメリットですし、主治医から妊孕性温存の提案があるだけで、治療の選択視野が広がります。正しい情報を正しいタイミングで知ることが何より大切だと考えます。 埼玉県では、専門家に委託するなどして、関係医療機関や医療従事者に対し、妊孕性温存治療の説明会を開く等の取り組みを行っておりますが、こういった取り組みを本市においても積極的に取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。健康福祉局長にお尋ねをいたします。 次に、名古屋市障害者スポーツセンターの充実についてお伺いをいたします。 名東にある名古屋市障害者スポーツセンターは、昭和56年の開館以来38年が経過し、長年、市内外問わず多くの障害者、あるいはその家族や関係者に愛され利用されてきました。当時、政令市で2番目にできた先進的な障害者スポーツセンターも、今では老朽化が進み、アセットマネジメントにより幾度となる改修工事を進めながら直し直し利用をしている状態ではありますが、肝心の利用者からの声は芳しくありません。例えば、重度障害者の着がえをする更衣室がない、更衣室にドライヤーやお化粧をする洗面台がない、プール2階観覧席の窓ガラスが劣化により曇っており、場所によっては観覧席なのに全くプールを見ることができない、体育館や調理室の空調がきかないという、ないない話を私もよく聞いておりますし、当局にもそういった声は入っていることだと思います。 私のところに御相談をくださった方から、友人が脳障害で四肢不自由になってしまった、少しでもよくなればと、当時、障害者スポーツセンターのプールを勧めました、友人も障害を患ったばかりのころはプールで歩けていたのに、センターの更衣室が狭く、介助をしてくれる夫が入れないため通うのをやめてしまったそうです。それから10年、友人は今も寝たきりです。 きっと、その方の友人だけでなく、設備の問題で通うのをやめられた方は、もっともっと多いことでしょう。そもそも全体的にスペースが狭いとか、駐車場が屋外にあるため車椅子の利用者や両づえの方が苦労をして傘を差して館内に入らなければならず、地下に駐車場をつくってほしいなど、さらには大きな大会を開催するに当たり、他府県からの利用者が安心して宿泊できる施設をつくってほしいとの声もある状況です。なぜなら、現在全国にある障害者スポーツセンターを見渡してみると、宿泊施設があったり、大浴場があったり、ボウリング場があったり、アーチェリー場があったりと、全国で行われる大きな障害者スポーツ大会を誘致するためにさまざまな最新設備を導入している障害者スポーツセンターも少なくはありません。 そのような状況の中で、現在の利用者からどのようなニーズを把握しているのか、また、そういう声に対して本市として今後どのように対応していくおつもりなのか、健康福祉局長にお尋ねをいたします。 また、老朽化に伴う工事を行うことにより、障害者スポーツセンターが休館となるのはやむを得ないと理解をしています。 しかし、平成28年度には床の張りかえ工事や、外壁・屋上の防水工事で一部休館を含め延べ5カ月間利用できなかったと聞いています。 さらに今年度は、給水給湯管や更衣室の工事により、一部休館を含め11月11日から4カ月を超える期間、利用できない状況が続くとのことです。健康の増進や社会参加を目的に障害者スポーツセンターに来ている方だけでなく、障害の種類にもよりますが、毎日足を動かさなければ関節が硬直し動けなくなる、そういった障害を持つ方だっています。そういった利用者に対して大きな影響が出てしまうため、市として少しでも休館日を減らす工夫をする必要があると思うのですが、具体的にどのような工夫をしているのか、健康福祉局長にお尋ねをいたします。 また、障害者スポーツセンターの休館日の対策として、障害者が他のスポーツセンター等を利用してスポーツに取り組めるよう対応しているとのことですが、今年度の予定を見てみると、他の施設を借りる代替施設の利用日41日、ほかの施設で行う地域スポーツ教室の実施69日の合計110日となっています。今年度の改修工事による休館が111日予定されているので、一見カバーできているように見えますが、内容を見ていくと、対象スポーツや利用できる時間が限られており、休館日の対応としては十分とは決して言えません。 これまで、公明党のばば元議員がこの障害者スポーツにおいて、各区のスポーツセンターでも障害者が利用できるよう、さまざまな事業の推進について取り組んでこられました。この質問をつくるに当たって、こうした取り組みに対して改めて敬意を表しておりますとともに、こういった取り組みの重要性を再度推し進めていくべきだと考えております。老朽化への対応策として大変有効なこの取り組みを、健康福祉局として教育委員会と連携をし、さらに進めていくことが重要であると考えますが、健康福祉局長としてのお考えをお聞かせください。 以上で、私の第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎健康福祉局長(海野稔博君) 小児・AYA世代のがん患者の妊孕性温存治療に対する支援及び名古屋市障害者スポーツセンターの充実について、健康福祉局に対して数点のお尋ねをいただきました。 最初に、がん患者の妊孕性温存治療に対する助成制度の導入についてでございます。 小児・AYA世代のがん患者の方々は、進行の早いがんが多く、治療が最優先という状況下で、治療によって子供を授かることができなくなるかもしれないという事実にも直面することになります。そうした方々が、がんであることの受容、治療による影響、生活や仕事のこと、あるいは御家族のことなど、さまざまな葛藤の中で、がんの治療後に子供を授かりたいという希望を抱きつつも、経済的理由などから妊孕性温存治療を断念する方がいらっしゃることは、重く受けとめる必要があると考えております。 議員御指摘のとおり、幾つかの自治体で助成制度等が行われているところであり、それらの先行する自治体の状況などを鑑みますと、妊孕性温存治療が可能な医療機関の確保を初め、がんの予後に及ぼす影響や将来妊娠する可能性などに関するエビデンスの問題、がん医療と生殖医療の連携、患者への情報提供や相談支援体制の構築などといった助成制度実施に当たってのさまざまな課題に対応するため、医療を初めとする関係者からなるネットワーク組織の形成などがなされております。 こうした中、愛知県内における医療現場の動きといたしまして、本年7月に、名古屋大学医学部附属病院を中心に愛知県がん生殖ネットワークが立ち上がり、がん医療と生殖医療の連携を初めとしたさまざまな課題について、今後取り組まれる予定であると聞いております。まずは、先行して取り組んでいる他都市の状況や、愛知県がん生殖ネットワークの動向を初めとした当地域の現状等を確認・調整した上で、助成制度の早期実現に向けて前向きに検討してまいりたいと考えております。 次に、医療従事者の理解や、がん医療、生殖医療の連携に向けた市の取り組みについてでございます。 妊孕性温存治療につきましては、日本産科婦人科学会が、がんの予後に及ぼす影響、将来妊娠する可能性と妊娠した場合の安全性などいまだ明らかではないことも多いため、患者への十分な情報提供を行い、自己決定を促すことが重要であるという見解を示しております。 しかしながら、当地域の現状としましては、先ほど申しましたように、本年7月に開催されました愛知県がん生殖ネットワークのキックオフミーティングにおいて、がん患者への情報提供や、がん医療と生殖医療の連携に関する医療機関による格差が指摘されているところでございます。 したがいまして、がんと診断されましても、卵子、精子、胚等を凍結することで、子供を授かる可能性を残す治療方法があることや、そうした治療が可能な医療機関について、より多くの方に周知していくことが重要であると認識しております。 また、病状によって妊孕性温存治療が困難な方や、妊孕性温存治療が成功しなかった方、がん治療後に生殖医療に取り組んだものの妊娠に至らなかった方への心理的なサポートも重要でございます。先行する他府県のがん生殖ネットワークにおいては、がん、生殖医療に関する情報発信、患者への情報提供のための共通資材の作成、医療関係者、相談支援者向けの研修会の開催など、妊孕性温存治療が円滑に行われるような仕組みづくりがなされているところでございます。当地域におきましても、愛知県がん生殖ネットワークにおいてこうした取り組みが行われるものとお聞きしておりますことから、ネットワークにおける本市の役割を模索しながら、医療従事者の妊孕性温存治療に対する理解や、がん医療、生殖医療の連携に向けた取り組みに積極的に協力してまいりたいと考えております。 続きまして、名古屋市障害者スポーツセンターの充実についてでございます。 名古屋市障害者スポーツセンターは、スポーツ・レクリエーションを通じて障害のある方々の健康増進並びに自立と社会参加を促進し、健康で豊かな生活を築いていただくための場として、昭和56年5月11日に政令指定都市では2番目に整備いたしました施設で、開設以来38年が経過し、館内は老朽化が進んでおります。 このため、これまで床の張りかえや空調の改修、外壁、屋上の防水工事などを行ってきており、さらに今年度は、老朽化した給水給湯管の改修工事のほか、異性介助を必要とする方や性同一性障害等により通常の更衣室の利用が困難な方が利用できる多目的更衣室を拡張する工事も実施いたします。 こうした工事を行うに当たりましては、毎年実施しております利用者満足度調査や意見箱、日々御利用に際していただく御意見をできる限り反映してまいりました。 議員御指摘のプール2階の観覧席の窓につきましても、利用者の方々から意見をいただいておりまして、必要な改修工事について検討してまいりたいと考えておりますが、新たな競技種目への対応や施設の拡張、地下駐車場、宿泊施設の整備等につきましては、こうした改修工事の中で対応していくことは困難であると考えております。 一方、改修工事等を行う場合には、工事内容や利用者の安全確保の面から、館内の利用を制限せざるを得ない場合がございます。今年度の給水給湯管は、館内全般にわたる工事でありますため、令和元年11月11日から令和2年1月11日まで全館を休館させていただくほか、多目的更衣室の改修工事につきましては、プールやロビーの一部を、さらに令和2年3月31日まで御利用いただくことができず、御不便をおかけすることになり申しわけなく思っております。 こうした休館日を短くするため、工事内容を精査し、多目的更衣室の工事をできる限り給水給湯管の工事と同時期に実施し、休館期間を短くする工夫をしております。 また、障害者スポーツセンター休館日に障害者の方々がスポーツを実施できる機会を確保するため、各区のスポーツセンターや民間スポーツ施設等の一部を借り上げる代替施設の確保や、そうした施設を活用して実施する地域スポーツ教室を実施しておりますが、議員御指摘のとおり十分なものではないと考えております。つきましては、教育委員会などと連携・調整し、代替施設や地域スポーツ教室の回数をふやすなどの工夫をし、障害者の方がスポーツをする場・機会のさらなる確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(日比美咲君) それぞれ健康福祉局長に御答弁をいただきました。 まず、小児・AYA世代のがん患者の妊孕性温存に対する支援についてですが、先に要望させていただきます。 助成制度の早期実現に向け、前向きに検討していただけるとの御答弁ありがとうございます。これ、実現をすれば、政令指定都市では初めての取り組みとなります。1人でも多くの未来あるがん患者さんたちに希望を持ってもらい、可能性や希望を残していくことが必要だと思います。来年度からにでも実施していただくよう強く強く要望をいたします。 また、先ほども申し上げましたが、東海地方において、岐阜県、三重県、静岡県が助成制度を開始しており、愛知県ではまだ事業が実施されておりません。名古屋市内の医療機関には名古屋市民以外の患者さんも相当数おられると思います。県全体で助成制度が実施されたほうが、患者さんも医療機関も対応しやすいのではないかと思われます。愛知県においても愛知県がん生殖ネットワークも立ち上がったとのことですし、妊孕性温存に対する周知、理解が進んでいく機運は相当高まっている今、この助成が始まるのを契機に、愛知県に対してもこの助成制度の導入を働きかけていただくよう要望して、この質問に関しては終わります。 次に、障害者スポーツセンターの充実について再質問をさせていただきます。 先日、ことし6月にオープンしたばかりの岐阜県福祉友愛センターに行ってまいりました。ここでは、軽度から重度の方までもが共通して利用のできるトイレ設備、介助者が一緒に利用のできるファミリー更衣室にはシャワーも併設され、障害者への配慮がさまざまなところでなされておりました。 2階に併設されたアリーナでは、ちょうどツインバスケットチームが練習をしており、お話をする機会があったのですが、昔はよくこの名東の障害者スポーツセンターを利用していたけれども、最近は利用していません、最近では他都市で大会をすることが多いので、他都市の障害者スポーツセンターを利用していることが多いというお話を伺ってまいりました。 さきにも申し上げましたが、アジアパラ競技大会を契機とした今、これからオリンピック・パラリンピックを迎えようとしている今、全国的にもスポーツに対して大きな関心が高まっている今だからこそ、この名古屋市でも全国から集まっていただき、さまざまな大会が開催できるような障害者スポーツセンターにするためにも、宿泊施設を初めとした機能強化を目的として、私は抜本的に建てかえを検討するべき時期に来ているのではないかと思います。健康福祉局長のお考えをお聞かせください。 ◎健康福祉局長(海野稔博君) 名古屋市障害者スポーツセンターの充実に関し、障害者スポーツセンターの建てかえについて、再度のお尋ねをいただきました。 障害者スポーツセンターの機能強化を目的とした建てかえにつきましては、将来的な課題とは認識しておりますが、現在の施設が建築後38年しか経過しておらず、現時点での建てかえは困難であると考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◆(日比美咲君) 老朽化に対応するためにさまざまな工事を実施しているため、現時点での建てかえは難しいとの御答弁でしたが、私は何もこのアセットマネジメントの観点で質問をしているわけではありません。健康福祉局として、これから障害者スポーツをもっともっと広めていくんだと、将来的に障害者も健常者も誰もがスポーツを快適に楽しめる、そういったスポーツの場が必要だと考えているかどうかだと思っております。 こうした多様性への理解や共生社会の実現が求められる現代において、障害の有無にかかわらず誰もが利用のできる、スポーツに親しみを持てる場の確保が必要だと考えますが、健康福祉局長の認識を教えてください。お伺いします。 ◎健康福祉局長(海野稔博君) 名古屋市障害者スポーツセンターの充実に関し、誰もが利用できる障害者スポーツの場の必要性について再度のお尋ねをいただきました。 障害のある人もない人もともに利用できるスポーツの場の確保につきましては、大変重要な課題であると認識しております。こうした課題を解決するためにも、先ほど答弁させていただいた各区のスポーツセンターなどを活用した地域スポーツ教室等を実施してきており、議員御指摘の視点からも、今後これらの事業を一層充実してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◆(日比美咲君) 健康福祉局長から障害の有無にかかわらず、ともに利用のできるスポーツの場の確保を重要と認識しているとの御答弁がありました。 この地方において、障害者スポーツを牽引していくのは名古屋市であると、本市でアジアパラ競技大会を検討するに当たって、この大会の意義をしっかり考えなければいけないと思っております。 全国を見渡すと、宿泊施設を併設しており大会を誘致できる障害者スポーツセンターは、政令指定都市では大阪市の1施設のみです。 東海3県においては、まだどこにもこの宿泊施設を併設する障害者スポーツセンターはありません。品川から名古屋までのリニア開業を2027年に控えている今、大阪まで行かずとも、名古屋で障害者が安心して全国大会を開くことができる、宿泊施設を伴った障害者スポーツの拠点をつくるべきです。 今後も、健康福祉局だけでなく、局の壁を超えて、あるいは時には民間の力もかりて、オール名古屋で取り組んでいただきたいと強く要望をして、全ての質問について終わります。ありがとうございました。(拍手) ◆(北野よしはる君) この場合、暫時休憩されんことの動議を提出いたします。    〔「賛成」〕 ○議長(丹羽ひろし君) ただいまの北野よしはる君の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」〕 ○議長(丹羽ひろし君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。          午後0時14分休憩          ----------          午後1時15分再開 ○副議長(岡本やすひろ君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 第16号議案初め27件を一括議題とし、質疑並びに質問を続行いたします。 次に、大村光子君にお許しいたします。    〔大村光子君登壇〕 ◆(大村光子君) 減税日本ナゴヤの大村光子でございます。通告に従って、質問させていただきます。 それではまず、インバウンド施策におけるフードダイバーシティーへの対応について質問いたします。 フードダイバーシティーとは、直訳すると食の多様性となりますが、世界には食文化や食習慣、宗教等により特徴的な食品や料理、食の制限が多様に存在します。また、健康上の嗜好や医療的な理由により食に制限がある場合もあります。このような食の多様性に対し、違いを尊重し受け入れる環境整備を行う必要があります。 また、平成29年の訪日外国人消費動向調査において、訪日前に期待していたこととして最も多かった回答が「日本食を食べること」となっていることから、より多くの外国人観光客の方に名古屋飯の魅力を知ってもらうことは、非常に有益ではないかと考え、まずは食事から対応に力を入れていただきたく、今回、食の部分を中心に5年前に引き続き、再度質問いたします。 食の制限の事例を見ますと、前回質問したムスリムの対応は、豚肉やハム、ソーセージなどの豚肉に由来する食物及び調味料を含めたアルコール成分を食することが基本的にはできません。また、健康、倫理、宗教等の理由から、動物性食品の一部または全部を避けるベジタリアンの方もいます。 食の制限の一種であるアレルギーについては、以前から広く一般に認知され、多くの飲食店でアレルギー食品に関する表示がなされています。しかし、ムスリムやベジタリアンについては、日本では少数派のため、余り認知されていないのが現状です。 しかし、世界に目を向けてみますと、ムスリム人口は世界人口の2割以上を占める16億人であり、また、ベジタリアンは1割以上を占める世界に約9億人存在しているなど、決して少数派ではありません。 また、ハラール食品の市場規模は5800億ドル、約59兆円とも言われており、市場としても魅力的ではないでしょうか。 さらに、ムスリム旅行者の目線で旅行先国を評価した指標によると、東京、大阪、京都は味勝負の激戦になっており、全国でも、北は北海道のラーメンやジンギスカンから、南は沖縄の琉球料理など、御当地料理のフードダイバーシティーへの対応が進んでいるにもかかわらず、我が国の食事対応の充実度の評価は低い結果となっており、フードダイバーシティーへの対応に力を入れることは喫緊の課題です。 加えて、中部国際空港セントレアでは、本年3月からガルーダ・インドネシア航空によるインドネシアとの直行便が就航し、また、本年9月には第2ターミナルがオープンする予定となっております。したがって、名古屋市としては本年が千載一遇のチャンスです。 名古屋市とのパートナー都市であるウズベキスタン・タシケントもムスリムの方が多いとお聞きしております。取り組みの内容として、本年7月16日に名古屋市と株式会社ぐるなびが連携し、飲食店インバウンド対策セミナーが開催されました。セミナーにおけるキールアンドカンパニーグループのみそ煮込みうどんの山本屋大久手店の事例として青木裕典氏の講演に、さらなる取り組みのヒントが示されていたと思います。 青木氏の講演では、自身の会社での取り組みを例に挙げ、フードダイバーシティー対応の実現の過程を、基礎勉強会、実施指導、プロモーションの実施という三つのステップに分けて具体的に説明がなされていました。この三つのステップは、名古屋市の主導で、市全体でフードダイバーシティー対応を目指す場合にも利用できる方法ではないでしょうか。 基礎勉強会の部分は、セミナーも勉強会の一つですが、現在の開催頻度では不十分であり、さらなる取り組みが必要であると考えます。 実施指導については、やりたいと手を挙げた会社の商品開発やハラール対応の食材や調味料の仕入れ方法の指導、支援ができる体制を整備することが考えられますが、今回は質問いたしません。 プロモーションの実施については、市としてインバウンド施策におけるフードダイバーシティー都市宣言をし、市の主導でフードダイバーシティー対応に取り組んでいただくことを世界にアピールしていただきたいと思います。 以上の観点から観光化交流局長にお尋ねします。 平成26年2月の定例会にて、宗教上さまざまな制限のあるムスリム旅行者への対応について質問し、市民経済局長より対応していただける旨の答弁をいただきましたが、対応いただいている部分もありますが、まだまだ不十分な状況です。その後どのような対応をしていただいておりますでしょうか。また、フードダイバーシティーへの対応に対する基本的考え方もお答えください。 市としてフードダイバーシティー都市宣言を行い、市の主導で勉強会、プロモーションを行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 次に、eスポーツを活用した観光施策の推進について質問いたします。 皆様、eスポーツを御存じでしょうか。eスポーツとは、エレクトロニックスポーツの略称で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のことを言い、マルチプレーヤーオンラインバトルアリーナと呼ばれるプレーヤー同士でお互いの拠点破壊を目標に戦うゲーム、シューティングゲーム、格闘ゲーム、カードゲームなど、さまざまなジャンルのゲームで大会が開催されております。 eスポーツ先進国であるアメリカでは、大手eスポーツタイトルのパブリッシャー、ディベロッパーが多数存在し、これらの企業が各地で大規模な大会を開催しており、その人気はNBAやメジャーリーグにも匹敵するほどだそうです。 韓国でもeスポーツは大変大人気で、当たり前のようにeスポーツの観戦が行われており、1998年に発売されたスタークラフトというゲームが流行したのをきっかけに政府も予算を支出するなどの後押しをして、eスポーツ大国となっております。 そのほか、中国、欧州、東南アジアにおいてもeスポーツは盛り上がりを見せており、世界のeスポーツの市場規模は、2018年には約969億円、2021年には約1765億円にまで成長すると予想されています。 一方、日本はeスポーツ後進国とされていましたが、ここに来て盛り上がりの兆しを見せています。昨年11月5日には国際eスポーツ大会、ワールド・エレクトロニック・スポーツ・ゲームズの初となる公式日本予選大会が開催されました。 このような流行の兆しの中、eスポーツは2018年の流行語大賞のトップ10に入賞しております。 また、2017年11月には、超党派の国会議員によるオンラインゲーム・eスポーツ議員連盟が立ち上げられ、総務省では、2018年3月にeスポーツ産業に関する調査研究報告書が作成されるなど、国においてもeスポーツ産業を後押しする動きが見られます。 そして、名古屋の大須では、「eスポ大須イベント“アメ横杯”」が開催されました。また、中京大学附属中京高等学校が、eスポーツ部を設立しております。 先ほど紹介した議員連盟は、東京都の小池都知事を訪問し、2020年の東京五輪に合わせたエキシビション大会の開催を要望しておりますが、海外においては既にeスポーツはオリンピックにも波及しており、リオデジャネイロオリンピックの際には、その開催に合わせeスポーツの大会が開催され、昨年2月に行われた平昌オリンピックの際には、開会式の2日前に五輪公認のeスポーツ大会が開催されました。将来的にはeスポーツがオリンピック種目となる可能性もあると言われています。eスポーツ大会は、大規模な設備を必要とせず、インターネット、PC、周辺機器といった環境を構築することで、さまざまな用途の施設をeスポーツの大会に利用できます。 そして、eスポーツの世界大会を開催すれば、世界各国のファンを集客し、インバウンド需要を喚起することができ、日本でのeスポーツの普及につながるだけでなく、名古屋の魅力向上のためのコンテンツとしても有益であり、名古屋を世界に発信するきっかけになるとも考えられます。 そこで、まず、観光文化交流局長にお尋ねします。名古屋市として、eスポーツの取り組みをどのように考えていますか。また、名古屋市として、コスプレサミットに匹敵するようなeスポーツの聖地をつくってみてはいかがでしょうか。 さらに、前述のとおりeスポーツは世界中で急成長している分野ですので、eスポーツの国際大会の誘致は、MICEの推進にもつながります。名古屋市はMICEの推進に力を入れていますが、eスポーツの国際大会の誘致をMICE推進施策の一環に組み込むお考えはありませんか。 まずは、私の第1回目の質問とさせていただきます。(拍手) ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) インバウンド施策におけるフードダイバーシティーへの対応について、まず、御質問いただきました。 本市の観光客・宿泊客動向調査によりますと、訪日外国人観光客の宿泊者数は10年で約3倍、約170万人と増加しており、中国、台湾、香港を初めアジア各国や米国など、多くの国の方々が本市を訪れております。 その中で、ムスリム旅行者が多くを占めるマレーシアやインドネシアからの旅行者は、全体の3%ではあるものの、近年増加傾向にございます。 昨年度策定いたしました名古屋市観光戦略では、誰もが観光を満喫できる受け入れ環境の整備を目指すとしており、国においては「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」を昨年5月に策定し、ムスリム旅行者の誘致や受け入れ環境整備について掲げているところでございます。 こうした中で、これまでの本市におけるムスリム対応といたしましては、愛知県との連携により市内のムスリム対応飲食店の情報を掲載したマップを本市観光案内所において情報提供を行うとともに、名古屋観光コンベンションビューローのウエブサイトにイスラム教の礼拝堂モスクの情報サイトをリンク設定するなど、ムスリム旅行者への情報発信を行っているところでございます。 次に、フードダイバーシティー、いわゆる食の多様性に対する考え方についてでございますが、今後も増加が予想されるムスリムの訪日外国人観光客を初め、菜食主義のベジタリアンの方々など、世界の多様な食のニーズに合わせたきめ細やかな対応が必要だと認識いたしております。 議員御提案の訪日外国人旅行者におけるフードダイバーシティー都市宣言につきましては、食事面や施設面など受け入れ環境の充実に向け、まだまだ対応すべき課題が多いと認識しており、まずは、本市宿泊客動向調査の中で行っております訪日外国人観光客へのアンケートの中に、食文化についての項目を細かく設け、ニーズを把握した上で、旅行会社、飲食事業者など関係者の御意見等を伺いながら、インバウンドにおけるフードダイバーシティーに向けて検討してまいりたいと考えております。 次に、eスポーツを活用した観光施策の推進につきまして2点お尋ねをいただきました。 まず、eスポーツに対する認識とeスポーツの聖地化の検討についてでございます。 平成29年3月に策定をいたしました名古屋魅力向上・発信戦略におきましては、名古屋の都市イメージを構成する新しい魅力として、スポーツ、ポップカルチャーを掲げ、歴史・文化、まちづくり・ものづくりなどの、これまで積み上げてきた名古屋のブランド力にこれらも加えることで、総合力としての名古屋ブランドの確立を目指していくことといたしております。 eスポーツについては、世界の競技人口も比較的多く、eスポーツの視聴者も増加していることから、議員御指摘のとおり市場規模が年々拡大していくことが予想されており、また、北米、中国、韓国、ヨーロッパで特に盛んであると聞いております。 一方、日本におきましては、周辺市場、産業への経済効果も含め、国内のeスポーツの市場規模の試算、海外主要国のeスポーツの発展の経緯等に関する調査分析や、eスポーツの社会的意義についての現状、課題、展望などの整理・検討に国として着手し始めたところでございます。 本市といたしましては、国や他都市、さらに民間企業等の動向を注視しつつ、本市の魅力向上や誘客などの施策にeスポーツをどう活用していけるのか検討してまいりたいと考えております。 次に、MICE推進施策としてのeスポーツの誘致についてお尋ねをいただきました。 本年3月に策定いたしました観光戦略におきまして、MICE開催地として本市が選ばれ、その経済効果を確実にしていくための方針を掲げさせていただいております。 MICEの誘致の対象は、あくまでも国際会議や見本市、あるいは企業の報酬・研修旅行といった当地域にイノベーションをもたらすようなビジネス活動であり、国におきましても、eスポーツをMICE施策として誘致に取り組む方針とする段階には至っておりません。 一方で、そのようなビジネス誘客におきましても、魅力的な都市のコンテンツは必要であり、将来の発展が期待されるeスポーツにつきましては、そういった魅力的な誘客コンテンツの一つとして、活用事例を調査しているところでございます。そのような観点から、当地域で行われるeスポーツのイベント等を、魅力的な誘客のコンテンツとしてMICE誘致施策に活用する手法について、引き続き検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(大村光子君) 観光文化交流局長よりそれぞれ御答弁いただきました。 まずは、観光文化交流局長にeスポーツについて要望いたします。 2年近く前から、このeスポーツについての検討を要望しているにもかかわらず、検討の状況が変わらないのは大変残念です。スポーツやポップカルチャーを名古屋の新たな魅力として打ち出すのであれば、両方の側面を持つeスポーツはうってつけではないでしょうか。名古屋市内にはチームもあり、また他都市でeスポーツを打ち出しているところが少ない今だからこそ踏み出すべきだと思います。国や他都市の動向を注視するだけでなく、名古屋市が率先して取り組むべき分野であると考えます。 また、MICE誘致施策への活用についてですか、2022年にポートメッセなごやの新第1展示館がオープンいたします。魅力的な誘客コンテンツだと評価していただくのであれば、eスポーツの国際大会の誘致をMICE推進施策の一環に組み込み、名古屋の魅力を発信していただきたいと思います。 次に、eスポーツを活用した観光施策の推進についてですが、eスポーツは観光資源や産業支援だけでなく、ひきこもり支援や障害者支援、介護施設のための資源としても注目されています。 そして、ゲーム業界も障害のあるプレーヤーのサポートに乗り出しており、この名古屋でも映画業界の方からサポートをしたいというお声もいただいております。 このように、eスポーツは多方面において可能性を秘めておりますので、今後はeスポーツのさまざまな活用方法についても積極的に取り組んでいただくことを強く要望します。 次に、インバウンド施策におけるフードダイバーシティーへの対応についてですが、勉強会、実施指導、プロモーションについて既に対応を始めている都市もあります。例えば東京都台東では、ムスリム対応アドバイザーを区内の飲食店、観光施設、観光関連団体に派遣し、サポートを実施しております。 また、高山市では、食材情報を表示するためのピクトグラムを市内の飲食店で活用することや、ムスリム受け入れ可能店舗ではムスリムウェルカムマークを店頭に表示することを指導しております。名古屋市においても、できることから取り組みを開始すべきです。 また、フードダイバーシティー都市宣言について現時点で公式に行っている行政はありませんが、北海道、福岡県が協議会や勉強会などで県知事、市長に上げるための準備段階に入っており、姫路市では市長まで上がっているとのことです。フードダイバーシティー都市宣言を行うことにより、食の禁忌を持つ方々に優しい都市としてブランディングでき、しかも、まだ、どの都市も宣言を行っていない今行うことにより、ムスリム対応といえば名古屋、ベジタリアンといえば名古屋といったフードダイバーシティー対応の雄を目指すことができます。 局長の答弁の中で、ムスリム旅行者が多くを占めるマレーシアやインドネシアからの旅行者は全体の3%であるとの答弁がありましたが、名古屋市での国別宿泊者数で中国に次ぐ2番目の台湾の13%の方がベジタリアンであり、6番目の米国に匹敵します。要するに、名古屋市としてアンケートをとってからというような悠長なことを言っている場合ではないということです。 そこで、再度、観光文化交流局長に伺います。フードダイバーシティー都市宣言を行うにはまだまだ対応すべき課題が多いとのことですが、既に北海道や福岡などが動き出しておりますので、早期にフードダイバーシティー都市宣言を実施できるよう、関係者からなる協議会の設置を検討してはいかがでしょうか。 また、フードダイバーシティー都市のモデルケースとして、名古屋飯のPRの場である金シャチ横丁の義直ゾーンにおいて、全店舗でムスリムやベジタリアン対応の名古屋飯が食べられ、お土産が買えるようにしていただきたいと思います。そのために、まずは金シャチ横丁の皆様向けの勉強会を実施してはどうでしょうか。御答弁をお願いします。 ◎観光文化交流局長(松雄俊憲君) フードダイバーシティーへの具体的な対応につきまして再度の御質問をいただきました。 初めに、フードダイバーシティー都市宣言の検討に当たり協議会を設置してはどうかとの御質問でございますが、大変繰り返しになって恐縮ではございますが、食事面や施設面など受け入れ環境の充実に向けて、まずは訪日外国人観光客へのアンケートによりましてニーズを把握した上で、関係者の御意見等を伺いながら、具体的にどういった方策が必要となるのかの検討をしてまいりたいと考えております。 次に、金シャチ横丁義直ゾーンにおけるムスリムやベジタリアン対応についてでございますが、本市観光客・宿泊客動向調査の中で行う、金シャチ横丁での訪日外国人観光客へのアンケートにより、ムスリムやベジタリアン対応に関するニーズを把握した上で、お越しになるどなたにも食事を楽しんでいただけるよう、各店舗の皆様とその情報をもとに勉強会の開催を働きかけてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 ◆(大村光子君) 観光文化交流局長より再度御答弁をいただきました。 それでは、フードダイバーシティーへの対応について、河村市長に伺います。 観光文化交流局長からフードダイバーシティー都市宣言について、アンケートでニーズを把握し検討するとの答弁でした。なぜフードダイバーシティー都市宣言が必要なのか。それは、大きく四つあります。 一つ目はインバウンド、二つ目が在住者のため。イスラムなど、さまざまな宗教、文化、習慣を持つ方の2世の子供さんたちがふえています。 三つ目が雇用確保、四つ目が輸出のため。インバウンドで売れるものは輸出しても売れる可能性が高く、テストマーケティングとしてもとても効果的です。 今回の質問に当たり、全国各地で取り組みをサポートしているフードダイバーシティ株式会社の守護彰浩社長から直接お話を伺いました。安倍首相や小池都知事も、年に1回程度イフタールというイスラム教徒にとって大事なイベントにおいて、国主催、都主催でムスリム、主に駐日大使の方々との交流会を開催されているとのことです。これは特定の宗教に対する対応ではなく、世界標準の対応、すなわちダイバーシティーへの取り組みの一環だとのことです。 フードダイバーシティーが自治体、行政に御理解いただけない一番の要因は、自治体、行政がまだまだ世界標準ではない、英語が話せる人が少ない、外国人とふだんからかかわっていないことだそうです。 そこで、まず、人口減の日本では、持続可能な社会にするためにも今後何事においても世界標準での対応が求められると思いますし、内需にしがみついた町は、今後厳しい局面を迎えると思われます。2017年冬期アジア大会が札幌で開催されましたが、参加30カ国中、半数の15カ国がムスリム圏の国だったとのことです。ちなみに、2026年のアジア大会も、2018年のジャカルタ大会の割合で計算すると、参加国中6割がムスリム圏の国となります。 そのためにも、世界標準の対応であるフードダイバーシティー都市宣言をぜひとも市長にしていただきたいと思いますが、まずは、北海道のようにフードダイバーシティ協議会を立ち上げ、勉強会などを実施していただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。 ◎市長(河村たかし君) わしは、これ、どえりゃあええと思うんですけどね。要するに、商売をやっておる人を応援してあげないかぬわ、もっと。わしも、お二人ばかり電話をかけて聞いたの、どうですかと言って。金シャチ横丁の人と、それから、もう一つは駅前の割と大手にやっておる人だ。まだ問題意識がみんな弱いので、どうやって考えていったらええか民間だとわからぬと。だで、市がリードしていってもらうことはどえらいありがたいことだと言っていましたよ、本当に。だから、局長、ちょっとびびっておると思うけど、誰を集めるんだとかいろいろありますけど、それは僕は一番根底にあるのは、とにかく商売をやっておる人を、とにかく飲食店なんか、すごい競争だでね。余り言うと悪いけど、公務員と違うんですよ。だで、こういうときに、これからだというときに公務員はちょっと汗をかいて、そういう商売をやっておる人を応援してやらないかぬと。したがって、協議会も早くつくると、それから、宣言ですか、これもやっていけば、一つプラスになると思いますよ、私。どれだけ喜んでくれるかということですわ。だで、びびっておるけど、ちょっといろいろ相談して、ちゃんと専門家もおるようですから、僕もリードしてやっていきたいと思います。 ◆(大村光子君) 市長、もう一度確認です。協議会を立ち上げていただける、勉強会を実施していただけるということでよろしかったでしょうか。 ◎市長(河村たかし君) そのとおりでございます。 ◆(大村光子君) 河村市長、協議会の発足、そして、勉強会の実施をしていただけるとの御答弁ありがとうございます。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------。 名古屋本社ではないですが、世界展開に成功しているカレーハウスCoCo壱番屋さんは、既にハラールもベジタリアンも当たり前に対応しています。逆に言うと、世界に通用するためには、つくりたいものをつくるプロダクトアウトから、市場ニーズを酌み取った商品づくり、マーケットインへのシフトが重要だと考えます。世界基準での物づくり及び世界への販路拡大は、人口減を迎える日本では、企業はこれから必ず直面する課題ですので、名古屋は、まず食分野からいち早く取り組むべきだと思います。 最後になりますが、観光文化交流局ができて、皆様方の御努力により観光客に対するおもてなしは随分進んだと思います。2026年のアジア大会を控えている中、名古屋を訪れる多くの外国人観光客の方に今以上に喜んでいただけるよう、世界に冠たるNAGOYAとして迅速かつ精力的に取り組んでいただくことを強く要望して、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岡本やすひろ君) 次に、岩本たかひろ君にお許しいたします。    〔岩本たかひろ君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◆(岩本たかひろ君) 議長のお許しをいただきましたので、順次質問をさせていただきます。 まず、待機児童対策について。 平成23年6月定例会において、待機児童ゼロに向けた対策について質問させていただいた当時、名古屋市は待機児童1,275人で全国最多となっていました。 そこで当時、住田副市長をトップとした各局局長で構成するプロジェクトチームが設立され、全庁的な待機児童対策が開始をされ、平成26年度から6年連続で待機児童ゼロを実現してきました。 全国的に見ると、平成31年4月1日時点での待機児童は過去最少の約1万6000人との報道もありましたが、10月から幼児教育・保育の無償化も始まり、まだまだ保育ニーズは高まっていくことが予想されます。今後、本市としても保育ニーズのピークはいつなのか、子ども青少年局長にお尋ねします。 これまでの保育所等の整備を振り返りますと、大きく通常整備と賃貸型整備に分かれ進められてきました。 平成22年度から家庭的保育事業所、賃貸方式による保育所、小規模保育事業所、幼稚園における預かり保育拡充モデル事業、保育案内人の配置などの対策を行い、平成26年度から待機児童ゼロの実現が行われております。 保育所等の整備が進むと、さらなる保育ニーズが生まれ、保育ニーズが高い場所になればなるほど、より住宅地のエリアに近くなり、場所の確保が難しくなっていきます。 平成28年度以降、予定どおり整備が進まない状況が続いていると聞いており、中には整備を断念したケースもあります。 本市の保育所等の整備スケジュールを見てみると、3月の予算議決から約3カ月で地域説明、名古屋市への申請、建築準備を同時進行する必要があります。時間のない中での事業者からの説明が、近隣住民からすると、あたかも整備が決まったかのような、正しい情報を伝え切れないケースもあります。 全国的に見ても、本市同様、整備が思うように進まないケースがあります。横浜市、川崎市のように、募集時期を前倒しして地域に対する説明の時間、十分な工期の確保を行うことにより、少しでも整備がスムーズに進むよう取り組んでいる自治体もあります。 そこで、本市もこのように募集時期の前倒しができないか、子ども青少年局長にお尋ねします。 現在、区役所・支所内には保育案内人が配置をされ、保護者と保育所等の調整を行い、より要望にお応えできる役割を担っていただいております。例えば、保育案内人のような、地域と事業者の調整を行っていただけるようなコーディネーターを配置することは考えられないでしょうか。 国の制度を調べてみますと、保育所等整備にかかわるコーディネーター配置経費補助金メニューがあります。 東京都世田谷では、この制度を導入したことにより、地域調整がスムーズに行われ、整備休止案件はなくなったそうです。今後ますます整備に対する調整が必要となってくることが考えられますが、そこで、本市としてもこのような制度を導入してはと考えますが、子ども青少年局長にお尋ねいたします。 保育所等整備とあわせ、言うまでもなく保育士の確保も必要となってきます。ハード整備が進むにつれ、そこで働く保育士が必要となり、民間保育所からは年々人材確保が難しくなっていると聞いています。 保育士が就職する際、養成校、ハローワーク、知人の紹介等のツールを利用し就職先を探していますが、しかし、なかなか養成校等とのつながりのない保育所は、保育士確保が難しく、人材派遣会社に多額の費用を支払い、何とか保育士を確保している実態もあり、事業者にとっては大きな負担となっています。 また、保育士を目指すための養成校の現状を見てみると、平成29年度保育士資格取得者の約2割は、保育所や幼稚園といった職場ではない就職先を選んでいます。保育士資格取得者から保育所等が就職先として選ばれるような、魅力ある職場づくりも必要ではないでしょうか。 保育士の仕事は多岐にわたり、保育現場の声を聞くと、作成書類の軽減、事務作業の効率化といった働きやすい環境整備も求められております。 また、国においては、園内の清掃業務や遊具の点検、給食の配膳、寝具の用意、片づけなど、保育にかかわる周辺業務を他の人に任せることにより、保育士の負担軽減を図る保育体制強化事業が設けられておりますが、この事業メニューを活用し、大阪市、神戸市では、保育士の働きやすい環境整備を行っています。 そこで、民間保育所等における保育士確保、また、定着に向け、本市としてもこのような国の事業を導入する考えはないか、子ども青少年局長にお尋ねします。 次に、公園灯のLED化について。 LED照明の導入については、政府みずからが率先してLED照明を導入することとしており、また、設置・更新後15年を経過している照明については、原則として2020年度までにLED照明への切りかえを行うこととなっています。 本市においても、市民、事業者に率先して環境配慮に取り組むことを目的としている名古屋市役所環境行動計画2030で、設備・機器の設置に当たっては、エネルギー効率がすぐれたものを導入するとして、積極的なLED化を進めています。 これまでの取り組みを調べてみますと、電球型の照明は、全庁的に平成23年度、24年度に全てLED化をされ、直管型照明は、平成29年度末時点で、市役所庁舎初め、市施設全体で2万9000台程度導入をされています。 また、これらの取り組み以外でもLED化は進められており、一例を挙げますと、平成29年度、30年度に市内幹線道路の街路灯3万1318基がリース方式によりLED化をされております。このLED化されたことにより、CO2削減の効果もありますが、省電力化による電気代の削減、修繕費の削減により、年間約4億円程度の削減が見込まれております。この生み出された財源は、生活道路照明の老朽化対策、道路の除草・清掃等、道路の維持管理費として活用されます。厳しい限られた財源で道路の維持管理を行っている現状、貴重な財源となります。 また、日常同じように維持管理について地域の皆様から相談を受ける場所があります。公園です。もし、街路灯のように公園灯のLED化を進めれば、維持管理費の削減につながり、公園の除草や清掃、樹木の剪定、遊具の修繕などに活用できるのではないでしょうか。 公園には、今、約1万基の公園灯が設置されています。率先して環境配慮に取り組むことは当然のことですが、この公園灯についても先ほどの街路灯のように、生み出された財源を公園の維持管理費として活用することができるよう、少しでも早くLED化を進めていく考えはないか、緑政土木局長にお尋ねをし、第1回目の質問を終了します。ありがとうございました。(拍手) ◎子ども青少年局長(杉野みどり君) 子ども青少年局には、待機児童対策に関して、3点のお尋ねをいただきました。 初めに、保育ニーズの見通しについてでございます。 近年、本市の保育所等の利用申込児童数は、毎年1,500人から1,800人程度増加しております。 平成30年度に実施しました子育て家庭に対する意識調査では、保育所を利用したいという世帯が一、二歳児では52.9%であることがわかりました。 今年度の保育所等の利用申込率は、一、二歳児では46.6%であり、この率が今後これまでと同程度の伸び率で推移するものと仮定した場合、利用申込率が調査結果の52.9%に達する令和4年度が、当面の保育ニーズのピークではないかと見込んでおります。 しかしながら、女性の就業率を引き上げていくという国の方針もあり、今後保育所を利用したいという方がさらにふえる可能性もございますので、引き続き就学前児童数等の動向を把握しながら、必要となる待機児童対策について検討してまいります。 次に、保育所整備手法の改善の必要性についてでございます。 本市では、これまで待機児童対策を強力に進めてきており、平成31年4月時点での保育所及び認定こども園の数は484カ所と、待機児童対策を開始した平成22年度に比べ198カ所ふえている状況です。 こうした中、住宅に近接した物件での整備案件もふえてきており、保育所の整備に当たっては、近隣住民の方々の理解を十分に得ながら進めることがさらに重要になってきているものと認識しております。 そのため、保育所整備の計画について、事前に近隣住民の方々に説明を行うことを運営事業者に義務づける等の対策を進めてまいりましたが、近隣住民の方々から説明が不十分であるといったお声をいただいているところでございます。 議員御提案のように、他自治体では保育所整備の公募期間を前倒しをしている事例がありますことから、本市におきましても地域調整のための時間を十分にとり、近隣住民の方々への説明をより丁寧にできるよう、まずは賃貸物件を活用した保育所整備について、公募期間を二、三カ月前倒しできるよう進めてまいりたいと考えております。 また、他自治体では、近隣住民との合意形成に向けて調整を行うコーディネーターを配置できるようにしている事例もございますので、本市におきましてもコーディネーター制度の導入について検討してまいります。 最後に、民間保育所における保育士の確保策についてでございます。 待機児童対策を進める中で、保育士の確保と定着を図ることは喫緊の課題であると認識しております。本市におきましては、民間社会福祉施設運営費補給金制度により、保育士の処遇改善を図るとともに、保育士宿舎借上げ支援事業など、さまざまな保育士の確保策に取り組んでおります。 今年度は、新たに保育士の確保策として、求職中の保育士が希望する勤務条件と、民間保育所等の求人情報とをシステム上でマッチングする事業を行う予定としております。 さらに、保育士の定着を図るため、議員御提案のように他自治体の事例を参考にして、園外活動の見守りや清掃といった、保育に係る周辺業務をサポートする者を配置する事業の導入によりまして、保育士の負担軽減ができるよう検討してまいります。 以上でございます。 ◎緑政土木局長(山田淳君) 緑政土木局に対しまして、公園灯のLED化についてお尋ねをいただきました。 公園灯につきましては、これまでランプ交換時等に水銀灯からエネルギー効率の高いセラミックメタルハライド灯への取りかえを進めてまいりました。 しかしながら、LED照明の製品開発が進んできたことから、平成28年度より老朽化した公園灯を更新する際などに、一部の公園におきましてLED照明の導入を始めたところでございます。 LED照明は、消費電力や修繕費、CO2排出量の削減に効果があることから、公園灯についてもLED化を進める必要があると考えております。 現在、本市では約1万基の公園灯を年間約3億円で管理しておりますが、仮にデザイン灯や既にLED化したものなどを除く8,000基程度を街路灯のようにリース方式にした場合、あくまで試算ではございますが、電気料金など年間約2億円が削減され、リース料を支払ったとしても年間数千万円の経費削減につながるのではないかと想定してます。 そこで、公園灯につきましても、リース方式によるLED化を令和2年度中には実施できるよう検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◆(岩本たかひろ君) 御答弁ありがとうございました。しっかりと進めて、また、公園灯、お願いいたします。 そして、待機児童対策なんですけれども、いろいろと先ほどスムーズに整備が進むようにということで御提案をさせていただいておりますが、いま一回、この待機児童を総括するべき時期に来ているんじゃないのかなというのを感じることがありました。 この待機児童対策、保育、大変大事な施策でありますが、ある日突然8月31日をもってこの駐輪場は閉鎖するという張り紙を張られる、その駐輪所が閉鎖をされるという案件が出た。ここは何になるのかと聞いたら、保育園になるんですよ、保育園の予定地だと言うんですよ。駐輪場も大事な市民サービス。そして、この保育園も大事な市民サービスですよ。何が言いたいのかというと、今いろんなところに保育園を新設しながらやっている中で、数ばかり追っているような現状も正直あるんじゃないのかな。そんなところでだんだんとこういう難しいところに来ているんじゃないのかなというのを私はすごく感じるんですよね。 そこで、市長に、待機児童対策は市長も言われておりますので、いま一度、先ほどの制度の導入も含めて、待機児童、これからますます地域に対する説明も難しくなってくるところも出てくると思いますよ。そんなところも含めて、これから、また待機児童ゼロを継続していく、そんなところも含めて市長の決意をお願いいたします。 ◎市長(河村たかし君) まず、待機児童という言葉自体が、こんなのを残しておっていかぬですわね。働くお母ちゃんたちが、働きたい場合もあるけど、やっぱり収入がないもんだで働きに行くと、それもできぬということになりますし。だで、これはもう絶対的にゼロになって当たり前のことなので、これは全力も当たり前です。だから、ずっと待機児童ゼロは続けていかないかぬ。 あと、施設は施設で、今度コンビニでもやりますし、コンビニとか学校とか、それから、あと、要するに保育士さんたちが名古屋で働こうかというふうになってもらわないかぬで、きのう話がありましたで、子ども青少年局長には、一遍、新人とやっておる人にアンケートをとってみやあといって、どういう希望・課題があるのかといって、今言ってあります。 ◆(岩本たかひろ君) 市長、コンビニは、あるところもないところもありますので、しっかりと、子ども青少年局だけじゃできないことがあるんですよ。全庁的に、先ほどもプロジェクトチームを立ち上げてゼロの実現をしているので、しっかりと全庁的に、これは先ほどの保育士さんの職場改善もそうですよ、しっかりと取り組んでいただきたい。 そして、区役所の現場の声を聞いたことありますか。今、本当に疲弊していますよ。これで10月から無償化が始まると、さらに大変になっていきますよ。しっかりと現場の声を聞いて、職員さんの。今、派遣職員さんも、この制度が大変だということで結構やめられている方もいると聞いています。しっかりと、子育てするなら名古屋と言われる、待機児童ゼロを実現するんであれば、しっかりと取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、もう時間がありませんのでこれで終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丹羽ひろし君) 次に、松井よしのり君にお許しいたします。    〔松井よしのり君登壇〕 ◆(松井よしのり君) 議場の皆さん、こんにちは。傍聴席の大勢の皆さん、いつもいつも見学に来ていただき、まことにありがとうございます。議長にお許しをいただきましたので、順次質問したいと思います。 まず、上下水道局営業所のあり方について質問します。 上下水道局では、これまでも経営の効率化を図るため、水道メーターの検針業務や電話窓口業務など、営業所業務の一部を委託するなどさまざまな業務の見直しを進められました。これらの業務の見直しによってスリム化が図られ、拠点となる営業所に業務と人員を集約することが可能となってきたことから、営業所の集約・再編も進められてきております。 パネルをごらんください。 議場の方は、お手元の印刷物を見てください。 平成22年度には各区1営業所ずつあったこの営業所ですけれども、23年度には東営業所と熱田営業所がサービスステーションに見直されました。そして、26年度には9営業所、7サービスステーション体制に、さらに、一部のサービスステーションについては拠点の営業所に集約することで、現在は9営業所、3サービスステーションとなっております。 しかしながら、給水収益が伸び悩み、次期総合計画である名古屋市総合計画2023においても、本市の人口が令和5年をピークに減少へと転じている推計が示されていることから、上下水道事業の中長期的な経営状況は決して楽観視することはできません。したがって、営業所のあり方も現状に満足することなく、効率化に向けてさらに検討を進めていく必要があるのではないでしょうか。 さらにもう一度、このパネルを見てください。 旧5大市の比較でございます。横浜、名古屋、京都、大阪、神戸市を比べています。 各都市、面積も違えば人口も違いますが、しかし、営業所、サービスステーションを含めた公所数は、本市が12公所と一番多いのは一目瞭然であります。横浜市は7公所、大阪市は、わずか4公所しかございません。各都市によってそれぞれさまざまな歴史や経緯、そして事業の特性や考え方の違いもあると思いますが、他都市の事例を調査研究し、さらなる効率化を図ることができるのではないでしょうか。 そこで、上下水道局長にお尋ねします。現在の本市の営業所業務の見直しの状況についてお答えください。 次に、ごみ減量につながる紙資源のさらなるリサイクルについて質問します。 本市では、かつてごみ処理量が右肩上がりに増加する中、平成11年1月に渡り鳥の重要な飛来地でもある藤前干潟の埋立計画を断念し、同年2月にごみ非常事態宣言を発表してから、ことしで20年がたちました。ちょうど20年たちました。 そして、このごみ非常事態宣言を契機として、現在につながるさまざまな分別制度が始まりました。指定袋制の導入、プラスチック製、紙製容器包装の収集開始、そして、新聞、雑誌、段ボール、雑紙などの古紙については、地域の人たちによる集団資源回収の拡大が図られました。 この中でも、今回の質問では、特に紙資源について話を進めていきたいと思います。 平成10年度当時、家庭から排出される古紙の量は12万5000トンありましたが、リサイクルに回されるのはそのうちの約4割で、残りの6割は可燃ごみとして燃やされていました。既にこの当時、町内会や子ども会などの単位で、自発的に集団資源回収は行われていましたが、まだ限られた地域で実施されている状況にありました。 これを市全域に広げるべく、平成12年度に学区単位で集団資源回収に取り組む学区協議会方式が開始されました。こうして地域の皆様の並々ならぬ御尽力により、集団資源回収は今や本市のごみ減量の屋台骨として機能しており、本市の家庭から出される8割以上の古紙が、集団資源回収により資源化されております。 しかしながら、昨今、社会情勢の変化、特に中国の政策転換により、本市の紙資源リサイクルが危機的な状況を迎えております。 集団資源回収を実施する団体は、回収量に応じて市から謝礼として受け取る事業協力金のほか、古紙を回収業者に売った際に得られる売り払い金をもってその運営を賄っております。 しかし、中国が古紙の輸入を停止し始めたことで、日本国内の古紙がだぶつき、集団資源回収で集めた雑誌、雑紙の売り払い金は現在値がつかず、ゼロ円となっている状況です。 実施団体や回収業者の方々から、集めても負担がふえるだけという声も聞いており、このままでは集団資源回収にかかわる人たちが減り、古紙の出せる場所が減り、結果的には古紙が可燃ごみとして出されてしまうという事態も想定されてしまいます。 また、日ごろ私が市民の皆さんとお話しする中で、紙製容器包装と雑紙の違いがわからないという話をよく耳にします。 事実、紙製容器包装の資源分別率は、平成14年度は70%ありました。そのときがピークでした。平成30年度、22%と年々低下の一途をたどっている状況です。今年度末には市内で1番大きな処理能力を持つ南陽工場が設備更新により停止することから考えても、さらなるごみ減量を進めていかなければなりません。ごみ非常事態宣言以降、本市では紙マークのついたティッシュペーパーやお菓子の箱などは、紙製容器包装の区分で市が週に1回ステーション回収を行っております。 また、メモ用紙やはがき、封筒などの雑紙については、地域で行われる集団資源回収を中心に出すこととなっております。 しかしながら、技術的観点でいえば、紙製容器包装も、この雑紙も、最終的には同じ製紙工場で再生されているものであります。また、多くの都市では、紙製容器包装も雑紙も一緒に回収して資源化されていると聞いております。 そこで、環境局長にお尋ねします。ごみ減量に向けた紙資源のリサイクルの推進を図るため、本市においても紙製容器包装という分別区分にこだわらず、紙製容器包装と雑紙を一緒に回収するリサイクルの手法を検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。見解をお聞かせください。 以上で、第1回目の質問を終わります。(拍手) ◎上下水道局長(宮村喜明君) 上下水道局に対し、営業所業務の見直しについてお尋ねをいただきました。 当局では、これまで議員御指摘の水道メーター検針業務や電話窓口業務の委託化に加えて、料金の口座振替登録業務の集約化などを進めることで、段階的に営業所体制を見直してまいりました。 さらに、来年2月には千種を初めとする東部地域の水道メーター検針業務の契約更新に当たり、検針業務に加えて未納料金の督促業務を含めた委託とする予定でございます。今後も、営業所業務の委託の拡大を含め、業務のあり方について見直しを進めてまいります。 以上でございます。 ◎環境局長(水野裕之君) 環境局には、ごみ減量につながる紙資源のさらなるリサイクルの推進についてお尋ねをいただきました。 議員御指摘のとおり、集団資源回収を行っております雑紙につきましては、中国の輸入禁止の影響で今後リサイクルされずにごみとなる可能性が懸念されております。 一方、紙製容器包装につきましては、対象がわかりにくいとの御指摘もあり、その資源化率は年々低下し、多くが可燃ごみとして捨てられている現状でございます。 こうした現状を踏まえまして、社会情勢の変化に合わせて分別の方法を見直すことは持続的なリサイクルのためには必要であると考えており、現在、第5次一般廃棄物処理基本計画の改定作業の中で検討を始めたところでございます。 議員御提案の雑紙と紙製容器包装を同じ分別区分とすることは、市民の皆様にとりましては、分別排出がしやすくなるだけでなく、本市が選別を行うことで資源としての品質が向上し、古紙の市況が不安定な状況においても有効活用を進めることができる、こういった利点がございます。 いずれにいたしましても、分別区分の変更は市民生活に大変大きな影響があることから、雑紙と紙製容器包装を同じ区分とした場合の効果や影響につきまして、実証実験などの十分な検証を行い、紙資源のリサイクルをより一層推進できるよう検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(松井よしのり君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 まず、ごみ減量につながる紙資源のさらなるリサイクルについて、環境局長さんから大変前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。 紙資源につきましては、紙製容器包装と雑紙の区分は、高齢者を初めとする多くの住民にとって非常にわかりづらく難しいものとなっております。現に、毎日のように、きょうも行ってきました、地域で立ち番をしている保健環境委員さん、きょう、この傍聴席にも何人かお見えになっております。そういった方からも紙製容器包装の袋に雑紙が多数混在しているとか、紙製容器包装と雑紙は、それぞれ単独だと余り量が出ず、分別する意欲が湧かないことから、つい可燃ごみに入れてしまうといった声も多く寄せられております。 このような市民の皆さん、保健環境委員さんの声を踏まえまして、今後、雑紙と紙製容器包装を一緒に回収するリサイクルへ、スピード感を持って取り組んでいただくことを強く要望いたします。 次に、上下水道局営業所のあり方につきまして、見直しの状況は理解いたしました。 しかし、業務のあり方は時代に合わせて変化していくものであり、それに応じて営業所の体制も変化していかなければなりません。 その一方で、私は常々上下水道局においては市民の安心・安全を守る上下水道サービスの維持・向上が必要不可欠であり、防災機能の強化は特に重要であると考えております。市民の安心・安全を守る上下水道サービスは維持・向上していく一方で、営業所業務の見直しと集約化により経営の効率化をさらに進めていくことが求められております。 そこで再度、上下水道局長にお聞きします。今後、上下水道サービスの維持・向上を図りながら、どのように営業所の再編を進めていくのか、具体的にお答えください。 ◎上下水道局長(宮村喜明君) 営業所再編に対する考えについて再度のお尋ねをいただきました。 営業所においては、これまで水道の使用開始・中止申し込みのインターネット受付など、お客様が直接営業所に来所しなくても用件を済ますことができるサービスを展開しており、現に営業所への来庁者も少なくなっております。 こうした状況を踏まえ、業務の見直しを今後も進めるとともに、営業所のさらなる再編の実施によるスケールメリットを生かし、お客様サービスの充実を図るとともに、災害発生時の対応をより強化することを目指してまいります。 災害発生時においては、営業所は区役所との連絡調整と応急給水を主に担うことになります。 一方で、平時において道路部での漏水などに対応している管路センターは、災害発生時には応急復旧を担い災害対策の拠点となるため、営業所と管路センターの連携を強化することは、災害対応力のさらなる向上につながると考えております。管路センターは4方面別に配置していることから、今後お客様サービスの充実と災害発生時の対応強化を目指し、最終的には営業所を管路センターと同じ4方面別に再編するよう検討を進めてまいります。 以上でございます。 ◆(松井よしのり君) 局長、再度の御答弁ありがとうございました。 最終的に四つの方面に営業所の再編を進めていくという英断は、十分に評価したいと思います。ぜひ進めていってもらいたいですが、しかし、決して市民の安心・安全な上下水道サービスを低下させることがないように留意していただきたいと思います。 また、再編を含めた見直しに当たっては、スピード感を持って進めていただくよう強く強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丹羽ひろし君) 次に、服部しんのすけ君にお許しいたします。    〔服部しんのすけ君登壇〕 ◆(服部しんのすけ君) 議長にお許しをいただきましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 時間の都合上、3番目の金山・熱田神宮かいわいの都市開発については、一部を割愛させていただきます。 まず初めに、断夫山古墳の県市共同発掘調査について質問をさせていただきます。 私の地元熱田には、東海地方最大規模の古墳、断夫山古墳があります。ここは、ヤマトタケルの奥さんであるミヤズヒメの墓と伝えられる古墳であり、これまでに発掘調査が行われておらず、盗掘もないということから、もし本格的に調査をすれば、大きな発見の可能性があるという大変に夢のある古墳であります。 これまでに私は、何度か市当局に対し、断夫山古墳を発掘調査することができないか打診をしましたが、愛知県の所有する古墳なのでと、つれない返事しか返ってきませんでした。そこで、愛知県に対し直接働きかけたところ、県として調査に踏み出したいという方針を確認することができました。 本市はこの春、志段味古墳群に歴史の里をオープンさせるなど、古墳を生かしたまちづくりと魅力発信に取り組んでいますが、断夫山古墳は、志段味古墳群に勝るとも劣らない名古屋の宝であると私は思います。 そこで、教育長にお尋ねをいたします。断夫山古墳を調査し、その成果を歴史ロマン漂うまちづくりに生かすために、本格的な発掘調査、愛知県との対等な立場での共同調査を行う考えはありませんでしょうか。教育長にお尋ねをいたします。 続きまして、屋外における受動喫煙対策について質問をさせていただきます。 さて、昨年の通常国会で受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立し、20年4月に全面施行されることとなり、自治体や企業などさまざまな場所で前倒しして対策を講じる動きが出ております。 既に、7月1日より改正法の一部が施行され、学校、病院、行政機関の庁舎等の原則敷地内禁煙が始まりました。 この結果、皆さんも御存じのとおり、東庁舎の出入り口付近に設けてあった喫煙スペースは東庁舎の屋上へと場所を変え、私も屋上に行きましたが、眺めもよく、受動喫煙対策としては法令施行に応じた対策であり、受動喫煙の可能性が低くなったと実感することができました。 話は変わりますが、たばこは、販売価格の大部分が税であることは皆さんも御承知のとおりだと思います。具体的に見てみますと、例えば、20本入りの1箱480円のたばこの場合、国のたばこ税、県のたばこ税、市のたばこ税などさまざまな税が課されており、その合計は300円ほどとなっております。つまり、たばこの販売価格の実に6割ほどは税金としてお支払いいただいているということになります。 次に、そのたばこ税が本市にどの程度入ってきているのかを見てみたいと思います。 本市の市税収入における市たばこ税、平成30年度の決算見込みでは162億円にも上ります。10年前の平成20年度の市たばこ税の税収が165億円であったことから考えると、喫煙人口の減少などによりたばこの売り上げが減少傾向にある中で、市たばこ税が本市にとって貴重な財源であり続けていることがよくわかると思います。 あくまでもこのたばこ税は、特定財源と違い一般財源でありますから、分煙環境を整えるために使ってくれとは言えないかもわかりませんが、税に寄与している喫煙者、そして受動喫煙を望まない非喫煙者が、それぞれ幸せに過ごせる環境整備のためにこのたばこ税を使うことこそ、真の多様性を認め合う人に優しい都市になるのではないかと私自身は思います。 本市では、市長さん本人が、昨年、議会答弁にて子供の受動喫煙について触れられ、条例案を提出する準備をするよう指示したいと答弁をされていますが、名前を出すことはしませんが、教育現場などでも学校の敷地内での喫煙が完全にできなくなったため、学校の外に出て校門前にて喫煙をしている職員さんがいると苦情が入っただとか、近くのコンビニの敷地内にある灰皿を置いてある場所でたばこを吸ったりとか、私自身、耳にしたり実際目にしたりと、教育現場からたばこを締め出すという理想を実現したがゆえに、かえって学校外で遊んだりする子供たちにとって受動喫煙の危険性が増したと思われる状況が生まれております。 そんなことから、私自身は、本市の施設も含め、公園、道路などにも場合によっては受動喫煙をさせない本市の取り組みをしなければならないのではないかと考えるようになりました。 とはいえ、待ったなしで来年4月から、オフィスや飲食店等、その他多数の方が御利用になる施設が原則屋内禁煙になることを踏まえると、喫煙することができる場所が相当程度限定的になるものと認識しており、まちじゅう至るところで受動喫煙が問題になるのではないかと心配をしております。 そこで、健康福祉局長さんにお尋ねをいたします。受動喫煙をさせないための取り組みとして、来年、改正健康増進法が全面施行されることから、例えば、市内のコンビニエンスストアなどと協力をして、店外にパーティションで区切られたスペースを確保することで屋外における受動喫煙対策を進めることができるのではないかと思います。いわゆる公衆喫煙所の設置費用を助成する仕組みをつくり、屋外における受動喫煙対策も進める必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 続きまして、金山・熱田神宮かいわいの都市開発について質問をいたします。 リニア中央新幹線の開業によるスーパーメガリージョンの形成を機に、圏域の中枢として名古屋がさらに発展していくためには、名古屋駅や栄だけでなく、金山についても新たな拠点として機能強化が必要と考えます。 そして、金山のすぐそばにある熱田神宮を中心とするかいわいは、金山とともに名古屋城から有松・桶狭間にかけての歴史・文化魅力軸の上に位置しており、熱田神宮を初め先ほど質問をさせていただいた断夫山古墳、宮の渡しなどの歴史資源の宝庫でもあります。 また、中部国際空港に直結する名鉄神宮前駅のほか、JR、地下鉄の複数駅に近接する交通至便の場所でもあり、こうした地理的特性を鑑みれば、名古屋を代表する文化・観光拠点になってしかるべきエリアだと思います。 金山駅周辺において、国内外からの交流拠点にふさわしい整備を行うために、事業化に入る段階から都市再生緊急整備地域の指定を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。住宅都市局長にお尋ねをいたします。 これにて、私の1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) ◎教育長(鈴木誠二君) 教育委員会に対しまして、断夫山古墳の県市共同発掘調査に関し質問いただきました。 断夫山古墳は、愛知県が所有し管理している長さ150メートルの前方後円墳で、国史跡に指定されており、その築造時期のものとしては、ヤマト王権の大王が埋葬された古墳に次ぐ大きさがあり、当時この地域に大変大きな勢力が存在していた可能性を伝えるものであるということから、本市にとっても重要な史跡でございます。 断夫山古墳では、これまで発掘調査が行われておらず、古墳の形状や範囲など基本的な情報が明らかになっておりません。 こうした中、愛知県教育委員会から名古屋市教育委員会に対しまして、県市共同での発掘調査を実施してはどうかという提案がございました。 学術的な調査により断夫山古墳の特徴を明らかにし、古墳時代の名古屋を治めた勢力の姿に迫ることができれば、本市の歴史を知る上で大変意義深いものと存じております。 調査結果を踏まえた断夫山古墳の保存・活用を図ることによりまして、この貴重で魅力ある歴史遺産の存在を多くの市民に実感していただけることもできるのではないかと考えております。 断夫山古墳は、県営公園の中に存在しており、国指定の史跡であることから、文化庁との相談や、場合によっては現状変更許可が必要となるなど、調査に際しては関係者との調整が必要でございます。教育委員会といたしましては、愛知県教育委員会と歩調を合わせて今年度にも着手できるよう検討・協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎健康福祉局長(海野稔博君) 健康福祉局には、屋外における受動喫煙対策についてお尋ねをいただきました。 令和2年4月1日の改正健康増進法の全面施行に伴い、飲食店など多くの人が利用する全ての施設において原則屋内禁煙となりますが、屋外については法上禁煙等の措置は定められておらず、また、安心・安全で快適なまちづくりなごや条例では、いわゆる歩きたばこは禁止されておりますことから、議員御指摘のとおり、屋外における受動喫煙の問題、特に子供への影響が顕在化するおそれがございます。 本市では、子供を受動喫煙から守ることを主眼とした独自の受動喫煙対策について検討しておりまして、健康なごやプラン21推進会議の専門部会として名古屋市喫煙対策専門部会の第1回目を今月27日に開催し、独自対策について御意見をお聞きする予定でございます。 国も屋外における受動喫煙対策として、地方公共団体による屋外分煙施設の設置・整備に対する地方財政措置による支援等を示しており、既に東京都では、都内の市町村による公衆喫煙所の整備に対して経費の補助を行っているところでございます。 最近では、大阪府においても屋外分煙施設の整備促進を図る考え方が示されるなど、地方公共団体がいわゆる公衆喫煙所を整備する動きが広まっております。 お尋ねの屋外における受動喫煙対策に向けての屋外分煙施設の設置費用の助成につきましては、東京都の事例なども参考にしながら、今月開催する第1回喫煙対策専門部会の御意見も踏まえ、今年度中にも実効性のある助成制度の構築に向けて検討してまいります。 以上でございます。 ◎住宅都市局長(光安達也君) 住宅都市局には、金山駅周辺における都市再生緊急整備地域の指定についてお尋ねをいただきました。 都市再生緊急整備地域におきましては、公共施設等の整備を伴う一定以上の区域面積を有する優良な建築物等を整備する場合に、都市計画の特例や金融支援、税制支援などの特例措置を受けることが可能となります。 金山駅周辺の開発につきましては、平成29年3月に策定いたしました金山駅周辺まちづくり構想におきまして公民連携による再開発の推進の重要性をうたっており、民間の活力や資金を活用してすぐれた事業を展開するために都市再生緊急整備地域の指定による特例措置を活用することは、一つの有効策であると考えております。 国から都市再生緊急整備地域の指定を受けるためには、その前段階として候補地域に設定いただき、民間投資の一層の喚起や都市再生の質の向上を図っていく必要がございます。 したがいまして、都市再生緊急整備地域の指定を受けることによる容積率緩和や金融支援、税制支援などの事業メリットを分析しつつ、まずは候補地域の申請について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(服部しんのすけ君) それではまず、教育長、御答弁ありがとうございました。 県教育委員会と歩調を合わせて今年度中にも着手できるよう検討・協議を進めてまいりたいということで、素早い対応をしていただいたことに心の底から御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 断夫山古墳の発掘は、名古屋の魅力向上に大いに寄与すること、間違いないと思います。例えば、発掘するということであれば、その過程を広く市民や観光客の皆さんに公開をしたり、発掘を体験できるさまざまな工夫を凝らした観光戦略もすごくいいなと考えるわけです。今後も現状変更許可が必要になるなど、さまざまな調整を県としなければならない状況ですが、歴史上の大発見を大いに楽しみにして、この件は終わらせていただきたいと思います。 それで、また、住宅都市局長、ありがとうございました。 金山の都市再生緊急整備地域への候補地域の申請について検討していただけると御答弁いただきました。今はまだ何も具体的な構想があるわけではありませんが、夢ある大きな絵が描けるよう、大きなキャンバスを用意していただきたいと思います。 今後も、金山駅周辺や熱田神宮かいわいの都市開発は同時期に進んでいくと予想されますので、しっかりと十分な組織体制を整えた上で、着実な事業推進に努めるよう強く要望させていただきたいと思います。 それで、最後でございますけれども、健康福祉局長、ありがとうございました。 たばこを吸う人も吸わない人も幸せな社会を実現する第一歩を踏み出したのではないかと私は思います。私自身、たばこを吸いませんが、今回このままでは受動喫煙のリスクがふえるとの観点から質問をさせていただいたわけです。 たばこの問題は受動喫煙だけではありません。今後も路上禁煙地区への公衆喫煙所の整備なども進めていかなければならないと思いますし、吸い殻ごみの対策、歩きたばこの問題など、さまざまな解決しなければならない課題が残っております。必要な対策をしっかりととり続けていただきますよう関係局とともにお願いをしたいと思いますが、まだちょっと時間がございますので、通告にはありませんけれども、市長に再質問をさせていただきたいと思います。 今、名古屋駅の西側のほうには、市長、そしてまた横井議員に御尽力をいただきまして喫煙所があるわけでございますが、名古屋駅、今、乗降客130万人弱でございますけど、仮に喫煙者の率が20%とすると、二十六、七万人の方がたばこを吸われて、4月から全く屋内で吸えないということになれば、そういう方があふれ出すということが考えられますので、これはぜひとも東側にも喫煙所をつくるべきじゃないかと思いますけれども、市長さん、どう思われますでしょうか。 ◎市長(河村たかし君) 西側のところのやつは、ええ場所だわね、あれ。偉い様がしょっちゅうござって言わっせるもんで、JRの偉い様もどえりゃあええところへつくったなと言って。そこで名古屋城の昔の木造の天守の写真がでかくかけてあるもんだで、あれ、なかなかうまいことできたなと思っております……(「市長のおかげです」と呼ぶ者あり)いやいや。今度は表のほうでしょう……(「表のほう、東」と呼ぶ者あり)東ね。だで、今、きょうの服部さんの御指摘があったように、やっぱり屋外では、ほったらかしではいかぬもんで、確かにね。だで、東の、余りどえりゃあええところのど真ん中はちょっと遠慮していただいて。しかし、西側のあれ、ええやつをつくりましたので、あんなふうで盛り上がるものだったら考えていったらどうかなと思いますけど、せっかくだもんで。ええきゃあ、こんなもんで。 ◆(服部しんのすけ君) 市長、力強い御答弁ありがとうございました。しっかりとそういった喫煙所を整備していただきまして、本当に受動喫煙、しっかりと防止をしていただきまして、子供たちに本当に受動喫煙対策、条例もできるということでございますが、しっかりとこれからもやっていただきますよう強く要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(丹羽ひろし君) 以上で、質疑並びに質問を終了いたします。 各案は、いずれも慎重審査のため所管の常任委員会に付議いたします。 以上をもちまして、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。          午後2時29分散会      市会議員  塚本つよし      市会議員  浅野 有      市会副議長 岡本やすひろ      市会議長  丹羽ひろし...