花巻市議会 > 2013-03-08 >
03月08日-05号

  • "博物館長"(/)
ツイート シェア
  1. 花巻市議会 2013-03-08
    03月08日-05号


    取得元: 花巻市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-23
    平成25年  3月 定例会(第1回)平成25年3月8日(金)議事日程第5号平成25年3月8日(金) 午前10時開議 第1 一般質問  (1) 板垣武美君  (2) 櫻井 肇君  (3) 大原 健君本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問  (1) 板垣武美君  (2) 櫻井 肇君  (3) 大原 健君出席議員(33名)   1番  増子義久君      3番  細川宏幸君   4番  照井雄一君      5番  高橋 勤君   6番  伊藤源康君      7番  若柳良明君   8番  小原雅道君      9番  鎌田幸也君  10番  松田 昇君     11番  小原茂明君  12番  鎌田芳雄君     13番  照井明子君  14番  藤井幸介君     15番  板垣武美君  16番  平賀 守君     17番  藤原晶幸君  18番  藤原米光君     19番  藤井英子君  20番  高橋久順君     21番  本舘憲一君  22番  小田島邦弘君    23番  近村晴男君  24番  中村勝吉君     25番  櫻井 肇君  26番  大原 健君     27番  川村伸浩君  28番  佐藤忠男君     29番  中村初彦君  30番  阿部一男君     31番  齋藤政人君  32番  高橋 浩君     33番  新田盛夫君  34番  高橋淑郎君欠席議員  なし説明のため出席した者 市長        大石満雄君   副市長       佐々木 稔君 副市長       高橋公男君   教育委員会委員長  照井善耕君 教育長       及川宣夫君   選挙管理委員会委員長職務代理者                             大原皓二君 農業委員会会長   伊藤繁弘君   監査委員      戸來喜美雄君 政策推進部長    亀澤 健君   総務部長      藤井廣志君 まちづくり部長   菊池保守君   商工観光部長    高木 伸君 農林水産部長    佐々木 忍君  生活福祉部長    大竹昌和君 健康こども部長   出茂 寛君   建設部長      高橋穣児君 水道事業所長(上下水道部長併任)  消防本部消防長   瀬川泰正君           神山芳武君 大迫総合支所長   高橋征雄君   東和総合支所長   赤坂 謙君 教育委員会教育部長 高橋福子君   財政課長      市村 律君 総務課長      佐藤隆治君職務のため議場に出席した事務局職員 事務局長      高橋和夫    事務局次長     萬 久也 総務係長      伊藤理恵    議事調査係長    阿部 靖     午前10時00分 開議 ○議長(川村伸浩君) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議は、議事日程第5号をもって進めます。 ○議長(川村伸浩君) 日程第1、一般質問を行います。 本日最初の質問者、板垣武美君。(拍手)     (板垣武美君登壇) ◆15番(板垣武美君) 15番、板垣武美であります。 今回は2項目について質問をいたします。 御答弁は市民の方々にもわかりやすい内容でお願いいたします。 最初に、市長演述について伺います。 市長が述べられた新年度の施政方針には、花巻市まちづくり総合計画は順調に策定作業が進んでいると記されております。これまでの総合計画の成果と課題を整理し、今後の市民生活の向上と一層の財政負担の軽減を目指し、議論が行われているものと推察されますが、そろそろ議決責任のある市議会に対して、その中間的な取りまとめの状況についてお聞かせいただけませんでしょうか。 次に、社会資本の老朽化問題について伺います。 私たちの身の回りにある社会資本が老朽化していることにお気づきでしょうか。 社会資本には、学校、図書館、公民館や公営住宅、市民会館などの公共施設と、道路、橋、上下水道、ごみ処理施設、火葬場などのインフラがあります。 日本の社会資本は、東京オリンピックの前後から高度成長期にかけて集中的に整備をされました。それから40年以上経過した現在、一斉に老朽化しております。社会資本は物理的なものでありますから、永久に使えるものではありません。安全に使い続けられる限界はおおむね50年といわれており、今後は安全が保障されない社会資本が大量に登場してくるということになります。 既に前兆があります。一昨年の東日本大震災では、津波の被害がなく、かつ現在の耐震基準である震度7に満たなかった地域でも、多くの社会資本が壊れました。昨年の中央自動車道の笹子トンネルの天井崩落事故は、我が国のインフラの老朽化による事故の危険性を示しました。これらは氷山の一角にすぎません。老朽化をこのまま放置すると、各地で建物が倒壊し、橋が落ちるという悲惨な時代を迎えることになりかねません。インフラの老朽化対策は待ったなしの局面を迎えているのです。 そこで伺います。この社会資本の老朽化問題を市長は市の喫緊の最重要課題として強く御認識されているか否か、御所見をお聞かせください。認識しているとすれば、問題意識の内容と今後の取り組みの方向性についてもお答え願います。 次に、市の保有する社会資本についての現状の把握は適切に行われているのか、伺います。市の公共施設とインフラ資産の状況の概要と施設保有の課題を、どのように整理しておられるのかお答えください。 3点目は、社会資本の最適化に向けて、市が目指す姿と基本的な考え方についてです。 現在、市の保有する社会資本に関する経営の方針や老朽化への対処方法は、どのようになっているのでしょうか。また、縦割りではなく一元的な取り組みを可能とする体制は、町内にしっかりと構築をされているのでしょうか。 4点目は、公共施設等に対する更新投資について伺います。まず、現有公共施設等の更新費用の推計と更新可能施設量についてお答えください。次に、更新投資に係る中長期の財政計画の見通しと、更新費用をどのように調達するおつもりなのかお尋ねします。 5点目は老朽化対策と総合計画、地域防災計画との関係について伺います。現在策定作業中の新しい総合計画の体系に、この老朽化対策はどのように位置づけられているのでしょうか。また、この計画の期間内に新たに整備される施設の内容と建設予定年次についてお考えをお聞かせください。東日本大震災を踏まえて、過般、地域防災計画が見直しされましたが、避難所に指定される老朽施設の整備計画についてはどのようにお考えでしょうか。 最後に、国土強靭化について伺います。 政府による事前防災・減災対策を中心とする公共事業費約2兆4,000億円を計上した大型補正予算が成立をいたしております。このことを受け、自民党が選挙公約に掲げた国土強靭化に向けた取り組みが、いよいよスタートラインに立つことになります。 国土強靭化は、老朽化が進むインフラの補修・修繕も対象の一つであります。今後3年間を集中期間と位置づけ、15兆円を投資するとし、国土強靭化を進める上での枠組みを構築するための法整備にも着手しております。 今国会内に国土強靭化基本法を成立させる考えでありますが、市長はこの政府の注目すべき政策である国土強靭化基本法や国の大型補正予算などへの対応について、どのように受けとめていらっしゃるのか御見解をお聞かせください。また、国土強靭化法に限らず必要な制度の導入等により、老朽化が進む商店街のアーケードや街路灯などの商業関連施設の維持管理について、行政支援を行うお考えはございませんか、最後にお尋ねいたします。 登壇しての質問は以上であります。以降の質問は一問一答式にて行いますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手) ○議長(川村伸浩君) 大石市長。     (市長登壇) ◎市長(大石満雄君) 板垣武美議員の御質問にお答えいたします。 1件目の施政方針についての、まちづくり総合計画の進捗状況についてでありますが、このまちづくり総合計画総合計画市民会議の皆様によりまして、これまで計11回の会議を開催していただき、これまでの検討結果を提言書としてまとめ、去る2月7日に提出をいただいたところであります。 その提言内容につきましては、10年後の将来都市像、まちづくり目標と主要テーマ、まちづくりにおける市民や企業の役割の3部で構成されております。将来都市像につきましては、「広い世代が歴史・文化を学び、伝え、市民パワーをひとつに明日を拓き、笑顔の花が咲く温かい都市(まち)はなまき」というものでありまして、委員の皆さんの強い思いが込められたものとなっております。 まちづくり目標と主要テーマにつきましては、しごと、暮らし、人づくり、地域づくり、行政経営の政策レベルごとまちづくり目標を設定するとともに、その目標達成に向けて実現すべき施策レベルでの目標や取り組むべき課題が挙げられております。 このような提言を受けたわけでありますけれども、同様に庁内におきましても、しごと、暮らし、人づくり、地域づくり、行政経営といったまちづくりの分野ごとに、それぞれの分野を担当する部課長を部会員とする5つの政策部会を設置するとともに、各政策部会の補助機関として、担当課長で構成する施策部会を設置し、市民会議における検討内容も参考としながら、本市の現状分析や政策、施策それぞれの目指す姿について議論するとともに、経営会議において計画の体系や主な取り組み内容等について検討を進めてきたところであります。 今後は経営会議におきまして、2月に提出していただきました市民会議の提言内容と庁内検討部会での検討結果をもとに、全体的な調整を図るとともに、経営会議での調整結果を市民会議にお示しし、御意見を伺いながら最終的な計画素案を策定してまいりたいと考えております。 なお、議会に対しての説明は4月ごろを予定しているところであります。 そのほかにつきましては、関係部長から答弁いたさせます。 ○議長(川村伸浩君) 亀澤政策推進部長。 ◎政策推進部長(亀澤健君) 2件目の社会資本の老朽化問題についての御質問のうち、4点目の公共施設等に対する更新投資についてでありますが、更新に必要な費用の推計や施設規模については現在のところ、全庁的な取りまとめを行っていないところでありますが、各部署において所管している公共施設等について、施設の老朽化の度合いや維持管理の履歴により適切な管理に努めているところであります。 次に、5点目の老朽化対策と総合計画との関係についてでありますが、今後におきましては、公共施設等の適正な維持管理と有効活用を行うことが、持続可能な健全財政の確立にもつながりますことから、公共施設等の適正な管理について、新たな総合計画において主要な取り組みとして位置づけてまいりたいと考えているところであります。 なお、現在策定中の総合計画期間内において新たに整備する施設内容や予定年次につきましては、各公共施設等の老朽化や利用状況などをもとに、施設整備の緊急性や必要性を判断しながら、施設の方向性に沿って対応していくことが有効と考えておりますことから、施設ごとの優先順位や限られた財源を考慮しながら、毎年度の予算でお示しし、御決定いただきながら実施してまいりたいと考えているところであります。 次に、6点目の国土強靭化対策に関する質問のうち、国土強靭化基本法、同基本計画、国の大型補正予算などへの対応についてお答えいたします。 国の国土強靭化政策は、東日本大震災からの復興推進、事前防災の観点から、強靭な社会基盤の整備や保健医療、福祉、エネルギー、情報通信や物資供給の確保など、各般にわたる施策が盛り込まれる見込みでありますが、国では現在、法案の提出に向けて取り組んでおり、今後の法制化の動向を注視してまいりたいと考えております。 市といたしましては、災害発生時に被害を最小限に食いとめるための対策として、公共施設や公共インフラに対する投資の必要性は高いものと存じておりますが、整備に当たりましては、国庫補助や地方債等の財源手当て状況を勘案しながら対応していく必要があると考えているところであります。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 2件目の社会資本の老朽化問題につきましての御質問のうち、まず1点目の市の喫緊の最重要課題としての認識についてでありますが、本市では合併以前から人口の増加や拡大する行政需要を背景に、道路橋梁や上下水道施設を初め、教育、文化、スポーツ施設など、多くの都市基盤施設を整備してきたところです。しかしながら現在においては、経済成長の鈍化に伴う市税の減少、少子高齢化や人口減少に伴う市民ニーズの変化、大規模災害への対応などにより、公共施設のあり方や施設の老朽化に伴う多額の維持管理経費の増大が課題となっているところであります。そのため、所期の目的を達成した不要の施設の処分を進めるとともに、施設の用途転換や統廃合、広域的活用などを含めた峻別を行い、施設の有効活用を図るほか、必要に応じて耐震化を行うなど、適切な維持管理と計画的な修繕に努めることにより、施設・設備の長寿命化を図っていくことが重要であると認識いたしております。 次に、2点目の市の社会資本の現状把握は適切に行われているかとのお尋ねのうち、市の公共施設、インフラ資産の状況ですが、建築物につきましては大きな改修や修繕の目安となる築20年以上の建物が370件で、全体の48.6%を占めている状況であります。 また、土木施設につきましては、市道約3,290キロメートル、農道約20キロメートル、橋梁1,050橋、準用河川45河川のほかに水路といった資産を保有しており、これらの資産は全体的に老朽化が進展する見通しとなっております。 上水道につきましては、浄水場や配水池など123施設と水道管約1,350キロメートルを有しており、昭和40年代から50年代に建設した施設が多い状況にあります。 下水道施設につきましては、公共下水道、農業集落排水を合わせまして、終末処理場やポンプ場など13施設と管渠約846キロメートルを有しており、昭和54年度から建設を開始したものであります。 これら公共施設及びインフラ施設は、市民が安心して利用できるよう日常の点検を鋭意行い、適切な維持管理を行っているところでありますが、年々老朽化が進んでいること、維持管理経費が増加していることは重要な課題として捉えているところであります。 次に、3点目の社会資本の適正化に向け目指すべき姿と基本的な考え方についてでありますが、これまでも施設・設備の長寿命化を図り、できるだけ長く使うよう取り組んでおりますが、今後進展する老朽化により修繕、改修、建てかえなどへの財政負担も生じるものと見込まれますことから、施設や道路、橋梁、上水道、下水道などの状況を把握し、それぞれ施設等ごとの緊急度や優先度を勘案しながら整備してまいりたいと考えております。 次に、5点目の老朽化対策と総合計画、防災計画との関係のうち、防災計画で拠点避難所、避難場所に指定される施設の整備についてお答えします。 市の地域防災計画において、避難所など防災上必要な施設を計画的に整備することとしておりますので、拠点避難所である振興センターや、避難場所となる学校、体育館などの改修、改築について計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(川村伸浩君) 高木商工観光部長。 ◎商工観光部長(高木伸君) 2件目の社会資本の老朽化問題についての御質問にお答えいたします。 6点目の2つ目、商店街のアーケード、街路灯などの老朽化する商業施設の維持管理について行政支援を行う考えはないかとのお尋ねでありますが、商店街等が設置いたしましたアーケードなどの共同施設の補修経費や、街路灯の維持管理経費低減に向けましたLED化に係る経費につきましては、その2分の1を限度に補助金を交付し、支援を行っているところであります。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) それでは、質問を続けさせていただきます。 最初に、社会資本の老朽化対策についてからお尋ねをいたしますが、私は登壇して申し上げましたが、この社会資本の老朽化対策についてはやはり喫緊の最重要課題と認識を私はしていますが、ただいまの御答弁の内容は、私なりに整理をいたしますと、将来的な財政負担が生じることもあるので長寿命化が必要というように、いささかトーンが低いように感じられたわけであります。そもそも老朽化は地震とか津波と違いまして、じわじわとと申しますか、将来的に確実に起きるわけでありまして、今のうちに有効な対策をとらなければ市民の財産あるいは生命に危害が及ぶ可能性もあるということであります。人によっては緩やかな震災という表現をされる方もありますが、その部分では、繰り返しになりますが、財政負担的な部分を強調された答弁と思いましたが、住民の生命とか財産を守るという観点からはどのようにお考えでございましょうか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 社会資本はさまざまあるわけでございます。いずれ、それらの部分は施設の計画的な修繕とか更新あるいは改修、そういったものも進めてきたところでございますし、今後も重要な課題と捉え、計画的な改修とかあるいは改築、施設の更新を鋭意進めてまいりたいと考えておりますし、やはり日常の維持管理なりを適切に行いながら、施設もできるだけ長く使うという観点でも取り組みを進めてまいりたいと考えているところであります。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) 市長の施政方針の中には、この社会資本の老朽化対策についての言及は見られなかったわけです。それは、私としては残念です。 今総務部長にお答えいただきましたが、では、施設の長寿命化なり有効活用を進めていく上で、現在花巻市には明確な方針とか具体的な仕組み、そういったものがあまり明確には見られないと、こう私は思っておりますけれども、以前に昨年の6月の定例会でありましたが、大原健議員並びに藤井幸介議員がやはり社会資本、公共施設の維持管理について質問された際に、検討してまいるという趣旨の御答弁をされておりましたが、それ以降どのような検討をされたのか、経過も含めてお話しいただけませんでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 社会資本のあり方に対する方針でありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、まず現在ある施設を有効にかつ効果的に活用することが第1点でありますし、その一方で改修、改築が必要なものは順次整備していく、それも、やはりその施設ごとのそれぞれの緊急度なり優先度、あるいは財政状況等を勘案しながら整備をしていく方針であります。さまざまな社会資本がございますけれども、例えば上水道であるとか橋梁であるとか、それぞれの分野ごとに計画的に整備の方針を立てながら、そういった施設の状況を勘案しながら整備をしていく考えでございます。
    ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) 地方財政法の8条には、これは社会資本という表現はとっておりませんが、市有財産は常に良好な状態において維持保全しなければならないと明記されておりますから、ただいまの御答弁は法令遵守上当然の答弁でありますけれども、それをどのように具体化をしていくのかいう点で、以前の答弁でしたが、全庁的な視点での対応を検討してまいるとお答えになられているのです。 先ほどお尋ねしたのは、以前の答弁で答えられた内容についてどのように検討を重ねてきたのですかということをお聞きしたのですから、考え方ではなくて、例えば庁議で検討したとかあるいは経営会議で議題にしたとか、そういうお答えを期待しての問いでありましたが、いかがですか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) いずれこの全庁的な対応という部分につきましては、それぞれの施設ごとのさまざまな状況あるいは財政状況、そういったものも勘案しながら毎年度予算の中でお示しをし、御決定いただきたいという考え方に整理をしたところでございます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) あのですね、前に質問をしたりいろいろ指摘をしているわけですが、それらは聞き流されているだけなのですか。それとも棚上げされているだけなのですか。そういうような印象を持つわけです。議会できちんと答えているわけですから、その後に何らかの検討組織を立ち上げるとか、そういう具体な取り組みはなさらなかったということになりますか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 全庁的な共通認識の場としては、インフラごとの優先度なりということではなく、それぞれのインフラ資産がありますので、それらの部分がそれぞれの整備方針なり計画、そういうものを持っておりますので、整備するに当たっては、先ほど申し上げましたような、施設の状況なりあるいは財政状況なり、そういうものを勘案しながら整備してまいりたいと、整備していこうという形で考え方を整理したものでございます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) それぞれというお答えでございますが、昨年の藤井議員の質問に、部署ごとではなく全庁一括で管理した方が迅速な問題解決が可能となり非常にメリットが大きいと、いかがお考えでしょうかという問いに対して、総合的な管理をしていくことが必要であると考えていると藤井部長がおっしゃっています。今のお話だとそれぞれそれぞれという話ですが、総合的な管理に向けての取り組みはなかったということになりますか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 例えば公共施設でありますとか、土地、あるいは道路、橋梁、これらにつきましては、財産管理として一元的な管理を行っているところであります。 それから、その施設の活用ということにつきましては、統合後の小学校、もう学校としては活用しなくなるという部分につきましては、関係部間で協議をした上で、有効的な活用策を決定しているということで、今回御提案をいたしておりますけれども、例えば歴史民俗資料館高村光太郎記念館として活用するとか、あるいは旧小学校を振興センターとして活用するとか、全庁的に施設の有効な活用方策を協議をし、決定をして進めていくというところでございます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) どうもかみ合わないような気がしますが、私申し上げますが、答弁していただいたことについて何もしていないように感じるわけです。だからこそ、やはり計画化とか基本方針の策定が必要になると、重要になると思うのです。 それでは、市の全ての公共施設あるいはインフラ資産の劣化度の調査はすべて完了しているのでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 佐々木副市長。 ◎副市長(佐々木稔君) お答え申し上げます。 基本的に社会資本、インフラ資産、道路とか上水管とか、それから下水管、これらにつきましてはそれぞれの担当部署で、例えば下水施設の処理場などは大体10年ぐらいで業者に専門的な調査をしていただいて、直すべきところは直していく、特にも市民生活に直結している部分につきましては、そういう基本の考え方。それから、上水道も老朽管更新というような形で予算の御提案もさせていただいてございますが、それぞれの担当部署の責任の上で対応をさせていただいております。 公共施設につきましては、先ほども御答弁申し上げておりますけれども、つくり上げた時点の目的がおおむね達成されてきているような部分があったりする場合もありますので、それは全庁的にその情報を共有して、例えば今までこの部署で使っていたけれども違う部署でも必要がないかどうか、それらはしっかり情報共有、検証をした上で、全くこれから将来的にもこれは必要ないだろうというもの、それから劣化度が特に進んでいるものについては、では取り壊しをして更地にして、売却もしくは違った形で地域の方に使っていただくかと。そういうことは全庁的な取り組みはさせていただいております。 そういった意味で、劣化度という、今議員御質問の部分について、私も劣化度の例えば数値的なものとか何かがあるとすれば、それは認識がなくて今お答えできませんけれども、基本的に古くなってきて使わないものについての対応については、全庁的に検討をさせていただきながら現在進めさせていただいているという状況でございます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) それぞれの部署が責任を持ってやっていらっしゃるということですが、それは当然のことであります。その上でさらにもう一段高いステージと申しますか、それをさらに組織として全庁的に共有をしてほしいし、さらには議会にも情報を出してほしいし、さらには住民の皆さんにも知らせてほしいと、こういうことの趣旨で今回は質問申し上げております。 昨今はこの公共施設、インフラ資産の維持管理、さらにはその有効活用といった経営的な部分を強調して、ストックマネジメントとかアセットマネジメント、さらにはファシリティマネジメントと、類語ですけれども3つほど考え方があるようでありますが、いずれもやはりリサーチから始まっていると。現有施設の状況をリサーチをして、それを施設ごとに整理をして、カルテのようなものにまとめている自治体もありますが、それらを一元化して部局横断的に全庁的に情報を共有して、マネジメントをしていくというのが主流になりつつあると。 県内ではつい最近、盛岡市がアセットマネジメントの取り組みを開始したという報道がされておりますが、花巻ではまだそういう考え方には到達していないといったらいいんですか、これからそういうものに取り組むということは以前の答弁にもありましたが、ではこれからの話をしますけれども、これからアセットマネジメント的な手法を取り入れていかれるという考え方をお持ちですか。 ○議長(川村伸浩君) 大石市長。 ◎市長(大石満雄君) いわゆる社会資本の管理の考え方ということでしょうけれども、全庁的にデータを集めてそして台帳化、データベース化して、そして年次的に手を加えていくということ、これは口で言えば理想です。非常に理想的なことであります。しかし、現実の話はどこまでのレベルのデータ情報を集められるかは結構大変なことであります。建築年次ですとか耐用年数とかデータとしてざっとそろえることはできますけれども、しかしながら現実の話は、それぞれによって耐用年数どおりに全部そういう状況になっているかどうかというと、当然違うわけであります。また、一回調べてもそれからまたその状況は常に動いているという状況であります。 常にデータを更新して管理できていければ、それは理想ですけれども、一度全部集めようということで我々も内部的には取り組んでみましたけれども、当初建設したとか整備した年代と、耐用年数等と、その辺のところまでしかまずたどり着かなかったというのが現実であります。 実際、ではどのように管理しているかというと、これはやはり従来の考え方であります。それぞれの部署で、特にもある時期に集中して資産の更新の時期が来るといわれる、例えば橋ですとかそういう限定したものの計画、長寿命化計画だとかをつくって、順次計画どおりに進めるということをしております。耐震もそうです。安全性を考えれば、当然耐震は一通りやりましょうですとか。そういう観点観点で物を動かしながら対応しているというのが現状であります。 最終的には考え方とすれば、トータルで管理していけることが大事だと思います。ただ、どこかの司令塔1つの中で全体をうまく回すことができるかとなると、いろいろとやり方は考えていかなければならない。多分課題もいろいろ出てくると思います。今現在はまだそこまではいっていませんが、考え方としては、やはりトータルで状況を瞬時に見られるような体制が必要だろうと私も思っています。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) この老朽化問題に取り組むためには、出発点としてやはり客観的な情報の把握が不可欠です。数字がなくて老朽化が大変だ大変だと騒いでも、具体的には何も進まない。 さらにもう一つの理由は、数字がなければ、繰り返し申し上げますが、マネジメントができないということであります。老朽化したインフラあるいは公共施設の更新の必要性を理解できたとしても、具体的な行動に移すにはスケジュールが必要です。それを決めるための基礎情報が数字情報だということで今申し上げております。 施設の数も数ですから、それは作業が大変だということは十分わかりますが、この老朽化の問題は何も花巻市だけの問題ではなくて、全国的な問題となっていることから、東洋大学とか総務省の外郭団体ではソフトを開発して、全国の自治体に無償で提供しているそうです。2011年4月には全ての地方公共団体に送っていると。更新投資予測金額とかの推計を、全ての市町村ができるようにしているというお話ですが、このソフトは花巻市にも届いていますか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 東洋大学からのソフトにつきましては、私自身は承知していないところであります。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) そのほかにも、先ほどは施設情報というような言い方をしましたが、そういったものも、全国の政令市や複数の県が共同開発した保全情報システムでBIMMSというものがあるそうです。こういったものを有効に活用するという方法で、ぜひ早期に具体的な取り組みに着手をしてほしいと思います。 時間も大分進んでまいりましたので前に進みますけれども、施設の老朽化が進む一方で複数の新規の施設整備が計画されているようでございますが、この施設整備の優先順位と申しますか、優先劣後の基準と申しますか、基本的な考え方をもう一度御説明していただけませんでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 亀澤政策推進部長。 ◎政策推進部長(亀澤健君) 平成25年度予算案に計上されました各種新規の事業についての御質問と受けとめましたが、いわゆる花巻市の強みであるインフラを利用しまして、活性化に向けてどのようにしていったらいいのかというところの中で、賢治さんの香りするまちづくりでありますとか、図書館の整備でありますとか、そういったものに重点的な事業費配分をしたという内容でございます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) 今回の一般質問でも、同僚の議員の皆さんがいろいろな施設の問題を取り上げられておりました。カントリープラザ、ウインタースポーツ施設、小学校の校舎と跡地の問題、湯口の中学校やこどもの城と、空き家は市の財産ではありませんけれども、非常にやはりこの施設の問題というのは整備基準とか、そういうマネジメントという考え方というものをきちんとして、しっかり持っておかないと、今後非常に、言葉がちょっと何ですが、無秩序な整備になってしまいがちになるのではないかという懸念を持っております。 今回は質問として通告はしておりませんでしたが、中央振興センターが築80年ぐらいの老朽家屋へ移転をするという問題もありまして、耐震とかそういう工事も入るようですが、これから先一体何年使えるのかというような疑問もあります。この判断は、市として全体最適を考えての判断なのかと、私は非常に疑問を持っております。市民は、受益者の市民と負担者の市民と2つの顔を持っているわけです。少しの不便さえも拒絶する受益者の市民の声だけを聞いていては、やはり立ち行かなくなると。受益者の市民の方はやはり受益の立場からしか発言をしない傾向があります。 今回取り上げておりますインフラの老朽化の問題は、財政問題でもあるわけです。したがって、やはり順序として聞くべきはタックスペイヤー、税金を負担する市民の声だと思うのです。さらに申し上げれば、今は存在しないけれども将来負担をしなければならない立場になる人たちの声も、やはりきちんと拾っていかなければならないと思うのです。そういう意味で、この施設整備に関しての受益者負担と負担者市民との関係はどのようにお考えなのでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 菊池まちづくり部長。 ◎まちづくり部長(菊池保守君) まちづくりの視点からお答えをさせていただきますが、確かに市民の考えとすれば、板垣議員がおっしゃったとおり受益者の目線からの市民、それから負担者としての市民、もう1つ視点があると思うのですが、それは経営者市民と、こういうことだと思います。 何を言いたいかといいますと、負担者市民、それから受益者市民、これらの調整を図りながらしっかりと行政を運営していくという視点、いわゆる経営者市民としての視点があると思います。私どもはそういう調整を図りながら、施設整備についても市民の要望や意見を伺いながら整備してございますので、御理解をいただきたいと存じます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) いろいろ申し上げましたが、やはり大きな方向性として大切なことは、これから確実に人口減少していくという前提がありますので、それに見合った施設保有をしていくためにどのような手法で合意形成をしていくかということを、お考えいただきたいと思います。 商業関連施設への行政支援というお話を申し上げました。部長からは、LEDの関係で2分の1の補助と受けましたが、そういった金銭的な補助も重要かと思いますけれども、街路灯の問題について取り上げますが、この街路灯の問題については市政懇談会の場でも何回か御発言されている方がいらっしゃいますけれども、市に相談に乗ってもらいたいという趣旨の支援を要請していると私は捉えましたが、その相談窓口として、市の姿勢としての支援はどのようになっているのでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 高木商工観光部長。 ◎商工観光部長(高木伸君) 市政懇談会等々で取り上げられた街路灯につきましては、基本的にはかねてからさまざま御意見があるということは承知しておりますし、平成23年度に商工会議所の地域協議会と、商店街振興協同組合と、あと街路当組合、3者で改めてこの覚書を交わしたといったような状況も承知してございますので、御意見等々につきましては、商工会議所でありますとか商業振興協同組合等々を通じて、3者の中でさまざまこれまでも議論を重ねてまいりましたので、当然市も入りまして、全体としての議論を深めていくといった形の中で加わらさせていただいているところでございます。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) 花巻市のまちづくりの基本理念に、協働と参画を掲げております。いつとはっきり申し上げられませんが、あるとき市の財産ではないからというような趣旨の話をいただいたようですけれども、昨日の空き家対策の問題でも公益的な観点とか、あるいは地域の課題となりつつあるという視点がございます。これから人口減に向かう中で、住民の人たちが街路灯を維持管理していく上で、本当の意味での個人商店の設備とか施設とは違いますから、道路を通る人たちもその恩恵に浴しているわけでありますから、公益的な面は非常に高いと思っておりますけれども、そういった部分も、おわかりになっていると思いますけれども、市の財産ではないからという紋切り型ではなくてしっかりと相談に乗っていただきたいと思います。 10分しかなくなってしまいましたが、総合計画についてお尋ねをいたします。 アクションプランの関係になりますけれども、これは市長しかお答えになれないのかなと思いますが、いわゆる従前の主要事業と申しますか実施事業を、今手がけている新しい総合計画ではつくらないと、予算編成の中で判断をしていくというお話でしたが、なかなかわかりづらいのであります。もう少しそのお考えを整理してというか、私にわかるようにお話をしていただけませんか。 ○議長(川村伸浩君) 大石市長。 ◎市長(大石満雄君) 今考えているのは全体の考え方ですけれども、1つはまちづくり総合計画、新計画ですけれども、それは10年後の状況、これを設定いたしまして、そこに向かってそれを実現させていこうという計画をつくるということであります。 もう一つは長期ビジョンと中期プラン。この2つ。長期ビジョンがいわゆる今までの総合計画の目指す将来像になります。もう一つ中期プランでは約10年を3等分したぐらいの期間を今度は設定していきます。 なぜかといいますと、10年後を設定して本当に今と同じ状態で世の中が動いているのであれば、かなり確度の高い状態でそちらの方向に向かっていけるのだと思いますけれども、御案内のとおり何が起こるかわかりませんから、そういう意味では3分の1の期間ぐらい、近未来の目標ということで、中期プランを立てようということです。 ですから、長期の目標のレベル、それを3年後くらいのレベルに落としたものを目標として進みましょうという形をとって、どこまで近づくことができたかを管理をしながら向かっていくと、全体としてはそういう2つのパターンでとろうと考えています。 そのときに、全体の理想像はいろいろな言葉が組み合ってきますからちょっとわかりづらくなりますけれども、その中で、例えば仕事の分野の理想、目的とする姿はどうでしょうということを論じていただいています。さらにその仕事の中の、農業はどういう状態になっているのが、花巻市民にとってはいいのでしょうということを論じていただいています。そこに向かって進みましょうということになります。例えばやはり農業であっても自立できる農業になっていなければだめであるとか担い手もいますというような、将来なっていてほしい姿を目標に設定しております。 そこに向かっていくために何が足りないのか、何をしていけばいいのかということが施策という形で方向を示すわけです。やはり所得をもっと高くしなければならない、農業収入をもっと高くしなければならないということになってくるわけです。 もっとわかりやすい話をすると、例えば今、図書館が欲しいという話になっています。これはつきつめていけば、文化レベルの高いまちをつくりましょうという施策の一つになってくるわけです。ですから、花巻の文化レベルはこれくらいにしましょうという目標をつくって、それに向かって進んでいく。そのときに、文化会館はある、先人記念館も整備されてきた、足りないのは何かになると、図書館ということが見えてくるはずなのです。 これを、最初から、あれをやります、これをやります、それをやりますといったとしても、3年後、5年後に今後の状況がどうなっていくのかということになります。ですから、まずはその方向に向かって、文化の香り高いまちをつくるのであれば何が不足しているのか、一番大事なものをまずは最初の年度の予算にしましょうと。それが2年かかるとか3年かかるというのはそこで明らかになります。そうやって徐々に徐々にその方向に向かっていくと。そういう考え方の計画を立てたいということなのです。 私何回も申し上げておりますけれども、事業計画ではないということ。保証できませんから。今10年間の計画を10個並べて、これは5年後から、これは3年後から、これは7年後からとしたとしても、保証できないので。そうではなくて、向かう方向には、その時代時代に一番何が必要なのだろうということをしっかりと議論して事業化していく。最終的には、議会で議決をもらって進んでいくと。これを繰り返していくというような、その根拠になる計画と、御理解をしていただきたいと思います。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) 今議会の話をされましたが、我々議会はこれまでですと、計画を通じて市政をチェックしていく、PDCAサイクルを回していくという考え方だったのではないかと思います。 今も私も一生懸命聞いていましたが、なかなかやはり、計画全体のスキームと申しますか、具体的な事務の流れが見えにくいのです。カリスマ性のある市長がいるときはそれでいいんですけれども、そういうときばかりでもありませんので。今市長からも再度御説明いただきましたが、それほど揺るぎのないと申しますか強い信念、お考えがあるのであれば、ぜひその内容を私どもにもわかりやすいように条文化をして、総合計画条例として提案していただけませんか。 ○議長(川村伸浩君) 大石市長。 ◎市長(大石満雄君) 議員は規則基準とかそういうことを、非常に熱心に語られる方であると、私捉えておりますけれども、計画自体をやはり議会にお諮りしたいという思いを持っていたというのは、実はそこにあるのです。条例を設置したとしても、逆にそれだと目に見えてこないのです。やはり大事なのは、こういうまちにしていきますという目標を見える形で提案する、その時代時代に提案していくことが最も市民には大切であると思います。 条例というと何かすごいことが起きそうな気がしますけれども、条例にはやはりいろいろな条例があります。理念だけのものだとすると運用する人の問題になってくるとか、いろんなパターンがあります。ですから、私はやはり具体のものをお示ししていく。それは執行者としてただ計画をしてやっていくということではなく、やはり議会の方々に御説明申し上げて、議会の全体の理解をいただく、それがすなわち市民の理解をいただくことになりますので、そういう形で今回御提案をして進めていく、そういう手法を取らせていただいていると御理解をいただきたいと思います。 ○議長(川村伸浩君) 板垣武美君。 ◆15番(板垣武美君) 私は市長もおっしゃいましたが、原理原則と申しますか基準基準の世界でやっております。市長も地方政府花巻市という表現をとられますが、やはりこれからは政策法務能力が問われる時代になっています。そういう意味で、やはり地方分権一括法の関係で国の基準を独自に自治体でも判断していく時代でございますので、そういう意味では基準という考え方は否定できませんので、これからも基準にこだわり続けますが、それに加えて今市長がおっしゃったように十分な説明をお願いいたします。 終わります。 ○議長(川村伸浩君) 以上で板垣武美君の質問を終わります。 ここで11時15分まで休憩いたします。     午前11時1分 休憩     午前11時15分 開議 ○議長(川村伸浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、櫻井肇君。(拍手)     (櫻井 肇君登壇) ◆25番(櫻井肇君) 25番、日本共産党の櫻井肇でございます。 今定例会におきまして一般質問のお許しをいただきましたので、通告しておりました3点について順次質問を行います。 まず、2月12日発覚いたしました市職員による入札妨害事件について質問をいたします。 まず、大石市長はこの事件をどう受けとめているのか、お伺いをするものであります。この事件は、単に一職員の不祥事としてのみ捉えるのではなくて、職員の管理責任が厳しく問われることと考えますが、御見解を求めます。 私は、平成23年9月定例会の一般質問において、市営工事入札における予定価格の漏えいの疑いをただした経緯がございます。私は一般質問においてこう尋ねております。会議録から正確に引用をいたします。「何千万円もする価格に対して、円単位で価格が違うという確率が一体幾らあるのか。天文学的確率ではないのか。これはもう事前に価格がわかっているからこういうことになるのではないか。」こう質問をしております。事件を起こした業者の落札の履歴を見ますと、当時は既に価格漏えいの疑いはあったのであります。予定価格の漏えいなしとした当時の私への答弁を撤回、訂正を求めるものでありますが、明確な御答弁を願います。 次に、市営工事の設計の際の電算システムにおけるIDコードとパスワードが、10年間にわたって更新してこなかったとされていることについて、お尋ねをいたします。 私は、事件の第一報を受け取ったとき、なぜ上下水道課の職員から仮橋工事の予定価格が漏えいするのか疑問に思いました。が、相当数の担当職員がシステムに入れる状態にあったことで、その疑問が解けました。 何千万円、何億円という財政投入をする市営建設工事は、市財政すなわち市民の税を初めとする負担によって進められる事業であり、その予定価格あるいは最低制限価格には、公務員の守秘義務を持ち出すまでもなく絶対に漏えいなどあってはならないものであります。10年間システムの更新がなかったということは、システムを熟知している職員が退職者を含め何百人も存在するということになるのではないでしょうか。このことを市はどう認識しておられますか。 事件の一方の当事者である建設業者の市営工事の入札結果は、市が現在ホームページで公表している入札結果によれば、平成24年3月から平成25年1月の間に、直接の逮捕要件となった市道上町成田線豊沢橋仮橋設置工事を含め9件。その落札価格の合計は、4億3,914万2,934円となっております。この9件という件数は、期せずして最低制限価格と1円単位の差で落札された工事数と同額であります。これはきのう御答弁があった部分であります。この中には、一昨日新たに発覚した花巻公共下水道南部枝線203号及び204号工事は、入札業者数20社で落札価格7,446万8,400円。平成24年3月27日の入札日であります。1年前の入札でこういう状況でありますから、当該業者がこの1年間の落札結果は、全て価格漏えいによる不正入札の結果ではなかったのかと。こういう疑いを持たれても仕方がないと思いますが、市の見解を求めるものであります。 また、市道上町成田線豊沢橋仮橋設置工事の今後の進め方についてもお聞きいたします。事件を受けて、市は花巻市発注工事に係る不正事案調査等検討委員会を設置したとのことですが、どのような調査と検討がなされているのか、現段階でのこの委員会の状況をお伺いいたします。 次に、花巻市の新総合計画について2点お伺いいたします。 平成19年度を初年度とし平成27年度を最終年次目標とする現総合計画の見直しで、平成27年度を初年度として平成35年度までの新総合計画の策定作業が進んでおります。市民参画による花巻市総合計画市民会議が議論を重ね、このほど市長に提言を行いました。 市民会議委員の皆様には大変御苦労をおかけしたと存じますが、この提言の内容をお聞きいたします。現在の総合計画と新計画までの、いわばはざまにある来年度の市の行財政運営は、何を規範とするのかお聞かせください。地方自治法に定められている総合計画の策定下にあっても、突如この計画にない20億円の総合体育館建設が行われたことは記憶に新しいところであります。地方自治法の改定によって基本構想の策定義務がなくなったからこそ、市の行財政運営には一定の規範が必要と考えるものであります。御答弁を願います。 最後に、国の生活保護の削減に関連してお尋ねをいたします。 国においては、来年度から順次生活保護基準の大幅切り下げを行おうとしております。来年度の市の予算においては、今年度当初予算対比で700万円の削減となっております。本市における生活保護受給世帯は、平成24年11月現在739世帯となっております。生活保護基準が引き下げられた場合、受給者の92%に及ぶ影響があるという報道もありますが、花巻市においては受給者に対し、どのような影響があるとお考えでしょうか。 憲法第25条に基づく生活保護基準は、最低賃金、年金、賃金、税等の基礎となり、また就学援助制度など、およそ15項目に及ぶ制度の利用基準の目安となるもので、その改変は受給者のみならず多くの国民に影響を与え、日本弁護士連合会も引き下げ反対の会長声明を発しております。市は、生活保護受給者以外の市民への影響をどう捉えているのかお伺いして、登壇しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(川村伸浩君) 大石市長。     (市長登壇) ◎市長(大石満雄君) 櫻井肇議員の御質問にお答えいたします。 2件目の新総合計画について、まず1点目の総合計画及び市民会議における議論及び提言の内容等についてでありますけれども、市民会議の皆様にはこれまで計11回の会議を開催していただき、市民の視点に立って将来の花巻市のまちづくりのあり方と方向性について御検討いただいてきたところであり、これまでの検討結果を提言書としてまとめ、去る2月7日に提言をいただいたところです。 提言の内容といたしましては、10年後の将来都市像、まちづくりの目標と主要テーマ、まちづくりにおける市民や企業の役割の3部で構成されております。 10年後の将来都市像については、「広い世代が歴史・文化を学び、伝え、市民パワーをひとつに明日を拓き、笑顔の花が咲く温かい都市(まち)はなまき」というもので、広い世代が歴史・文化を学び、伝えるという、心豊かで生き生きとした市民が育つまち、市民の力を一つに結集する協働のまちづくりを進めるとともに将来に向かって進む強い思い、花巻の人の温かさや温泉など豊かな自然を大切にし、人々の健康を育んでいくという委員の皆さんの強い思いが込められたものとなっております。 まちづくりの目標と主要テーマにつきましては、しごと、暮らし、人づくり、そして地域づくり・行政経営の政策レベルごとまちづくり目標を設定するとともに、その目標達成に向けて実現すべき施策レベルでの目標や取り組むべき課題が挙げられております。 そして最後に、将来都市像の実現に向けて、施策レベルにおける市民や企業に期待される役割が整理された内容となっております。 一方、庁内におきましても総合計画検討部会を設置し、しごと、暮らし、人づくり、そして地域づくり・行政経営のまちづくりの分野ごとに、市民会議における検討内容を参考としながら、本市の現状分析や政策、施策それぞれの目指す姿について議論するとともに、経営会議において、計画の体系や主な取り組み内容等について検討を進めてきたところであります。 今後は、経営会議において、市民会議からの提言と総合計画検討部会での検討結果をもとに全体的な調整を図るとともに、経営会議での調整結果を市民会議に再度お示しし、御意見を伺いながら最終的な計画素案を策定してまいりたいと考えております。 次に、2点目の来年度の行政運営の規範という点でありますけれども、考え方からすれば現在の総合計画を見直しすると。それがさらに大きな社会経済動向の変化によって今現在見直しを中断しているという中で、新たな総合計画をつくっていくということでありますから、ある意味、その新たな総合計画ができるまでは、はざまとなるのではないかというような御指摘をいただいた質問でありますけれども、現在の花巻市総合計画というのは、これは決してなくなっているわけでもありませんので、これは生きておりますので。ですからそういたしますと、平成25年度の行政運営に当たり、現在の総合計画に掲げるまちづくりの基本理念を念頭に、その将来像の実現に向けて各般の施策を展開するという考え方をとっております。その目的の指標というのは、大きくずれているのだろうと思いますけれども、目指す姿というのはそう変わるものではないと思いますので。ということで、現計画に掲載している事業についても、当然それは取り組んでいくという考え方をとっております。 また、合併後10年間の財政支援措置の終了を見通して、適正な財政規模への段階的な移行に向けて、その取り組み初年度の努力目標として、前年度比5億円の減、総額430億円の予算要求フレームを設定いたしました。その上で、各部の次年度に掲げる目標、重点施策を推進するための課題を把握しながら、全ての事務事業を精査し、課題解決に向けた事業の選択と構築を行って、限られた財源の重点的かつ効果的な活用にも努めたものであります。 そのほかにつきましては、関係部長から答弁いたさせます。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 1件目の職員の入札妨害事件についての御質問にお答えいたします。 1点目の事件をどう受けとめているかとのお尋ねでありますが、行政報告で申し上げましたとおり、このような事件によって市民の信頼を損なう事態になったことを真摯に受けとめ、職員の法令遵守や倫理の保持に努めてまいりますとともに、情報管理の課題を検証し改善を図るなど業務の見直しを進め、このような事案が発生しないよう職員が一丸となって市民の皆様の信頼回復に努めてまいります。 2点目の平成23年9月定例会における一般質問で、市営工事における予定価格の漏えいを指摘した質問に対する答弁で、価格の漏えいはないとした答弁を撤回、訂正する考えはないかとのお尋ねでありますが、予定価格は適正かつ厳重な管理のもと慎重な取り扱いを徹底しておりますことから、平成23年9月の定例会では外部漏えいはないものと答弁をしたものであります。今般の、平成25年1月の入札に係る案件であります情報漏えいの疑いにつきましては、警察による捜査中でありますことから、現時点では答弁を控えさせていただきます。 3点目の電算システムのパスワードとIDについての使用者のお尋ねでありますが、現在警察による捜査中であり捜査に支障を及ぼすおそれがありますことから、公表は差し控えさせていただきたいと存じますので御理解をお願いいたします。 4点目のたかしん興業が落札したこの間の市営工事は、全て価格漏えいによるものではないかとのお尋ねでありますが、現在警察により市道上町成田線豊沢橋仮橋設置工事の捜査、そして検察庁により起訴された状況でありますので、答弁を控えさせていただきます。 5点目の市道上町成田線豊沢橋仮橋設置工事について、今後どのように進捗させるかとのお尋ねでありますが、今般の事件による契約については、現在警察による捜査中、検察庁の起訴段階でありまして、契約取り消しが法的に難しいものでありますことから、発注者と受注者の両者の合意による工事請負合意解除契約を2月26日に締結して、この契約を解除しております。今後は、工事期間について、河川管理者との再協議など関係機関とも調整しながら、工事計画の見直しを行ってまいります。 6点目の花巻市発注工事に係る不正事案調査等検討委員会において、何がどのように話し合われているのかとのお尋ねでありますが、本不正事案の事実関係に係る内部調査の実施、調査結果を踏まえた再発防止策の検討や職員の法令遵守及び倫理の保持等各部署において業務の見直しの徹底を図り、早急に課題を改善するよう取り組みを行っているところであります。 ○議長(川村伸浩君) 大竹生活福祉部長。 ◎生活福祉部長(大竹昌和君) 3件目の生活保護行政につきましての御質問にお答えします。 まず1点目の、国が示している生活保護の削減による被保護者への影響についてのお尋ねでありますが、国では社会保障審議会の生活保護基準部会での検証結果をもとに、年齢、世帯人員、地域差による影響の調整、前回見直しした平成20年度以降の物価動向を勘案し、生活扶助全体のマクロベースで7.3%を引き下げ、今年8月から3年間の経過措置を設け、見直しを段階的に行うとしております。 個々の世帯ごとのミクロベースでは、5から10%の減額となる世帯が25%、ゼロから5%の減額となる世帯は71%、ゼロから2%の増額となる世帯は3%と、国では試算しておりますが、現在のところ基準が示されておりませんので、市内の被保護者への具体的な影響について試算できていない状況であります。 次に、2点目の生活保護削減は最低賃金の引き下げ等被保護者以外にも影響をもたらすが、市はどう捉えているかとのお尋ねでありますが、最低賃金や市町村民税など他の制度への波及も報道などで懸念が論じられておりますが、国では、生活扶助基準額の見直しに伴う他の制度への影響については、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮し、できる限り影響が及ばないよう対応するとした方針を示していることから、今後その動向に注視しているところであります。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 今日は静かに質問しようと思っておったのですが、ちょっと怒りが湧いてきました。何ですか、捜査中で答弁控える。何を言っているのですか。これ全部報道されていることなのですよ。そして捜査に何も関係ないでしょう。私は議員として、この問題は捜査云々とか罪を問うとかという立場にございません。そういうことではなくて、一体どこにどういう問題があってこういうことになったのか、それを探求し市民に明らかにし、出直すと。出直ししなければならない課題であると捉えておられないのでしょうか。 大変なことなのです。この問題で、私を含め3人質問いたしました。ここまで言うつもりはなかったのですが、まだ罪状が出てくることは十分推測できるでしょう。この入札妨害の件とそれから贈収賄の件と、日にちに注目してください。贈収賄の件は去年です。そして競争入札妨害の件は、今年の1月の入札です。この1年間の端から端まであるのです。その間に、この2件を含めて9件がこの当該業者による落札なのです。他議員への答弁でも9件、円単位の差額での落札があったということになればもう推して知るべしではないですか。ですから市民は何を見ているかといえば、どこでどういう問題があるのか、専門的なことはわからなくてもどこにどういう問題があるのか全部明らかにして、間違った点は正してほしいと思っているのだと理解をしております。 それで、この調査検討委員会ではどういうところに問題があって、今後どうするかということまでは検討の対象にはなっていないわけですね、今のお話をお伺いしますと。 ○議長(川村伸浩君) 佐々木副市長。 ◎副市長(佐々木稔君) お答えいたします。 前段、議員からお叱りのお言葉をいただきました。私どもも現在は、この当該事件に関することについては、事務的な部分の欠陥とか何かは推測の段階でありまして、例えば今御質問にありました、電算処理の使い方に全く問題がなかっただろうかと、そういうことの振り返りは内部的にもさせていただいておりますが、当該事件に関することにつきましては大変申しわけございません、警察からも、現在捜査それから起訴、これから公判ということなので控えていただくようにという指摘もいただいておりますので、これはお許しをいただきたいと思ってございます。 それで御質問の調査検討委員会でございますが、私が委員長をさせていただいておりますが、基本的な考え方、目的は、再発防止につなげるために内部的に今検証を加えております。それで1つは、さきの議会でも御質問ありましたが、入札制度も含めた事務処理、これを検証して必要な改善を加えていく必要があろうと。それから、もう1つは職員の意識の問題になりますが、コンプライアンスの徹底と職員倫理の保持ということで、この2つの取り組みをしながら再発防止につなげていこうということで、現在取り組みをさせていただいております。 そういった中で、事務処理等の改善についてはすぐできるものはやろうということで、御質問にもありましたけれども、情報機器管理、これは建設、設計関係だけではなくて全庁的に、これらの使い方に問題がないだろうか。それから、紙ベースの書類それらの保管に問題はないだろうか。それから公金の管理上問題はないだろうかというような全体的な検証をして、取り組めるものについては既にそれぞれの部署で取り組みをしてございます。 具体的には、例えば私ども今1職員に1台のパソコンがありますので、そのパスワードの定期的な変更をするというような取り組みなどは、もう既に指示をして実施に移してございます。そういう形の中で、取り組めるべきものは取り組んでいきますし、それから、入札制度のようなものについてはこの前御提言もいただきました内容も含めて、現在の最低制限価格制度の取り組みでいいのか、それから従来行ってきた低入札の形がいいのか、それから総合評価の形がいいのか、そういうものも全体をとにかく含めてこれから検証を加えて、時間がかかるものもあろうかと思いますが、改善に取り組んで再発防止に努めてまいりたいと思ってございます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 少し大きな声を出しまして失礼したと思っておりますが、ただいまのこの検討委員会で検討している方向、多分私は2つの問題が今度の事件であるのではないかと思っておりますけれども、まさに今副市長が述べられたとおりの私も認識であります。つまり、入札のシステム制度がどうあればよいか、それから人事、職員の配置やあるいは倫理が一体どうあればよいのか、この2つが主に再発防止に際しては必要なのではないかと私も思っております。 この入札制度でありますが、私の所感を述べさせていただきますと、恐らく100%の完成されたシステムというのはなかなか難しいというのが実態ではないのかなと。どんな制度をもってしても、いろいろな入札の形態がありますけれども、なかなか難しいだろうなと。しかし、やはり完璧なものに近づけるという努力、これは大事であると思っております。そういう点では、最低制限価格、それから数年前から始まっております条件つき一般競争入札、私はこの制度自体が間違いだとは思っておりません。これはそれなりの根拠があることでありまして、談合防止ですとか、劣悪な工事を防ぐというような目的がありますから、これは理解をいたします。 質問の角度を変えます。一般論に近くなりますが、設計価格がわかればこれは最低制限価格が自動的にこうわかってしまうという状況なのかどうか。 この業者の仕事というのは私は門外漢でありますから、また業者から聞いたわけでもございません。が、この前からの御答弁を聞いておりますと、今コンピューターの時代ですから、恐らく工事の設計に当たっては業者もコンピューターを導入して、専門のソフトも多分あるのではないかと思うのです。工事の図書も公開していますから、非常に近い金額が入札のときに出てくるというのはわからないわけではないのですが、問題はこの逮捕された最低制限価格を漏らしたということなものですから、一体、私申し上げたようなことはどうなのでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) いわゆる最低制限価格の算出のルールといいますか、算出方法、制度的なお話ということで申し上げたいと思いますが、例えば設計額の直接工事費の額に10分の9.5を乗じて得た額と、それから共通仮設費の額に10分の9を乗じて得た額、現場管理費の額に10分の8を乗じて得た額、それから一般管理費等の額に10分の3を乗じて得た額、これらの合計額からそれぞれ予定価格の10分の7から10分の9の範囲内で定める額で、この最低制限価格が算出される仕組みになっているところであります。 今般といいますか、昨年の7月でございますけれども、最低制限価格に近接をした落札が多いという状況もございましたので、この算定をした最低制限価格をベースにいたしまして、これにある程度の調整を加えまして、最低制限価格を改める制度改正を昨年の7月に行ったところでございます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) ですから、最低制限価格に近接して入札が事実としてあったからこういう形になったわけでしょう。平成23年の9月定例会でも申し上げましたが、いくらパソコンやソフトが発達しても、円単位で違うなどということはありえないです。スーパーコンピューター使ったって無理ではないですか。そのときにはそういう兆候はあったのです。 今捜査中で答弁は控えるという、この平成23年9月定例会の私の質問に対する答弁でありますが、これは厳密に言えば確かに刑が確定しなければ、また裁判で公判で明らかにならなければまだ推測の域は出ないということはわかります。わかりますが、既にもうこのような状態になっておったということも事実なのです。これはおかしいのではないか。私のような門外漢でさえおかしいと思ったくらいですから、職員の間で、これはちょっとおかしいのではないかといったような話し合いなり協議、協議といえば大げさですが、話題になったりというようなことはなかったのでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 最低制限価格に接近した落札も見受けられるようになりましたことから、内部でもその状況なりの入札結果に基づく調査を、例えば1%以内の接近の部分で業者ごとの偏りがどうかと、あるいは設計担当者ごとの偏りはないのかというような形での調査を行ったところであります。その結果でございますが、特定の業者に偏ったというようなことは見受けられなかったところであります。 それから、また設計担当者での接近状況はどうかの調査をいたしましたけれども、いわゆる特定の職員に偏ったという結果にはならなかったということでございます。そういったような形で、私どもも調査検証はさせていただいたというところでございます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 普通であれば、民間の会社であれば、ちょっとおかしいのではないかということはすぐにいろいろ協議するのです。そういう点で、ここの部署だけに限りませんが、今職員の中でおかしい点、わからない点、こういうことがあればお互いに話し合い、あるいは補い合うというような職場環境、雰囲気になっているのでしょうか。私はそれがこのことに限らず、時折感じられます。職員同士の関係が余りよくないのではないかと思うことがたびたびございますが、そういう点もここにこういう状況としてあらわれてしまったのではないかと思っていますが、一般論でも結構ですがお聞かせください。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 職場の環境といたしまして、報告なり連絡なり相談をすると、あるいは困ったことがあったならばお互いに相談し合えると、あるいは上司からの指示を受けて部下が仕事を進める、あるいは部下が困ったことは上司に相談できる職場の環境づくりは非常に大事であると思っております。事あるごとにさまざまな機会を捉えながら、そういった職場環境の形成に努めてきていると思っているところであります。 ただ、残念ながらこのような事態が発生いたしましたことにつきましては、やはりその辺のお互いの、どのようなことがなされているかとかそういう部分で、もう一歩踏み込んでお互いによりよい職場環境づくりは必要であると考えております。今後もお互いにもっと協調して、連絡報告をしながら一体となって仕事が進められる職場環境づくりを進めてまいらなければならないと考えているところであります。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) IDコードとパスワードの問題で、これは捜査機関から余りしゃべらないようにと言われているということでありました。これは犯罪捜査でありますから、警察捜査機関に積極的に協力するのは当然のことでありますし、必要なことでありますが、この問題、先ほども言ったとおり既に報道されておりますし、それから、ただいま副市長から、パスワードの問題については変更に取り組んでいるということでございました。これからいたしますと、やはりこの報道は正しかった、10年未更新だったからこれ変更に取り組んだわけであります。 そこでお尋ねいたしますが、このIDコードあるいはパスワードの問題は、多分これ部長あるいは課長、このように10年未更新であったというようなこと、御存じなかったのではないかとも推察できるのですが、これも業務上の重大な問題でありますのであえてお聞きするところであります。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) IDコードとパスワードの部分でございます。部長なり課長なりがどういう把握をしていたのかという御質問でございますけれども、本当は議員の皆様方にこういう状況ですとお話し申し上げるべきところかと思いますけれども、捜査に非常に密接に関係する部分でございますので、大変申しわけございませんけれども、答弁は控えさせていただきたいと存じます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 私は捜査を妨害する意図も全くないわけでありまして、そう言われますとどう判断してよいのかわかりませんが、今後のことでありますが、この報道どおりIDコード及びパスワードというのが未更新であったということを事実として、前提として再度お聞きいたしますが、そもそも私の認識では、IDコードあるいはパスワードは個人に与えられるもので、共通性はないのです。私もパソコン操作する場合には設置しておりますが、家族にも伝えないわけです。そういうものです。全くのこれは個人情報で。それがこう代々職員に10年間も引き継がれてきた、これが信じられないのですね。いわば金庫は1つだけれども、鍵は例えば20人なら20人、その金庫を動かす資格があるとしても、その20の鍵のどれを使っても金庫があけられると、こういう状況になっていたということ。私ぞっとしたのは、退職した人含めてこのコードを知っているわけです。いわば誰でもシステムに入れると。こういう状況というのは一体どういうことなのかと思ったわけであります。 今後、パスワードを変更するというお話でございますが、このような状態にずっとしておくということはまさかないと思いますが、これはセキュリティの問題です。これこそ教訓を酌んで次に生かすということになるわけでございますが、そういう配慮というか、柱にしたシステムの変更がポイントになってくるかと思いますが、いかがですか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) IDコードとパスワードの管理のあり方という部分につきましては、議員が御指摘のとおりそのようにやはり管理をしていくべきものと私どもも認識をしているところであります。したがいまして、どのような状況だったのか、そういうものを把握をしながら、そしてセキュリティ管理のあり方、そういうものを確認をしながら、情報管理ができるようにセキュリティの徹底の取り組みは進めてまいっているところでございます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) システムの変更そのものはそんなに、簡単ではないのですけれども、面倒ではないのですね。一番面倒なのはいわゆる職員管理であります。それで、幾らシステムを導入してもこの業者との癒着とか何とかがあれば、そんなのはもうぶっ飛んでしまうわけです。 そこで、この事件を起こした職員についてお伺いをいたします。この職員は合併前の1つの自治体に平成17年4月1日に中途採用され、そして翌年平成18年1月1日からは新市の職員になったと、こういう事実ではないですか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) この職員の採用でございますけれども、平成17年4月1日ということで、競争試験により採用された職員でございます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 採用云々の話は皆さんの責任でもないし、わかっているわけでもないと思うのです。問題はこの職員のこの中途採用に至るいわゆる出身の問題であります。平成17年4月1日から採用ですが、その以前は建設業の業界にいた方ではございませんか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) この職員の経歴につきましては、やはり捜査に支障があるということで、答弁は申しわけありませんが控えさせていただきたいと存じます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 多分当局はそういう答弁しかできないだろうということは十分伺った上で申し上げているわけなんですが、つまり言わんとすることは、職員の立場なり出身なりというのを見きわめなければならないということなのです。今捜査中だからということで答弁できないということはわかりますが、しかし、事実として私はもう確認しているのです。見方を変えれば、これ天上がりなのです。これが今度の不正な入札の結果を招いた、そういう温床があったということになりませんか。御見解を伺います。 ○議長(川村伸浩君) 大石市長。 ◎市長(大石満雄君) かなり中身に踏み込んで、私どもも全容をとにかく早く正確に知りたいという思い、これは同じでございます。 我々が今一生懸命やっているのは、内部的にどのような危険性があるのか、どうすればそれが漏れるのかという状態、その危険性がどこにどれだけどういう形であるのかをとにかく徹底的に調べるという、そこまでしか今の段階はできません。 最終的には裁判があってその流れの中でどういう状態で漏えいしたのかが明らかになってくるはずですから、我々が今危険性を調べているのと最終的に照らし合わせて、そして我々がとろうとする対策がその部分では万全であるというものを構築した上で初めて、皆様方にお話しできます。ですから、その前の一つ一つでどういう形であったか、どういうことが想像できるのかということになりますと、お話しできません。 確かに歯がゆさはもうすごくわかりますし、何よりも同じ市政に携わっている議会の皆様方に本当に御迷惑をおかけしてしまったということ、私はこれを本当に心からおわびを申し上げたいと思っております。その中で、私どもも一生懸命今、絶対起こさないようにということで、そして詳細な調査を進めようということで取り組んでいるところであります。ですから、この件に関しましてはもう少々お時間をいただけないでしょうか。そのときにはその当時どうだった、どういう考えだった、それに対してどういう対応をとった、だけどもそれもくぐり抜けられてしまったとか、全てそれはしっかりとした事実関係をもとにお話しすることができます。 その当の職員と直接会って本当は私どももお話を聞きたい。それすらできない状態できてしまっているというようなことで、こういう事件はほかの例を見ますと全てが明らかになるには相当やはり時間がかかるようでございます。ですから、我々も歯がゆいですけれども、それも一生懸命耐えながら待っている状況でありますので、どうか明らかにできるようになった、そのときまでの時間は頂戴いたしたいと思いますし、そのときにはしっかりと全容はお話をさせていただきたいと思います。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 私もこれは結構時間がかかるだろうと思っております。 この問題を取り上げる際に当たっては、いろいろ私も私なりに全国の状況を調べてみました。例えば職員に対する処置でありますが、今回休職としたということでありますが、現段階ではそれしかないのです。最終的にはほとんど懲戒免職になっておりますが、ただ、その時期は裁判で刑が確定し全てが解決した時点で懲戒免職というのが常道といいますか、経過になっているのが全国の実例のようであります。 ですから、この点は少し注視しなければなりませんが、私は99.99%の職員は本当に真面目にやっていると現在でも認識しております。ただこういう話をしなければならないということ自体本当につらいのです。しかし、一番傷つき怒っている、そして花巻市にいるということが非常に恥ずかしいと、こんなニュース流れてという市民の声、市民の方々こそ一番傷ついているということをぜひ胸にとどめておいて、この真実とそれから今後の対応に努めていただきたいというのが願いであります。 職員に対してはそういう状況でありますが、これも少し時間がかかるかもしれませんが、職員、市民と同時に傷ついたのが真面目に入札した業者、この方々も傷ついたのです。入札が不正であった、しかし仮橋工事を除いては工事はもう大半終わっているのです。この業者に対して、もう工事は終わってしまったし、お金も払ったし、何ともこれはなりませんということだけで、果たして済まされるのかということです。 そこでお聞きしますが、こういった場合、業者に対しては賠償請求するという根拠は何かないものなのでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 今回の豊沢橋仮橋工事につきましては、いずれ刑が確定しないと法的な解除は難しいということで、双方合意による契約解除を行ったところであります。 それから、賠償でございますけれども、例えば工事請負契約が設計価格とかを不法な手段によって入手した場合には、民法の規定によりまして無効となるべき契約と解されているところでありますけれども、既に執行された、履行された、そして工事が施工されて、完成検査に合格した、そしてその工事にも何も瑕疵がなかったというような場合には損害賠償できるかは非常に難しいものと思っております。明らかに市が、工事において損害を被ったという場合には、相手方に損害賠償請求はできると考えておりますけれども、設計書のとおりの施工がなされた場合には、損害が生じたとはならないと解することができると考えているところであります。 いずれ私ども申し上げたような形での検証は行ってまいりますし、場合によっては弁護士とも相談をしながら、そういった部分の対処は相談してまいりたいと考えております。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。 ◆25番(櫻井肇君) 終わってしまったことだからということで、少しやりきれない思いがいたします。ただ、これも全容がまだわかっていない段階でありますからこれ以上は多分論じられないだろうと思いますし、私も現段階ではこれ以上のことは言えないわけであります。 新年度を迎えて新しい事業も始まるわけでありますが、こういう事件を起こした源、原因が業者に示されないといいますか、このままこのシステムなり何なりを使用したまま、パスワードの問題が先ほど出ましたが、果たしてこのまま入札できるのかとも思うわけですが、その辺のところはどうでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 佐々木副市長。 ◎副市長(佐々木稔君) 入札制度につきましても現在検証を加えさせていただきまして、改善を加えていきたいと思ってございますけれども、これが4月1日、要するに新年度すぐの入札から改善が可能かどうか、それも現段階ではまだ申し上げられる状況に至ってございません。 ただ、先ほどもお話ししましたけれども、いろいろ今まで入札制度については改善を加えてまいりました。その中で、いろいろなことを解決するために進んできたわけですが、今回こういう事件が出て、最低制限価格はダンピング制度を防止するのには相当効果があったものと思っておりますが、そこにピンポイントになるという、新しいこういうものが出てきておりますので、現段階では、やはりそれらを防ぐ方法を早急に改善を加えるべきだろうと内部的には思ってございます。4月1日からそこに持っていけるかどうかというものについては、いろんな形からこの際検証を加えさせていただきたいと思ってございますので、できるだけ早急に改善を加えていく努力をしてまいりたいと思ってございます。 ○議長(川村伸浩君) 櫻井肇君。
    ◆25番(櫻井肇君) 最後の時間であります。 この仮橋の設置工事でありますが、多分再入札ということになるだろうと思いますが、既に価格はわかっております。これは公正な入札というためには一考しなければならないのではないかと考えますが、その手当てはいかがでしょうか。 ○議長(川村伸浩君) 高橋建設部長。答弁は手短かにお願いします。 ◎建設部長(高橋穣児君) お答えいたします。 内容を精査変更をして入札になろうかと思います。 ○議長(川村伸浩君) 以上で櫻井肇君の質問を終わります。 昼食のため、午後1時まで休憩いたします。     午後0時16分 休憩     午後1時00分 開議 ○副議長(小田島邦弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 次の質問者、大原健君。(拍手)     (大原 健君登壇) ◆26番(大原健君) 26番、地域政党いわての大原健です。 ラストバッターになりました。通告に従いまして順次質問してまいります。明快な御答弁をよろしくお願いいたします。 まず初めに、花巻城本丸跡地についてです。 昨年は花巻開町の祖、北松斎公400年忌であり、市民有志の方々で顕彰事業実行委員会を立ち上げ、さまざまな事業を行いました。 8月には墓前参拝や、前花巻市博物館長梅原様の「北松斎と花巻」と題し、花巻開町の功績を紹介し、今後のまちづくりに松斎公の思いを生かすように呼びかけた講演会の実施。また、松斎公の生涯や関係する城、関連資料などを写真パネルにて展示し、偉大な業績を伝えていました。さらに、南部藩交流事業調査をし、報告書の発刊、記念誌の作成などでございました。最後の事業は11月に御台所前御門説明板を設置し、市へ寄贈いたしました。 本丸南口の御台所前御門は、藩主が使う正門の西御門に対し藩士の通用門として使われた。1600年、慶長5年には兵力が手薄な状況下、和賀・稗貫一揆軍の夜襲を受けて三の丸、二の丸まで突破されたが、当時城代北松斎の指揮で御門付近での激戦を制し、城を死守したと伝えられると、昨年11月23日の岩手日日新聞に掲載されております。また、以下のようなコメントもありました。復元された西御用御門以外に城らしい施設がなく、観光客にはわかりにくい。威容のある史跡としての整備を望むと述べておりました。それに、私が実行委員の方からお聞きしたところ、以前は東側のあずまやから石鳥谷町江曽の一里塚が見えたことや、市武徳殿側から本丸への通路の拡充が必要であると述べられておりました。 観光資源としての花巻城本丸跡地についての所見を伺います。案内板贈呈式で、市長代理の及川教育長が出席されておりましたが、史跡とあわせて維持管理に努めると申しておりましたが、今後の整備計画についてお尋ねいたします。 次は、博物館で行われました吉村作治古代七つの文明展についてです。総入場者数は12月定例会で質問された議員がおりましたので、私は小・中学生について質問いたします。市内小・中学校の特別展入館状況についてお知らせください。 大項目の3点目、教育に関してです。 1つ目はコミュニケーション能力についてです。 ある本の引用ですが、「昨今はもういささかヒステリックなほどに、どこに行ってもコミュニケーションの必要が宣伝されている。例えば、企業の人事担当者が新卒採用に当たって最も重視した能力について、25項目のうちから5項目を選んで回答するという日本経団連の経年調査では、コミュニケーション能力が9年連続トップになっている。昨年2012年では過去最高の82.6%、ここ数年は2位以下に20ポイントもの差をつけている。ちなみに語学力に関しては、ここ数年6%前後である。」とありました。社会では、企業ではコミュニケーション能力の高い人材を望んでいます。 また、子供たちに関してはコミュニケーションに対する意識が低下しているという問題があるそうです。先ほどの本のことでございますが、「小学校の高学年あるいは中学生になっても単語でしかしゃべらない子供がふえている。しゃべれないのではない。しゃべらないのだ。そもそも子供は幼児期に単語でしかしゃべらない。それが成長するにつれて、他者と出会い、単語だけでは通じないという経験を繰り返し、文というものを手に入れていく。この言語習得の過程が崩れているのではないかという危惧がある。」とありました。 学校教育としてコミュニケーション能力をどう捉えているか、対策はあるのかお尋ねいたします。 次は、学力向上策についてです。 全国学力・学習状況調査結果や岩手県学習定着度状況調査結果を見ましても、花巻市の平均としては全国から、まして岩手県平均から大きく下回っている教科もなく、かといってずば抜けていいという教科も見当たりません。 先日、ある高校の校長先生の講話を聞く機会がございました。その先生がいわく、教育立県いわての創造をつくりたいとのことでした。大学入試センター試験では全国ワースト何位に入る。しかし、分析をきちんとすれば決して落胆することではない。また、細かいデータの検討を示しまして、九州7県、東北6県の比較などから見出せる結果を述べられておりました。このお話は高等学校の話であるわけですが、やはり基礎となる小・中学校にも期待をするという内容のお話でありました。教育委員会として、どのように今後取り組むのかお伺いいたします。 第4点目、花巻まつりについてです。 昨年は花巻開町420年の記念すべき年でした。それを契機に、記念屋形山車をエセナ跡地に移設展示いたしました。移設計画から実施に関することまで携わった企業、市担当課、各種団体の皆様に改めて感謝と御礼をいたします。 祭りに関しても反省会も行ったと思われますが、その内容をお知らせください。また、山車にかかわる各地区の関係者からは、今後についての不安なども耳に入っております。費用に関すること、人的なこと、さまざま考えられるわけですが、市としてはどのように進めていくのかお知らせください。 第5点目、ファーストレスポンダー制度についてです。 ファーストレスポンダーという制度が全国で初めて石川県加賀市で始まりました。日本語で言うと一次対応者を意味する言葉です。ファーストレスポンダーは、高齢化社会を迎え救急車の出動が年々ふえる中、救急隊が到着するまでの間、訓練を受けた地域の住民が近所で急病になった人の応急手当てに当たる制度です。救急車がすぐに駆けつけることが難しい地域や山間部などで普及を図ろうと総務省、消防庁が進めているもので、加賀市塩屋町には、医療機器AEDが町内に5つ設置され、消防から出動要請があった場合には、住民自らが現場に駆けつけるということですが、市としては導入に関してどのようにお考えがあるかお尋ねいたします。 最後は、納税方法に関してです。 花巻市は以前よりコンビニ払いも行っており、収納率を上げるためのアップ策もさまざましており評価をいたしますが、ペイジー支払いの導入についてお尋ねいたします。 ペイジーとは税金や公共料金、各種料金などの支払いを、現金をわざわざ引き出して金融機関の窓口やコンビニのレジに並ぶことなく、自宅のパソコンや携帯電話、ATMからでも支払うことのできるサービスです。夜中や休日の急な支払いにも対応しており、この支払い方法を採用することができるとさらなる収納率のアップができると考えますが、所見を伺います。 以上で登壇しての質問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(小田島邦弘君) 大石市長。     (市長登壇) ◎市長(大石満雄君) 大原健議員の御質問にお答えいたします。 4件目の花巻まつりの検証について、花巻開町420年祭の反省と今後のあり方についてでありますが、花巻開町420年記念事業として実施いたしました記念屋形山車移設展示や東京ディズニーリゾートスペシャルパレード等の効果によりまして、市内外はもとより遠く県外からも多くの観光客に訪れていただき、花巻まつりの名物である絢爛豪華な風流山車とともにその魅力を広く発信できたものと捉えております。 また、まつり終了後には花巻まつり実行委員会の各部会がそれぞれ開催され、今年度の反省点や今後の課題等について整理されたところであります。その中で、少子化による稚児の確保や山車制作に係る後継者の育成、山車運行に係る資金の確保などが主な課題として取り上げられたところであります。 今後のあり方についてでありますが、まずはこれらの課題の解決に向けた取り組みを、実行委員会と連携しながら早急に進めていく必要があります。また、花巻まつりを盛り上げ、多くの観光客に喜んでいただける工夫、新たな魅力づくりといった部分につきましても、それぞれの部会で出された反省点等も踏まえながら、来年度の開催に向けた整理を早い段階から進めてまいります。 そのほかにつきましては、関係部長並びに消防本部、そして教育委員会から答弁いたさせます。 ○副議長(小田島邦弘君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 6件目の納税方法についてのペイジー支払いの検討についての御質問にお答えします。 本市では市税等の納税環境を向上するため、口座振替納付のほか、平成20年度からコンビニ納付を導入しているところであります。その利用件数は年々増加の傾向にあり、納税の利便性が向上しているものと認識しております。 ペイジー支払いにつきましては、金融機関やコンビニの窓口に並ぶことなくパソコンや携帯電話から支払うことができるため、その利便性については認識しているところでありますが、ペイジー導入には相応のシステム開発費のほか運用経費が必要となりますことから、現在岩手県内の自治体でペイジーを導入しているのは岩手県のみであり、利用が進まない状況であると伺っております。これらの状況から、導入経費と効果の面から現時点では導入は考えていないところであります。 ○副議長(小田島邦弘君) 高木商工観光部長。 ◎商工観光部長(高木伸君) 1件目の花巻城跡地についての1点目、観光施設としての所見についての御質問にお答えいたします。 本丸跡地につきましては、郷土の歴史と文化を知る上で極めて重要な史跡であり、後世への確実な保全を図るべき貴重な文化財であるとともに、北松斎公や花巻まつりなどとも深くかかわる本市における貴重な文化、観光資源と認識をいたしております。 ○副議長(小田島邦弘君) 瀬川消防長。 ◎消防本部消防長(瀬川泰正君) 5件目のファーストレスポンダー制度の導入につきましての御質問にお答えいたします。 議員御承知のとおり、ファーストレスポンダー制度とは、救急隊員が到着するまでの間、地域の人たちが応急手当てに当たる仕組みであります。 119番通報から救急車が現場到着するまで平均8分ほどの時間を要しますことから、救急車が到着するまでの間の応急手当の有無が救命率を大きく左右いたします。このことから、当市では家族や職場等身近で応急手当てができる人を育成するため応急手当講習を実施し、昨年は約4,500人の市民に受講いただいております。 応急手当てができる市民をふやすことにより、救急現場に居合わせた人による応急手当てが実施され、救命率の向上が図られます。しかしながら、救急現場に応急手当てのできる人がいない場合もあることから、その現場に地域のファーストレスポンダーを派遣できる体制を構築することは、救命率向上に有効な方法と考えられます。引き続き、応急手当てのできる人の育成を推進するとともに、地域にファーストレスポンダー制度を取り入れる方法について、国の実証実験結果を踏まえながら、今後検討してまいります。 ○副議長(小田島邦弘君) 及川教育長。     (教育長登壇) ◎教育長(及川宣夫君) まず1件目の花巻城跡地の2点目、花巻城跡地の今後の整備についてのお尋ねについてでありますけれども、花巻城跡地につきましては、平成4年から平成7年の3月までに、花巻城整備400年を記念して西御門あるいは石垣の一部などを復元しており、花巻城跡地の整備は一応その事業は終了しているものと認識しております。 今後の整備計画につきましては、残されている複数の花巻城絵図はそれぞれ異なっており、現存する資料から復元していくことは大変難しいことなどから、特段の計画は有しておらないところであります。 次に、3件目の教育に関することにつきましての御質問にお答えいたします。 まず、1点目のコミュニケーション不足対策についての御質問ですが、新学習指導要領では基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得と思考力、判断力、表現力等を育成するため、児童・生徒の発達段階を考慮した言語活動を充実することとしており、国語科のみならず各教科等において、児童・生徒がみずからの考えを説明したり、互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの言語活動を重視した学習の推進が図られておりますので、これにより、児童・生徒のコミュニケーション能力は育まれていくものと考えているところでございます。 しかし、コミュニケーション能力は学校教育だけではなくて、乳幼児期の家庭でのふれあい、あるいは保育所、幼稚園におけるいわゆる就学前の段階での育成も極めて重要であり、引き続き力を注いでまいりたいと考えております。 次に、2点目の学力向上策につきましての御質問についてでありますが、議員御指摘のとおり、全国学力・学習状況調査及び岩手県学習定着度状況調査の結果からは、花巻市の児童生徒の学力は、平均点を見る限りは年々向上しているところにありますけれども、これは各校における校内の分析それに対する改善指導及び習熟度別指導を取り入れるなどしての少人数指導など、今までの取り組みの成果の表れであろうと捉えております。 また、来年度から全国学力・学習状況調査が悉皆調査、戻りますので、今後も結果の分析をさらに充実いたしまして、一人一人の学習の定着を図るため、きめ細かな指導を行ってまいりたいと考えております。 また、並行して生活習慣のさらなる改善、とりわけ保護者あるいは関係者の理解とそして行動を得るべく、なお努力をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(小田島邦弘君) 高橋教育部長。 ◎教育委員会教育部長(高橋福子君) それでは最後になりますが、2件目の吉村作治の古代七つの文明展についての御質問にお答えいたします。 花巻市博物館の特別展として開催いたしました吉村作治の古代七つの文明展における、市内小中学校の児童・生徒の入場者数につきましてでございますが、総合的な学習の時間を活用するなどして学校単位で入場した学校数と入場者数は、19校で1,171名でございます。このうち小学校は15校で869名、中学校は4校で302名でございます。そのほかの御家族と一緒に個人で入場した児童・生徒につきましては、小・中学生全体で1,210名となっております。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) それでは再質問いたします。 それでは、花巻まつりからいきます。昨年は屋形山車をエセナ跡地に移設して展示したものですから、一般のお客様などからも県外からいらした方たちからも評判はよろしゅうございまして、おお、すごいねという話はたくさん頂戴しました。 今回の一般質問で同僚議員が質問されておりましたが、あくまでも420年祭のイベントであったのか、今後やはり私は移設していくべきだとは思っております。さまざまな計画がありますので大変なのはわかりますけれども、まず今後体育館の裏、体育館の横ではなく、できればそこに移設展示をしたほうが、観光についても非常にシンボリックなものができていいのではないかと思うわけですけれども、もう一度御見解をお願いいたします。 ○副議長(小田島邦弘君) 高木商工観光部長。 ◎商工観光部長(高木伸君) 議員がおっしゃるとおり、今の現在の位置がいいとは思ってございませんので、やはり何らかの形で有効活用できる、そういった場所なり施設なりは考えていく必要があると承知してございます。 かねて御答弁申し上げましたように、単体の施設としてあそこに置くのがいいのかとなりますと、必ずしもその効果がどうなのか、十分な検証が必要であると思っております。 繰り返しの御答弁になりますが、線的なり面的なり観光客を呼び込めるようなその仕掛けづくりを、全体的に考える必要があると考えてございますので、かといって、いつまでも検討を長引かせるわけにもまいりませんので、できる限り早急に詰めてまいりたいと考えてございます。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) やはり、そのトータル的な考えも含めて進めていくべきであると思います。 もう一点は、今までは、昨年以前はおまつり広場の大会本部は北銀さんの駐車場をお借りして、ほぼおまつり広場の真ん中で行われたわけです。最終日の打ち上げのときも、うまくきれいなレイアウトができたといったらいいでしょうか。屋形山車にあったほうは、端に寄っている感じで、打ち上げのときに山車が予定のところまで来なくて、なかなか近くに寄ることができなくて、お稚児さんたち随分かわいそうな思いというか、近くでもっと三味線を弾いたり横笛を吹いたりという、もっと大きな最終日の打ち上げを予定していたようでございましたけれども、なかなかそれがうまくいかなかったことが反省点かと私は思っております。ですからそこも含めて、最後の打ち上げの関係をもう少しうまくいく方法はないのかということは反省会には出なかったのか、お聞かせください。 ○副議長(小田島邦弘君) 高木商工観光部長。 ◎商工観光部長(高木伸君) 最終日の大手締めにつきましては、今議員御指摘のとおり、あの形がいいのかといったような御意見は頂戴いたしてございます。ただ、本部の場所としましては、今年度につきましては仮設的にステージを設けましたけれども、おまつり広場を一望できる、ちょうどTの結節点のところでございますので、場所的には私としては一番よかったと思っております。できればステージももう少し大き目にして、ステージ上で例えば獅子踊りをお見せできるとか、権現舞をお見せできるとか、ステージも活用できるような形の本部に仕上げていけば、違った格好になるのではないかと思っております。 ただ、最終日の打ち上げについては御指摘のとおり、反省点等も出されてございますので、次年度の開催に向けましてはより検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) やはりいろいろと課題が出てくるようでございますので、それを一つ一つクリアにしていかなければならないと思っております。 山車のことですけれども、ある団体は7地区合同でやっているところもありますけれども、1つの地区の団体でやっておられるところは、そのとおり少子化により、お稚児さんが4名しかいないとか、本当に逼迫した状態なようでございます。市内の小学校にお声をかけていただいて参加している子供さんたちもいらっしゃるわけですけれども、費用の面から何から大変であると、1年1年せっぱ詰まっているようでございまして、御自分たちも努力はしておるのですけれども、市では何か考えてくれないのかと、何かその辺で、得策はないのかもしれませんけれど、今後どのように、例えば今年の9月のお祭りに関してもですが、どのようにお考えかお知らせください。 ○副議長(小田島邦弘君) 高木商工観光部長。 ◎商工観光部長(高木伸君) まさに御指摘のとおりでございます。昨年の市政懇談会でも、ある地域の方から例えば太田とか笹間とか山車をつくっていない地域と山車をつくっている町内会とが地域の交流をして、相互に、例えば子供さんを地域から町場の山車を出している町内会に派遣するとか、そういった仕組みはどうかというような御提言もいただきました。 やはり個々の町内会が稚児さんを集めるのはかなりの苦労だと思いますし、ましてや山車制作に係る町内会の数の減少とかで、資金的な部分というのも確かにあるのだと思います。そういった部分で総合的に考えますと、やはり広く例えば子供を集める仕組み、これを実行委員会としてそういった何らかのシステムをつくって、お子さんが不足しているような町内会には、実行委員会が例えば取りまとめて、まとめて派遣なり斡旋ができるような、そういった仕掛けづくりが必要と思っております。特に初日は金曜日でございますので、教育委員会の協力も必要になってきますけれども、そこら辺は来年再来年という格好で延ばす形の課題ではないと思っておりましたので、先ほど市長が御答弁申しましたように、早いうちからそういった部分での協議は進めてまいりたいと考えてございます。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) お祭りに関して最後になりますけれども、実はお稚児さんを集めるのに大変なのは日曜日なのです。次の日学校があるからとか、親御さんの問題もあるのかもしれませんけれども、金曜日がいい、土曜日はもちろん集まりますけど、そういうのも含めてトータル的に、早急に今年のお祭りに向けて働きかけていただきたいと思います。 それでは、花巻城跡地でございますけれども、観光として重要なものであるという認識はあるようでございますが、確かに図面がないから復元できないことはもうわかっております。けれども、例えば武徳殿のところの盛り土は、武徳殿をつくったときの残土であったとか、もうかなりの間そのままにしてあったという認識もありましたし、法面の木が生い茂っていて大変なところもありますけれども、その辺に関してはどのようなお考えかお知らせください。 ○副議長(小田島邦弘君) 及川教育長。 ◎教育長(及川宣夫君) まず、武徳殿内の残土、盛り土ですけれども、私もしばらくぶりに行ってみたときには何の土だろうと疑問に思っていました。その西側にあった、いわゆる私たちが子供のとき三角山と言ったのですけれども、あの山がいつの間にか消えてしまっていたりして随分形状が変わったなという印象を、久しぶりに行った際に思いました。 残土につきましては、関係者の要望もありまして1月に除却するよう委託をしておりまして、3月20日過ぎには終了することになってございます。 それから見立ての問題と言いますか、景観につきましては、また建設部とも協議しながら努力できる点は努力していきたいと思っております。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) 本丸跡地の草刈りは、建設部の方々がボランティアでやってくださったりしており、すごくありがたいと思っております。法面に関しては、正式なことはわかりませんけれども、一部は私有地のために市としても手をかけられないというお話も聞いておりますので、できれば地主さんに折衝して、我々市民ができることはやっていきたいというところもありますので、そのときは市の方にもお手伝いを願いたいと思っております。 整備計画といたしましても、桝形を再現してくれとか、そういうことができないことは要望した団体も理解しているようでございます。そのとおり残土整理もしていただくということでございますので、今年はそれで良しとして、我々でやれることをやっていきながら、少しずつでは構わないのでもう少し県内外からの観光客の方に胸の張れる本丸跡地にしていかなければならないと思っておりますが、教育長どう思われますか。 ○副議長(小田島邦弘君) 及川教育長。 ◎教育長(及川宣夫君) まず、先ほどの最初の法面整備というか、草刈り等の問題につきましては、詳細を承知しておりませんでした。今調べさせて、対応できるものは対応していきたいと思っております。 全体としては、観光資源としても大事ですけれども、やはり市民から親しまれる地としてのあり方を、これから関係部と共に考えていきたいと思っていました。それから、建設部の職員には昨年、池の周辺も職員総出でやっていただきまして、それにつきましては、子供たちができるものは子供たちも一緒にやれないかということで、学校と話し合っているところでございます。いずれみんなで力を合わせて、よりいいものにしていきたいと考えております。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) 下の鳥谷ケ崎公園は、桜の時期はお花見客がいっぱいでにぎわいがありますが、上に行くと何かちょっと寂しい、上から見る桜も非常にいいのですけれども、やはり人が集まる市民の憩いの場としても考えていただきたいと思います。 それでは、古代七つの文明展についてでありますが、我々議員は10月23日北上市の議員との交流会で、高橋館長から講話をいただきました。そのときに、今回の特別展の意義の一つは文明について再考する契機にある、文明の原点ともいえる古代に触れ、数千年に及ぶ人間の営みを、特にも未来を担う子供たちにぜひ見てもらいたい、学び、考えてほしいと願っていますとありました。それで、小・中学校の方々には力を入れていただいていると思っていたら、先ほどの答弁で、全校ではなかったと。残念な結果であります。 博物館で発行しております博物館と学校の連携便り「ふくろう」というものがございますが、その中にも小学校、中学校の校数とか団体とか、数字は先ほどの数値ですけれども、文化祭などの行事で忙しかったのでしょうが、本当に見てほしかった中学生や高校生の見学が思ったより少なかったようです。各学校ごとの対応なのでしょうけれども、教育委員会としては市で行っている行事に、私3回も見に行きましたけれども、これだけの行事があったのですから、もっと強く働きかけはできなかったのかお答えください。 ○副議長(小田島邦弘君) 及川教育長。 ◎教育長(及川宣夫君) 確かに趣旨としてはそのとおりで、やはり歴史から学ぶという観点、それから文明というのはそれぞれが独立して成り立っているのではなく、つながりあってできていったということ等いろいろ考えまして、あらゆる機会を捉えて学校側には要請してきたところでございますけれども、残念ながら、秋は中学校はスポーツ面も文化面も大変忙しい時期です。学校として、大きい学校ほど学校としての統一した行動がとれなかった、むしろ中規模以下の中学校でとれたということがございます。あとは個人的な入館でなされたということで。それから、予想外であったのは、小学生の高学年の入館が結構見られた、しかも、興味深く時間をもって見ているということは博物館の職員からも伺っております。それ自体は私は、将来にわたってやはり一定の成果を得たものと思っておりますし、私自身も現場で現認をしているところでございます。 したがって、数だけ見るとそういう御指摘もあろうかと思いますけれども、私自身としては、興味ある子供たちにはしっかりと応えたものと認識しているところであります。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) 先ほどの館長の講話の中にもありましたけれども、学習として見ようとすると、全て覚えなければならないという意識があります。けれども、あのような特別展をつぶさに見て比較すると、その年代を覚えなくても違いがわかる。今、教育長まさにおっしゃったとおり、七つの文明が一つにつながっているということが時系列的に見られるのが非常にいいことです。そして、東京でもまだないような、すばらしい特別展が地元であったのですから、忙しいのはわかりますし、見ようと思えば東京に行かなければならなかったりしますので、ぜひそういう機会がまたあれば、計画等も立てていただきながらしていかなければならないと思っております。 それでは、コミュニケーション能力についてですけれども、ある工場でお昼休みに社員食堂で物を食べるのではなく、駐車場に行って自分の車に戻って、DVD等を見たり、居心地のいい環境の中で昼休みを過ごして工場に戻る人がいるという話を集まりの中でしましたならば、工場だけではなく一般の会社でも今そういう若い人たちが多いというのを聞いて愕然としました。 家庭はもちろん前々からうたわれていることでございますけれども学校での教育も必要です。新学習要綱を見ますと、国語だけを抽出しても項目がふえておりまして、今までと何か違うのかということで期待しておるわけです。 例えば30人1クラスで組がえもできないくらいの規模になりますと、その中でのコミュニケーションは限られてくるのではないかと思うのです。やはり学校は組がえができるくらいの規模がなければならないと思いますけれども、それに関してはどう思われますか。 ○副議長(小田島邦弘君) 及川教育長。 ◎教育長(及川宣夫君) 実は、クラスがえもできないというある学校の、もう既に退職された校長さんから聞いた話では、言葉が要らないと。もう子供たちの役割が決まっている。あうんの呼吸で全てができる。言葉を必要としない、しゃべらなくてもいい環境になってしまった、余りにも人数が少なくなってからと。果たしてこれでいいのだろうかという疑問の声は確かに出されております。 ただそれだけではないと思いますけれども、学習指導要領そのものでは、やはり子供に問いかける、そして子供が答える、子供間で話をするということを非常に重要視しておりますし、例えば学力向上の支援事業で実績のある外部講師をお招きしても、授業を見に行きますと、一方的な講話は誰もやっていないです。全て子供に問い、子供に考えさせる、そして子供に答えさせると。そういう授業の形態が重んじられてきているということで、やはりコミュニケーション能力の育成については、全ての面でそのように動いているのだなと認識しておるところであります。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) 先ほど登壇して質問した際に引用した本の筆者が全国を回ってみると本当にそういうところが見える、困ったというようなことを書いておるのです。 中学校に行って学習を見させていただくと、今教育長がおっしゃったとおり、一方的に先生が教えるのではなくて、グループでいろいろ作業等をしておりますけれども、花巻市の教育だけではなく、この本には、先生が教え過ぎるというところもあると、やはりそれは気をつけていかなければならないという、過保護という言い方はおかしいでしょうけれども、教え過ぎるところもあるからそういうことを少しずつ変えていきましょうというような話も書いておりますので、花巻の中学校はそんなことはないと思いますけれども、ぜひそれもお考えいただきたいと思います。 学力向上策についてですが、平均は悪いよりはいいに越したことはございませんけれども、御存じのとおりあくまでも平均でございますので、なかなか到達できない子供たちがいるのはやむを得ないとは思うのです。ある学校の広報誌を見せていただいたときに、学校だけではなく、地域で子供たちを支えるという考えから、地区の底力で学力をアップをということで、平均点の裏に潜む一人一人の現実、今子供たちに必要とされるやれることから始めたいということで、この学校では学習サポーターというものを提案しておるようです。長期休暇のときに、任意ですけれども、平均に到達できなかった子供たちを集めて、地元の退職された先生にお願いして頑張っていきたいとありまして、すばらしいことであると思っておりますけれども、そのことに関しては教育長はどのようにお考えか、お願いいたします。 ○副議長(小田島邦弘君) 及川教育長。 ◎教育長(及川宣夫君) 岩手県独自の教育振興運動におきましても、家庭で育み、学校で学び、地域で鍛えるということで、まさに地域と一体となってやっていかなければならないし、また地域の御助力は大変ありがたいことだと思います。 それから、平均点という話がちょっと出ましたけれども、まず、例えば習熟度別はかっては差別ということで、非常に批判を受けましたけれども、実は習熟度別をやって効果があらわれるのは、どちらかというとおくれがちの子供さんに成果を得られると。そして、知る喜びをわかってもらえるということで、無回答率も大幅に減少してくると。そして、学ぶことに意欲を持つということもあります。したがって少人数指導も極めて大事だと思います。 それから一方では、私は平均的人間ではなくて、やはり個を重んじた人間、個を重んじた人間というのは、個を重んじた教育というのはどちらかというと、かっては自由に勝手に気ままにという捉え方もされたのですけれども、実は私は個性を持った人間はもっと伸びる、伸ばされていいのではないかと思っております。願わくばノーベル賞がとれるような子どもが育ってほしいとも思っているところでございます。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) 次に、ファーストレスポンダー制度でございますが、今後研究、検討していくと言われますと、あと質問のしようがないと思うのですけれど。 実は、私、交通行政と申しますかそちらに携わって、二十歳のころから救命救急法の講習は受けております。いろいろな機会に更新講習も受けていますけれども、この前花巻消防署の講習を受けたならば、随分30年前とは変わってきているのです。それで、私もそのとおり知ったつもりだけではだめだということを学びました。 市として応急手当ての普及啓発状況というのも、先ほど御答弁ありましたとおり一般講習は約3,000人受けていらっしゃいますし、さまざまなコースに分かれておるわけですが、これも例えば中学校に特化して、花巻市の中学生は全部一般講習を受講するというようなお考えはないでしょうか。 ○副議長(小田島邦弘君) 瀬川消防長。 ◎消防本部消防長(瀬川泰正君) お答えいたします。 高校につきましては、9月の救急の日に講習会を開催しておりますけれども、中学校につきましても、教育委員会とタイアップしながら、今後とも考えていかなければならないと思っております。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) やはり、中学生になれば命の大切さとか、そのようなものもわかってくると思いますので、その時期にやるのもいいのではないかと思います。 一関では中学生は全員その講習をある学年で受けているというお話をお聞きしましたので、それを引用しました。 ペイジー支払いにつきましては、お恥ずかしい話ですけれども、私口座振替をしておりません。口座振替は、口座にお金があれば自動的に引き落としされますけれども、ない場合が多いのでなかなか大変なわけでございます。けれども、このペイジー支払いというのは納税者が自分の口座にお金があればそのときに払えるという、非常にいいシステムであると思ったわけですけれども、構築に経費がかかるというお話でございましたが、試算とかは出ておるのでしょうか。 ○副議長(小田島邦弘君) 藤井総務部長。 ◎総務部長(藤井廣志君) 先ほどの答弁で岩手県では導入しているというお話を申し上げました。岩手県では開発費に約2,400万円、それから、運用経費については毎年1,000万円ほどかかっているという状況をお伺いしているところでございます。 ○副議長(小田島邦弘君) 大原健君。 ◆26番(大原健君) 県レベルと市では開発料がそんなに変わらないのか、ちょっと私もわかりませんが、収納率アップには決して悪い話ではないと思います。ですので、例えば市で導入するとしたならどれぐらいの経費がかかるのか、後から試算した金額をお教え願えれば幸いでございます。 ○副議長(小田島邦弘君) 以上で大原健君の質問を終わります。 これで本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。     午後1時52分 散会...